(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085328
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】配線回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/44 20060101AFI20240619BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
H05K3/44 Z
H05K1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199808
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】池田 敬裕
(72)【発明者】
【氏名】新納 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】柴田 周作
(72)【発明者】
【氏名】鐡川 憧英
【テーマコード(参考)】
5E315
5E338
【Fターム(参考)】
5E315AA03
5E315BB04
5E315BB05
5E315BB16
5E315CC29
5E315DD13
5E315GG20
5E315GG22
5E338AA01
5E338AA16
5E338BB12
5E338BB54
5E338BB72
5E338CD13
5E338CD17
5E338EE27
5E338EE33
(57)【要約】
【課題】工程(2)において、ジョイントの損傷および/または脱離を抑制できる配線回路基板の製造方法、および、金属支持層における2つの側面による他の部材の損傷を抑制できる配線回路基板を提供する。
【解決手段】配線回路基板1の製造方法は、金属支持板10を備える金属支持板付き基板100を製造する工程(1)と、金属支持板10をエッチングする工程(2)とを備える。配線回路基板1は、フレーム2と搭載部3と開口部4とジョイント5とを備える。フレーム2および搭載部3のそれぞれは、金属支持層11とベース絶縁層12と導体層13とカバー絶縁層14とを備える。ジョイント5は、金属支持層11を備えない。工程(2)では、エッチングレジスト16を用いて、厚み方向の他方側から、開口部4およびジョイント5に対応する金属支持板10をエッチングすることによって、金属支持層11を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属支持板を備える金属支持板付き基板を製造する工程(1)と、金属支持板をエッチングする工程(2)と、を順に備える配線回路基板の製造方法であって、
前記配線回路基板は、フレームと、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部であって、前記フレームに囲まれる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部の間に配置される開口部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結するジョイントであって、前記開口部を横断するジョイントと、を備え、
前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、
前記ジョイントは、金属支持層を備えず、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、
前記金属支持板付き基板は、前記金属支持層を含む金属支持板と、前記ベース絶縁層と、前記導体層と、前記カバー絶縁層と、を備え、
前記工程(2)では、エッチングレジストを用いて、厚み方向の他方側から、前記開口部および前記ジョイントに対応する前記金属支持板をエッチングすることによって、前記金属支持層を形成する、配線回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記工程(2)は、
当て板を、厚み方向における前記金属支持板付き基板の一方側に配置する工程(3)と、
前記金属支持板をエッチングする工程(4)と、
前記当て板を取り外す工程(5)と、
を備える、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記当て板は、非粘着性を有する、請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記フレームは、前記フレームの内周縁において辺を有し、
前記ジョイントは、前記辺において前記ジョイントが接続する第1接続部を含み、
前記辺の長さに対する、前記辺に沿う方向における前記第1接続部の長さの比(前記第1接続部の長さ/前記辺の長さ)は、0.3以下である、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記搭載部は、前記搭載部の外周縁において辺を有し、
前記ジョイントは、前記辺において前記ジョイントが接続する第2接続部を含み、
前記辺の長さに対する、前記辺に沿う方向における前記第2接続部の長さの比(前記第2接続部の長さ/前記辺の長さ)は、0.3以下である、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項6】
フレームと、
前記フレームに支持される搭載部であって、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部と、
前記フレームおよび前記搭載部の間に配置される開口部と、
