IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大京アステージの特許一覧 ▶ 株式会社ビットキーの特許一覧

<>
  • 特開-マンションの総会支援システム 図1
  • 特開-マンションの総会支援システム 図2
  • 特開-マンションの総会支援システム 図3
  • 特開-マンションの総会支援システム 図4
  • 特開-マンションの総会支援システム 図5
  • 特開-マンションの総会支援システム 図6
  • 特開-マンションの総会支援システム 図7
  • 特開-マンションの総会支援システム 図8
  • 特開-マンションの総会支援システム 図9
  • 特開-マンションの総会支援システム 図10
  • 特開-マンションの総会支援システム 図11
  • 特開-マンションの総会支援システム 図12
  • 特開-マンションの総会支援システム 図13
  • 特開-マンションの総会支援システム 図14
  • 特開-マンションの総会支援システム 図15
  • 特開-マンションの総会支援システム 図16
  • 特開-マンションの総会支援システム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085443
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】マンションの総会支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240620BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199881
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】505461245
【氏名又は名称】株式会社大京アステージ
(71)【出願人】
【識別番号】519055788
【氏名又は名称】株式会社ビットキー
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】碓氷 真吾
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 亜樹
(72)【発明者】
【氏名】池上 明宏
(72)【発明者】
【氏名】平岡 涼子
(72)【発明者】
【氏名】川井 美穂
(72)【発明者】
【氏名】正岡 宏規
(72)【発明者】
【氏名】今栄 梓
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェブ上での参加と現地でのリアル参加を可能とし、論理計算では実情に合わせることが難しい複雑な状況下においても柔軟に対応可能なマンションの総会支援システムを提供する。
【解決手段】運営者用端末100の運営者用ソフトと、組合員用端末200の組合員用ソフトとを利用する総会支援システムにおいて、ホストコンピュータであるサーバ装置300は、組合データベース及び顧客データベースを備える。運営者用ソフトは、組合データベース及び顧客データベースと連携させた総会案内作成手段、総会案内送信手段、回答受信手段及びオンライン会議開催手段を備える。組合員用ソフトは、総会案内取得手段、回答送信手段及びオンライン会議参加手段を備える。さらに、運営者用ソフトには、代理回答入力手段、代理投票入力手段、回答の撤回を考慮した回答集計手段及び議決権の行使や議決結果を特定の条件のもとに修正するための議決修正手段を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンションの総会を運営する運営者が使用するホストコンピュータまたは運営者用端末にインストールされた運営者用ソフトと、マンションの区分所有者としての組合員が自身の端末で使用するための組合員用ソフトを利用したマンションの総会支援システムであって、
A.前記運営者用ソフトは、
総会案内に関するデータを作成または入力するための総会案内作成または入力手段と、
前記総会案内を、通信回線を利用して送信する総会案内送信手段と、
組合員の端末から送信された前記総会案内に対する回答を受信する回答受信手段と、
前記組合員用ソフトを使用できない組合員に代わって、前記総会案内に対する回答を入力するための代理回答入力手段と、
オンラインによるウェブ総会を開催するためのオンライン会議開催手段と、
総会時に、前記組合員用ソフトを使用できない現地出席組合員に代わって、議決権の行使を入力し、また現地出席組合員が事前に議決権の行使を委任している場合には当該委任の撤回と議決権の行使を入力するための代理投票入力手段と、
B.前記組合員用ソフトは、
前記総会案内を受信またはダウンロードするための総会案内取得手段と、
前記総会案内に対する回答を送信するための回答送信手段と、
オンラインによるウェブ総会に参加するためのオンライン会議参加手段と、
を備え、
C.前記運営者用ソフトは、さらに、
前記回答送信手段によって組合員から送信された回答または回答の撤回と、現地出席組合員を含めた前記回答送信手段によらない組合員による回答または回答の撤回を集計する回答集計手段と、
前記回答集計手段によって集計された議決権の行使結果または議決結果を、特定の条件のもとに修正するための議決修正手段と、
を備える
ことを特徴とするマンションの総会支援システム。
【請求項2】
請求項1記載のマンションの総会支援システムにおいて、前記特定の条件は、少なくとも、前記議決権の行使結果または議決結果を修正する理由および修正を行った者または責任者を明記することを含むものであることを特徴とするマンションの総会支援システム。
【請求項3】
請求項1記載のマンションの総会支援システムにおいて、前記組合員用ソフトは、さらに、一定の期限内または総会の開催時において、送信した回答を撤回し、新たな回答を送信するための回答撤回手段を備えていることを特徴とするマンションの総会支援システム。
【請求項4】
請求項1記載のマンションの総会支援システムにおいて、前記運営者用ソフトにおけるオンライン会議開催手段および前記組合員用ソフトにおけるオンライン会議参加手段は、既存のウェブ会議システムと連携させたものであることを特徴とするマンションの総会支援システム。
【請求項5】
