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特開2024-85392光周波数コム光源を含むセルフヘテロダイン検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085392
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】光周波数コム光源を含むセルフヘテロダイン検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/45 20060101AFI20240619BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G01N21/45 A
G01N21/01 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207291
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0175208
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0163413
(32)【優先日】2023-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】596099882
【氏名又は名称】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミンヒョプ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミンジェ
(72)【発明者】
【氏名】アン ジュン テ
(72)【発明者】
【氏名】リ テヒュン
(72)【発明者】
【氏名】イム ソンユン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ユン ジン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ギュ ドン
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059EE05
2G059EE09
2G059GG01
2G059GG09
2G059HH01
2G059JJ03
2G059JJ17
2G059JJ18
2G059JJ19
2G059JJ22
2G059KK02
2G059MM04
(57)【要約】
【課題】広帯域レーザー線幅を安定的かつ長時間に測定することができるセルフヘテロダイン検出システムを提供する。
【解決手段】本発明はセルフヘテロダイン検出システムを開示する。そのシステムは、光を生成する光源と、前記光を検出する光検出器と、前記光検出器と前記光源との間に設けられたプログラマブルフィルターと、前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器と、を含む。前記光源は、周波数コム光源を含むことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を生成する光源と、
前記光を検出する光検出器と、
前記光検出器と前記光源との間に設けられたプログラマブルフィルターと、
前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器と、
を含み、
前記光源は、周波数コム光源を含む、
セルフヘテロダイン検出システム。
【請求項2】
前記プログラマブルフィルターは、パルス成形器を含む、
請求項1に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項3】
前記プログラマブルフィルターの前段及び後段に設けられた干渉計
をさらに含む、請求項1に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項4】
前記干渉計は、マッハツェンダー干渉計を含む、
請求項3に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項5】
前記干渉計は、
前記光源と前記プログラマブルフィルターとの間に設けられた入力カプラーと、
前記プログラマブルフィルターと前記光検出器との間に設けられた出力カプラーと、
前記入力カプラーで分岐されて前記出力カプラーに連結されたブランチ導波路と、
を含む、請求項3に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項6】
前記ブランチ導波路は、
第1ブランチ導波路と、
前記第1ブランチ導波路と平行である第2ブランチ導波路と、
を含む、請求項5に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項7】
前記プログラマブルフィルターは、
前記第1ブランチ導波路に設けられた第1プログラマブルフィルターと、
前記第2ブランチ導波路に設けられた第2プログラマブルフィルターと、
を含む、請求項6に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項8】
前記第1プログラマブルフィルター及び前記第2プログラマブルフィルターの各々は、パルス成形器を含む、
請求項7に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項9】
前記第1プログラマブルフィルター及び前記第2プログラマブルフィルターの各々は、光学バンドパスフィルターを含む、
請求項7に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項10】
前記光検出器は、フォトダイオードを含む、
