(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085416
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】物体検出
(51)【国際特許分類】
B60R 22/48 20060101AFI20240619BHJP
B60R 22/12 20060101ALI20240619BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240619BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B60R22/48 105
B60R22/12
G08B25/04 C
G08B21/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023211062
(22)【出願日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】63/387,366
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ツイッター
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エー スーウェル
(72)【発明者】
【氏名】ジョイス ワイ クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア エム ソーネン
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル ジェイ デニス
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジェイ コスタ
(72)【発明者】
【氏名】スコット アール マール
【テーマコード(参考)】
3D018
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3D018BA01
3D018BA05
3D018QA00
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA12
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA11
5C087AA11
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA51
5C087DD03
5C087DD14
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、概して、物体を検出する分野に関する。
【解決手段】システムは、赤外線波を送信するように構成された赤外線源を含む。システムは、赤外線波を反射する材料も含む。赤外線受信機は、材料から反射された赤外線波を受信するように構成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の拘束システムであって、
赤外線源から送信され、赤外線受信機によって受信される赤外線波を反射する材料を含む拘束具
を備え、
前記拘束具のペイアウト及びポジションが、前記拘束具の前記材料から反射された前記赤外線波に基づいて決定される、拘束システム。
【請求項2】
前記拘束具からの予想ペイアウト反射パターンが前記拘束具からの実ペイアウト反射パターンとは異なる、請求項1に記載の拘束システム。
【請求項3】
前記予想ペイアウト反射パターンが予想長さの所定のパターンである、請求項2に記載の拘束システム。
【請求項4】
前記拘束具の前記ポジションが、前記拘束具からの予想ポジション反射パターンと前記拘束具からの実ポジション反射パターンとの間の差に基づく予想ポジションと比較される、請求項1に記載の拘束システム。
【請求項5】
前記車両の動作状態が、前記拘束具の前記ポジションが前記予想ポジションと一致しないときに変更される、請求項4に記載の拘束システム。
【請求項6】
前記材料が、前記拘束具の前記材料に織り込まれた赤外線反射材料を含む、請求項1に記載の拘束システム。
【請求項7】
前記赤外線反射材料が、前記拘束具の前記ペイアウト及び前記ポジションを判定するために使用される非繰り返しパターンで前記拘束具の前記材料に織り込まれる、請求項6に記載の拘束システム。
【請求項8】
拘束具検出システムであって、
車両の内部空間内に配置され、赤外線波で前記内部空間を照明するように構成された、赤外線照明源と、
前記内部空間内に配置された赤外線反射材料から反射された赤外線波を受信するように構成されたカメラであって、前記赤外線波が実反射波パターンとして前記カメラによって受信される、カメラと、
を備え、
前記拘束具のペイアウト及びポジションが前記実反射波パターンに基づいて判定される、拘束具検出システム。
【請求項9】
前記実反射波パターンが、前記拘束具の実ペイアウトを判定するために所定のパターンと比較される、請求項8に記載の拘束具検出システム。
【請求項10】
前記拘束具の予想ペイアウトが、前記拘束具が誤用されているときを判定するために前記拘束具の前記実ペイアウトと比較される、請求項9に記載の拘束具検出システム。
【請求項11】
前記車両の動作状態が、前記拘束具が誤用されていることを前記拘束具の前記実ペイアウトが示すときに変化するように構成されている、請求項10に記載の拘束具検出システム。
【請求項12】
前記カメラが、乗員の身体から反射された赤外線波を受信するように構成され、前記乗員の身体ポジションが、前記受信した赤外線波に基づいて判定される、請求項8に記載の拘束具検出システム。
【請求項13】
前記拘束具の予想ポジションが前記予想反射波パターンに基づいて決定され、前記拘束具の実ポジションが前記実反射波パターンに基づいて決定される、請求項8に記載の拘束具検出システム。
【請求項14】
前記拘束具の前記実ポジションと前記拘束具の前記予想ポジションとの間の差が、前記拘束具が誤配置されていることを示す、請求項13に記載の拘束具検出システム。
【請求項15】
車両であって、
車室を画定する車体と、
前記車体に結合され、前記車室内の乗員を拘束するように構成された拘束具であって、前記拘束具が、所定のパターンで配向された赤外線反射材料を含む、拘束具と、
前記車体に結合され、赤外線波で全記者室を照明するために前記車室内に配置された、赤外線源と、