前記フレームおよび前記搭載部を連結するジョイントであって、前記開口部を横断するジョイントと、
を備え、
前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、
前記ジョイントは、金属支持層を備えず、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、
前記金属支持層は、前記開口部を区画する2つの側面であって、互いに対向する2つの側面を有し、
前記2つの側面は、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づくように傾斜形状を有する、配線回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレームと、搭載部と、ジョイントと、開口部と、を備える配線回路基板が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の配線回路基板では、搭載部は、開口部を隔ててフレームに囲まれる。搭載部は、ジョイントを介してフレームに支持される。ジョイントは、開口部を横断する。
【0004】
フレームおよび搭載部のそれぞれは、金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備える。ジョイントは、金属支持層を備えず、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の配線回路基板の製造方法は、金属支持板を備える金属支持板付き基板を製造する工程(1)と、金属支持板をエッチングする工程(2)とを備える。工程(1)で製造される金属支持板付き基板は、金属支持板と、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を備える。工程(2)では、金属支持板をエッチングすることによって、金属支持板から金属支持層が形成される。
【0007】
そして、工程(2)では、製造効率の向上のため、厚み方向の一方側および他方側の両側から、開口部およびジョイントに対応する金属支持板をエッチングする。
【0008】
エッチングでは、エッチングレジストが用いられる。エッチングレジストは、金属支持板付き基板においてフレームおよび搭載部に対応する部分の厚み方向の両側に配置される。一方、エッチングレジストは、ジョイントおよび開口部に対応する部分の厚み方向の両側のいずれにも配置されない。
【0009】
すると、金属支持板付き基板においてジョイントおよび開口部に対応する部分は、厚み方向の一方側および他方側の両側から、エッチング液に衝突されて、損傷および/または脱離するという不具合がある。損傷は、変形を含む。
【0010】
また、製造された配線回路基板における金属支持層は、開口部を区画する2つの側面を有する。2つの側面は、互いに対向する。厚み方向における2つの側面の他端部は、尖り部を形成し易い。そのため、上記した他端部は、他の部材を損傷させるという不具合がある。
【0011】
本発明は、工程(2)において、ジョイントの損傷および/または脱離を抑制できる配線回路基板の製造方法、および、金属支持層における2つの側面による他の部材の損傷を抑制できる配線回路基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明[1]は、金属支持板を備える金属支持板付き基板を製造する工程(1)と、金属支持板をエッチングする工程(2)と、を順に備える配線回路基板の製造方法であって、前記配線回路基板は、フレームと、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部であって、前記フレームに囲まれる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部の間に配置される開口部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結するジョイントであって、前記開口部を横断するジョイントと、を備え、前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、前記ジョイントは、金属支持層を備えず、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、前記金属支持板付き基板は、前記金属支持層を含む金属支持板と、前記ベース絶縁層と、前記導体層と、前記カバー絶縁層と、を備え、前記工程(2)では、エッチングレジストを用いて、厚み方向の他方側から、前記開口部および前記ジョイントに対応する前記金属支持板をエッチングすることによって、前記金属支持層を形成する、配線回路基板の製造方法を含む。
【0013】
この配線回路基板の製造方法によれば、工程(2)では、エッチングレジストを用いて、厚み方向の他方側から、開口部およびジョイントに対応する金属支持板をエッチングする。つまり、開口部およびジョイントに対応する、厚み方向におけるベース絶縁層、導体層およびカバー絶縁層の一方側にエッチングレジストが配置される。そうすると、ジョイントは、上記したエッチングレジストによって厚み方向の一方側から支持される。そのため、ジョイントは、厚み方向の他方側から、エッチング液に衝突されても、損傷および/または脱離が抑制される。
【0014】