請求項1記載のマンションの総会支援システムにおいて、前記運営者用ソフトは、さらに、前記組合員用ソフトを用いてオンラインで出席する組合員のウェブ総会への入退室を管理して議案ごとの議決権の行使を確認するための入退室管理手段を備えていることを特徴とするマンションの総会支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション管理組合の総会の運営に利用される入居者アプリなどを利用したマンションの総会支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
区分所有法によりマンション管理組合の設立が義務付けられており、通常、マンションの維持管理を推進するための代表として選出された理事が理事会を組織し、理事会の運営のもと組合員の総意を確認する重要な行事として毎年総会が行われている。
【0003】
しかし、理事会の負担が大きく、理事の選任の問題、総会の運営に対する一般組合員の無関心により、総会の定足数が満たされず議案の成立が難しくなったり、総会自体が不成立となるといった問題がある。また、管理組合の理事などの役員のなり手不足、役員の固定化による弊害などの問題もある。
【0004】
一方、理事会および総会の運営を補助する管理会社の負担も大きく、従来から総会開催の手間の軽減、一般組合員の総会への参加の容易化などが課題となっている。
【0005】
さらに、新型コロナの影響によっても、対面での総会の開催やその準備が難しくなり、総会のウェブ開催、あるいは対面とウェブの併用による開催の必要性が増している。
【0006】
上述のような状況において、例えば、特許文献1には、高齢者等のパソコンの操作が不得手な人でも容易に参加可能なネットワーク上の会議システムとして、ネットワークに複数の情報端末と、議題を提供するサーバとを接続し、サーバから提供された議題に対する賛否を、複数の情報端末からネットワークを介して投票する会議システムに関する技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、マンションの総会を運営する総会運営者用の総会運営者用端末と、マンションの区分所有者用の構成員端末と、総会支援サーバとから構成されるマンションの総会支援システムであって、前記総会支援サーバは、前記総会運営者ごとに管理するマンションの情報と前記マンションの区分所有者に関する識別情報及び議決数情報とを関連づけて記憶管理する所有者管理手段と、前記マンションで開催される総会に関する総会情報を格納する総会データベースと、前記総会データベースに格納されている総会ごとに、所有者管理手段により管理されている前記区分所有者の情報を含み、前記区分所有者に配送される前記区分所有者固有の出欠フォームを作成する出欠票作成手段と、前記出欠フォームに基づいて前記区分所有者から送られた、議案毎の前記区分所有者の識別情報を含む回答情報を前記所有者管理手段と関連づけて前記区分所有者ごとの回答として記録し、当該回答情報が前記区分所有者の委任者を含む情報である場合は、当該委任者の議決権数に当該区分所有者の議決数を加算する回答受付手段と、前記回答受付手段により回答された所有者の回答と前記議決数情報に基づいて、当該区分所有者から議決権行使の投票がさらにあった場合は前記委任者の議決権数を自動的に更新して、議決数をカウントし、前記総会データベースに格納されている総会情報の議案成否を判断する集計手段と、を備えることを特徴とする、マンションの総会支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-018496号公報
【特許文献2】特許第5320529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1記載の発明は、管理組合などの総会に利用するための会議支援システムとして、テレビのリモコンと同様のリモコン方式の入力手段を用い、情報伝達の方式も簡略化することで高齢者でも容易に操作できるようにしたものであるが、従来の管理組合の総会とは全く異なる運営が必要となる。また、参加者は全員がウェブ会議に参加することを前提としており、オンラインによるウェブ上での参加と現地でのリアル参加を併用することは考慮されていない。
【0010】
また、特許文献2記載の発明も、マンションの総会の一連の作業を実質的にほぼネットワーク上で行い、また総会時の議決権の行使と議決数のカウント、議案の成否なども全て総会支援サーバが自動的に行うことを前提としているため、端末の操作に不慣れな組合員は特に総会開催時において、総会の進行についていけなかったり、端末の操作がうまくできなかったりという不利益を被る恐れがある。
【0011】
また、運営側の理事会や総会を補助する管理会社等にとっても、支援システムが議決権の行使と議決数のカウント、議案の成否なども全て判断するとした場合、システムの一部に入力情報の不足や不備があった場合には、管理規則や実情に合わない判断がなされることも考えられ、総会の進行が妨げられたり、不可能となる恐れがある。
【0012】
また、特許文献2記載の発明も、組合員の総会への参加は、事前の委任またはオンライン上での参加が前提となっており、システム自体はその分、簡略化されるものの、ウェブ上での参加と現地でのリアル参加を併用することは考慮されていない。
【0013】
本発明は、オンラインシステムによる作業の効率化だけでなく、ウェブ上での参加と現地でのリアル参加を可能とし、単なる論理計算では実情に合わせることが難しい複雑な状況下においても柔軟に対応可能なマンションの総会支援システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、マンションの総会を運営する運営者が使用するホストコンピュータまたは運営者用端末にインストールされた運営者用ソフトと、マンションの区分所有者としての組合員が自身の端末で使用するための組合員用ソフトを利用したマンションの総会支援システムであって、
A.前記運営者用ソフトは、
総会案内に関するデータを作成または入力するための総会案内作成または入力手段と、
前記総会案内を、通信回線を利用して送信する総会案内送信手段と、
組合員の端末から送信された前記総会案内に対する回答を受信する回答受信手段と、
前記組合員用ソフトを使用できない組合員に代わって、前記総会案内に対する回答を入力するための代理回答入力手段と、
オンラインによるウェブ総会を開催するためのオンライン会議開催手段と、
総会時に、前記組合員用ソフトを使用できない現地出席組合員に代わって、議決権の行使を入力し、また現地出席組合員が事前に議決権の行使を委任している場合には当該委任の撤回と議決権の行使を入力するための代理投票入力手段と、