前記車体に結合され、前記拘束具の前記赤外線反射材料から反射された赤外線波を受信するために前記車室内に配置された赤外線受信機と、
を備え、
前記拘束具のポジションが、前記赤外線反射材料から反射された前記赤外線波に基づいて判定される、車両。
【請求項16】
前記拘束具が前記乗員によって誤って装着されているという判定が、前記反射された赤外線波に基づいて行われる、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記車両の動作状態が、前記拘束具が前記乗員によって誤って装着されているときに変化するように構成されている、請求項16に記載の車両。
【請求項18】
前記拘束具の前記ポジションが、反射された赤外線波が予想される赤外線反射パターンに対応しないので、前記拘束具が誤って装着されているときに、前記反射された赤外線波に基づく前記拘束具の実ポジションが前記拘束具の予想ポジションとは異なるという判定に基づいて判定される、請求項15に記載の車両。
【請求項19】
前記拘束具のペイアウトを示す信号を生成するように構成されたペイアウトセンサを更に備え、前記拘束具の実ペイアウトが前記拘束具の予想ペイアウトと異なるときに前記乗員に通知が提供され、前記通知が視覚アラート、オーディオアラート、及び前記拘束具の触覚振動のうちの1つ以上である、請求項15に記載の車両。
【請求項20】
前記視覚アラートが、前記拘束具を誤って装着している前記乗員の画像と、前記拘束具を正しく装着している前記乗員の画像とを含む、請求項19に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年12月14日出願の米国特許仮出願第63/387,366号の利益を主張し、この出願の内容は、その開示全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、物体を検出する分野に関する。
【背景技術】
【0003】
物体は、固定することができる。場合によっては、物体は、固定デバイスの不適切な使用などによって、不適切に固定される。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、赤外線源から送信され、赤外線受信機によって受信される赤外線波を反射する材料を含む拘束具を含む、車両用の拘束システムである。拘束具のペイアウト及びポジションは、拘束具の材料から反射された赤外線波に基づいて判定される。
【0005】
本開示の別の態様は、車両の内部空間内に配置された赤外線照明源を含み、赤外線波で内部空間を照明するように構成された、拘束具検出システムである。カメラは、内部空間内に位置する赤外線反射材料から反射された赤外線波を受信するように構成され、赤外線波は、実反射波パターンとしてカメラによって受信される。拘束具のペイアウト及びポジションは、実反射波パターンに基づいて判定される。
【0006】
本開示の更に別の態様は、車室を画定する車体を含む車両である。拘束具は、車体に結合され、乗員を車室内に拘束するように構成される。拘束具は、所定のパターンで配向された赤外線反射材料も含む。赤外線源は、車体に結合され、赤外線波で車室を照明するために、車室内に配置される。赤外線受信機は、車体に結合され、拘束具の赤外線反射材料から反射された赤外線波を受信するために、車室内に配置される。拘束具のポジションは、赤外線反射材料から反射された赤外線波に基づいて判定される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】一実装形態による、車両用シートの概略正面図である。
【
図1B】一実装形態による、
図1の車両内の拘束具のウェビング上の赤外線反射材料のパターンの図である。
【
図2】一実装形態による、センサデバイスの概略ブロック図である。
【
図3】一実装形態による、コントローラの概略ブロック図である。
【
図4】一実装形態による、拘束具の動き及びロケーションを検出するための方法のフローチャートである。
【
図5】一実装形態による、車両のディスプレイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書の開示は、車両内の乗員によって拘束具が誤用されているか否かを検出することができるデバイス、システム、及び方法に関する。拘束具が誤用されているか否かを検出することは、乗員の身体ポジションに対する拘束具のポジション及びペイアウトを検出及び判定するために、1つ以上のセンサを使用して達成することができる。
【0009】
本明細書に開示される実施形態は、両方とも車両の車室内に配置された赤外線源及び赤外線受信機を含む拘束システムを含む。赤外線源から放射された赤外線波は、拘束具で反射することができ、反射された赤外線波は、赤外線受信機によって受信され得る。コントローラは、反射された赤外線波に基づいて、拘束具の実ペイアウト及び実ポジションを判定するように構成され得る。コントローラはまた、実ペイアウト及び拘束具のポジションと、拘束具の予想ペイアウト及び予想ポジションとの間の比較に基づいて、拘束具が誤用されているか否かを判定するように構成されてもよい。
【0010】
図1Aは、一実装形態による、車両100用シート104の概略正面図である。車両100は、ガソリン又はディーゼル動力車両、電動車両、ボート又は船舶、航空機(例えば、飛行機、ヘリコプタなど)、遠隔制御車両などを含むがこれらに限定されない、任意のタイプの車両とすることができる。車両100は、ホイール、トラック、トレッド、ファン、プロペラなどを使用して構成されてもよい。
【0011】
車両100は、車室103(例えば、車両100の内部空間)を画定し、少なくとも部分的に取り囲む車体102を含む。車室103は、車両100があるロケーションから別のロケーションに移動するときに乗員109によって占有される、車両100の内部のエリアである。車室103は、車室103の床に(直接又は間接的に)固定されたシート104を含む。シート104は、シートベース106及びシートバック108を含むように示されている。シートベース106は、乗員109の下部(例えば、脚)を支持するように構成され、シートバック108は、乗員109の上部(例えば、背中、腕、頭など)を支持するように構成される。
【0012】
