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特開2024-85358高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に変換する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085358
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に変換する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20240619BHJP
   C25B 3/23 20210101ALI20240619BHJP
   C25B 3/21 20210101ALI20240619BHJP
   C25B 1/55 20210101ALI20240619BHJP
   C25B 1/01 20210101ALI20240619BHJP
   C25B 9/01 20210101ALI20240619BHJP
【FI】
C02F1/461 101C
C25B3/23
C25B3/21
C25B1/55
C25B1/01 Z
C25B9/01
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024700
(22)【出願日】2023-02-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202211608488.7
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517428687
【氏名又は名称】重▲慶▼文理学院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】関偉
(72)【発明者】
【氏名】王小平
(72)【発明者】
【氏名】謝志剛
(72)【発明者】
【氏名】何莉
(72)【発明者】
【氏名】田世超
(72)【発明者】
【氏名】楊粛博
(72)【発明者】
【氏名】張勇
(72)【発明者】
【氏名】宋丹
(72)【発明者】
【氏名】袁菱
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA08
4D061DB19
4D061DC08
4D061EB04
4D061EB12
4D061EB20
4D061EB30
4D061EB33
4D061FA13
4K021AB25
4K021AC04
4K021AC30
4K021BA02
4K021BA06
4K021BC09
4K021CA15
4K021DC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に変換する装置および方法を提供する。
【解決手段】分離タンク1および電解溝2を含み、分離タンク内に電解溝に連動するプッシュリンク機構および円錐形スクリーン12が設けられ、電解溝はプロトン膜25の内輪領域における陰極室24およびプロトン膜の外輪領域における陽極室23からなり、高濃度廃液を迅速に処理するとともに操作性が良く、方法は、樹脂を用いて高濃度廃液を前処理し、陰極、陽極およびプロトン膜の組み合わせで高濃度廃液を高級処理する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離タンク(1)および電解溝(2)を含み、前記分離タンク(1)に分離タンク(1)
を前記電解溝(2)の上方に架設させるための支持フレーム(19)が設けられ、
前記分離タンク(1)内の上部にプッシュリンク機構(11)が設けられ、前記プッシュ
リンク機構(11)は、第1平歯車(113)、セクター歯車(114)およびランナー
(115)から構成され、前記第1平歯車(113)、セクター歯車(114)、ランナ
ー(115)はそれぞれ固定ロッドを介して分離タンク(1)の内壁に回転可能に接続さ
れ、前記ランナー(115)の固定ロッドに第1傘歯車(116)が固定的に嵌合され、
前記セクター歯車(114)はランナー(115)と接続ロッドを介して接続され、前記
接続ロッドの一端がセクター歯車(114)における中心軸から離れて設けられたバンプ
に回転可能に接続され、接続ロッドの他端がランナー(115)における中心軸から離れ