B.前記組合員用ソフトは、
前記総会案内を受信またはダウンロードするための総会案内取得手段と、
前記総会案内に対する回答を送信するための回答送信手段と、
オンラインによるウェブ総会に参加するためのオンライン会議参加手段と、
を備え、
C.前記運営者用ソフトは、さらに、
前記回答送信手段によって組合員から送信された回答または回答の撤回と、現地出席組合員を含めた前記回答送信手段によらない組合員による回答または回答の撤回を集計する回答集計手段と、
前記回答集計手段によって集計された議決権の行使結果または議決結果を、特定の条件のもとに修正するための議決修正手段と、
を備える
ことを特徴とするものである。
【0015】
なお、運営者が使用するホストコンピュータは、特定のマンションの管理組合のみに利用されるものに限らず、多数のマンションの管理組合に対して共用されるものが含まれる。
【0016】
ホストコンピュータが多数のマンションの管理組合に対して共用される場合、運営者用ソフトや、管理規約等が異なるそれぞれのマンションの情報を記憶格納するための記憶手段(内部メモリー、外部メモリー等)も、それぞれのマンションの管理規約や要求に対応できるように設定し、切り替えて利用できるようにする。
【0017】
また、管理組合や理事会の業務を委託された管理会社の担当者が使用する運営者用端末(管理会社などに設置されるコンピュータに限らず、ノートパソコン、タブレット端末などのモバイル端末の場合を含む)にインストールされる運営者用ソフトの場合、特定のマンション専用あるいは特定の複数のマンション専用の運営者用ソフトとしてあらかじめカスタマイズしたものを利用することもできる。
【0018】
組合員が使用する端末としては、パソコン、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末などが想定され、これらに組合員用ソフトをインストールして利用することができる。
【0019】
ホストコンピュータまたは運営者用端末は、必須の構成として、上述の対象となる1または複数のマンションおよび組合に関する情報を記憶する組合情報記憶手段と、対象となるマンションの組合員に関する情報を記憶する組合員情報記憶手段とを備える。
【0020】
マンションおよび組合に関する情報としては、例えば、対象となる1または複数のマンションの登記簿の情報、管理組合の管理規約や管理細則に関する情報、過去の総会や理事会の議事録などに関する情報などを含むことができる。
【0021】
対象となるマンションの組合員に関する情報としては、個人のプライバシー等を配慮した上で、例えば、各組合員の住所、氏名、所有する部屋番号、議決権数などを含むことができる。
【0022】
この他、大規模修繕、その他建物の改修、修繕に関する情報を記憶する記憶手段、建物の管理、運営などに関する情報を記憶する手段、総会案内その他各種文書に関する情報を記憶する手段などをホストコンピュータまたは運営者用端末の機能として加えることもできる。
【0023】
運営者用ソフトにおける、組合員用ソフトを使用できない組合員に代わって総会案内に対する回答を入力するための代理回答入力手段や、総会時に組合員用ソフトを使用できない現地出席組合員に代わって議決権の行使を入力するための代理投票入力手段は、総会に出席している管理会社の担当者などが操作している端末から、その担当者が代理で操作できるようにし、端末操作ができない組合員が不利とならないように、また総会の進行がスムーズに行えるようにするものである。
【0024】
また、総会に先立ってオンラインまたは文書などにより事前に議決権の行使を委任していた組合員が、総会の当日に現地出欠することになり、総会の進行において事前の委任の撤回と議決権の行使の意思表示をした場合などにおいて、総会に関する規定が許す場合には管理会社の担当者などが代理投票入力手段を用いて対応することができる。
【0025】
組合員用ソフトは、組合員が保有するパソコン、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末などにインストールして使用されるものであり、組合員は自分の保有する組合員用端末から、総会案内の取得、総会案内に対する回答の送信を行うことができ、またオンラインによるウェブ総会に参加することができる。
【0026】
さらに、本発明において、運営者用ソフトには、上述のように、回答送信手段によって組合員から送信された回答または回答の撤回と、回答送信手段によらない組合員による回答または回答の撤回を集計する回答集計手段が設けられている。
【0027】
例えば、前述した特許文献2記載の発明の場合、「当該区分所有者から議決権行使の投票がさらにあった場合は前記委任者の議決権数を自動的に更新して、議決数をカウントし、前記総会データベースに格納されている総会情報の議案成否を判断する集計手段」といった状況を把握しにくい論理ステップを用いているため、議決権を行使した当事者および総会運営者双方に混乱を生じる可能性があるのに対し、本発明では運営者用ソフトで、オンライン出席者、現地出席者の状況を確認しながらスムーズな集計を行うことができる。
【0028】
また、本発明では、運営者用ソフトが回答集計手段によって集計された議決権の行使結果または議決結果を、特定の条件のもとに修正するための議決修正手段を備えている。
【0029】
理想としては、回答および議決数の集計、議案の成否なども、システムが全て自動的に判断するようにすれば、総会の進行も早くなり、また公平であると考えられがちであるが、例えば、システムの一部に入力情報の不足や不備、ソフト上のバグやプログラミンング上の不備があった場合に、管理規約との不一致など実情に合わない判断がなされることも考えられ、総会の進行が妨げられたり、続行が不可能となる恐れがある。
【0030】
これに対し、本発明では、上述のように、運営者用ソフトが議決権の行使結果または議決結果を、特定の条件のもとに修正するための議決修正手段を備えていることで、総会の進行が妨げられたり、続行が不可能となることを回避することができる。
【0031】
ただし、議決修正手段は特定の者の利益のために用いられてはならないため、特定の条件としては、少なくとも、議決権の行使結果または議決結果を修正する理由および修正を行った者または責任者を明記することを含むものとすることが望ましい。
【0032】
