(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008551
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】トークン管理システム、コンピュータプログラム、及びトークン管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240112BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110519
(22)【出願日】2022-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】506008870
【氏名又は名称】株式会社博報堂プロダクツ
(71)【出願人】
【識別番号】519443136
【氏名又は名称】SingulaNet株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】394025924
【氏名又は名称】株式会社博報堂
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 佑介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】町 浩二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理しつつ、このような管理下でトークンの授受が行われたことを確認可能なトークン管理システム及びトークン管理方法を提供する。
【解決手段】管理システムは、物品に固定された電子タグに関連付けられたトークンを、所有者からの移転要求に応じて、所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させS1、S2、S3、移転要求により指定されたトークンの譲渡先に対応する物品の譲受人によって、電子タグが読み取られたことを判別しS7、譲受人により電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、トークンを、管理者のブロックチェーンウォレットから譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させるS8,S9。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に固定された電子タグに関連付けられた、前記物品の所有を証明するためのトークンを、前記物品の所有者からの移転要求に応じて、前記所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第一の移転部と、
前記移転要求により指定された前記トークンの譲渡先、に対応する前記物品の譲受人によって、前記電子タグが読み取られたことを判別するように構成される判別部と、
前記譲受人により前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第二の移転部と、
を備えるトークン管理システム。
【請求項2】
前記判別部は、前記電子タグの読取行為の前又は後において、前記電子タグの読取行為者に対するユーザ認証を実行することにより、前記電子タグの読取行為者が前記譲受人であることを判別する請求項1記載のトークン管理システム。
【請求項3】
前記第一の移転部は、前記物品の所有者によって前記電子タグが読み取られたことを条件に、前記トークンを移転させる請求項1記載のトークン管理システム。
【請求項4】
前記判別部は、前記譲受人が操作する情報端末から前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記譲受人によって前記電子タグが読み取られたと判別する請求項1記載のトークン管理システム。
【請求項5】
複数の物品であって、各物品には、固有の電子タグが固定され、各物品に対しては、対応する電子タグに関連付けられた物品の所有を証明するためのトークンが発行される複数の物品に関するトークン管理システムであって、
複数のユーザに関して、ユーザ毎に、対応するユーザの認証情報及び対応するユーザのブロックチェーンウォレットの識別情報を記憶するデータベースと、
複数のユーザのそれぞれの情報端末を通じたオンラインサービスへのログインを、前記データベースが記憶する前記認証情報に基づいて管理するように構成されるログイン管理部と、
前記オンラインサービスにログインした第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記複数の物品のうち、前記第一のユーザが所有する物品の一つに対応するトークンの移転要求を受信したこと条件に、前記トークンを、前記第一のユーザのブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第一の移転部と、
前記移転要求により指定された前記トークンの譲渡先、に対応する第二のユーザによって、前記トークンに対応する前記電子タグが読み取られたことを判別するように構成される判別部と、
前記第二のユーザにより前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記第二のユーザのブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第二の移転部と、
を備え、
前記判別部は、前記オンラインサービスに対するログインによりユーザ認証を受けた前記第二のユーザから、前記第二のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記第二のユーザによって前記電子タグが読み取られたと判別するトークン管理システム。
【請求項6】
前記第一の移転部は、前記第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記電子タグに関連付けられた前記トークンを移転させる請求項5記載のトークン管理システム。
【請求項7】
請求項1~請求項4のいずれか一項記載のトークン管理システムにおける前記第一の移転部と、前記判別部と、前記第二の移転部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータにより実行されるトークン管理方法であって、
物品に固定された電子タグに関連付けられた、前記物品の所有を証明するためのトークンを、前記物品の所有者からの移転要求に応じて、前記所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
前記移転要求により指定された前記トークンの譲渡先、に対応する前記物品の譲受人によって、前記電子タグが読み取られたことを判別することと、
前記譲受人により前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
を含むトークン管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トークン管理システム及びトークン管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マーキングされた対象物の所有権に関するデータを、マーキングが読み取られることを条件に、ブロックチェーンシステムを通じて、第1のディジタルウォレットから第2のディジタルウォレットに送信する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市場に流通する物品には、収集家による収集対象となり得る物品が存在する。物品には、美術品の他、美術的要素を備える工業製品、及び、流通量が制限された工業製品が含まれる。この種の製品の例には、キャラクターフィギュアが含まれる。
【0005】
本発明者らは、キャラクターフィギュアなどの特定種類の製品に関して、電子タグ、特には、近距離無線通信(NFC)タグを固定した製品を市場に流通させることにより、偽造品の流通を抑制することを考えている。特には、ブロックチェーンシステムを通じて、電子タグに関連付けられたトークンを発行することにより、トークンを、二次流通、特には個人間取引において、正当な製品の所有証明に役立てることを考えている。
【0006】
