(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085263
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】商品収納装置
(51)【国際特許分類】
G07F 11/24 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
G07F11/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199702
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩子 努
(72)【発明者】
【氏名】武井 俊樹
【テーマコード(参考)】
3E046
【Fターム(参考)】
3E046CB04
3E046CC01
3E046DA01
3E046EA13
(57)【要約】
【課題】種々の大きさの商品を収納すること。
【解決手段】商品収納通路26を内部に有する箱状の装置本体21と、商品収納通路26に沿って商品を収納するとともに搬出駆動する場合に最下流の商品を払出口212より払い出す搬出機構30とを備え、搬出機構30は、商品収納通路26の延在方向に沿って螺旋状に巻回して構成され、商品収納通路26に中心軸回りに回転可能に配置された第1スパイラル31と、第1スパイラル31の内部に、第1スパイラル31とピッチ間が等しくなる態様で第1スパイラル31の径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成され、自身の中心軸回りに回転可能に配置された第2スパイラル34を備え、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が同期して回転する場合に、第1スパイラル31及び第2スパイラル34の少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を払出口212に向けて搬出しつつ最下流の商品を払出口212より払い出す。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の長手方向に沿って延在する商品収納通路を内部に有する箱状の装置本体と、
前記装置本体の内部に設けられ、かつ前記商品収納通路に沿って商品を収納するとともに、搬出駆動する場合に最下流の商品を該装置本体に形成された払出口より払い出す搬出機構と
を備えた商品収納装置であって、
前記搬出機構は、
前記商品収納通路の延在方向に沿って螺旋状に巻回して構成され、かつ該商品収納通路に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第1スパイラルと、
前記第1スパイラルの内部に、該第1スパイラルとピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラルの径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成され、かつ前記商品収納通路に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第2スパイラルと
を備え、
前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルが同期して回転する場合に、該第1スパイラル及び該第2スパイラルの少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を前記払出口に向けて搬出しつつ前記最下流の商品を前記払出口より払い出すことを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
前記第2スパイラルは、中心軸が前記第1スパイラルの中心軸と一致する態様で配置されたことを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記第2スパイラルは、中心軸が前記第1スパイラルの中心軸から離隔する態様で配置されたことを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項4】
前記装置本体は、前記商品収納通路が上下方向に沿って延在するとともに前記払出口が下面に形成され、