また、本発明のマンションの総会支援システムにおいて、組合員用ソフトは、さらに、一定の期限内または総会の開催時において、送信した回答を撤回し、新たな回答を送信するための回答撤回手段を備えているものとすることが望ましい。
【0033】
これは例えば、事前に行った賛否の判断を総会前に変更したい場合や、総会開催時に説明や討議の過程で変更したいと考えた場合に、組合員が自分の端末からスムーズに回答を撤回し、投票できるようにするものであり、それによって組合員の便宜が図れるだけでなく、総会の進行をスムーズに行えるという利点がある。
【0034】
また、本発明のマンションの総会支援システムにおいて、運営者用ソフトにおけるオンライン会議開催手段および前記組合員用ソフトにおけるオンライン会議参加手段は、既存のウェブ会議システムと連携させたものとすることができる。
【0035】
既存のウェブ会議システムとしては、例えば、Zoom(ズームビデオコミュニケーションズ社)、Microsoft Teams(マイクロソフト社)、Google meet(グーグル社、)などを挙げることができる。
【0036】
また、本発明のマンションの総会支援システムにおいて、運営者用ソフトに、さらに、組合員用ソフトを用いてオンラインで出席する組合員のウェブ総会への入退室を管理して議案ごとの議決権の行使を確認するための入退室管理手段を設けることもできる。
【0037】
これは議案ごとの議決権の行使を自動的に確認できるようにするものであるが、上述の既存のウェブ会議システムを利用する場合、それらのウェブ会議システムが入退室管理手段を備えている場合には、その機能を利用して入退室を管理することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る総会支援システムによれば、マンションの総会において、オンラインシステムによる作業の効率化だけでなく、ウェブ上での参加と現地でのリアル参加を可能とし、単なる論理計算では実情に合わせることが難しい複雑な状況下においても柔軟に対処させることができる。
【0039】
また、本発明に係る総会支援システムによれば、理事会や組合員の利便性の向上が図れるため、総会への出席者の増加やマンションの組合活動の活発化が図れる。
【0040】
さらに、総会開催における支援業務を行う管理会社の担当者の各種業務の効率化が図れ、またマンション管理における各種データの管理のデータベース化も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の総会支援システムの一実施形態におけるシステムの基本構成を示す概念図である。
図2】本発明の総会支援システムの一実施形態におけるハードウェアの基本構成を示す概念図である。
図3】本発明の総会支援システムの一実施形態における運営者用端末のシステム機能構成図である。
図4】本発明の総会支援システムの一実施形態における組合員用端末のシステム機能構成図である。
図5】本発明の総会支援システムの一実施形態におけるサーバ装置のシステム機能構成図である。
図6】運営者用ソフトによるホーム画面の一例を示す概念図である。
図7】運営者用ソフトによる組合情報一覧メニュー画面の一例を示す概念図である。
図8】運営者用ソフトによる組合員情報メニュー画面の一例を示す概念図である。
図9】運営者用ソフトによる定足数/決議要件設定メニュー画面の一例を示す概念図である。
図10】運営者用ソフトによる議案管理メニュー画面の一例を示す概念図である。
図11】運営者用ソフトによる理事会/総会メニューからたどる会議作成詳細メニュー画面の一例を示す概念図である。
図12図11の会議作成詳細メニュー画面の続きを示す概念図である。
図13】運営者用ソフトによるWEB会議画面の一例を示す概念図である。
図14】運営者用ソフトによる集計画面の一例を示す概念図である。
図15】組合員用ソフトによるWEB会議画面の一例を示す概念図である。
図16】組合員用ソフトによるホーム画面の一例を示す概念図である。
図17】組合員用ソフトによる出欠回答/議案毎賛否回答画面の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0043】
図1は本発明のマンションの総会支援システムの一実施形態におけるシステムの基本構成を概念的に示した図であり、図2はハードウェアの基本構成を概念的に示した図である。
【0044】
ハードウェアの基本構成として、マンションの総会を運営する運営者が使用するホストコンピュータまたは運営者用端末100(以下、「運営者用端末」という。)は、例えば総会の会場への持ち込みが可能なノートパソコンなどの場合、図2に示すようなメインCPU111、主記憶装置112、補助記憶装置113、カメラ114、操作部115としてのキーボード115a、タッチパネル115b、音響処理部116としてのスピーカー116a、マイク116b、表示処理部117としてのディスプレイ117a、インターネットへの接続が可能な通信処理部118などを備えているものが一般的である。本発明においては、メインCPU111が、主記憶装置112または補助記憶装置113に記憶された運営者ソフトを読み出して各コンポーネントを処理することによって、各機能・手段が実行される。
【0045】
マンションの区分所有者としての組合員が自身の端末200(以下、「組合員用端末」という。)は、例えば自宅で使用するデスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォンなどでよく、図2に示すようなメインCPU211、主記憶装置212、補助記憶装置213、カメラ214、操作部215としてのキーボード215a、タッチパネル215b、音響処理部216としてのスピーカー216a、マイク216b、表示処理部217としてのディスプレイ217a、インターネットへの接続が可能な通信処理部218などを備えているのが一般的であるが、必ずしも全てを備えていなければならないということではなく、例えばカメラやマイクを備えていない場合でも使用可能である。本発明においては、メインCPU211が、主記憶装置212または補助記憶装置213に記憶された運営者ソフトを読み出して各コンポーネントを処理することによって、各機能・手段が実行される。
【0046】