しかしながら、ブロックチェーンシステムでは、製品の授受を伴わない、トークンの授受が生じ得る。トークンの授受が製品の授受を伴っているかを確認できない環境は、製品の所有証明としてのトークンの価値を低下させ得る。
【0007】
そこで、本開示の一側面によれば、物品の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理しつつ、このような管理下でトークンの授受が行われたことを確認可能なトークン管理システム及びトークン管理方法を提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面によれば、トークン管理システムが提供される。トークン管理システムは、第一の移転部と、判別部と、第二の移転部と、を備える。第一の移転部は、物品に固定された電子タグに関連付けられたトークンを、物品の所有者からの移転要求に応じて、所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される。トークンは、物品の所有を証明するためのトークンであり得る。
【0009】
判別部は、移転要求により指定されたトークンの譲渡先、に対応する物品の譲受人によって、電子タグが読み取られたことを判別するように構成される。
【0010】
第二の移転部は、譲受人により電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、トークンを、管理者のブロックチェーンウォレットから譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される。
【0011】
このトークン管理システムによれば、管理者のブロックチェーンウォレットを通じてトークンが授受されたことが、ブロックチェーン台帳に記録される。すなわち、台帳の参照により、トークンの授受が当該トークン管理システムを通じて行われたことを判別可能である。
【0012】
このトークン管理システムによれば更に、譲受人により電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、トークンが譲渡される。従って、このトークン管理システムによれば、物品の授受を伴っていることに関して信頼性の高いトークンの授受を実現可能である。
【0013】
従って、本開示の一側面によれば、物品の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理しつつ、このような管理下でトークンの授受が行われたことを確認可能なトークンの授受に関する新規なトークン管理システムを提供可能である。
【0014】
本開示の一側面によれば、判別部は、電子タグの読取行為の前又は後において、電子タグの読取行為者に対するユーザ認証を実行することにより、電子タグの読取行為者が譲受人であることを判別するように構成され得る。
【0015】
上記ユーザ認証を通じた判別は、トークンの正当な譲受人ではない者が、正当な譲受人になりすまして、電子タグの読取行為を行う可能性を低減することができる。従って、このトークン管理システムによれば、物品の授受を伴っていることに関して一層信頼性の高いトークンの授受を実現可能である。
【0016】
本開示の一側面によれば、第一の移転部は、物品の所有者によって電子タグが読み取られたことを条件に、トークンを移転させるように構成され得る。トークンに対応する物品の所有を条件に、トークンを移転可能にすることは、物品の所有を伴わないトークンの所有を抑制する目的で有意義である。
【0017】
本開示の一側面によれば、判別部は、譲受人が操作する情報端末から電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、譲受人によって電子タグが読み取られたと判別するように構成され得る。
【0018】
本開示の別側面によれば、複数の物品であって、各物品には、固有の電子タグが固定され、各物品に対しては、対応する電子タグに関連付けられたトークンが発行される複数の物品に関するトークン管理システムが提供されてもよい。トークンは、物品の所有を証明するためのトークンであり得る。
【0019】
このトークン管理システムは、データベースと、ログイン管理部と、第一の移転部と、判別部と、第二の移転部と、を備える。データベースは、複数のユーザに関して、ユーザ毎に、対応するユーザの認証情報及び対応するユーザのブロックチェーンウォレットの識別情報を記憶する。
【0020】
ログイン管理部は、複数のユーザのそれぞれの情報端末を通じたオンラインサービスへのログインを、データベースが記憶する認証情報に基づいて管理するように構成される。
【0021】
第一の移転部は、オンラインサービスにログインした第一のユーザから、第一のユーザの情報端末を通じて、複数の物品のうち、第一のユーザが所有する物品の一つに対応するトークンの移転要求を受信したこと条件に、トークンを、第一のユーザのブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される。
【0022】
判別部は、移転要求により指定されたトークンの譲渡先に対応する第二のユーザによって、トークンに対応する電子タグが読み取られたことを判別するように構成される。
【0023】
第二の移転部は、第二のユーザにより電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、トークンを、管理者のブロックチェーンウォレットから第二のユーザのブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される。
【0024】
判別部は、オンラインサービスに対するログインによりユーザ認証を受けた第二のユーザから、第二のユーザの情報端末を通じて、電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、第二のユーザによって電子タグが読み取られたと判別するように構成される。
【0025】
このトークン管理システムによれば、物品の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理しつつ、このような管理下でトークンの授受が行われたことを確認可能なトークンの授受に関する新規なトークン管理システムを提供可能である。
【0026】
本開示の別側面によれば、第一の移転部は、第一のユーザから、第一のユーザの情報端末を通じて、電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、電子タグに関連付けられたトークンを移転させてもよい。このように、トークンに対応する物品の所有を条件に、トークンを移転可能にすることは、物品の所有を伴わないトークンの所有を抑制する目的で有意義である。
【0027】
本開示の更に別の側面によれば、上述したトークン管理システムによって実現される機能の少なくとも一部を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。
【0028】
本開示の更に別の側面によれば、上述したトークン管理システムにおける第一の移転部と、判別部と、第二の移転部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な一時的でない記録媒体に記録され得る。
【0029】
本開示の更に別の側面によれば、上述したトークン管理システムに対応するトークン管理方法が提供されてもよい。トークン管理方法は、コンピュータによって実行される方法であり得る。
【0030】
本開示の更に別の側面によれば、コンピュータにより実行されるトークン管理方法であって、物品に固定された電子タグに関連付けられた、物品の所有を証明するためのトークンを、物品の所有者からの移転要求に応じて、所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させることと、移転要求により指定されたトークンの譲渡先に対応する物品の譲受人によって電子タグが読み取られたことを判別することと、譲受人により電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、トークンを、管理者のブロックチェーンウォレットから譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させることと、を含むトークン管理方法が提供されてもよい。
