(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085518
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】切断装置及び切断方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240620BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20240620BHJP
B26D 7/08 20060101ALI20240620BHJP
B26D 1/14 20060101ALI20240620BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20240620BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H01L21/78 F
B26D3/00 601B
B26D7/08 A
B26D1/14 E
B24B27/06 M
B24B55/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200060
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】594114019
【氏名又は名称】株式会社アルテクス
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 茂
【テーマコード(参考)】
3C047
3C158
5F063
【Fターム(参考)】
3C047FF06
3C047HH11
3C158AA03
3C158AA16
3C158AB09
3C158AC04
3C158AC05
3C158CB01
3C158DA17
5F063AA05
5F063AA21
5F063BA43
5F063BA44
5F063BA45
5F063BA47
5F063CA04
5F063CC33
5F063DD02
5F063DD09
5F063DD16
5F063DD99
(57)【要約】
【課題】 ウエハーを切断するときに、きれいな切断面を実現させることに適した切断装置等を提供する。
【解決手段】 切断装置が備えるリングブレード11は、表面及び裏面にそれぞれ第1テープ35及び第3テープ33が貼られる第1ウエハー31を切断する。リングブレード11は、制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して、第1テープ35を切断した後に、同じリングブレード11によって第1ウエハー31を切断して、きれいな切断面を実現する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハーを切断する切断装置であって、
前記ウエハーは、表面に第1テープが貼られる第1ウエハーを含み、
制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第1テープを切断した後に前記第1ウエハーを切断する切断部を備える切断装置。
【請求項2】
前記切断部は、同じブレードによって前記第1テープ及び前記第1ウエハーを切断する、請求項1記載の切断装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記切断部に対して、音エネルギーを利用して少なくとも前記第1テープを切断することによって生じた切断屑を当該切断部から除去させる、請求項1記載の切断装置。
【請求項4】
前記ウエハーは、さらに、裏面及び表面のそれぞれに前記第1テープ及び第2テープが貼られる第2ウエハーを含み、
前記切断部は、前記制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第2テープ、前記第2ウエハー、前記第1テープ及び前記第1ウエハーを切断する、請求項1記載の切断装置。
【請求項5】
前記第1ウエハーは、裏面に第3テープが貼られ、
前記切断部は、前記第3テープを切断しない、請求項1記載の切断装置。
【請求項6】
ウエハーを切断する切断装置における切断方法であって、
前記ウエハーは、表面に第1テープが貼られる第1ウエハーを含み、
前記切断装置が備える切断部が、制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第1テープを切断した後に前記第1ウエハーを切断する切断ステップを含む切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断装置及び切断方法に関し、特に、ウエハーを切断する切断装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来のウエハーを切断する切断処理を説明するための図である(特許文献1参照)。従来、
図4(a)にあるように、ウエハー51の裏面にテープ53を貼着する。
図4(b)にあるように、切断ブレード55を、ウエハーに当てて切断処理を開始する。
図4(c)にあるように、切断ブレード55を、ウエハーの層の材質に応じて異なるブレードに変えつつウエハーを切断する。裏面のテープ53は、ウエハーの切断によって切れる部分はあっても、完全には切断されない。これにより、
図4(d)にあるように、テープ53に貼られた状態でウエハー51を分割していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の切断処理では、
図4(b)にあるようにブレード55がウエハー51に直接当たることなどによって、ウエハー51の切断面が乱れていた。
【0005】
