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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085419
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 15/04 20060101AFI20240619BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B41J15/04
B65H7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211593
(22)【出願日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2022199410
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】堀江 男二
(72)【発明者】
【氏名】石津 知宏
(72)【発明者】
【氏名】川村 巌
(72)【発明者】
【氏名】作山 正義
(72)【発明者】
【氏名】川口 隼矢
(72)【発明者】
【氏名】三浦 武志
【テーマコード(参考)】
2C060
3F048
【Fターム(参考)】
2C060BC03
2C060BC12
2C060BC15
2C060BC23
2C060BC86
2C060BC99
3F048AA05
3F048AC04
3F048BA05
3F048BD08
3F048CC01
3F048DA06
3F048DC13
(57)【要約】
【課題】記録部よりも上流側かつ搬送ローラの下流側に配置したセンサを、センサの発光部と受光部とを対向させてセンサの出力レベルを判定可能な状態で、記録媒体の幅方向に移動させる際、センサが記録ヘッドと搬送ローラの間に位置するため操作しにくいという課題があった。
【解決手段】記録部よりも上流側かつ搬送ローラの下流側に配置したセンサを記録媒体の幅方向に移動させるときに使用するつまみを、搬送ローラの上流側に配置することにより、ユーザが操作するためのスペースを取ることができ、操作しやすくなる。
【選択図】図9

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続したシートに貼りつけられたラベルを記録媒体とし、前記ラベルに記録を行う記録装置であって、
搬送ローラと、前記搬送ローラとの間で記録媒体を狭持するピンチローラと、を含み前記搬送ローラで記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記所定の搬送方向において、前記搬送手段よりも下流側に位置し、前記搬送手段によって搬送されるラベルに記録を行う記録手段と、
前記所定の搬送方向において前記記録手段よりも上流側かつ前記搬送ローラおよび前記ピンチローラよりも下流側に位置する発光部を備える発光ユニットであって、ユーザが操作して前記発光部を記録媒体の幅方向に移動させることが可能な第1のつまみを備える発光ユニットと、
前記所定の搬送方向において前記記録手段が記録媒体に記録を行うときの位置よりも上流側かつ前記搬送ローラおよび前記ピンチローラよりも下流側に位置する受光部を備える受光ユニットであって、ユーザが操作して前記受光部を記録媒体の幅方向に移動させることが可能な第2のつまみを備え、前記発光部から照射され記録媒体を透過した光を前記受光部で受光可能であり、前記搬送手段が搬送するラベルの先端を前記受光部の受光量に基づいて検出する受光ユニットと、
を備え、前記第1のつまみと前記第2のつまみは、前記発光ユニットが発光する光を前記受光ユニットが受光可能な状態で前記幅方向に移動させて前記発光ユニットと前記受光ユニットの位置を調整可能とするために、前記所定の搬送方向において前記搬送ローラ及び前記ピンチローラよりも上流側に位置する
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
並行に配置された第1のシャフトと第2のシャフトを備え、前記発光ユニットは前記第1のシャフトに沿って移動し、前記受光ユニットは前記第2のシャフトに沿って移動することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続したシートに貼りつけられたラベルを記録媒体として記録を行う記録装置において、記録を行う記録部と記録媒体を搬送する搬送ローラの間に記録媒体の先端を検出するセンサを配置したものがある。即ち、記録媒体の搬送方向において、センサを記録部よりも上流側かつ搬送ローラよりも下流側に配置した構成である。
【0003】
特許文献1は、記録を行う記録部と記録媒体を搬送する搬送ローラの間に記録媒体の先端を検出するセンサを配置した記録装置を開示している。このような記録装置の場合、記録媒体への記録が終了したあと、未記録のラベルの先端を記録部よりも搬送方向上流側にあるセンサの位置までバックフィードして停止し、次回の記録動作に備える。
【0004】