て設けられたバンプに回転可能に接続され、
前記分離タンク(1)内の中部に仕切り板(16)が固定的に設けられ、分離タンク(1
)内に第1ターニングスリーブロッド(18)が垂直方向に沿って設けられ、前記第1タ
ーニングスリーブロッド(18)の一端に前記第1傘歯車(116)と噛み合って伝達さ
れる第2傘歯車(117)が設けられ、
前記仕切り板(16)の中心穴に円錐形スクリーン(12)が回転可能に嵌合され、前記
円錐形スクリーン(12)の下端口に濾過筒(13)が回転可能に嵌合され、前記濾過筒
(13)は案内板(15)を介して分離タンク(1)に接続され、前記案内板(15)と
濾過筒(13)の接続部に案内筒が設けられ、案内板(15)と分離タンク(1)の接続
部に複数の案内穴が設けられ、濾過筒(13)と前記案内筒の界面に押下式ビンドアが設
けられ、第1ターニングスリーブロッド(18)の他端は前記仕切り板(16)、案内板
(15)および分離タンク(1)の底部を順次貫通して第1ターニングスリーブロッド(
18)を回転させるための第3傘歯車(181)が設けられ、
前記分離タンク(1)内に歯付きロッド(112)が垂直方向に沿って設けられ、前記歯
付きロッド(112)の一端が前記分離タンク(1)内の頂面に設けられたスリーブ(1
11)に可動に接続され、歯付きロッド(112)の他端に押下式ビンドアの開閉を制御
するための押し板(17)が設けられ、歯付きロッド(112)上の歯面が伝達ギア(1
13)と噛み合って伝達され、
前記電解溝(2)内の底面に複数組の陽極(23)が点在し、電解溝(2)内の底面中心
に複数組の陰極(24)が設けられ、前記陰極(24)の外部にプロトン膜(25)が嵌
合され、前記プロトン膜(25)と前記陰極(24)間にプロトン膜固定リング(251
)が設けられ、各組の前記陽極(23)はすべて導電ロッド(22)を介して前記プロト
ン膜固定リング(251)に回転可能に接続され、
前記プロトン膜(25)の内側は案内筒の位置に対応する陰極室であり、前記プロトン膜
(25)外側は案内穴の位置に対応する陽極室であり、
前記プロトン膜固定リング(251)内の底部に環状エアカプセル(241)が設けられ
、複数組の前記陰極(24)の一端が環状エアカプセル(241)の内輪面に点在して接
着され、複数組の陰極(24)の他端がスプリングリード(242)を介してプロトン膜
固定リング(251)に接続され、
前記分離タンク(1)の内壁に前記セクター歯車(114)の押圧によってトリガされる
円筒形エアカプセル(118)が設けられ、前記円筒形エアカプセル(118)は貫通穴
を通過して第1ターニングスリーブロッド(18)を貫通して前記環状エアカプセル(2
41)と連通する、ことを特徴とする高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に変換する装置。
【請求項2】
前記円錐形スクリーン(12)上に第1歯輪(121)が嵌合され、前記第1歯輪(12
1)に位置する第1ターニングスリーブロッド(18)に、第1歯輪(121)と噛み合
って伝達される第2平歯車(122)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の
装置。
【請求項3】
前記陽極(23)はTiO円弧状板であり、前記陰極(24)の材料は白金であり、前
記電解溝(2)のシェル(27)が光透過材料からなり、前記押下式ビンドアは2組の半
円形ストッパ(14)から構成され、前記半円形ストッパ(14)は濾過筒(13)の底
端にトーションばねを介して接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数組の前記陽極(23)は電解溝(2)内の底面に回転可能に設けられた第2歯輪(2
6)に接続され、前記電解溝(2)内に第2ターニングスリーブロッド(21)が垂直方
向に沿って設けられ、前記第2ターニングスリーブロッド(21)の一端に、第2歯輪(
26)と噛み合って伝達される第3平歯車(212)が設けられ、第2ターニングスリー
ブロッド(21)の他端に第3傘歯車(211)が設けられ、
前記分離タンク(1)と電解溝(2)間に第3ターニングスリーブロッド(28)が水平
方向に沿って設けられ、前記第3ターニングスリーブロッド(28)の一端に第3傘歯車
(181)と噛み合って伝達される第5傘歯車(281)が設けられ、第3ターニングス