前記搬出機構は、前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルが同期して回転する場合に、該第1スパイラル及び該第2スパイラルの少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を前記払出口に向けて漸次下方に搬出しつつ最下位商品を前記払出口より払い出すことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の商品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売を行う自動販売機に適用される商品収納装置が特許文献1に提案されている。この商品収納装置においては、装置本体の内部にスパイラルが設けられており、常態においてはスパイラルの各ピッチ間において商品を拘束し、スパイラルが回転する場合には各ピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬出し、装置本体の下面の払出口より最下位商品を払い出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に提案されている商品収納装置では、スパイラルの径の大きさやピッチ間の大きさが一様であるため、収納する商品の大きさが変更されると、径の大きさ等が異なる別のスパイラルへの交換を必要とし、種々の大きさの商品を収納することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、種々の大きさの商品を収納することができる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品収納装置は、自身の長手方向に沿って延在する商品収納通路を内部に有する箱状の装置本体と、前記装置本体の内部に設けられ、かつ前記商品収納通路に沿って商品を収納するとともに、搬出駆動する場合に最下流の商品を該装置本体に形成された払出口より払い出す搬出機構とを備えた商品収納装置であって、前記搬出機構は、前記商品収納通路の延在方向に沿って螺旋状に巻回して構成され、かつ該商品収納通路に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第1スパイラルと、前記第1スパイラルの内部に、該第1スパイラルとピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラルの径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成され、かつ前記商品収納通路に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第2スパイラルとを備え、前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルが同期して回転する場合に、該第1スパイラル及び該第2スパイラルの少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を前記払出口に向けて搬出しつつ前記最下流の商品を前記払出口より払い出すことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記第2スパイラルは、中心軸が前記第1スパイラルの中心軸と一致する態様で配置されたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記第2スパイラルは、中心軸が前記第1スパイラルの中心軸から離隔する態様で配置されたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記装置本体は、前記商品収納通路が上下方向に沿って延在するとともに前記払出口が下面に形成され、前記搬出機構は、前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルが同期して回転する場合に、該第1スパイラル及び該第2スパイラルの少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を前記払出口に向けて漸次下方に搬出しつつ最下位商品を前記払出口より払い出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、搬出機構が、商品収納通路の延在方向に沿って螺旋状に巻回して構成され、かつ該商品収納通路に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第1スパイラルと、第1スパイラルの内部に、該第1スパイラルとピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラルの径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成され、かつ商品収納通路に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第2スパイラルとを備え、第1スパイラル及び第2スパイラルが同期して回転する場合に、該第1スパイラル及び該第2スパイラルの少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を払出口に向けて搬出しつつ最下流の商品を払出口より払い出すので、比較的外径寸法が大きい商品を、第1スパイラルで拘束、あるいは第1スパイラル及び第2スパイラルで拘束して収納し、比較的外径寸法が小さい商品を、第2スパイラルで拘束して収納することができ、種々の大きさの商品を収納することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した商品収納装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した商品収納装置を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した商品収納装置を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、