連続したシートに貼りつけられたラベルに記録を行う記録装置では、ラベルの先端を検出してから記録ヘッドで記録を開始するタイミングを決定するため、ラベルを検出する透過センサの発光部と受光部を対向させて記録ヘッドよりも上流側に配置する。また、先端がカットされたシートの端部に近い位置に貼り付けられたラベル(先頭ラベル)でも、搬送ローラで搬送してセンサで検出できるように搬送ローラをセンサの上流側に配置する。
【0005】
記録装置内部をこのような配置とすることにより、シートのバックフィードを行う際に、搬送ローラからシートが外れる前に先頭ラベルの先端をセンサで検出して、バックフィードを停止することができる。センサの位置は記録部の上流側であるので、ラベルが貼りつけられたシートを記録装置にセットした後や、ラベルが貼りつけられたシートをカットした後に、バックフィードしてから先頭ラベルに記録を行うことが可能となる。
【0006】
記録媒体であるラベルの形状は様々である。通常、記録装置は矩形のラベルを想定し、記録動作も矩形のラベルを前提として決定される。矩形以外のラベルの場合、ラベルを検出するセンサの位置とラベル先端の位置が幅方向でずれていると、ラベル先端を検出できないことがある。そのため、センサを記録媒体の幅方向に移動可能としたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-74964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、センサの発光部と受光部とを対向させてセンサの出力レベルを判定可能な状態でセンサを移動させようとした時、センサの上流側には搬送ローラがあり、センサの下流側には記録ヘッドがあるため、ユーザがセンサを幅方向に移動させる際に操作しにくいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための、本発明に係る一実施形態は、搬送ローラと、前記搬送ローラとの間で記録媒体を狭持するピンチローラと、を含み前記搬送ローラで記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記所定の搬送方向において、前記搬送手段よりも下流側に位置し、前記搬送手段によって搬送されるラベルに記録を行う記録手段と、前記所定の搬送方向において前記記録手段よりも上流側かつ前記搬送ローラおよび前記ピンチローラよりも下流側に位置する発光部を備える発光ユニットであって、ユーザが操作して前記発光部を記録媒体の幅方向に移動させることが可能な第1のつまみを備える発光ユニットと、前記所定の搬送方向において前記記録手段が記録媒体に記録を行うときの位置よりも上流側かつ前記搬送ローラおよび前記ピンチローラよりも下流側に位置する受光部を備える受光ユニットであって、ユーザが操作して前記受光部を記録媒体の幅方向に移動させることが可能な第2のつまみを備え、前記発光部から照射され記録媒体を透過した光を前記受光部で受光可能であり、前記搬送手段が搬送するラベルの先端を前記受光部の受光量に基づいて検出する受光ユニットと、を備え、前記第1のつまみと前記第2のつまみは、前記発光ユニットが発光する光を前記受光ユニットが受光可能な状態で前記幅方向に移動させて前記発光ユニットと前記受光ユニットの位置を調整可能とするために、前記所定の搬送方向において前記搬送ローラ及び前記ピンチローラよりも上流側に位置するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録媒体を検出するセンサを記録部の上流側かつ搬送ローラの下流側に配置し、センサを記録媒体の幅方向に移動可能な構成であっても、センサを移動させる操作を行いやすい記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】記録装置の外観を示す図である。
図2】記録装置の概略構成を示す断面図である。
図3】記録装置の制御ブロック図である。
図4】搬送ユニットの斜視図である。
図5】搬送ローラと搬送ベルトの構成を説明図する図である。
図6】搬送ローラと搬送ベルトの構成を説明図する図である。
図7】発光ユニットの構成を説明する図である。
図8】受光ユニットの構成を説明する図である。
図9】記録ヘッドとメディアセンサと搬送ローラの位置関係を説明する図である。
図10】ロールシートの説明図である。
図11】ロールシートにおける矩形型のラベルの検出を説明する図である。
図12】ロールシートにおける矩形型でないラベルの検出を説明する図である。
図13】記録装置の外観斜視図である。
図14】記録装置の外観斜視図である。
図15】記録装置の上部を開放した状態を示す図である。
図16】記録装置を側面から見た図である。
図17】記録装置の上部を開放した状態を側面から見た図である。
図18】記録装置の上部を開放した状態を側面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<記録装置の全体構成>
