(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085393
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】カーシェアリング管理サーバ、多機能カーナビゲーション装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240619BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207294
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2022199837
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】堀田 時生
(57)【要約】
【課題】 「一車室多車両」のカーシェアリング運用システムにおいて、カーシェアリング事業者による回送やそれに伴う作業も減らす。
【解決手段】 返却ステーションを変更する旨をカーシェアリング管理サーバが会員ユーザに依頼する。依頼の送信は、返却の直前に多機能カーナビゲーション装置へ送信する場合、または予約時に会員ユーザの通信端末に送信する場合がある。返却ステーションの変更は、変更前の返却ステーションから所定範囲内で実施する。または、会員ユーザが指定した範囲で実施する。変更依頼を許諾した会員ユーザには、特典を付与する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーシェアリング利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザが利用するシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置とのデータ通信をするカーシェアリング管理サーバであって、
会員ユーザに貸し出す車両であるシェアカーに関する管理データを格納するシェアカー管理データベースと、
届け回送または回収回送が必要なシェアカーに関する回送車両管理データを格納する回送車両管理データベースと、
前記の多機能カーナビゲーション装置からシェアカーの現在位置データを受信する現在位置データ受信手段と、
その現在位置データ受信手段が受信した現在位置データが予約時に定めた返却予定地から所定範囲内となった場合に、前記の返却予定地から所定範囲内に回収回送の必要があるシェアカーが存在するか否かを、前記の回送車両管理データベースの管理データから判断する返却地判断手段と、
その返却地判断手段の判断によって前記の返却予定地から所定範囲内に届け回送の必要があるシェアカーが存在した場合に、その届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションへの変更依頼を前記の多機能カーナビゲーション装置へ送信する返却地変更依頼送信手段と、
前記の変更依頼を受信した前記の多機能カーナビゲーション装置から、前記の変更依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否受信手段と、を備え、
前記の依頼許否受信手段が受信した依頼許否データが許諾である場合には、前記のシェアカー管理データベースおよび回送車両管理データベースは蓄積していた返却地データを更新することとしたカーシェアリング管理サーバ。
【請求項2】
前記の会員端末からカーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データを受信する前後いずれかにおいて、当該会員端末に対して返却地の変更依頼を送信する返却地の変更依頼送信手段と、
その返却地の変更依頼を受信した会員端末から依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否データ受信手段と、
その依頼許否データを会員毎に蓄積する会員データベースと、
前記の予約データを前記の会員端末から受信する予約データ受信手段と、
前記のシェアカー管理データベースに蓄積されたデータに基づいて前記の予約データによる予約が可能か否かを判断する予約可否判断手段と、
その予約可否判断手段による判断結果を前記の会員端末へ送信する判断結果送信手段と、
を備え、
予約可否判断手段においては、前記の回送車両管理データおよび前記の依頼許否データをも用いて予約データによる可否を判断することとした
請求項1に記載のカーシェアリング管理サーバ。
【請求項3】
前記の依頼許否データ受信手段は、受信した依頼許否データが許諾である場合に会員ユーザが指定する返却エリアデータをも受信することとした
請求項2に記載のカーシェアリング管理サーバ。
【請求項4】
前記の依頼許否受信手段が受信した依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションを変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて会員ユーザがシェアカーを返却した場合には、特典を与える旨の特典データを前記の会員データベースに記録することとした
請求項2に記載のカーシェアリング管理サーバ。
【請求項5】
前記の返却地変更依頼送信手段における届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションには、路上駐車スペースを含むこととした
請求項1に記載のカーシェアリング管理サーバ。
【請求項6】
カーシェアリング利用に関してのデータ管理を実行するカーシェアリング管理サーバとのデータ通信を実行し、予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザが利用するシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置であって、
所定時間毎に現在位置データを前記のカーシェアリング管理サーバへ送信する現在位置データ送信手段と、
送信した前記の現在位置データが返却予定地から所定範囲内となった場合に返却地の変更依頼を受信する返却地変更依頼受信手段と、
前記の変更依頼に対する許諾または否認のいずれかである依頼許否データを送信する依頼許否送信手段と、
前記の依頼許否データが許諾である場合に変更される返却地の位置データを受信する返却地位置データ受信手段と、
その返却地位置データ受信手段が受信した位置データを出力する返却位置データ出力手段と、
を備えた多機能カーナビゲーション装置。
【請求項7】
前記の依頼許否送信手段において、前記の依頼許否データが許諾である場合に、返却を許諾するエリアとして会員ユーザが指定する指定エリアデータを含むこととした
請求項6に記載の多機能カーナビゲーション装置。
【請求項8】
前記の依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションの変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信した場合に、特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する特典付与報告受信手段を備えた
請求項6または請求項7のいずれかに記載の多機能カーナビゲーション装置。
【請求項9】
前記の返却地位置データ受信手段における変更される返却地の位置データには、路上駐車スペースを含むこととした
請求項6に記載の多機能カーナビゲーション装置。
【請求項10】
カーシェアリング管理サーバを制御するコンピュータプログラムであって、
前記のカーシェアリング管理サーバは、会員ユーザに貸し出す車両であるシェアカーに関する管理データを格納するシェアカー管理データベースと、 届け回送または回収回送が必要なシェアカーに関する回送車両管理データを格納する回送車両管理データベースと、を備え、
カーシェアリング管理サーバを制御するコンピュータプログラムは、
前記の多機能カーナビゲーション装置からシェアカーの現在位置データを受信する現在位置データ受信手順と、
その現在位置データ受信手順にて受信した現在位置データが予約時に定めた返却予定地から所定範囲内となった場合に、前記の返却予定地から所定範囲内に回収回送の必要があるシェアカーが存在するか否かを、前記の回送車両管理データベースの管理データから判断する返却地判断手順と、
その返却地判断手順の判断によって前記の返却予定地から所定範囲内に届け回送の必要があるシェアカーが存在した場合に、その届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションへの変更依頼を前記の多機能カーナビゲーション装置へ送信する返却地変更依頼送信手順と、
前記の変更依頼を受信した前記の多機能カーナビゲーション装置から、前記の変更依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否受信手順と
その依頼許否受信手順にて受信した依頼許否データが許諾である場合には、前記のシェアカー管理データベースおよび回送車両管理データベースは蓄積していた返却地データを更新する返却地データ更新手順と、
をカーシェアリング管理サーバに実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記の会員端末からカーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データを受信する前後いずれかにおいて、当該会員端末に対して返却地の変更依頼を送信する返却地の変更依頼送信手順と、
その返却地の変更依頼を受信した会員端末から依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否データ受信手順と、
その依頼許否データを会員データベースにおける会員毎に蓄積する依頼許否データ蓄積手順と、
前記の予約データを前記の会員端末から受信する予約データ受信手順と、
前記のシェアカー管理データベースに蓄積されたデータに基づいて前記の予約データによる予約が可能か否かを判断する予約可否判断手順と、
その予約可否判断手順による判断結果を前記の会員端末へ送信する判断結果送信手順と、
をカーシェアリング管理サーバに実行させ、
前記の予約可否判断手順においては、前記の回送車両管理データおよび前記の依頼許否データをも用いて予約データによる可否を判断することとした
請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記の依頼許否データ受信手順においては、受信した依頼許否データが許諾である場合に、会員ユーザが指定する返却エリアデータをも受信することした
請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記の依頼許否受信手順にて受信した依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションを変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて会員ユーザがシェアカーを返却した場合には、特典を与える旨の特典データを前記の会員データベースに記録することとした
請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