図2~
図4に示した装置本体の要部を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図9-1】
図9-1は、
図5に示した幅規定側板(規制板)の取付例を示す正面図である。
【
図9-2】
図9-2は、
図5に示した幅規定側板(規制板)の取付例を示す正面図である。
【
図9-3】
図9-3は、
図5に示した幅規定側板(規制板)の取付例を示す正面図である。
【
図9-4】
図9-4は、
図5に示した幅規定側板(規制板)の取付例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット11、外扉12及び内扉13を備えている。
【0014】
本体キャビネット11は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって前面に開口を有した直方体状に構成されたもので、その内部に断熱構造の商品収容庫14を有している。外扉12は、本体キャビネット11の前面開口11aを覆うためのもので、本体キャビネット11の一側縁部に開閉可能に配設されている。図には明示していないが、この外扉12の前面には、ディスプレイウィンドウ、商品選択ボタン、紙幣挿通口、硬貨投入口、返却レバー、一体表示器、硬貨返却口、商品取出口121等々、商品を販売する際に必要となるものが設けられている。尚、商品取出口121は、利用者が商品を取り出すための開口であり、商品取出扉122により開閉されるものである。
【0015】
内扉13は、商品収容庫14の前面開口14aを覆うための断熱扉であり、外扉12よりも内方となる位置において本体キャビネット11の一側縁部に開閉可能に配設されている。この内扉13の下方部には、商品を商品収容庫14の外部に搬出するための商品搬出口131が設けられている。
【0016】
また上記自動販売機の商品収容庫14には、冷却ユニット15、商品収納装置20及びシュータ17が配設されている。
【0017】
冷却ユニット15は、商品収容庫14の内部雰囲気を冷却するためのもので、冷媒回路151及び送風ファン152を備えて構成されている。冷媒回路151は、蒸発器151a、圧縮機151b、凝縮器151c及び膨張機構151dを冷媒管路にて順次接続して構成されており、内部に冷媒が封入されている。
【0018】
蒸発器151aは、商品収容庫14の後方側下方部に設置されている。圧縮機151bは、本体キャビネット11における商品収容庫14の下方の機械室16に設置されている。この圧縮機151bは、図示せぬ制御部から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に蒸発器151aより冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮するものである。
【0019】
凝縮器151cは、機械室16において圧縮機151bよりも前方側に設置されている。この凝縮器151cは、圧縮機151bで圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構151dは、例えば電子膨張弁等により構成されており、凝縮器151cで凝縮した冷媒を断熱膨張させて蒸発器151aに送出するものである。
【0020】
このような冷媒回路151では、蒸発器151aに送出された冷媒と、該蒸発器151aの周囲空気との間で熱交換が行われ、該冷媒が蒸発することにより周囲空気が冷却される。
【0021】
送風ファン152は、商品収容庫14において、蒸発器151aの前方側に設置されている。この送風ファン152は、制御部から与えられる指令により回転駆動するもので、回転駆動する場合に、蒸発器151aにより冷却された空気を商品収容庫14の内部に送風するものである。そのような冷却ユニット15により、商品収容庫14の内部雰囲気を所定の温度(例えば-5℃以下の冷凍温度)に冷却して維持することができる。
【0022】
商品収納装置20は、商品を収納するものである。この商品収納装置20の詳細については後述する。シュータ17は、商品収納装置20から払い出された商品を商品搬出口131に向けて搬出するものである。このシュータ17の底部分は、出口部分に向けて左右寸法が絞られつつ漸次下方に傾斜する態様で形成されている。
【0023】
図2~
図4は、それぞれ
図1に示した商品収納装置20を示すもので、
図2及び
図3は斜視図、
図4は分解斜視図である。尚、本体キャビネット11には複数の商品収納装置20が配設されているが、いずれも同様の構成を有しているので、以下においては1つの商品収納装置20について説明するものとする。これら
図2~
図4に示すように、商品収納装置20は、装置本体21を備えている。
【0024】