サーバ装置300の基本構成としては、図2に示すようなメインCPU311、主記憶装置312、補助記憶装置313、通信処理部314などを備え、運営者用端末100、組合員用端末200との間で、インターネットなどの通信回線を通じてデータのやり取りが行われる。本発明においては、メインCPU311が、主記憶装置312または補助記憶装置313に記憶された運営者ソフトを読み出して各コンポーネントを処理することによって、各機能・手段が実行される。なお、サーバ装置300は単一のものとして図2等には記載しているが、複数のサーバ装置に分散して各処理を実行させるようにしてもよい。
【0047】
図1のシステムの基本構成においては、運営者用端末100にインストールされた専用の運営者用ソフトと、組合員用端末200にインストールされた専用の組合員用ソフトを利用してサーバ装置300との間でのデータのやり取りが行われる。
【0048】
図1に示した例では、サーバ装置300内に、組合データサーバ310、顧客データサーバ320、内部向けWEBサーバ330、外部向けWEBサーバ340を備えた構成としている。
【0049】
組合データサーバ310には、システムを利用する各組合の組合や総会の運営に関する「組合基本情報」、「組合員情報」に加え、過去の総会の記録なども含めた「総会情報」、「集計・決議結果情報」、「議事録ファイル」などが蓄積される。
【0050】
顧客データサーバ320には、システムを利用する顧客の顧客管理、データベースへのアクセスなどに関連して、「固有の組合情報」、「固有の組合員情報」、「固有のID・パスワード情報」などが蓄積される。
【0051】
内部向けWEBサーバ330は、主に運営者用端末100との間でのデータのやり取りを行うためのサーバであり、運営者用端末100との間での「リクエスト受領」、「データベース検索」、「レスポンス返信」、「データベースの保存」といった機能を備えており、運営者は内部向けWEBサーバ330を通じて、組合データサーバ310や顧客データサーバ320にアクセスできるようになっている。
【0052】
外部向けWEBサーバ340は、同様に、主に組合員用端末200との間でのデータのやり取りを行うためのサーバであり、組合員用端末200との間での「リクエスト受領」、「データベース検索」、「レスポンス返信」、「データベースの保存」といった機能を備えている。
【0053】
運営者用端末100は、前述のように専用の運営者用ソフトをインストールすることで、「総会案内作成」、「招集通知発信」、「集計表表示・編集」、「決議結果登録」、「議事録ファイル登録」といった基本機能を利用することができる。
【0054】
また組合員用端末200は、前述のように専用の組合員用ソフトをインストールすることで、「招集通知受信・表示」、「出欠席・議決権行使回答」、「WEB会議(総会)参加」、「WEB投票」、「議事録表示」といった基本機能を利用することができる。
【0055】
このような運営者用ソフトおよび組合員用ソフトは、主記憶装置または補助記憶装置にプログラム形式で記憶され、当該プログラムをメインCPU等のプロセッサが読み出して処理することによって実行される。
【0056】
運営者用ソフトでは、例えば、図1の組合データベースサーバ310に蓄積されている「組合基本情報」、各組合の「組合員情報」、「総会情報」などを利用し、総会案内を作成し、総会案内を通信回線を利用して送信(招集通知発信)し、組合員用端末から送信された前記総会案内に対する回答を受信し(回答受付・記録)、集計表の表示・編集を行い、その他、決議結果を登録し、議事録を作成し登録する手段などを備えている。
【0057】
さらに、図1では図示を省略しているが、本発明の総会支援システムの特徴的な構成として、運営者用ソフトには、組合員用ソフトを使用できない組合員に代わって、管理会社の担当者などが、総会案内に対する回答を入力するための代理回答入力手段、総会時に組合員用ソフトを使用できない現地出席組合員に代わって、議決権の行使を入力し、現地出席組合員が事前に議決権の行使を委任している場合には当該委任の撤回と議決権の行使を入力するための代理投票入力手段、組合員用ソフトの回答送信手段によって組合員から送信された回答または回答の撤回と、現地出席組合員を含めた回答送信手段によらない組合員による回答または回答の撤回を集計する回答集計手段、回答集計手段によって集計された議決権の行使結果または議決結果を特定の条件のもとに修正するための議決修正手段などを備える。
【0058】
図3図5は本発明の総会支援システムにおけるシステム機能構成図であり、運営者用端末100に関するシステム機能(図3)、組合員用端末200のシステム機能(図4)、サーバ装置300のシステム機能(図5)に分けて、これらを簡略化して示したものである。
【0059】
まず、図3の運営者用端末100のシステム機能を、図5のサーバ装置300のシステム機能との関係で説明する。運営者端末100は、運営者用端末100からのログイン要求(ID、パスワードなど)をサーバ装置300が受信し運営者端末装置100にホーム画面の描画情報を送信されることによって、運営者用端末100のディスプレイ117a(図2参照)に、ホーム画面120(図6参照)を表示する。
【0060】
運営者用端末100のホーム画面120には、例えば後述する図6に示されるように、組合情報一覧メニュー121、組合員情報メニュー122、決議要件設定メニュー123、議案管理メニュー124、理事会/総会メニュー125が表示され、これらのメニューからサーバ装置300へのリクエスト、ファイルのアップロードなどが行われ、サーバ装置300でデータの蓄積、演算等の処理が行われ、サーバ装置300からは要求された情報、ファイルなどが運営者用端末100に送信される。
【0061】
理事会/総会メニュー125からは、例えば図3に示されるように会議作成編集機能やWEB会議開催機能を呼び出し、サーバ装置300との間で、集計表の編集や議事録の登録、WEB会議(WEB総会)の開催を行うことができる。
【0062】
また、総会に関するやり取りとしては、運営者用端末100からのリクエストに対し、総会前および総会時のWEB会議などにおける出欠、議案毎の賛否、委任の集計結果を含めた情報が運営者用端末100に送信される。
【0063】
また、必要に応じて、特定の条件のもとに修正可能な各議案の可決、否決決定などが、サーバ装置300の会議データベースに登録される。
【0064】
WEB参加を含めた総会の終了のリクエストは、サーバ装置300で処理され、組合員用端末200にも総会の終了の信号が送信され、運用者用端末200の運用者用ソフトを介して総会の終了が、組合員用端末200の画面に表示される。なお、WEB参加者はその前に組合員用端末200から会議退室の操作を行うこともできる。
【0065】