所定時間毎に現在位置データを前記のカーシェアリング管理サーバへ送信する現在位置データ送信手順と、
その現在位置データ送信手順にて送信した前記の現在位置データが返却予定地から所定範囲内となった場合に返却地の変更依頼を受信する返却地変更依頼受信手順と、
前記の変更依頼に対する許諾または否認のいずれかである依頼許否データを送信する依頼許否送信手順と、
前記の依頼許否データが許諾である場合に変更される返却地の位置データを受信する返却地位置データ受信手順と、
その返却地位置データ受信手順にて受信した位置データを出力する返却位置データ出力手順と、
を多機能カーナビゲーション装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記の依頼許否送信手順において、依頼許否データが許諾である場合に、返却を許諾するエリアとして会員ユーザが指定する指定エリアデータを含むこととした
請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記の依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションの変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信した場合に、特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する特典付与報告受信手順をも前記の多機能カーナビゲーション装置に実行させることとした
請求項14または請求項15のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
カーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データに関して、返却地の変更依頼を前記のカーシェアリング管理サーバから返却地の変更依頼を受信する返却地の変更依頼受信手順と、
その返却地の変更依頼に対して依頼許否データを前記のカーシェアリング管理サーバに送信する依頼許否送信手順と、
カーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データを送信する予約データ送信手順と、
前記の予約データに対する予約可否の判断結果を前記のカーシェアリング管理サーバから受信する予約可否受信手順と、
その予約可否受信手順にて受信した予約可否の判断結果を出力する予約可否出力手順と、
を通信端末に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記の依頼許否送信手順において前記の依頼許否データが許諾である場合に、返却地として会員ユーザが指定した指定エリアデータを含むこととした
請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記の依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションの変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信した場合に、特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する特典付与報告受信手順をも通信端末に実行させることとした
請求項17または請求項18のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業者が保有する車両をユーザが借りるというカーシェアリングやレンタカーサービスにおいて、ユーザにとって利便性を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明では、カーシェアリングサービスとレンタカーサービスとの区別は特にしていないが、以下、カーシェアリングサービスを例にして、
図1および
図2を参照させながら説明する。
カーシェアリングサービスを提供する事業者は、事前に会員登録がなされた会員に対して、会員を識別するICカードたる会員カードや、会員が保有する携帯情報端末に会員であることを保証する会員IDを含んだ電子データを提供する。ICカードや携帯情報端末に格納された会員IDを用いて、事業者の提供する車両(シェアカー)の予約を実行して利用することとなる。
【0003】
車両(シェアカー)の予約から利用開始までの手順について、
図1および
図2を用いて説明する。
会員登録を予め済ませたユーザ甲は自らの会員IDを用いて、利用を開始したい場所である利用ステーション(図中では「ステーション」を「ST」と略記)、利用を開始したい日時、利用を終了して返却する予定時刻、希望する車種(クラス)を入力して検索する。車種の特定は、ステーションを指定すると車両番号までが決定される場合もある。
図2に示すように、会員ユーザに係る通信端末が取得している位置データを用いることによって、最寄りのステーションを抽出し、予約確定データを送信することで予約を終了する場合もある。
【0004】
例えば、利用ステーションが江東区第二、利用開始日時が11月3日9時、返却予定時刻が11月3日18時、利用したいクラスとして指定するのが「ベーシック(スタンダード)」、と予約希望データを入力して検索する。図示は省略するが、ユーザ甲に係る通信端末から送信された予約希望データは、カーシェアリングサービスにおいて使用する車両(シェアカー)を管理する管理サーバ(図示を省略)に送信される。
【0005】
図2に示すように、管理サーバが予約希望データを受信したら、その予約希望データにおける利用ステーション、利用開始日時、返却予定時刻、および当該利用ステーションに用意されている車種(クラス)が予約可能か否かを判断する。そして、その判断結果(車種については、クラスおよび車両ナンバー)を返信する。
返信結果が予約可能であれば、ユーザ甲は、希望する車両番号を含む予約確定を管理サーバへ送信し、予約確定を受信した管理サーバにおいて予約完了の情報処理が実行され、利用準備が整う。その後、予約日時にユーザ甲は、予約車両を出庫させる。
【0006】
さて、前記したユーザ甲に係る予約希望データと比較して利用時間帯が重複した予約希望データを、ユーザ甲における予約確定データの送信後にユーザ乙が送信したとしても、予約希望に合う車両を、カーシェアリング事業者が提供できない。ユーザ甲の予約を含め、この江東区第二ステーションにおいてユーザ乙が希望する時間帯の予約が埋まっているからである(ユーザ甲が出庫させる以外の車両は、「別の予約済み」として図示)。したがって、管理サーバからユーザ乙の情報端末に対しては、「該当なし(予約不可)」という返信がなされる(
図1の下側に図示)。
【0007】
以上の予約システムは、車両とその保管場所とが一対一に対応していなければならない(一車室に一車両の原則)、という法規制や、カーシェアリングにおける車両管理の単純化が前提となっていた。この前提の下では、重複する時間帯の予約は早い者勝ちである。前述した事例に当てはめれば、ユーザ乙は、「予約ができなかった」という事実を受け取るだけである(ユーザ乙が「該当なし」の結果を受信する旨を図示)。そして、予約が取れる別の利用ステーションを探す、利用したい車種を変更する、など、予約が可能であるように予約希望データを変更するほか、予約そのものを諦める場合もある。
【0008】
ユーザ乙が予約可能な予約希望データに変更してくれる場合は良いが、予約そのものを諦めてしまった場合には、カーシェアリングサービスの事業者としては、ユーザ乙のニーズを満たすことができず、機会損失を発生させてしまったこととなる。
加えて、ユーザ乙が予約のオプションとしてチャイルドシートの追加を希望したとしても、予約時刻が迫った直前である場合には対応できない。
【0009】
特許文献1には、複数の駐車場を確保しておき、ユーザは、空いている駐車場を知らせてもらい、移動先での空いている駐車場に返却できるというサービスが開示されている。
【0010】
特許文献2には、車両を利用したいユーザが指定する駐車場へサービス提供者が車両を運搬するサービスにおいて、その駐車場から無償で出庫できるようにする情報技術が開示されている。
【0011】
特許文献3には、車両共有サービスに用いるサービス対象車両のために確保されている車室を、駐車場として有効活用するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004-178385号公報
【特許文献2】特開2018-197909号公報
【特許文献3】特開2021-93143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
カーシェアリングサービス提供者としては、
図1に示したユーザ乙のように予約ができないという事態を減らすためには、「一車室一車両の原則」が緩和されたことに伴って「一車室多車両」という運用を実現することが、一つの解決策である。
図3から
図5を用いて、「一車室多車両」の運用について説明する。
【0014】
(
図3)
図3は、事業者が保有する車両をユーザ(予めの会員登録済み)が借りるサービス事業において、一つの車室に複数台の車両(車室数以上の数の車両)を提供可能とするために必要なシステムを3つ(α、β、γ)に大別してブロック化した全体概要(A)を示すブロック図である。
【0015】
システムαは、所定のステーション(ST)において、カーシェア用の車室の数を超える重複予約を受け付ける予約システムである。より具体的には、予約システムは、重複予約を可能とするシステムおよびステーションにおける車室を管理する車室管理システムが含まれる。
【0016】
システムβは、重複予約を受け付けた場合には、予約遂行によって空いた車室へ次の予約に用いる車両を回送するための回送車両の管理システムである。より具体的には、ステーションにおける車室を管理する車室管理システム、営業所やその営業所の近傍にあるプール場に停めてある車両を管理するプール管理システム、および営業所からステーションへ車両を回送する段取りを管理する段取りシステムが含まれる。
【0017】
システムγは、返却される車室に対する車両が複数ある場合に、返却された車両を回収することによって その車室へ次に返却される車両が返却を可能とするための車両回収システムである。より具体的には、ステーションから営業所へ車両を回収する段取りを管理する段取りシステム、およびステーションに停める車両がそのステーションにおけるカーシェア車両用の車室の数を上回るオーバーフローを回避するためのオーバーフロー予測システムが含まれる。
【0018】
上記のシステムα、β、γ は、互いに分離独立しているシステムではなく、相互にシームレスであることが現実的な運用となる。
なお、「回送」とは、営業所からステーションへ、またはあるステーションから別のステーションへ車両を運ぶことをいう。カーシェア利用開始ステーションへ回送する場合を「届け回送」、カーシェア利用終了ステーションから引き上げる回送の場合を「回収回送」と称する。
【0019】
(
図4)
図4は、
図3に示した3つのシステムのうち、システムαからシステムβにかけての動きを、概念的に示した図である。