装置本体21は、例えば板金等により形成され、上下方向が長手方向となる長尺箱状の形態を成している。この装置本体21は、前面に補充口211が形成され、下面に払出口212が形成されている。かかる装置本体21には、前面扉22、幅規定側板25及び搬出機構30が設けられている。
【0025】
前面扉22は、左側の前面扉(以下、左側前面扉ともいう)22Lと右側の前面扉(以下、右側前面扉ともいう)22Rとを備えて構成されている。左側前面扉22Lは、補充口211の左半分を覆うのに十分な大きさを有した扉体であり、該補充口211の左半分を開閉する態様で左端部が装置本体21に揺動可能に設けられている。
【0026】
右側前面扉22Rは、補充口211の右半分の大部分を覆うのに十分な大きさを有した扉体であり、該補充口211の右半分を開閉する態様で右端部が装置本体21に揺動可能に設けられている。この右側前面扉22Rと、補充口211の下縁部とには隙間が形成されている。
【0027】
幅規定側板25は、
図5に示すように、規定板251と弾性部材252とを備えて構成されている。幅規定側板25については、図示の方向、すなわち
図1~
図4に示した方向に沿って説明する。
【0028】
規定板251は、例えば板金等を加工して形成された板状体であり、装置本体21の側面と略同程度の大きさを有している。この規定板251は、
図6にも示すように、前端部は、上端部分と下端部分とが前方に突出する態様で形成されており、後端部は、左方に屈曲する態様で形成されている。
【0029】
そのような規定板251の前端部の下端部分には、下方に向けて突出する態様でカール状の前方係止部2511が形成されている。また規定板251の後端部の下端部分及び中間高さ部分には、一部を切り欠いて後方に突出する態様で係止片部2512が形成されている。更に規定板251の後端部の上端部分、すなわち中間高さ部分に形成された係止片部2512よりも上方側の部分には、一部を切り欠くことにより形成された舌片状部分を、後方に向けて屈曲させた後に下方に向けて屈曲させることにより係止フック部2513が形成されている。
【0030】
弾性部材252は、例えば樹脂等の軟質材料により形成されており、上下方向が長手方向となる長尺状部材である。この弾性部材252は、
図7にも示すように、基部2521と作用部2522とを有している。
【0031】
基部2521は、前後方向に沿って延在する部分である。この基部2521は、後方に向けて二股状に分岐しており、相互間に進入用間隙2521aが形成されている。また基部2521の延在端部の互いに対向する部分には、互いに近接する態様で突出する係合突起2521bが形成されている。作用部2522は、基部2521の前端部分より左方に向けて延在する板状部分である。
【0032】
そのような弾性部材252は、
図6に示したように、規定板251の前端部のうち上端部分及び下端部分を除く領域が基部2521の進入用間隙2521aに相対的に進入するようにし、自身の弾性復元力により係合突起2521bで該前端部を挟持して該規定板251に係合している。
【0033】
そのような構成を有する幅規定側板25は、次のようにして装置本体21に取り付けられる。ここで装置本体21には、
図5に示したように、後方係止孔231、挿通孔232、スリット233及び前方係止孔234が形成されている。
【0034】
後方係止孔231は、装置本体21の後面21Bにおける上方部分に4つ形成されており、上記係止フック部2513の進入を許容する大きさを有している。これら後方係止孔231は、左右方向に沿って所定間隔毎に設けられている。
【0035】
挿通孔232は、装置本体21の後面21Bにおける中間高さ部分及び下方部分に4つずつ形成されており、上記係止片部2512の進入を許容する大きさを有している。これら挿通孔232は、上下方向が長手方向となる長孔形状を成しており、下方に向かうに連れて開口幅が漸次小さくなる異形状を成している。
【0036】
装置本体21の中間高さ部分に形成された挿通孔232、並びに装置本体21の下方部分に形成された挿通孔232は、上記後方係止孔231の間隔と等しい大きさの間隔で左右方向に沿って設けられている。尚、各挿通孔232は、対応する後方係止孔231よりも僅かに右方側に設けられている。
【0037】
より詳細に説明すると、最も右方の挿通孔232(中間高さ部分に形成された最も右方の挿通孔232及び下方部分に形成された最も右方の挿通孔232)は、最も右方に形成された後方係止孔231よりも、係止フック部2513と係止片部2512との左右方向の離間距離分だけ右方側に設けられている。右方から2番目の挿通孔232(中間高さ部分に形成された右方から2番目の挿通孔232及び下方部分に形成された右方から2番目の挿通孔232)は、右方から2番目に形成された後方係止孔231よりも、係止フック部2513と係止片部2512との左右方向の離間距離分だけ右方側に設けられている。右方から3番目の挿通孔232(中間高さ部分に形成された右方から3番目の挿通孔232及び下方部分に形成された右方から3番目の挿通孔232)は、右方から3番目に形成された後方係止孔231よりも、係止フック部2513と係止片部2512との左右方向の離間距離分だけ右方側に設けられている。最も左方の挿通孔232(中間高さ部分に形成された最も左方の挿通孔232及び下方部分に形成された最も左方の挿通孔232)は、最も左方に形成された後方係止孔231よりも、係止フック部2513と係止片部2512との左右方向の離間距離分だけ右方側に設けられている。