請求項1に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項11】
光を生成する周波数コム光源と、
前記光を検出する光検出器と、
前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器と、
前記周波数コム光源と前記光検出器との間に設けられて前記光を受信する入力カプラー、前記入力カプラーで分岐されるブランチ導波路、及び前記ブランチ導波路に連結された出力カプラーを含む干渉計と、
前記ブランチ導波路に設けられて前記光のピーク波長を選択するプログラマブルフィルターと、
を含むセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項12】
前記プログラマブルフィルターの各々は、パルス成形器又は光学バンドパスフィルターを含む、
請求項11に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項13】
前記ブランチ導波路は、
第1ブランチ導波路と、
前記第1ブランチ導波路と平行である第2ブランチ導波路と、
を含む、請求項11に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項14】
前記プログラマブルフィルターは、
前記第1ブランチ導波路に連結された第1プログラマブルフィルターと、
前記第2ブランチ導波路に連結された第2プログラマブルフィルターと、
を含む、請求項13に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項15】
前記第2プログラマブルフィルターと前記出力カプラーとの間の前記第2ブランチ導波路に連結された偏光調節器
をさらに含む、請求項14に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項16】
光を生成する周波数コム光源と、
前記光を検出する光検出器と、
前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器と、
前記周波数コム光源と前記光検出器との間に設けられて前記光を受信する入力カプラー、前記入力カプラーで分岐される第1ブランチ導波路及び第2ブランチ導波路、並びに前記第1ブランチ導波路及び前記第2ブランチ導波路に連結された出力カプラーを含む干渉計と、
前記第1ブランチ導波路及び前記第2ブランチ導波路に設けられて前記光のピーク波長を選択する第1プログラマブルフィルター及び第2プログラマブルフィルターと、
前記周波数コム光源と前記入力カプラーとの間に設けられた第1非線型結晶板と、
を含むセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項17】
前記第1プログラマブルフィルター及び前記第2プログラマブルフィルターの各々と前記出力カプラーとの間の第2非線型結晶板
をさらに含む、請求項16に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項18】
前記第1非線型結晶板及び前記第2非線型結晶板は、BBO(Beta Barium Borate)、PPKTP(Periodically Poled Potassium Titanyl Phosphate)、及びPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)を含む、
請求項17に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項19】
前記第1非線型結晶板及び前記第2非線型結晶板は、シリコン(Si)、シリコン窒化物(SiN)、アルミニウムガリウムアルセニド(AlGaAs)、又はシリコンカーバイド(SiC)を含む、
請求項17に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【請求項20】
前記出力カプラーと前記光検出器との間に設けられた第3プログラマブルフィルター
をさらに含む、請求項16に記載のセルフヘテロダイン検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光検出システムに関し、詳細には光周波数コム光源を含むセルフヘテロダイン検出システム(self-heterodyne detection system)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、優れたスペクトル安定度と狭い線幅(linewidth)特性を有する光源はコヒーレント光通信システム(coherent optical communication systems)、コヒーレント検出(coherent detection)、マイクロ波フォトニクス(microwave photonics)、高精密分光(precision spectroscopy)等の分野で有用に使用されている。様々な応用分野で光源に対する要求事項が異なり得る。光源の実用性を判別するためには前記光源を正確に測定し、特性化することができるソリューションが必須的に要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、広帯域レーザー線幅を安定的かつ長時間に測定することができるセルフヘテロダイン検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はセルフヘテロダイン検出システムを開示する。そのシステムは、光を生成する光源、前記光を検出する光検出器、前記光検出器と前記光源との間に設けられたプログラマブルフィルター、及び前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器を含む。ここで、前記光源は周波数コム光源を含むことができる。
