(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085307
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240619BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199771
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 宣之
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、店舗で販売する商品の購入支援及び販促支援を行うことが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【解決手段】店舗に来店した顧客の利用履歴から前回の来店日を抽出する抽出手段と、前記店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、前記エリアに配置される前記商品の販売形態との経時的な関係を示した関係情報に基づいて、前記前回の来店日から今回の来店日までに販売形態が変更された商品を配置するエリアを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した配置エリアを示す情報を出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に来店した顧客の利用履歴から前回の来店日を抽出する抽出手段と、
前記店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、前記エリアに配置される前記商品の販売形態との経時的な関係を示した関係情報に基づいて、前記前回の来店日から今回の来店日までに販売形態が変更された商品を配置するエリアを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定したエリアを示す情報を出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記エリアの各々と、当該エリアに配置される前記商品との経時的な関係を示した前記関係情報に基づいて、前記前回の来店日から今回の来店日までに配置位置が変更された商品を配置するエリアを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記エリアの各々と、当該エリアに配置される前記商品の価格との経時的な関係を示した前記関係情報に基づいて、前記前回の来店日から今回の来店日までに価格が変更された商品を配置するエリアを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記複数のエリアのうちの一部のエリアに配置される前記商品の中から、前記前回の来店日から今回の来店日までに販売形態が変更された商品の特定を行う、
請求項1~3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記店舗のレイアウトを示すマップ上において、前記特定手段が特定したエリアを識別可能に表した画面を表示部に出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置のコンピュータを、
店舗に来店した顧客の利用履歴から前回の来店日を抽出する抽出手段と、
前記店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、前記エリアに配置される前記商品の販売形態との経時的な関係を示した関係情報に基づいて、前記前回の来店日から今回の来店日までに販売形態が変更された商品を配置するエリアを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した配置エリアを示す情報を出力する出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗を頻繁に利用する消費者(以下、顧客ともいう)は、決まった店舗を利用することが多く、その店舗のどこに何が置いてあるか等をある程度把握しているも多い。また、顧客は、店舗内の各エリアにおいて、よく利用するエリアが決まっていることもあり、無意識又は自覚して当該エリアに足を運ぶ傾向がある。
【0003】
従来、顧客の購入履歴に登録されている商品情報に基づいて、所定の商品につき前回の購入日から所定の日時が経過したときに、同種の新商品の商品情報を顧客の端末に提供する技術が提案されている。
【0004】
ところで、顧客は好みの商品を定期的に購入することが多いが、例えば前回の来店時には無かった新しい商品や、今まで見かけなかった商品等を確認して購入することも多く、商品の更新を楽しみに買い物を行っている。
【0005】
しかしながら、前回来店時から更新された商品が何かを把握するには、顧客が自分の目で確かめるしかなく、発見できずに通過する場合や、そのエリア自体を通過しない場合もあり、商品購入のチャンスロスになる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、店舗で販売する商品の購入支援及び販促支援を行うことが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、抽出手段と、特定手段と、出力手段とを備える。抽出手段は、店舗に来店した顧客の利用履歴から前回の来店日を抽出する。特定手段は、前記店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、前記エリアに配置される前記商品の販売形態との経時的な関係を示した関係情報に基づいて、前記前回の来店日から今回の来店日までに販売形態が変更された商品を配置するエリアを特定する。出力手段は、前記特定手段が特定した配置エリアを示す情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る購入支援システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る顧客端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る商品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る配置変動ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る顧客マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る購入履歴ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る顧客端末及びサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態の顧客端末に表示される購入支援画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態の顧客端末に表示される購入支援画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態の顧客端末及びサーバ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、変形例1に係る価格変動ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、変形例1の顧客端末に表示される購入支援画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態の情報処理装置及びプログラムについて説明する。以下に説明する実施形態では、スーパーマーケット等の店舗に適用した例について説明するが、この実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係る購入支援システムの概略を示す図である。