リーブロッド(28)の他端に第3傘歯車(211)と噛み合って伝達される第6傘歯車
(282)が設けられ、第3ターニングスリーブロッド(28)は支持フレーム(19)
に設けられた固定板に回転可能に接続され、前記円筒形エアカプセル(118)は貫通穴
を通過して第1ターニングスリーブロッド(18)、第3ターニングスリーブロッド(2
8)、第2ターニングスリーブロッド(21)を順次貫通して前記環状エアカプセル(2
41)と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記支持フレーム(19)に回転モータ(191)が設けられ、前記回転モータ(191
)の出力軸に設けられたプーリーが伝達ベルトを介して第3ターニングスリーブロッド(
28)に設けられたプーリーに伝達可能に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載
の装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置を用いて、高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に
変換する方法であって、
S1:高濃度廃液と樹脂を十分に混合して得られた混合物を分離タンク(1)の給料口か
ら添加し、分離タンク(1)で固液分離した後、金属イオンを有する樹脂、分解しにくい
高濃度有機廃液を得るステップと、
S2:次に前記金属イオンを有する樹脂を陰極(24)が位置する陰極室に入れ、陰極室
に陰極(24)を覆う水を加え、イオン含有溶液を形成し、同時に前記分解しにくい高濃
度有機廃液を陽極(23)が位置する陽極室に入れて電解液とするステップと、
S3:前記陽極(23)に光照射して電子-正孔対を生成し、前記電子が導電ロッド(2
2)によって形成された回路から陰極(24)に流れ、前記正孔が陽極(23)表面付近
の有機物を酸化し、最終的に陽極(23)と陰極(24)の作用下で、陰極室内の前記イ
オン含有溶液が金属イオンに富んだエネルギ貯蔵電解液に変換され、陽極室内の分解しに
くい高濃度有機廃液が分解しやすい有機廃液に変換されるステップと、を含むことを特徴
とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液エネルギ貯蔵の技術分野に関し、具体的には、高濃度廃液をエネルギ貯蔵
電解液に変換する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光触媒燃料電池(PFC)の出現と急速な発展により、高濃度廃水からの電気エネ
ルギー回収が可能となり、光触媒燃料電池システムは、陰極と陽極、リード、高濃度の難
分解性液体を含む電解質から構成される。光陽極はTiO、光陰極はPtであり、リー
ドが陰極と陽極を接続して回路を構成する。光照射下で、光陽極が電子-正孔(e--h+
対を生成し、光生成電子(e-)が外部回路から陰極に流れ、正孔(h+)が強い酸化能力
を有し、光陽極表面付近の有機物を直接酸化してもよいし、水酸基(OH-)をより強い
酸化能力の水酸化ラジカル(‐OH)に間接酸化し、これらの活性粒子は分解が困難な汚
染物質の化学構造を無選別に破壊し、二酸化炭素(CO)、水(HO)などの無機小
分子に分解することができる。
【発明の概要】
【0003】
高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に変換する装置は、分離タンクおよび電解溝を含み、分
離タンクに分離タンクを電解溝の上方に架設させるための支持フレームが設けられ、
分離タンク内の上部にプッシュリンク機構が設けられ、プッシュリンク機構は、第1平歯
車、セクター歯車およびランナーから構成され、第1平歯車、セクター歯車、ランナーは
それぞれ固定ロッドを介して分離タンクの内壁に回転可能に接続され、ランナーの固定ロ
ッドに第1傘歯車が固定的に嵌合され、
セクター歯車はランナーと接続ロッドを介して接続され、接続ロッドの一端がセクター歯
車における中心軸から離れて設けられたバンプに回転可能に接続され、接続ロッドの他端
がランナーにおける中心軸から離れて設けられたバンプに回転可能に接続され、プッシュ
リンク機構の設置によって、第1傘歯車とランナーが回転するとセクター歯車が往復搖動
する同時に第1平歯車と噛み合って伝達され、第1平歯車の正逆方向回転を周期的に切り
