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特開2024-85290サービス提供システム、管理プログラム、及び端末プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085290
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】サービス提供システム、管理プログラム、及び端末プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240619BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20240619BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240619BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q10/02
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199748
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】520057081
【氏名又は名称】株式会社アリラ
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 陽太
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L010AA16
5L049AA03
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】空地、未利用地を活用してコスト安価に垂直離着陸飛行体の離着陸ポイントを整備することができるサービス提供システムを提供する。
【解決手段】垂直離着陸飛行体に乗せられた可搬通信端末30は、受信したGPS位置情報を現在位置情報として管理サーバ50に周期的に送信する。管理サーバ50は、管理データベースに登録された離着陸ポイントの経度、緯度、及び高度と、受信した現在位置情報に含まれる経度、緯度、及び高度とが一致或いは近似することにより、垂直離着陸飛行体の着陸及び離陸を判断する。管理サーバ50は、垂直離着陸飛行体の離着陸及び駐機時間に基づいて、離着陸ポイントの使用料金を算出して運送事業者に請求する。管理サーバ50は、運送事業者が支払った使用料金に応じた額を、離着陸ポイントが設置された土地の所有者に支払う。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続される第1通信インタフェース、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
通信アンテナ、第2通信インタフェース、及び端末コントローラを有する可搬通信端末と、を備え、
上記管理コントローラは、
垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、
上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を実行し、
上記端末コントローラは、
上記通信アンテナで受信した現在の位置情報であって、経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する位置情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記位置情報送信処理で送信された上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第1通信インタフェースを通じて受信する位置情報受信処理と、
現在の日付と一致する利用予定日、及び上記位置情報受信処理で受信した上記端末IDと一致する端末IDを有するレコードを上記管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された上記離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する判断情報取得処理と、
上記位置情報受信処理で受信した上記現在位置情報及び上記判断情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
上記垂直離着陸飛行体が離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸時刻を上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項2】
上記管理コントローラは、
離着陸設定料金及び駐機設定料金を含む設定料金と、上記ポートIDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する設定料金登録処理と、
上記離着陸時刻に基づいて駐機時間を算出する駐機時間算出処理と、
上記駐機時間が閾値時間未満か否かを判断する駐機判断処理と、
上記駐機時間が上記閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金に基づいて使用料金を算出し、上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金に基づいて使用料金を算出する料金算出処理と、を更に実行する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、運送事業者を識別する事業者IDとを対応付けて上記管理データベースに登録する端末管理処理を更に実行する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
上記利用予定登録処理は、
上記ポートID及び端末IDと、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する処理であり、
上記管理コントローラは、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記ポートID、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む予定情報を返信する予定送信処理を更に実行する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
上記基礎登録処理は、
上記ポートID及び上記離着陸ポイント位置情報と、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録する第1処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記管理データベースに登録する第2処理と、を含み、
上記管理コントローラは、
上記離着陸サイズ情報と、上記種別情報と、上記機体サイズ情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体が上記離着陸ポイントに離着陸可能であるか否かを判断する使用判断処理を更に実行する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
インターネットに接続される第1通信インタフェース、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
通信アンテナ、第2通信インタフェース、及び端末コントローラを有する可搬通信端末と、を備え、
上記管理コントローラは、
垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、
上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
利用予定日が本日の日付であるレコードを上記管理データベースにおいて特定し、特定したレコードに登録された上記ポートID、上記端末ID、及び上記離着陸ポイント位置情報を取得する情報取得処理と、
取得した上記端末IDが示す上記可搬通信端末に、取得した上記ポートIDの離着陸ポイント位置情報を判断情報として、上記第1通信インタフェースを通じて送信する判断情報送信処理と、を実行し、
上記端末コントローラは、
上記第1通信インタフェースを通じて上記判断情報を受信する判断情報受信処理と、
上記通信アンテナで受信した現在の位置情報であって、経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
上記判断情報及び上記現在位置情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸したこと或いは離着陸時刻を示す離着陸情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する離着陸情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記第1通信インタフェースを通じて上記離着陸情報を受信したことに基づいて、上記端末ID及び上記離着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項7】
インターネットに接続される第1通信インタフェース、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
通信アンテナ、第2通信インタフェース、端末コントローラ、及び高度計を有する可搬通信端末と、を備え、
上記管理コントローラは、
垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、
上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を実行し、
上記端末コントローラは、
上記通信アンテナで受信した経度及び緯度、及び上記高度計が出力した高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する位置情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記位置情報送信処理で送信された上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第1通信インタフェースを通じて受信する位置情報受信処理と、
現在の日付と一致する利用予定日、及び上記位置情報受信処理で受信した上記端末IDと一致する端末IDを有するレコードを上記管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された上記離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する判断情報取得処理と、
上記位置情報受信処理で受信した上記現在位置情報及び上記判断情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
上記垂直離着陸飛行体が離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸時刻を上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項8】
インターネットに接続される第1通信インタフェース、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
通信アンテナ、第2通信インタフェース、端末コントローラ、及び高度計を有する可搬通信端末と、を備え、
上記管理コントローラは、
垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、
上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
利用予定日が本日の日付であるレコードを上記管理データベースにおいて特定し、特定したレコードに登録された上記ポートID、上記端末ID、及び上記離着陸ポイント位置情報を取得する情報取得処理と、
取得した上記端末IDが示す上記可搬通信端末に、取得した上記ポートIDの離着陸ポイント位置情報を判断情報として、上記第1通信インタフェースを通じて送信する判断情報送信処理と、を実行し、
上記端末コントローラは、
上記第1通信インタフェースを通じて上記判断情報を受信する判断情報受信処理と、
上記通信アンテナで受信した経度及び緯度、及び上記高度計が出力した高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
上記判断情報及び上記現在位置情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸したこと或いは離着陸時刻を示す離着陸情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する離着陸情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記第1通信インタフェースを通じて上記離着陸情報を受信したことに基づいて、上記端末ID及び上記離着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理を実行する、サービス提供システム。
【請求項9】
インターネットに接続される通信インタフェース、及びコンピュータを有する管理サーバに実装される管理プログラムであって、
垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、
可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
垂直離着陸飛行体に乗せられた上記可搬通信端末が送信した現在位置情報及び端末IDであって、経度、緯度、及び高度を有する当該現在位置情報及び端末IDを、上記通信インタフェースを通じて受信する位置情報受信処理と、
現在の日付と一致する利用予定日、及び上記位置情報受信処理で受信した上記端末IDと一致する端末IDを有するレコードを上記管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された上記離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する判断情報取得処理と、
上記位置情報受信処理で受信した上記現在位置情報及び上記判断情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
上記垂直離着陸飛行体が離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸時刻を上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、上記コンピュータに実行させる、管理プログラム。
【請求項10】
通信アンテナ、通信インタフェース、端末メモリ、及びコンピュータを有する可搬通信端末に実装される端末プログラムであって、
上記通信アンテナを通じて、経度、緯度、及び高度を含む判断情報を受信する判断情報受信処理と、
上記通信アンテナで受信した現在の位置情報であって、経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