図1は、本実施形態の記録装置を示した斜視図である。記録装置100は、LCD及びタッチパネルからなる操作部102が設けられた装置本体101と、記録媒体がロール状に巻き取られたロールシートを装填するロールシートホルダ103と、を備えている。記録装置100は、ロールシートを搬送手段によって搬送しつつ、そのロールシートに付されたラベルに合わせて、ホストコンピュータ104から受信した画像データを印刷する。記録装置100とホストコンピュータ104とは、プリンタケーブル105によってつながれている。
【0013】
図2は、本実施形態の記録装置100の模式断面図である。記録装置100は、ロールシートホルダ103に装填している記録媒体としてのロールシート200を、搬送ユニット201で搬送するよう構成されている。ロールシート200は、搬送ユニット201の搬送ローラ202と搬送ベルト207とで搬送される。搬送ユニット201の内部にはファン208が設けられ、搬送ユニット201は、ファン208によって負圧を発生させてロールシート200を搬送ベルト207に吸いつけながらロールシート200の搬送を行う。
【0014】
本実施形態の記録装置はインクを吐出して記録を行う画像形成手段を有するインクジェット記録装置であり、インクを吐出する多数のノズルを有する記録ヘッド209が搬送ベルト207の記録媒体を搬送する面と対向するように保持されている。この記録ヘッド209には不図示のインクタンクが接続されている。そして、記録に際しては搬送ユニット201によって搬送されるロールシート200に対して、画像信号に応じて記録ヘッド209からインクを吐出することにより画像を形成する。また、記録装置には記録ヘッド209のノズルを覆うことが可能な不図示のキャップが設けられている。キャップには不図示のポンプユニットが接続され、キャップ内を負圧とすることによりノズル内のインクを吸引することができる。吸引や吐出によりノズル内部のインクをキャップに排出することで、ノズルの目詰まりを防止することができる。
【0015】
記録ヘッド209よりもロールシート200の搬送方向上流側の位置には、ロールシート200に貼付されたラベルの有無を検出することが可能なメディアセンサ210が配置されている。メディアセンサ210は、発光ユニット211と受光ユニット212とを備えている。メディアセンサ210は、発光ユニット211の発光部から光を照射し、ロールシート200のラベルを透過した光を受光ユニット212で受ける。受光ユニット212は受光した光の強さに応じた信号を出力する。
【0016】
記録媒体としてのロールシート200の構成を図10に示す。ロールシート200は連続したシートをロール状に巻き取ったものであるが、台紙701上にラベル702が等間隔に貼り付けられている。記録装置100は、ロールシート200を搬送し、ラベル702に記録を行う。
【0017】
<制御部>
図3は本実施形態の記録装置100の動作を制御する制御部の構成を示すブロック図である。記録装置100は制御部からの制御信号により、記録動作や後述するクリーニング動作を実行する。
【0018】
図3において、301は記録装置全体を制御するメインコントローラであり、データを格納する格納手段としての機能、及びデータ制御手段及び、設定データに基づいて本体の動作を変更する設定手段としての機能などを有する。メインコントローラ301はホストコンピュータ104に接続され、互いに信号の授受を行う。302はメインコントローラ301に接続され、制御プログラムなどが格納されているROMであり、それらのプログラムに従いメインコントローラ301はRAM303を作業用メモリとして使用する。304は前記ホストコンピュータ104から送信されてきた画像データを格納するイメージバッファである。305は前記記録ヘッド209に内蔵される発熱体(不図示)を駆動させる駆動回路であり、前記メインコントローラ301に接続されたドライバコントローラ306が、前記イメージバッファに格納されたビットマップ形式の画像データに従ってヘッド駆動回路305を制御することで画像を記録する。307は搬送部等に設けられた搬送モータ206を駆動する駆動回路であり、メインコントローラ301によって制御される。そして、操作部102のLCDに表示する画面や、ユーザがタッチパネルを操作した場合の挙動もメインコントローラ301によって制御される。また、メインコントローラ301は、センサ回路309を経由して、図2の受光ユニット212が出力した信号を受け取る。メインコントローラ301は、発光ユニット211と受光ユニット212の間をロールシート200が通過するときに受光ユニット212が出力する信号に基づいて、ロールシート200のラベル702の有無を検出し、ラベル702に対する記録開始のタイミングを設定する。
【0019】
<搬送ユニット>
図4から図6を用いて搬送ユニット201の説明を行う。図4は搬送ユニット201の斜視図である。搬送ユニット201は、記録を行う際、ロールシート200を矢印Aの方向に搬送する。搬送ユニット201は、搬送ローラ202、ピンチローラ203、搬送ベルト207、プラテン402、シートガイド403を備えている。