図1に示すように、購入支援システム1は、顧客端末10とサーバ装置20とを有する。顧客端末10とサーバ装置20とは、ネットワークNを介して通信可能に接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク網である。ネットワークNは、例えば店舗内に設けられたアクセスポイント等の各種ネットワーク機器(図示せず)により形成される。
【0011】
顧客端末10は、顧客が操作する端末装置である。例えば、顧客端末10は、顧客自身が所有するスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置(以下、ユーザ所有端末ともいう)であってもよい。また例えば、顧客端末10は、店舗から貸し出される携帯型の端末装置や、店舗のショッピングカートに取り付けられたタブレット端末等の端末装置(以下、店舗端末ともいう)であってもよい。
【0012】
本実施形態の顧客端末10は、情報処理装置の一例である。顧客端末10は、サーバ装置20と協働することで、店舗で販売される商品の購入支援に係る情報を提示する機能を有する。
【0013】
なお、顧客端末10が有する機能はこれに限らないものとする。例えば、顧客端末10は、購入対象の商品に付されたバーコード等のコードシンボルから当該商品の種別を識別可能な識別コード(以下、商品コードともいう)を読み取る機能や、読み取った商品コードを自端末や他の装置(サーバ装置20等)に登録する機能を有してもよい。また、例えば、顧客端末10は、登録された商品の電子決済を行うことが可能な決済機能を有してもよい。
【0014】
サーバ装置20は、店舗に設けられる店舗サーバ等である。サーバ装置20は、店舗で販売する商品に関する情報や、店舗を利用する顧客に関する情報等、購入支援システム1に係る各種の情報を記憶し管理する。
【0015】
例えば、サーバ装置20は、各商品の商品コードに関連付けて、商品名や価格、店舗内での配置エリア等を記憶し管理する。また、サーバ装置20は、入店・退店の状態を顧客毎に記録するとともに、各顧客が店舗に入店した直近の年月日を記録し管理する。また、サーバ装置20は、店舗で販売される商品の購入支援に係る情報を顧客端末10に提供する。
【0016】
なお、サーバ装置20が有する機能はこれに限らないものとする。例えば、サーバ装置20は、顧客端末10で行われる商品の登録処理と協働し、顧客端末10で読み取られた商品コードを、顧客端末10を識別する情報や顧客端末10を操作する顧客を識別する情報(顧客コード)と関連付けて記憶し管理する機能を有してもよい。
【0017】
上述した購入支援システム1の構成において、ネットワークNに接続される顧客端末10の台数は特に問わないものとする。例えば、顧客端末10がユーザ所有端末である場合、顧客端末10は、店舗に入店した際にネットワークNにアクセスすることで、ネットワークNに接続されることになる。
【0018】
なお、ユーザ所有端末である顧客端末10が、ネットワークNに接続する接続方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。
【0019】
例えば、顧客端末10は顧客の操作に応じて、ネットワーク接続に係る自己の顧客端末10の情報や、当該顧客の顧客コード等を含んだ接続用のコードシンボルを後述する表示部114に表示させてもよい。そして、店舗の入り口等に設けられたスキャナ装置で接続用のコードシンボルが読み取られることで、ネットワークNを構成する各機器との協働により、顧客端末10がネットワークNに接続される構成としてもよい。なお、この場合、接続用のコードシンボルの表示は、GPS等の位置取得機能で取得される自端末の位置情報が、店舗が位置する領域に包含される場合にのみ実行できるよう実行制限を設けてもよい。
【0020】
また、例えば、ネットワークNに接続するための接続情報等を含んだコードシンボルを店舗に提示しておき、当該コードシンボルを顧客端末10で読み取ることで、顧客端末10がネットワークNへの接続を行う構成としてもよい。
【0021】
また、上記した接続方法は、顧客端末10に導入された専用のアプリケーションプログラムの機能により実現されるものであってもよい。
【0022】
なお、
図1では、顧客端末10とサーバ装置20とがネットワークNに接続された例を示したが、ネットワークNに接続される機器はこれに限定されないものとする。例えば、ネットワークNには、店舗に設けられるPOS端末等の販売データ処理装置が接続されてもよい。また、ネットワークNには、店舗の店員が使用する店員端末や、各種のセンサ装置等が接続されてもよい。
【0023】
また、本実施形態では、サーバ装置20が単体の装置によって実現される例を説明するが、これに限らず、例えばクラウド・コンピューティング等の技術により、複数台の装置によって実現されてもよい。
【0024】
次に、購入支援システム1が有する主要な装置の構成について説明する。
【0025】
図2は、顧客端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、顧客端末10は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113とを備える。
【0026】
CPU111は、プロセッサの一例であり、顧客端末10の各部を統括的に制御する。ROM112は、各種プログラムを記憶する。RAM113は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0027】
CPU111、ROM112、及びRAM113は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部100を構成する。制御部100は、CPU111が記憶部118に記憶されRAM113に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0028】
また、顧客端末10は、表示部114、操作部115、撮像部116、通信部117、及び記憶部118等を備える。
【0029】