上記判断情報及び上記現在位置情報に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸したこと或いは離着陸時刻を示す離着陸情報、及び上記端末メモリに記憶された端末IDを通信インタフェースを通じて管理サーバに送信する離着陸情報送信処理と、を上記コンピュータに実行させる、端末プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直離着陸可能な飛行体の離着陸ポイントの提供に関するサービス提供システム、及び当該サービス提供システムに用いる管理プログラム及び端末プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「空飛ぶ車」や「ドローン」などの垂直離着陸飛行体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された垂直離着陸飛行体は自律制御型であり、搭載された制御プログラムによって飛行及び離着陸を自動で行う。離着陸ポイントや飛行ルートは、移動体通信網及びインターネットを通じてサーバから垂直離着陸飛行体に送信される。
【0003】
垂直離着陸飛行体は、例えば旅客や荷物の運送(運送事業)に用いられる(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された垂直離着陸飛行体は、荷物とともに車両によって宅配邸の近くまで運ばれる。荷物を乗せた垂直離着陸飛行体は、宅配邸まで飛行して荷物の配達を行う。垂直離着陸飛行体は、荷物の配達後、車両に戻る。そして、車両は、次の宅配邸の近くまで移動する。
【0004】
特許文献1に記載された上記車両は、いわゆるEVパレットと呼ばれる自動運転可能な無人の電動車両である。垂直離着陸飛行体及び当該車両は、運行管理サーバからの指示を受けて飛行或いは走行する。この運行管理サーバにより、垂直離着陸飛行体及び車両の運行を一括管理する運行管理システムが構築されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-57225号公報
【特許文献2】特開2019-131332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
垂直離着陸飛行体を用いて運送事業を行うには、多数の離着陸ポイントが必要となる。特許文献2に記載された運行管理システムでは、多数の離着陸ポイントの代わりに車両を用いている。運送事業者が離着陸ポイントを設置する土地を準備するにしても、離着陸ポイントを設置した車両を準備するにしても、多大な設備投資費用や運用コストが必要になる。
【0007】
一方で、従来、日本国内での空地や未利用地の有効活用の要請がある。
【0008】
そこで、本願発明の目的は、空地、未利用地を活用してコスト安価に垂直離着陸飛行体の離着陸ポイントを整備することができるサービス提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るサービス提供システムは、インターネットに接続される第1通信インタフェース、及び管理コントローラを有する管理サーバと、通信アンテナ、第2通信インタフェース、及び端末コントローラを有する可搬通信端末と、を備える。上記管理コントローラは、垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を実行する。上記端末コントローラは、上記通信アンテナで受信した現在の位置情報であって、経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する位置情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記位置情報送信処理で送信された上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第1通信インタフェースを通じて受信する位置情報受信処理と、現在の日付と一致する利用予定日、及び上記位置情報受信処理で受信した上記端末IDと一致する端末IDを有するレコードを上記管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された上記離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する判断情報取得処理と、上記位置情報受信処理で受信した上記現在位置情報及び上記判断情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、上記垂直離着陸飛行体が離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸時刻を上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、を実行する。
【0010】
本発明に係るサービス提供システムを運用するサービス提供者は、土地(空地)の所有者と契約を締結し、当該土地に離着陸ポイントを設置する。当該離着陸ポイントにポートIDが付され、当該ポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とが対応付けられて管理データベースに登録される。一方、サービス提供者は、垂直離着陸飛行体を所有する運送事業者と契約を締結する。運送事業者は、垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイント及び運行日(利用予定日)を含む運行予定を計画し、当該運行予定をサービス提供者に通知する。管理サーバの管理コントローラは、上記運行予定に含まれる離着陸ポイントを示すポートID及び利用予定日を管理データベースに登録する。また、サービス提供者は、契約を締結した運送事業者に対し可搬通信端末を提供する。当該可搬通信端末は、垂直離着陸飛行体に乗せられる。可搬通信端末は、経度、緯度、及び高度を含むGPS位置情報を受信する。可搬通信端末は、受信した経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報及び端末IDを送信する。送信された現在位置情報及び端末IDは、移動体通信網及びインターネットを通じて管理サーバに受信される。管理コントローラは、現在の日付と一致する利用予定日、及び受信した端末IDと一致する端末IDを有するレコードを管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する。管理コントローラは、受信した現在位置情報の緯度、経度、及び高度が、判断情報の緯度、経度、及び高度と一致或いは近似することに基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する。したがって、本発明に係るサービス提供システムは、垂直離着陸飛行体に搭載された制御プログラムや垂直離着陸飛行体の運行を管理する管理システムから垂直離着陸飛行体の離着陸に関する情報の提供を受けることなく、すなわち上記制御プログラムや管理システムにアクセスすることなく、離着陸時刻を取得することができる。その結果、空地を有効に活用して垂直離着陸飛行体が離着陸する多数の離着陸ポイントを運送事業者に提供することができ、且つ上記制御プログラムや管理システムにおける設定の追加やセキュリティの変更などを行うことなく、すなわち運送事業者のシステムに一切の変更を加えることなく、垂直離着陸飛行体の離着陸を管理することができる。
【0011】
(2) 上記管理コントローラは、離着陸設定料金及び駐機設定料金を含む設定料金と、上記ポートIDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する設定料金登録処理と、上記離着陸時刻に基づいて駐機時間を算出する駐機時間算出処理と、上記駐機時間が閾値時間未満か否かを判断する駐機判断処理と、上記駐機時間が上記閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金に基づいて使用料金を算出し、上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金に基づいて使用料金を算出する料金算出処理と、を更に実行してもよい。
【0012】
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸してから離陸するまでの時間が駐機時間として算出される。駐機時間が閾値時間未満である場合、離着陸設定料金が使用料金として算出される。駐機時間が閾値時間以上である場合、離着陸設定料金及び駐機料金が使用料金として算出される。駐機設定料金は、例えば単位時間当たりの料金であり、駐機設定料金及び駐機時間に基づいて駐機料金が算出される。
【0013】
(3) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、運送事業者を識別する事業者IDとを対応付けて上記管理データベースに登録する端末管理処理を更に実行してもよい。
【0014】
可搬通信端末は、運送事業者に貸し出されて垂直離着陸飛行体に乗せられる。貸し出された可搬通信端末の端末IDと、貸出を受けた運送事業者の事業者IDとが対応付けられて管理データベースに登録される。したがって、本発明に係るサービス提供システムは、運送事業者における垂直離着陸飛行体の追加や破棄などに即座に対応することができる。
【0015】
(4) 上記利用予定登録処理は、上記ポートID及び端末IDと、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する処理であってもよい。上記管理コントローラは、運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記ポートID、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む予定情報を返信する予定送信処理を更に実行する。
【0016】
運送事業者は、返信された予定情報を参照して離着陸ポイントを決定し、運行予定を立案する。したがって、離着陸ポイントに対して重複する2つの利用予定が登録されることが防止される。
【0017】
(5) 上記基礎登録処理は、上記ポートID及び上記離着陸ポイント位置情報と、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録する第1処理と、垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記管理データベースに登録する第2処理と、を含んでいてもよい。上記管理コントローラは、上記離着陸サイズ情報と、上記種別情報と、上記機体サイズ情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体が上記離着陸ポイントに離着陸可能であるか否かを判断する使用判断処理を更に実行する。
【0018】
管理コントローラは、離着陸サイズ情報と、種別情報と、機体サイズ情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに離着陸可能であるか否かを判断する。したがって、運送事業の安全性が確保される。
【0019】
(6) 本発明に係るサービス提供システムは、インターネットに接続される第1通信インターフェス及び管理コントローラを有する管理サーバと、通信アンテナ、第2通信インタフェース、及び端末コントローラを有する可搬通信端末と、を備える。上記管理コントローラは、垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、利用予定日が本日の日付であるレコードを上記管理データベースにおいて特定し、特定したレコードに登録された上記ポートID、上記端末ID、及び上記離着陸ポイント位置情報を取得する情報取得処理と、取得した上記端末IDが示す上記可搬通信端末に、取得した上記ポートIDの離着陸ポイント位置情報を判断情報として、上記第1通信インタフェースを通じて送信する判断情報送信処理と、を実行する。上記端末コントローラは、上記第1通信インタフェースを通じて上記判断情報を受信する判断情報受信処理と、上記通信アンテナで受信した現在の位置情報であって、経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、上記判断情報及び上記現在位置情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、
離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸したこと或いは離着陸時刻を示す離着陸情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する離着陸情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記第1通信インタフェースを通じて上記離着陸情報を受信したことに基づいて、上記端末ID及び上記離着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、を実行する。
【0020】
端末コントローラは、管理サーバから送られた判断情報の経度、緯度、及び高度と、受信アンテナで受信した位置情報の経度、緯度、及び高度とに基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断し、離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸情報を管理サーバに送信する。したがって、可搬通信端末が現在位置情報を管理サーバに送信して管理サーバで離着陸したか否かを判断する場合に比べ、可搬通信端末から管理サーバへの送信回数(通信回数)及び通信量が低減する。
【0021】
(7) 本発明に係るサービス提供システムは、インターネットに接続される第1通信インタフェース及び管理コントローラを有する管理サーバと、通信アンテナ、第2通信インタフェース、端末コントローラ、及び高度計を有する可搬通信端末と、を備える。上記管理コントローラは、垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を実行する。上記端末コントローラは、上記通信アンテナで受信した経度及び緯度、及び上記高度計が出力した高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する位置情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記位置情報送信処理で送信された上記現在位置情報及び上記端末IDを上記第1通信インタフェースを通じて受信する位置情報受信処理と、現在の日付と一致する利用予定日、及び上記位置情報受信処理で受信した上記端末IDと一致する端末IDを有するレコードを上記管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された上記離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する判断情報取得処理と、上記位置情報受信処理で受信した上記現在位置情報及び上記判断情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、上記垂直離着陸飛行体が離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸時刻を上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、を実行する。