乗員109をシート104に固定するために、拘束具110は、車体102に結合され、車室103と共に配置され、乗員109を車室103内に拘束するように構成される。いくつかの実装形態では、拘束具110は、シート104に結合されてもよい(例えば、拘束具110は、シート104を介して車体102に結合される)。拘束具110は、第1のウェビング112(例えば、第1のウェビングストラップ)及び第2のウェビング114(例えば、第2のウェビングストラップ)を含む。いくつかの実装形態では、第1のウェビング112及び第2のウェビング114は、単一構成要素(例えば、単一のウェビングストラップの第1及び第2の部分)である。第1のウェビング112及び第2のウェビング114はまた、別個のウェビングであってもよい。第1のウェビング112は、第1のウェビング112を自動的に引き込むように構成された第1のリトラクタ116に結合される。第2のウェビング114は、第2のウェビング114を自動的に引き込むように構成された第2のリトラクタ118に結合される。第1のウェビング112及び第2のウェビング114が単一構成要素である実装形態では、第1のリトラクタ116及び第2のリトラクタ118の一方のみが実装されてもよい。
【0013】
いくつかの実装形態では、拘束具110は、赤外線反射材料113を含む。赤外線反射材料113は、所定のパターンで配向されてもよく、赤外線波を反射するように構成される。赤外線反射材料113は、拘束具110の材料(例えば、ナイロン)に織り込まれてもよい。いくつかの実施形態では、赤外線反射材料113は、繰り返し幾何学的パターンで配向されてもよい。
図1に示されるように、赤外線反射材料113は、ジグザグパターンで拘束具110の材料に織り込まれる。赤外線反射材料113はまた、第1のウェビング112及び第2のウェビング114の長さに沿って延在する一連の幾何学的形状として配置されてもよい。より具体的には、赤外線反射材料113は、一連の正方形、円、楕円、波、又は任意の他の幾何学的形状として配置されてもよい。いくつかの実装形態では、幾何学的形状の各々は、第1のウェビング112及び/又は第2のウェビング114の長さが幾何学的形状の繰り返しパターンに基づいて計算され得るように、同じ寸法(例えば、長さ及び幅)を含み、幾何学的形状の各々は予想長さを有する。いくつかの実装形態では、赤外線反射材料113は、第1のパターン及び第2のパターンで拘束具110の材料に織り込まれ、第2のパターンは第1のパターンとは異なる。いくつかの実施形態では、赤外線反射材料113は、第1のパターンがペイアウト指示パターンを形成することができ、第2のパターンがポジション指示パターンを形成することができるように配置され、その結果、第1のパターンは拘束具110のペイアウトを判定するように構成されてもよく、第2のパターンは拘束具110のポジションを判定するように構成されてもよい。
【0014】
いくつかの実装形態では、赤外線反射材料113の所定のパターンは、拘束具110の長さに沿って変化する。例えば、所定のパターンは、各セットの幾何学的形状の順序が任意の他のセットの幾何学的形状の順序と異なるように、拘束具110上に配置されるか又はその中に埋め込まれた幾何学的形状のセットを含んでもよい。より具体的な例として、幾何学的形状のセットは、セットのいずれかにおいて形状の順序を繰り返すことなく5つの形状を配置する120の異なる方法があるように、5つの異なる形状を含むことができる。
【0015】
拘束具110はまた、拘束具110を固定し、第1のウェビング112及び第2のウェビング114がそれぞれ第1のリトラクタ116及び第2のリトラクタ118によって引き込まれるのを防止するためにバックル120と連結するように構成された1つ以上のラッチを含んでもよい。第1のウェビング112及び第2のウェビング114が別個の構成要素である実装形態では、第1のウェビング112及び第2のウェビング114の各々は、バックル120と連結するように構成されたラッチを含んでもよい。第1のウェビング112及び第2のウェビング114が単一構成要素である実装形態では、バックル120と連結するために1つのラッチが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、バックル120は、1つ以上のラッチがバックル120に固定されていることを示す信号を生成するように構成されたセンサを含んでもよい。
【0016】
第1のリトラクタ116は第1のペイアウトセンサ122を含んでもよく、第2のリトラクタ118は第2のペイアウトセンサ124を含んでもよい。第1のペイアウトセンサ122は、拘束具110の第1のウェビング112のペイアウト(例えば、第1のリトラクタ116から延在する第1のウェビング112の長さ)を示す第1のペイアウト信号を生成するように構成される。第2のペイアウトセンサ124は、拘束具110の第2のウェビング114のペイアウト(例えば、第2のリトラクタ118から延在する第2のウェビング114の長さ)を示す第2のペイアウト信号を生成するように構成される。第1のウェビング112及び第2のウェビング114が単一構成要素である実装形態では、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124の一方のみが実装されてもよい。
【0017】
赤外線照明源130(例えば、赤外線源)は、車体102に結合され、車室103(例えば、車両100の内部空間)内に配置される。赤外線照明源130は、赤外線照明源130が車室103を赤外線波で照明するように、車室103全体に赤外線波を送信するように構成されてもよい。赤外線波はまた、車室103内の様々な構造及び/又は乗員(例えば、乗員109及び/又は追加の乗員)を照明してもよい。赤外線照明源130はまた、車室103の選択された部分に赤外線波を送信するように構成されてもよい。例えば、赤外線波は、車室103の他の部分を照明することなく拘束具110を照明するように、拘束具110に向けられてもよい。
【0018】