表示部114は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスである。表示部114は、CPU111の制御の下、各種の情報を表示する。例えば、表示部114は、店舗内での購入を支援するための各種の購入支援画面を表示する。
【0030】
操作部115は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作部115は、客から受け付けた操作内容をCPU111に出力する。なお、操作部115は、表示部114の表示画面に設けられたタッチパネルであってもよい。
【0031】
撮像部116は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するデジタルカメラである。本実施形態において、撮像部116は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルの読み取り(撮像)に使用されるものとするがこれに限るものではない。
【0032】
通信部117は、ネットワークNに接続することが可能な無線通信インタフェースである。通信部117は、CPU111の制御の下、ネットワークNに接続し、当該ネットワークNに接続されたサーバ装置20等との間で各種データの送受信を行う。
【0033】
記憶部118は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部118は、CPU111が実行可能な各種のプログラム(アプリケーションプログラムを含む)や各種の設定情報を記憶する。また、記憶部118は、購入支援画面の表示に係る各種データを記憶する。また、記憶部118は、顧客端末10を操作する顧客の顧客コードを記憶する。
【0034】
なお、顧客端末10のハードウェア構成は、上記例に限らないものとする。例えば、顧客端末10は、撮像部116を備えることなく、別体の撮像装置(撮像部116)を接続可能な構成であってもよい。また、顧客端末10は、NFC(Near Field Communication)技術に対応した近距離無線通信部を備えてもよい。
【0035】
図3は、サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ装置20は、CPU211と、ROM212と、RAM213とを備える。
【0036】
CPU211は、プロセッサの一例であり、サーバ装置20の各部を統括的に制御する。ROM212は、各種プログラムを記憶する。RAM213は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0037】
CPU211、ROM212、及びRAM213は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部200を構成する。制御部200では、CPU211が記憶部217に記憶されRAM213に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0038】
また、サーバ装置20は、表示部214、操作部215、通信部216、及び記憶部217等を備える。
【0039】
表示部214は、LCD等の表示デバイスである。表示部214は、CPU211の制御の下、各種の情報を表示する。操作部215は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作部215は、店員等のオペレータから受け付けた操作内容をCPU211に出力する。なお、操作部215は、表示部214の表示画面に設けられたタッチパネルであってもよい。
【0040】
通信部216は、ネットワークNに接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部216は、CPU211の制御の下、ネットワークNに接続された顧客端末10等との間で各種データの送受信を行う。
【0041】
記憶部217は、HDDやSSD等の補助記憶装置である。記憶部217は、CPU211が実行可能な各種のプログラムや各種の設定情報を記憶する。また、記憶部217は、商品マスタ2171、配置変動ファイル2172、顧客マスタ2173、購入履歴ファイル2174等を記憶する。
【0042】
商品マスタ2171は、店舗で販売される商品に関する商品情報を記憶するマスタファイルである。商品マスタ2171は、店舗で販売される各商品の商品名、現在の価格、配置されている配置エリア等の情報を記憶する。
【0043】
図4は、商品マスタ2171のデータ構成の一例を示す図である。
図4に示すように、商品マスタ2171は、各商品の商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品の商品名、配置エリア、配置期間、価格等の商品情報を記憶する。
【0044】
商品名は、商品コードに対応する商品の名称を示す情報である。配置エリアは、商品コードに対応する商品が配置された店舗内のエリアを示す情報である。配置期間は、商品コードに対応する商品が配置エリアに配置される期間を示す情報である。価格は、商品コードに対応する商品の現在の販売価格を示す情報である。なお、商品マスタ2171には、現在の年月日を包含する配置期間及び配置エリアの組が登録されるものとする。
【0045】
ここで、店舗内のエリアについて説明する。店舗内は、所定の基準で複数のエリアに区分されており、該当する商品が配置されたエリアのアドレスや、区分名を示す情報等が配置エリアとして登録される。エリアを区分する基準は特に問わず、任意に設定することが可能である。例えば、店舗内のエリアは、商品棚の単位で区分されてもよい。また例えば、店舗内のエリアは、お菓子売り場や野菜売り場、特売品売り場等、配置される商品の分類や特性、販売方法等に応じて区分されてもよい。
【0046】
図4では、商品名AAAが、2022/06/01から2022/09/30までの間、エリアAに配置されること、商品名BBBが、2022/08/16から2022/10/30までの間、エリアAに配置されること、商品名CCCが、2022/08/22から2022/12/31までの間、エリアAに配置されること、を示している。また、
図4では、商品名DDDが、2022/06/01から2022/09/30までの間、エリアBに配置されることを示している。
【0047】
なお、商品マスタ2171に登録される情報は、店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、当該エリアに配置される商品の販売形態との経時的な関係を示す関係情報の一例である。
【0048】
配置変動ファイル2172は、配置エリアに配置される商品の変動履歴を記憶するファイルである。配置変動ファイル2172は、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品が過去に配置されていた配置エリア及び配置期間等の情報を記憶する。
【0049】