【0022】
通信衛星が送信する位置情報に高度が含まれていない場合、或いは通信衛星が送信する位置情報に含まれる高度の精度が不十分である場合、高度を出力する高度計が可搬通信端末に搭載される。
【0023】
(8) 本発明に係るサービス提供システムは、インターネットに接続される第1通信インタフェース及び管理コントローラを有する管理サーバと、通信アンテナ、第2通信インタフェース、端末コントローラ、及び高度計を有する可搬通信端末と、を備える。上記管理コントローラは、垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、上記可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、利用予定日が本日の日付であるレコードを上記管理データベースにおいて特定し、特定したレコードに登録された上記ポートID、上記端末ID、及び上記離着陸ポイント位置情報を取得する情報取得処理と、取得した上記端末IDが示す上記可搬通信端末に、取得した上記ポートIDの離着陸ポイント位置情報を判断情報として、上記第1通信インタフェースを通じて送信する判断情報送信処理と、を実行する。上記端末コントローラは、上記第1通信インタフェースを通じて上記判断情報を受信する判断情報受信処理と、上記通信アンテナで受信した経度及び緯度、及び上記高度計が出力した高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、上記判断情報及び上記現在位置情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸したこと或いは離着陸時刻を示す離着陸情報及び上記端末IDを上記第2通信インタフェースを通じて上記管理サーバに送信する離着陸情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記第1通信インタフェースを通じて上記離着陸情報を受信したことに基づいて、上記端末ID及び上記離着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理を実行する。
【0024】
通信衛星が送信する位置情報に高度が含まれていない場合、或いは通信衛星が送信する位置情報に含まれる高度の精度が不十分である場合、高度を出力する高度計が可搬通信端末に搭載される。また、垂直離着陸飛行体の離着陸の判断は、可搬通信端末において行われてもよい。
【0025】
(9) 本発明に係る管理プログラムは、インターネットに接続される通信インタフェース及びコンピュータを有する管理サーバに実装される。本発明に係る管理プログラムは、垂直離着陸飛行体が離着陸する離着陸ポイントに付されたポートIDと、経度、緯度、及び高度を含む離着陸ポイント位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する基礎登録処理と、可搬通信端末に付された端末ID、上記ポートID、及び利用予定日を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、垂直離着陸飛行体に乗せられた上記可搬通信端末が送信した現在位置情報及び端末IDであって、経度、緯度、及び高度を有する当該現在位置情報及び端末IDを、上記通信インタフェースを通じて受信する位置情報受信処理と、現在の日付と一致する利用予定日、及び上記位置情報受信処理で受信した上記端末IDと一致する端末IDを有するレコードを上記管理データベースにおいて特定し、当該レコードに登録された上記離着陸ポイント位置情報を判断情報として取得する判断情報取得処理と、上記位置情報受信処理で受信した上記現在位置情報及び上記判断情報に基づいて、上記可搬通信端末を乗せた垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、上記垂直離着陸飛行体が離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸時刻を上記管理データベースに登録する離着陸時刻登録処理と、上記コンピュータに実行させる。
【0026】
本発明は、管理サーバに実装される管理プログラムとして捉えることもできる。
【0027】
(10) 本発明に係る端末プログラムは、通信アンテナ、通信インタフェース、及びコンピュータを有する可搬通信端末に実装される。本発明に係る端末プログラムは、上記通信アンテナを通じて、経度、緯度、及び高度を含む判断情報を受信する判断情報受信処理と、上記通信アンテナで受信した現在の位置情報であって、経度、緯度、及び高度を含む現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、上記判断情報及び上記現在位置情報に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸したか否かを判断する離着陸判断処理と、離着陸したと判断したことに基づいて、離着陸したこと或いは離着陸時刻を示す離着陸情報及び上記端末IDを通信インタフェースを通じて管理サーバに送信する離着陸情報送信処理と、を上記コンピュータに実行させる。
【0028】
本発明は、可搬通信端末に実装される端末プログラムとして捉えることもできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るサービス提供システムは、空地、未利用地を活用してコスト安価に垂直離着陸飛行体の離着陸ポイントを整備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、サービス提供システム10の構成を示す図である。
図2図2は、運行管理システム20の構成を示す図である。
図3図3は、可搬通信端末30及び管理サーバ50の機能ブロック図である。
図4図4は、基本情報管理データベース、事業者管理データベース、端末管理データベース、及び料金管理データベースを示す図である。
図5図5は、第1利用予定管理データベースを示す図である。
図6図6は、第2利用予定管理データベースを示す図である。
図7図7は、実績管理データベースを示す図である。
図8図8は、ユーザ決済管理データベースを示す図である。
図9図9は、事業者決済管理データベースを示す図である。
図10図10は、公開処理のフローチャートである。
図11図11は、運行予定登録処理のフローチャートである。
図12図12は、離着陸監視処理のフローチャートである。
図13図13は、決済処理のフローチャートである。
図14図14は、第2実施形態に係る離着陸監視処理のフローチャートである。
図15図15は、変形例2に係る可搬通信端末70の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得ることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。或いは、後述の処理の一部は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜省略され得る。
【0032】
[第1実施形態]
【0033】
図1は、本実施形態に係るサービス提供システム10を示す。
【0034】
図1が示すサービス提供システム10は、サービス提供者によって運用される。サービス提供者は、サービス提供システム10を用いて、土地所有者及び運送事業者の双方にサービスを提供する。運送事業者とは、垂直離着陸飛行体11を用いて旅客や荷物を運送する事業を行う者を意味する。土地所有者とは、垂直離着陸飛行体11が離着陸する離着陸ポイント13が設置された土地を所有する者を意味する。
【0035】
サービス提供者は、土地所有者の土地に離着陸ポイント13を設置して当該土地の運用を行うサービスを土地所有者に提供し、離着陸ポイント13の提供サービスを運送事業者に提供する。サービス提供システム10は、複数の土地所有者と、複数の運送事業者とを仲介するシステムである。
【0036】
図2は、運送事業者が運用する運行管理システム20を示す。
【0037】
運行管理システム20は、垂直離着陸飛行体11の運行管理を行うシステムである。運行管理システム20は、サービス提供システム10(図1参照)と関わりなく運用されるシステムである。
【0038】
運行管理システム20は、複数台の垂直離着陸飛行体11及び運行管理サーバ21を備える。なお、図2では、1台の垂直離着陸飛行体11のみが示され、他の垂直離着陸飛行体11の図示が省略されている。
【0039】
垂直離着陸飛行体11は、垂直上昇及び垂直下降が可能な飛行体を意味する。典型的には、垂直離着陸飛行体11は、浮力を生じさせるロータを備えた飛行体である。もっとも、垂直離着陸飛行体11は、垂直離着陸が可能であり、且つ旅客或いは荷物を運送可能であれば、どのような飛行方式を採用していてもよい。
【0040】
垂直離着陸飛行体11は、ロータを駆動させるバッテリ12を搭載している。すなわち、垂直離着陸飛行体11は、電力で駆動する、いわゆるEVモビリティである。もっとも、垂直離着陸飛行体11の動力源は、電力以外であってもよい。
【0041】
垂直離着陸飛行体11は、飛行制御ユニット22及び不図示の通信アンテナを搭載している。通信アンテナは、通信衛星17が送信したGPS(GNSS)位置情報を受信する。飛行制御ユニット22は、現在の位置を示すGPS位置情報と、目的地である離着陸ポイント13の位置情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体11の各部の駆動制御量を決定し、垂直離着陸飛行体11を目的地まで飛行させる。また、飛行制御ユニット22は、垂直離着陸飛行体11が目的地に着陸或いは離陸するように上記駆動制御量を決定する。すなわち、垂直離着陸飛行体11は、飛行及び離着陸を自動で行う自律制御型であり、操縦者を必要としない飛行体である。もっとも、垂直離着陸飛行体11は、緊急時の着陸など、一部の操縦のみを行う補助的な操縦者の搭乗を許容してもよい。すなわち、垂直離着陸飛行体11は、いわゆる完全自動制御型であってもよいし、いわゆる半自動制御型であってもよい。
【0042】
運行管理サーバ21は、インターネット14と、移動体通信網15の基地局16とを通じて、垂直離着陸飛行体11と相互に通信を行う。運行管理サーバ21は、目的地の位置情報などの情報を垂直離着陸飛行体11に送信する。また、運行管理サーバ21は、垂直離着陸飛行体11が送信した現在位置情報(GPS位置情報)、或いは離着陸を行ったことを示す離着陸情報を受信する。運行管理サーバ21は、受信した情報に基づいて、垂直離着陸飛行体11の飛行ルート、目的地への到着時刻、及び目的地からの離陸時刻を、データベース等に登録する。すなわち、運行管理サーバ21は、垂直離着陸飛行体11の運行管理を行う。
【0043】
図1が示すように、サービス提供システム10は、複数の可搬通信端末30及び管理サーバ50を備える。
【0044】
可搬通信端末30は、サービス提供者から運送事業者に提供される。当該提供には、貸与、無償提供、及び有償提供が含まれる。提供される可搬通信端末30の個数は、運送事業者が所有する垂直離着陸飛行体11の台数に応じた個数とされる。典型的には、可搬通信端末30は、運送事業者が所有する垂直離着陸飛行体11の台数と同数だけ運送事業者に提供される。もっとも、可搬通信端末30の故障等を考慮して、予備となる可搬通信端末30が追加で運送事業者に提供されてもよい。運送事業者は、提供された可搬通信端末30を、各垂直離着陸飛行体11にそれぞれ乗せる。なお、図1では、1台の垂直離着陸飛行体11のみが示され、他の垂直離着陸飛行体11の図示が省略されている。
【0045】
端末IDが可搬通信端末30に付されている。端末IDは、可搬通信端末30を個々に識別する識別情報である。端末IDは、運送事業者を個々に識別する事業者IDと端末管理データベース(図4参照)において対応付けられている。すなわち、運送事業者と、運送事業者に提供された可搬通信端末30とが対応付けて管理されている。
【0046】
運送事業者は、垂直離着陸飛行体11の機体番号と、垂直離着陸飛行体11に乗せる可搬通信端末30の端末IDとの対応関係を、サービス提供者に通知する。当該通知は、運送事業者が運用する事業者サーバ18(図2参照)から管理サーバ50への送信によって行われてもよいし、Eメールを用いての通知であってもよいし、FAXによる通知であってもよい。上記機体番号は、端末IDと対応付けて端末管理データベース(図4参照)に登録される。すなわち、垂直離着陸飛行体11と、垂直離着陸飛行体11に搭載される可搬通信端末30とが対応付けて管理されている。
【0047】
可搬通信端末30は、通信衛星17が送信したGPS(GNSS)位置情報を受信し、受信したGPS位置情報を、移動体通信網15の基地局16及びインターネット14を介して管理サーバ50に送信する。可搬通信端末30は垂直離着陸飛行体11に乗せられるから、可搬通信端末30が管理サーバ50に送信するGPS位置情報は、垂直離着陸飛行体11の位置を示す。すなわち、管理サーバ50は、可搬通信端末30を介して、垂直離着陸飛行体11の位置を取得する。
【0048】
GPS(GNSS)位置情報は、経度、緯度、及び高度を含む。すなわち、管理サーバ50は、垂直離着陸飛行体11の現在の経度、緯度、及び高度を取得する。
【0049】
図3は、可搬通信端末30及び管理サーバ50の機能ブロック図である。
【0050】
可搬通信端末30は、端末コントローラ31、通信インタフェース32、通信アンテナ33、バッテリ34、電源回路35、及び筐体36を備える。端末コントローラ31、通信インタフェース32、通信アンテナ33、バッテリ34、電源回路35は、筐体36内に配置されている。通信インタフェース32は、特許請求の範囲に記載された「第2通信インタフェース」に相当する。
【0051】
筐体36は、どのような材質であってもよい。もっとも、通信アンテナ33が電波の送受信を行うから、筐体36の少なくとも一部は、電波を透過させる樹脂製であることが望ましい。また、筐体36は、環状、矩形状、楕円球状など、種々の形状であってもよい。
【0052】
端末コントローラ31は、中央演算処理装置であるCPU41及び端末メモリ42を備える。
【0053】
端末メモリ42は、オペレーティングシステムであるOS43と、端末プログラム44と、端末IDと、サーバアドレスとを予め記憶する。OS43及び端末プログラム44は、CPU41によって実行される。サーバアドレスは、管理サーバ50のグローバルIPアドレスであってもよいし、当該グローバルIPアドレスを含むURLなどであってもよい。
【0054】
通信インタフェース32は、通信アンテナ33が受信した電波(GPS位置情報)を端末コントローラ31に入力可能なデータ形式に変換し、端末コントローラ31が出力した現在位置情報を通信アンテナ33から送信可能な伝送データに変換する回路である。通信インタフェース32は、例えばICである。
【0055】
可搬通信端末30は、通信インタフェース32及び通信アンテナ33を通じて、GPS位置情報を取得する。また、可搬通信端末30は、通信インタフェース32、通信アンテナ33、移動体通信網15の基地局16、及びインターネット14を通じて、GPS位置情報などの情報を管理サーバ50に送信する。
【0056】
バッテリ34は、例えば充放電可能な2次電池である。例えば、電極と非接触で充電可能なバッテリ34が用いられる。バッテリ34は、例えば5Vや10Vなどの所定の電圧値の直流電圧を出力する。
【0057】