ユーザ甲が予約検索をして予約を確定した後、ユーザ乙もまたユーザ甲と時間帯が重なった予約検索をして予約確定を得るまでがシステムαである。そして、予約を遂行するユーザ甲が出庫させた場合に空室となる車室に、営業所Aのスタッフがユーザ乙の予約したクラスの車両を、オプション(チャイルドシート)を搭載して回送するまでがシステムβである。
「出庫地」とは、カーシェアリングに用いられる車両をカーシェアリングの事業者がユーザのために駐車させている場所(以下、「ステーション」と称する)が複数あるが、そのステーションうち、ユーザが予約して出発するステーションのことである。なお、ユーザが借りた車両を返却するステーションを「返却地」や「返却ステーション」と称する。
【0020】
一室一車両の原則にて運用しているステーションの場合には、車両が車室に紐付いているため、予約の際に車両の個体指定までが可能である。そのため、予約時に「クラス指定」ではなく、車番指定をすることが多い。
しかし、一室多車両で運用しているステーションの場合には、車番指定ではなく、「クラス指定」としている。この「クラス指定」とは、カーシェアリング事業者が保有して提供する車両に関する車種の全てを、ベーシック、ミドル、スペシャルなどの複数クラスに分け、ユーザは車種ではなくクラスを指定することである。なお、車種を指定して予約をしたいユーザに対しては、オプションでの車種指定を可能とすることで、ユーザニーズに対応することとしている。
【0021】
説明に用いた図では、利用ステーションである江東区第二ステーションには、カーシェアリング用の車室が2つしかなく、その一つは別の予約がなされているとする(図中、「別の予約済み」)。そして、残る一室に対するユーザ甲が予約した予約データとユーザ乙が予約した予約データを比較すると、利用ステーションおよび利用時間帯が重なっている。
【0022】
一車室毎に、ある時間帯に重複する予約が入ったとしても、最初に車両を使い始める時刻と、次に車両を使い始める時刻に所定以上の差があるなどの条件をクリアした場合には、重複した予約を受け付けるのである。図示例では、ユーザ甲がユーザ乙よりも先に予約をした場合を示しているが、ユーザ乙がユーザ甲よりも早く予約を済ませていても、ユーザ甲も予約が可能である。
【0023】
受け付けた予約の通りにユーザ甲および乙に対するサービスを実現するため、ユーザ甲が予約を遂行して出庫させた後、江東区第二ステーションから所定の距離にある営業所Aから、ユーザ乙が予約した車両を、営業所Aのスタッフが運転して江東区第二ステーションに回送する。
【0024】
ユーザ乙は、クラス指定ではベーシックを選択したものの、車種を特定したかったために、オプションとして、車種が「Aクア」である旨を入力し、且つチャイルドシートの装着も予約データとして送信している。
【0025】
(
図5)
図5は、予約システムのデータ処理の概要を示すフローチャートである。
以下、ユーザが予約検索データを送信するサーバ(カーシェア管理サーバ)の立場から、各ステップについて説明する。
【0026】
スタート(S0)については、ユーザによる予約検索データの入力が前提となる。その予約検索データは、車両を出庫させるステーション(出発ST)の指定から始まることが一般的である。そして、車両を使い始める時刻、使った車両を返却する時刻について、非稼動の(空いている)車両を探すこととなる。また、車両の種類については、(車番ではなく)クラス指定による。
出発ステーションは、車両の回送が可能なステーションと、車両の回送ができないステーションがある(S4参照)。
【0027】
カーシェア管理サーバは、ユーザに係る通信端末から予約検索データを受信する(S1)。そして、その予約検索データに基づく内容にて、予約が可能か否かを判断する(S2)。予約が可能であれば、予約可能である旨をユーザに係る通信端末へ返信する(S3)。その後、ユーザに係る通信端末から予約確定の連絡データを受信し(S8)、終了する。
この手順は、
図4におけるユーザ甲が予約を完了させるまでの手順と同様である。
【0028】
続いて、
図4におけるユーザ乙が予約を完了させるまでの手順を説明する。
カーシェア管理サーバは、ユーザに係る通信端末から予約検索データを受信する(S1)。そして、その予約検索データに基づく内容にて、予約が可能か否かを判断する(S2)。この予約可能か否かの判断は、出発ステーション内での空き車両はない。ユーザ甲による予約と重複しているからである。よって、このS2では、「No」の判断となり、S4に進む。
【0029】
図4に示したユーザ乙は、予約検索データを受信した時刻が、ユーザ甲よりも遅いものの、予約検索データに係る出庫予定時刻が、出発ステーションへの車両回送が可能な時間を確保できる場合である。
【0030】
S4において、対応不能(No)であると判断された場合には、予約ができない旨をユーザに係る通信端末へ返信する(S5)。そして、終了となる。
【0031】
なお、予約検索データの内容を変更することをユーザに依頼する、といった発展系については言及していない。ユーザへの依頼、ユーザによる変更した予約検索データの送信が行われた場合には、再びS1からのステップとなる。なお、ユーザへの予約検索データの内容を変更に対してはポイント還元などによって、変更手続きに対する手間に報いることとしている。
【0032】
S4において、対応可能(Yes)であると判断された場合には、S6において予約が可能であるか否か、を判断する。予約検索データに基づく内容で、回送すべき車両が確保できるか否か、という判断と、オプション要望に対する対応が可能か否か、という判断をする。
【0033】
S6では、その出発ステーションへの車両回送による対応が可能である、と判断できる条件である場合には、対応可能と判断する。
S6において予約不可であれば、S5を経由して終了する。
予約可能であれば、予約可能である旨を、予約可能である旨をユーザに係る通信端末へ返信する(S7)。その後、ユーザに係る通信端末から予約確定の連絡データを受信し(S8)、終了する。
【0034】
以上説明してきた「一車室多車両」の運用システムであるが、継続的に運用していく中で、いくつかの課題が出てきた。以下、
図6を用いて説明する。
【0035】
(
図6)
江東区第二ステーションにおけるカーシェアリング用の車室が二つあり、一つの車室に駐車された車両は別の予約で埋まっているとする(0)。そして、もう一つの車室に停めてある車両をユーザ甲が予約し、車両を出庫させる(1)。ユーザ甲による出庫に伴って車室は空室となる(2)。その空室に対しては、営業所Aから車両を回送する(3)。回送された車両を予約していたユーザ乙は、その車両を出庫させる(4)。
【0036】
ユーザ甲が車両を返却したら(5)、ユーザ乙が返却をする前に営業所Aに対して、ユーザ甲が返却した車両を回送する(6)。それによって、車室が空くので、ユーザ乙が車両を返却できることとなる(7)。
【0037】
第一の課題(a)として、ユーザ甲が使用した車両が営業所へ回送(6)されることを前提としている。よって、ユーザ乙は予約に係る返却時刻の前に返却したいという事態になっても、返却すべき車室が空いておらず、返却ができないこととなってしまう。
【0038】
第二の課題(b)としてはユーザ甲が利用時間の延長を申し込むなどして返却(5)が遅れた場合、回送(6)も遅れるので、ユーザ乙の返却車室が確保できないこととなる。ユーザ甲の利用時間の延長申し込みを許諾しなければ良いのだが、ユーザ甲が渋滞に巻き込まれるなど、避けられない事態も発生する。結果として、ユーザ乙の返却車室が確保できない。
【0039】
本発明が解決しようとする課題は、カーシェアリング事業における「一車室多車両」の運用システムにおいて、会員ユーザによる車両の返却場所を柔軟にすることで、カーシェアリング事業者による回送やそれに伴う作業も減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0040】
前述した課題を解決するため、会員ユーザによる車両(シェアカー)返却時において返却地をシステム側が依頼する変更依頼システム(
図7参照)、および返却地(予約返却ステーション)を会員ユーザが予約時に定めずに所定エリア内等への返却を車両返却時においてシステム側が依頼する予約時許諾システム(
図8参照)を開発した。
【0041】
本願における第一の発明は「カーシェアリング管理サーバ」に係り、第二の発明は「カーナビゲーション装置」に係る。
また、第三の発明は、「カーシェアリング管理サーバを制御するコンピュータプログラム」に係り、第四の発明は「カーナビゲーション装置を制御するコンピュータプログラム」に係り、第五の発明は、カーシェアリングの会員ユーザが用いる情報端末を制御するコンピュータプログラムに係る。
【0042】
(第一の発明)
第一の発明は、カーシェアリング利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザが利用するシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置とのデータ通信をするカーシェアリング管理サーバ(
図10等で「カーシェア管理S」と略記)であって、前記の変更依頼システムを実現するためのカーシェアリング管理サーバに係る(
図10参照)。
すなわち、前記のカーシェアリング管理サーバは、会員ユーザに貸し出す車両であるシェアカーに関する管理データを格納するシェアカー管理データベースと、
届け回送または回収回送が必要なシェアカーに関する回送車両管理データを格納する回送車両管理データベースと、
前記の多機能カーナビゲーション装置からシェアカーの現在位置データを受信する現在位置データ受信手段と、
その現在位置データ受信手段が受信した現在位置データが予約時に定めた返却予定地から所定範囲内となった場合に、前記の返却予定地から所定範囲内に回収回送の必要があるシェアカーが存在するか否かを、前記の回送車両管理データベースの管理データから判断する返却地判断手段と、
その返却地判断手段の判断によって前記の返却予定地から所定範囲内に届け回送の必要があるシェアカーが存在した場合に、その届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションへの変更依頼を前記の多機能カーナビゲーション装置へ送信する返却地変更依頼送信手段と、
前記の変更依頼を受信した前記の多機能カーナビゲーション装置から、前記の変更依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否受信手段と、を備える。
前記の依頼許否受信手段が受信した依頼許否データが許諾である場合には、前記のシェアカー管理データベースおよび回送車両管理データベースは蓄積していた返却地データを更新することとする。
【0043】
(用語説明)
本願の「カーシェアリング」には、事業サービスとしての「レンタカー」も含む。事業サービスとしての垣根が曖昧となっているからである。
「多機能カーナビゲーション装置」とは、カーシェアリング管理サーバとの双方向通信を実行するなど、単なるカーナビゲーション装置に付加した機能を備え、シェアカーに搭載されるカーナビゲーション装置である。
【0044】
「返却予定地から所定範囲内」とは、例えば、半径5キロメートル内といった範囲内、営業所の管轄範囲内などである。具体的なステーションを複数指定する場合も含む。
【0045】
(作用)