赤外線受信機132は、車体102に結合され、車室103内に配置される。いくつかの実装形態では、赤外線受信機132は赤外線カメラである。赤外線受信機132は、車室103内の表面から反射された赤外線波を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、赤外線受信機132は、車室103内の選択された表面から反射された赤外線波を受信するように構成される。例えば、赤外線受信機132は、車室103内の他の表面から反射された赤外線波を受信することなく、拘束具110の赤外線反射材料113から反射された赤外線波を受信するように構成される。図示されるように、赤外線照明源130及び赤外線受信機132は、別個の構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、赤外線照明源130及び赤外線受信機132は、赤外線波の送信及び受信の両方を行う単一の構成要素に含まれてもよい。車両100は、車室103内に位置する各拘束具110を照明するように構成された1つの赤外線照明源130を含んでもよい(例えば、車室103内に4つの拘束具110があってもよく、赤外線照明源130は4つの拘束具110の各々を照明してもよい)。いくつかの実施形態では、車室103内に位置する各拘束具110のための赤外線照明源130があってもよい(例えば、車室103内に4つの拘束具110がある場合、照明源130の各々が拘束具110のうちの1つに専用である、4つの赤外線照明源130があってもよい)。車両100はまた、車室103内に位置する各拘束具110からの赤外線波を受信するように構成された1つの赤外線受信機132を含んでもよい(例えば、車室103内の4つの拘束具110があってもよく、赤外線受信機132は、4つの拘束具110の各々から反射された赤外線波を受信してもよい)。いくつかの実装形態では、車室103内に位置する各拘束具110のための赤外線受信機132があってもよい(例えば、車室103内に4つの拘束具110がある場合、赤外線受信機132の各々が拘束具110のうちの1つから赤外線波を受信するのに専用の、4つの赤外線受信機132があってもよい)。
【0019】
車両100は、赤外線受信機132と通信し、拘束具110の赤外線反射材料113から反射された赤外線波に基づいて拘束具110のペイアウト及びポジションを判定するように構成されたコントローラ140を更に含む。いくつかの実装形態では、赤外線反射材料113から反射された赤外線波は、実反射波パターンとして赤外線カメラ(例えば、赤外線受信機132)によって受信される。いくつかの実装形態では、実反射波パターンは、拘束具110の実ポジション及び実ペイアウトを示し得る。コントローラ140は、拘束具110のペイアウト及びポジションを判定するために、実反射波パターンを予想反射波パターンと比較するように構成されてもよく、予想反射波パターンは、拘束具110の予想ポジション及び予想ペイアウトを示す。例えば、コントローラ140は、実反射波パターンを赤外線反射材料113の所定のパターンと比較するように構成されてもよい。比較に基づいて、コントローラ140は、拘束具110の実ペイアウトを判定し得る。より具体的には、コントローラ140は、例えば、所定のパターンの最初の10個の形状を示す信号を赤外線受信機132から受信し得る。コントローラ140はその後、所定のパターンの最初の10個の形状の所定の長さに基づいて、拘束具110の実ペイアウト(例えば、第1のウェビング112及び第2のウェビング114の実ペイアウト)を判定し得る。いくつかの実装形態では、所定のパターンの形状は、繰り返し(例えば、繰り返し形状のグループ)又は同一(例えば、各形状が他の形状と同一である)であってもよい。
【0020】
いくつかの実装形態では、コントローラ140はまた、乗員109から反射され得る赤外線波に基づいて、乗員109の身体ポジションを判定するように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、シート104に対する乗員109の身体ポジションを判定するように構成されてもよい。より具体的には、コントローラ140は、乗員109が拘束具110の正しい使用と一致するポジション(例えば、シート104に対して乗員109の背中が着座している)又は拘束具110の誤った使用と一致するポジション(例えば、乗員109の背中がシート104に対してほぼ垂直になるように、シート104上で横向きに着座している)のどちらで着座していると乗員109の身体ポジションが示すかを判定するように構成されてもよい。乗員109の身体ポジション及び拘束具110のポジションに基づいて、コントローラ140は、乗員109が拘束具110を誤用しているか否かを判定するように構成されてもよい。
【0021】
図1Bは、第1のウェビング112上の赤外線反射材料113のパターンの図である。図示されるように、赤外線反射材料113は、赤外線反射材料113で形成された円144を含んでもよく、円144は、第1のウェビング112の長さに沿ってパターンが繰り返される。円144のサイズに基づいて、コントローラ140は、第1のウェビング112の実ペイアウト又は予想ペイアウトを決定し得る。例えば、各円144は、各円144のサイズ及び円144の総数に基づいて、コントローラ140が第1のウェビング112の実ペイアウト及び予想ペイアウトを決定し得るように、同じサイズである。場合によっては、実ペイアウトは予想ペイアウトとは異なる。図示されるように、コントローラ140は、予想される円144の数に基づいて、予想ペイアウトP
Eが予想長さの繰り返しパターンであると判定し得る。
図1Bでは、P
Eは8つの円144に基づいている。しかしながら、赤外線受信機132は、予想されるよりも少ない円144から反射された波を受信する場合があり(例えば、図示される例では、赤外線受信機132は、円144のうちの6つのみを受信する)、P
AがP
Eよりも小さいことを示す。
【0022】