電源回路35は、バッテリ34が出力した直流電圧を3.3Vや5Vなどの所定の電圧値に変換且つ安定化させて出力するDC-DCコンバータである。電源回路35は、例えば電源ICなどが用いられる。
【0058】
図1に破線で示された高度計37については、変形例1において説明がされる。
【0059】
管理サーバ50は、いわゆるWEBサーバであって、インターネット14に接続されている。管理サーバ50は、サービス提供者が所持するサーバであってもよいし、いわゆるレンタルサーバであって、サービス提供者が使用を許諾されたサーバであってもよい。
【0060】
管理サーバ50は、管理コントローラ51と、インターネット14に接続された通信インタフェース52と、を備える。通信インタフェース52は、受信した情報(伝送データ)のデータ形式を、管理コントローラ51に入力可能な形式のデータに変換し、管理コントローラ51が出力した情報を、インターネット14を通じて送信可能な形式の伝送データに変換する回路である。通信インタフェース52は、例えばICである。通信インタフェース52は、特許請求の範囲に記載された「第1通信インタフェース」に相当する。
【0061】
管理コントローラ51は、中央演算処理装置であるCPU61及びメモリ62を備える。
【0062】
メモリ62は、オペレーティングシステムであるOS63と、管理プログラム64と、管理データベースと、を備える。なお、図面では、「データベース」は「DB」と省略して記載されている。
【0063】
図4から図9は、管理データベースを示す図である。図4は、管理データベースの一部である基本情報管理データベースと、事業者管理データベースと、端末管理データベースと、料金管理データベースとを示す。図5は、管理データベースの一部である第1利用予定管理データベースを示す。図6は、管理データベースの一部である第2利用予定管理データベースを示す。図7は、管理データベースの一部である実績管理データベースを示す。図8は、管理データベースの一部であるユーザ決算管理データベースを示す。図9は、管理データベースの一部である事業者決算管理データベースを示す。
【0064】
図4に示される基本情報管理データベースは、土地所有者(ユーザ)に関する情報と、当該土地所有者が所有する土地に設置された離着陸ポイント13(図1参照)に関する情報とを管理するためのデータベースである。
【0065】
基本情報管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0066】
項目名「ユーザID」、「氏名」、「居所」、「メールアドレス」、「離着陸ポイント情報」、「設定料金番号」、及び「ユーザ決済情報」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「ユーザID」、「氏名」、「居所」、「メールアドレス」、「離着陸ポイント情報」、「設定料金番号」、及び「ユーザ決済情報」が、管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0067】
項目名「ユーザID」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者を個々に識別する識別情報であるユーザIDが登録される。基本情報管理データベースに登録される各レコードは、ユーザIDによって個々に識別される。ユーザIDは、サービス提供者と土地所有者との間で契約が締結された後、サービス提供者によって管理サーバ50に入力され、或いは管理コントローラ51によって生成され、管理データベースに登録される。当該入力には、例えば、サービス提供者による直接入力の他、サービス提供者が所持する通信端末から管理サーバ50への送信も含まれる。
【0068】
項目名「氏名」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者の姓及び名が登録される。
【0069】
項目名「居所」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者が居住する場所の住所が登録される。
【0070】
項目名「メールアドレス」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者のEメールアドレスが登録される。
【0071】
項目名「離着陸ポイント情報」が付されたカラムは、項目名「ポートID」、「駐機可能数」、「着陸帯情報」、「種別情報」、「上限重量」、「位置情報」、及び「住所」のいずれかの項目名がそれぞれ付された複数のサブカラムを有している。
【0072】
項目名「ポートID」が付されたサブカラムのフィールドには、ポートIDが登録される。ポートIDは、離着陸ポイント13を個々に識別する識別情報である。図4に示す例では、ユーザID「A0002」で識別されるユーザである「田中花子」は、ポートID「B0003」で識別される離着陸ポイント13を所持している。なお、離着陸ポイント13が複数のポートを有する場合、ポートごとにポートIDが付されていてもよい。例えば、ポートID「B0003」が付された離着陸ポイント13が2つのポートを有する場合、「B0003-01」と、「B0003-02」とが各ポートにそれぞれ付される。すなわち、ポートIDに枝番が付されて各ポートがそれぞれ識別される。
【0073】
項目名「駐機可能数」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13に同時に離着陸或いは駐機可能な垂直離着陸飛行体11の台数が登録される。
【0074】
項目名「着陸帯情報」が付されたサブカラムのフィールドには、着陸帯の長さ及び幅が登録される。着陸帯が「円」である場合、長さ及び幅が同一となる。着陸帯情報は、特許請求の範囲に記載された「離着陸サイズ情報」に相当する。
【0075】
項目名「種別情報」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13が地上に設置されていることを示す「地上」、或いは建物の屋上に設置されていることを示す「建物」が登録される。なお、離着陸ポイント13が地上に設置されている場合と建物に設置されている場合とでは、法的な要求サイズが変わる。例えば、離着陸ポイント13が地上に設置されている場合は、垂直離着陸飛行体11のサイズと同サイズ以上の着陸帯が要求され、離着陸ポイント13が建物に設置されている場合は、垂直離着陸飛行体11の1.2倍のサイズ以上の着陸帯が要求される。
【0076】
項目名「上限重量」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の設置場所が「建物」である場合に、当該離着陸ポイント13に離着陸可能な垂直離着陸飛行体11の上限重量(最大重量)が登録される。なお、離着陸ポイント13が地上のみ設置される場合、項目名「上限重量」が付されたサブカラムは設けられなくてもよい。
【0077】
項目名「位置情報」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の経度、緯度、及び高度が登録される。項目名「位置情報」が付されたサブカラムのフィールドに登録される経度、緯度、及び高度は、特許請求の範囲に記載された「離着陸ポイント位置情報」に相当する。
【0078】
項目名「住所」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の住所が登録される。
【0079】
項目名「設定料金番号」が付されたカラムのフィールドには、料金管理データベースにおける設定料金番号が登録される。図4に示す例では、ポートID「B0003」が付された離着陸ポイント13に適用される設定料金番号は、料金管理データベースにおける設定料金番号に「1」が登録された料金である。設定料金番号に「1」が登録された料金では、離着陸設定料金が「1000円」であり、駐機設定料金が「500円/15分」である。
【0080】
項目名「ユーザ決済」が付されたカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の使用に対する利用料金が振り込まれる口座の口座番号と、当該口座番号の所有者の姓及び名が登録される。なお、離着陸ポイント13が設置された土地の所有者と、利用料金が振り込まれる口座の所有者とは、同一であってもよいし、相違していてもよい。
【0081】
サービス提供者は、ユーザ(土地所有者)が有する未利用地に離着陸ポイント13を設置するサービスを土地所有者に提供する。サービス提供者は、当該未利用地に離着陸ポイント13を設置する際に、駐機可能数、着陸帯情報、種別情報、上限重量、位置情報、及び住所を取得する。駐機可能数、着陸帯情報、種別情報、上限重量、位置情報、及び住所は、サービス提供者によって管理サーバ50に入力される。管理サーバ50の管理コントローラ51は、入力された駐機可能数、着陸帯情報、種別情報、上限重量、位置情報、及び住所と、生成したポートIDとを、ユーザIDと対応付けて管理データベースに登録する。管理コントローラ51が、ポートIDと位置情報とを対応付けて管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「基礎登録処理」に相当する。管理コントローラ51が、ポートID及び位置情報と、着陸帯情報と、種別情報と、上限重量とを対応付けて管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「第1処理」に相当する。
【0082】
事業者管理データベースは、運送事業者に関する情報を管理するためのデータベースである。
【0083】
事業者管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0084】
項目名「事業者ID」、「事業者名」、「事業者住所」、「決済用アドレス」、「メールアドレス」、「待機場所情報」、「事業者決済情報」、及び「決済日」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「事業者ID」、「事業者名」、「事業者住所」、「決済用アドレス」、「メールアドレス」、「待機場所情報」、「事業者決済情報」、及び「決済日」が、管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0085】
項目名「事業者ID」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者を個々に識別する識別情報である事業者IDが登録される。事業者管理データベースに登録される各レコードは、事業者IDによって個々に識別される。
【0086】
項目名「事業者名」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者の名称が登録される。
【0087】
項目名「事業者住所」が付されたカラムのフィールドには、例えば運送事業者の本部の住所が登録される。
【0088】
項目名「決済用アドレス」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が運用する事業者サーバ18(図3参照)に付されたグローバルIPアドレス、或いは運送事業者のEメールアドレスが登録される。以下では、事業者サーバ18に付されたグローバルIPアドレス、或いは運送事業者のEメールアドレスは、「決済用アドレス」と記載されて説明がされる。管理サーバ50或いはサービス提供者は、離着陸ポイント13の使用に対する請求書を示す請求データを、決済用アドレス宛に送信する。
【0089】
項目名「メールアドレス」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者や担当者のEメールアドレスが登録される。
【0090】
項目名「待機場所情報」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の通常の待機場所を示す経度、緯度、及び高度が登録される。通常の待機場所とは、運行に携わらない垂直離着陸飛行体11が駐機を行う場所を意味する。通常の待機場所は、運送事業者が設置した離着陸ポイント(不図示)であってもよいし、サービス提供者が提供する離着陸ポイント13であってもよい。すなわち、サービス提供者は、垂直離着陸飛行体11が運行時に一時的に離着陸する離着陸ポイント13に加え、通常の待機場所となる大型の離着陸ポイント13を運送事業者に提供してもよい。
【0091】
項目名「事業者決済情報」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が有する口座の口座番号などの決済情報が登録される。なお、自動決済でない場合、事業者決済情報は、事業者管理データベースに登録されなくてもよい。
【0092】
項目名「決済日」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が決済を行う日を示す情報が登録される。図4に示す例では、決済を行う日を示す情報として、「月末」及び「25日」が事業者管理データベースに登録されている。決済日は、締め日であってもよいし、支払日であってもよいし、締め日及び支払日であってもよい。
【0093】
事業者IDは、サービス提供者と運送事業者との間で契約が締結された後、サービス提供者によって管理サーバ50に入力され、或いは管理コントローラ51によって生成され、管理データベースに登録される。
【0094】
事業者名、事業者住所、決済用アドレス、メールアドレス、待機場所情報、事業者決済情報、及び決済日は、運送事業者からサービス提供者に通知され、サービス提供者によって管理サーバ50に入力されて管理データベースに登録される。
【0095】
端末管理データベースは、可搬通信端末30と、可搬通信端末30が提供された運送事業者と、可搬通信端末30が乗せられた垂直離着陸飛行体11との関係を管理するデータベースである。
【0096】
端末管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0097】
項目名「端末ID」、「提供先事業者ID」、「機体番号」、「機種(サイズ)」、及び「次回メンテナンス日」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「端末ID」、「提供先事業者ID」、「機体番号」、「機種(サイズ)」、及び「次回メンテナンス日」が、管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0098】
項目名「端末ID」が付されたカラムのフィールドには、可搬通信端末30を個々に識別する識別情報である端末IDが登録される。端末管理データベースに登録される各レコードは、端末IDによって個々に識別される。
【0099】
項目名「提供先事業者ID」が付されたカラムのフィールドには、可搬通信端末30が提供された運送事業者の事業者IDが登録される。
【0100】
項目名「機体番号」が付されたカラムのフィールドには、可搬通信端末30が乗せられた垂直離着陸飛行体11に付された機体番号が登録される。機体番号は、例えば運送事業者が垂直離着陸飛行体11に付した名称や番号である。
【0101】
項目名「機種(サイズ)」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の機種或いは機体サイズが登録される。機種が登録される場合、機種と機体サイズとが対応付けられた不図示の対応テーブルが管理データベースに更に含まれる。機体サイズは、例えば垂直離着陸飛行体11の長さ(全長)及び幅(全幅)である。機種(サイズ)は、垂直離着陸飛行体11が使用予定の離着陸ポイント13が、法的に着陸を許容される離着陸ポイント13であるか否かの判断に用いられる。機体サイズは、特許請求の範囲に記載された「機体サイズ情報」に相当する。