会員ユーザに貸し出す車両であるシェアカーに関する管理データを、シェアカー管理データベースに格納しており、届け回送または回収回送が必要なシェアカーに関する回送車両管理データを、回送車両管理データベースに格納している。
多機能カーナビゲーション装置からシェアカーの現在位置データを、現在位置データ受信手段が受信する。受信した現在位置データが予約時に定めた返却予定地から所定範囲内となった場合、返却予定地から所定範囲内に回収回送の必要があるシェアカーが存在するか否かを、返却地判断手段が回送車両管理データベースの管理データから判断する。 返却地判断手段の判断によって返却予定地から所定範囲内に届け回送の必要があるシェアカーが存在した場合には、その届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションへの変更依頼を返却地変更依頼送信手段が多機能カーナビゲーション装置へ送信する。
変更依頼を受信した多機能カーナビゲーション装置から、変更依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを依頼許否受信手段が受信する。 依頼許否受信手段が受信した依頼許否データが許諾である場合には、シェアカー管理データベースおよび回送車両管理データベースは蓄積していた返却地データを更新する。
【0046】
カーシェアリング管理サーバにおいて、届け回送または回収回送の必要があるシェアカーが存在する場合に、シェアカーを返却しようとする会員ユーザに対して返却場所を変更してもらうことで、届け回送または回収回送の回避や遅延をすることに寄与する。結果として、カーシェアリング事業を柔軟で円滑に運用することに寄与する。
【0047】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、予約時許諾システムを付加すると、より好ましい。
すなわち、カーシェアリング利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係る通信端末(
図12中では「会員端末」と表記)とのデータ通信をするカーシェアリング管理サーバであって、前記の予約時許諾システムを実現するためのカーシェアリング管理サーバとするのである(
図12参照)。より具体的には、以下の通りである。
【0048】
前記の通信端末からカーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データを受信する前後いずれかにおいて、当該通信端末に対して返却地の変更依頼を送信する返却地の変更依頼送信手段と、
その返却地の変更依頼を受信した通信端末から依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否データ受信手段と、
その依頼許否データを会員毎に蓄積する会員データベースと、
前記の予約データを前記の通信端末から受信する予約データ受信手段と、
前記のシェアカー管理データベースに蓄積されたデータに基づいて前記の予約データによる予約が可能か否かを判断する予約可否判断手段と、
その予約可否判断手段による判断結果を前記の通信端末へ送信する判断結果送信手段と、
を備え、
予約可否判断手段においては、前記の回送車両管理データおよび前記の依頼許否データをも用いて予約データによる可否を判断することとするのである。
【0049】
(用語説明)
「予約データ」は、会員ユーザが希望する条件を含む検索データである。希望条件に適合すると判断された検索データは、会員ユーザが予約の意志決定を付加することで予約確定データとなる。
【0050】
(作用)
通信端末からカーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーション等の予約データを受信する前後いずれかにおいて、当該通信端末に対して返却地の変更依頼送信手段が返却地の変更依頼を送信する。その返却地の変更依頼を受信した通信端末から依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを、依頼許否データ受信手段が受信する。そして、その依頼許否データを会員データベースが会員毎に蓄積する。
【0051】
カーシェアリングの予約状況等のデータは、シェアカー管理データベースが蓄積している。
予約データを予約データ受信手段が通信端末から受信する。シェアカー管理データベースに蓄積されたデータに基づいて前記の予約データによる予約が可能か否かを、予約可否判断手段が判断する。判断の際に、依頼許否データを会員データベースにて確認する。許諾する旨の会員であれば、返却地の条件が緩和されるため、予約可能となる確率が上昇する。すなわち、回送車両管理データとの照合によって返却地に選択の余地ができるためである。
【0052】
会員ユーザがシェアカーを返却するステーションを柔軟に変更できると届け回送または回収回送の回避や遅延をすることに寄与する。結果として、カーシェアリング事業を柔軟で円滑に運用することに寄与する。
【0053】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明における前記バリエーション1は、予約時許諾システムに対して、ユーザによる指定エリアデータを取得することとしてもよい(
図8参照)。
すなわち、前記の依頼許否データ受信手段は、受信した依頼許否データが許諾である場合に、会員ユーザが指定する指定エリアデータをも受信することとするのである。
【0054】
(用語説明)
「ユーザが指定する返却エリアデータ」は、地図上に円や自由曲線による囲み線を描いて指定する場合のほか、具体的に複数のカーシェアステーションを指定する場合も含む。
【0055】
(作用)
通信端末から受信した受信した依頼許否データが許諾である場合に、依頼許否データ受信手段は、会員ユーザが指定する返却エリアデータをも受信する。
カーシェアリング管理サーバにおいては、返却エリアデータにて特定される返却ステーションの選択肢が増えるので、カーシェアリング事業を柔軟で円滑に運用することに寄与する。
【0056】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明における前記バリエーション1は、以下のようにすることが望ましい。
すなわち、前記の依頼許否受信手段が受信した依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションを変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて会員ユーザがシェアカーを返却した場合には、特典を与える旨の特典データ(たとえばポイント)を前記の会員データベースに記録することとするのである(
図10,
図15参照)。
【0057】
「特典データ」とは、カーシェアリングサービスの対価として使えたり、現金と同等の価値を有したりする電子的な貨幣である。いわゆるポイントとして、会員毎に会員データベースに記録し、当該会員ユーザが蓄積したり使用したりすることができる。
【0058】
特典データが付与されることの効果として、返却地変更依頼に対する会員ユーザの判断において、許諾データの増加が期待できる。その結果、カーシェアリング事業を柔軟で円滑に運用することに寄与する。
【0059】
(第二の発明)
第二の発明は、カーシェアリング利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザが利用するシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置およびその多機能カーナビゲーション装置との間でデータ通信をするカーシェアリング管理サーバ(
図10等で「カーシェア管理S」と略記)において、前記の変更依頼システムを実現するための多機能カーナビゲーション装置に係る(
図10参照)。
前記の多機能カーナビゲーション装置は、所定時間毎に現在位置データを前記のカーシェアリング管理サーバへ送信する現在位置データ送信手段と、
送信した前記の現在位置データが返却予定地から所定範囲内となった場合に返却地の変更依頼を受信する返却地変更依頼受信手段と、
前記の変更依頼に対する許諾または否認のいずれかである依頼許否データを送信する依頼許否送信手段と、
前記の依頼許否データが許諾である場合に変更される返却地の位置データを受信する返却地位置データ受信手段と、
その返却地位置データ受信手段が受信した位置データを出力する返却位置データ出力手段と、
を備える。
【0060】
(作用)
現在位置データ送信手段は、所定時間毎に現在位置データをカーシェアリング管理サーバへ送信する。送信した前記の現在位置データが返却予定地から所定範囲内となった場合において、返却地変更依頼受信手段が返却地の変更依頼を受信する。変更依頼に対する許諾または否認のいずれかを会員ユーザが選択し、選択結果である依頼許否データを変更許否送信手段が送信する。
依頼許否データが許諾である場合には、変更される返却地の位置データを返却地位置データ受信手段が受信する。その返却地位置データ受信手段が受信した位置データを返却位置データ出力手段が出力する。
【0061】
多機能カーナビゲーション装置において、届け回送または回収回送が必要な場合にシェアカーを返却しようとする会員ユーザに対して返却場所の変更依頼を受信し、変更後の返却地をナビゲーションすることまでを円滑に実行することができる。結果として、届け回送または回収回送の回避や遅延をすることに寄与する。
【0062】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の依頼許否送信手段において、依頼許否データが許諾である場合に、返却を許諾するエリアとして会員ユーザが指定する指定エリアデータを含むこととしてもよい(
図10参照)。
【0063】
(作用)
シェアカーが返却予定地に近づき、カーシェアリング管理サーバから返却地変更依頼を受信した際に、変更を許諾できるエリアを指定する指定エリアデータを含めて依頼許否データを送信する。すなわち、指定エリアデータにて指定されたステーションであれば、返却地を変更しても良い、という意思表示を示すことができる。
【0064】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションの変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信した場合に、特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する特典付与報告受信手段を備えることとしてもよい(
図15参照)。
【0065】
(作用)
カーシェアリング管理サーバから返却ステーション変更を依頼された場合にユーザが許諾した場合、または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定をユーザが許諾した場合、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信したら、特典付与報告受信手段が特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する。
会員ユーザは,依頼を許諾したことに対する得点を得た旨,すぐに知ることができる.