【0038】
スリット233は、装置本体21の前面上部の右端部、すなわち補充口211の上縁部の右端部に設けられたスリット形成部241によって4つ設けられている。これらスリット233のうち、最も右方のスリット233は、スリット形成部241の右端部分と装置本体21の右側面21Rとの間に設けられている。これらスリット233は、上記後方係止孔231の間隔と等しい大きさの間隔で左右方向に沿って設けられている。
【0039】
前方係止孔234は、装置本体21の前面下部の右端部、すなわち補充口211の下縁部の右端部に4つ設けられている。これら前方係止孔234は、
図8に示すように、上下方向に延在する前面構成部242と、この前面構成部242の上端部分より後方に向けて延在する後方延在部243とに跨る態様で設けられており、前方及び上方から上記前方係止部2511の進入を許容する大きさを有している。これら前方係止孔234は、上記後方係止孔231の間隔と等しい大きさの間隔で左右方向に沿って設けられている。つまり、後方係止孔231、挿通孔232、スリット233及び前方係止孔234は、それぞれ左右方向に等しい間隔で形成されている。
【0040】
そして、
図5に示したように、係止フック部2513が後方係止孔231に前方より進入、中間高さ部分の係止片部2512が中間高さ部分の挿通孔232に前方より進入、下方部分の係止片部2512が下方部分の挿通孔232に前方より進入、並びに規定板251の前端部の上端部分がスリット233に前方より進入した後、幅規定側板25を下方に変位させることで、係止フック部2513が後方係止孔231の下縁部に係止するとともに、前方係止部2511が前方係止孔234に進入することで、幅規定側板25が装置本体21に取り付けられる。
【0041】
このような幅規定側板25は、装置本体21に取り付けられる場合に、自身と装置本体21の左側面21Lとの間にて、装置本体21の長手方向(上下方向)に沿って延在する商品収納通路26を画成するものである。
【0042】
上述したように、後方係止孔231、挿通孔232、スリット233及び前方係止孔234は、装置本体21に対して左右方向に等しい間隔で形成されているので、幅規定側板25は、
図9-1~
図9-4に示すように、左右方向に変位、すなわち装置本体21の右側面21Rに対して近接離反する態様で変位することができる。これにより幅規定側板25は、商品収納通路26の通路幅を増減することができ、通路幅を規定するものである。
【0043】
搬出機構30は、
図10に示すように、商品収納通路26に配設されており、第1スパイラル31、第2スパイラル34及びスパイラル押え部材37を備えて構成されている。
【0044】
第1スパイラル31は、金属製中空棒若しくは金属製中実棒が上下方向(商品収納通路26の延在方向)に沿って螺旋状に巻回する態様で構成されている。この第1スパイラル31は、
図11にも示すように、上端部分が円板状の第1伝達部材32に取り付けられており、より詳細には、該第1スパイラル31の中心軸が第1伝達部材32の中心軸に一致する態様で取り付けられている。
【0045】
第1伝達部材32は、装置本体21の上面に配設された駆動ユニット33に伝達軸331を介して連結されている。駆動ユニット33は、駆動ケース33aの内部に搬送駆動源であるスパイラルモータ(図示せず)を収納するものである。
【0046】
この第1伝達部材32は、
図12にも示すように、中心部分を伝達軸331に貫通された状態で、該伝達軸331と一体的に回転可能に係合している。つまり、第1伝達部材32の中心軸(第1スパイラル31の中心軸)は、伝達軸331に一致しており、回転軸を構成している。
【0047】
そのような第1スパイラル31は、各ピッチ間に商品を拘束することが可能であり、スパイラルモータが制御部からの指令により駆動する場合に、自身の中心軸回りに回転、より詳細には下方から見た場合に時計回りに回転するものである。
【0048】
よって、第1スパイラル31は、第1伝達部材32と一体的に中心軸回りに回転(下方から見て時計回りに回転)することにより、各ピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬出するとともに、最も下方のピッチ間に拘束された商品(最下位の商品)を払出口212から下方に向けて払い出すものである。
【0049】
第2スパイラル34は、金属製中空棒若しくは金属製中実棒が上下方向(商品収納通路26の延在方向)に沿って螺旋状に巻回する態様で構成されている。より詳細には、第2スパイラル34は、第1スパイラル31の内部において、該第1スパイラル31とピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラル31の径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成されている。