【0005】
一例によれば、前記プログラマブルフィルターはパルス成形器を含むことができる。
【0006】
一例によれば、前記プログラマブルフィルターの前段及び後段に設けられた干渉計をさらに含むことができる。
【0007】
一例によれば、前記干渉計はマッハツェンダー干渉計を含むことができる。
【0008】
一例によれば、前記干渉計は、前記光源と前記プログラマブルフィルターとの間に設けられた入力カプラー、前記プログラマブルフィルターと前記光検出器との間に設けられた出力カプラー、及び前記入力カプラーで分岐されて前記出力カプラーに連結されたブランチ導波路を含むことができる。
【0009】
一例によれば、前記ブランチ導波路は、第1ブランチ導波路、及び前記第1ブランチ導波路と平行である第2ブランチ導波路を含むことができる。
【0010】
一例によれば、前記プログラマブルフィルターは、前記第1ブランチ導波路に設けられた第1プログラマブルフィルター、及び前記第2ブランチ導波路に設けられた第2プログラマブルフィルターを含むことができる。
【0011】
一例によれば、前記第1プログラマブルフィルター及び前記第2プログラマブルフィルターの各々はパルス成形器を含むことができる。
【0012】
一例によれば、前記第1プログラマブルフィルター及び前記第2プログラマブルフィルターの各々は光学バンドパスフィルターを含むことができる。
【0013】
一例によれば、前記光検出器はフォトダイオードを含むことができる。
【0014】
本発明の一例によるセルフヘテロダイン検出システムは、光を生成する周波数コム光源、前記光を検出する光検出器、前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器、前記周波数コム光源と前記光検出器との間に設けられて前記光を受信する入力カプラー、前記入力カプラーで分岐されるブランチ導波路、及び前記ブランチ導波路に連結された出力カプラーを含む干渉計、及び前記ブランチ導波路に設けられて前記光のピーク波長を選択するプログラマブルフィルターを含む。
【0015】
一例によれば、前記プログラマブルフィルターの各々はパルス成形器又は光学バンドパスフィルターを含むことができる。
【0016】
一例によれば、前記ブランチ導波路は、第1ブランチ導波路、及び前記第1ブランチ導波路と平行である第2ブランチ導波路を含むことができる。
【0017】
一例によれば、前記プログラマブルフィルターは、前記第1ブランチ導波路に連結された第1プログラマブルフィルター、及び前記第2ブランチ導波路に連結された第2プログラマブルフィルターを含むことができる。
【0018】
一例によれば、前記第2プログラマブルフィルターと前記出力カプラーとの間の前記第2ブランチ導波路に連結された偏光調節器をさらに含むことができる。
【0019】
本発明の一例によるセルフヘテロダイン検出システムは、光を生成する周波数コム光源、前記光を検出する光検出器、前記光検出器に連結され、前記光検出器の検出信号を利用して前記光の周波数及び波長を分析する電気スペクトル分析器、前記周波数コム光源と前記光検出器との間に設けられて前記光を受信する入力カプラー、前記入力カプラーで分岐される第1ブランチ導波路及び第2ブランチ導波路、並びに前記第1ブランチ導波路及び前記第2ブランチ導波路に連結された出力カプラーを含む干渉計、前記第1ブランチ導波路及び前記第2ブランチ導波路に設けられて前記光のピーク波長を選択する第1プログラマブルフィルター及び第2プログラマブルフィルター、及び前記周波数コム光源と前記入力カプラーとの間に設けられた第1非線型結晶板を含む。
【0020】
一例によれば、前記プログラマブルフィルターと前記出力カプラーとの間の第2非線型結晶板をさらに含むことができる。
【0021】
一例によれば、前記第1非線型結晶板及び前記第2非線型結晶板は、BBO(Beta Barium Borate)、PPKTP(Periodically Poled Potassium Titanyl Phosphate)、及びPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)を含むことができる。
【0022】
一例によれば、前記第1非線型結晶板及び前記第2非線型結晶板は、シリコン(Si)、シリコン窒化物(SiN)、アルミニウムガリウムアルセニド(AlGaAs)、又はシリコンカーバイド(SiC)を含むことができる。
【0023】
一例によれば、前記出力カプラーと前記光検出器との間に設けられた第3プログラマブルフィルターをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明の実施形態によるセルフヘテロダイン検出システムは、光周波数コム光源を利用して広帯域レーザー線幅を安定的かつ長時間に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一般的なヘテロダイン検出システムの一例を示す図面である。
図2】本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システムの一例を示す図面である。
図3】本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システムの一例を示す図面である。
図4図3の光、レファレンス光、及び測定光の周波数コムスペクトル、第1ピーク波長、第2ピーク波長、及びビーティング周波数信号を示すグラフである。
図5】本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システムの一例を示す図面である。
図6】本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システムの一例を示す図面である。