【0066】
(第三の発明)
第三の発明は、第一の発明に係るカーシェアリング管理サーバを制御するコンピュータプログラムに係る(
図10参照)。
前記のカーシェアリング管理サーバは、会員ユーザに貸し出す車両であるシェアカーに関する管理データを格納するシェアカー管理データベースと、 届け回送または回収回送が必要なシェアカーに関する回送車両管理データを格納する回送車両管理データベースと、を備える。
そして、カーシェアリング管理サーバを制御するコンピュータプログラムは、
前記の多機能カーナビゲーション装置からシェアカーの現在位置データを受信する現在位置データ受信手順と、
その現在位置データ受信手順にて受信した現在位置データが予約時に定めた返却予定地から所定範囲内となった場合に、前記の返却予定地から所定範囲内に回収回送の必要があるシェアカーが存在するか否かを、前記の回送車両管理データベースの管理データから判断する返却地判断手順と、
その返却地判断手順の判断によって前記の返却予定地から所定範囲内に届け回送の必要があるシェアカーが存在した場合に、その届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションへの変更依頼を前記の多機能カーナビゲーション装置へ送信する返却地変更依頼送信手順と、
前記の変更依頼を受信した前記の多機能カーナビゲーション装置から、前記の変更依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否受信手順と
その依頼許否受信手順にて受信した依頼許否データが許諾である場合には、前記のシェアカー管理データベースおよび回送車両管理データベースは蓄積していた返却地データを更新する返却地データ更新手順と、
をカーシェアリング管理サーバに実行させるのである。
【0067】
(第三の発明のバリエーション1)
第三の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、前記の通信端末からカーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データを受信する前後いずれかにおいて、当該通信端末に対して返却地の変更依頼を送信する返却地の変更依頼送信手順と、
その返却地の変更依頼を受信した通信端末から依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否データ受信手順と、
その依頼許否データを会員データベースにおける会員毎に蓄積する依頼許否データ蓄積手順と、
前記の予約データを前記の通信端末から受信する予約データ受信手順と、
前記のシェアカー管理データベースに蓄積されたデータに基づいて前記の予約データによる予約が可能か否かを判断する予約可否判断手順と、
その予約可否判断手順による判断結果を前記の通信端末へ送信する判断結果送信手順と、
をカーシェアリング管理サーバに実行させ、
前記の予約可否判断手順においては、前記の回送車両管理データおよび前記の依頼許否データをも用いて予約データによる可否を判断することとするのである。
【0068】
(第三の発明のバリエーション2)
第三の発明におけるバリエーション1は、以下のようにすると、より好ましい。
すなわち、前記の依頼許否データ受信手順においては、受信した依頼許否データが許諾である場合に、会員ユーザが指定する返却エリアデータをも受信することとするのである(
図8参照)。
【0069】
(第三の発明のバリエーション3)
第三の発明におけるバリエーション1は、以下のようにすると、より好ましい。
すなわち、前記の依頼許否受信手順にて受信した依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションを変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて会員ユーザがシェアカーを返却した場合には、特典を与える旨の特典データ(たとえばポイント)を前記の会員データベースに記録することとするのである(
図15参照)。
【0070】
(第四の発明)
第四の発明は、第二の発明に係る多機能カーナビゲーション装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、所定時間毎に現在位置データを前記のカーシェアリング管理サーバへ送信する現在位置データ送信手順と、
その現在位置データ送信手順にて送信した前記の現在位置データが返却予定地から所定範囲内となった場合に返却地の変更依頼を受信する返却地変更依頼受信手順と、
前記の変更依頼に対する許諾または否認のいずれかである依頼許否データを送信する依頼許否送信手順と、
前記の依頼許否データが許諾である場合に変更される返却地の位置データを受信する返却地位置データ受信手順と、
その返却地位置データ受信手順にて受信した位置データを出力する返却位置データ出力手順と、
を多機能カーナビゲーション装置に実行させるコンピュータプログラムである。
【0071】
(第四の発明のバリエーション1)
第四の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の依頼許否送信手順において、依頼許否データが許諾である場合に、返却を許諾するエリアとして会員ユーザが指定する指定エリアデータを含むこととしてもよい(
図10参照)。
【0072】
(第四の発明のバリエーション2)
第四の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションの変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信した場合に、特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する特典付与報告受信手順をも多機能カーナビゲーション装置に実行させるコンピュータプログラムとするのである(
図15参照)。
【0073】
(第五の発明)
第五の発明は、カーシェアリングに用いるシェアカーの管理を実行するカーシェアリング管理サーバとの間でデータ通信を実行し、カーシェアリング利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザがカーシェアリング利用の予約を実行する通信端末において実行されるコンピュータプログラムに係る(
図12参照)。
そのコンピュータプログラムは、
カーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データ(検索データに関して、返却地の変更依頼を前記のカーシェアリング管理サーバから返却地の変更依頼を受信する返却地の変更依頼受信手順と、
その返却地の変更依頼に対して依頼許否データを前記のカーシェアリング管理サーバに送信する依頼許否送信手順と、
カーシェアリング利用を希望する日時や利用開始ステーションを含む予約データ(検索データ)を送信する予約データ送信手順と、
前記の予約データに対する予約可否の判断結果を前記のカーシェアリング管理サーバから受信する予約可否受信手順と、
その予約可否受信手順にて受信した予約可否の判断結果を出力する予約可否出力手順と、
を前記の通信端末に実行させることとする。
【0074】
(第五の発明のバリエーション1)
第五の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の依頼許否送信手順において前記の依頼許否データが許諾である場合に、返却地として会員ユーザが指定した指定エリアデータを含むこととするのである(
図8参照)。
【0075】
(第五の発明のバリエーション2)
第五の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の依頼許否データが許諾である場合において、返却ステーションの変更または指定エリアデータに基づく返却ステーションへの指定にて、会員ユーザがシェアカーを返却した旨を前記のカーシェアリング管理サーバが受信した場合に、特典を与える旨をカーシェアリング管理サーバから受信する特典付与報告受信手順をも通信端末に実行させるコンピュータプログラムとするのである(
図15参照)。
【0076】
第三から第五の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、DVD-R、フラッシュメモリなどである。
【0077】
また、第三または第四の発明に係るコンピュータプログラムを格納したコンピュータまたは管理サーバの制御コンピュータから、通信回線を通じてカーシェアリング管理サーバや多機能カーナビゲーション装置の制御コンピュータへ伝送することも可能である。
【0078】
第五の発明に係るコンピュータプログラムは、会員ユーザに係る通信端末にダウンロードさせて実行するアプリケーションプログラムである場合の他,所定サーバと双方向通信をする会員ユーザに係る通信端末との間で実行するプログラムである場合を含む。
【発明の効果】
【0079】
本願発明によれば,カーシェアリング事業における「一車室多車両」の運用システムにおいて、会員ユーザによる車両の返却場所を柔軟にすることで、カーシェアリング事業者による回送やそれに伴う作業も減らすことに寄与する。
【0080】
第一の発明および第三の発明によれば、カーシェアリング事業における「一車室多車両」の運用において、カーシェアリング事業者による回送やそれに伴う作業も減らすことに寄与するカーシェアリング管理サーバ、およびそのカーシェアリング管理サーバを制御するコンピュータプログラムを提供することができる。
【0081】
第二の発明および第四の発明によれば、カーシェアリング事業における「一車室多車両」の運用において、カーシェアリング事業者による回送やそれに伴う作業も減らすことに寄与する多機能カーナビゲーション装置、およびその多機能カーナビゲーション装置を制御するコンピュータプログラムを提供することができる。
【0082】
第五の発明によれば,カーシェアリング事業における「一車室多車両」の運用において、カーシェアリング事業者による回送やそれに伴う作業も減らすことに寄与する、会員ユーザが使用してカーシェアリング管理サーバとのデータ通信を実行するアプリケーションプログラムを提供することができる.
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】従来の予約制カーシェアリングにおける潜在的な課題を示すための概念図である。
【
図2】従来の予約制カーシェアリングを示すためのブロック図である。
【
図3】一車室多車両を実現するための概要α~γを示すブロック図である。
【
図4】一車室多車両を実現するための概要α~βを示す概念図である。
【
図5】一車室多車両を実現するための予約手順を示すフローチャートである。
【
図6】一車室多車両を実現するために営業所を起点とした車両の届け回送および回収回送と、それを運用する場合の課題について説明するための概念図である.