図5は、配置変動ファイル2172のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すように、配置変動ファイル2172は、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品が過去に配置されていた配置エリア及び配置期間の組を記憶する。
【0050】
図5では、商品コード「0000000000101」の商品が、2022/01/01から2022/05/31までの間、エリアCに配置されていたことを示している。また、商品コード「0000000000103」の商品が、2022/03/01から2022/08/21までの間、エリアDに配置されていたことを示している。また、商品コード「0000000000201」の商品が、2022/02/01から2022/05/31までの間、エリアAに配置されていたことを示している。
【0051】
また、
図4の商品マスタ2171に存在する商品コード「0000000000102」の商品については、
図5の配置変動ファイル2172に登録されていない。つまり、商品マスタ2171に登録された商品名BBBの商品は、新たに配置された新商品であることを意味している。
【0052】
なお、配置変動ファイル2172に記憶される情報は、店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、当該エリアに配置される商品の販売形態との経時的な関係を示す関係情報の一例である。
【0053】
本実施形態では、配置変動ファイル2172は、過去の配置期間及び配置エリアの組を記憶するものとしたが、現在の年月日を含む配置期間及び配置エリアの組を記憶してもよい。この場合、例えば、商品マスタ2171から配置期間及び配置エリアの項目を削除し、配置変動ファイル2172にて過去から現在までの配置期間及び配置エリアの組を一元管理する構成としてもよい。
【0054】
顧客マスタ2173は、顧客に関する顧客情報を記憶するマスタファイルである。顧客マスタ2173は、各顧客を識別可能な顧客コードに関連付けて、当該顧客コードに対応する顧客の氏名、最終来店日、お気に入りエリア、及び入店状態等の情報を記憶する。
【0055】
図6は、顧客マスタ2173のデータ構成の一例を示す図である。
図6に示すように、顧客マスタ2173は、顧客コードに関連付けて、当該顧客コードに対応する顧客の氏名、最終来店日、お気に入りエリア、及び入店状態等の顧客情報を記憶する。
【0056】
氏名は、顧客コードに対応する顧客の氏名を示す情報である。最終来店日は、顧客コードに対応する顧客が直近に入店した年月日を示す情報である。
【0057】
お気に入りにエリアは、顧客コードに対応する顧客がよく利用する店舗内のエリアを示す情報である。お気に入りにエリアは、顧客自らが申請したエリアであってもよいし、顧客の購買履歴から自動で導出したものであってもよい。本実施形態では、後述する分析部203(
図8参照)が自動で導出する形態について説明する。
【0058】
入店状態は、顧客コードに対応する顧客が店舗に入店している状態にあるか、退店の状態にあるかを示す情報である。入店状態は、後述する入退店記録部201(
図8参照)により登録(更新)される。
【0059】
上述したように、顧客マスタ2173に記憶される顧客情報は、店舗に来店した顧客の前回の来店日及び入退店の状態を含む。すなわち、顧客情報は、店舗に来店した顧客の利用履歴の一例でもある。
【0060】
購入履歴ファイル2174は、顧客が店舗で購入した商品の購入履歴を記憶するファイルである。購入履歴ファイル2174は、顧客コードに関連付けて、当該顧客コードに対応する顧客が商品を購入した購入年月日、商品コード等を記憶する。
【0061】
図7は、購入履歴ファイル2174のデータ構成の一例を示す図である。
図7に示すように、購入履歴ファイル2174は、顧客コードに関連付けて、当該顧客コードに対応する顧客が購入した商品の購入年月日及び商品コードを購入履歴として記憶する。
【0062】
購入年月日は、顧客コードに対応する顧客が店舗で購入を行った年月日を示す情報である。商品コードは、顧客コードに対応する顧客が、購入年月日に購入した商品の商品コードを示す情報である。
【0063】
購入履歴ファイル2174への購入履歴情報の登録は、サーバ装置20が行ってもよいし、サーバ装置20以外の他の装置が行ってもよい。前者の場合、例えば、サーバ装置20の制御部200は、POS端末(図示せず)の各々から決済処理が完了した取引の取引情報を収集する。そして、サーバ装置20は、取引情報に含まれた顧客コード及び商品コードを、取引が行われた年月日(購入年月日)と関連付けて、購入履歴ファイル2174に登録する。
【0064】
次に、顧客端末10及びサーバ装置20の機能構成について説明する。
図8は、顧客端末10の機能構成の一例を示す図である。
図8に示すように、顧客端末10は、入退店通知部101と、情報取得部102と、更新商品特定部103と、表示制御部104とを機能構成として備える。具体的には、顧客端末10の制御部100(CPU111)は、ROM112又は記憶部118に記憶されたプログラムを実行することで上述した機能構成を実現する。
【0065】
なお、本実施形態では、顧客端末10の機能構成は、顧客端末10のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0066】
一方、サーバ装置20は、入退店記録部201と、情報提供部202と、分析部203とを機能構成として備える。具体的には、サーバ装置20の制御部200(CPU211)は、ROM212又は記憶部217に記憶されたプログラムを実行することで上述した機能構成を実現する。
【0067】
なお、本実施形態では、サーバ装置20の機能構成は、サーバ装置20のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0068】
顧客端末10の入退店通知部101は、店舗への入店及び店舗からの退店をサーバ装置20に通知する。入退店の通知方法は特に問わず、顧客端末10及び店舗の仕様に応じて種々の方法を採用することができる。
【0069】
例えば、顧客端末10がユーザ所有端末の場合、入退店通知部101は、自己の顧客端末10がネットワークNに接続したタイミングで、顧客端末10に係る顧客の顧客コードとともに入店を指示する情報をサーバ装置20に送信することで入店通知を行う。また、例えば、ユーザ所有端末の入退店通知部101は、操作部115や制御部100からネットワークNとの切断が指示されると、顧客コードとともに退店を指示する情報をサーバ装置20に送信することで退店通知を行う。なお、入退店通知部101は、通信部117と協働することで、ネットワークNとの接続及び切断を制御してもよい。
【0070】
また、例えば、顧客端末10が店舗端末の場合、入退店通知部101は、操作部115等を介して顧客コードを入力するログイン操作が行われると、当該顧客コードとともに入店を指示する情報をサーバ装置20に送信することで入店通知を行う。また、店舗端末の入退店通知部101は、操作部115等を介してログアウト操作が行われると、顧客コードとともに退店を指示する情報をサーバ装置20に送信することで退店通知を行う。