総会終了後、運営者用端末100からサーバ装置300に対し、議事録その他の情報を送信し、サーバ装置300に蓄積されたこれらの情報は、運営者用端末100からおよび組合員用端末200からの条件を満たすリクエストに応じて閲覧可能とすることができる。
【0066】
次に、図4の組合員用端末200のシステム機能を、図5のサーバ装置300のシステム機能との関係で説明すると、組合員用端末200からのログイン要求(ID、パスワードなど)をサーバ装置300が受信し、組合員用端末200のディスプレイ217a(図2参照)に、ホーム画面120(図6参照)が表示されるようになっている。
【0067】
また、予め組合員用ソフトをインストールした組合員用端末200を保有する組合員に対しては、運営者端末100からサーバ装置300のデータベースに登録された総会の各種情報をもとに、総会の通知や資料が電子メールにより、あるいは組合員用ソフトを利用した組合員用端末200からのリクエストにより送信される。
【0068】
総会の通知や資料を受信した組合員は、組合員用端末200から、回答画面から出欠、議案毎の賛否、委任などをオンラインで回答することができる。
【0069】
また、総会時には組合員用端末200からWEB会議にログインし、議案毎の賛否の撤回や回答(投票)を行うことができ、サーバ装置300ではこれらの回答内容を登録、集計する。
【0070】
総会終了後はサーバ装置300に蓄積された議事録その他の情報を、特定の条件のもとに、組合員用端末200からのリクエストにより閲覧可能とすることができる。
【0071】
図6図14は、本発明のマンションの総会支援システムにおける運営者用ソフトによる運営者用端末の画面の例を概念図として簡略化して示したものであり、図15図17は、本発明のマンションの総会支援システムにおける組合員用ソフトによる組合員用端末の画面を概念図として簡略化して示したものである。
【0072】
なお、ここでは、組合の理事会と総会の開催支援機能を備えているシステムを想定し、そのシステムを総会支援に利用する場合に限定して説明するものとする。
【0073】
以下、本実施例における個々の構成のうち、本願発明の構成上、比較的関連性の高い部分を、総会の準備から総会の開催、総会後の処理の流れに沿って、個々に説明する。
【0074】
(1)基本設定
まず、総会の準備にあたり、運営者である管理会社などの担当者が運営者用端末100(図2参照)の運用者用ソフトを起動することで、運営者用端末100のディスプレイ117aに、図6に例示するようなホーム画面120が表示される。
【0075】
図6の画面例は、組合情報一覧メニュー121、組合員情報メニュー122、決議要件設定メニュー123、議案管理メニュー124、理事会/総会メニュー125を備えたメニュー画面となっている。ただし、図6の画面例は、説明上、あくまで概念的に示したものに過ぎず、メニューの数、配置、組合せ、デザインなどは任意である。以下、図7図17の画面例についても同様である。
【0076】
ホーム画面120は、入力手段としてのタッチパネル115b(図2参照)の機能を有しており、組合情報一覧メニュー122への運営者によるクリックが検出されると、ディスプレイ117aに、組合情報一覧画面130(図7参照)が表示される(具体的な下面内のメニュー項目などは省略)。
【0077】
本願発明の構成との関係で詳細は省略するが、組合情報一覧画面130においては、タッチパネル115bが運営者の操作入力を検出し、サーバ装置300内の組合データベースサーバ310に送信し、対象となる組合や担当者を特定し、運営者の操作入力によりウェブ投票機能の利用、その他総会の準備に関する事項を設定し、組合コードに対応付けて記憶させることができる。
【0078】
また、同様に、ホーム画面120の組合員情報メニュー122への運営者によるクリックが検出されると、ディスプレイ117aに、組合員情報画面140(図8参照)が表示される(具体的な下面内のメニュー項目などは省略)。
【0079】
組合員情報画面140においては、タッチパネル115bが運営者の操作入力を検出されると、同様にサーバ装置300内の組合データベースサーバ310に送信され、例えば物件(組合)ごとの管理規約などに応じて、住戸ごとの議決権数などを登録することができる。
【0080】
同様に、ホーム画面120の決議要件設定メニュー123からは、決議要件設定画面150(図9参照)が呼び出され、組合ごとに、総会の決議要件、例えば、総会の普通決議:出席組合員の議決権の過半数、特別決議:組合員総数の3/4以上および議決権総数の3/4以上、管理規約などの定めに応じた上記以外の決議条件などを登録することができる。
【0081】
同様に、ホーム画面120の議案管理メニュー124への運営者によるクリックが検出されると、ディスプレイ117aに議案管理メニュー画面160(図10参照)が呼び出される。
【0082】
以下、議案管理メニュー画面160から選択される特定の物件(組合)における総会支援の流れについて説明する。
【0083】
会議準備段階における運用は、例えば以下の流れとなる。
(2)招集通知の発信
運営者用端末の管理画面の議案管理メニュー画面160(図10において、具体的なメニュー内容は省略)から、会議作成画面170(図11図12参照)を呼び出し、会議の議案(議案名、議案説明など)の作成を行うことができる。また、議案ごとに決議要件などを設定することができる。すなわち、運営者用端末においてメインCPU111が運営者用ソフトを主記憶装置112または補助記憶装置113から読み出して処理し、入力手段、総会案内送信手段等の各機能を実行する。
【0084】
図11図12に例示的に示した会議作成画面170では、運営者が入力手段としてのキーボード115aおよびタッチパネル115bを利用して、例えば組合情報、会議種別、会議日時、会場、案内文、アジェンダ、議案登録、参加者登録、添付資料、出欠回答/リマインド通知機能、WEB会議機能などの項目を記入または選択できるようにしている。
【0085】
また、会議作成メニュー画面170には、例えば図12に示されるように画面下部に、「会議登録/招集通知」ボタンを設け、運営者の画面タッチによって、さらに会議登録/招集通知画面(図示省略)が呼び出され、設定したエンドユーザー(スマートフォン、タブレット、パソコンといった端末を利用する組合員)に対して、総会の招集通知(出欠回答依頼)を会議資料のPDFなどを添付して発信することができる。すなわち、メインCPU111が運営者用ソフトに基づいて通信処理部118等を処理することにより、通信処理部118招集通知や会議資料などを通信回線を利用して送信する総会案内送信手段を実行する。