よって、本発明は、ウエハーを切断するときに、きれいな切断面を実現させることに適した切断装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の側面は、ウエハーを切断する切断装置であって、前記ウエハーは、表面に第1テープが貼られる第1ウエハーを含み、制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第1テープを切断した後に前記第1ウエハーを切断する切断部を備える。
【0007】
本願発明の第2の側面は、第1の側面の切断装置であって、前記切断部は、同じブレードによって前記第1テープ及び前記第1ウエハーを切断する。
【0008】
本願発明の第3の側面は、第1又は第2の側面の切断装置であって、前記制御装置は、前記切断部に対して、音エネルギーを利用して少なくとも前記第1テープを切断することによって生じた切断屑を当該切断部から除去させる。
【0009】
本願発明の第4の側面は、第1から第3のいずれかの側面の切断装置であって、前記ウエハーは、さらに、裏面及び表面のそれぞれに前記第1テープ及び第2テープが貼られる第2ウエハーを含み、前記切断部は、前記制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第2テープ、前記第2ウエハー、前記第1テープ及び前記第1ウエハーを切断する。
【0010】
本願発明の第5の側面は、第1から第4のいずれかの側面の切断装置であって、前記第1ウエハーは、裏面に第3テープが貼られ、前記切断部は、前記第3テープを切断しない。
【0011】
本願発明の第6の側面は、ウエハーを切断する切断装置における切断方法であって、前記ウエハーは、表面に第1テープが貼られる第1ウエハーを含み、前記切断装置が備える切断部が、制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第1テープを切断した後に前記第1ウエハーを切断する切断ステップを含む。
【0012】
本願発明の第7の側面は、第6の側面の切断方法であって、前記切断ステップにおいて、前記切断部は、同じブレードによって前記第1テープ及び前記第1ウエハーを切断する。
【0013】
本願発明の第8の側面は、第6又は第7の側面の切断方法であって、前記切断ステップにおいて、前記制御装置は、前記切断部に対して、音エネルギーを利用して少なくとも前記第1テープを切断することによって生じた切断屑を当該切断部から除去させる。
【0014】
本願発明の第9の側面は、第6から第8のいずれかの側面の切断方法であって、前記ウエハーは、さらに、裏面及び表面のそれぞれに前記第1テープ及び第2テープが貼られる第2ウエハーを含み、前記切断ステップにおいて、前記切断部は、前記制御装置の制御の下で、音エネルギーを利用して前記第2テープ、前記第2ウエハー、前記第1テープ及び前記第1ウエハーを切断する。
【0015】
本願発明の第10の側面は、第6から第9のいずれかの側面の切断方法であって、前記第1ウエハーは、裏面に第3テープが貼られ、前記切断ステップにおいて、前記切断部は、前記第3テープを切断しない。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の各側面によれば、音エネルギーを利用した切断部を用いることによってウエハー及びテープを切断できることを利用して、ウエハーの表面にテープを貼り、表面に貼ったテープを切断してからウエハーを切断することにより、きれいな切断面を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願発明の実施の形態に係る切断装置1の構造の一例を説明するための断面図である。
【
図2】
図1の切断装置によるウエハーの切断処理の一例を説明するための図である。
【
図3】
図1の切断装置によるウエハーの切断処理の他の一例を説明するための図である。
【
図4】従来のウエハーを切断する切断処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0019】
図1は、本願発明の実施の形態に係る切断装置1の構造の一例を説明するための断面図である。
【0020】
図1を参照して、切断装置1は、モータ3と、電歪型振動子5と、第1ブースター7と、第2ブースター9と、リングブレード11と、ブレード用ホーン13と、第1接点電極15と、第2接点電極17と、冷却液供給器27と、発振器29と、制御装置30を備える。制御装置30は、切断装置1の動作を制御する。リングブレード11(本願請求項の「切断部」の一例)は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用してウエハーを切断する。
【0021】
使用する切断ブレードは、リングブレード11及びブレード用ホーン13により形成する。ここで、リングブレード11及びブレード用ホーン13は、ブレード用ホーン13の外周にリングブレード11を固定する。リングブレード11の外周側から一部又は全部は、ブレード用ホーン13の外周よりも越えた状態である。リングブレード11は、振動の減衰を抑えるために接着剤の厚みが0~50μmの薄い接着層で貼り付ける。接着層は、振動エネルギーでは剥がれないものである。なお、音波接合による合金化により固定してもよい。
【0022】
リングブレード11は、平らなリング状のブレードである。例えば、2つの半径の異なる同心円によって囲まれた形状で、平らで、外周に刃が形成されたものである。リングブレード11は、例えば、金属とダイヤモンド粒子を含む金属ブレードである。金属ブレードは、例えば、メタルブレード、電鋳ブレードである。メタルブレードは、金属粉とダイヤモンド粒子を混ぜて高圧高温で焼結して作成される金属ブレードである。電鋳ブレードは、ニッケルメッキ液中にダイヤモンド粒子を混入して作成される金属ブレードである。