【0031】
この方法によれば、物品の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理しつつ、このような管理下でトークンの授受が行われたことを確認可能であるようにトークンの授受を管理可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】管理システムの構成を表すブロック図である。
【
図2】
図2Aは、ユーザ管理データベースの構成を表す図であり、
図2Bは、製品管理データベースの構成を表す図である。
【
図3】事業者サーバのプロセッサが実行するサービス提供処理を表すフローチャートである。
【
図4】情報端末に表示されるメイン画面の例を説明する図である。
【
図5】プロセッサが実行する登録関連処理を表すフローチャートである。
【
図6】プロセッサが実行する移転関連処理を表すフローチャートである。
【
図7】情報端末に表示される譲渡先指定画面の例を説明する図である。
【
図8】トークンの授受に関するラダーチャートである。
【
図9】プロセッサが実行する受取関連処理を表すフローチャートである。
【
図10】情報端末に表示される受取依頼画面の例を説明する図である。
【
図11】情報端末に表示される受取確認画面の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示す本実施形態の管理システム1は、管理対象の複数の物品のそれぞれに関連付けられたトークンを、対応する物品の譲渡と共に、譲渡先のブロックチェーンウォレットに移転するように構成されるシステムである。
【0034】
管理対象の物品は、オークションサイトやフリーマーケットサイトでの個人間取引が活発な物品であり、特には収集家が存在し、資産性の高い物品であり得る。管理対象の物品には、美術品の他、工業製品(以下、単に「製品」という。)が含まれる。製品の例には、キャラクターフィギュア、特には、デザイン性に優れ、流通量の制限されたキャラクターフィギュアが含まれる。
【0035】
以下では、二次流通において、オークションサイトやフリーマーケットサイトでの個人間取引が活発なキャラクターフィギュア等の製品7を、一次流通の段階から、管理対象の物品として取り扱う管理システム1の例を説明する。管理は、偽造品の流通の抑制、正規品の価値向上、ユーザにおける所有欲の増大、及びオーナーズサービスの提供に役立つ。
【0036】
製品7のそれぞれには、タグIDを担持する電子タグ9が固定される。電子タグ9は、具体的には、近距離無線通信(NFC)タグである。電子タグ9は、例えば、製品7の分解なしに製品7の外側から取外し不可能に製品7の内部に封入される。複数の製品7のそれぞれに固定される電子タグ9に担持されるタグIDは、電子タグ9毎に、すなわち製品7毎に異なる固有のIDである。
【0037】
製品7のそれぞれに関連付けられるトークンは、対応する製品7の所有を証明するための非代替性トークン(NFT)であり、関連付けられた製品7が、偽造品ではない正規の製品であることを証明する。トークンは、ブロックチェーンシステムを通じて発行される。
【0038】
トークンは、具体的には、製品7に固定された電子タグ9が担持するタグIDの情報と関連付けられ、タグIDに対応する電子タグ9を有する製品が、正規の製品7であることを証明する。トークンは、タグIDの情報を有することができる。
【0039】
トークンが、製品7と共に所有されることで、所有者は、トークンを用いて、偽造品ではない正規の製品7を所有することを証明することができる。トークンは、収集家の所有欲の増大に作用し得る。
【0040】
事業者は、トークンの所有者を、製品7の所有者とみなして、所有者に対しオーナーズサービスを提供することができる。オーナーズサービスの例としては、製品7に関連するイベントに参加する権利や、メタバースを利用する権利の提供が含まれる。
【0041】
図1に示すように管理システム1は、事業者サーバ10を備える。事業者サーバ10には、インターネット等の広域ネットワークを通じて、複数の情報端末30が接続される。複数の情報端末30は、複数のユーザがそれぞれ使用する情報端末30である。情報端末30の例には、スマートフォン、タブレット端末、及びパーソナルコンピュータが含まれる。ユーザは、製品7を所有する、又は製品7を所有しようとする消費者に対応し得る。
【0042】
事業者サーバ10は、
図1に示すように、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース15と、を備える。メモリ12は、RAM及びROMを含み、プロセッサ11による処理実行時に作業領域として使用される。
【0043】
ストレージ13は、プロセッサ11により実行されるコンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムに従う処理に供されるデータを記憶する。ストレージ13の例には、ハードディスクドライブ及びソリッドステートトライブが含まれる。通信インタフェース15は、広域ネットワークを通じて、各ユーザの情報端末30と通信可能に構成される。
【0044】
事業者サーバ10のプロセッサ11は、ストレージ13が記憶するコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、事業者サーバ10にアクセスする情報端末30に対してトークンの授受に関するオンラインサービスを提供する。オンラインサービスには、製品7に関するオーナーズサービスが含まれる。
【0045】
情報端末30のそれぞれは、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信インタフェース35と、ユーザインタフェース37と、タグリーダ39と、を備える。メモリ32は、RAM及びROMを含み、プロセッサ31による処理実行時に作業領域として使用される。
【0046】
ストレージ33は、プロセッサ31により実行されるコンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムに従う処理に供されるデータを記憶する。通信インタフェース35は、広域ネットワークを通じて、事業者サーバ10と通信可能に構成される。
【0047】
ユーザインタフェース37は、ディスプレイ及びタッチパネルを含む。ユーザインタフェース37は、プロセッサ31により制御されて、各種画面を、ディスプレイに表示するように構成される。ユーザインタフェース37は更に、ディスプレイに表示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)画面に対する操作を、タッチパネルを通じて受け付けて、その操作信号をプロセッサ31に入力するように構成される。
【0048】
タグリーダ39は、近距離無線通信により、製品7に固定された電子タグ9を読取可能に構成される。すなわち、タグリーダ39は、電子タグ9に対する読取動作により、電子タグ9が担持するタグIDを、電子タグ9から取得可能に構成される。取得されたタグIDの情報は、プロセッサ31に提供される。
【0049】
続いて、ユーザの管理及びトークンの管理のために、事業者サーバ10が備えるデータベースの構成を
図2A及び
図2Bを用いて説明する。
【0050】
事業者サーバ10のストレージ13は、ユーザ管理データベース131と、製品管理データベース135と、を記憶する。ユーザ管理データベース131は、
図2Aに示すように、事業者サーバ10が提供するトークンの授受に関するオンラインサービスを利用するユーザ毎に、ユーザ管理データ131Aを備える。
【0051】
各ユーザ管理データ131Aは、対応するユーザの認証情報及びブロックチェーンウォレットの識別情報を有する。具体的には、ユーザ管理データ131Aは、対応するユーザの認証情報として、対応するユーザのログインID及びパスワードを有し、対応するユーザのブロックチェーンウォレットの識別情報として、ウォレットアドレスを備える。
【0052】
更に、ユーザ管理データ131Aは、対応するユーザのオンライン空間上の名前であるユーザ名の情報を有する。ユーザ名は、トークンの譲渡先の指定に用いられる。このため、ユーザ名は、複数ユーザ間で重複することのない、ユーザ毎に固有の名前である。