【0086】
端末を保有していない組合員や、紙の書面を希望する組合員に対しては、郵送あるいは個別の配布などを併用することができる。
【0087】
(3)招集通知の受信、出欠回答
エンドユーザー(組合員)は、組合員用ソフトをインストールしたスマートフォン、タブレット、パソコンなどの自身の組合員端末200(図2参照)で、招集通知(会議案内と回答依頼)を受信またはダウンロードし、総会への出欠回答や欠席の場合の委任、議案ごとの賛否の回答などを行うことができる。総会に対する回答は、組合員端末200からサーバ装置300へ送信され組合データベースサーバに記憶される。また、記憶された回答は運営者用端末に送信され、運用者端末は送信された回答を受信する。すなわち、組合員端末200において、メインCPU211が組合員用ソフトに基づいて通信処理部219等を処理して総会案内を受信またはダウンロードするための総会案内取得手段を実行するとともに、総会案内に対する回答を送信するための回答送信手段を実行する。また、運営者端末100において、メインCPU111が運営者用ソフトに基づいて通信処理部211等を処理して総会案内に対する回答を受信する回答受付手段を実行する。
【0088】
ウェブ総会当日の運用は、例えば以下の流れとなる。
なお、ここでいうウェブ総会は、参加者全員がウェブ上でオンライン参加する場合に限らず、オンラインでの参加方式を利用せず、総会が開催される現地で参加する参加者を含めた総会の開催を想定したものである。
【0089】
(4)ウェブ総会の開催、採決(運営者)
ウェブ総会の開催に当たっては、必要な認証が行われ、運営者用端末100、組合員用端末200とサーバ装置300がインターネット回線を通じて接続された状態で、運営者である管理会社の担当社員などが運営者用端末100のホーム画面120の理事会/総会メニュー125から、該当物件(該当組合)の総会ページ(図示省略)を呼び出し、ウェブ会議画面180(図13参照)を表示し、ウェブ総会を開始する。すなわち、運営者端末100において、メインCPU111が運営者用ソフトに基づいて操作部115、音響処理部116、表示処理部117及び通信処理部118等を処理して、オンラインによるウェブ総会を開催するためのオンライン会議開催手段を実行する。
【0090】
なお、図13に示したウェブ会議画面180はあくまで概念的なものであり、この例では画面上に、会場映像として、現地参加者が参加する会場の映像、オンライン参加の参加者映像、アジェンダ表示部分、操作などに関する各種機能の表示部分、その他チャット送信/受信表示部分、決議登録表示部分、退室/会議終了ボタンなどを例示しているが、表示項目、配置、デザインなどは任意である。
【0091】
なお、これらの表示項目の一部は、組合員用端末200のウェブ会議画面280(図15参照)と共有されるようにしている。
【0092】
図14はウェブ会議画面180の切り替えによる集計表を例示したものであり、出席入力/編集部分、集計表入力/編集項目などを設け、画面上の更新、編集などのボタン操作は運営者用端末100から行われる。
【0093】
また、例えばウェブ出席者の人数は、ウェブ総会に接続された組合員用端末200の接続をシステムで自動的に判別し、どの組合員(当該物件の何号室の誰)が、オンラインでウェブ総会に参加しているかを集計表(図14参照)に反映させる構成とすることができる。
【0094】
オンラインによるウェブ会議を利用しない総会現地出席者については、運営者が運営者用端末100から、参加者リストを参照して、当日の現地出席者を登録する。
【0095】
システムで自動判別したウェブ出席者と現地で登録した現地出席者をもとに、マンションの何号室の誰が参加しているのかをシステムの集計表(図14参照)に反映させることができる。また、それにより会議の成立要件を満たすことを確認することができる。
【0096】
採決において、現地出席者については、集計表で絞り込み、運営者(管理会社の担当社員など)が現地出席者の個々の議案に対する賛否を代理入力し、また編集、削除することができる。あるいは、システムに現地出席者が自己の端末を利用して投票する機能を持たせることも可能である。すなわち、運営者端末100において、メインCPU111が、運営者用ソフトに基づいて操作部115、表示処理部117及び通信処理部118等を処理して、例えば組合員用ソフトを使用できない組合員に代わって総会案内(議案)に対する回答(賛否)を入力するための代理回答手段を実行する。
【0097】
ウェブ出席者のそれぞれの組合員用端末200からの賛否のウェブ投票はシステムで自動的に集計することができ、また議案ごとウェブ投票の時間を締め切ることができる。
【0098】
システムの集計表(図14参照)のデータ更新の操作により、その時点でのウェブ出席者および現地出席者の回答状況が自動集計され、ウェブ画面上などで各議案に対する賛否の合計数を表示することができる。当該集計においては、各組合員が事前に行った回答やその回答の撤回、現地出席組合員が行った回答やその回答の撤回等を考慮して、議案ごとにその回答を集計する。すなわち、運営者端末100において、メインCPU111が、運営者用ソフトに基づいて操作部115、表示処理部117及び通信処理部118等を処理して、回答または回答の撤回を集計する回答集計手段を実行する。なお、このとき、運営者用端末100は、必要に応じてサーバ装置300の組合データベースサーバ310にアクセスして組合員回答情報を取得・更新したり、集計・決議結果情報を取得・更新したりする。
【0099】
なお、委任の回答を受けていた議決権に関しては、上述のデータ更新の操作において、ウェブ出席者および現地出席者に委任の受任者を含むかどうか(議長一任なども含む)を判定し、受任者を含む場合、受任者が賛成か否かを判定し、賛成であればあれば委任者(委任元)の組合員も賛成にして集計する。また、総会時に、例えばまだ回答が行えていない組合員が現地総会に出席し組合員用ソフトを使用できないような場合には、当該組合員に代わって議決権の行使を入力することもできる。また、総会時に、例えば回答として委任を回答していた組合員が現地総会に出席し組合員用ソフトを使用できないような場合には当該組合員に代わって委任の撤回と議決権の行使を入力することができる。すなわち、運営者端末100において、メインCPU111が、運営者用ソフトに基づいて操作部115、表示処理部117及び通信処理部118等を処理して、例えば組合員用ソフトを使用できない組合員に代わって議決権の行使の入力等を行うための代理投票入力手段を実行する。