【
図7】一車室多車両の運用における第一の課題解決法を示す概念図である.
【
図8】一車室多車両の運用における第二の課題解決法を示す概念図である.
【
図9】第一の課題解決法を実施した場合における多機能カーナビゲーション装置と、それを操作する会員ユーザの動作について示すフローチャートである。
【
図10】会員ユーザがシェアカーを返却する際にデータ通信をするカーシェアリング管理サーバおよび多機能カーナビゲーション装置を示すブロック図である.
【
図11】返却地が変更される可能性について、会員ユーザが通信端末にてカーシェアリングの予約時に許諾して登録する手順を示すフローチャートである.
【
図12】会員ユーザがカーシェアリングの予約時に許諾して登録する通信端末、およびその通信端末とのデータ通信をするカーシェアリング管理サーバを示すブロック図である.
【
図13】返却地が変更される旨を事前に許諾している会員ユーザにおける車両の返却手順を示すフローチャートである。
【
図14】返却地を変更する旨の依頼を会員ユーザによる予約時に実施するカーシェアリング管理サーバ、およびそのカーシェアリング管理サーバとのデータ通信を実施する会員ユーザに係る通信端末を示すブロック図である.
【
図15】返却地を変更する旨を予め許諾していた会員ユーザによるシェアカーの返却時を示すカーシェアリング管理サーバおよび多機能カーナビゲーション装置を示すブロック図である.
【
図16】ユーザ端末において予約内容を確認してもらうための画面を示す。
【
図17】ユーザ端末において予約が完了した旨を知らせる画面を示す。
【
図18】歩道の一部を切り欠いて駐車可能なスペースを形成した路上駐車スペースを、シェアカーの車室(出発地、返却地)として活用する場合を示す概念図である。
【
図19】返却ステーションに近づいたシェアカーの会員ユーザに対して、路上駐車スペースへの返却を支持する様子を示す概念図である。
【
図20】エリア内での返却を許諾した予約に対して、路上駐車スペースを含む返却可能なステーションを指定する様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、本発明の実施形態について、図面(
図7から
図20、必要に応じて
図1~
図6も用いる)を参照して説明する。本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明を解釈するための実施形態である。なお、
図10以下において、実線の矢印は有線通信を、二点破線の矢印は無線通信をそれぞれ意味する。
【0085】
(
図7)
図7は、カーシェアリング事業において一車室から入出庫できるシェアカーを複数台として運用する「一車室多車両」を運用する場合における課題と、その課題の解決法の一つ目について概念的に示している。図中の上部に記述した課題については、
図6で言及済みであるので、重複記載は避ける。
【0086】
一つ目の解決方法としては、会員ユーザが乗車しているシェアカーが返却ステーションに近づいたら、返却ステーション近傍の別のステーションへの返却を指示する、というものである。図中の中央やや左には、予約時の返却ステーションの場所を示しているが、カーシェア管理サーバがその右下にある「好ましい返却ステーション」への返却を指示するのである。指示したステーションが届け回送の必要なステーションである場合、会員ユーザによる返却が届け回送の代わりとなるのである。
【0087】
カーシェアリング管理サーバが会員ユーザの予約に係る返却ステーションを変更して別のステーションへの返却を指定することで、届け回送を不要とするのである。なお、「変更して指定」と説明したが、会員ユーザに対しては依頼をして許諾を得る、というプロセスを経ている旨を後述する。
【0088】
(
図8)
図8は、二つ目の解決方法を概念的に示したものである。この解決方法は、会員ユーザによるカーシェア利用の予約時に返却ステーションを特定することなく、所定エリア内への返却となる旨を承諾してもらうというやり方である。
【0089】
カーシェア利用の予約時に、会員ユーザは返却ステーションを特定せず、所定エリア内へ返却することを許諾する。その所定エリアは、会員ユーザが指定する場合や、カーシェアリング管理サーバが提示する場合がある。
【0090】
図中の破線による囲み円は、予約時に会員ユーザが許諾する指定エリアを示す。会員ユーザがシェアカーの返却をしようとして指定エリアに近づくと、カーシェアリング管理サーバはその指定エリア内にある複数のカーシェアステーションの中から、返却不能なステーションや返却可能なステーションではなく、返却して欲しい(好ましい)ステーションを選択して会員ユーザに指示する。返却して欲しいステーションが届け回送の必要なステーションである場合、会員ユーザによる返却が届け回送の代わりとなるのである。
【0091】
(
図9)
図9は、
図7に示した解決方法(都度の変更依頼)を実現するため、会員ユーザが利用しているシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置の作動手順を示すフローチャートである。
【0092】
会員ユーザが利用しているシェアカーを帰路に向かって運転を開始したとする(S1)。そして、予約時に返却場所として指定したカーシェアステーション(返却予定ST)までの距離が、所定の距離(たとえば5キロメートル)以下となったか否か、が判断される(S2)。
【0093】
カーシェアリング管理サーバは、返却予定STから所定の範囲内のカーシェアステーションにおいて届け回送の必要な車両が存在するか否かを判断する(S3)。そして、届け回送の必要な車両が存在する場合、返却すべきステーションを変更してもらえるかどうか、多機能カーナビゲーション装置に対して、依頼を送信する。その依頼を受信した多機能カーナビゲーション装置は、その依頼を画面出力し、会員ユーザの判断を仰ぐ(S4)。
【0094】
会員ユーザは、返却ステーションの変更を許諾するか否かを判断する(S5)。なお、カーシェアリング管理サーバからは、依頼に応じてもらった場合には特典を付与(経済的な価値のあるポイントを還元)する旨が付記されている。会員ユーザが変更を許諾する場合、その旨の意思表示が多機能カーナビゲーション装置を介してカーシェアリング管理サーバへ送信される。
【0095】
会員ユーザの許諾を受けたカーシェアリング管理サーバは、多機能カーナビゲーション装置に対して、変更を許諾した返却ステーションの位置情報を送信する。多機能カーナビゲーション装置は、その変更された返却ステーションへのナビゲーションを開始する(S6)。その後、返却ステーションへシェアカーが到着したら(S7)、多機能カーナビゲーション装置によるナビゲーションは終了する(S8)。
前述のS3にて、届け回送が必要なステーションが所定範囲内に存在しなかった場合には、会員ユーザが予約時に予約していた返却ステーションへのナビゲーションが行われ、当該返却ステーションへ到着したら、ナビゲーションは終了する(S7,S8)。
【0096】
前述のS3にて届け回送が必要なステーションが所定範囲内に存在したとしても、会員ユーザが返却ステーションの変更依頼に応じなかった場合にも、会員ユーザが予約時に予約していた返却ステーションへのナビゲーションが行われ、当該返却ステーションへ到着したら、ナビゲーションは終了する(S7,S8)。
【0097】
(
図10)
図10は、
図9にて示したフローチャートの流れを実現するため、カーシェアリング管理サーバ(図中では「カーシェア管理S-1」と略記)および多機能カーナビゲーション装置(図中では「多機能カーナビ」と略記)との間で、どのような情報処理が実行されているかを示すブロック図である。
【0098】
(カーシェアリング管理サーバ)
カーシェアリング管理サーバには、カーシェアリングに用いている車両である各シェアカーに関するデータを蓄積しているシェアカー管理データベース、一車室多車両を実現するために届け回送または回収回送が必要な車両に関するデータを蓄積している回送車両管理データベース、会員ユーザにおける各会員に関するデータを蓄積している会員データベース、カーシェアステーションにおける駐車車室に関するデータを蓄積している駐車車室管理データベースを備えている。
【0099】
駐車車室管理データベースは、カーシェアステーションが駐車場を兼ねている場合(時間貸しや月極貸しの専用車室と、シェアカーを駐車する車室とが併存している場合)、駐車場管理サーバに備えられている(カーシェアリング管理サーバ内には物理的に存在しない)ことが一般的である。その場合、その駐車場管理サーバとの双方向通信にて、カーシェアリング管理サーバ内には物理的に存在するのと同等となるようにすることが多い。
【0100】
カーシェアリング管理サーバは、カーシェアリング利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザが利用するシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置とのデータ通信をする。
そして、多機能カーナビゲーション装置からシェアカーの現在位置データを受信する現在位置データ受信手段と、 その現在位置データ受信手段が受信した現在位置データが予約時に定めた返却予定地から所定範囲内となった場合に、返却予定地から所定範囲内に回収回送の必要があるシェアカーが存在するか否かを、回送車両管理データベースの管理データから判断する返却地判断手段と、を備えている。
【0101】