【0053】
ユーザ管理データ131Aは、対応するユーザが所有する製品7のリストである所有製品リストを更に備える。この所有製品リストは、ユーザのブロックチェーンウォレットに保持されるトークンの一群に対応する。所有製品リストは、ユーザのオンラインサービスへのログイン時に、ユーザに対して所有する製品7のリストを表示するために使用される。
【0054】
製品管理データベース135は、
図2Bに示すように、製品7毎の製品管理データ135Aを有する。製品管理データ135Aは、対応する製品7のシリアル番号である製品ID、製品名、発売日、及び、製品管理データベース135への登録日の情報を有する。
【0055】
製品管理データ135Aは更に、製品7の画像データ又はその保存先の情報を有する。製品7の画像データは、ユーザに対して所有する製品7のリストを表示する際に使用される。
【0056】
製品管理データ135Aは更に、対応する製品7に封入された電子タグ9に担持されるタグIDの情報、及び、電子タグ9の封入ステータスの情報を有する。封入ステータスの情報は、製品7に対して電子タグ9が未封入であること、及び、電子タグ9が封入済であること、の少なくとも二つのステータスのいずれかを表す。電子タグ9が未封入であるとき、製品管理データ135Aは、タグIDの情報を備えなくてもよい。
【0057】
製品管理データ135Aは更に、所有者情報として、製品7の所有者を識別可能な情報を有する。製品管理データ135Aにおいて、製品7の所有者は、所有者のログインID、ユーザ名、及び/又は、メールアドレス等で表され得る。製品7の所有者は、トークンの所有者に対応する。
【0058】
続いて、情報端末30からのログイン要求を受信すると、事業者サーバ10のプロセッサ11が実行するサービス提供処理の詳細を、
図3を用いて説明する。オンラインサービスは、プロセッサ11がサービス提供処理を実行することにより実現される。サービス提供処理の一部は、ログイン要求元の情報端末30との協働により実現される。
【0059】
情報端末30には、事業者サーバ10が提供するオンラインサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされる。情報端末30のユーザは、オンラインサービスの利用のために、情報端末30のプロセッサ31に、上記アプリケーションプログラムに基づく処理を実行させることができる。
【0060】
プロセッサ11は、
図3に示すサービス提供処理を開始すると、情報端末30との通信により情報端末30のディスプレイにログイン画面を表示させる(S110)。情報端末30は、ログイン画面に対するユーザインタフェース37を通じたログインID及びパスワードの入力操作を受け付ける。プロセッサ11は、入力されたログインID及びパスワードを情報端末30から取得する。
【0061】
プロセッサ11は、取得したログインID及びパスワードが、ユーザ管理データベース131に登録されたユーザのいずれかと一致するかを判断することにより、ユーザ認証を行う(S120)。すなわち、プロセッサ11は、ログイン要求元の情報端末30を操作するユーザが、予め登録された正当なユーザであるかを、ログインID及びパスワードに基づいて判断する。
【0062】
取得したログインID及びパスワードが、登録されたユーザのいずれかのログインID及びパスワードと一致する場合、プロセッサ11は、ログイン要求元の情報端末30のユーザがログインIDに対応する正当なユーザであると判別し、認証に成功したと判断する(S130でYes)。取得したログインID及びパスワードが、登録されたユーザのいずれのものとも一致しない場合、プロセッサ11は、認証に失敗したと判断する(S130でNo)。
【0063】
認証に失敗したと判断すると(S130でNo)、プロセッサ11は、S135において、所定のエラー処理を実行することにより、ログインを拒否し、S110の処理を実行する。
【0064】
認証に成功したと判断すると(S130でYes)、プロセッサ11は、メイン画面G1を表示する(S140)。メイン画面G1は、例えば
図4に示すように、ユーザが所有する製品7のリスト表示領域R1と、ユーザによる各種操作受付用のメニュー領域R2とを有する。
【0065】
図4に示す例によれば、リスト表示領域R1は、仮想的に製品7を棚に飾るように、ユーザが所有する製品7のリストを表示する。リストの表示に際して、プロセッサ11は、ログインユーザのユーザ管理データ131Aが備える所有製品リスト、及び、各製品7の製品管理データ135Aを参照することができる。
【0066】
プロセッサ11は、製品管理データ135Aに登録された製品7の画像データに基づいて、リスト表示領域R1に製品画像を配置することができる。ログインユーザが、製品7を一つも所有していない場合には、空の棚がリスト表示領域R1に表示される。
【0067】
その後、プロセッサ11は、メイン画面G1に対するユーザインタフェース37を通じた操作を受け付ける(S145)。操作が行われると(S145でYes)、プロセッサ11は、行われた操作を判別する(S150,S160,S170,S180)。
【0068】
プロセッサ11は、行われた操作が、製品7の登録操作であると判別すると(S150でYes)、
図5に示す登録関連処理を実行する(S155)。登録関連処理の詳細は、後述される。プロセッサ11は、登録関連処理の終了後、S140の処理を実行する。
【0069】
プロセッサ11は、行われた操作が、製品7の譲渡に伴うトークンの移転操作であると判別すると(S160でYes)、
図6に示す移転関連処理を実行する(S165)。移転関連処理の詳細は、後述される。プロセッサ11は、移転関連処理の終了後、S140の処理を実行する。
【0070】
プロセッサ11は、行われた操作が、製品7の譲受に伴うトークンの受取操作であると判別すると(S170でYes)、
図9に示す受取関連処理を実行する(S175)。受取関連処理の詳細は、後述される。プロセッサ11は、受取関連処理の終了後、S140の処理を実行する。
【0071】
プロセッサ11は、行われた操作が、ログアウト操作であると判別すると(S180でYes)、ログインユーザに対するログアウト処理を実行し(S185)、サービス提供処理を終了する。
【0072】
プロセッサ11は、行われた操作が、上記以外の操作であると判別すると(S180でNo)、行われた操作に対応するその他の処理を実行し(S190)、その後、S140の処理を実行する。
【0073】
続いて、
図5を用いて登録関連処理の詳細を説明する。プロセッサ11は、登録関連処理を開始すると、登録対象の製品7に固定された電子タグ9が担持するタグIDを、ログインユーザの情報端末30から取得する(S210)。
【0074】
ログインユーザは、自己の情報端末30が有するタグリーダ39を用いて、自己の手元にある登録対象の製品7の電子タグ9を読み取ることができる。この読取動作によりタグリーダ39が取得したタグIDの情報が、情報端末30から事業者サーバ10に送信される。図示しないが、プロセッサ11は、登録関連処理の開始後、所定時間内にタグIDを取得できない場合、当該登録関連処理を終了することができる。
【0075】
タグIDの取得後、プロセッサ11は、取得したタグIDから特定される製品7の情報を含む製品7の説明画面を、この製品7が登録対象であることをログインユーザに伝えるために、情報端末30のディスプレイに表示させる(S220)。
【0076】
プロセッサ11は、取得したタグIDに関連付けられた製品管理データ135Aを、製品管理データベース135内で検索することにより、タグIDを担持する電子タグ9が固定された製品7を特定し、その製品情報を、上記説明画面の表示のために情報端末30に送信することができる。
【0077】
説明画面は、ログインユーザが登録の実行指示又はキャンセル指示を、ユーザインタフェース37を通じて入力可能なGUI画面として構成され得る。プロセッサ11は、説明画面を情報端末30に表示させた後、説明画面を通じて登録の実行指示又はキャンセル指示が入力されるまで待機する(S230,235)。
【0078】
登録の実行指示が入力されると(S230でYes)、プロセッサ11は、登録対象の製品7に対応するトークンを、ログインユーザのブロックチェーンウォレットに格納する(S240)。
【0079】