【0102】
項目名「次回メンテナンス日」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者に提供(貸出)された可搬通信端末30の次のメンテナンス予定日が登録される。
【0103】
運送事業者は、サービス提供者から提供された可搬通信端末30を乗せる垂直離着陸飛行体11の機体番号と、当該可搬通信端末30の端末IDと、自己に付された事業者IDとの対応関係をサービス提供者に通知する。また、運送事業者は、所持する垂直離着陸飛行体11の機体番号と、機種或いは機体サイズとを、サービス提供者に通知する。通知された端末ID、事業者ID、機体番号、及び機種(サイズ)は、サービス提供者によって管理サーバ50に入力される。管理サーバ50の管理コントローラ51は、入力された端末ID、事業者ID、機体番号、及び機種(サイズ)を管理データベースに登録する。管理コントローラ51が機種(サイズ)或いは機体サイズを管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「第2処理」に相当する。管理コントローラ51が、端末IDと事業者IDとを対応付けて端末管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「端末管理処理」に相当する。
【0104】
サービス提供者は、運送事業者に可搬通信端末30を提供した日、或いは可搬通信端末30のメンテナンスを行った日に基づいて次回メンテナンス日を決定し、決定したメンテナンス日を管理サーバ50に入力して管理データベースに登録する。
【0105】
料金管理データベースは、個々の離着陸ポイント13に設定される設定料金を管理するためのデータベースである。
【0106】
料金管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0107】
項目名「設定料金番号」、「離着陸設定料金」、及び「駐機設定料金」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「設定料金番号」が示す番号と、「離着陸設定料金」及び「駐機設定料金」とが、管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0108】
項目名「設定料金番号」が付されたカラムのフィールドには、通し番号が登録される。料金管理データベースの各レコードは、通し番号によって個々に識別される。
【0109】
項目名「離着陸設定料金」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の1回の離着陸に対して運送事業者に請求される使用料金が登録される。或いは、垂直離着陸飛行体11の1回の離着陸に対して土地所有者に支払われる利用料金が登録される。使用料金と利用料金とは、例えば、サービス提供者がサービスの提供に応じた手数料の分だけ相違する。
【0110】
項目名「駐機設定料金」が付されたカラムのフィールドには、単位時間当たりの垂直離着陸飛行体11の駐機に対して運送事業者に請求される使用料金が登録される。或いは、単位時間当たりの垂直離着陸飛行体11の駐機に対して土地所有者に支払われる利用料金が登録される。
【0111】
離着陸設定料金及び駐機設定料金は、例えば地価に応じて、或いは垂直離着陸飛行体11の使用頻度に応じて、或いは周囲の離着陸ポイント13の離着陸設定料金及び駐機設定料金に基づいて、サービス提供者によって決定される。決定された離着陸設定料金及び駐機設定料金は、サービス提供者によって管理サーバ50に入力される。管理サーバ50の管理プログラム64は、入力された離着陸設定料金及び駐機設定料金を料金管理データベースに登録する。管理プログラム64が、離着陸設定料金及び駐機設定料金を料金管理データベースに登録し、且つ基本情報管理データベースの項目名「設定料金」が付されたカラムのフィールドに「1」などの番号を登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「設定料金登録処理」に相当する。
【0112】
図5が示す第1利用予定管理データベースは、可搬通信端末30の使用予定が登録されるデータベースである。なお、可搬通信端末30は垂直離着陸飛行体11に乗せられるから、可搬通信端末30の使用予定は、垂直離着陸飛行体11の運行予定である。
【0113】
第1利用予定管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0114】
項目名「日付」と、「D0001」等の端末IDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0115】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。すなわち、垂直離着陸飛行体11の運行予定は、日付ごとに管理される。なお、「年」は、西暦であってもよいし「和暦」であってもよい。各「日付」は、特許請求の範囲に記載された「利用予定日」に相当する。
【0116】
「D0001」等の端末IDが付された各カラムは、「利用予定ポートID」、「利用開始予定時刻」、「利用終了予定時刻」、及び「総重量」のいずれかの項目がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。
【0117】
項目名「利用予定ポートID」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸を行う予定の離着陸ポイント13に付されたポートIDが登録される。
【0118】
項目名「利用開始予定時刻」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸する予定の時刻が登録される。項目名「利用終了予定時刻」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸する予定の時刻が登録される。
【0119】
項目名「総重量」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の無積載時の重量である基本重量と、旅客或いは荷物の重量との和である総重量が登録される。なお、離着陸ポイント13が地上のみ設置される場合、項目名「総重量」が付されたカラムは設けられなくてもよい。
【0120】
運送事業者は、垂直離着陸飛行体11を用いた運送の予定(いわゆる運行予定)を作成する。当該運行予定の作成は、例えば法に規定されている。運送事業者は、運送を行う日付と、運送を行う垂直離着陸飛行体11の機体番号と、待機場所からの出発予定時刻と、目的地或いは経由地である離着陸ポイント13のポートIDと、離着陸ポイント13への到着予定時刻と、離着陸ポイント13からの離陸予定時刻と、待機場所への帰還時刻と、を対応付けて運行予定を作成する。運送事業者は、作成した運行予定をサービス提供者に通知する。当該通知は、Eメールであってもよいし、FAXなどであってもよいし、インターネット14を用いた通知であってもよい。
【0121】
インターネット14を用いた通知の具体例を説明する。運送事業者は、所定のWEBサーバ(不図示)の所定の格納領域に、所持するPC等の通信端末を用いて、所定のデータ形式で、自己の事業者IDとともに運行予定をアップロードする。運送事業者とサービス提供者との間では、上記所定のWEBサーバのグローバルIPアドレスと、上記所定の格納領域を示すパスと、上記所定のデータ形式とが予め決められる。管理サーバ50(図3参照)は、上記所定のWEBサーバから事業者ID及び運行予定をダウンロードする。
【0122】
インターネット14を用いた通知の他の具体例を説明する。管理サーバ50は、インターネット14上にWEBサイト示すURLを公開する。運送事業者は、所持するPC等の通信端末を用いて、当該WEBサイトにアクセスする。当該WEBサイトにおいて、運送事業者は、自己の事業者IDとともに、運行予定が有する機体番号等の各情報をそれぞれ入力する。管理サーバ50は、WEBサイトにおいて運送事業者が入力した運行予定を取得する。
【0123】
通知された運行予定を管理サーバ50が第1利用予定管理データベースに登録する運行予定登録処理(図11参照)については後述される。
【0124】
上記のように、第1利用予定管理データベースでは、事業者ごとに、且つ日付ごとに、運行予定がそれぞれ登録される。
【0125】
図6が示す第2利用予定管理データベースは、第1利用予定管理データベース(図5参照)に基づいて情報が登録されるデータベースである。第1利用予定管理データベースは、端末IDと、ポートID、利用開始予定時刻、利用終了予定時刻、及び総重量とを対応付けたものであり、第2利用予定管理データベースは、ポートIDと、利用開始予定時刻及び利用終了予定時刻とを対応付けたものである。第2利用予定管理データベースは、運送事業者が運行予定を作成する際に、離着陸ポイント13の空き時間の確認に用いられる。
【0126】
第2利用予定管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0127】
項目名「日付」と、「B0001」等のポートIDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0128】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0129】
「B0001」等のポートIDが付された各カラムは、「利用開始予定時刻」、「利用終了予定時刻」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。当該サブカラムには、上記利用開始予定時刻及び利用終了予定時刻がそれぞれ登録される。
【0130】
第2利用予定管理データベースを示す画像が、運送事業者に対して公開される。当該画像を公開する公開処理(図10参照)は、後述される。
【0131】
図7が示す実績管理データベースは、垂直離着陸飛行体11が実際に離着陸ポイント13に離着陸した結果(実績)が登録されるデータベースである。
【0132】
実績管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0133】
項目名「日付」と、「D0001」等の端末IDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0134】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0135】
「D0001」等の端末IDが付された各カラムは、「使用ポートID」、「着陸時刻」、「離陸時刻」、「駐機時間」、及び「使用料金」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。端末IDは、端末管理データベース(図4参照)において、機体番号及び事業者IDと対応付けられている。すなわち、実績管理データベースでは、日付ごとに、運送事業者と、「使用ポートID」、「着陸時刻」、「離陸時刻」、「駐機時間」、及び「使用料金」とが相互に対応付けられている。すなわち、日付ごとに、運送事業者に請求される使用料金が実績管理データベースに登録される。
【0136】
項目名「使用ポートID」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸した離着陸ポイント13に付されたポートIDが登録される。
【0137】
項目名「着陸時刻」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸した時刻が登録される。
【0138】
項目名「離陸時刻」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸した時刻が登録される。
【0139】
項目名「駐機時間」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に駐機した時間(期間)が登録される。
【0140】
項目名「使用料金」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の使用に対して運送事業者に請求される金額(使用料金)が登録される。
【0141】
実績管理データベースへの使用ポートID、着陸時刻、離陸時刻、駐機時間、及び使用料金の登録は、離着陸監視処理(図12参照)において、管理サーバ50によって行われる。
【0142】
図8が示すユーザ決済管理データベースは、ユーザ(土地所有者)に対して支払う利用料金を管理するためのデータベースである。
【0143】
ユーザ決済管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0144】
項目名「日付」と、「A0001」等のユーザIDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0145】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0146】
「A0001」等のユーザIDが付された各カラムは、「利用事業者ID」、「利用料金」、「決済状況」、及び「月合計金額」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。すなわち、ユーザ決済管理データベースでは、日付ごと、且つユーザ(土地所有者)ごとに、「利用事業者ID」、「利用料金」、「決済状況」、及び「月合計金額」が相互に対応付けられている。すなわち、ユーザ決済管理データベースでは、ユーザに支払うべき金額が日付ごとに登録され、且つユーザに支払うべき金額が月ごとに加算されて登録される。
【0147】
項目名「利用事業者ID」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13を使用した垂直離着陸飛行体11を所有する運送事業者に付された事業者IDが登録される。
【0148】
項目名「利用料金」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の使用に対してユーザ(土地所有者)に支払われる金額が登録される。当該金額は、日付ごと、且つ運送事業者ごとの金額である。例えば、所定の運送事業者が所定の離着陸ポイント13を1日に複数回使用した場合、各使用に対する使用料金の合計金額が利用料金としてユーザ決済管理データベースに登録される。
【0149】
項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドには、運送事業者が離着陸ポイント13の使用に対しての支払いを行ったか否か、すなわち決済がされているか否かが登録される。「済」は、決済がされたことを示し、「未」は、決済がされていないことを示す。なお、運送事業者ごとに締め日や決済日が異なる。ユーザ(土地所有者)への支払日に対する締め日までに決済がされていない利用料金については、翌月の支払いとなる。また、上記利用料金と、運送事業者が支払う使用料金(図7参照)とは、一致していてもよいし、相違していてもよい。離着陸ポイント13の管理費用やサービス料金が使用料金から差し引かれて利用料金とされる場合、利用料金と使用料金とは相違する。離着陸設定料金及び駐機設定料金とは別に管理費用やサービス料金が請求される場合、利用料金と使用料金とは一致する。