替え、
分離タンク内の中部に仕切り板が固定的に設けられ、分離タンク内に第1ターニングスリ
ーブロッドが垂直方向に沿って設けられ、第1ターニングスリーブロッドの一端に第1傘
歯車と噛み合って伝達される第2傘歯車が設けられ、第1ターニングスリーブロッドおよ
び第2傘歯車の設置によって、第1ターニングスリーブロッドが回転すると、第2傘歯車
が第1傘歯車を回転させ、
仕切り板の中心穴に円錐形スクリーンが回転可能に嵌合され、円錐形スクリーンの下端口
に濾過筒が回転可能に嵌合され、濾過筒は案内板を介して分離タンクに接続され、案内板
と濾過筒の接続部に案内筒が設けられ、案内板と分離タンクの接続部に複数の案内穴が設
けられ、濾過筒と案内筒の界面に押下式ビンドアが設けられ、第1ターニングスリーブロ
ッドの他端は仕切り板、案内板および分離タンクの底部を順次貫通して第1ターニングス
リーブロッドを回転させるための第3傘歯車が設けられ、分離タンク内に歯付きロッドが
垂直方向に沿って設けられ、歯付きロッドの一端が分離タンク内頂面に設けられたスリー
ブに可動に接続され、歯付きロッドの他端に押下式ビンドアの開閉を制御するための押し
板が設けられ、歯付きロッド上の歯面が伝達ギアと噛み合って伝達され、
円錐形スクリーンの設置により、樹脂と廃液を分離し、第1平歯車と協力する歯付きロッ
ド、押し板および押下式ビンドアの設置によって、中心に堆積した樹脂固体を間欠的に押
圧および濾過し、
電解溝内の底面に複数組の陽極が点在し、電解溝内の底面中心に複数組の陰極が設けられ
、陰極の外部にプロトン膜が嵌合され、プロトン膜と陰極間にプロトン膜固定リングが設
けられ、各組の陽極はすべて導電ロッドを介してプロトン膜固定リングに回転可能に接続
され、陽極の光照射がより十分であり、廃液との接触面積がより大きくなり、電解効率が
向上する。
プロトン膜の内側は案内筒の位置に対応する陰極室であり、プロトン膜外側は案内穴の位
置に対応する陽極室であり、分離タンクと電解溝がより合理的に協力する。
プロトン膜固定リング内の底部に環状エアカプセルが設けられ、複数組の陰極の一端が環
状エアカプセルの内輪面に点在して接着され、複数組の陰極の他端がスプリングリードを
介してプロトン膜固定リングに接続され、分離タンクの内壁にセクター歯車の押圧によっ
てトリガされる円筒形エアカプセルが設けられ、円筒形エアカプセルは貫通穴を通過して
第1ターニングスリーブロッドを貫通して環状エアカプセルと連通する。環状エアカプセ
ルと円筒形エアカプセルの連通設置によって、セクター歯車の往復搖動過程で、円筒形エ
アカプセルが間欠的に押圧され収縮および膨張し、環状エアカプセルが連動する陰極を陰
極室内で移動させ、陰極室内に樹脂を添加するときの陰極阻害を低減し、同時に陰極室内
の樹脂を攪拌し、電解効果をさらに向上させる。
本発明の一側面によれば、円錐形スクリーン上に第1歯輪が嵌合され、第1歯輪に位置す
る第1ターニングスリーブロッドに、第1歯輪と噛み合って伝達される第2平歯車が設け
られ、円錐形スクリーンは第1ターニングスリーブロッドの回転を効率的に利用し、円錐
形スクリーンの回転によって、より高い濾過効果が達成される。
本発明の一側面によれば、押下式ビンドアは2組の半円形ストッパから構成され、半円形
ストッパは濾過筒底端とトーションばねを介して接続され、半円形ストッパとトーション
ばねの設置によって、半円形ストッパが押し板によって押されると、トーションばねの作
用力下で押し板とともに樹脂を固液分離し、押し板が継続的に下向き移動すると、下方に
回転して案内筒を開き、陽極はTiO円弧状板であり、陰極の材料は白金であり、陽極
、陰極の設置によって、光触媒燃料電池を形成し、陰極室に金属イオンが富んで、陽極室
のCHCOO-、OH-、PO 3-などの有機陰イオンが小分子有機廃水と無機小分子
に分解され、円弧状板構造によって陽極の表面積が相対的に増加し、電解溝のシェルは光
透過材料からなり、光透過材料により陽極への光照射を確保することができる。
本発明の一側面によれば、複数組の陽極がすべて電解溝内底面に回転可能に設けられた第
2歯輪に接続され、電解溝内に第2ターニングスリーブロッドが垂直方向に沿って設けら
れ、第2ターニングスリーブロッドの一端に第2歯輪と噛み合って伝達される第3平歯車
が設けられ、第2ターニングスリーブロッドの他端に第3傘歯車が設けられ、分離タンク