このトークンは、登録対象の製品7のタグIDに関連付けられたトークンである。トークンは、対応する製品7が正規品であることを証明する。トークンは更に、対応する製品7のログインユーザによる所有を証明する。
【0080】
プロセッサ11は、ログインユーザのユーザ管理データ131Aを参照し、ログインユーザのブロックチェーンウォレットのウォレットアドレスを判別し、対応するウォレットアドレスのブロックチェーンウォレットにトークンを格納するように、ブロックチェーンシステムに指示することができる。これにより、ブロックチェーンシステムを通じ、ログインユーザのブロックチェーンウォレットに、対応するトークンが格納される。
【0081】
このトークンは、対応する製品7の一次流通時に発行されて、事業者のブロックチェーンウォレットに格納され得る。その後、上記登録の実行指示に基づき、指示元のユーザのブロックチェーンウォレットに移転され得る。別例によれば、トークンは、対応するタグIDの製品7の初回登録時に発行され、登録者のブロックチェーンウォレットに格納され得る。
【0082】
その後、プロセッサ11は、管理データを更新する(S250)。具体的には、プロセッサ11は、製品管理データベース135における登録対象の製品7の所有者情報を、当該製品7の所有者がログインユーザであることを示す情報に更新する。更に、プロセッサ11は、ログインユーザのブロックチェーンウォレットに格納されたトークンの一群に対応するように、ログインユーザのユーザ管理データ131Aの所有製品リストを更新する。
【0083】
その後、プロセッサ11は、登録完了を、情報端末30を通じてログインユーザに通知する(S260)。S260において、プロセッサ11は、メイン画面G1の仮想的な棚に新たに登録された製品7を追加するように、更には、登録が完了したことを示すメッセージを表示するように情報端末30を制御することができる。その後、プロセッサ11は、登録関連処理を終了する。
【0084】
この他、プロセッサ11は、キャンセル指示が入力されると(S235でYes)、登録操作のキャンセルを、情報端末30を通じてログインユーザに通知する(S270)。その後、プロセッサ11は、登録関連処理を終了する。
【0085】
続いて、
図6を用いてS165で実行される移転関連処理の詳細を説明する。プロセッサ11は、移転関連処理を開始すると、ログインユーザから指定された移転対象のトークンを判別する(S310)。移転操作に際しては、情報端末30のディスプレイに、ログインユーザが所有するトークンのリストが表示され得る。このリストの中から選択された一つのトークンが、移転対象のトークンとして判別され得る。
【0086】
その後、プロセッサ11は、移転対象のトークンに対応する製品7の情報と共に、製品7及びトークンの譲渡先ユーザの指定情報を取得する(S320)。譲渡先ユーザは、例えばユーザ名で指定され得る。譲渡先ユーザの指定情報を取得するために、プロセッサ11は、情報端末30に、
図7に例示する譲渡先指定画面G2を表示させることができる。
【0087】
図7に示す譲渡先指定画面G2は、ユーザインタフェース37を通じて操作可能なGUI画面であり、譲渡先のユーザを、管理システム1の登録ユーザの一群から検索するための検索欄と、検索結果の表示欄と、を備える。検索結果の表示欄には、予め友達登録されたユーザも表示され得る。表示欄に表示されたユーザの一群の中から、譲渡先のユーザが選択され、「譲渡先確定」ボタンが押下操作されることにより、譲渡先のユーザが指定される。
【0088】
上記押下操作は、トークン送信依頼の入力に対応する。トークン送信依頼は、トークンの移転要求に対応する。譲渡先指定画面G2を通じては、ユーザからのキャンセル指示を受け付けてもよく、プロセッサ11は、キャンセル指示が入力された場合、移転関連処理を終了してもよい。
【0089】
上記押下操作によりトークン送信依頼が入力されると、プロセッサ11は、
図6に示すように、トークン送信指示をブロックチェーンシステムに入力し、ブロックチェーンシステムを通じて、移転元であるログインユーザのブロックチェーンウォレットに格納された移転対象のトークンを、中継先としての事業者のブロックチェーンウォレットに移転させる(S350)。
【0090】
図8に示す例によれば、トークン送信依頼に基づいたトークン送信に際し、トークンの移転元及び移転先の指定情報がブロックチェーン署名を用いて送受される。
図8に例示される移転元は、ユーザAであり、移転先すなわちトークンの譲渡先は、ユーザBである。
【0091】
図8に示す例によれば、移転元の情報端末30からのトークン送信依頼(S1)に基づいて、事業者サーバ10が、ブロックチェーンシステムにトークン送信指示を入力する(S2)。これにより、移転対象のトークンが、移転元のブロックチェーンウォレットから、中継先である事業者のブロックチェーンウォレットに一時移転する(S3)。その後、ブロックチェーンシステムから一時移転の完了が事業者サーバ10に通知される(S4)。
【0092】
S350の処理によりトークンの一時移転、すなわちトークンの事業者による預かりが完了すると、プロセッサ11は、トークン送信依頼で指定された移転先までのトークンの移転を管理するために、事業者のブロックチェーンウォレットに預かったトークンの情報を、移転先の情報と共に、預かり一覧に登録する(S360)。預かり一覧は、移転元から事業者のブロックチェーンウォレットに預かったトークンの一覧であり、各トークンの移転先の情報を含む。
【0093】
S360の処理後、プロセッサ11は、移転先のユーザにトークンの受取依頼を送信し(S370)、更には、移転元のユーザに受取待ち通知を送信する(S380)。その後、プロセッサ11は、移転関連処理を終了する。
【0094】
S370の処理によって、移転先のユーザのログイン時には、そのユーザの情報端末30のディスプレイに、トークンの受取依頼が表示され(S5)、それにより、受取依頼が、ユーザに伝達される。
【0095】
S380の処理によって、移転元のユーザの情報端末30には、トークンが移転先ユーザによる受取待ちであることを示すメッセージが表示される(S6)。
【0096】
移転元のユーザは、トークンの送信依頼と前後して、トークンに対応する製品7を譲渡することができる。例えば、製品7を所有するユーザAは、オークションサイト又はフリーマーケットサイトを通じて製品7の譲渡に関する取引を、他のユーザBと交わすことができる。この取引により製品7及びトークンの譲渡先が確定した後、製品7を郵送等の輸送手段を用いて、譲渡先のユーザBに譲渡しつつ、トークンの送信依頼を、事業者サーバ10に入力することができる。
【0097】
続いて、
図9を用いてS175で実行される受取関連処理の詳細を説明する。プロセッサ11は、受取関連処理を開始すると、ログインユーザから指定された受取対象のトークンを判別する(S410)。上述の移転関連処理におけるログインユーザは、トークンの譲渡人に対応する一方、受取関連処理におけるログインユーザは、トークンの譲受人に対応する。
【0098】
一例によれば、上述の受取依頼が表示される際、譲受人に対応するログインユーザの情報端末30のディスプレイには、
図10に示す受取依頼画面G3が表示される。受取依頼画面G3に設けられた確認ボタンがユーザインタフェース37を通じて押下操作されることにより、受取操作がなされたことが判別される。プロセッサ11は、確認ボタンが押下操作された受取依頼において依頼対象とされたトークンを、受取対象のトークンと判別することができる。
【0099】
その後、プロセッサ11は、受取対象のトークンに対応する製品7の電子タグ9を読み取ることを要求するメッセージを、情報端末30のディスプレイに表示させ、メッセージに応じたユーザのタグリーダ39を用いた読取行為により読み取られた電子タグ9のタグIDを、情報端末30から取得する(S420)。図示しないが、プロセッサ11は、受取関連処理の開始後、所定時間内にタグIDの情報を取得できない場合、受取関連処理を終了することができる。
【0100】
タグIDの取得後、プロセッサ11は、取得したタグIDが正しいタグIDであるかを判断する(S430)。取得したタグIDが、受取対象のトークンに関連付けられた製品7のタグIDに一致するとき、プロセッサ11は、取得したタグIDが正しいタグIDであると判断する。取得したタグIDが、受取対象のトークンに関連付けられた製品7のタグIDに一致しないとき、プロセッサ11は、取得したタグIDが正しいタグIDではないと判断する。