さらに、開口部に対応する金属支持層は、工程(2)において、厚み方向の他方側から、エッチングに衝突されるので、開口部を仕切る2つの側面は、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づく傾斜形状を有する。そのため、厚み方向における2つの側面の他端部における尖り部の形成が抑制される。
【0015】
本発明[2]は、前記工程(2)は、当て板を、厚み方向における前記金属支持板付き基板の一方側に配置する工程(3)と、前記金属支持板をエッチングする工程(4)と、前記当て板を取り外す工程(5)と、を備える、[1]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0016】
配線回路基板の製造方法によれば、工程(4)において、当て板によって金属支持板付き基板を支持できる。そのため、ジョイントの損傷および/または脱離がより一層有効に抑制される。
【0017】
本発明[3]は、前記当て板は、非粘着性を有する、[2]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0018】
配線回路基板の製造方法では、当て板が非粘着性を有するので、工程(5)において当て板を円滑で簡単に取り外すことができる。そのため、配線回路基板の製造効率を向上できる。
【0019】
本発明[4]は、前記フレームは、前記フレームの内周縁において辺を有し、前記ジョイントは、前記辺において前記ジョイントが接続する第1接続部を含み、前記辺の長さに対する、前記辺に沿う方向における前記第1接続部の長さの比(前記第1接続部の長さ/前記辺の長さ)は、0.3以下である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0020】
辺の長さに対する、辺に沿う方向における第1接続部の長さの比が0.3以下であるので、辺に沿う方向における第1接続部が狭くなる。そうすると、ジョイントにおける第1接続部の強度が低下する。そのため、工程(2)において、ジョイントは、変形および/または脱落し易い。しかし、この配線回路基板の製造方法では、工程(2)において、エッチングレジストによって、厚み方向の一方側から、ジョイントを支持しながら、厚み方向の他方側から金属支持板をエッチングするので、ジョイントの変形および/または脱落をより一層抑制できる。
【0021】
本発明[5]は、前記搭載部は、前記搭載部の外周縁において辺を有し、前記ジョイントは、前記辺において前記ジョイントが接続する第2接続部を含み、前記辺の長さに対する、前記辺に沿う方向における前記第2接続部の長さの比(前記第2接続部の長さ/前記辺の長さ)は、0.3以下である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0022】
辺の長さに対する、辺に沿う方向における第2接続部の長さの比が0.3以下であるので、辺に沿う方向における第2接続部が狭くなる。そうすると、ジョイントにおける第2接続部の強度が低下する。そのため、工程(2)において、ジョイントは、変形および/または脱落し易い。しかし、この配線回路基板の製造方法では、工程(2)において、エッチングレジストによって、厚み方向の一方側から、ジョイントを支持しながら、厚み方向の他方側から金属支持板をエッチングするので、ジョイントの変形および/または脱落をより一層抑制できる。
【0023】
本発明[6]は、フレームと、前記フレームに支持される搭載部であって、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部の間に配置される開口部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結するジョイントであって、前記開口部を横断するジョイントと、を備え、前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、金属支持層と、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、前記ジョイントは、金属支持層を備えず、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層と、を厚み方向の一方側に向かって順に備え、前記金属支持層は、前記開口部を区画する2つの側面であって、互いに対向する2つの側面を有し、前記2つの側面は、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づくように傾斜形状を有する、配線回路基板を含む。
【0024】
この配線回路基板では、2つの側面は、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づく傾斜形状を有するので、厚み方向における2つの側面の他端部における尖り部の形成が抑制される。そのため、2つの側面が他の部材を損傷させることを抑制できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の配線回路基板の製造方法では、工程(2)において、ジョイントの損傷および/または脱離を抑制できる。
【0026】
本発明の配線回路基板によれば、金属支持層における2つの側面による他の部材の損傷を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態により製造される配線回路基板の平面図である。
【
図2】
図1に示す配線回路基板のジョイントの拡大図である。
【
図3】
図2に示すジョイントの断面図であり、XX線に沿う断面図である。
【
図4】
図4Aから
図4Eは、配線回路基板の製造方法の工程図である。
図4Aは、工程(1)である。