【0100】
また、集計表の自動更新に基づいて、当該議案の可決、否決の決議結果を登録することができる。運営者が集計表の編集を行う場合は、その編集日時など(誰が、いつ、何を編集したかなど)を登録し、検証が可能なようにする。すなわち、集計された議決権の行使結果または議決結果は、例えばそれらを集計する理由及び修正を行った者またはその責任者を特定する情報の入力を受け付けることを条件として、修正することが可能である。このとき、運営者端末100において、メインCPU111が、運営者用ソフトに基づいて操作部115、表示処理部117及び通信処理部118等を処理して、例えば特定の条件のもとに議決権の行使結果または議決結果を修正するための議決修正手段を実行する。
【0101】
(5)ウェブ会議の出席、投票(組合員)
ウェブ会議に出席する組合員は、組合員用ソフトをインストールした自身の保有する組合員用端末200のホーム画面220(図16参照)のメニューから理事会/総会メニュー221を選択し、会議に参加することができる。
【0102】
図15は前述した図13の運営者用端末100に表示されるウェブ会議画面180と表示項目の一部を共有させたウェブ会議画面280を示したものであり、この例では画面上に、会場映像として、現地参加者が参加する会場の映像、アジェンダ表示部分、操作などに関する各種機能の表示部分、その他決議結果表示部分、退室ボタンなどを例示している。また、自身の投票(事前/当日)表示部分などを設けているが、項目、配置、デザインなどは任意である。すなわち、組合員端末200において、メインCPU211が運営者用ソフトに基づいて操作部215、音響処理部216、表示処理部217及び通信処理部218等を処理して、オンラインによるウェブ総会を開催するためのオンライン会議開催手段を実行する。
【0103】
図17はウェブ会議画面280の切り替えによる出欠回答/議案毎賛否回答の画面を示したものであり、出欠回答、欠席の場合の議決権行使方法回答、議決権行使の表示部分などを例示している。
【0104】
議案に対する賛否などのウェブ投票に関しては、例えば出欠回答の時点で議案ごとに議決権を行使しているか、他者に委任をしているかなどが、投票画面にあらかじめ登録、表示された状態で、先の議決権の行使あるいは委任を撤回して、自ら新たに議決権を行使できるようにすることもできる。すなわち、組合員端末200において、メインCPU211が運営者用ソフトに基づいて操作部215、表示処理部217及び通信処理部218等を処理して、一定の期間内または総会の開催時において送信した回答を撤回し新たな回答を送信するための回答撤回手段を実行する。
【0105】
一方、現地出席者の場合は、現地会場に本人が現れた時点で事前の議決権行使または委任状をリセットするが、ウェブ出席者の場合はリセットせず、あらかじめ投じられた議決権行使または委任の内容を維持することも可能であり、これにより、必ずしも現地会場の採決に合わせて賛否をリアルタイムで投じる必要がなく、いわゆる傍聴型の出席が可能になる。
【0106】
現地出席者は、原則として議事の進行に合わせ、各議案に対して賛否の意思表明をすることになるが、ウェブ出席者は、すべての議案に対して、例えば、まだ議事が行われていない後の議案に対しても賛否の投票を行えるようにすることもできる。
【0107】
総会開催後の運用は、例えば以下の流れとなる。
(6)議事録の登録、公開
議事録作成メニュー(図示省略)から、議事録(議事録名・議事録要旨)を作成する機能、議事録の公開対象を選択できる(役員のみ、全員、個人選択)機能、選択された組合員に対して、議事録の公開を通知する機能を持たせることができる
【0108】
(7)議事録の閲覧
組合員はアプリで議事録の発行通知が受信できる。議事録一覧が確認できる(過去の議事録も含む一覧表示を指す)。議事録の詳細、PDFを閲覧できる。
【0109】
(8)ウェブ会議記録の閲覧、ダウンロード
運営者はウェブ総会の入退室履歴を閲覧・ダウンロードできる。ウェブ総会のチャット履歴を閲覧・ダウンロードできる。ウェブ総会の録画データをダウンロードできる。
【0110】
なお、本発明においては、図2に記載したように運営者用端末100、組合員用端末200及びサーバ装置300において各ソフトが読み出されて処理されることにより、各機能・手段が実行される。しかし、上記で具体的に記載した各機能・各手段が、それぞれ記載された運営者用端末100、組合員用端末200及びサーバ装置300のいずれかで必ず実行される必要はなく、例えば総会案内送信手段、回答受信手段、オンライン会議開催手段および回答集計手段のうちの少なくともいずれかをサーバ装置300において実行することも可能である。すなわち、上記の各機能・各手段は、運営者用端末100、組合員用端末200及びサーバ装置300、さらには他の装置のいずれに対しても分散して実行させることが可能である。
【符号の説明】
【0111】
100…運営者用端末、
111…メインCPU、
112…主記憶装置、
113…補助記憶装置、
114…カメラ、
115…操作部、
115a…キーボード
115b…タッチパネル
116…音響処理部、
116a…スピーカー
116b…マイク
117…表示処理部、
117a…ディスプレイ
120…ホーム画面、
121…組合情報一覧メニュー、
122…組合員情報メニュー、
123…決議要件設定メニュー、
124…議案管理メニュー、
125…理事会/総会メニュー、
130…組合情報一覧画面、
140…組合員情報画面、
150…決議要件設定画面、
160…議案管理メニュー画面、
170…会議作成画面、
180…ウェブ会議画面、
200…組合員用端末、
220…ホーム画面、
211…メインCPU、
212…主記憶装置、
213…補助記憶装置、
214…カメラ、
215…操作部、
215a…キーボード
215b…タッチパネル
216…音響処理部、
216a…スピーカー
216b…マイク
217…表示処理部、
217a…ディスプレイ
221…理事会/総会メニュー、
280…ウェブ会議画面、
300…サーバ装置
311…メインCPU、
312…主記憶装置、
313…補助記憶装置、
314…通信処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17