【0150】
項目名「月金額合計」が付されたサブカラムのフィールドには、利用金額を月ごとに合計した金額が登録される。なお、「月ごと」とは、月初めから月末までであってもよいし、前回の締め日の翌日から締め日までであってもよい。締め日は、サービス提供者が予め決定して管理データベースに登録される。
【0151】
図9が示す事業者決済管理データベースは、運送事業者に対し請求する使用料金を管理するためのデータベースである。
【0152】
事業者決済管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0153】
項目名「日付」と、「C0001」等の事業者IDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0154】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0155】
「C0001」等の事業者IDが付された各カラムは、「利用ポートID」、「使用料金」、「月合計金額」、及び「決済状況」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。すなわち、事業者決済管理データベースでは、日付ごと、且つ運送事業者ごとに、「利用ポートID」、「使用料金」、「月合計金額」、「決済状況」が相互に対応付けられている。すなわち、事業者決済管理データベースでは、運送事業者に請求すべき金額が日付ごとに登録され、且つ運送事業者に請求すべき金額が月ごとに加算されて登録される。なお、「月ごと」とは、月初めから月末までであってもよいし、前月の決済日(締め日)の翌日から今月の決済日(締め日)までであってもよい。決済日は、運送事業者の決済日である。
【0156】
項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドには、運送事業者が使用料金を支払ったか否か、すなわち決済がされているか否かが登録される。「済」は、決済(支払い)がされたことを示し、「未」は、決済(支払い)がされていないことを示す。
【0157】
図4から図9が示す管理データベースは一例である。管理データベースは、図4から図9が示す項目名以外の項目名が付されたカラムを有していてもよいし、図4から図9が示す項目名のカラムの一部を有していなくてもよい。
【0158】
図4から図9が示す管理データベースは、管理サーバ50のメモリ62に記憶されていなくてもよい。例えば、管理データベースは、データベース管理用のWEBサーバに記憶されていてもよい。すなわち、管理データベースは、管理サーバ50が有するメモリ62とは別のメモリに記憶されていてもよい。その場合、管理サーバ50は、通信インタフェース52及びインターネット14を通じて当該WEBサーバと通信を行って管理データベースにアクセスする。
【0159】
図4から図9では、管理データベースに登録されたテーブルが示された。もっとも、管理データベースは、当該テーブルに加え、当該テーブルに情報を登録し、当該テーブルを検索して情報を読み出すプログラムも含む。管理サーバ50は、当該プログラムを介して、管理データベースに情報を登録し、管理データベースにおいて情報を検索し、管理データベースから情報を読み出す。
【0160】
図10は、管理サーバ50の管理プログラム64が、離着陸ポイント13の使用予定をインターネット14上に公開する公開処理のフローチャートである。なお、管理プログラム64が実行する処理は、CPU61、管理コントローラ51、及び管理サーバ50が実行する処理でもある。
【0161】
管理プログラム64は、第2利用予定管理データベース(図6参照)に基づいて、公開画像データを生成する(S11)。公開画像データは、例えば本日から所定期間経過後までの第2利用予定管理データベースの画像を示すデータである。所定期間は、2週間や1月などである。
【0162】
一方、運送事業者は、所持するPC等の端末装置において、管理サーバ50が運送事業者のみに公開するWEBサイトにアクセスする。当該WEBサイトは、離着陸ポイント13の使用予定を要求するアイコンを有する。運送事業者は、当該アイコンを選択する(S12)。上記端末装置が実装するブラウザは、公開画像の閲覧要求を含むHTTPリクエストを管理サーバ50に送信する(S13)。HTTPリクエストとは、HTTP或いはHTTPsの通信プロトコルに基づいて送信される情報(要求)を意味する。
【0163】
管理サーバ50の管理プログラム64は、通信インタフェース52を通じて上記HTTPリクエストを受信したことに基づいて(S13)、ステップS11で生成した公開画像データを含むHTTPレスポンスを生成する(S14)。管理プログラム64は、生成したHTTPレスポンスを、ステップS13で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース52を通じて上記端末装置に返信する(S15)。なお、HTTPレスポンスで返信するデータは、例えば上記公開画像データが埋め込まれたHTMLデータである。ステップS15の処理は、特許請求の範囲に記載された「予定送信処理」に相当する。
【0164】
上記端末装置のブラウザは、受信したHTTPレスポンスに含まれる公開画像データが示す公開画像をディスプレイに表示する(S16)。
【0165】
運送事業者は、上記公開画像を閲覧して離着陸ポイント13の使用予定を確認した後、運行予定を立案する。
【0166】
なお、管理プログラム64は、例えば午前0時などの毎日の所定の時刻に、第1利用予定管理データベースに基づいて、公開画像データを生成してもよい。その場合、第2利用予定管理データベースは作成されなくてもよい。
【0167】
また、公開画像は、ポートIDが示す離着陸ポイント13の住所(図4参照)を含んでいてもよい。
【0168】
図11は、運行予定登録処理のフローチャートである。運行予定登録処理は、運送事業者が通知した運行予定に基づいて、管理プログラム64が、離着陸ポイント13の利用予定を第1利用予定管理データベースに登録する処理である。
【0169】
管理サーバ50の管理プログラム64は、サービス提供者が入力、或いは運送事業者が送信した運行予定を、当該運行予定を作成した運送事業者の事業者IDとともに取得する(S21)。具体的には、管理プログラム64は、事業者IDと、運送を行う日付と、運送を行う垂直離着陸飛行体11の機体番号と、待機場所からの出発予定時刻と、目的地或いは経由地である離着陸ポイント13のポートIDと、離着陸ポイント13への到着予定時刻と、離着陸ポイント13からの離陸予定時刻と、総重量とを取得する。
【0170】
管理プログラム64は、取得した事業者ID及び機体番号と一致する事業者ID及び機体番号を有するレコードを、端末管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された機種(サイズ)が示す垂直離着陸飛行体11の全長及び全幅を示す機体サイズを取得する(S22)。
【0171】
また、管理プログラム64は、ステップS21で取得したポートIDと一致するポートIDを有するレコードを、基本情報管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された着陸帯情報、種別情報、及び上限重量を取得する(S23)。管理プログラム64は、ステップS22で取得した機体サイズと、ステップS23で取得した着陸帯情報及び種別情報とに基づいて、離着陸ポイント13についての使用を許諾するか否かを判断する(S24)。例えば、管理プログラム64は、種別情報が「地上」であること、且つ機体サイズが着陸帯情報が示すサイズ未満であることに基づいて、使用を許諾する(S24:Yes)。また、管理プログラム64は、種別情報が「建物」であること、且つ着陸帯情報が示すサイズが機体サイズの1.2倍以上であること、且つ総重量が上限重量未満であることに基づいて、使用を許諾する(S24:Yes)。ステップS24の処理は、特許請求の範囲に記載された「使用判断処理」に相当する。
【0172】
管理プログラム64は、使用を許諾すると判断すると(S24:Yes)、ステップS21で取得した着陸時刻から離陸時刻までの時間帯において、離着陸ポイント13の使用予定があるか否かを判断する(S25)。管理プログラム64は、上記時間帯において離着陸ポイント13の使用予定がないと判断すると(S25:No)、運行予定を第1利用予定管理データベースに登録する(S26)。具体的には、管理プログラム64は、ステップS21で取得した日付に対応する各フィールドに、ステップS21で取得した離着陸ポイント13のポートID、離着陸ポイント13への到着予定時刻、及び離着陸ポイント13からの離陸予定時刻、及び総重量を登録する。なお、離着陸ポイント13のポートIDは利用予定ポートIDに対応し、到着予定時刻は利用開始予定時刻に対応し、離陸予定時刻は利用終了予定時刻に対応する。
【0173】
管理コントローラ51が、日付(利用予定日)と、端末IDと、ポートIDと、利用開始予定時刻と、利用終了予定時刻と、総重量とを対応付けて管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「利用予定登録処理」に相当する。
【0174】
管理プログラム64は、使用を許諾しないと判断すると(S24:No)、或いは離着陸ポイント13の使用予定が既に登録されていると判断すると(S25:Yes)、エラー情報通知処理を実行する(S27)。エラー情報通知処理は、運送事業者が使用予定の離着陸ポイント13のサイズや上限重量が、垂直離着陸飛行体11の着陸に必要なサイズ或いは総重量に満たないことを運送事業者に通知する処理である。或いはエラー情報通知処理は、運送事業者が使用予定の離着陸ポイント13について既に使用予定が登録されていることを運送事業者に通知する処理である。当該通知は、例えばEメールによって行われる。管理プログラム64は、ステップS21で取得した事業者IDと同一の事業者IDを有するレコードを、事業者管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録されたメールアドレスを取得し、取得したメールアドレス宛に、使用予定の離着陸ポイント13のサイズが必要なサイズ未満であることを示すEメールを送信する。
【0175】
管理プログラム64は、エラー情報通知処理の実行後(S27)、運行予定を第1利用予定管理データベースに登録することなく、処理を終了する(エンド)。
【0176】
図12は、管理プログラム64が実行する離着陸監視処理のフローチャートである。離着陸監視処理は、可搬通信端末30が送信する現在位置情報と、管理データベースに登録された情報とに基づいて、管理プログラム64が、垂直離着陸飛行体11の離着陸や駐機時間を監視する処理である。
【0177】
以下、図12が示す離着陸監視処理について説明がされる。運行管理システム(図2参照)により、垂直離着陸飛行体11の運行が行われる。すなわち、垂直離着陸飛行体11の離陸及び飛行が開始される。
【0178】
垂直離着陸飛行体11に乗せられた可搬通信端末30は、通信衛星17が送信したGPS位置情報を受信する(S31)。可搬通信端末30の端末プログラム44は、受信したGPS位置情報と、端末メモリ42に記憶された端末IDとを、端末メモリ42に記憶されたサーバアドレスが示す管理サーバ50宛に、通信インタフェース32、移動体通信網15、及びインターネット14を通じて送信する(S32)。なお、以下では、可搬通信端末30が送信するGPS位置情報は、「現在位置情報」とも記載される。ステップS31の処理は、特許請求の範囲に記載された「現在位置情報取得処理」に相当する。ステップS32の処理は、特許請求の範囲に記載された「位置情報送信処理」に相当する。
【0179】
端末プログラム44は、現在位置情報の送信を終了するか否かを判断する(S33)。端末プログラム44は、例えば、電源がOFFされたことに基づいて、或いは管理サーバ50が送信した停止命令を受信したことに基づいて、現在位置情報の送信を終了すると判断する(S33:Yes)。端末プログラム44は、現在位置情報の送信を終了しないと判断すると(S33:No)、ステップS31、S32、S33の処理を再度実行する。すなわち、端末プログラム44は、終了と判断するまで、現在位置情報を繰り返し管理サーバ50に送信する。現在位置情報の送信(S32)は、所定のサンプリング周期で実行される。所定のサンプリング周期は、例えば数百mm秒から1分の間とされる。
【0180】
管理サーバ50は、可搬通信端末30が送信した現在位置情報及び端末IDを、通信インタフェース52を通じて受信する(S32)。管理サーバ50の管理プログラム64は、受信した端末ID及び現在位置情報をメモリ62に記憶させる(S34)。ステップS32の処理は、特許請求の範囲に記載された「位置情報受信処理」に相当する。
【0181】
管理プログラム64は、ステップS34でメモリ62に記憶させた端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、端末管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された事業者ID及び機体番号を取得する。管理プログラム64は、取得した事業者ID及び機体番号と一致する事業者ID及び機体番号を有するレコードを、第1利用管理データベース(図5参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された利用予定ポートIDを取得する(S35)。
【0182】
管理プログラム64は、ステップS35で取得した利用予定ポートIDと一致するポートIDを有するレコードを、基本情報管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された位置情報を、離着陸ポイント位置情報として取得する(S36)。当該離着陸ポイント位置情報は、経度、緯度、及び高度を含む。ステップS35、S36の処理は、特許請求の範囲に記載された「判断情報取得処理」に相当する。ステップS36で取得した離着陸ポイント位置情報は、特許請求の範囲に記載された「判断情報」に相当する。
【0183】
管理プログラム64は、ステップS34でメモリ62に記憶させた現在位置情報と、ステップS36で取得した離着陸ポイント位置情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸を行ったか飛行中であるかを判断する(S37)。詳しく説明すると、メモリ62は、複数の現在位置情報を記憶する記憶領域を有する。すなわち、可搬通信端末30が繰り返し送信する複数の現在位置情報がメモリ62に記憶される。管理プログラム64は、前回メモリ62に記憶させた現在位置情報が含む経度、緯度、及び高度と、離着陸ポイント位置情報が含む経度、緯度、及び高度とが一致するか否かを判断する。また、管理プログラム64は、今回メモリ62に記憶させた現在位置情報が含む経度、緯度、及び高度と、離着陸ポイント位置情報が含む経度、緯度、及び高度とが一致するか否かを判断する。管理プログラム64は、前回メモリ62に記憶させた現在位置情報と離着陸ポイント位置情報とが一致せず、且つ今回メモリ62に記憶させた現在位置情報と離着陸ポイント位置情報とが一致することに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断する。管理プログラム64は、前回メモリ62に記憶させた現在位置情報と離着陸ポイント位置情報とが一致し、且つ今回メモリ62に記憶させた現在位置情報と離着陸ポイント位置情報とが一致しないことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断する。管理プログラム64は、前回メモリ62に記憶させた現在位置情報と離着陸ポイント位置情報とが一致せず、且つ今回メモリ62に記憶させた現在位置情報と離着陸ポイント位置情報とが一致しないことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が飛行中であると判断する。