図4Bは、工程(2)において、エッチングレジストを配置する工程である。
図4Cは、金属支持板をエッチングする工程(4)である。
図4Dは、エッチングレジストを除去する工程である。
図4Eは、撮像素子および外部基板を配線回路基板に搭載する工程である。
【
図5】
図5Aから
図5Eは、配線回路基板の製造方法の工程図である。
図5Aは、工程(2)において、エッチングレジストを配置する工程である。
図5Aは、当て板を配置する工程(3)である。
図5Bは、金属支持板をエッチングする工程(4)である。
図5Cは、当て板を取り外す工程(5)である。
図5Dは、工程(2)において、エッチングレジストを除去する工程である。
図5Eは、撮像素子および外部基板を配線回路基板に搭載する工程である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1. 配線回路基板1
図1から
図3を参照して、本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態により製造される配線回路基板を説明する。
【0029】
図1に示すように、配線回路基板1は、シート形状を有する。
図3に示すように、配線回路基板1は、厚みを有する。
図1に示すように、配線回路基板1は、面方向に延びる。面方向は、厚み方向に直交する。配線回路基板1は、フレーム2と、搭載部3と、開口部4と、ジョイント5と、を備える。
【0030】
1.2 フレーム2
本実施形態では、フレーム2は、略矩形枠形状を有する。フレーム2は、外周縁20および内周縁21を含む。本実施形態では、フレーム2は、内周縁21において、4つの辺22A,22B,22C,22Dを有する。4つの辺22A,22B,22C,22Dは、平面視において、反時計回りに順に配置される。辺22Aおよび辺22Cは、互いに向かい合う。辺22Bは、辺22Aの一端部および辺22Cの一端部を接続する。辺22Dは、辺22Aの他端部および辺22Cの他端部を接続する。辺22Bおよび辺22Dは、互いに向かい合う。
【0031】
フレーム2の外形寸法は、限定されない。辺22Aおよび辺22Cの間隔と、辺22Bおよび辺22Dの間隔とのそれぞれは、例えば、5mm以上、好ましくは、8mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。辺22A,22B,22Cおよび22Dのそれぞれの長さは、例えば、5mm以上、好ましくは、8mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。フレーム2の幅は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.3mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。フレーム2の幅は、外周縁20および内周縁21間の長さである。
【0032】
1.3 搭載部3
搭載部3は、平面視において、フレーム2に囲まれる。搭載部3は、フレーム2と間隔が隔てられる。搭載部3は、略矩形枠形状を有する。搭載部3は、内周縁30と、外周縁31とを含む。搭載部3は、外周縁31において、複数の辺32A,32B,32C,32Dを有する。
【0033】
4つの辺32A,32B,32C,32Dは、平面視において、反時計回りに順に配置される。搭載部3の辺32A,32B,32C,32Dのそれぞれは、フレーム2の辺22A,22B,22C,22Dのそれぞれと向かい合う。
【0034】
搭載部3の辺32Bは、フレーム2の辺22Bと向かい合う(対向する)。換言すれば、辺22Bは、辺32Bに対する対向辺である。辺32Bは、辺22Bと同じ方向に延びる。
【0035】
搭載部3の辺32Bは、フレーム2の辺22Aと向かい合わない(対向しない)。換言すれば、辺22Aは、辺32Bに対する非対向辺である。辺32Bは、辺32Aと隣接する。辺32Bは、辺22Aと直交する方向に延びる。
【0036】
辺32Cは、辺32Aと同じ方向に沿う。辺32Bは、辺32Aの一端部および辺32Cの一端部を接続する。辺22Cは、辺32Bに対する非対向辺である。辺32Dは、辺32Aの他端部および辺32Cの他端部を接続する。辺32Dは、辺32Bと同じ方向に沿う。辺22Dは、辺32Cに対する非対向辺である。辺Aは、辺32Dに対する非対向辺である。
【0037】
搭載部3の外形寸法は、限定されない。辺32Aおよび辺32Cの間隔と、辺32Bおよび辺32Dの間隔とのそれぞれは、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。辺32A,32B,32C,32Dのそれぞれの長さは、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。
【0038】
搭載部3の幅は、例えば、0.3mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、30mm以下、好ましくは、20mm以下である。搭載部3の幅は、内周縁30および外周縁31間の長さである。
【0039】
1.3 開口部4
開口部4は、フレーム2および搭載部3の間に配置される。開口部4は、厚み方向において、配線回路基板1を貫通する。
【0040】
1.4 ジョイント5
ジョイント5は、例えば、フレーム2および搭載部3の間に配置される。ジョイント5は、フレーム2および搭載部3を連結する。ジョイント5は、開口部4を横断する。これによって、搭載部3は、フレーム2にジョイント5を介して支持される。
【0041】