【0020】
本実施形態の搬送ローラ202は、表面をセラミックでコーティングすることで、搬送するロールシート200との摩擦力を高めている。セラミックによるコーティングの他に、表面にブラスト処理を施したローラを搬送ローラとして用いることで、ロールシート200との摩擦力を高めることも可能である。搬送ローラ202は、後述する搬送ローラ軸に複数取り付けられている。
【0021】
ピンチローラ203は、バネ401の弾性力によって、搬送ローラ202へ向けて付勢されている。搬送ローラ202とピンチローラ203とでロールシート200を挟持する。
【0022】
搬送ベルト207は、所定の搬送方向(矢印A)において搬送ローラ202よりも下流側に、搬送方向(矢印A)に沿って架け渡される。搬送ベルト207には、開口が設けられている。搬送ユニット201の内部には図2に示すファン208が設けられており、ファン208で発生させた負圧によって、搬送ベルト207の開口から空気が吸い込まれる。搬送ユニット201にロールシート200がセットされているとき、搬送ベルト207の開口への吸気によって、ロールシート200の裏面は搬送ベルト207の上面に吸い付けられる。
【0023】
プラテン402の上面は、搬送ベルト207の上面と同じ高さとなるように構成されている。プラテン402の上面には、搬送ベルト207と同様に、開口が設けられている。プラテン402の開口からも、ファン208で発生させた負圧によって空気が吸い込まれ、ロールシート200の裏面をプラテン402の上面に吸いつける。ロールシート200が搬送されるとき、ロールシート200の裏面は、プラテン402の上面に接触しながら搬送される。
【0024】
プラテン402において、図4の矢印Bで示す範囲は、記録ヘッド209によるロールシート200への記録が行われる領域である。プラテン402上で矢印Bの範囲を吸引することにより、ロールシート200の記録を行う領域をプラテン402の表面に吸い付ける。そして、ロールシート200の浮き上がりを抑制することで、ロールシート200が記録ヘッド209に接触するのを抑えたり、ロールシート200と記録ヘッド209との間隔が狭くなって記録画質が低下するのを抑えたりすることが出来る。
【0025】
シートガイド403は、ロールシート200の幅方向の位置を規制する。シートガイドは幅方向の両端部を規制するために一対で構成されている。一対のシートガイド403は、ラックアンドピニオンの機構によって、片方を幅方向に移動させると、他方が連動して逆方向に同距離だけ移動する。この機構により、異なる幅のロールシート200に記録する場合であっても、ロールシート200の幅方向における中心は同じ位置となる。
【0026】
搬送ベルト207のベルト幅方向の中心は、シートガイド403によって規制されるシート幅の中心と一致するように配置されている。そのため、異なる幅のロールシート200が記録装置100にセットされた場合でも、搬送ベルト207はロールシート200の幅方向の中心部分に接触して搬送することが出来る。
【0027】
プラテン402の幅方向の両側には、搬送ユニット201と記録ヘッド209との位置関係を規定するための位置決め穴404が設けられている。位置決め穴404を用いた記録ヘッド404の位置決め方法については、後述する。
【0028】
図5を用いて、搬送ローラ202と搬送ベルト207を駆動する機構について説明する。搬送ローラ202と搬送ベルト207は、共通の駆動源である搬送モータ206によって駆動される。無端の搬送ベルト207は、ベルトプーリ501と従動コロ502の間に架け渡される。ベルトプーリ501は、ベルト駆動軸503に取り付けられる。搬送モータ206による駆動は、第1駆動ベルト505によってベルト駆動軸503に伝わり、ベルト駆動軸503に取り付けられたベルトプーリ501が回転することで、搬送ベルト207に伝わる。なお、ベルトプーリ501には不図示のワンウェイクラッチが内蔵されている。そして、ベルト駆動軸503がロールシート200を搬送方向に搬送するときの回転方向で回転するときにだけ、ベルトプーリ501はベルト駆動軸503と一緒に回転する。ベルト駆動軸503がこれと逆方向に回転するときには、ベルト駆動軸503だけが回転し、ベルトプーリ501は回転しない。
【0029】
搬送ローラ202は、搬送ローラ軸504に取り付けられている。搬送モータ206が第1駆動ベルト505を介してベルト駆動軸503を回転させると、ベルト駆動軸503が第2駆動ベルト506を介して搬送ローラ軸504を回転させる。そして、搬送ローラ軸504に取り付けられた搬送ローラ202が回転する。
【0030】
図6図5を別の角度から見た図である。搬送ユニット201は、ロータリーエンコーダ601を備えている。ロータリーエンコーダ601のコードホイールは、搬送ローラ軸に取り付けられている。ロータリーエンコーダ601の出力を図3のセンサ回路で監視することで、搬送ローラ軸504の回転量や回転速度を検出することが出来る。搬送ローラ軸504の回転量や回転速度は、ロールシート200の搬送の制御に用いられる。
