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特開2024-85396オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法および装置
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  • 特開-オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法および装置 図1
  • 特開-オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法および装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085396
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/0136 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
B60R21/0136 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208467
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】10 2022 213 667.5
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】クレヴス,マティアス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法および装置、ならびに対応するコンピュータプログラムおよび機械可読記憶媒体を提供する。
【解決手段】オートバイ(1)と剛性物体との衝突を認識する方法であって、オートバイ(1)の前輪(11)の速度勾配とオートバイ(1)の加速度とに依存して衝突が認識される、方法、コンピュータプログラム、装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートバイ(1)と剛性物体(2)との衝突を認識する方法(100)であって、前記オートバイ(1)の前輪(11)の速度勾配と前記オートバイ(1)の加速度とに依存して衝突が認識される、方法。
【請求項2】
衝突は、前記オートバイ(1)の加速度による前記加速度の第1の閾値の超過の後に、前記オートバイ(1)の前記前輪(11)の前記速度勾配に依存して認識される、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
衝突は、前記速度勾配が前記オートバイ(1)の前記前輪(11)の前記速度勾配の第2の閾値を超える場合に認識される、請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
コンピュータプログラムであって、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法(100)のすべてのステップを実行するように設定された、コンピュータプログラム。
【請求項5】
機械可読記憶媒体であって、請求項4に記載のコンピュータプログラムが記憶されている、機械可読記憶媒体。
【請求項6】
オートバイ(1)の前輪(3)の速度勾配を受信するための第1のインターフェース(101)と、前記オートバイ(1)の加速度のための第2のインターフェース(102)とを含む装置(10)であって、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法(100)のすべてのステップを実行するように設定された、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の態様において、オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法に関する。本発明は、別の態様において、対応するコンピュータプログラム、機械可読記憶媒体、および対応する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、オートバイを監視する方法が知られている。この方法は、オートバイの加速度に関連する情報を検出および評価するステップを包含し、加速度に関連する情報にもとづいて、もしくは加速度に関連する情報から決定される量にもとづいて、三次元空間において車両の動きと車両の位置が推定され、空間における現在推定されている車両の位置が評価され、正常走行状態または危険走行状態として評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017205063号明細書
【発明の概要】
【0004】
このことを背景として、本発明は、オートバイと剛性物体との衝突を認識する方法および装置、ならびに対応するコンピュータプログラムおよび機械可読記憶媒体を提供する。
【0005】
本発明は、オートバイの前輪もしくはオートバイの相応の箇所に配置されている相応のセンサシステムを用いて、オートバイの前輪の速度勾配およびオートバイの加速度の推移を継続的に検出および評価できるという認識にもとづいている。
【0006】
本発明によれば、オートバイと剛性物体との衝突は、オートバイの前輪の速度勾配とオートバイの加速度とに依存して認識される。
【0007】
本明細書中で、オートバイとは、駆動装置を有する二輪車と理解され得る。この場合、駆動装置は、内燃機関または電気モータまたは内燃機関と電気モータの組合せであり得る。さらに、本発明の実施形態は、電動自転車またはペデレックにも使用され得る。
【0008】
本明細書中で、センサシステムとは、オートバイへの、例えば空間方向または回転レートの加速度などの物理的効果を検出するのに、および適切な形でインターフェースへ、もしくはインターフェースでセンサ信号として出力するのに適したセンサ素子を有する装置または装置の一部または装置からなるシステムと理解することができる。そのようなセンサシステムは、慣性センサ系を含むセンサシステムであり得る。