と電解溝間に第3ターニングスリーブロッドが水平方向に沿って設けられ、第3ターニン
グスリーブロッドの一端に第3傘歯車と噛み合って伝達される第5傘歯車が設けられ、第
3ターニングスリーブロッドの他端に第3傘歯車と噛み合って伝達される第6傘歯車が設
けられ、第3ターニングスリーブロッドは支持フレームに設けられた固定板に回転可能に
接続され、円筒形エアカプセルは貫通穴を通過して第1ターニングスリーブロッド、第3
ターニングスリーブロッド、第2ターニングスリーブロッドを順次貫通して環状エアカプ
セルと連通し、上記の設置により、第3ターニングスリーブロッド、第2ターニングスリ
ーブロッドの伝達作用によって、第2歯輪が陽極を回転させ、陽極に均一かつ十分に光照
射し、同時に陽極と有機廃液の接触を効果的に増加させ、電解反応の速度を高め、反応効
率がより向上する。
本発明の一側面によれば、支持フレームに回転モータが設けられ、回転モータの出力軸に
設けられたプーリーは、伝達ベルトを介して第3ターニングスリーブロッドに設けられた
プーリーに伝達可能に接続される。
本発明の別の側面によれば、本発明は、上記装置を用いて高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解
液に変換する方法をさらに提供し、この方法は、
S1:高濃度廃液と樹脂を十分に混合して得られた混合物を分離タンクの給料口から添加
し、分離タンクで固液分離した後、金属イオンを有する樹脂、分解しにくい高濃度有機廃
液を得るステップと、
S2:次に金属イオンを有する樹脂を陰極が位置する陰極室に入れ、陰極室に陰極を覆う
水を加え、イオン含有溶液を形成し、同時に分解しにくい高濃度有機廃液を陽極が位置す
る陽極室に入れて電解液とするステップと、ここで、陰極24を覆う水とは、その水面高
さが陰極の高さ以上のことを意味し、
S3:陽極に光照射して電子-正孔対を生成し、電子が導電ロッドによって形成された回
路から陰極に流れ、正孔が陽極表面付近の有機物を酸化し、最終的に陽極と陰極の作用下
で、陰極室内のイオン含有溶液が金属イオンに富んだエネルギ貯蔵電解液に変換され、陽
極室内の分解しにくい高濃度有機廃液が分解しやすい有機廃液に変換されるステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0004】
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明は、分離タンクおよびその内部のプッシュリンク機構によって、歯付きロッ
ドを往復押し出し、円錐形スクリーンが回転し、廃水と金属イオン含有樹脂をより良好に
分離する同時に、円筒形エアカプセルと環状エアカプセルの連通によって、セクター歯車
が往復回転すると、陰極が移動し、陰極室への給料に便利である。
(2)本発明は、第1ターニングスリーブロッド、第3ターニングスリーブロッドおよび
第2ターニングスリーブロッドを対応の傘歯車で接続させ、第2歯輪を回転させ、廃水と
金属イオン含有樹脂を分離する同時に、陽極が廃水内で移動して、陽極により十分に光照
射し、廃水と十分に接触させ、光触媒反応速度が速くなり、効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】発明の実施例1の外観概略図である。
図2】本発明の実施例1の全体構造図である。
図3】本発明の分離タンクの側断面図である。
図4】本発明の分離タンク下端口の濾過筒、押下式ビンドアの側断面図である。
図5】本発明の分離タンクの底面図である。
図6】本発明のプッシュリンク機構の組立概略図である。
図7】本発明の実施例1の電解溝の外観概略図である。
図8】本発明の実施例2の外観概略図である。
図9】本発明の実施例2の全体構造図である。
図10】本発明の実施例2の電解溝の外観概略図である。
図11】本発明の実施例2の電解溝の側断面図である。
図12】本発明の実施例2の電解溝の上面図である。
図13】本発明の電解過程のイオン遷移の概略図である。
図14】本発明の応用例における陰極室のニッケルイオン濃度の経時変化を示す図である。
図15】本発明の応用例における陽極室のpHの経時変化を示す図である。
図16】本発明の応用例における陽極室のCODの経時変化を示す図である。
【0006】
[符号の説明]
1 分離タンク
11 プッシュリンク機構
111 スリーブ
112 歯付きロッド