ジョイント5は、平面視において、曲線形状を有する。本実施形態では、ジョイント5は、好ましくは、直線形状、および/または、屈曲形状を有さず、曲線形状のみを有する。具体的には、ジョイント5は、S字形状またはフック形状を有する。
【0042】
ジョイント5は、フレーム2における複数の辺22A,22B,22C,22Dに対応して複数設けられる。複数のジョイント5は、ジョイント5A,5B,5C,5Dを含む。
【0043】
本実施形態では、ジョイント5Aは、辺22Aと、辺32Bと、を接続する。ジョイント5Bは、辺22Bと、辺32Cと、を接続する。ジョイント5Cは、辺22Cと、辺32Dと、を接続する。ジョイント5Dは、辺22Dと、辺32Aと、を接続する。
【0044】
ジョイント5A,5B,5C,5Dのそれぞれは、フレーム2における複数の辺22A,22B,22C,22Dのそれぞれに接続する第1接続部51A,51B,51C,51Dを有する。また、ジョイント5A,5B,5C,5Dのそれぞれは、搭載部3の複数の辺32B,32C,32D,32Aのそれぞれに接続する第2接続部52A,52B,52C,52Dを有する。
【0045】
本実施形態では、第1接続部51A,51B,51C,51Dのそれぞれは、各辺22A,22B,22C,22Dが延びる方向における辺22A,22B,22C,22Dのそれぞれの中央部に位置する。第2接続部52A,52B,52C,52Dのそれぞれは、各辺32B,32C,32D,32Aが延びる方向における辺32B,32C,32D,32Aのそれぞれの中央部に位置する。
【0046】
辺22Aの長さに対する、辺22Aに沿う方向における第1接続部51Aの長さの比(第1接続部51Aの長さ/辺の長さ)は、例えば、0.3以下、好ましくは、0.25以下、より好ましくは、0.2以下であり、また、例えば、0.01以上である。辺22Aの長さに対する、辺22Aに沿う方向における第1接続部51Aの長さの比が上記した上限以下であれば、辺22Aに沿う方向における第1接続部51Aが狭くなる。そうすると、ジョイント5Aにおける第1接続部51Aの強度が低下する。そのため、後述する製造方法の工程(2)において、ジョイント5Aは、変形および/または脱落し易い。しかし、本実施形態では、工程(2)において、第1レジスト161(後述)によって、厚み方向の一方側から、ジョイント5を支持しながら、厚み方向の他方側から金属支持板10をエッチングするので、ジョイント5Aの変形および/または脱落をより一層抑制できる。第1接続部51Bの長さの比、第1接続部51Cの長さの比、および、第1接続部51Dの長さの比のそれぞれは、上記した第1接続部51Aの長さの比と同様である。
【0047】
辺32Bの長さに対する、辺32Bに沿う方向における第2接続部52Aの長さの比(第2接続部52Aの長さ/辺32Bの長さ)は、例えば、0.3以下、好ましくは、0.25以下、より好ましくは、0.2以下であり、また、例えば、0.01以上である。辺32Bの長さに対する、辺32Bに沿う方向における第2接続部52Aの長さの比が上記した上限以下であれば、辺32Bが延びる方向において、第2接続部52Aが狭くなる。そうすると、ジョイント5Aにおける第2接続部52Aの強度が低下する。そのため、後述する製造方法の工程(2)において、ジョイント5Aは、変形および/または脱落し易い。しかし、本実施形態では、工程(2)において、厚み方向の他方側から金属支持板10をエッチングし、第1レジスト161(後述)によって、厚み方向の一方側から、ジョイント5を支持するので、ジョイント5Aの変形および/または脱落をより一層抑制できる。第2接続部52Bの長さの比、第2接続部52Cの長さの比、および、第2接続部52Dの長さの比のそれぞれは、上記した第2接続部52Aの長さの比と同様である。
【0048】
1.5 配線回路基板1の層構成
図3に示すように、配線回路基板1は、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、導体層13と、カバー絶縁層14と、を厚み方向の一方側に向かって順に備える。
【0049】
1.5.1 金属支持層11
金属支持層11は、フレーム2と搭載部3とに備えられる。金属支持層11は、フレーム2と搭載部3との外形を成す。金属支持層11は、面方向に延びる。金属支持層11は、厚み方向において、フレーム2と搭載部3との他端部に配置される。
【0050】
金属支持層11は、2つの側面Sを有する。2つの側面Sは、内側面2Sと、外側面3Sとを含む。内側面2Sは、フレーム2の内周縁21に含まれる。外側面3Sは、搭載部3の外周縁31に含まれる。2つの側面Sは、開口部4を区画する。2つの側面Sは、互いに対向する。2つの側面Sは、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づく傾斜形状を有する。2つの側面Sは、いずれも、テーパ面である。厚み方向における2つの側面Sの他端部は、断面視において、鈍角αを有する。鈍角αは、例えば、95度以上、好ましくは、100度以上であり、また、例えば、150度以下である。鈍角αは、側面Sと、厚み方向における金属支持層11の他方面とのなす角度である。
【0051】