図1に戻ると、コントローラ140は、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124とも通信することができ、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124によって生成された信号に基づいて予想ペイアウトを決定するように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124からそれぞれ第1のペイアウト信号及び第2のペイアウト信号を受信してもよい。第1のペイアウト信号は、第1のウェビング112の第1の予想ペイアウトが第1の長さであることを示してもよく、第2のペイアウト信号は、第2のウェビング114の第2の予想ペイアウトが第2の長さであることを示してもよい。第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトに基づいて、コントローラ140は、拘束具110の赤外線反射材料113のパターンに基づく第1の予想ペイアウト反射パターン及び第2の予想ペイアウト反射パターンを決定し得る。コントローラ140は、第1のウェビング112から反射されて赤外線受信機132によって受信された赤外線波に基づいて、第1の実ペイアウト反射パターンを判定するように構成されてもよい。コントローラ140はまた、第2のウェビング114から反射されて赤外線受信機132によって受信された赤外線波に基づいて、第2の実ペイアウト反射パターンを判定するように構成されてもよい。第1の実ペイアウト反射パターンは第1の実ペイアウトを示し、第2の実ペイアウト反射パターンは第2の実ペイアウトを示す。いくつかの実装形態では、コントローラ140は、拘束具110からの予想ペイアウト反射パターンと拘束具110からの実ペイアウト反射パターンとの間の差を判定するように構成される。コントローラ140はまた、拘束具110(例えば、第1のウェビング112及び第2のウェビング114)の予想ペイアウトを拘束具110の実ペイアウトと比較するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、コントローラ140は、(例えば、別個の時点で)離散比較を行う。コントローラ140はまた、経時的に比較を行うように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、拘束具110が誤用されているか否かを判定するために、拘束具110の予想ペイアウトを、複数の所定の時点における拘束具110の実ペイアウトと比較してもよい。いくつかの実施形態では、閾値よりも大きい差(例えば、予想ペイアウト反射パターンと実ペイアウト反射パターンとの間の差、又は予想ペイアウトと実ペイアウトとの間の差)は、拘束具110が乗員109によって誤用されていることを示し得る。例えば、第1及び/又は第2の予想ペイアウト反射パターンは、予想長さのパターン(例えば、繰り返し又は非繰り返しパターン)であってもよい。パターンが、例えば5パーセント、10パーセントなどを超えて予想長さと異なる長さを示すとコントローラ140が判定した場合、コントローラ140は、拘束具110が誤用されていると判定し得る。別の例では、予想ペイアウトは、予想ペイアウト反射パターンに基づく特定の長さであってもよい。実ペイアウト反射パターンに基づく実際の長さが、例えば5パーセント、10パーセントなどを超えて実ペイアウト反射パターンと異なるとコントローラ140が判定した場合、コントローラ140は、拘束具110が誤用されていると判定し得る。
【0023】
拘束具110の誤用は、乗員109が拘束具110をバックル120にラッチしていない場合、又は異なる拘束具向けのバックルに拘束具110をラッチする場合を含み得る。拘束具110の誤用はまた、拘束具110を誤配置すること、拘束具110を誤って装着すること、拘束具110を全く装着していないことなども含み得る。例えば、乗員109は、シートバック108の後ろに第1のウェビング112を巻き付け、乗員109とシートバック108との間に第1のウェビング112を配置し、ヘッドレストの周りに第1のウェビング112を巻き付けるなどの可能性がある。乗員109はまた、乗員109とシートベース106との間に第2のウェビング114を配置し、シートバック108の周りに第2のウェビング114を巻き付けるなどの可能性もある。
【0024】
第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトに基づいて、コントローラ140は、拘束具110からの第1の予想ポジション反射パターン及び第2の予想ポジション反射パターンを決定し得る。例えば、第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトは、赤外線照明源130からの赤外線波に曝露される拘束具110の長さに関連付けられる。したがって、コントローラ140は、第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトに基づいて、赤外線受信機132によって受信されるべき赤外線反射パターン(例えば、予想ポジション反射パターン)を決定するように構成される。第1の予想ポジション反射パターン及び第2の予想ポジション反射パターンは、乗員109が拘束具110を正しく装着している(例えば、乗員109が拘束具110を誤用又は誤配置していない)場合に対応し得る。一例として、第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトは、乗員109の特定のサイズ及び/又は形状に関連付けられてもよい。より具体的には、比較的長い第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトは、第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトが比較的短い場合よりも乗員109が大柄であることを示し得る。更に、乗員109の特定のサイズ及び/又は形状に関連付けられた第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトはまた、拘束具110の特定のポジション(例えば、形状)に関連付けられてもよい。例えば、より長い第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトは、より短い第1の予想ペイアウト及び第2の予想ペイアウトよりもシートベース106及びシートバック108から更に延在する拘束具110のポジションに関連付けられてもよい(例えば、より長い予想ペイアウトは成人に関連付けられてもよく、より短い予想ペイアウトは子供に関連付けられてもよく、より長い予想ペイアウトは成人男性に関連付けられてもよく、より短い予想ペイアウトは成人女性に関連付けられてもよい、など)。
【0025】