113 第1平歯車
114 セクター歯車
115 ランナー
116 第1傘歯車
117 第2傘歯車
118 円筒形エアカプセル
12 円錐形スクリーン
121 第1歯輪
122 第2平歯車
13 濾過筒
14 半円形ストッパ
15 案内板
16 仕切り板
17 押し板
18 第1ターニングスリーブロッド
181 第3傘歯車
19 支持フレーム
191 回転モータ
2 電解溝
21 第2ターニングスリーブロッド
211 第3傘歯車
212 第3平歯車
22 導電ロッド
23 陽極
24 陰極
241 環状エアカプセル
242 スプリングリード
25 プロトン膜
251 プロトン膜固定リング
26 第2歯輪
27 シェル
28 第3ターニングスリーブロッド
281 第5傘歯車
282 第6傘歯車
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の利点をより良く反映するために、以下、具体的な実施形態を参照して本発明をよ
り詳細に説明する。
実施例1
図1、2、3に示すように、高濃度廃液をエネルギ貯蔵電解液に変換する装置は、分離タ
ンク1および電解溝2を含み、分離タンク1に分離タンク1を電解溝2の上方に架設させ
るための支持フレーム19が設けられ、分離タンク1内の上部にプッシュリンク機構11
が設けられ、プッシュリンク機構11は、第1平歯車113、セクター歯車114および
ランナー115から構成され、第1平歯車113、セクター歯車114、ランナー115
はそれぞれ固定ロッドを介して分離タンク1の内壁に回転可能に接続され、ランナー11
5の固定ロッドに第1傘歯車116が固定的に嵌合され、
図6に示すように、セクター歯車114はランナー115と接続ロッドを介して接続され
、接続ロッドの一端がセクター歯車114における中心軸から離れて設けられたバンプに
回転可能に接続され、接続ロッドの他端がランナー115における中心軸から離れて設け
られたバンプに回転可能に接続され、
図2、3に示すように、分離タンク1内の中部に仕切り板16が固定的に設けられ、分離
タンク1内に第1ターニングスリーブロッド18が垂直方向に沿って設けられ、第1ター
ニングスリーブロッド18の一端に第1傘歯車116と噛み合って伝達される第2傘歯車
117が設けられ、
図3、4、5に示すように、仕切り板16の中心穴に円錐形スクリーン12が回転可能に
嵌合され、円錐形スクリーン12に第1歯輪121が嵌合され、第1歯輪121に位置す
る第1ターニングスリーブロッド18に第1歯輪121と噛み合って伝達される第2平歯
車122が設けられ、円錐形スクリーン12の下端口に濾過筒13が回転可能に嵌合され
、濾過筒13は案内板15を介して分離タンク1に接続され、案内板15と濾過筒13の
接続部に案内筒が設けられ、案内板15と分離タンク1の接続部に3つの案内穴が設けら
れ、濾過筒13と案内筒の界面に押下式ビンドアが設けられ、押下式ビンドアは2組の半
円形ストッパ14から構成され、半円形ストッパ14は濾過筒13底端にトーションばね
を介して接続され、第1ターニングスリーブロッド18の底端が仕切り板16、案内板1
5および分離タンク1の底部を順次貫通して第1ターニングスリーブロッド18を回転さ
せるための第3傘歯車181が設けられ、
図2に示すように、分離タンク1内に歯付きロッド112が垂直方向に沿って設けられ、
歯付きロッド112の頂端は分離タンク1の内頂面に設けられたスリーブ111に可動に
接続され、歯付きロッド112の底端に押下式ビンドアの開閉を制御するための押し板1
7が設けられ、歯付きロッド112上の歯面は伝達ギア113と噛み合って伝達され、
図2、7に示すように、電解溝2内底面の3組の陽極23が点在し、電解溝2内底面の中
心に3組の陰極24が設けられ、陰極24の外部にプロトン膜25が嵌合され、プロトン
膜25と陰極24間にプロトン膜固定リング251が設けられ、各組の陽極23はすべて
導電ロッド22を介してプロトン膜固定リング251に回転可能に接続され、プロトン膜
25の内側は案内筒の位置に対応する陰極室であり、プロトン膜25外側は案内穴の位置
に対応する陽極室であり、
プロトン膜固定リング251内の底部に環状エアカプセル241が設けられ、3組の陰極
24の一端が環状エアカプセル241の内輪面に点在して接着され、3組の陰極24の他
端がスプリングリード242を介してプロトン膜固定リング251に接続され、
