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特開2024-85351テープに襠も作れるハンディサイズのテープカッター
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  • 特開-テープに襠も作れるハンディサイズのテープカッター 図1
  • 特開-テープに襠も作れるハンディサイズのテープカッター 図2
  • 特開-テープに襠も作れるハンディサイズのテープカッター 図3
  • 特開-テープに襠も作れるハンディサイズのテープカッター 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085351
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】テープに襠も作れるハンディサイズのテープカッター
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
B65H35/07 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212899
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】522429169
【氏名又は名称】古田 謙一
(72)【発明者】
【氏名】吉井 輝長
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062AA05
3F062AB01
3F062BA06
3F062BB08
3F062BC05
3F062BE02
3F062BF01
3F062BG02
3F062CA10
3F062FA16
(57)【要約】
【課題】 接着テープ先端に襠を作る時は、接着テープを必要な長さで切り、両手(右手指と左手指)でテープを持ち、片方の指で端を折り曲げ粘着面どうしを合わせて襠を作っていた。それは相当不便であった。
【解決手段】 一対のローターと開閉プレート、開閉プレートには上部先端に接着テープをカットするカッター刃および接着テープの先端部を接着保持させておく接着台を備えるテープカッターで、接着テープを引き出し、一対のローターを介して開閉プレート先端の接着台に接着テープの先端を接着しておく、開閉プレートを接着テープの巻き取り方向に閉じると、
一対のローターが接着テープの幅方向を挟圧保持して接着テープの戻りを防ぎ、接着面側を下にして上側にたわみを作りだす。
たわみ部分を摘まむことにより襠を作ることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着テープをセットし、前記接着テープを切断するカッター刃を備えるテープカッターであって、
前記カッター刃を先端に有し前記接着テープの引き出し方向に開閉する開閉プレートと、
セットされた接着テープと前記カッター刃との間に配され、引き出された接着テープの幅方向を挟んで前記接着テープが巻き取り方向に戻るのを防ぐ一対のローターとを備えたことを特徴とするテープカッター。
【請求項2】
前記一対のローターは接着面側ローターと非接着面側ローターとで構成されており、
前記接着面側ローターの表面材質は非粘着物質であり、前記非接着面側ローターの表面材質は弾性物質であることを特徴とする請求項1に記載のテープカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディサイズのテープカッターに、襠も作れる機能を備えたハンディサイズのテープカッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
接着テープに襠を作ることができる商品は開発されているが、未だに市場に普及していないのが現状である(特許文献1参照)。
複雑な構造や、構成部品の数の問題等で、製品化した場合にコストがかかりすぎる等が原因ではないかと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3117560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それには次のような問題があった。
テープを引き出す際に生ずるテープの張力を利用しているため、テープカッターはそれに耐えられる重量と大きさが必要だった。
テープの張力を必要とするので、テープが伸びて変形してしまう。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
接着テープをセットし、前記接着テープを切断するカッター刃を備えるテープカッターであって、
前記カッター刃を先端に有し前記接着テープの引き出し方向に開閉する開閉プレートと、
セットされた接着テープと前記カッター刃との間に配され、引き出された接着テープの幅方向を挟んで前記接着テープが巻き取り方向に戻るのを防ぐ一対のローターとを備えたことを特徴とするテープカッター。
【発明の効果】
【0006】