【0101】
取得したタグIDが正しいタグIDではないと判断すると(S430でNo)、プロセッサ11は、エラー処理を実行し(S435)、受取関連処理を終了する。プロセッサ11は、エラー処理において、受取対象のトークンに対応する製品7の電子タグ9を読み取るように促すメッセージを、情報端末30に表示させることができる。
【0102】
取得したタグIDが正しいタグIDであると判断すると(S430でYes)、プロセッサ11は、トークンの受取に関する規約を表示する画面であって、例えば
図11に示すような、受取に対する同意、及び、拒否のユーザ操作受付可能な受取確認画面G4を、情報端末30のディスプレイに表示させる(S440)。その後、同意又は拒否の操作がなされるまで待機する(S450,S455)。同意の操作は、
図8に示すトークン送信依頼(S7)に対応する。
【0103】
同意の操作がなされると(S450でYes)、プロセッサ11は、S460の処理を実行する。同意の操作ではなく、拒否の操作がなされると(S455でYes)、プロセッサ11は、S490の処理を実行する。
【0104】
S460において、プロセッサ11は、ブロックチェーンシステムを通じ、移転元から事業者のブロックチェーンウォレットに一時移転された受取対象のトークンを、移転先であるログインユーザのブロックチェーンウォレットに移転させる。
【0105】
図8に示すように、事業者サーバ10のプロセッサ11は、譲受人に対応する情報端末30に対する規約表示後(S70)、譲受人に対応する情報端末30からのトークン送信依頼が入力されると(S7)、トークン送信指示をブロックチェーンシステムに入力し(S8)、受取対象のトークンを、事業者のブロックチェーンウォレットから、譲渡先のブロックチェーンウォレットに移転させる(S9)。移転が完了すると、その通知がブロックチェーンシステムから事業者サーバ10に伝達される(S10)。
【0106】
トークンの移転が完了すると、プロセッサ11は、預かり一覧から対応するトークンの情報を削除すると共に、管理データを更新する(S470)。具体的には、プロセッサ11は、製品管理データベース135における対応する製品7の所有者情報を、所有者が譲受人に対応するユーザであることを示す情報に更新する。
【0107】
プロセッサ11は更に、譲受人のブロックチェーンウォレットに格納されたトークンの一群に対応するように、譲受人のユーザ管理データ131Aの所有製品リストを更新する。具体的には、所有製品リストに、譲受人が受け取ったトークンに対応する製品7の情報を登録する。
【0108】
その後、プロセッサ11は、移転元のユーザ、すなわち譲渡人に対して、トークンの移転完了を通知すると共に、移転先のユーザ、すなわち、譲受人にトークンの受取完了を通知する(S480)。その後、プロセッサ11は、受取関連処理を終了する。
【0109】
S480において、プロセッサ11は、移転先のメイン画面G1における仮想的な棚に、移転されたトークンに対応する製品7を追加し、更には、トークンの受取が完了したことを示すメッセージを表示するように、移転先の情報端末30を制御することができる。
【0110】
図8に示すように、トークンの移転完了に応じて、譲受人の情報端末30のディスプレイには、トークンの受取が完了したことが表示され(S11)、譲渡人の情報端末30のディスプレイには、その譲渡人のログイン時に、トークンの移転が完了したことが表示される(S12)。
【0111】
この他、拒否の操作がなされた場合、プロセッサ11は、S490において、トークンの移転を中断する処理を実行する。具体的には、プロセッサ11は、事業者のブロックチェーンウォレットに一時移転されたトークンを、移転元のブロックチェーンウォレットに戻す処理を実行することができる。その後、プロセッサ11は、
図9に示す受取関連処理を終了する。
【0112】
以上に説明した本実施形態の管理システム1によれば、プロセッサ11が、製品7に固定された電子タグ9に関連付けられたトークンを、製品7の所有者からの移転要求に応じて、所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者である事業者のブロックチェーンウォレットに移転させる(S350)。
【0113】
その後、プロセッサ11は、トークンの譲渡先に対応する製品7の譲受人によって、電子タグ9が読み取られたことを判別する(S420、S430)。プロセッサ11は、受取依頼を受け取ったユーザによる受取操作を契機に、タグIDを取得し(S420)、取得したタグIDが製品7の正当なタグIDであるかを判別することによって(S430)、譲受人によって、譲渡対象の製品7の電子タグ9が読み取られたことを判別する。
【0114】
プロセッサ11は、譲受人により電子タグ9が読み取られたと判別されたことを条件に(S430でYes)、トークンを、事業者のブロックチェーンウォレットから譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させる(S460)。
【0115】
具体的には、プロセッサ11は、サービス提供処理(
図3)、特にはS110~S135の処理を実行することにより、複数のユーザのそれぞれの情報端末30を通じたオンラインサービスへのログインを管理する。
【0116】
プロセッサ11は、譲渡人に対応する第一のユーザのログイン後、第一のユーザから、情報端末30を通じて、第一のユーザが所有する製品7の一つに対応するトークンの移転要求を受信したこと条件に、トークンを、第一のユーザのブロックチェーンウォレットから、事業者のブロックチェーンウォレットに移転させる(S350)。
【0117】
プロセッサ11は、移転要求により指定されたトークンの譲渡先に対応する第二のユーザによって、トークンに対応する電子タグ9が読み取られたことを判別する(S420,S430)。プロセッサ11は、ログインによりユーザ認証を受けた第二のユーザから情報端末30を通じて、電子タグ9に担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、譲受人によって電子タグ9が読み取られたと判別する。
【0118】
プロセッサ11は、第二のユーザにより電子タグ9が読み取られたと判別されたことを条件に、トークンを、事業者のブロックチェーンウォレットから第二のユーザのブロックチェーンウォレットに移転させる(S460)。
【0119】
この管理システム1によれば、上述の通りの手法で、譲受人により電子タグ9が読み取られたと判別されたことを条件に、トークンが譲渡される。従って、製品7の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理することができる。
【0120】
この管理システム1によれば更に、事業者のブロックチェーンウォレットを通じてトークンが授受されたことが、ブロックチェーン台帳に記録される。すなわち、台帳の参照により、トークンの授受が管理システム1の事業者サーバ10を通じて行われたことを判別可能である。
【0121】
従って、管理システム1によれば、製品7の授受を伴っていることに関して信頼性の高いトークンの授受を実現可能である。事業者のブロックチェーンウォレットを通じてトークンが移転されていることを、ブロックチェーン台帳を通じて確認すれば、トークンが、製品7の授受を伴って授受されていることを確認することができる。
【0122】
このように、本実施形態によれば、製品7の授受と連動させることが可能であるようにトークンの授受を管理しつつ、このような管理下でトークンの授受が行われたことを確認可能なトークンの授受に関する新規な管理システム1を提供可能である。
【0123】
トークンのブロックチェーンウォレット間の移動それ自体は、本実施形態の管理システム1を介することなく行うことができる。従って、原理的には、管理システム1を介さずトークンの授受を行うことにより、製品7の授受なしでトークンの授受が行われ得る。
【0124】
一方で、このような授受は、ブロックチェーン台帳の参照により判別可能である。従って、管理システム1を介さずに授受されたトークンと、管理システム1を介して授受されたトークンと、を区別して取り扱うことができる。
【0125】