【0184】
なお、現在位置情報と離着陸ポイント位置情報との一致には、現在位置情報が含む経度、緯度、及び高度と、離着陸ポイント位置情報が含む経度、緯度、及び高度とが完全に一致する場合の他、誤差を考慮して、現在位置情報が含む経度、緯度、及び高度と、離着陸ポイント位置情報が含む経度、緯度、及び高度とが近似する場合を含めてもよい。「近似」の範囲は、通信衛星17の性能や可搬通信端末30の性能などに基づいて、試行錯誤等によって決定されてもよい。
【0185】
管理プログラム64は、垂直離着陸飛行体11が飛行中であると判断すると(S37:飛行中)、ステップS32以降の処理を再度実行する。なお、ステップS35及びS36の処理も繰り返し実行するのは、複数の可搬通信端末30から管理サーバ50に現在位置情報がそれぞれ送信されるからである。
【0186】
管理プログラム64は、着陸或いは離陸を行ったと判断すると(S37:離着陸)、着陸であるか離陸であるかを判断する(S38)。ステップS37、S38の処理は、特許請求の範囲に記載された「離着陸判断処理」に相当する。
【0187】
管理プログラム64は、着陸であると判断すると(S38:着陸)、現在時刻を着陸時刻として管理データベースに登録する(S39)。具体的には、管理プログラム64は、ステップS34でメモリ62に記憶させた端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、実績管理データベースにおいて特定する。管理プログラム64は、特定したレコードにおける項目名「着陸時刻」が付されたカラムのフィールドに、現在時刻を登録する。なお、管理プログラム64は、管理サーバ50が有する不図示のクロックモジュールから現在時刻を取得してもよいし、インターネット14を通じて現在時刻を取得してもよい。
【0188】
管理プログラム64は、着陸時刻を実績管理データベースに登録した後(S39)、ステップS32以降の処理を再度実行する。
【0189】
管理プログラム64は、離陸であると判断すると(S38:離陸)、現在時刻を離陸時刻として、実績管理データベースに登録する(S40)。管理プログラム64は、実績管理データベースに登録された着陸時刻と離陸時刻とに基づいて、駐機時間を算出し、実績管理データベースに登録する(S41)。ステップS39、S40の処理は、特許請求の範囲に記載された「離着陸時刻登録処理」に相当する。ステップS41の処理は、特許請求の範囲に記載された「駐機時間算出処理」に相当する。
【0190】
管理プログラム64は、算出した駐機時間が、メモリ62に予め記憶された閾値時間未満であるか否かを判断する(S42)。閾値時間は、例えば15分である。ステップS42の処理は、特許請求の範囲に記載された「駐機判断処理」に相当する。
【0191】
管理プログラム64は、駐機時間が閾値時間未満でないと判断すると(S42:No)、使用料金を算出して実績管理データベースに登録する(S43)。詳しく説明すると、管理プログラム64は、ステップS34でメモリ62に記憶させた端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、基本情報管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された設定料金番号を取得する。次に、管理プログラム64は、取得した設定料金番号と一致する設定料金番号を有するレコードを、料金管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された離着陸設定料金及び駐機設定料金を取得する。管理プログラム64は、例えば、ステップS41でメモリ62に記憶させた駐機時間から上記閾値時間(15分)を減じた時間を15分ごとに切り捨て或いは切り上げ、更に駐機設定料金に応じた値を乗じて駐機料金として算出する。管理プログラム64は、取得した離着陸設定料金に、算出した駐機料金を加えて、使用料金として算出する。管理プログラム64は、ステップS34でメモリ62に記憶させた端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、実績管理データベース(図7参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードにおける項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに、算出した使用料金を登録する。或いは、管理プログラム64は、算出した使用料金に管理費用或いはサービス料金を加えた額を、項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに登録する。ステップS43、S44の処理は、特許請求の範囲に記載された「料金算出処理」に相当する。
【0192】
管理プログラム64は、駐機時間が閾値時間未満であると判断すると(S42:Yes)、ステップS44と同様にして離着陸設定料金を取得し、取得した離着陸設定料金を、実績管理データベース(図7参照)における項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに登録する(S44)。或いは、管理プログラム64は、離着陸設定料金に管理費用やサービス料金を加えた額を、項目名「利用料金」が付されたカラムのフィールドに登録する。
【0193】
図13は、決済処理のフローチャートである。決済処理は、運送事業者に使用料金を請求し、ユーザ(土地所有者)に利用料金を支払う処理である。
【0194】
管理サーバ50の管理プログラム64は、所定時刻になったことに基づいて、決済処理を実行する。所定時刻は、0時や8時や12時などである。すなわち、決済処理は、毎日実行される。
【0195】
管理プログラム64は、本日の日付を取得する(S51)。管理プログラム64は、取得した日付に基づいて、本日が決済日(締め日)である運送事業者があるか否かを判断する(S52)。具体的には、管理プログラム64は、ステップS51で取得した日付と一致する決済日を有するレコード、或いは取得した日付が月末であれば、決済日として「月末」が登録されたレコードを、事業者管理データベース(図4参照)において検索する。管理プログラム64は、当該レコードがあることに基づいて、本日が決済日である運送事業者があると判断する。
【0196】
管理プログラム64は、本日が決済日(締め日)である運送事業者がないと判断すると(S52:No)、処理を終了する(エンド)。
【0197】
管理プログラム64は、本日が決済日(締め日)である運送事業者があると判断すると(S52:Yes)、上記特定したレコードに登録された事業者IDを取得する(S53)。管理プログラム64は、取得した事業者IDと一致する事業者IDを有するカラムを、事業者決済管理データベース(図9参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したカラムに登録された月合計金額を、今月の請求金額として取得する(S54)。
【0198】
管理プログラム64は、取得した請求金額を含む請求情報を、通信インタフェース52及びインターネット14を通じて事業者サーバ18に送信する(S55)。なお、運送事業者への請求は、Eメールなど、他の方法によって行われてもよい。
【0199】
事業者サーバ18は、請求情報を受信する(S55)。事業者サーバ18は、サービス提供者が指定する口座に、請求金額を振り込む(S56)。事業者サーバ18は、請求金額を支払ったことを示す通知情報を管理サーバ50に送信する(S57)。
【0200】
管理プログラム64は、通信インタフェース52を通じて通知情報を受信したか否かを判断し(S58)、通知情報を受信するまで待機する(S58:No)。管理プログラム64は、通知情報を受信したと判断すると(S58:Yes)、請求金額が口座に入金されたか否かを判断する(S59)。管理プログラム64は、請求金額が口座に入金されていないと判断すると(S59:No)、ステップS55以降の処理を再度実行する。
【0201】
なお、ステップS55からS58の処理に代えて、事業者管理データベース(図4参照)に登録された事業者決済情報に基づいて、自動で決済が行われてもよい。
【0202】
管理プログラム64は、請求金額が口座に入金されていると判断すると(S59:Yes)、入金がされたことを事業者決済管理データベース(図9参照)に登録する。具体的には、管理プログラム64は、ステップS53で取得した事業者IDと一致する事業者IDを有するカラムを事業者決済管理データベースにおいて特定する。管理プログラム64は、特定したカラムにおける項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドに、「未」に代えて「済」を登録する(S60)。
【0203】
管理プログラム64は、ステップS51で取得した本日の日付が、ユーザ(土地所有者)への支払い日であるか否かを判断する(S61)。管理プログラム64は、ユーザへの支払日でないと判断すると(S61:No)、処理を終了する(エンド)。管理プログラム64は、ユーザへの支払日であると判断すると(S61:Yes)、ユーザごとの支払額を取得する(S62)。具体的には、ユーザ決済管理データベース(図8参照)に登録された月合計金額(支払額)を、ユーザIDと対応付けて取得する。
【0204】
管理プログラム64は、ステップS62で取得したユーザIDと一致するユーザIDを有するレコードを、基本情報管理データベースにおいて特定し、特定したレコードに登録されたユーザ決済情報を取得する。管理プログラム64は、取得したユーザ決済情報及び支払額に基づいて、ユーザへの支払いである振込処理を行う(S63)。
【0205】
管理プログラム64は、ユーザへの支払いが行われたことをユーザ決済管理データベース(図8参照)に登録する。具体的には、管理プログラム64は、ユーザ決済管理データベースにおける項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドに、「未」に代えて「済」を登録する(S64)。
【0206】
[実施形態の作用効果]
【0207】
本発明に係るサービス提供システム10は、土地所有者に対して、離着陸ポイント13を設置するサービス、及び土地(離着陸ポイント13)を運用するサービスを提供することができる。また、本発明に係るサービス提供システム10は、運送事業者に対して、多数の離着陸ポイント13を使用するサービスを提供することができる。その結果、本発明に係るサービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11を用いた運送事業の発展に寄与することができる。
【0208】
また、本発明に係るサービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11の運行を管理する運行管理システム20から垂直離着陸飛行体11の離着陸に関する情報の提供を受けることなく、すなわち当該運行管理システム20にアクセスすることなく、離着陸時刻を取得することができる。その結果、運行管理システム20の仕様変更やセキュリティの変更などを行うことなく、すなわち運送事業者のシステムに一切の変更を加えることなく、垂直離着陸飛行体11の離着陸を管理することができる。その結果、運送事業者において、本発明に係るサービス提供システム10の利用が容易になる。
【0209】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、離着陸ポイント13に通信端末を設置することなく、垂直離着陸飛行体11の離着陸を判断することができる。したがって、離着陸ポイント13の管理やメンテナンスが容易になり、且つ離着陸ポイント13のメンテナンス費用が低減する。
【0210】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、道路に面していない土地や、駐車場としては面積が足りない土地などであっても、離着陸ポイント13として利用することができる。その結果、空地や未利用地を有効に活用することができる。
【0211】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、経度及び緯度に加え、高度についても一致或いは近似することを条件に、垂直離着陸飛行体11の離着陸を判断する。したがって、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13を単に通過(フライパス)した場合に、垂直離着陸飛行体11が着陸を行ったと誤って判断されることが防止される。
【0212】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸してから離陸するまでの時間が駐機時間として算出される。駐機時間が閾値時間未満である場合、離着陸設定料金が使用料金として算出される。駐機時間が閾値時間以上である場合、離着陸設定料金及び駐機料金が使用料金として算出される。したがって、垂直離着陸飛行体11の独自の料金設定に対応して使用料金を算出することができる。
【0213】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、可搬通信端末30は、運送事業者に貸し出されて垂直離着陸飛行体11に乗せられる。貸し出された可搬通信端末30の端末IDと、貸出を受けた運送事業者のIDとが対応付けられて事業者管理データベース(図4参照)に登録される。したがって、本発明に係るサービス提供システム10は、運送事業者における垂直離着陸飛行体11の追加や破棄などの設備の変更に即座に対応することができる。
【0214】
また、本発明に係るサービス提供システム10は、離着陸ポイント13の利用予定を公開する(図10参照)。したがって、離着陸ポイント13に対して重複する2つの予定が登録されることが防止される。
【0215】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、離着陸ポイント13の離着陸帯情報と、離着陸ポイント13に離着陸予定の垂直離着陸飛行体11のサイズを示す機種(サイズ)とに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に離着陸可能であるか否かを判断する。したがって、運送事業の安全性が確保される。
【0216】
また、本発明に係るサービス提供システム10では、離着陸ポイント13の上限重量と、離着陸ポイント13に離着陸予定の垂直離着陸飛行体11の総重量とに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に離着陸可能であるか否かを判断する。したがって、運送事業の安全性が確保される。
【0217】
[第2実施形態]
【0218】