いくつかの実装形態では、コントローラ140は、第1のウェビング112から反射され、赤外線受信機132によって受信された赤外線波のパターンに基づいて、第1の実ポジション反射パターンを決定するように構成される。コントローラ140はまた、第2のウェビング114から反射され、赤外線受信機132によって受信された赤外線波のパターンに基づいて、第2の実ポジション反射パターンを決定するように構成されてもよい。コントローラ140は、拘束具110からの予想ポジション反射パターンと拘束具110からの実ポジション反射パターン(例えば、第1のウェビング112及び第2のウェビング114から反射された赤外線波のパターン)との間の差に基づいて、拘束具110の実ポジションを拘束具110の予想ポジションと比較するように更に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、閾値よりも大きい差は、拘束具110が乗員109によって誤用されている(例えば、誤配置されている、装着されていないなど)ことを示し得る。例えば、第1及び/又は第2の予想ポジション反射パターンは、乗員109が拘束具110を正しく装着している実装形態に対応し得る予想長さのパターン(例えば、繰り返し又は非繰り返しパターン)であってもよい。実ポジションが、例えば5パーセント、10パーセントなどを超えて予想ポジションと異なるとコントローラ140が判定した場合、コントローラ140は、拘束具110が誤用されていると判定し得る。
【0026】
図1Bに戻ると、
図1Bは、円144を含む赤外線反射材料113を示すが、他の配置が実装されてもよい。例えば、赤外線反射材料113は、繰り返し又は非繰り返し方式で異なる形状を含んでもよい。より具体的には、赤外線反射材料113は、例えば、円144、正方形、三角形、及び楕円を繰り返しパターンで含んでもよい。赤外線反射材料113はまた、例えば、赤外線反射材料113の長さに沿って形状の非繰り返しパターンを含んでもよい。いくつかの実装形態では、赤外線反射材料113は、円144、正方形、長方形、三角形、楕円、菱形、五角形、六角形、八角形、及び非繰り返し方式で配置される様々な他の非幾何学的形状などの形状のグループを含んでもよい。加えて、形状の非繰り返しパターンは、異なるサイズの同じ形状(例えば、異なる半径を有する円、異なる辺長を有する正方形など)を含んでもよい。このような実装形態では、コントローラ140は、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124によって生成された信号に基づいて、予想反射パターンを決定し得る。例えば、コントローラ140は、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124によって生成された信号に基づいて、乗員109のサイズ及び/又はポジションを判定してもよい(例えば、比較的長い実ペイアウトは、乗員109が比較的大柄であることを示し、比較的短い実ペイアウトは、乗員109が比較的小柄であることを示す)。コントローラ140はその後、乗員109のサイズに基づいて、予想される赤外線反射パターンを決定し得る。例えば、赤外線反射材料113が長方形、三角形、及び楕円を連続して含む場合、コントローラ140は、より大柄な乗員の予想反射パターンが長方形、三角形、及び楕円を含み得ると判定し得る。より小柄な乗員については、コントローラ140は、予想反射パターンが長方形及び三角形のみを含むと判定し得る(例えば、赤外線反射材料113のその部分が第1のリトラクタ116又は第2のリトラクタ118内に残らないため、楕円は曝露されない)。非繰り返しパターンが異なるサイズの同じ形状を含む例では、コントローラ140は、予想反射パターンが特定のサイズの同じ形状(例えば、特定の直径の円までの円、特定の辺長を有する正方形までの正方形など)のみを含むと判定し得る。コントローラ140によって決定された予想反射パターンは、拘束具110のペイアウト及びポジションに対応する。したがって、赤外線反射材料の非繰り返しパターンは、拘束具110のペイアウト及びポジションを判定するために使用され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、車両システム(例えば、ステアリングシステム、ブレーキシステム、推進システムなど)は、拘束具110が乗員109によって誤用されているか又は誤って装着されているときに、車両100の動作状態を修正及び/又は変更し得る。車両システム(例えば、ディスプレイシステム)はまた、拘束具110が乗員109によって誤用されているか又は誤って装着されているときに、乗員109によって視認可能なディスプレイを修正及び/又は変更してもよい。例えば、コントローラ140は、反射された赤外線波から、拘束具110が乗員109によって誤って装着されているときを判定し得る。より具体的には、コントローラ140は、拘束具110の実ポジションが拘束具110の予想ポジションとほぼ一致(例えば、正確な一致の5パーセント以内、正確な一致の10パーセント以内など)しないときに、拘束具110が誤用されているか又は誤って装着されていると判定し得る。コントローラ140はまた、実ペイアウト又は実ペイアウト反射パターンが予想ペイアウト又は予想ペイアウト反射パターンと一致しないときに、拘束具110が誤用されているか又は誤って装着されていると判定し得る。コントローラ140の判定に基づいて、ステアリングシステム、ブレーキシステム、推進システムなどは、車両100が駐車されているときに車両100が推進モードにシフトするのを防止することができる。車両100が動いている場合、ディスプレイシステムは乗員109に拘束具110の誤用を通知し得る。車両100の様々なシステムはまた、車両100を道路の脇に移動させるように車両100の動作状態を変更し、拘束具110を正しく使用するように乗員109を促すこともできる。
【0028】
図2は、一実装形態による、センサデバイス258の概略ブロック図である。いくつかの実装形態では、センサデバイス258は、赤外線照明源(例えば、赤外線照明源130)及び赤外線受信機(例えば、赤外線受信機132)を含む赤外線センサデバイスである。センサデバイス258は、送信機260、受信機262、電源264、及びコントローラ266を含むように示されている。いくつかの実装形態では、コントローラ266は、ディスプレイ268と電子的に結合される。
【0029】