【0071】
また、例えば、顧客端末10が商品の決済機能を有する場合には、入退店通知部101は、商品の決済処理が完了したタイミングで、顧客コードとともに退店を指示する情報をサーバ装置20に送信することで退店を通知してもよい。
【0072】
サーバ装置20の入退店記録部201は、顧客端末10又は店舗内の装置から送信される情報に基づき、顧客の入退店の状態を顧客マスタ2173に記録する。
【0073】
例えば、入退店記録部201は、顧客端末10から入店通知を受け付けると、この入店通知指示された顧客コードに対応する顧客が入店したことを検知する。入退店記録部201は、顧客の入店を検知すると、当該顧客の顧客情報に含まれる入店状態を「入店中」に更新する。
【0074】
また例えば、入退店記録部201は、顧客端末10から退店通知を受け付けると、この退店通知で指示された顧客コードに対応する顧客が退店したことを検知する。入退店記録部201は、顧客の退店を検知すると、当該顧客の顧客情報に含まれる入店状態を「退店中」に更新する。また、入退店記録部201は、顧客情報に含まれる最終来店日に、退店を検知した年月日を登録(上書き)する。つまり、店舗に入店した顧客が退店するまでの間、前回入店時の年月日が、顧客マスタ2173の最終来店日に保持されることになる。
【0075】
なお、本実施形態では、入店通知及び退店通知を顧客端末10が送信する形態としたが、顧客端末10以外の装置から送信される形態としてもよい。例えば、入退店記録部201は、接続用のコードシンボルを読み取ったスキャナ装置から入店通知を受け取ってもよい。また、入退店記録部201は、店舗のPOS端末から退店通知を受け取ってもよい。また、入退店記録部201は、顧客コードを送信した顧客端末10がネットワークNから消失した場合に、当該顧客コードに対応する顧客が退店したと判断し、「退店中」に更新する構成としてもよい。
【0076】
サーバ装置20の情報提供部202は、ネットワークNに接続した顧客端末10に対し各種の情報を提供する。例えば、情報提供部202は、商品マスタ2171、配置変動ファイル2172、顧客マスタ2173、及び購入履歴ファイル2174に登録された情報を、顧客端末10に提供する。
【0077】
なお、情報提供部202が提供する情報は上記例に限らないものとする、例えば、情報提供部202は、購入支援画面の表示に関する情報を提供してもよい。例えば、情報提供部202は、店舗内のマップを表すマップ情報や、GUI(Graphical User Interface)等の情報を提供してもよい。また、情報提供部202は、入店状態が「入店中」の顧客コードに係る顧客端末10に情報提供を行う構成としてもよい。
【0078】
顧客端末10の情報取得部102は、サーバ装置20から各種の情報を取得する。例えば、情報取得部102は、自己の顧客端末10を操作する顧客コードに基づき、当該顧客コードに対応する顧客情報を商品マスタ2171から取得する。
【0079】
顧客端末10の更新商品特定部103は、抽出手段及び特定手段の一例である。更新商品特定部103は、情報取得部102が取得した顧客情報から最終来店日を抽出する。また、更新商品特定部103は、抽出した最終来店日に基づいて、前回の来店日から今回の来店日までの間に販売形態が変更された商品(以下、更新商品ともいう)を商品マスタ2171等から特定する。
【0080】
一例として、更新商品特定部103は、前回の来店日から今回の来店日までの間に配置エリアが変更された商品を更新商品として特定する。具体的には、更新商品特定部103は、最終来店日と、商品マスタ2171に登録された各商品の配置期間とを比較し、最終来店日以降に配置エリアが更新された商品の商品コードを特定する。より具体的には、更新商品特定部103は、配置期間が最終来店日以降の日付となる更新商品の商品コードを特定する。ここで、更新商品は、最終来店日以降に配置エリアが変更された商品、又は最終来店日以降に新たに配置された新商品を意味する。
【0081】
そして、更新商品特定部103は、特定した更新商品の商品コード及び商品名と、商品マスタ2171に登録された更新後の配置エリアとを商品マスタ2171から読み出し、更新商品情報として生成する。
【0082】
なお、更新商品情報は、更新商品の価格等、他の情報を含んでもよい。例えば、更新商品特定部103は、更新前の配置エリアを更新商品情報に含めてもよい。この場合、更新商品特定部103は、商品マスタ2171から特定した更新商品の商品コードに基づき、最終来店日の時点で配置されていた更新前の配置エリアを配置変動ファイル2172から読み出す。具体的には、更新商品特定部103は、配置変動ファイル2172を参照し、更新商品の商品コードに関連付けて記憶された配置期間のうち、最終来店日を包含する配置期間に対応する配置エリアを、更新前の配置エリアとして読み出す。そして、更新商品特定部103は、更新前後の配置エリアを含んだ更新商品情報を生成する。
【0083】
また、更新商品特定部103は、店舗の各エリアのうち、一部のエリアに限定して更新商品の特定を行う形態としてもよい。例えば、更新商品特定部103は、顧客情報からお気に入りエリアを読み出し、お気に入りエリアに設定されたエリアについて更新商品が存在するか否かを判定してもよい。
【0084】
この場合、例えば、更新商品特定部103は、上述した手順で商品マスタ2171から更新商品を特定した後、配置エリアがお気に入りエリアに合致する更新商品を抽出してもよい。また、更新商品特定部103は、商品マスタ2171に登録された商品のうち、お気に入りエリアに配置されている商品を処理対象とし、この処理対象の商品の中から更新商品を特定してもよい。
【0085】
これにより、更新商品特定部103は、前回の入店日である最終来店日以降にお気に入りエリアに移動された商品や新たに配置された商品を、更新商品として特定することができる。
【0086】
また、この場合、更新商品特定部103は、お気に入りエリアから他のエリアに移動された商品についても更新商品として特定してもよい。具体的には、更新商品特定部103は、配置変動ファイル2172を参照し、最終来店日の時点でお気に入りにエリアに配置されていた商品を抽出する。また、更新商品特定部103は、配置変動ファイル2172を参照し、最終来店日の時点でお気に入りにエリアに配置されていた商品を更新商品として特定する。次いで、更新商品特定部103は、特定した更新商品の商品コードを読み出すとともに、当該更新商品の配置エリアを更新前の配置エリアとして読み出す。また、更新商品特定部103は、商品マスタ2171を参照し、更新商品に対応する商品コードの配置エリアを更新後の配置エリアとして読み出す。そして、更新商品特定部103は、更新商品の商品コードとともに、更新前後の配置エリアを含んだ更新商品情報を生成する。
【0087】
これにより、更新商品特定部103は、前回の入店日である最終来店日の時点でお気に入りエリア配置されていたにも関わらず、今回の入店日の時点で他のエリアに移動されてしまった商品を、更新商品として特定することができる。
【0088】