【0050】
この第2スパイラル34は、
図11に示したように、上端部分が円板状の第2伝達部材35に取り付けられており、より詳細には、該第2スパイラル34の中心軸が第2伝達部材35の中心軸に一致する態様で取り付けられている。
【0051】
第2伝達部材35は、第1伝達部材32よりも小径の円板状を成しており、中心軸が第1伝達部材32の中心軸よりも後方側に離隔するよう配置されている。つまり、第2スパイラル34は、中心軸が第1スパイラル31の中心軸から後方側に離隔する態様で配置されている。
【0052】
この第2伝達部材35は、
図11に示したように、中心部分を連結軸361に貫通された状態で該連結軸361と一体的に回転可能に係合している。つまり、第2伝達部材35の中心軸(第2スパイラル34の中心軸)は、連結軸361に一致しており、回転軸を構成している。
【0053】
連結軸361は、
図12に示したように、後述するベース部材39に回転可能に支持されており、
図13に示すように、第2伝達部材35に設けられたギアボックス351の内部にて連係ギア362を介して伝達軸331に連係しており、伝達軸331の回転により該伝達軸331と同方向に回転するものである。つまり、第2スパイラル34は、第1スパイラル31と同期して同方向に回転するものである。
【0054】
そのような第2スパイラル34は、各ピッチ間に商品を拘束することが可能であり、スパイラルモータが制御部からの指令により駆動する場合に、第1スパイラル31と同期して中心軸回りに回転、より詳細には下方から見た場合に時計回りに回転するものである。
【0055】
よって、第2スパイラル34は、第2伝達部材35と一体的に中心軸回りに回転(下方から見て時計回りに回転)することにより、各ピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬出するとともに、最も下方のピッチ間に拘束された商品(最下位の商品)を払出口212から下方に向けて払い出すものである。
【0056】
スパイラル押え部材37は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された上下方向が長手方向となる長尺状部材である。このようなスパイラル押え部材37は、押え基部371と、押え下端部372と、押え上端部373とが一体的に成形されて構成されている。
【0057】
押え基部371は、上下方向に沿って延在する平板状部位である。押え下端部372は、押え基部371の下端部分より後方に向けて屈曲させた後にその延在端部を下方に屈曲させた部位である。押え上端部373は、押え基部371の上端部分より前方に向けて延在した平板状部位である。この押え上端部373には、1つの上端連結孔373aが形成されている。
【0058】
このような構成を有するスパイラル押え部材37は、第2スパイラル34の内部に下方より挿入した後、押え上端部373の上端連結孔373aに連結軸361を相対的に挿入させつつ押え下端部372がベース部材39とともに装置本体21若しくは自動販売機の構成要素に下端取付ネジNにより締結されることにより、取り付けられている。
【0059】
そのようなスパイラル押え部材37は、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が同期してそれぞれの中心軸回りに回転する際に、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が前後方向、あるいは左右方向に変位等することを規制するためのものである。
【0060】
尚、上記ベース部材39は、スパイラル押え部材37と同様に、例えば板金等を屈曲加工等して形成された上下方向が長手方向となる長尺状部材である。このようなベース部材39は、前後方向に沿って延在するベース上端部391が、
図12に示すように、伝達軸331に貫通されるとともに連結軸361を回転可能に支持しており、上端部の後端部分より下方に向けて延在するベース下延部392が第1スパイラル31と装置本体21の後面21Bとの間に配置されている。
【0061】
以上のような構成を有する商品収納装置20を備えた自動販売機では、外扉12に設けられた商品選択ボタンが利用者により選択操作されるとともに、選択操作された商品に対する金銭処理がなされることにより、選択された商品を収納する商品収納装置20に対して払出指令が与えられることになる。
【0062】
そのようにして払出指令が与えられた場合、該当する商品収納装置20では、スパイラルモータが制御部からの指令に応じて駆動し、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が下方から見た場合に中心軸を中心として時計回りの方向に同期して回転する。
【0063】