送信機260は、赤外線波を生成し、赤外線波を車室103内に向けるように構成される。受信機262は、車室103内に位置する赤外線反射材料113から反射された赤外線波を受信するように構成される。例えば、受信機262は、拘束具110内の赤外線材料から反射された赤外線波を受信してもよい。電源264は、送信機260、受信機262、及びコントローラ266のためにセンサデバイス258に電力を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、電源264は、センサデバイス258専用である(例えば、電源264は、車両100内の他のデバイス又はシステムには電力を供給しない)。いくつかの実装形態では、電源264は、車両100の別のシステムの一部であり、センサデバイス258に電力を供給するために、センサデバイス258と電気的に結合される。ディスプレイ268は、車両100の車室103内に位置してもよく、乗員109に情報(例えば、通知、警告など)を提供するように構成されてもよい。
【0030】
図3は、一実装形態による、コントローラ140の概略ブロック図である。コントローラ140は、本明細書に開示されるシステム及び方法を実施するために使用されてもよい。いくつかの実装形態では、コントローラ140は、別個のコントローラ、マイクロプロセッサ、又はマイクロコントローラ(例えば、車両内又は車両上に位置しない)であってもよく、又はクラウド上に実装されてもよい。コントローラ140はまた、車載コントローラの一部であってもよい。例えば、コントローラ140は、センサ378から信号を受信し、車両100のシステムと通信してもよい。例示的なハードウェア構成において、コントローラ140は一般に、プロセッサ370、メモリ372、記憶装置374、及び通信インターフェース376を含む。センサ378から受信したデータ及び/又は信号は、拘束具110の赤外線材料から反射された赤外線波に関連する信号、拘束具110の動きに関連する信号、拘束具110に加えられる力に関連する信号などを含み得る。プロセッサ370は、コンピュータ命令を実行し、これによって記述された動作を実行するための、中央処理装置などの任意の適切なプロセッサであってもよい。メモリ372は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリであってもよい。記憶装置374は、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などの不揮発性記憶デバイスであってもよい。記憶装置374は、上記及び下記の方法で外部デバイスを動作させるためにプロセッサ370によって実行される命令(例えば、コード)を記憶するコンピュータ可読媒体を形成することができる。通信インターフェース376は、様々な信号(例えば、制御信号及び/又は通知)との間で送受信するために、例えば、ディスプレイ268及びセンサ378と通信する。コントローラ140はまた、例えば、それによって乗員109がコントローラ140に情報を提供することができるシステム又はデバイスを含み得る外部デバイスと通信してもよい。例えば、外部デバイスは、モバイルデバイス、タブレットコンピュータ、又はコントローラ140と通信し得る他の電子デバイスなどのデバイスを含むことができる。したがって、コントローラ140は、コントローラ140と外部デバイスとの間の通信を容易にするためにインターネット接続を含むことができる。
【0031】
図4は、一実装形態による、拘束具(例えば、拘束具110)の動き及びロケーションを検出するための方法400のフローチャートである。方法400は、コントローラ140によって少なくとも部分的に実施することができる。動作402において、構成要素が検出される。例えば、車両100は、シート104に座っている乗員109に関連付けられた信号を生成する1つ以上のセンサを含んでもよい。センサは、(例えば、シート104に座っている乗員109の力を検出するための)値からセンサ、(例えば、シート104に座っている乗員109を視覚的に示すための)カメラ、又はシート104に座っている乗員109に関連付けられた信号を生成するように構成された任意の他のタイプのセンサを含むことができる。信号は、信号を解釈し、乗員109がシート104に座っているか否かを判定する、コントローラ140に向けられる。いくつかの実装形態では、コントローラ140は、信号に基づいて、乗員109の形状及び/又はサイズを判定する。
【0032】
動作404において、拘束具110の動きが判定される。例えば、コントローラ140は、第1のペイアウトセンサ122及び第2のペイアウトセンサ124から受信した信号に基づいて、拘束具110のペイアウトを判定してもよい。コントローラ140はまた、拘束具110の赤外線反射材料113から反射された赤外線波に基づいて、拘束具110のペイアウトを判定してもよい。
【0033】
動作406において、拘束具110のポジションが判定される。例えば、コントローラ140は、拘束具110の赤外線反射材料113から反射された赤外線波のパターンに基づいて、拘束具110のポジションを判定してもよい。
【0034】
動作408において、拘束具110のポジション及び動きが監視される。例えば、コントローラ140は、車両100が移動する前に(例えば、乗員109が車両100に乗り込む際に)、拘束具110が乗員109によって正しく装着されているという初期判定を行ってもよい。拘束具110が乗員109によって正しく装着されているという初期判定を行った後、車両100は正常に移動することが可能になる。拘束具110が乗員109によって正しく装着されていないという初期判定をコントローラ140が行う実装形態では、車両100は、乗員109が拘束具110を正しく装着するまで移動することができない。コントローラ140が初期判定を行った後、コントローラ140は、拘束具110が正しく装着されているか否かを示す信号を生成する様々なセンサからの信号を監視し続ける。
【0035】
動作410において、拘束具110の誤用が検出された場合、車両100の動作状態が変更される。例えば、コントローラ140は、乗員109が拘束具110を誤用している(例えば、シートバック108の背部の周りに第1のウェビング112を巻き付ける、拘束具110のバックルを外すなど)と判定し得る。拘束具110が誤用されていると判定した後、車両100の動作状態が変更される。車両100の動作状態を変更することは、車両100が減速すること、道路の脇に寄ること、(例えば、停止信号、一時停止標識などで)停止した後に移動できないこと、車両100が移動できる速度を制限すること、エンターテイメントオプション(例えば、ラジオ、ビデオなど)の利用可能性を制限することなどを含み得る。車両100の動作状態を変更することはまた、車両100が振動的に上下に移動すること(例えば、車両のサスペンションシステムが車両100の対向する部分を交互に上下に移動させてもよい)、車両が振動的に左右に移動すること(例えば、ステアリングシステムが車両100のホイールを交互に左右に回転させてもよい)などを含み得る。車両100の動作状態を変更する追加の方法も実施され得る。