顧客端末10の表示制御部104は、出力手段の一例である。表示制御部104は、各種の画面を表示部114に表示させる。例えば、表示制御部104は、更新商品情報に基づき、店舗内での商品購入を支援するための購入支援画面を表示部114に表示させる。
【0089】
一例として、表示制御部104は、店舗内のレイアウトを示すマップ情報を用いて、更新商品が配置された配置エリアを識別可能に表した購入支援画面を表示部114に表示させる。なお、マップ情報は、記憶部118に予め記憶されていてもよいし、サーバ装置20から提供されてもよい。
【0090】
ここで、
図9、
図10を参照して、表示制御部104が表示する購入支援画面について説明する。
図9及び
図10は、顧客端末10の表示制御部104が表示する購入支援画面の一例を示す図である。
【0091】
図9に示すように、表示制御部104は、マップ情報に基づき、店舗内のレイアウトを示すマップ画像を第1領域Gaに表示させる。ここで、マップ画像は、例えば店舗内における各エリアの位置関係を模式的に表すものである。
【0092】
また、表示制御部104は、更新商品情報に基づき、更新商品が配置された更新後の配置エリアとその商品名とを第2領域Gbに表示させる。
図9では、エリアAに配置された商品名AAAの商品、商品名BBBの商品、エリアBに配置された商品名DDDの商品が更新商品である場合の例を示しており、その内容が第2領域Gbに表示される。また、第1領域Gaのマップ画像上において、更新商品が配置されたエリアA及びエリアBに対応する領域が、他のエリアに対応する領域と識別可能に強調して表示される。
【0093】
顧客端末10を使用する顧客は、表示部114に表示された購入支援画面を見ることで、前回の入店時から販売形態が更新された商品、つまり配置位置が変更された商品が配置されている配置エリアを容易に確認することができる。これにより、顧客は、更新商品が配置された配置エリアにおいて、配置替えの対象となった商品や新商品の確認を効率的に行うことができる。また例えば、顧客のお気に入りエリアに絞り込んで更新商品の特定を行った場合、顧客は、購入支援画面を見ることで、自身が頻繁に利用するエリアにおいて、商品の配置替えや新商品の配置があったか否かを容易に確認することができる。
【0094】
なお、顧客端末10が有するGPS機能等により、店舗内での自端末の位置や向きを特定することができる場合、表示制御部104は、自端末の位置や向きをマップ画像上に表示させてもよい。
【0095】
図10は、購入支援画面の他の例である。
図10は、更新前後の配置エリアを含む更新商品情報に基づき表示された購入支援画面の一例を示している。ここで、
図10の購入支援画面は、
図10と同様に第1領域Gaと第2領域Gbとを有するが、第2領域Gbに表示される情報が異なっている。
【0096】
具体的には、
図10では、顧客の前回入店時にエリアDに配置されていた商品名CCCの商品が、今回入店時にエリアAに配置されている場合を示しており、その内容が第2領域Gbに表示されている。
【0097】
これにより、顧客端末10を操作する顧客は、
図10の購入支援画面を見ることで、更新商品の更新前後の配置エリアを容易に確認することができる。
【0098】
なお、
図10では
図9と同様に、更新後の配置エリア(エリアA)をマップ画像上で強調表示しているが、表示方法はこれに限らないものとする。例えば、更新前と更新後の配置エリアを矢印等で接続し、当該矢印に該当する更新商品の商品名を対応付けて表示することで、配置エリアの遷移を識別可能に表示してもよい。
【0099】
また、
図9の購入支援画面において更新商品が配置された更新後の配置エリアとその商品名とを第2領域Gbに表示するとしているが、第2領域Gbに更新商品の商品名を表示しない構成としてもよい。例えば顧客によっては、何かしらの変化があったエリアを知ることさえできれば十分であり、どのような変化があったかは実際に見て確認することを楽しみと考える顧客も想定される。そのため、前回の入店時から販売形態が更新された商品、つまり配置位置が変更された商品が配置されているエリアがわかるように、エリアを示す情報を表示する構成としてもよい。
【0100】
この場合、顧客は前回来店時からのすなわち、商品の配置替えや新商品の配置があったエリアを容易に把握することができ、そのエリアにどのような変化があったかを実際に見て確認するという体験をすることができる。また、顧客のお気に入りエリアに絞り込んで更新商品の特定を行った場合、顧客は、購入支援画面を見ることで、自身が頻繁に利用するエリアにおいて、商品の配置替えや新商品の配置があったという何かしらの変化があったのかを容易に知ることができ、自身のお気に入りのエリアにどのような変化があったかは実際に見て確認するという体験をすることができる。
【0101】
図8に戻り、サーバ装置20の分析部203は、導出手段の一例である。分析部203は、店舗を利用する顧客の行動を分析することで、当該顧客が頻繁に利用するエリアをお気に入りエリアとして導出する。
【0102】
具体的には、分析部203は、購入履歴ファイル2174に登録された顧客コード毎に、購入年月日及び商品コードを抽出する。次いで、分析部203は、商品マスタ2171及び配置変動ファイル2172に登録された各商品の配置エリア及び配置期間に基づき、購入履歴ファイル2174から抽出した商品コードに対応する商品が購入年月日の時点で配置されていた配置エリアを特定する。分析部203は、特定した配置エリアの出現頻度や割合等を分析することで、顧客コード毎に当該顧客コードに対応する顧客が頻繁に利用するエリアをお気に入りエリアとして導出する。そして、分析部203は、顧客コード毎に導出したお気に入りエリアを顧客マスタ2173に登録する。
【0103】
なお、お気に入りエリアの導出方法はこれに限らず、公知の方法を用いてもよい。また、お気に入りエリアを導出するタイミングは特に問わないものとする。例えば、分析部203は、1ヵ月毎等の所定のタイミングでお気に入りエリアを導出してもよい。
【0104】
次に、本実施形態の購入支援システム1の動作例について説明する。
図11は、顧客端末10及びサーバ装置20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0105】
まず、顧客端末10の入退店通知部101は、店舗に設けられた各種装置と協働することで、自端末を操作する顧客の顧客コードを含んだ入店通知をサーバ装置20に送信する(ステップS11)。
【0106】
サーバ装置20の入退店記録部201は、顧客端末10から入店通知を受け付けると、当該入店通知で指示された顧客コードに対応する顧客が入店したことを検知する(ステップS21)。次いで、入退店記録部201は、入店を検知した顧客コードの顧客情報を顧客マスタ2173から検索し、顧客情報に含まれる入店状態を「入店中」に更新する(ステップS22)。
【0107】
続いて、サーバ装置20の情報提供部202は、ステップS22で「入店中」に更新された顧客情報を顧客マスタ2173から読み出し、当該顧客情報の顧客コードに係る顧客端末10に提供する(ステップS23)。
【0108】