図7】本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システムの一例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。本発明の長所及び/又は特徴、そしてそれを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になる。しかし、発明はここで説明される実施形態に限定されず、互いに異なる形態で具体化されることもあり得る。むしろ、ここで紹介される実施形態は開示された内容が徹底であり、完全になるように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものであり、発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書の全文に亘って同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0027】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、特別に言及されない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素、動作、及び/又は素子は1つ以上の他の構成要素、動作、及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。また、好ましい実施形態によるものであるので、説明の順に応じて提示される参照符号はその順に必ず限定されるものではない。
【0028】
また、本明細書で説明する実施形態は本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は平面図を参考して説明される。図面において、膜及び領域の厚さは技術的内容の効率的な説明のために誇張されたものである。したがって、製造技術及び/又は許容誤差等によって例示図の形態が変形されることがある。したがって、本発明の実施形態は、図示された特定形態に制限されることではなく、製造工程に応じてもたらされる形態の変化も含むものである。
【0029】
図1は一般的なヘテロダイン検出システム200の一例を示す。
【0030】
図1を参照すれば、一般的なヘテロダイン検出システム200は、光源10、光検出器30、電気スペクトル分析器40、干渉計50、偏光調節器60、高周波オシレーター12、光ファイバー遅延器14、及び周波数遷移器16を含むことができる。光源10は、光11を生成することができる。光源10は、連続波レーザー光(continuous wave laser light)の光11を生成することができる。光検出器30は、光11を検出することができる。電気スペクトル分析器40は、光11の検出信号を利用して光11の波長成分を測定することができる。干渉計50は、光源10と光検出器30との間に設けられて光11を変調することができる。光11は、干渉計50の入力カプラー52で分離され、出力カプラー54で干渉されることができる。偏光調節器60及び光ファイバー遅延器14は、第1ブランチ導波路55に直列に連結されることができる。偏光調節器60及び光ファイバー遅延器14は、光11のレファレンス光13を偏光させ、遅延させることができる。周波数遷移器16は、第2ブランチ導波路57に連結されることができる。周波数遷移器16は、高周波オシレーター12に連結されることができる。周波数遷移器16は、光11を変調して変調光を生成することができる。高周波オシレーター12は、パルス信号を周波数遷移器16に提供することができる。測定光15は、パルス信号によってパルシングされることができる。レファレンス光13及び測定光15は、出力カプラー54で干渉されてビーティング周波数信号(beating frequency signal)19を生成させることができる。
【0031】
したがって、一般的なヘテロダイン検出システム200は、高周波オシレーター12の外部パルス光源を必須的に含むことができる。
【0032】
図2は本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システム100の一例を示す。
【0033】
図2を参照すれば、本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、一般的なヘテロダイン検出システム200の高周波オシレーター12による外部のレファレンス光13信号を使用しないだけでなく、周波数遷移器16なしで簡単な構造を有することができる。本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、非常に簡単な構造のin-lineセルフヘテロダイン直接検出方式の構成を有することができる。本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、レファレンス光13信号と測定光信号を同時にフィルタリングした後に、レファレンス光13信号に大きい遅延程度を付加して2つの光信号に異なる遅延程度を与えれば、十分にデコヒーレンスされた信号として精密なスペクトル分析をすることができる。一例によれば、本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、光源10、プログラマブルフィルター20、光検出器30、及び電気スペクトル分析器40を含むことができる。
【0034】