そのため、例えば管理システム1を介さないトークンの授受を行われた場合には、トークンに付帯するオーナーズサービスの利用権を無効にするなどの不利益を規定して、心理的な側面で、管理システム1を介さないトークンの授受を抑制することも可能である。
【0126】
このように、本実施形態の管理システム1は、製品7及びトークンの連動した授受を、信頼性高く実現できる。従って、正規品としての製品7の二次流通における取引の信頼性を高めることができ、二次流通における偽造品の混入を効果的に抑制することが可能である。
【0127】
特に、本実施形態では、トークンの受取操作前、換言すれば、トークンの受取に必要な電子タグ9の読取行為の前に、ユーザのログインが必要である。すなわち、本実施形態では、電子タグ9の読取行為の前に、電子タグ9の読取行為者に対するユーザ認証(S120)を実行することにより、その後の電子タグ9の読取行為が、正当な譲受人によるものであることを判別する。
【0128】
このようなユーザ認証を通じた判別は、トークンの正当な譲受人ではない者が、正当な譲受人になりすまして、電子タグ9の読取行為を行う可能性を低減することができる。従って、この管理システム1によれば、製品7の授受を伴っていることに関して一層信頼性の高いトークンの授受を実現可能である。
【0129】
[その他の実施形態]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0130】
上記実施形態によれば、トークンの移転には、製品7の登録が必要である。すなわち、製品7の所有者によって電子タグ9が読み取られたことを条件に、トークンは管理システム1において登録され、ユーザ間で移転可能である。このため、トークンの移転操作に際して、移転元のユーザは、製品7を所有しているはずである。
【0131】
但し、トークンの移転元が製品7を所有していることをより確実にするために、事業者サーバ10のプロセッサ11は、移転関連処理のS310において、移転対象のトークンを判別する一方で、トークンに対応する製品7の電子タグ9をログインユーザに読み取らせ、タグIDを、ログインユーザの情報端末30から取得してもよい。この場合、プロセッサ11は、移転対象のトークンに対応する正当なタグIDを取得できた場合にのみS320以降の処理を実行し、正当なタグIDを取得できなかった場合には、図示しないエラー処理を実行したのち、移転関連処理を終了することができる。
【0132】
この他、本実施形態の管理システム1は、トークンの受取操作前に、ユーザ認証を実行する。しかしながら、受取操作後、更には、受取対象のトークンに対応する製品7の電子タグ9の読取行為後に、読取行為者に対応するユーザ認証を実行するように、管理システム1は、構成されてもよい。
【0133】
例えば、受取依頼は、電子メールやショートメッセージ等、譲受人に対応するユーザがログインなしで受取可能な形態で、譲受人の情報端末30に送信されてもよい。譲受人は、この受取依頼に応じて、譲渡された製品7の電子タグ9を情報端末30を通じて読み取り、タグIDの情報を事業者サーバ10に送信してもよい。事業者サーバ10のプロセッサ11は、タグIDを受信すると、ユーザ認証の実行後、予め取得したタグIDに基づいて、受取関連処理を実行するように構成されてもよい。事業者サーバ10は、このように、電子タグ9の読取行為の後において、電子タグ9の読取行為者に対するユーザ認証を実行することにより、電子タグ9の読取行為者が譲受人であることを判別してもよい。
【0134】
この他、トークンの授受のために、事業者サーバ10で実行される処理の一部は、情報端末30で実行されてもよい。トークンの授受のために、情報端末30で実行される処理の一部は、事業者サーバ10で実行されてもよい。事業者サーバ10と情報端末30との間で実行される処理の分担は、上述の実施形態に限定されない。
【0135】
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0136】
[本明細書が開示する技術思想]
本明細書には、次の技術思想が開示されていると理解されてよい。
[項目1]
物品に固定された電子タグに関連付けられた、前記物品の所有を証明するためのトークンを、前記物品の所有者からの移転要求に応じて、前記所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第一の移転部と、
前記移転要求により指定された前記トークンの譲渡先、に対応する前記物品の譲受人によって、前記電子タグが読み取られたことを判別するように構成される判別部と、
前記譲受人により前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第二の移転部と、
を備えるトークン管理システム。
[項目2]
前記判別部は、前記電子タグの読取行為の前又は後において、前記電子タグの読取行為者に対するユーザ認証を実行することにより、前記電子タグの読取行為者が前記譲受人であることを判別する項目1記載のトークン管理システム。
[項目3]
前記第一の移転部は、前記物品の所有者によって前記電子タグが読み取られたことを条件に、前記トークンを移転させる項目1又は項目2記載のトークン管理システム。
[項目4]
前記判別部は、前記譲受人が操作する情報端末から前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記譲受人によって前記電子タグが読み取られたと判別する項目1~項目3のいずれか一項記載のトークン管理システム。
[項目5]
複数の物品であって、各物品には、固有の電子タグが固定され、各物品に対しては、対応する電子タグに関連付けられた物品の所有を証明するためのトークンが発行される複数の物品に関するトークン管理システムであって、
複数のユーザに関して、ユーザ毎に、対応するユーザの認証情報及び対応するユーザのブロックチェーンウォレットの識別情報を記憶するデータベースと、
複数のユーザのそれぞれの情報端末を通じたオンラインサービスへのログインを、前記データベースが記憶する前記認証情報に基づいて管理するように構成されるログイン管理部と、
前記オンラインサービスにログインした第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記複数の物品のうち、前記第一のユーザが所有する物品の一つに対応するトークンの移転要求を受信したこと条件に、前記トークンを、前記第一のユーザのブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第一の移転部と、
前記移転要求により指定された前記トークンの譲渡先、に対応する第二のユーザによって、前記トークンに対応する前記電子タグが読み取られたことを判別するように構成される判別部と、
前記第二のユーザにより前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記第二のユーザのブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第二の移転部と、
を備え、
前記判別部は、前記オンラインサービスに対するログインによりユーザ認証を受けた前記第二のユーザから、前記第二のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記第二のユーザによって前記電子タグが読み取られたと判別するトークン管理システム。
[項目6]
前記第一の移転部は、前記第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記電子タグに関連付けられた前記トークンを移転させる項目5記載のトークン管理システム。
[項目7]
項目1~項目4のいずれか一項記載のトークン管理システムにおける前記第一の移転部と、前記判別部と、前記第二の移転部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
[項目8]
コンピュータにより実行されるトークン管理方法であって、
物品に固定された電子タグに関連付けられた、前記物品の所有を証明するためのトークンを、前記物品の所有者からの移転要求に応じて、前記所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