一方、顧客端末10の情報取得部102は、サーバ装置20から提供された顧客情報を取得する(ステップS12)。顧客端末10の更新商品特定部103は、商品マスタ2171を参照し、顧客のお気に入りエリアに配置されている商品を検索する(ステップS13)。次いで、更新商品特定部103は、顧客の最終来店日と、検索した商品の配置期間及び配置エリアとに基づき、最終来店日以降に配置エリアが更新された更新商品とその配置エリアとを特定する(ステップS14)。
【0109】
続いて、顧客端末10の表示制御部104は、ステップS14の処理結果となる更新商品情報に基づき、更新商品の配置エリアを表した購入支援画面(
図9、
図10参照)を表示部114に表示させる(ステップS15)。
【0110】
顧客端末10を操作する顧客は、購入支援画面を見ながら店舗内を移動することで買い物を開始することができる。例えば、顧客端末10を使用する顧客は、マップ画像に表された更新商品が配置されているエリアを目指して移動し、当該エリアにおいて所望する商品をピックアップすることができる。そして、顧客は、顧客端末10やPOS端末を使用することで、ピックアップした商品の登録と決済を行う。
【0111】
続いて、入退店通知部101は、退店が指示されたか否かを判定し(ステップS16)、退店が指示されるまで待機する(ステップS16;No)。例えば、入退店通知部101は、アプリケーションの終了指示やネットワークNの切断が指示された場合に退店が指示されたと判定する(ステップS16;Yes)。そして、入退店通知部101は、顧客コードを含んだ退店通知をサーバ装置20に送信する(ステップS17)。
【0112】
一方、サーバ装置20の入退店記録部201は、顧客端末10から退店通知を受け付けると、当該退店通知で指示された顧客コードに対応する顧客が退店したことを検知する(ステップS24)。次いで、入退店記録部201は、退店を検知した顧客コードの顧客情報を顧客マスタ2173から検索し、顧客情報に含まれる入店状態を「退店中」に更新する(ステップS25)。そして、入退店記録部201は、本日の年月日を最終来店日として顧客情報に記録し(ステップS26)、処理を終了する。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の顧客端末10は、店舗に来店した顧客の顧客情報から最終来店日を抽出し、商品マスタ2171等に登録された、エリアと当該エリアに配置される商品の販売形態との経時的な関係を示した関係情報に基づいて、最終来店日から今回の来店日までに販売形態が変更された商品を配置するエリアを特定する。そして、顧客端末10は、特定した配置エリアを示す情報を、購入支援画面を介して出力する。
【0114】
これにより、顧客端末10を操作する顧客は、顧客端末10が出力する購入支援画面を介して、前回の来店日から今回の来店日までの間に販売形態が変更された商品を配置する配置エリアを容易に把握することができる。これにより、顧客は、購入支援画面で指示された購入エリアにおいて、前回の来店時には無かった新しい商品や、今まで見かけなかった商品を容易に確認することができる。したがって、顧客端末10は、販売形態の変更が行われた商品の購入支援を行うことができるとともに、当該商品の販促支援を行うことができる。
【0115】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0116】
(変形例1)
上述の実施形態では、顧客の前回の来店日から今回の来店日までの間に販売形態が変化した更新商品として、配置エリアが変更された更新商品を特定する例を説明した。本変形例では、更新商品の他の例として、価格が変更された商品を更新商品として特定する形態について説明する。
【0117】
本変形例のサーバ装置20は、上記した各種ファイルとともに、
図12に示す価格変動ファイル2175を記憶部217に記憶する。
図12は、価格変動ファイル2175のデータ構成の一例を示す図である。価格変動ファイル2175は、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品の過去の価格及び当該価格の適用期間の組を記憶する。
【0118】
図12では、商品コード「0000000000101」の商品が、2022/01/01から2022/05/31までの間、100円で販売されていたことを示している。また、商品コード「0000000000102」の商品が、2022/08/16から2022/08/31までの間、120円で販売されていたことを示している。また、商品コード「0000000000103」の商品が、2022/01/01から2022/08/21までの間、150円で販売されていたことを示している。また、商品コード「0000000000201」の商品が、2022/01/01から2022/04/30までの間、250円で販売され、2022/05/01から2022/05/31までの間、230円で販売されていたことを示している。
【0119】
配置変動ファイル2172に登録される情報は、店舗に設けられた商品を配置するための複数のエリアと、当該エリアに配置される商品の販売形態との経時的な関係を示す関係情報の一例である。
【0120】
また、本変形例に係る顧客端末10の更新商品特定部103は、情報取得部102が取得した顧客情報から最終来店日を抽出する。そして、更新商品特定部103は、抽出した最終来店日に基づいて、前回の来店日から今回の来店日までの間に価格が変更された更新商品を、商品マスタ2171及び価格変動ファイル2175等から特定する。
【0121】
具体的には、更新商品特定部103は、顧客情報に含まれる最終来店日と、価格変動ファイル2175に登録された各商品の適用期間とを比較し、最終来店日を包含する適用期間の価格を商品毎に特定する。次いで、更新商品特定部103は、価格変動ファイル2175から特定した価格と、商品マスタ2171に登録された価格とを商品毎に比較し、価格が相違する商品を更新商品として特定する。
【0122】
そして、更新商品特定部103は、特定した更新商品の商品コード及び商品名と、更新前後の価格と、商品マスタ2171に登録された配置エリアとを読み出し、更新商品情報として生成する。
【0123】
なお、更新商品特定部103は、店舗の各エリアのうち、一部のエリアに限定して更新商品の特定を行う形態としてもよい。例えば、更新商品特定部103は、顧客情報からお気に入りエリアを読み出し、お気に入りエリアに設定されたエリアについて更新商品の特定を行ってもよい。
【0124】
この場合、例えば、更新商品特定部103は、上述した手順で価格変動ファイル2175及び商品マスタ2171から更新商品を特定した後、お気に入りエリアに配置されている更新商品を抽出してもよい。また、更新商品特定部103は、商品マスタ2171に登録された商品のうち、お気に入りエリアに配置されている商品を処理対象とし、この処理対象の商品の中から更新商品を特定してもよい。
【0125】
これにより、更新商品特定部103は、お気に入りエリアに配置された商品のうち、前回の入店日(来店日ともいう)である最終来店日以降に価格が変更された商品を更新商品として特定することができる。