このように第1スパイラル31及び第2スパイラル34が同期して回転することにより、第1スパイラル31及び第2スパイラル34の少なくとも一方の各ピッチ間に拘束される商品は下方に向けて搬出され、最も下方のピッチ間に拘束された商品は、払出口212を通じて下方に向けて払い出される。第1スパイラル31及び第2スパイラル34の少なくとも一方から商品が払い出された商品は、シュータ17に沿って搬送され、商品搬出口131より前方に搬出されて商品取出口121を通じて取り出し可能な状態となる。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施の形態である商品収納装置20によれば、搬出機構30が、商品収納通路26の延在方向に沿って螺旋状に巻回して構成され、かつ商品収納通路26に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第1スパイラル31と、第1スパイラル31の内部に、該第1スパイラル31とピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラル31の径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成され、かつ商品収納通路26に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第2スパイラル34とを備え、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が同期して回転する場合に、該第1スパイラル31及び該第2スパイラル34の少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を払出口212に向けて搬出しつつ最下位の商品を払出口212より下方に払い出すので、比較的外径寸法が大きい商品を、第1スパイラル31で拘束、あるいは第1スパイラル31及び第2スパイラル34で拘束して収納し、比較的外径寸法が小さい商品を、第2スパイラル34で拘束して収納することができ、種々の大きさの商品を収納することができる。
【0065】
このように搬出機構30が種々の大きさの商品を収納することができるので、スパイラルの交換作業を削減することができるとともに、取り外したスパイラルの設置スペースを確保することも抑制することができる。
【0066】
また上記商品収納装置20によれば、第2スパイラル34が、中心軸が第1スパイラル31の中心軸から後方に離隔する態様で配置されているので、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が同期してそれぞれの中心軸回りに回転する際に、第1スパイラル31及び第2スパイラル34が前後方向、あるいは左右方向に変位等することをスパイラル押え部材37にて規制することができ、商品の搬出及び最下位の商品の払い出しを良好に行うことができる。
【0067】
更に上記商品収納装置20によれば、商品収納通路26の幅を規定する幅規定側板25は、弾性部材252を有しているので、補充口211を通じて搬出機構30に商品を補充する場合に、
図14に示すように弾性部材252の作用部2522が弾性変形し、第1スパイラル31及び第2スパイラル34の少なくとも一方に拘束される商品を自身の弾性復元力により押圧し、拘束される商品の姿勢を保持することができる。これにより商品が搬出機構30から離脱することを抑制しつつ、良好に搬出することができる。
【0068】
図15は、
図10に示した搬出機構30の変形例を示す斜視図である。尚、上述した実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を割愛する。
【0069】
ここで例示する搬出機構40は、上記搬出機構30と同様に、商品収納通路26に配設されており、第1スパイラル41及び第2スパイラル44を備えて構成されている。
【0070】
第1スパイラル41は、金属製中空棒若しくは金属製中実棒が上下方向に沿って螺旋状に巻回する態様で構成されている。この第1スパイラル41は、
図16にも示すように、上端部分が円板状の第1伝達部材42に取り付けられており、より詳細には、該第1スパイラル41の中心軸が第1伝達部材42の中心軸に一致する態様で取り付けられている。
【0071】
第1伝達部材42は、装置本体21の上面に配設された駆動ユニット43に伝達軸431を介して連結されている。駆動ユニット43は、駆動ケース43aの内部に搬送駆動源であるスパイラルモータ(図示せず)を収納するものである。
【0072】
この第1伝達部材42は、
図17にも示すように、中心部分を伝達軸431に貫通された状態で、該伝達軸431と一体的に回転可能に係合している。つまり、第1伝達部材42の中心軸(第1スパイラル41の中心軸)は、伝達軸431に一致しており、回転軸を構成している。
【0073】
そのような第1スパイラル41は、各ピッチ間に商品を拘束することが可能であり、スパイラルモータが制御部からの指令により駆動する場合に、自身の中心軸回りに回転、より詳細には下方から見た場合に時計回りに回転するものである。
【0074】