前記移転要求により指定された前記トークンの譲渡先、に対応する前記物品の譲受人によって、前記電子タグが読み取られたことを判別することと、
前記譲受人により前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
を含むトークン管理方法。
【符号の説明】
【0137】
1…管理システム、7…製品、9…電子タグ、10…事業者サーバ、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、15…通信インタフェース、30…情報端末、31…プロセッサ、32…メモリ、33…ストレージ、35…通信インタフェース、37…ユーザインタフェース、39…タグリーダ、131…ユーザ管理データベース、131A…ユーザ管理データ、135…製品管理データベース、135A…製品管理データ。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に固定された前記物品に固有の電子タグに関連付けられた、前記物品と人とを紐づけるためのトークンを、前記物品の所有者からの移転要求に応じて、前記所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第一の移転部と、
前記移転要求により指定された譲渡先であって前記トークンの譲渡先、に対応する前記物品の譲受人によって、前記電子タグが読み取られたことを判別するように構成される判別部と、
前記譲受人により前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第二の移転部と、
を備え、
前記判別部は、前記電子タグの読取行為の前又は後において、前記譲渡先として指定されたユーザが前記電子タグの読取行為者であることを確認するための前記読取行為者に対するユーザ認証を実行することにより、前記電子タグの読取行為者が前記譲受人であることを判別するトークン管理システム。
【請求項2】
前記電子タグは、前記物品に固有の識別コードが付加された電子タグであり、
前記判別部は、前記読取行為の際に前記識別コードを取得し、前記ユーザ認証を通じて前記識別コードに関連付けられた前記物品に関して前記譲渡先として指定されたユーザが前記電子タグの読取行為者であることを確認することにより、前記電子タグの読取行為者が前記譲受人であることを判別する請求項1記載のトークン管理システム。
【請求項3】
前記第一の移転部は、前記物品の所有者によって前記電子タグが読み取られたことを条件に、前記トークンを移転させる請求項1記載のトークン管理システム。
【請求項4】
前記判別部は、前記譲受人が操作する情報端末から前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記譲受人によって前記電子タグが読み取られたと判別する請求項1記載のトークン管理システム。
【請求項5】
複数の物品であって、各物品には、固有の電子タグが固定され、各物品に対しては、対応する電子タグに関連付けられた物品と人とを紐づけるためのトークンが発行される複数の物品に関するトークン管理システムであって、
複数のユーザに関して、ユーザ毎に、対応するユーザの認証情報及び対応するユーザのブロックチェーンウォレットの識別情報を記憶するデータベースと、
複数のユーザのそれぞれの情報端末を通じたオンラインサービスへのログインを、前記データベースが記憶する前記認証情報に基づいて管理するように構成されるログイン管理部と、
前記オンラインサービスにログインした第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記複数の物品のうち、前記第一のユーザが所有する物品の一つに対応するトークンの移転要求を受信したこと条件に、前記トークンを、前記第一のユーザのブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第一の移転部と、
前記移転要求により指定された譲渡先であって前記トークンの譲渡先、に対応する第二のユーザによって、前記トークンに対応する前記電子タグが読み取られたことを判別するように構成される判別部と、
前記第二のユーザにより前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記第二のユーザのブロックチェーンウォレットに移転させるように構成される第二の移転部と、
を備え、
前記判別部は、前記オンラインサービスに対するログインによりユーザ認証を受けた前記第二のユーザから、前記第二のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記第二のユーザによって前記電子タグが読み取られたと判別するトークン管理システム。
【請求項6】
前記トークンは、前記トークンの所有者を前記物品の所有者とみなして前記トークンの所有者に前記物品に関するオーナーズサービスを提供するために使用される請求項5記載のトークン管理システム。
【請求項7】
前記第一の移転部は、前記第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記電子タグに関連付けられた前記トークンを移転させる請求項5記載のトークン管理システム。
【請求項8】
請求項1~請求項4のいずれか一項記載のトークン管理システムにおける前記第一の移転部と、前記判別部と、前記第二の移転部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータにより実行されるトークン管理方法であって、
物品に固定された前記物品に固有の電子タグに関連付けられた、前記物品と人とを紐づけるためのトークンを、前記物品の所有者からの移転要求に応じて、前記所有者のブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
前記移転要求により指定された譲渡先であって前記トークンの譲渡先、に対応する前記物品の譲受人によって、前記電子タグが読み取られたことを判別することと、
前記譲受人により前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記譲受人のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
を含み、
前記判別することは、前記電子タグの読取行為の前又は後において、前記譲渡先として指定されたユーザが前記電子タグの読取行為者であることを確認するための前記読取行為者に対するユーザ認証を実行することにより、前記電子タグの読取行為者が前記譲受人であることを判別することを含むトークン管理方法。
【請求項10】
複数の物品であって、各物品には、固有の電子タグが固定され、各物品に対しては、対応する電子タグに関連付けられた物品と人とを紐づけるためのトークンが発行される複数の物品に関するトークン管理方法であって、
前記トークン管理方法は、コンピュータにより実行され、
複数のユーザのそれぞれの情報端末を通じたオンラインサービスへのログインを、前記複数のユーザに関して、ユーザ毎に、対応するユーザの認証情報及び対応するユーザのブロックチェーンウォレットの識別情報を記憶するデータベースが記憶する前記認証情報に基づいて管理することと、
前記オンラインサービスにログインした第一のユーザから、前記第一のユーザの情報端末を通じて、前記複数の物品のうち、前記第一のユーザが所有する物品の一つに対応するトークンの移転要求を受信したこと条件に、前記トークンを、前記第一のユーザのブロックチェーンウォレットから、管理者のブロックチェーンウォレットに移転させることと、
前記移転要求により指定された譲渡先であって前記トークンの譲渡先、に対応する第二のユーザによって、前記トークンに対応する前記電子タグが読み取られたことを判別することであって、前記オンラインサービスに対するログインによりユーザ認証を受けた前記第二のユーザから、前記第二のユーザの情報端末を通じて、前記電子タグに担持されるタグIDの情報を取得したことを条件に、前記第二のユーザによって前記電子タグが読み取られたと判別することと、
前記第二のユーザにより前記電子タグが読み取られたと判別されたことを条件に、前記トークンを、前記管理者のブロックチェーンウォレットから前記第二のユーザのブロックチェーンウォレットに移転させることと、
を含むトークン管理方法。