【0126】
また、この場合、更新商品特定部103は、お気に入りエリアから他のエリアに移動された商品の中から、価格が変更された更新商品を特定してもよい。
【0127】
具体的には、更新商品特定部103は、配置変動ファイル2172を参照し、最終来店日の時点でお気に入りエリアに配置されていた商品を検索する。次いで、更新商品特定部103は、価格変動ファイル2175に登録された商品のうち、検索した商品の商品コードに対応する商品について、最終来店日と適用期間とを比較し、最終来店日を包含する適用期間の価格を商品毎に特定する。次いで、更新商品特定部103は、商品マスタ2171に登録された商品のうち、検索した商品の商品コードに対応する商品の価格と、価格変動ファイル2175から特定した商品の価格とを比較し、価格が相違する商品を更新商品として特定する。
【0128】
そして、更新商品特定部103は、特定した更新商品の商品コード及び商品名と、更新前後の価格と、更新前後の配置エリアとを読み出し、更新商品情報として生成する。
【0129】
これにより、更新商品特定部103は、前回の入店日である最終来店日の時点でお気に入りエリア配置され、今回の入店日の時点で他のエリアに移動されてしまった商品のうち、価格が変更された更新商品を特定することができる。
【0130】
なお、本変形に係る顧客端末10の表示制御部104は、上述した更新商品情報に基づき、前回の来店時から価格が変更された商品が配置されている配置エリアを表した購入支援画面を表示部114に表示させる。
【0131】
図13は、本変形に係る顧客端末10の表示制御部104が表示する購入支援画面の一例を示す図である。
【0132】
図13に示すように、表示制御部104は、マップ画像を第1領域Gaに表示させるとともに、更新商品情報に基づく情報を第2領域Gbに表示させる。
図13では、エリアAに配置された商品名AAAの商品の価格が、前回入店時の120円から今回入店時の100円に値下げされたことを示している。また、エリアBに配置された商品名DDDの商品の価格が、前回入店時の230円から今回入店時の200円に値下げされたことを示している。また、第1領域Gaのマップ画像において、更新商品が配置されたエリアA及びエリアBが、他のエリアと識別可能に強調表示される。
【0133】
顧客端末10を使用する顧客は、表示部114に表示された購入支援画面を見ることで、前回の来店時から価格の変更があった商品の配置エリアを容易に確認することができる。これにより、顧客は、購入支援画面で示された配置エリアにおいて、例えば値下げされた商品の確認やピックアップを効率的に行うことができる。
【0134】
また例えば、顧客のお気に入りエリアに絞り込んで更新商品の特定を行った場合、顧客は、購入支援画面を見ることで、自身が頻繁に利用するお気に入りエリアにおいて、価格の変更があったか否かを容易に確認することができる。これにより、顧客は、お気に入りエリアにおいて、例えば値下げされた商品の確認やピックアップを効率的に行うことができる。
【0135】
(変形例2)
上述の実施形態では、サーバ装置20の入退店記録部201が退店を検知したタイミングで最終来店日時を登録する形態を説明した。しかしながら、最終来店日時の登録方法は、これに限るものではない。
【0136】
例えば、制御部200又は入退店記録部201は、購入履歴ファイル2174から最新の購入年月日を顧客コード毎に抽出し、抽出した購入年月日を最終来店日時として顧客マスタ2173に登録してもよい。この場合、購入履歴ファイル2174は、店舗を利用する顧客の利用履歴の一例に対応する。
【0137】
なお、購入履歴ファイル2174から購入年月日を抽出するタイミングは特に問わないものとする。例えば、1日1回、店舗が閉店するタイミングで抽出する形態としてもよい。また、購入履歴ファイル2174が更新される毎に、更新の対象となった顧客(顧客コード)について購入年月日を抽出する形態としてもよい。
【0138】
(変形例3)
上述の実施形態では、顧客端末10が更新商品を特定する形態としたが、これに限らず、例えばサーバ装置20で更新商品を特定する形態としてもよい。この場合、サーバ装置20は、情報処理装置の一例として機能する。
【0139】
本変形例を実現する場合、サーバ装置20は、上述した更新商品特定部103を機能部として備えることで、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。具体的には、サーバ装置20の更新商品特定部103は、入店状態が入店中となった顧客の顧客コードに基づき、当該顧客に係る更新商品を特定し、更新商品情報を生成する。そして、サーバ装置20の情報提供部202は、更新商品特定部103が生成した更新商品情報を、入店中の顧客コードに係る顧客端末10に提供する。これにより、顧客端末10において表示制御部104は上述した購入支援画面を表示させることができる。
【0140】
(変形例4)
上述の実施形態では、顧客のお気に入りエリアを、当該顧客の購入履歴から導出する形態を説明した。しかしながら、お気に入りエリアの導出方法はこれに限るものではない。例えば、購入支援システム1が、店舗内を移動する顧客(顧客端末10)の行動を追跡することが可能な構成を有する場合、分析部203は、各エリアでの顧客端末10の滞在時間等に基づき、顧客が頻繁に利用するエリアを導出してもよい。
【0141】
なお、顧客の行動を追跡することが可能な構成は、特に問わないものとする。例えば、監視カメラシステム等の公知の技術を用いることができる。また、例えば、各エリアに設けたビーコン端末を用いることで、当該ビーコン端末と顧客端末10との交信時間等からエリア毎の滞在時間を取得してもよい。
【0142】
これにより、例えば、高額の商品が配置されるようなエリアにおいて、商品が頻繁に購入されることがないものの、顧客が頻繁に立ち寄るような場合に、当該エリアをお気に入りエリアに設定することができる。
【0143】
(変形例5)
上述の実施形態では、更新商品情報に基づく情報を表示部114に表示出力する例を説明したが、出力方法はこれに限らないものとする。例えば、顧客端末10の表示制御部104又は図示しない出力制御部は、更新商品情報又は当該更新商品情報に基づく情報を、プリンタを用いて印刷出力したり、通信部117等を介して外部装置に送信したりしてもよい。
【0144】
上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0145】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0146】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0147】
1 購入支援システム
10 顧客端末
101 入退店通知部
102 情報取得部
103 更新商品特定部
104 表示制御部
20 サーバ装置
201 入退店記録部
202 情報提供部
203 嗜好分析部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0148】