【0009】
さらに、センサシステムまたはセンサシステムの一部とは、例えばオートバイの車輪、特に前輪の加速勾配などの運動、加速度または加速度推移を検出するように、および適切な形でインターフェースへ、もしくはインターフェースでセンサ信号として出力するように設定されたセンサ素子を有する装置または装置からなるシステムと理解され得る。
【0010】
本明細書中で、剛性物体とは、衝突時、すなわちオートバイとぶつかった時に、オートバイに非常に大きな加速度を加える一方で、オートバイに損害をもたらすのに適した性質を有する物体と理解され得る。その場合、オートバイとそのような剛性物体とのこのような衝突は、典型的には、オートバイの一人または複数の乗り手の重大な負傷の危険と結びついている。
【0011】
本発明の目的は、オートバイの一人または複数の乗り手に考えられる負傷の危険を防止するのに適した、または少なくとも低減するのに適した措置を開始するために、そのような衝突を早期かつ確実に認識することである。
【0012】
さらに、本発明は、そのような衝突の結果、オートバイが、事故に典型的な最終状態、すなわち横転した状態をとらない場合でも、オートバイと剛性物体との衝突を認識するために適している。
【0013】
本発明による方法の一実施形態によれば、衝突は、オートバイの加速度によって加速度の第1の閾値を超えた後に、オートバイの前輪の速度勾配に依存して認識される。
【0014】
本発明のこの実施形態は、オートバイの走行動特性を検出するように設定されたセンサシステムの値範囲が衝突発生時に超えられるという認識にもとづく。そのような場合、いわゆるクリッピングが生じる。すなわちセンサシステムが無効の、または値範囲の最大もしくは最小の値を出力する。そのような状況が生じた場合、オートバイの前輪の速度勾配に依存して、衝突を確実かつ高い信頼性で認識できる。
【0015】
本発明の方法の一実施形態によれば、衝突は、速度勾配がオートバイ(1)の前輪(11)の速度勾配の第2の閾値を超える場合に認識される。
【0016】
この実施形態は、剛性物体との衝突発生時に、オートバイの走行動特性用のセンサシステムの値範囲を超えるオートバイの加速度の他に、高い、したがって前輪の速度勾配の閾値を超えるオートバイの前輪の速度勾配が出現するという認識にもとづいている。
【0017】
したがって、オートバイの加速時にクリッピングが始まった後に、オートバイの前輪の速度勾配がオートバイの前輪の閾値を超える場合、そのような衝突を確実に認識できる。
【0018】
本発明の別の態様は、本発明による方法のすべてのステップを実行するように設定されたコンピュータプログラムである。
【0019】
本発明の別の態様は、本発明によるコンピュータプログラムが記憶されている機械可読記憶媒体である。
【0020】
本発明の別の態様は、オートバイの前輪の速度勾配を受信するための第1のインターフェースと、オートバイの加速度のための第2のインターフェースとを備える装置に関する。装置は、本発明による方法のすべてのステップを実行するように設定されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の方法の実施形態のフローチャートである。
図2】本発明による装置を備えるオートバイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面をもとにして本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明の方法100の実施形態のフローチャートを示す。
【0024】
ステップ101において、オートバイの加速度の値範囲外の値を示すオートバイの加速度が検出される。この表示は、加速度の対応する閾値の加速度を超えることによって行うことができる。さらに、そのような表示は、そのような超過を示す相応の値によって行われ、例えば無効の値であることが考えられる。加速度の表示可能な最大もしくは最小の値が検出されることも考えられる。
【0025】
ステップ102において、オートバイの前輪の速度勾配に依存して、衝突の存在が認識される。これは、例えばオートバイの前輪の速度勾配によってオートバイの前輪の速度勾配の対応する閾値を超えることにより行うことができる。
【0026】
そのように超えた場合、オートバイと剛性物体との衝突が認識される。本発明の方法によるこの認識は、例えば、対応する制御信号の出力によって相応に転送され得る。
【0027】
図2は、本発明による装置を備えるオートバイを示す。その場合、図において、加速度を検出するためのセンサシステムと、オートバイの前輪の速度勾配を検出するためのセンサシステムとが図示される。図示される装置は、オートバイ(1)の前輪(3)の速度勾配を受信するための第1のインターフェース(101)と、オートバイの加速度のための第2のインターフェース(102)とを含む。
【0028】
さらに、装置は、本発明による方法の実施形態のすべてのステップを実行するように設定されている。
【0029】
さらに、図2において、装置がインターフェースを介してユニットに接続されていることが図示され、ユニットは、オートバイと剛性物体との衝突を示す信号に応答して、オートバイ(1)の乗り手(A)の負傷の危険を防止する、もしくは少なくとも低減するための適切な措置を実行する。
【0030】
そのような措置には、とりわけ、例えばエアバッグなどの拘束手段、オートバイのブレーキシステムを制御することによる緊急制動、救助隊を呼ぶための緊急通報、いわゆるeCall発信の作動などが含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 オートバイ
2 剛性物体
3 前輪
10 装置
11 前輪
A 乗り手
100 方法
101 第1のインターフェース、ステップ
102 第2のインターフェース、ステップ
図1
図2
【外国語明細書】