【0023】
ブレード用ホーン13は、外周が、中心軸を中心とする円形である。ブレード用ホーン13は、モータ3の回転によって中心軸を中心に回転する。
【0024】
第1ブースター7及び第2ブースター9は、振動体(ブースター)であって、ブレード用ホーン13を中心軸の両側から支える。
【0025】
電歪型振動子5は、第1ブースター7に連結する。電歪型振動子5は、例えば、誘導体(絶縁体の液体、等方性の固体)に電場を加えたとき、電場の2乗に比例するひずみを生ずる現象(電気ひずみ)を利用し、電気信号を機械的振動に変換するために用いられる素子を利用するものである。電歪型振動子5は、例えばPZT振動子である。
【0026】
発振器29は、正弦波(サイン波形)の外部電力を発生する。発振器29は、例えば、100ワット(Watt)以上(例えば、100ワット以上1200ワット以下、など)の大出力で、デジタル制御である。
【0027】
第1接点電極15及び第2接点電極17は、金属と金属の直接コンタクトにより、発振器29が発生した外部電力を電歪型振動子5に直接供給する。すなわち、第1接点電極15及び第2接点電極17の一方の端は、覆体などを経由せずに、直接、電歪型振動子5に接触して電気的に接続している。
図1では、第1接点電極15の他方の端は、スピンドルの軸に位置する個所に供給された外部電力の正極に接続する。第2接点電極17の他方の端は、スピンドルの軸の周りに位置する個所に供給された外部電力の負極に接続する。
【0028】
第2ブースター9、ブレード用ホーン13、リングブレード11、第1ブースター7、電歪型振動子5、第1接点電極15及び第2接点電極17は、結合して一体のものとして回転できる直結回転体である。直結回転体は、モータ3で回転し、例えば、1rpm以上12000rpm以下である。第1内装19は、第1ブースター7、電歪型振動子5、第1接点電極15及び第2接点電極17を含む。第1内装19は、第1外装23に覆われ、第1外装23内で回転できる状態で支持されている。第2内装21は、第2ブースター9を含む。第2内装21は、第2外装25に覆われ、第2外装25内で回転できる状態で支持されている。第1ブースター7、電歪型振動子5、第1接点電極15及び第2接点電極17は、外装に覆われて支持され、回転する。第1ブースター7及び第2ブースター9は、振動体(ブースター)であって、ブレード用ホーン13を両側から支えることにより切断ブレードの剛性を維持する。
【0029】
少なくとも、リングブレード11による切断処理が行われるとき、冷却液供給器27は、リングブレード11に対して、水などの冷却液を供給する。切断中、リングブレード11は、冷却液で冷やされ、かつ、音波振動又は超音波振動による効果と洗浄効果で焼き付きが発生しないことで、構成刃先がなく切断することができる。さらに、自生発刃によるダイヤモンド粒子の脱粒と摩耗低減効果で、ダイヤモンド粒子を時間を掛けて最後まで利用できるようになり、ブレードの使用距離が延びる長寿命化に繋げることができる。
【0030】
電歪型振動子5は、第1接点電極15及び第2接点電極17から直接供給された電気信号を機械的振動に変換して、切断ブレードが使用する音波振動又は超音波振動を生成する。電歪型振動子5が生成した機械的振動は、第1ブースター7及びブレード用ホーン13を経由してリングブレード11に伝わる。発明者は、発振器が発振した周波数10~50kHzの電気信号について、電歪型振動子5が機械的振動に変換して音波振動・超音波振動の音エネルギーとし、リングブレード11がこの音エネルギーと共振して切断を実現できることを確認した。
【0031】
ブレード用ホーン13は、電歪型振動子5により生成された音波振動(20kHz未満の振動)又は超音波振動(20kHz以上の振動)に共振する。リングブレード11は、ブレード用ホーン13が音波振動又は超音波振動に共振したときに、音波振動とも超音波振動とも共振できる。そのため、音波振動又は超音波振動は、ブレード用ホーン13によってリングブレード11に伝わる。特に、リングブレード11とブレード用ホーン13は、接着剤による一体化及び/又は音波接合による合金化により固定することにより、金属間のつながり強度と密度から、リングブレード11は音波振動又は超音波振動と共振し、音エネルギーの伝達効率がほぼ100%となる。これによって、リングブレード11に含まれるダイヤモンド粒子は、無機質(SiC、セラミックスを含む。)、金属、プラスチック等の対象物を切断することができる。
【0032】
図1の切断装置1では、発振器29の綺麗な正弦波出力を電歪型振動子5に直接給電する。直結回転体を構成して、両支持構造のスピンドル構造によってリングブレード11の剛性を維持する。リングブレード11に含まれるダイヤモンド粒子は、一見すると運動のベクトル(特に振動振幅の加速度と方向)がランダムなものとなるが、与えられる信号がきれいな正弦波の波形であるために、ランダムの中にも規則性があるもの(いわば「カオス運動」と称すべきもの)に変化した。その結果として、振動で破壊されやすいSiC、ガラスなどの無機質、セラミックスへのダメージが抑えられて、規則的でチッピングが細かい綺麗な切断が可能となった。このように、直接連結及び直接給電、かつ、両支持構造のスピンドル構造が、切断が困難だったSiC、金属、セラミックス、樹脂等、さらに、これらの複合素材の切断を可能とした。この切断は、例えば、回転数1rpm以上12000rpm以下の範囲で可能であった。音波振動又は超音波振動が伝達共振できるのは、リングブレードが金属ブレードであり、例えば、メタルブレード、電鋳ブレード(ニッケル電鋳ブレードなど)などである。
【0033】