光源10は、光周波数コム光源を含むことができる。光源10によって生成された光11は、周波数コムスペクトル17を有することができる。周波数コムスペクトル17は、波長コムスペクトル又はコム波長を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。周波数コムスペクトル17は、1550nmの中心波長を有することができる。光源10は、周波数安定度を評価するための光周波数コム(optical frequency comb)を含むことができる。光源10は、2つ以上のモードが存在して互いに異なる周波数成分を有する光源であり得る。例えば、光源10は、変調方式光周波数コム(electro-optic optical frequency comb)、マイクロコム(micro-comb)、又はモードロックレーザー(mode-locked laser)を含むことができる。
【0035】
プログラマブルフィルター20は、光源10に隣接して設けられることができる。プログラマブルフィルター20は、光11のレファレンス光13と測定光15を同時にフィルタリングしてデコヒーレンス信号を生成させることができる。プログラマブルフィルター20は、光周波数コム光源の光源10を利用して光周波数コムの繰り返し率(repetition rate)によって、ビーティング周波数信号19を決定して狭い線幅から広い線幅までの広帯域レーザー線幅を安定的かつ長時間に測定させることができる。
【0036】
光検出器30は、プログラマブルフィルター20と電気スペクトル分析器40との間に設けられることができる。光検出器30は、光11を検出することができる。例えば、光検出器30は、フォトダイオードを含むことができる。
【0037】
電気スペクトル分析器40は、光検出器30に連結されることができる。電気スペクトル分析器40は、光検出信号を分析して光11の周波数及び波長成分を分析することができる。
【0038】
したがって、本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、光周波数コム光源の光源10を利用して広帯域レーザー線幅を安定的かつ長時間に測定することができる。
【0039】
図3は本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システム100の一例を示す。図4図3の光11、レファレンス光13、及び測定光15の周波数コムスペクトル17、第1ピーク波長21、第2ピーク波長23、及びビーティング周波数信号19を示す。
【0040】
図3及び図4を参照すれば、本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、干渉計50をさらに含むことができる。
【0041】
干渉計50は、光源10と光検出器30との間に設けられることができる。干渉計50は、光11を伝達及び干渉させることができる。例えば、干渉計50は、マッハツェンダー干渉計(Mach-Zehnder interferometer)を含むことができる。干渉計50は、周波数コムスペクトル17を有する光11をレファレンス光13と測定光15とに分割し、レファレンス光13及び測定光15を干渉させて光11のビーティング周波数信号19を生成することができる。レファレンス光13及び測定光15は、第1ピーク波長21及び第2ピーク波長23を各々有することができる。第1ピーク波長21及び第2ピーク波長23は、互いに異なることができる。一例によれば、干渉計50は、入力カプラー52、出力カプラー54、及びブランチ導波路56を含むことができる。入力カプラー52は、光源10に連結されることができる。入力カプラー52は、光11を約1:1程度に分割してブランチ導波路56に提供することができる。出力カプラー54は、光検出器30に連結されることができる。出力カプラー54は、ブランチ導波路56内の光11を干渉させることができる。ブランチ導波路56は、入力カプラー52と出力カプラー54との間に設けられることができる。ブランチ導波路56は、入力カプラー52で分岐されて出力カプラー54に連結されることができる。一例によれば、ブランチ導波路56は、第1ブランチ導波路55及び第2ブランチ導波路57を含むことができる。第1ブランチ導波路55及び第2ブランチ導波路57は、互いに平行であることができる。
【0042】
プログラマブルフィルター20は、第1ブランチ導波路55及び第2ブランチ導波路57に各々連結されることができる。一例によれば、プログラマブルフィルター20は、第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24を含むことができる。第1プログラマブルフィルター22は、第1ブランチ導波路55に直列に連結されることができる。第1プログラマブルフィルター22は、第1ブランチ導波路55内のレファレンス光13の第1ピーク波長21又は第1ピーク周波数を選択することができる。第2プログラマブルフィルター24は、第2ブランチ導波路57に直列に連結されることができる。第2プログラマブルフィルター24は、第2ブランチ導波路57内の測定光15の第2ピーク波長23又は第2ピーク周波数を選択することができる。第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24は、光周波数コムの光11の線幅に応じて遅延程度を適切に設定してビーティング周波数信号19のスペクトル測定信頼性を増加させることができる。第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24は、光11の減衰レベル(attenuation level)に応じて各波長成分のサイズを精密に調整することができる。また、第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24は、位相制御機能とpig-tailed構造を通じて遅延程度を調整することができる。例えば、第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24の各々は、プログラマブルパルス成形器(programmable pulse shaper)を含むことができる。