よって、第1スパイラル41は、第1伝達部材42と一体的に中心軸回りに回転(下方から見て時計回りに回転)することにより、各ピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬出するとともに、最も下方のピッチ間に拘束された商品(最下位の商品)を払出口212から下方に向けて払い出すものである。
【0075】
第2スパイラル44は、金属製中空棒若しくは金属製中実棒が上下方向に沿って螺旋状に巻回する態様で構成されている。より詳細には、第2スパイラル44は、第1スパイラル41の内部において、該第1スパイラル41とピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラル41の径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成されている。
【0076】
この第2スパイラル44は、
図16に示したように、上端部分が円板状の第2伝達部材45に取り付けられており、より詳細には、該第2スパイラル44の中心軸が第2伝達部材45の中心軸に一致する態様で取り付けられている。
【0077】
第2伝達部材45は、第1伝達部材42よりも小径の円板状を成しており、中心部分を伝達軸431に貫通された状態で、該伝達軸431と一体的に回転可能に係合している。つまり、第2伝達部材45の中心軸(第2スパイラル44の中心軸)は、第1伝達部材42の中心軸(第1スパイラル41の中心軸)と一致しており、第2スパイラル44は、中心軸が第1スパイラル41の中心軸と一致する態様で配置されている。これにより第2スパイラル44は、第1スパイラル41と同期して同方向に回転するものである。
【0078】
そのような第2スパイラル44は、各ピッチ間に商品を拘束することが可能であり、スパイラルモータが制御部からの指令により駆動する場合に、第1スパイラル41と同期して中心軸回りに回転、より詳細には下方から見た場合に時計回りに回転するものである。
【0079】
よって、第2スパイラル44は、第2伝達部材45と一体的に中心軸回りに回転(下方から見て時計回りに回転)することにより、各ピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬出するとともに、最も下方のピッチ間に拘束された商品(最下位の商品)を払出口212から下方に向けて払い出すものである。
【0080】
尚、
図15中の符号47は、スパイラル押え部材である。スパイラル押え部材47は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された上下方向が長手方向となる長尺状部材であり、第1スパイラル41及び第2スパイラル44が同期して中心軸回りに回転する際に、第1スパイラル41が前後方向、あるいは左右方向に変位等することを規制するためのものである。
【0081】
図15に示したような搬出機構40を備えた商品収納装置20によっても、該搬出機構40が、商品収納通路26の延在方向に沿って螺旋状に巻回して構成され、かつ商品収納通路26に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第1スパイラル41と、第1スパイラル41の内部に、該第1スパイラル41とピッチ間が等しくなる態様で該第1スパイラル41の径よりも小さい径で螺旋状に巻回して構成され、かつ商品収納通路26に自身の中心軸回りに回転可能に配置された第2スパイラル44とを備え、第1スパイラル41及び第2スパイラル44が同期して回転する場合に、該第1スパイラル41及び該第2スパイラル44の少なくとも一方のピッチ間に拘束される商品を払出口212に向けて搬出しつつ最下位の商品を払出口212より下方に払い出すので、外径寸法が大きい商品を、第1スパイラル41で拘束、あるいは第1スパイラル41及び第2スパイラル44で拘束して収納し、外径寸法が小さい商品を、第2スパイラル44で拘束して収納することができ、種々の大きさの商品を収納することができる。
【0082】
このように搬出機構40が種々の大きさの商品を収納することができるので、スパイラルの交換作業を削減することができるとともに、取り外したスパイラルの設置スペースを確保することも抑制することができる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0084】
上述した実施の形態では、商品収納通路26が上下方向に沿って延在する商品収納装置20を例示したが、本発明では、商品収納通路が上下方向に沿って延在する商品収納装置に限られず、商品収納通路が前後方向に沿って延在する商品収納装置であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
20…商品収納装置、21…装置本体、211…補充口、212…払出口、22…前面扉、25…幅規定側板、251…規定板、252…弾性部材、26…商品収納通路、30…搬出機構、31…第1スパイラル、32…第1伝達部材、33…駆動ユニット、331…伝達軸、34…第2スパイラル、35…第2伝達部材、351…ギアボックス、361…連結軸、362…連係ギア、37…スパイラル押え部材、371…押え基部、372…押え下端部、373…押え上端部、39…ベース部材。