これらの構成によって、切断スピードが格段に速くなった。例えば切断が困難な厚みが0.35mmのSiCウエハーを20mm/sec以上のスピードで切断することが可能となった。
【0034】
さらに、ブレードの耐磨耗性が大幅に向上した。例えば切断が困難な厚みが0.35mmで直径6インチのSiCウエハーを、□3mm(1辺が3mmの正方形のもの)のワンパス切断において磨耗量が約30μmであった。
【0035】
さらに、切断中のショックが和らぎ、ブレードの偏心による片当たりが発生しても綺麗な切断が可能となった。結果として切断事前及び切断中のブレードのドレスプロセスが不要となった。
【0036】
図2は、
図1の切断装置によるウエハーの切断処理の一例を説明するための図である。
【0037】
ウエハーは、例えば、シリコンウエハー、SiC(シリコンカーバイド)ウエハー、サファイアウエハー、化合物半導体ウエハー(GaP(リン化ガリウム)ウエハー、GaAs(ヒ化ガリウム)ウエハー、InP(リン化インジウム)ウエハー、GaN(窒化ガリウム)ウエハーなど)である。平板状であり、一方の面を表面といい、他方の面を裏面という。リングブレード11は、表面からアプローチして当該ウエハーを切断する。
【0038】
図2(a)を参照して、第1ウエハー31は、表面に第1テープ35が貼られ、裏面に第3テープ33が貼られる。
【0039】
図2(b)を参照して、リングブレード11(本願請求項の「切断部」の一例)は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用して第1テープ35を切断する。
図4(b)と異なり、リングブレード11は、第1ウエハー31に当たる前に、第1テープ35に当たる。そのため、きれいな状態の切断面とすることができる。
【0040】
図2(c)を参照して、リングブレード11は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用して、第1テープ35に引き続き、第1ウエハー31を切断する。ここで、リングブレード11は、同じものを使用して、第1テープ35及び第1ウエハー31を切断する。また、第1テープ35の切断によって生じた切断屑が存在する状態では、第1ウエハー31の切断が困難なものとなる可能性がある。そのため、制御装置30は、リングブレード11に対して、音エネルギーを利用して少なくとも第1テープ35を切断することによって生じた切断屑をリングブレード11から除去させて、リングブレード11を利用して第1ウエハー31を切断する。
【0041】
図2(d)を参照して、リングブレード11によって第1テープ35及び第1ウエハー31を切断することができる。また、表側からアプローチして第1テープ35を切断すればよく、裏面からアプローチが不要であり、第3テープ33を切断する必要がない。
【0042】
図3は、
図1の切断装置によるウエハーの切断処理の他の一例を説明するための図である。
【0043】
図3(a)を参照して、第1ウエハー41は、表面に第1テープ45が貼られ、裏面に第3テープ43が貼られる。第2ウエハー47は、表面に第2テープ49が貼られ、裏面に第1テープ45が貼られる。
【0044】
図3(b)を参照して、リングブレード11(本願請求項の「切断部」の一例)は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用して第2テープ49を切断する。リングブレード11は、第2ウエハー47に当たる前に、第2テープ49に当たる。そのため、第2ウエハー47の切断面をきれいな状態にすることができる。
【0045】
リングブレード11は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用して、第2テープ49に引き続き、第2ウエハー47を切断する。
【0046】
リングブレード11は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用して第1テープ45を切断する。リングブレード11は、第1ウエハー41に当たる前に、第1テープ45に当たる。そのため、第1ウエハー41の切断面をきれいな状態にすることができる。
【0047】
リングブレード11は、制御装置30の制御の下で、音エネルギーを利用して、第1テープ45に引き続き、第1ウエハー41を切断する。
【0048】
ここで、リングブレード11は、同じものを使用して、第2テープ49、第2ウエハー47、第1テープ45及び第1ウエハー41を切断する。
【0049】
また、第2テープ49の切断によって生じた切断屑が存在する状態では、第2ウエハー47の切断が困難なものとなる可能性がある。そのため、制御装置30は、リングブレード11に対して、音エネルギーを利用して少なくとも第2テープ49を切断することによって生じた切断屑をリングブレード11から除去させて、リングブレード11を利用して第2ウエハー47を切断する。
【0050】
同様に、第1テープ45の切断によって生じた切断屑が存在する状態では、第1ウエハー41の切断が困難なものとなる可能性がある。そのため、制御装置30は、リングブレード11に対して、音エネルギーを利用して少なくとも第1テープ45を切断することによって生じた切断屑をリングブレード11から除去させて、リングブレード11を利用して第1ウエハー41を切断する。
【0051】
図3(c)を参照して、リングブレード11によって第2テープ49、第2ウエハー47、第1テープ45及び第1ウエハー41を切断することができる。また、表側からアプローチして第2テープ49、第2ウエハー47、第1テープ45及び第1ウエハー41を切断すればよく、例えば裏面からアプローチすることなどの特別な切断処理が不要であり、第3テープ43を切断する必要がない。