また、返却地判断手段の判断によって返却予定地から所定範囲内に届け回送の必要があるシェアカーが存在した場合に、その届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーションへの変更依頼を多機能カーナビゲーション装置へ送信する返却地変更依頼送信手段と、変更依頼を受信した多機能カーナビゲーション装置から、前記の変更依頼に対する許否のいずれかである依頼許否データを受信する依頼許否受信手段と、を備える。
【0102】
返却地判断手段による判断例を、
図6を参照させながら説明する。
営業所Aから届け回送(3)を実行しなければならない場合において、会員ユーザ丙が江東区第二ステーションの近傍にある別のカーシェアステーション(例えば江東区第一ステーション)へ、返却をする旨の予約をしていたとする。そして、その会員ユーザ丙が運転しているシェアカーが、江東区第一ステーションに近づいたら、当該シェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置に対して、「江東区第一ステーションへの返却を、江東区第二ステーションへの返却に変更して欲しい」という依頼を送信するのである。
【0103】
依頼許否受信手段が受信した依頼許否データが許諾である場合には、シェアカー管理データベースおよび回送車両管理データベースは蓄積していた返却地データを更新する。
図6における営業所Aとしては、会員ユーザ丙が江東区第二ステーションへの返却に変更することを許諾し、返却を終了したことを確認できれば、届け回送の必要がなくなる。
【0104】
(多機能カーナビゲーション装置)
会員ユーザ丙が利用するシェアカーに搭載された多機能カーナビゲーション装置を主にして説明する。
多機能カーナビゲーション装置は、所定時間毎(たとえば1分ごと)に現在位置データをカーシェアリング管理サーバへ送信する現在位置データ送信手段と、送信した現在位置データが返却予定地から所定範囲(たとえば5キロメートル)内となった場合に返却地の変更依頼を受信する返却地変更依頼受信手段と、を備える。
【0105】
また、変更依頼に対する許諾または否認のいずれかである依頼許否データを送信する依頼許否送信手段と、依頼許否データが許諾である場合に変更される返却地の位置データを受信する返却地位置データ受信手段と、その返却地位置データ受信手段が受信した位置データを出力する返却位置データ出力手段と、を備えている。
なお、変更依頼に対して否認(許諾をしない)である旨の依頼許否データを送信した場合、返却位置データ出力手段は、予約時の返却ステーションの場所をナビゲーションする。
【0106】
シェアカーは、GPS(Global Position System)にて現在位置を取得し、その現在位置をカーシェアリング管理サーバへ送信しているほか、エンジンのオンオフ、各種加速度センサが取得したデータなどもカーシェアリング管理サーバへ送信している。データの送受信は、シェアカーに搭載されたデータ通信装置(多機能カーナビゲーション装置とは物理的には異なる装置)を介して実行していることが多いが、その場合、前述した多機能カーナビゲーション装置とは、そのデータ通信装置によるデータ送受信機能までを含めた概念としての「多機能カーナビゲーション装置」となる。
【0107】
(特典の付与)
カーシェアリング管理サーバは、シェアカーから送信されてくる現在位置データが変更を依頼した返却ステーションの位置である場合、シェアカーの返却を前提としたエンジン停止のデータ取得を条件として、変更依頼を許諾した会員ユーザに対する返礼ポイントを付与し、会員データベースに登録する。このポイントは経済的な価値があり、会員ユーザはカーシェアリングサービスの利用時などにそのポイントを使うことができる。
【0108】
(
図11)
図11は、返却地が変更される可能性について予約時に予め許諾をする、という手順を、カーシェアリング管理サーバに対する会員ユーザに係る通信端末側から説明するためのフローチャートである。
【0109】
会員ユーザに係る通信端末にて、カーシェア利用に関する予約画面を起動させる(S11)。そして、利用したい条件を入力して予約データ(検索データ)を送信する(S12)。多くの場合、シェアカーの利用を開始する開始ステーションと、シェアカーを返却する返却ステーションとは同じであるが、返却ステーションが所定エリア内で変更される可能性があることに対して、カーシェアリング管理サーバが会員ユーザに対して許諾を依頼する(S13)。
変更される可能性がある「所定エリア」とは、カーシェアリング管理サーバ側が決定する場合(
図7参照)と、会員ユーザが指定する場合(
図8参照)とがある。
【0110】
会員ユーザは、自らの通信端末に出力された許諾の依頼に対して許諾するか拒否するか、いずれかを選択し、許否データとして返信する(S14)。
許否データが許諾である場合、会員データベース(
図12参照)に対し、エリア内変更を事前許諾した会員である、という旨を登録する(S15)。
【0111】
許否データが拒否である場合、会員データベース(
図12参照)に対し、エリア内変更を事前許諾しなかった会員である、という旨を登録する(S16)。許否データがいずれであっても、会員ユーザによる予約が完了した場合には、予約手続を終了する(S17)。
【0112】
なお、事前許諾しなかった会員に対しても、
図9に示したように、シェアカーの返却時に返却ステーションの変更依頼を送信することとしている。ただし、変更依頼を一切拒否する、という会員ユーザの意思表示を可能とし、且つ、その旨を会員データベースに登録することとした場合には、シェアカーの返却時に返却ステーションの変更依頼を送信しない。
【0113】
(
図12)
図12は、
図11にて示したフローチャートの流れを実現するため、カーシェアリング管理サーバおよび会員ユーザに係る通信端末(図中では「会員端末」と略記)との間で、会員ユーザによる予約時(あるいは他の必要性からカーシェアリング管理サーバへアクセスした際)に、どのような情報処理が実行されているかを示すブロック図である。
【0114】
会員端末においては、カーシェアリング予約や利用に関する専用のアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリ」と略記する)を予めダウンロードしておき、そのアプリを起動させることが一般的である。また、当該カーシェアリング管理サーバが提供する所定のウェブページにおいて、前記のアプリと同様の操作が可能であるようにしておいてもよい。
以下の説明では、会員端末においてアプリを起動させたとして説明する。
【0115】
会員端末においてアプリを起動させると、カーシェアリング管理サーバからは、返却地の変更依頼送信手段から変更依頼が送信されてくる。その変更依頼は、アプリによって会員端末にて出力され、会員ユーザは、許諾をするか拒否するかのいずれかを選択して依頼許否データとして送信する。
【0116】
依頼許否データが許諾である場合、会員ユーザが返却地として変更しても良いエリア、あるいは返却地として変更を許諾する所定の複数のステーションを指定することとしても良い。会員ユーザが返却地として変更しても良いエリア、あるいは返却地として変更を許諾する所定の複数のステーションのことを、「指定エリアデータ」と称する。
【0117】
指定エリアデータを送信することは、アプリ上、会員ユーザに対して必須とはしていない。カーシェアリング管理サーバとしては、指定エリアデータがない方がカーシェアリング事業の柔軟な運用には寄与する可能性が高い。
【0118】
会員端末から送信されてきた依頼許否データは、カーシェアリング管理サーバにおける依頼許否データ受信手段にて受信し、会員データベースに登録する。
【0119】
続いて、会員ユーザは、シェアカーについて利用したい条件、すなわち、利用希望ステーション、利用開始の日時、返却予定時刻、車種やクラスなどを予約データ(検索データ)として入力し、カーシェアリング管理サーバへ送信する。カーシェアリング管理サーバにおいては、予約データ受信手段が受信する。「利用希望ステーション」とは、利用を開始するステーションと返却をするステーションとが同一であることを前提として入力項目である。そのため、前述した依頼許否データが許諾である旨を登録済みの会員ユーザにおいては異なる意味合いが含まれるが、簡便化のため、「利用希望ステーション」として図示および説明する。
【0120】
カーシェアリング管理サーバには、
図10と同様、シェアカー管理データベース、回送車両管理データベース、会員データベース、および駐車車室管理データベースを備えている。
受信した予約データが予約可能か否かについては、シェアカー管理データベースに蓄積されたデータ、回送車両管理データベースに蓄積された回送車両管理データ、および会員データベースに蓄積された依頼許否データを用いて予約可否判断手段が判断する。
【0121】
依頼許否データが許諾である場合、返却ステーションが複数となるので、予約が可能となる確率が上昇するというメリットが会員ユーザにはあり、カーシェアリング管理サーバ(カーシェアリング事業者)においては、届け回送をしなくて済む可能性を高められる。
【0122】
予約可否の判断結果については、判断結果送信手段が会員端末へ送信する。会員端末においては、受信した予約可否を出力し、予約可能である場合には予約確定の意思表示(予約確定データ)を予約確定送信手段によって送信する。
【0123】