金属支持層11は、剛性を有する。金属支持層11の材料としては、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅-ベリリウム、りん青銅、銅、銀、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、白金、金、および、銅合金が挙げられる。金属支持層11の材料とし、フレーム2および搭載部3の強度を確保する観点から、好ましくは、ステンレス、および、銅合金が挙げられる。金属支持層11の厚みは、例えば、30μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、10,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
【0052】
1.5.2 ベース絶縁層12
ベース絶縁層12は、フレーム2と搭載部3とジョイント5とに備えられる。
【0053】
フレーム2と搭載部3とジョイント5とにおいて、ベース絶縁層12は、厚み方向における金属支持層11の一方面に配置される。
【0054】
ベース絶縁層12は、厚み方向におけるジョイント5の他端部に配置される。ジョイント5におけるベース絶縁層12は、ジョイント5の外形を成す。
【0055】
ベース絶縁層12は、可撓性を有する。ベース絶縁層12の材料としては、例えば、樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリイミド樹脂が挙げられる。ベース絶縁層12の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、20μm未満、好ましくは、15μm以下である。
【0056】
1.5.3 導体層13
導体層13は、フレーム2と搭載部3とジョイント5とに備えられる。
【0057】
フレーム2と搭載部3とにおいて、導体層13は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に配置される。
図2に示すように、導体層13は、第1端子131と、第2端子132と、配線133と、を備える。
【0058】
第1端子131は、フレーム2に備えられる。第1端子131は、辺22Bに対応するフレーム2において、辺22Bが延びる方向において、互いに間隔を隔てて複数配置される。辺22A,22C,22Dに対応するフレーム2においても、第1端子131は、上記と同様に配置される。
【0059】
第2端子132は、搭載部3に備えられる。第2端子132は、辺32Bに対応する搭載部3において、辺32Bが延びる方向において、互いに間隔を隔てて複数配置される。辺32A,32C,32Dにおいても、第2端子132は、上記と同様に配置される。
【0060】
配線133は、第1端子接続線1331と、第2端子接続線1332と、ジョイント配線1333と、を備える。
【0061】
第1端子接続線1331は、フレーム2に備えられる。第1端子接続線1331は、第1端子131から第1接続部51(51A,51B,51C,51D)に延びる。
【0062】
第2端子接続線1332は、搭載部3に備えられる。第2端子接続線1332は、第2端子132から第2接続部52(52A,52B,52C,52D)に延びる。
【0063】
ジョイント配線1333は、ジョイント5に備えられる。ジョイント配線1333は、第1端子接続線1331と、第2端子接続線1332とを接続する。
【0064】
1.5.4 カバー絶縁層14
図3に示すように、カバー絶縁層14は、フレーム2と搭載部3とジョイント5とに備えられる。カバー絶縁層14は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に配置される。
【0065】
フレーム2において、カバー絶縁層14は、第1端子接続線1331を被覆し、第1端子131を露出する。
【0066】
搭載部3において、カバー絶縁層14は、第2端子接続線1332を被覆し、第2端子132を露出する。
【0067】
カバー絶縁層14は、ベース絶縁層12とともに、ジョイント5の外形を成す。ジョイント5において、カバー絶縁層14は、ジョイント配線1333を被覆する。ジョイント5において、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14は、スリット15を有してもよい。
図2に示すように、スリット15は、厚み方向において、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14を貫通する。スリット15は、ジョイント5が延びる方向に沿う。スリット15は、2つ以上のジョイント配線1333を分割するパターンで、1つまたは2つ以上、ジョイント5に設けられる。
【0068】
以上より、フレーム2および搭載部3のそれぞれは、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、導体層13と、カバー絶縁層14と、を厚み方向の一方側に向かって順に備える。ジョイント5は、金属支持層11を備えず、ベース絶縁層12と、導体層13と、カバー絶縁層14と、を厚み方向の一方側に向かって順に備える。
【0069】
2. 配線回路基板1の製造方法
図4Aから
図4Eを参照して、配線回路基板1の製造方法を説明する。
【0070】
配線回路基板1の製造方法は、工程(1)と、工程(2)と、を順に備える。
【0071】
2.1 工程(1)
図4Aに示すように、工程(1)では、金属支持板10を備える金属支持板付き基板100を製造する。
【0072】
金属支持板付き基板100は、金属支持板10と、ベース絶縁層12と、導体層13と、カバー絶縁層14と、を備える。金属支持板10は、平面視において、金属支持層11を含む。具体的には、金属支持板10は、厚み方向に投影したときに、金属支持層11より大きいパターンを有する。工程(1)における金属支持板10は、開口部4(
図4Cから