【0031】
図7はメディアセンサ210の発光ユニット211を説明する図である。発光ユニット211は、発光部を備えている。発光ユニット211は第1つまみ213に接続されている。第1つまみ213は、第1シャフト215に沿って移動可能である。第1シャフトは、搬送方向(矢印A)と直交する方向に沿って配置されている。ユーザが第1つまみ213を操作することにより、発光ユニット211は第1シャフト215に沿って移動する。
【0032】
図8はメディアセンサ210の受光ユニット212を説明する図である。受光部を備える受光ユニット212は、発光ユニット211の上部に位置している。受光ユニット211は第2つまみ214に接続されている。第2つまみ214は、第2シャフト216に沿って移動可能である。第2シャフト216は第1シャフト215と平行に配置されている。ユーザが第2つまみ214を操作することにより、受光ユニット212は第2シャフト215に沿って移動する。
【0033】
受光ユニット212は受光部を備えている。発光ユニット211の発光部と受光ユニット212の受光部を対向させた状態で発光ユニット211を発光させると、受光ユニット212は受光部が発光ユニット211から受光した光量(受光量)に応じて信号を出力する。そして、メインコントローラ301は、受光ユニット21が出力する信号に基づいて、ラベル702の先端を検出する。
【0034】
なお、第1シャフト215と第2シャフト216は、搬送方向(矢印A)と直交するとともに、発光ユニット211と受光ユニット212とが対向する方向と直交する方向に沿って配置される。本実施例では移動方向の直線性を高められることや、繰り返し摺動したときの摩耗に対する耐久性から発光ユニット211と受光ユニット212がシャフトに沿って移動する形態としたが、プラテン402や外装の部品にスリットを設けて発光ユニットと受光ユニットがスリットに沿って移動する形態としてもよい。
【0035】
図9は、メディアセンサ210、記録ヘッド209、搬送ローラ202、の位置関係を説明する図である。メディアセンサ210は、ロールシート200の搬送方向Aにおいて、記録ヘッド209よりも上流側かつ搬送ローラ202よりも下流側に位置する。ラベル702の位置を検出してから記録ヘッド209による記録開始のタイミングを設定する必要があるため、メディアセンサ210は記録ヘッド209よりも上流側、言い換えれば記録ヘッドが記録を行う領域Bよりも上流側に位置する必要がある。
【0036】
また、メディアセンサ210がラベル702を検出してから、ラベル702を領域Bへ精度よく搬送するためには、メディアセンサ210と領域Bとの距離が短い方が有利となる。これは、メディアセンサ210がラベルを検出してから領域Bまでロールシート200を搬送する距離が長くなればなるほど、搬送ユニット201が持つ搬送精度のばらつきの影響を受けやすくなるためである。
【0037】
更に、記録を行っていないラベル702の先端を記録開始前に領域Bの上流までバックフィードするにあたり、メディアセンサ210がラベル702の先端を検出したところでバックフィードを停止する。このときラベル702が搬送ローラ202とピンチローラ203で形成するニップを抜けてしまわないように、メディアセンサ210は搬送ローラ202よりも搬送方向下流側に配置される。
【0038】
そのため、ロールシートの搬送方向Aに沿った方向におけるメディアセンサ210の配置を、記録ヘッド209よりも上流側かつ搬送ローラ202よりも下流側とすることにより、ロールシート200を精度よく検出し、ラベル702に対して正しい位置に記録画像を形成することができる。
【0039】

後述するように、記録装置の筐体は開閉が可能な構成となっているが、発光ユニット211と受光ユニット212の位置合わせは、記録装置100の筐体が閉じた状態で行う。記録装置100の筐体を閉じた状態とすると、発光ユニット211と受光ユニット212は対向可能な位置関係となる。この状態で第1つまみ213をラベル先端位置に合わせてから、第2つまみ214を移動させる。ユーザが第2つまみ214を移動させるとき、記録装置100は、受光ユニット212の出力に応じてユーザに報知を行う。即ち、受光ユニット212の受光量が大きいときは、発光ユニット211と受光ユニット212とが対向する位置関係にあるので、発光ユニット211と受光ユニット212の位置合わせが完了したものとして、光や音でユーザに報知する。
【0040】
記録装置100の筐体を閉じた状態で位置合わせを行うために、発光ユニット211を移動させるときにユーザが操作する第1つまみ213と、受光ユニット212を移動させるときにユーザが操作する第2つまみ214は、搬送ローラ202よりも上流側に配置される。搬送ローラ202の上流側には、ユーザがラベル702をセットする作業を行うためのスペースがあるため、第1つまみ213と第2つまみ214の操作を行うことができる。
【0041】