分離タンク1の内壁にセクター歯車114の押圧によってトリガされる円筒形エアカプセ
ル118が設けられ、円筒形エアカプセル118は貫通穴を通過して第1ターニングスリ
ーブロッド18を貫通して環状エアカプセル241と連通し、貫通穴は市販されている硬
質パイプであり、その設置経路構造は図2に示すように、第1ターニングスリーブロッド
18が貫通穴に嵌合され貫通穴に回転が制限されて接続され、
分離タンク1の外部底端の第1ターニングスリーブロッド18に近い位置に駆動モータが
設けられ、駆動モータの出力軸に第3傘歯車181と噛み合って伝達される第7傘歯車が
設けられ、駆動モータによって第3傘歯車181を回転させて第1ターニングスリーブロ
ッド18を回転させ、
陽極23はTiO円弧状板であり、陰極24の材料は白金であり、電解溝2のシェル2
7は光透過材料からなる。
上記装置の動作方法は以下のとおりである。
樹脂と廃水溶液を均一混合して分離タンク1に加え、このとき、駆動モータを起動させて
第1回転杆18を回転させるように駆動し、第1回転ロッド18の回転下で、第1歯輪1
21と第2平歯車122の伝達作用により円錐形スクリーン12が回転し、一部の分解し
にくい高濃度有機廃液が円錐形スクリーン12を通過し、案内穴を介して陽極室に進入し
、金属イオンを有する樹脂が濾過筒13に集中し、
第1回転ロッド18の回転下で、第2傘歯車117と第1傘歯車116の伝達作用により
固定ロッドが回転し、ランナー115を回転させ、ランナー115が接続ロッドを介して
セクター歯車114を往復回転させ、セクター歯車114の往復運動により、それに噛み
合って伝達される第1平歯車113の正逆方向回転を周期的に切り替え、それに噛み合っ
て伝達される歯付きロッド112を垂直方向に往復移動させ、
押し板17が下向きに移動する過程中、まず押下式ビンドアの半円形ストッパ14ととも
に押圧を行い、残りの分解しにくい高濃度有機廃液を濾過筒13から排出させ、案内穴を
介して陽極室に進入させ、押し板17が継続的に下方に移動すると半円形ストッパ14を
下向きに開放させ、案内筒を開き、金属イオンを有する樹脂が案内筒を介して陰極室に進
入し、
同時に、セクター歯車114の往復回転により、円筒形エアカプセル118が繰り返し押
圧され膨張または収縮し、円筒形エアカプセル118と連通する環状エアカプセル241
も対応して膨張または収縮し、セクター歯車114が下向きに圧縮すると、第1平歯車1
13が正方向に回転し、歯付きロッド112が上向きに移動し、円筒形エアカプセル11
8が収縮し、環状エアカプセル241が膨張し、陰極24が陰極室中心に位置し、同様に
、セクター歯車114が上向きに移動すると、歯付きロッド112が下方に移動し、陰極
24が陰極室のエッジに移動して、金属イオンを有する樹脂に落下空間を提供し、
陰極室に陰極24を覆う水を加え、イオン含有溶液を形成し、陽極23を光照射して電子
-正孔対を生成し、電子が導電ロッド22によって形成された回路から陰極24に流れ、
正孔が陽極23の表面附近の有機物を酸化し、陰極24、陽極23の作用下で、陽極室中
のH+ がプロトン膜を通過して陰極室に入り、樹脂に付着した金属イオンが析出し、陰極
室に金属イオンが富み、金属イオンに富んだエネルギ貯蔵電解液を形成し、陽極室中のC
COO-、OH-、PO 3-などの陰イオンが分解しやすい小分子有機廃水と無機小
分子を形成する。
【0008】
実施例2
本実施例は、実施例1と以下の点で異なり、本発明は、上記装置を用いて高濃度廃液をエ
ネルギ貯蔵電解液に変換する方法をさらに提供し、この方法は、
S1:高濃度廃液と樹脂を十分に混合して得られた混合物を分離タンク1の給料口から添
加し、分離タンク1で固液分離した後、金属イオンを有する樹脂、分解しにくい高濃度有
機廃液を得るステップと、
S2:次に金属イオンを有する樹脂を陰極24が位置する陰極室に入れ、陰極室に陰極2
4を覆う水を加え、陰極24を覆う水とはその水面高さが陰極の高さと等しいことを意味
し、イオン含有溶液を形成し、同時に分解しにくい高濃度有機廃液を陽極23が位置する
陽極室に入れて電解液とするステップと、
S3:陽極23に光照射して電子-正孔対を生成し、電子が導電ロッド22によって形成
された回路から陰極24に流れ、正孔が陽極23表面付近の有機物を酸化し、最終的に陽
極23と陰極24の作用下で、陰極室内のイオン含有溶液が金属イオンに富んだエネルギ