図4E参照)をまだ有さない。金属支持板10は、ベース絶縁層12、導体層13およびカバー絶縁層14を、厚み方向の他方側から支持するキャリア材でもある。
【0073】
金属支持板付き基板100を製造するには、まず、金属支持板10を準備し、次いで、厚み方向における金属支持板10の一方側に、ベース絶縁層12、導体層13およびカバー絶縁層14を順に形成する。ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14のそれぞれは、例えば、感光性の樹脂組成物を含むワニスの塗布およびフォトリソグラフィーによって、形成される。これによって、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14は、スリット15を有するパターンに形成される。導体層13は、金属成膜方法によって形成される。
【0074】
2.2 工程(2)
工程(2)では、金属支持板10をエッチングする。
【0075】
金属支持板10をエッチングするには、まず、
図4Bに示すように、エッチングレジスト16を金属支持板付き基板100に配置する。エッチングレジスト16は、例えば、第1レジスト161と、第2レジスト162とを含む。
【0076】
第1レジスト161は、厚み方向における金属支持板付き基板100の一方面に配置される。第1レジスト161は、厚み方向における金属支持板10の一方面と、厚み方向における第1端子131および第2端子132の一方面と、厚み方向におけるカバー絶縁層14の一方面とに配置される。第1レジスト161は、厚みを有する。第1レジスト161は、面方向に延びる。ジョイント5に対応する第1レジスト161は、除去されていてもよい。なお、上記した金属支持板10の一方面は、開口部4が形成される予定の金属支持板10の一方面と、スリット15から露出する金属支持板10の一方面とを含む。第1レジストは、工程(2)における支持材でもある。
【0077】
第2レジスト162は、厚み方向における金属支持板付き基板100の他方面に配置される。具体的には、第2レジスト162は、第2開口部1621を有する。第2開口部1621は、開口部4およびジョイント5と同一パターンを有する。第2レジスト162は、厚みを有する。厚み方向における第2レジスト162の一方面は、フレーム2および搭載部3における金属支持板10の他方面に接触する。
【0078】
第1レジスト161および第2レジスト162のそれぞれは、ドライフィルムレジストから調製される。第2開口部1621を有する第2レジスト162は、感光性のドライフィルムレジストのフォト加工によって、形成される。
【0079】
図4Cに示すように、工程(2)では、次いで、エッチングレジスト16を用いて、厚み方向の他方側から、開口部4およびジョイント5に対応する金属支持板10をエッチングする。具体的には、金属支持板付き基板100の他方面から、エッチング液を、金属支持板10に向けて吐出(噴出)する。
【0080】
すると、第2レジスト162の第2開口部1621から露出する金属支持板10が溶解して除去される。この際、金属支持板10は、厚み方向において、他方面から一方面に向かってエッチングされる。そのため、開口部4に区画される2つの側面Sは、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づく傾斜形状に形成される。
【0081】
上記した金属支持板10のエッチングによって、金属支持層11を形成する。
【0082】
一方、金属支持板10においてエッチングされた部分に対応するベース絶縁層12、導体層13およびカバー絶縁層14は、第1レジスト161によって支持される。
【0083】
図4Dに示すように、エッチングレジスト16を除去する。エッチングレジスト16の除去では、例えば、剥離液が用いれる。
【0084】
これによって、配線回路基板1が製造される。
【0085】
図4Eに示すように、その後、配線回路基板1に、外部基板18および撮像素子19が実装および搭載される。外部基板18は、フレーム2に実装され、第1端子131と電気的に接続される。撮像素子19は、搭載部3に搭載され、第2端子132と電気的に接続される。
【0086】
3. 一実施形態の作用効果
この配線回路基板1の製造方法によれば、工程(2)では、
図4Cに示すように、エッチングレジスト16を用いて、厚み方向の他方側から、開口部4およびジョイント5に対応する金属支持板10をエッチングする。つまり、開口部4およびジョイント5に対応する、厚み方向におけるベース絶縁層12、導体層13およびカバー絶縁層14の一方側に第1レジスト161が配置される。そうすると、ジョイント5に含まれるベース絶縁層12、ジョイント配線1333およびカバー絶縁層14は、上記した第1レジスト161によって厚み方向の一方側から支持される。そのため、ジョイント5に含まれるベース絶縁層12、ジョイント配線1333およびカバー絶縁層14は、エッチング液と衝突しても、損傷および/または脱離が抑制される。
【0087】
さらに、開口部4に対応する金属支持層11は、
図4Cに示すように、工程(2)において、厚み方向の他方側から、エッチングに衝突されるので、開口部4を仕切る2つの側面Sは、厚み方向一方側に向かうに従って、互いに近づく傾斜形状を有する。そのため、厚み方向における2つの側面Sの他端部における尖り部の形成が抑制される。
【0088】
図1に示すように、辺22Aの長さに対する、辺22Aに沿う方向における第1接続部51Aの長さの比が0.3以下であれば、辺22Aに沿う方向における第1接続部51Aが狭くなる。そうすると、ジョイント5Aにおける第1接続部51Aの強度が低下する。そのため、工程(2)において、ジョイント5Aは、変形および/または脱落し易い。しかし、配線回路基板1の製造方法では、