【0043】
偏光調節器60は、第2プログラマブルフィルター24と出力カプラー54との間の第2ブランチ導波路57に連結されることができる。偏光調節器60は、第2ブランチ導波路57内の測定光15の偏光を調節することができる。測定光15及びレファレンス光13は、出力カプラー54で干渉されてビーティング周波数信号19を生成することができる。
【0044】
光源10、光検出器30、及び電気スペクトル分析器40は、図2と同様に構成されることができる。
【0045】
図5は本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システム100の一例を示す。
【0046】
図5を参照すれば、第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24の各々は、光学バンドパスフィルターを含むことができる。光学バンドパスフィルターの第1プログラマブルフィルター22及び第2プログラマブルフィルター24は、レファレンス光13及び測定光15の第1ピーク波長21及び第2ピーク波長23を各々選択することができる。
【0047】
光源10、光検出器30、電気スペクトル分析器40、干渉計50、及び偏光調節器60は、図3と同様に構成されることができる。
【0048】
図6は本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システム100の一例を示す。
【0049】
図6を参照すれば、本発明のセルフヘテロダイン検出システム100は、第1非線型結晶板70及び第2非線型結晶板80をさらに含むことができる。
【0050】
第1非線型結晶板70は、光源10と入力カプラー52との間に設けられることができる。第1非線型結晶板70は、光11のバンド幅を増加させることができる。第1非線型結晶板70は、BBO(Beta Barium Borate)、PPKTP(Periodically Poled Potassium Titanyl Phosphate)、及びPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)を含むことができる。代案として、第1非線型結晶板70は、シリコン(Si)、シリコン窒化物(SiN)、アルミニウムガリウムアルセニド(AlGaAs)、又はシリコンカーバイド(SiC)の無機物を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0051】
第2非線型結晶板80は、プログラマブルフィルター20と出力カプラー54との間に設けられることができる。第2非線型結晶板80のうちの1つは、第1プログラマブルフィルター22と出力カプラー54との間の第1ブランチ導波路55内に設けられることができる。第2非線型結晶板80のうちの他の1つは、第2プログラマブルフィルター24と出力カプラー54との間の第2ブランチ導波路57内に設けられることができる。第2非線型結晶板80の各々は、第1非線型結晶板70の厚さより薄い厚さを有することができる。第2非線型結晶板80は、互いに同一な厚さを有することができる。第2非線型結晶板80は、光11のレファレンス光13と測定光15のバンド幅を増加させることができる。第2非線型結晶板80は、第1非線型結晶板70の材質と同一な材質を有することができる。例えば、第2非線型結晶板80は、BBO(Beta Barium Borate)、PPKTP(Periodically Poled Potassium Titanyl Phosphate)、及びPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)を含むことができる。代案として、第2非線型結晶板80はシリコン(Si)、シリコン窒化物(SiN)、アルミニウムガリウムアルセニド(AlGaAs)、又はシリコンカーバイド(SiC)の無機物を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0052】
光源10、光検出器30、電気スペクトル分析器40、干渉計50、及び偏光調節器60は、図5と同様に構成されることができる。
【0053】
図7は本発明の概念によるセルフヘテロダイン検出システム100の一例を示す。
【0054】
図7を参照すれば、本発明のセルフヘテロダイン検出システム100のプログラマブルフィルター20は、第3プログラマブルフィルター26をさらに含むことができる。
【0055】
第3プログラマブルフィルター26は、出力カプラー54と光検出器30との間に設けられることができる。第3プログラマブルフィルター26は、パルス成形器を含むことができる。第3プログラマブルフィルター26は、第2非線型結晶板80のノイズを除去することができる。
【0056】
光源10、光検出器30、電気スペクトル分析器40、干渉計50、偏光調節器60、第1プログラマブルフィルター22、及び第2プログラマブルフィルター24は、図6と同様に構成されることができる。
【0057】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しなくとも他の具体的な形態に実施できることを理解することができる。したがって、以上で説明した実施形態は、すべての面で例示的であり、限定的ではないと理解するべきである。
【符号の説明】
【0058】
10 光源
20 プログラマブルフィルター
30 光検出器
40 電気スペクトル分析器
50 干渉計
60 偏光調節器
100 セルフヘテロダイン検出システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7