【0036】
動作412において、拘束具110の誤用が検出された場合、通知が生成される。例えば、ディスプレイ268は、乗員109に拘束具110の誤用を通知する。通知は、視覚アラートを含み得る。例えば、視覚アラートは、拘束具110がどのように誤用されているかを示す画像(例えば、誤用ポジション及び正しいポジションの拘束具110を示す漫画画像、拘束具110を誤って装着している乗員109を示す乗員109の画像と拘束具を正しく装着している乗員109を示す乗員109の画像など)を含んでもよい。視覚アラートはまた、点滅光(例えば、異なる色、輝度などの光)を含んでもよい。コントローラ140はまた、オーディオシステムが乗員109にオーディオアラート(例えば、ビープ音を出すアラーム、拘束具110が誤用されていることを乗員109に知らせる音声、拘束具110を正しく配置する方法を乗員109に通知する命令など)を提供するように、車両100のオーディオシステムと通信してもよい。車両100の触覚システムはまた、乗員109に触覚振動(例えば、シート104の振動、拘束具110の振動、乗員109が触れるコンソールの振動など)を提供してもよい。
【0037】
図5は、車両100のディスプレイ268の図である。ディスプレイ268は、乗員109に視覚アラートを提供するために点滅するように構成されたライト580を含むように示されている。ディスプレイ268はまた、拘束具110を誤って装着している乗員109の第1の画像582も含む。例えば、乗員109は、乗員109とシート104との間に拘束具110を配置していてもよく、第1の画像582は、そのロケーションに拘束具110を示している。ディスプレイ268は、拘束具110を正しく装着している乗員109の第2の画像584を含む。例えば、第2の画像584は、拘束具110を正しく装着するように乗員109を促すために、拘束具110とシート104との間の乗員109を示してもよい。いくつかの実施形態では、第1の画像582及び第2の画像584は、漫画、棒人間などのようなレンダリング画像である。第1の画像582及び第2の画像584はまた、例えば車室103内の可視光カメラによって撮影された乗員109、シート104、及び拘束具110の実画像を含んでもよい。
【0038】
上述のように、本技術の一態様は、車両用の拘束システムの使用中に様々なソースから入手可能なデータを収集及び使用することである。例として、そのようなデータは、ユーザを識別することができ、また、ユーザ固有の設定又は好みを含むことができる。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に識別する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0039】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、拘束具の誤用の通知を可能にするユーザ嗜好情報関連情報を記憶するユーザプロファイルが確立されてもよい。これにより、そのような個人情報データの使用は、ユーザ体験を向上させる。
【0040】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、送信、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変更されるにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法に準拠し得る。その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0041】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、拘束具の誤用の通知に関連するユーザ嗜好情報についてのユーザプロファイルを記憶する場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成することができる。別の実施例では、ユーザが、特定のアプリケーションの使用に関するデータを提供しないように選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、アプリケーション使用に関するデータが維持される期間を制限する、又はアプリケーション使用プロファイルの構築を完全に禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」のオプションを提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに知らされ、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0042】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは許可のないアクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。追加的に、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。匿名化は、必要に応じて、特定の識別子(例えば、生年月日など)を削除すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを、住所レベルではなく都市レベルで収集する)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、ユーザ間でデータを集約する)、及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0043】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。例えば、ユーザ嗜好情報は、ユーザ嗜好情報を手動で入力することなどによって拘束システムが使用されるたびに、その後情報を記憶すること又は特定のユーザに関連付けることなく、決定され得る。
【外国語明細書】