図4Cに示すように、第1レジスト161によって、厚み方向の一方側からジョイント5Aを支持しながら、工程(2)において、厚み方向の他方側から金属支持板10をエッチングするので、ジョイント5Aの変形および/または脱落をより一層抑制できる。
【0089】
辺32Bの長さに対する、辺32Bに沿う方向における第2接続部52Aの長さの比が0.3以下であれば、辺32Bに沿う方向における第2接続部52Aが狭くなる。そうすると、ジョイント5Aにおける第2接続部52Aの強度が低下する。そのため、工程(2)において、ジョイント5Aは、変形および/または脱落し易い。しかし、配線回路基板1の製造方法では、工程(2)において、第1レジスト161によって、厚み方向の一方側からジョイント5Aを支持しながら、厚み方向の他方側から金属支持板10をエッチングするので、ジョイント5Aの変形および/または脱落をより一層抑制できる。
【0090】
4. 変形例
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0091】
4.1 第1変形例
図5Aから
図5Dを参照して、第1変形例を説明する。
【0092】
第1変形例では、配線回路基板1の製造方法は、工程(2)は、工程(3)と、工程(4)と、工程(5)と、を順に備える。
【0093】
4.1.1 工程(3)
図5Aに示すように、工程(2)では、当て板17を、厚み方向における金属支持板付き基板100の一方側に配置する。具体的には、当て板17を、厚み方向における第1レジスト161の一方面に当てる。当て板17は、厚み方向において第1レジスト161に対して金属支持板付き基板100の反対側に配置される。当て板17は、厚み方向に投影したときに、金属支持板付き基板100において少なくとも開口部4(
図5B参照)が形成される予定領域、および、およびジョイント5と重なる。当て板17は、上記した予定領域およびジョイント5を、厚み方向の一方側から支持する。なお、wで示すように、当て板17は、第1レジスト161の一方面の全体に当ててもよく、換言すれば、金属支持板付き基板100の全体の一方側に配置すればよい。
【0094】
当て板17は、面方向に延びる。当て板17は、例えば、粘着性(タック性)、または、非粘着性を有する。当て板17は、好ましくは、製造効率の観点から、非粘着性を有する。当て板17の材料としては、例えば、樹脂が挙げられ、好ましくは、非粘着性の樹脂が挙げられる。当て板17の厚みは、限定されない。
【0095】
4.1.2 工程(4)
次いで、
図5Bに示すように、工程(4)では、当て板17が当てられた金属支持板付き基板100の金属支持板10をエッチングする。
【0096】
4.1.3 工程(5)
次いで、
図5Cに示すように、工程(5)では、当て板17を取り外す。
【0097】
当て板17が非粘着性を有する場合には、当て板17を第1レジスト161から引き上げ、または、第1レジスト161から滑り落とす。
【0098】
当て板17が粘着性を有する場合には、当て板17を第1レジスト161から剥離する。この際、必要により、当て板17の第1レジスト161に対する粘着力を低下させる処理を施す。
【0099】
図5Dに示すように、その後、エッチングレジスト16を除去する。
【0100】
4.1.4 第1変形例の作用効果
第1変形例の配線回路基板1の製造方法によれば、
図5Bに示すように、工程(4)において、当て板17によって金属支持板付き基板100を支持できる。そのため、工程(4)において、ジョイント5に含まれるベース絶縁層12、導体層13およびカバー絶縁層14の損傷および/または脱離がより一層有効に抑制される。
【0101】
当て板17が粘着性を有する場合には、当て板17の第1レジスト161に対する粘着力を低下させる処理が必要となり、手間となる場合がある。
【0102】
一方、当て板17が非粘着性を有する場合には、工程(5)において、当て板17を円滑で簡単に取り外すことができる。そのため、配線回路基板1の製造効率を向上できる。
【0103】
4.2 さらなる変形例
工程(4)を実施している間に、工程(5)を実施することもできる。この場合には、当て板17は、金属支持板10を実施するためのエッチング装置に備えられてもよい。
【0104】
4.2 第2変形例
図6に示すように、ジョイント5は、直線形状および屈曲形状を有してもよい。
【0105】
4.3 第3変形例
図7に示すように、ジョイント5は、直線形状を有してもよい。第3変形例では、ジョイント5は、曲線形状および屈曲形状を有さず、直線形状のみを有する。
【0106】
4.4 第4変形例
一実施形態では、搭載部3は、矩形枠形状を有するが、内周縁30を有さない矩形状であってもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 配線回路基板
2 フレーム
3 搭載部
4 開口部
5 ジョイント
5A,5B,5C,5D ジョイント
10 金属支持板
11 金属支持層
12 ベース絶縁層
13 導体層
14 カバー絶縁層
16 エッチングレジスト
17 当て板
21 内周縁(搭載部)
22A,22B,22C,22D 辺(フレーム)
31 外周縁(フレーム)
51,51A,51B,51C,51D 第1接続部(ジョイント)
52,52A,52B,52C,52D 第2接続部(ジョイント)
100 金属支持板付き基板
S 側面(金属支持層)