開閉プレート先端の接着台に引き出した接着テープの先端を接着した状態から、開閉プレートを接着テープの巻き取り方向に閉じると、
一対のローターが接着テープの幅方向を挟圧しており、接着テープを引き出し時には回転し接着テープを送り出すが、巻き取り方向へ引っ張る力が掛からなければ回転しないほどに挟圧保持し、逆戻りを防いでいる。
その効果により、確実に接着面側を下にして上側にたわみを作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(1)は開閉プレートが開の状態の斜視図で、(2)は開閉プレートが閉の状態の斜視図である。
図2】開閉プレートが開状態の構造図である。
図3】接着台、カッター刃の拡大図である。
図4】開閉プレートが閉状態の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態について図1、2、3,4,を参照して説明する。
図1のテープカッターの手前の面を取り除いた内部構造を、図2図4で示す。
図2図3を参照。ケース(2)、開閉プレート(3)、一対のローター(4)を備える、テープカッター(1)を示す。
【0009】
開閉プレート(3)はケース側支点軸(9)を支点として開閉し、バネ(8)により開状態に付勢されおり、上部先端に、接着テープ(12)をカットするカッター刃(11)と、接着テープ(12)の引き出した先端部をセットしておく接着台(10)を有している。
【0010】
一対のローター(4)の設置位置に関して図2を参照。
一対のローター(4)は接着テープ(12)の接着面側に接する接着面側ローター(5)と非接着面側に接する非接着面側ローター(6)とから成る。接着面側ローター(5)は接着テープ(12)を引き出す取り出し口(13)側に、非接着面側ローター(6)はケース(2)の内側方向に並べて設置する。
次に、一対のローター(4)の表面素材と働きについて説明する。
接着面側ローター(5)の表面は非粘着物質で例えばシリコン素材等を用い、非接着面側ローター(6)の表面は弾性物質で例えばゴム等の素材を用いて接着テープ(12)の粘着面と非粘着面を傷めないように、接着テープ(12)の幅方向を挟圧保持している。
接着テープ(12)を引き出す時には回転し接着テープ(12)を送り出すが、巻き取り方向へは引っ張る力が掛からなければ回転しないほどに挟圧保持し逆戻りを防いでいる。
【0011】
次に接着テープ(12)の先端に襠を作り出す工程を、図2、3、4を参照しながら、各構成部品の動きについて説明する。
図2を参照。ケース(2)の接着テープ回転軸(7)に接着テープ(12)をセットし、接着テープ(12)の先端を、非接着面側ローター(6)の下方から接着面側ローター(5)との間を通し、接着面側ローター(5)の上面を介して、開閉プレート(3)先端の接着台(10)に接着しておく。
【0012】
図4を参照。開いた開閉プレート(3)を指等で閉じていくと、引き出された接着テープ(12)が巻き取り方向へ押し戻されるが、その程度の押し戻しでは一対のローター(4)は回転せず、接着テープ(12)を挟圧保持し逆戻りを防ぐ。
さらに、押し戻そうとすることで接着面側ローター(5)の表面(非粘物質シリコン素材)から接着テープ(12)を浮き上がらせて、接着面側を下にして上側にたわみを作りはじめる。
開閉プレート(3)が閉状態になると、たわみも完成する。
そのたわみを指で摘んで襠を作り、接着テープ(12)を必要分引き出す時に、開閉プレート(3)を保持していた指等を放すと、開閉プレート(3)が開の状態に戻り、先端のカッター刃(11)で切れば、襠付テープが完成する。
【0013】
一対のローターと開閉プレートによる効果として、上記工程を行うことで、簡単にテープの先端に襠を作れるようになり、指先を使ってテープを折り合わせしなくてもよくなる。
次に、一対のローターで用いた異なる表面素材による効果として、粘着面と非粘着面を傷めないように、接着テープ幅方向を挟圧保持することができる。
さらに、接着面側ローターに非粘着素材を用いているので、接着テープが接着せず、たわみを作り出す時に確実に浮き上がる効果もあり、作り出す襠は接着面がズレたり大きさが不揃いになることが無く、接着面がきちんと揃い大きさも一定で統一した襠を作りだせる。
又、開閉プレート、一対のローター、接着台及びカッター刃と、構成部品が少なく、小型化もできることにより、商品化を一番熱望している医療現場、作業現場等で使用するサージカルテープ、文具用の小型テープ、マスキングテープ用に最適な商品を提供できる。
【0014】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更を加えても良いし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【符号の簡単な説明】
【0015】
1 テープカッター
2 ケース
3 開閉プレート
4 一対のローター
5 接着面側ローター
6 非接着面側ローター
7 接着テープ回転軸
8 バネ
9 ケース側支点軸
10 接着台
11 カッター刃
12 接着テープ
13 接着テープ取り出し口
図1
図2
図3
図4