貯蔵電解液に変換され、陽極室内の分解しにくい高濃度有機廃液が分解しやすい有機廃液
に変換されるステップと、を含む。
【0009】
実施例3
本実施例は、実施例1と以下の点で異なり、図8、9、10に示すように、3組の陽極2
3はすべて電解溝2の内底面に回転可能に設けられた第2歯輪26に接続され、電解溝2
内に第2ターニングスリーブロッド21が垂直方向に沿って設けられ、第2ターニングス
リーブロッド21の一端に第2歯輪26と噛み合って伝達される第3平歯車212が設け
られ、第2ターニングスリーブロッド21の他端に第3傘歯車211が設けられ、
分離タンク1と電解溝2間に第3ターニングスリーブロッド28が水平方向に沿って設け
られ、第3ターニングスリーブロッド28の一端に第3傘歯車181と噛み合って伝達さ
れる第5傘歯車281が設けられ、第3ターニングスリーブロッド28の他端に第3傘歯
車211と噛み合って伝達される第6傘歯車282が設けられ、第3ターニングスリーブ
ロッド28は支持フレーム19に設けられた固定板に回転可能に接続され、円筒形エアカ
プセル118は貫通穴を通過して第1ターニングスリーブロッド18、第3ターニングス
リーブロッド28、第2ターニングスリーブロッド21を順次貫通して環状エアカプセル
241と連通する。支持フレーム19に回転モータ191が設けられ、回転モータ191
の出力軸に設けられたプーリーは、伝達ベルトを介して第3ターニングスリーブロッド2
8に設けられたプーリーに伝達可能に接続され、第1ターニングスリーブロッド18、第
3ターニングスリーブロッド28、第2ターニングスリーブロッド21はすべて貫通穴に
嵌合され貫通穴に回転が制限されて接続される。
上記装置の動作原理は実施例1と大体同じであるが、以下の点で異なり、回転モータ19
1のプーリー、第3ターニングスリーブロッド28のプーリーおよび伝達ベルトの伝達作
用下で、回転モータ191によって第3ターニングスリーブロッド28を回転させ、第3
ターニングスリーブロッド28の第5傘歯車281と第3傘歯車181の噛合伝達により
、第1ターニングスリーブロッド18を回転させ、第3ターニングスリーブロッド28の
第6傘歯車282と第3傘歯車211の噛合伝達により、第2ターニングスリーブロッド
21を回転させ、第2ターニングスリーブロッド21は第2歯輪26を回転させて陽極2
3を回転させる。
【0010】
応用例
以下、実施例3の装置および実施例2の方法を用いて高濃度廃液を処理してエネルギ貯蔵
電解液に変換し、使用される高濃度廃液は中国重慶市潼南区巨科メッキ工業園区のある表
面処理有限公司の化学ニッケルメッキ廃水を採用し、化学ニッケルメッキ廃水に大量のニ
ッケルコンプレックスに加えて、HPO2-、HPO 2-、PO 3-、CHCH(O
H)COO-およびCHCOONaなどの物質も含まれ、
まず、前記廃水中ニッケルイオンの初期濃度を1リットル6.5gを測定し、3gのD4
01樹脂を100mlの廃水に加え、120分間攪拌した後、大量のニッケルイオンがD
401樹脂表面にキレートし、次に分離タンク1により固液分離を行って、析出するニッ
ケル含有樹脂、残りの廃液を得る。
析出するニッケル含有樹脂を装置の陰極室に入れ、陰極室に陰極24を覆う10mlの水
を加え、残りの廃液(分解しにくい高濃度有機廃液)を陽極室に注入し、陽極23に21
0分間光照射し、30分ごとに散布リンして検出を行い、陽極室中のCODの分解および
pHの変化を検出し、陰極室中のニッケルイオンの濃度変化が図14に示される。
図14から分かるように、陰極室中のニッケルイオン濃度が電解時間の増加に伴い上昇す
る傾向があり、これは、ニッケルイオンが陰極室に析出・濃縮され、エネルギ貯蔵資源と
して利用できることを示し、図15から分かるように、陽極室中のH+が陰極室に移動し
、陽極室中のpHが電解時間の増加に伴い徐々に増加し、図16から分かるように、陽極
室中のCOD含有量が電解時間の増加に伴い低減する傾向があり、これは、陽極室中の有
機廃水が分解しやすい小分子有機廃水と無機小分子を形成し放出して、高濃度廃液処理を
エネルギ貯蔵電解液に変換する目的が達成されることを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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