会員端末から送信された予定確定データは、カーシェアリング管理サーバの予定確定受信手段が受信する。そして、予定確定に伴うデータ更新を、会員データベース、シェアカー管理データベース、回送車両管理データベース、および駐車車室管理データベースに対して実行する。
【0124】
(
図13)
図13は、返却地が変更される旨を許諾した会員ユーザがシェアカーを返却する、という手順を、カーシェアリング管理サーバとシェアカーの多機能カーナビゲーション装置との双方向通信から説明するためのフローチャートである。
【0125】
会員ユーザが利用しているシェアカーを帰路に向かって運転を開始したとする(S21)。シェアカーにはGPSが搭載されており、シェアカーの位置データは概ね1分ごとにカーシェアリング管理サーバに送信されている。予約時に返却場所として指定したカーシェアステーション(返却予定ST)までの距離が、所定の距離(たとえば5キロメートル)以下となったか否か、が判断される(S22)。
【0126】
所定の距離以下となった場合、カーシェアリング管理サーバは、回送車両管理データベースにアクセスして返却ステーションから所定範囲内(または会員ユーザが指定した範囲内)に回送の必要な車両があるか否かを判断する(S23)。
【0127】
回送の必要な車両があると判断した場合、当該会員が予約時に返却ステーションの変更がありうるという許諾をしているか否か、会員データベースにアクセスして確認する(S24)。許諾をしていない場合、返却ステーションの変更に応じてもらえるか否か依頼する(S25)。会員ユーザが返却ステーションの変更を許諾するか否かについて、会員ユーザは、依頼が送信されてきた多機能カーナビゲーション装置における出力を受けつつ判断する(S26)。
【0128】
会員ユーザが返却ステーションの変更を許諾した場合、許諾した返却ステーションへのナビゲーションが、多機能カーナビゲーション装置によってなされる(S27)。その返却ステーションへシェアカーが到着したら(S28)、ナビゲーションは終了する(S29)。
【0129】
回送の必要な車両がないと判断した場合(S23)や、会員ユーザが返却ステーションの変更を許諾しなかった場合(S26)には、返却予定ステーションへのナビゲーションが多機能カーナビゲーション装置によってなされ(S28)、ナビゲーションは終了する(S29)。
【0130】
(
図14)
図14は、会員ユーザによる予約終了後に、カーシェアリング管理サーバから、返却時に返却地の変更を依頼して許諾してもらえるか否か、会員ユーザに係る端末へ連絡する、という場合の情報処理手順をブロック図にて示している。
【0131】
図14に示す実施形態は、
図12に示した実施形態との相違点として、予約データの受信や予約可否の手続、および返却地の変更依頼とその許否の手続の順序が入れ替わったのみであるので、詳細な説明は省略する。
【0132】
(
図15)
図15は、返却地の変更を予め許諾していた会員ユーザが、実際に返却地の変更依頼に応じて変更された返却地へシェアカーを返却した場合に、その返礼としてのポイントを付与した旨を、利用していたシェアカーの多機能カーナビゲーション装置や、会員端末に対して連絡をする手順を示すブロック図である。
【0133】
多機能カーナビゲーション装置は、シェアカーに搭載したGPSから取得した現在位置データを現在位置データ送信手段からカーシェアリング管理サーバへ送信する。カーシェアリング管理サーバは、現在位置データを現在位置データ受信手段が受信し、その現在位置データが返却地から所定範囲内か否かを判断する。所定範囲内である場合には、回送車両管理データベースを用いて届け回送が必要な車両を優先して抽出し、返却地判断手段が返却地を判断する。
【0134】
返却地の変更を許諾している会員ユーザであるので、変更した返却地位置データを返却地位置データ送信手段が多機能カーナビゲーション装置へ送信する。多機能カーナビゲーション装置においては、返却地位置データ受信手段が所定エリア内の返却地の位置データを受信する。そして、その位置データを多機能カーナビゲーション装置の出力画面へ出力させるなどして、会員ユーザへのナビゲーションを実施する。
【0135】
返却ステーションへシェアカーが到着したら、シェアカーの現在位置データによってカーシェアリング管理サーバとしては、返却ステーションへ到達した旨を検知できる。エンジンのオフデータを受信できれば、返却が終了した旨を返却終了データ受信手段が受信できる。
【0136】
会員ユーザは、依頼に応じて返却ステーションを変更したのであるから、その返礼としてカーシェアリング管理サーバは、ポイントを付与し、会員データベースにその旨を記録する。しかし、そのポイントを付与した旨を会員ユーザに対してタイムリーに知らせることが重要である。そこで、ポイント付与報告送信手段が、多機能カーナビゲーション装置および会員端末に対して、ポイントを付与した旨を報告する。
【0137】
返却終了データ受信手段が返却終了データを受信したら、返却終了処理手段が、変更した返却地へのシェアカーが返却されたことによるデータ更新を、シェアカー管理データベース、回送車両管理データベース、および駐車車室管理データベースに対して実行する。
【0138】
(
図16)
図16に示すのは、予約確認画面である。
予約したステーション名、お知らせ、予約に係る車両情報(車種、決まっている場合には車両ナンバー)、料金プラン、予約に係る利用開始日時、返却予定日時、保険加入の有無、追加運転者の登録などである。
【0139】
画面下の「予約確定」のボタンは、これをタップすると、
図16に示した画面の内容での予約が確定する。予約確定に基づき、駐車車室管理データベース、シェアカー管理データベース、回送車両管理データベースなどが更新される(
図15参照)。
【0140】
(
図17)
図17に示すのは、予約確定画面である。すなわち、この画面にて、会員ユーザに対する予約確定の報告となる。予約番号、ルールとマナー、会員向けキャンペーンなどの他、地図画面に戻るためのボタン、予約状況を確認するためのボタンが用意されている。
【0141】
図面とともに前述してきた実施形態によれば、事業者が保有する車両をユーザが借りるサービス(カーシェアリングまたはレンタカー)事業において、一つの車室に複数台の車両(車室数以上の数の車両)を提供可能とした場合に、ユーザが予約するためのアプリケーションプログラムを実行する端末を提供することができた。
【0142】
(
図18)
図18は、歩道の一部を切り欠いて駐車可能なスペースを形成した路上駐車スペースを、シェアカーの車室(出発地、返却地)として活用する場合を示している。
【0143】
図18に示す路上駐車スペースは、時間貸しの駐車車室として活用されている。すなわち、路上駐車スペースは、シェアカーを貸し出すために予めシェアカーを駐車しておく車室(出発地)として活用することができ、且つ貸し出したシェアカーをカーシェアユーザに返却してもらう車室(返却地)として活用することができる。したがって、本願に係るカーシェアリング管理サーバにおいて、「届け回送の必要があるシェアカーを届ける必要のあるステーション」に路上駐車スペースを含むことすることができる。
【0144】
(
図19)
図19は、
図7に示した「一車室多車両」の運用における解決法の一態様を概念的に示している。すなわち、シェアカーが返却ステーションに近づいたら、
図18に示したような路上駐車スペースをカーシェアリング管理サーバが、返却ステーションの変更候補地として指示する場合を示している。
【0145】
路上駐車スペースをシェアカーの返却先とすることは一般に周知されているとは言い難く、カーシェアリングの会員ユーザになじみがない琴が多い。したがって、カーシェアリング管理サーバとしては、返却ステーションの変更候補地として路上駐車スペースを返却ステーションの変更候補地に含む場合には、会員ユーザに対しては、分かりやすい表示や指示をすることが望ましい。分かりやすい指示の例としては、たとえば「A街道におけるB交差点の先100メートルの車室のいずれかに返却してください」といった指示(多機能カーナビゲーションでの地図上に表示)である。
【0146】
路上駐車スペースからシェアカーを利用したい会員ユーザが返却直後にいる場合などは、カーシェアリング事業者としては、その路上駐車スペースへの届け回送が不要となる。
【0147】
(
図20)
図20は、
図8に示した「一車室多車両」の運用における解決法の一態様を概念的に示している。すなわち、返却ステーションが所定のエリア内であればOKである旨を許諾しつつカーシェア利用を予約した会員ユーザに対して、返却時には、指定エリア内にて路上駐車スペースを含む返却可能なステーションをカーシェアリング管理サーバが指定する場合を示している。
【0148】
路上駐車スペースからシェアカーを利用したい会員ユーザが返却直後いる場合などは、その路上駐車スペースをカーシェア管理サーバが返却可能なステーションとして選択する。そして会員ユーザがその路上駐車スペースに返却した場合、カーシェアリング事業者としては、届け回送が不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、駐車場などの駐車スペースおよび貸し出し用車両を利用したカーシェアリング事業やレンタカー事業、駐車場の設備製造業、駐車場の管理業、駐車場管理用データの通信機器の製造業、データ通信におけるデータ管理業、駐車場の制御ユニットや駐車場管理サーバにおけるアプリケーションソフトウェアの開発業、などにおいて利用可能性を有する。