図11は、ロールシート200の台紙701に貼りつけられたラベル702が矩形である場合について説明する図である。ラベル702が矩形である場合は、メディアセンサ210の位置にかかわらず、矢印Aの方向に搬送されるロールシート200上のラベル702の先頭を検出するタイミングは同じである。そのため、ラベル702の幅方向における中央位置Cでメディアセンサ210による検出を行うことで、ラベル702に対する記録開始タイミングを正しく設定することができる。
【0042】
一方、図12はロールシート200の台紙701に貼りつけられたラベル703の形状が矩形でない場合について説明する図である。矢印Aの方向に搬送されるラベル703の幅方向における中央位置Cでメディアセンサ210による検出を行ったときと、位置Dでメディアセンサ210による検出を行ったときとでは、検出タイミングでEの差が生じる。そのため、中央位置Cでメディアセンサ210による検出を行うと、ラベル703に対する記録開始タイミングを正しく設定することができない。そのため、ラベル703に記録を行う場合には、ユーザがメディアセンサ210の発光ユニット211と受光ユニット212を位置Dに移動させることで、ラベル703に対する記録開始タイミングを正しく設定することができる。
【0043】
次に、図13から図18を用いて、搬送ユニット201と記録ヘッドの位置関係を規定する構成について説明を行う。図13は記録装置1301の斜視図である。図14は記録装置1301を後方から見た斜視図である。記録装置1301の後側には、ロールシートを格納するスペースを覆うロール紙カバー1401が配置されている。ロール紙カバー1401と記録装置1301との間に隙間が生じるロール紙カバー1401の前側の部分には、垂直方向に壁を設けて異物が記録装置1301内部に落下しにくいようにしてある。
【0044】
図15は記録装置1301の上部を開放した状態の斜視図である。記録装置1301の上部を開放すると、プラテン402を露出させることができる。記録中にロールシートのジャムが発生した場合は、このような開放状態としてロールシートを取り除く。プラテン402の横には、搬送ユニット201の説明で触れた位置決め穴404がある。
【0045】
図16は記録装置1301を側面から見た図である。そして、記録装置1301内部における記録ユニット1601の位置を示している。記録ユニット1601は内部に記録ヘッド209を備えている。記録ユニット1601は、搬送ユニット201に対する位置を規定するための位置決めピン1602を備えている。図16は記録装置1301の上部が閉じられた状態であるが、この状態において、位置決めピン1602が図15の位置決め穴404に嵌合することで、記録ユニット1601と搬送ユニット201とが所定の位置関係となる。
【0046】
図17は記録装置1301の上部を開放した状態の側面図である。記録ユニット1601はPの部分で回動可能に支持されている。記録装置1301の上部を開放すると、記録ユニット1601は重力によりPを中心として支持板金1701側へ回動する。そして記録ユニット1601の下部が支持板金1701に接近すると、支持板金1701に設けられたマグネット1702が記録ユニット1601を吸着する。
【0047】
図17のように記録ユニット1601がマグネット1702に吸着された状態で、ユーザが記録装置1301の上部を閉じていくと、閉じる過程で位置決めピンが位置決め穴404に嵌合し、図16の状態となる。位置決めピン1602の先端は先細りのテーパ形状となっているため、最初に位置決めピン1602の細くなった先端が位置決め穴404に入った後、位置決めピンが位置決め穴404に入る。そして、記録装置1301の上部が完全に閉じられると、位置決めピン1602と位置決め穴404の嵌合により、記録ユニット1702と搬送ユニット201とが所定の位置関係となる。位置決めピン1602が位置決め穴404に嵌合すると、記録ユニット1601とマグネット1702は離間する。
【0048】
図18はマグネット1702が無い場合の説明図である。マグネット1702が無い場合、ユーザが記録装置1301の上部を開放した状態から勢いよく閉じると、遠心力によって記録ユニット1601が外側に振られる。この状態のまま記録装置1301の上部が閉じられると、位置決めピン1602と位置決め穴404の位置が合わずに閉じられてしまい、位置決めピン1602が変形してしまったり、位置決め穴404が変形してしまったりする。このような事態を避けるために、マグネット1702が設けられる。
【0049】
以上、説明したように、本発明によれば、記録媒体の形状が矩形以外であっても、記録媒体に対して正しい位置に記録を行うことが可能な記録装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0050】
200 ロールシート、202 搬送ローラ、203 ピンチローラ、209 記録ヘッド、210 メディアセンサ、211 発光ユニット、212 受光ユニット、213 第1つまみ、214 第2つまみ、215 第1シャフト、216 第2シャフト


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