上述の第1実施形態では、管理プログラム64が、垂直離着陸飛行体11の離着陸を判断する例が説明された。第2実施形態では、可搬通信端末30が、垂直離着陸飛行体11の離着陸を判断する例が説明される。なお、以下では、第1実施形態と同一の構成及び処理には、同一の符号が付されて説明が省略される。また、以下で説明する構成及び処理以外の構成及び処理は、第1実施形態で説明された構成及び処理と同一である。
【0219】
可搬通信端末30の端末プログラム44及び管理サーバ50の管理プログラム64は、図12が示す離着陸監視処理に代えて、図14が示す離着陸監視処理を実行する。なお、端末プログラム44が実行する処理は、CPU41、或いは端末コントローラ31、或いは可搬通信端末30が実行する処理でもある。
【0220】
管理サーバ50の管理プログラム64は、本日の予定を第1利用予定管理データベース(図5参照)から取得してメモリ62に記憶させる(S71)。具体的には、管理プログラム64は、第1利用予定管理データベースにおける本日の日付を有するレコードを特定する。管理プログラム64は、特定したレコードの各フィールドにそれぞれ登録された利用予定ポートID、利用開始予定時刻、及び利用終了予定時刻と、当該フィールドのカラムの項目名である端末IDと、を取得してメモリ62に記憶させる。
【0221】
管理プログラム64は、メモリ62に記憶された利用予定ポートIDと同一のポートIDを有するレコードを、基本情報管理データベース(図4参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードに登録された位置情報を、離着陸ポイント位置情報として取得し、ステップS71で取得した端末IDと対応付けてメモリ62に記憶させる(S72)。その後、管理プログラム64は、可搬通信端末30から位置情報要求を含むHTTPリクエストを受信するまで待機する。なお、離着陸ポイント位置情報は、離着陸ポイントの経度、緯度、及び高度を含む情報である。ステップS71、S72の処理は、特許請求の範囲に記載された「情報取得処理」に相当する。
【0222】
垂直離着陸飛行体11に乗せられた可搬通信端末30の端末プログラム44は、離着陸ポイント位置情報が端末メモリ42に記憶されているか否かを判断する(S73)。端末プログラム44は、離着陸ポイント位置情報が端末メモリ42に記憶されていないと判断すると(S73:No)、位置情報要求及び端末IDを含むHTTPリクエストを生成する(S74)。位置情報要求は、管理サーバ50に対して離着陸ポイント位置情報の送信を要求するコマンドなどである。端末プログラム44は、生成したHTTPリクエストを、通信インタフェース32、移動体通信網15の基地局16、及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S75)。
【0223】
管理サーバ50は、可搬通信端末30が送信したHTTPリクエストを受信する(S75)。管理サーバ50の管理プログラム64は、ステップS72でメモリ62に記憶させた離着陸ポイント位置情報であって、受信したHTTPリクエストに含まれる端末IDと一致する端末IDと対応付けられた離着陸ポイント位置情報を取得、取得した離着陸ポイント位置情報を含むHTTPレスポンスを生成する(S76)。ステップS76の処理は、特許請求の範囲に記載された「情報取得処理」に相当する。
【0224】
管理プログラム64は、生成したHTTPレスポンスを、ステップS75で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース52及びインターネット14を通じて可搬通信端末30に返信する(S77)。HTTPレスポンスに含まれる離着陸ポイント位置情報は、特許請求の範囲に記載された「判断情報」に相当する。ステップS77の処理は、特許請求の範囲に記載された「判断情報送信処理」に相当する。
【0225】
可搬通信端末30は、管理サーバ50が返信したHTTPレスポンスを、通信インタフェース32を通じて受信する(S77)。ステップS77の処理は、特許請求の範囲に記載された「判断情報受信処理」に相当する。可搬通信端末30の端末プログラム44は、受信したHTTPレスポンスに含まれる離着陸ポイント位置情報を端末メモリ42に記憶させる(S78)。
【0226】
端末プログラム44は、ステップS73において、離着陸ポイント位置情報が端末メモリ42に記憶されていると判断すると(S73:Yes)、ステップS74、S75、S77、S78の処理をスキップする。
【0227】
また、端末プログラム44は、通信アンテナ33が受信したGPS位置情報を現在位置情報として取得し、端末メモリ42に記憶させる(S79)。ステップS79の処理は、特許請求の範囲に記載された「現在位置情報取得処理」に相当する。
【0228】
端末プログラム44は、ステップS78で端末メモリ42に記憶させた離着陸ポイント位置情報と、ステップS79で端末メモリ42に記憶させた現在位置情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸を行ったか飛行中であるかを判断する(S80)。ステップS80の処理は、離着陸監視処理(図12参照)において管理プログラム64が実行するステップS37の処理と同じである。ステップS80の処理は、特許請求の範囲に記載された「離着陸判断処理」に相当する。
【0229】
また、端末プログラム44は、垂直離着陸飛行体11が飛行中であると判断すると(S80:飛行中)、ステップS73以降の処理を再度実行する。GPS位置情報を取得して端末メモリ42に記憶させるステップS79の処理は、例えば数百mmから数秒のサンプリング周期で実行される。
【0230】
端末プログラム44は、垂直離着陸飛行体11が離着陸を行ったと判断すると(S80:離着陸)、着陸であるか離陸であるかを判断する(S81)。端末プログラム44は、着陸であると判断すると(S81:着陸)、自己の端末ID及び着陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース32、移動体通信網15の基地局16、及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S82)。着陸情報は、着陸時刻であってもよいし、着陸したことを示す「0」の値の離着陸フラグであってもよい。
【0231】
管理サーバ50は、可搬通信端末30が送信したHTTPリクエストを、通信インタフェース52を通じて受信する(S82)。管理サーバ50の管理プログラム64は、HTTPリクエストに含まれる端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、実績管理データベース(図7参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードにおける項目名「着陸時刻」が付されたカラムのフィールドに、受信した着陸情報が示す着陸時刻、或いは現在時刻を着陸時刻として登録する(S83)。その後、管理プログラム64は、離陸情報を受信するまで待機する。
【0232】
可搬通信端末30の端末プログラム44は、離陸であると判断すると(S81:離陸)、自己の端末ID及び離陸情報を含むHTTPリクエストを管理サーバ50に送信する(S84)。離陸情報は、離陸時刻であってもよいし、離陸したことを示す「1」の値の離着陸フラグであってもよい。着陸情報及び離陸情報は、特許請求の範囲に記載された「離着陸情報」に相当する。ステップS82、S84の処理は、特許請求の範囲に記載された「離着陸情報送信処理」に相当する。
【0233】
管理サーバ50は、可搬通信端末30が送信したHTTPリクエストを、通信インタフェース52を通じて受信する(S84)。管理サーバ50の管理プログラム64は、HTTPリクエストに含まれる端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、実績管理データベース(図7参照)において特定する。管理プログラム64は、特定したレコードにおける項目名「離陸時刻」が付されたカラムのフィールドに、受信した離陸情報が示す離陸時刻、或いは現在時刻を離陸時刻として登録する(S85)。ステップS83、S85の処理は、特許請求の範囲に記載された「離着陸時刻登録処理」に相当する。
【0234】
管理プログラム64は、ステップS83で登録した着陸時刻、及びステップS85で登録した離陸時刻に基づいて、離着陸監視処理(図12参照)と同様にして、ステップS41からS44までの処理を実行する。
【0235】
可搬通信端末30の端末プログラム44は、離陸情報を含むHTTPリクエストを管理サーバ50に送信した後、離着陸ポイント位置情報を端末メモリ42から削除する(S86)。すなわち、端末プログラム44は、垂直離着陸飛行体11の次の離着陸に備え、新たな離着陸ポイント位置情報を端末メモリ42に記憶可能とするために、前の離着陸ポイント位置情報を削除する。
【0236】
端末プログラム44は、離着陸監視処理(図12参照)と同様にして終了するか否かを判断し、終了しないと判断すると(S33:No)、ステップS73以降の処理を再度実行する。例えば、垂直離着陸飛行体11の待機場所が、サービス提供システム10が提供する離着陸ポイント13である場合、待機場所への離着陸を監視するため、可搬通信端末30は、ステップS73以降の処理を再度実行する。
【0237】
[第2実施形態の作用効果]
【0238】
本実施形態では、可搬通信端末30が垂直離着陸飛行体11の離着陸を判断するから、可搬通信端末30は、GPS位置情報(現在位置情報)を所定の周期で管理サーバ50に送信する必要が無い。したがって、本実施形態では、管理サーバ50が離着陸を判断する場合に比べ、可搬通信端末30と管理サーバ50との間の通信回数や通信データ量を低減することができる。
【0239】
[変形例1]
【0240】
第1実施形態及び第2実施形態では、GPS位置情報が経度及び緯度に加え高度も含む例が説明された。本変形例では、GPS位置情報が高度を含まず、可搬通信端末30が高度計37(図3参照)を備える例が説明される。なお、以下では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成及び処理には、同一の符号が付されて説明が省略される。また、以下で説明する構成及び処理以外の構成及び処理は、第1実施形態及び第2実施形態で説明された構成及び処理と同一である。
【0241】
高度計は、高度を示す情報を出力する装置である。高度計として、既存のモジュールを用いることができる。高度計は、端末コントローラ31に接続されている。端末コントローラ31は、高度計が出力した高度を取得する。
【0242】
可搬通信端末30の端末プログラム44は、離着陸監視処理(図12参照)において、ステップS31で取得したGPS位置情報が含む経度及び緯度と、高度計が出力した高度とを含む現在位置情報を生成して管理サーバ50に送信する(S32)。端末プログラム44は、離着陸監視処理(図14参照)において、ステップS79で取得したGPS位置情報が含む経度及び緯度と高度計が出力した高度とを含む現在位置情報と、ステップS78で端末メモリ42に記憶させた離着陸ポイント位置情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体11の離着陸を判断する(S80、S81)。
【0243】
[変形例1の作用効果]
【0244】
通信衛星17が送信するGPS位置情報に「高度」が含まれない場合、或いはGPS位置情報に「高度」は含まれるが、当該「高度」の精度が「経度」及び「緯度」の精度よりも低い場合、可搬通信端末30に高度計37が設けられる。高度計37により、垂直離着陸飛行体11の離着陸が精度良く判断される。
【0245】
[変形例2]
【0246】
本変形例では、搭載端末71(図15参照)及び携帯端末72の2つの端末で構成された可搬通信端末70が説明される。なお、以下では、第1実施形態と同一の構成及び処理には、同一の符号が付されて説明が省略される。また、以下で説明する構成及び処理以外の構成及び処理は、第1実施形態及び第2実施形態で説明された構成及び処理と同一である。
【0247】
図15は、本変形例に係る可搬通信端末70の機能ブロック図である。
【0248】
搭載端末71は、端末コントローラ31、通信インタフェース32、通信アンテナ33、バッテリ34、及び電源回路35に加え、通信インタフェース38及び近接無線通信アンテナ39を更に備える。通信インタフェース38及び近接無線通信アンテナ39は、近接無線通信を行うインタフェース及びアンテナである。近接無線通信の通信プロトコル(通信規格)は、特に限定されない。例えば、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、或いはWi-Fi(登録商標)、或いはブルートゥース(登録商標)が用いられる。
【0249】
端末コントローラ31は、CPU41及び端末メモリ42を備える。端末メモリ42は、OS43、端末プログラム44、及び端末IDを記憶する。すなわち、端末メモリ42は、第1実施形態或いは第2実施形態で説明された端末プログラム44に代えて端末プログラム45を記憶する。
【0250】
端末プログラム45は、通信アンテナ33で受信したGPS位置情報を近接無線通信アンテナ39から送信する処理を実行するプログラムである。
【0251】
携帯端末72は、スマートフォン、或いはタブレット、或いはノートパソコンなど、携帯可能な通信端末である。携帯端末72は、近接無線通信アンテナ81、通信アンテナ82、不図示の通信インタフェース、及びメモリ83を備える。メモリ83は、不図示のOSの他、アプリケーションプログラム84を記憶する。
【0252】
アプリケーションプログラム84は、離着陸監視処理(図12参照)において、搭載端末71が送信したGPS位置情報及び端末IDを、近接無線通信アンテナ81を通じて受信する(S31)。アプリケーションプログラム84は、受信したGPS位置情報を、現在位置情報として、端末IDとともに管理サーバ50に送信する(S32)。
【0253】
或いは、アプリケーションプログラム84は、離着陸監視処理(図14参照)において、ステップS73、S74、S75、S77、S78、S79、S80、S81、S82、S84、S86、S33の処理を実行する。
【0254】
[変形例2の作用効果]
【0255】
本変形例では、既存の携帯端末72を流用することにより、可搬通信端末30よりも簡単な構成の搭載端末71を用いることができる。また、アプリケーションプログラム84として、例えば「モバロケ(登録商標)」などの既存のアプリケーションプログラムを用いることができる。
【符号の説明】
【0256】
10・・・サービス提供システム
11・・・垂直離着陸飛行体
13・・・離着陸ポイント
14・・・インターネット
15・・・移動体通信網
17・・・通信衛星
18・・・事業者サーバ
20・・・運行管理システム
21・・・運行管理サーバ
22・・・飛行制御ユニット
30・・・可搬通信端末
31・・・端末コントローラ
32・・・通信インタフェース
33・・・通信アンテナ
37・・・高度計
38・・・通信インタフェース
39・・・近接無線通信アンテナ
41・・・CPU
42・・・端末メモリ
44・・・端末プログラム
50・・・管理サーバ
51・・・管理コントローラ
52・・・通信インタフェース
61・・・CPU
62・・・メモリ
64・・・管理プログラム
70・・・可搬通信端末
71・・・搭載端末
72・・・携帯端末
81・・・近接無線通信アンテナ
82・・・通信アンテナ
83・・・メモリ
84・・・アプリケーションプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15