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  • 特開-リベット型接点 図1
  • 特開-リベット型接点 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008552
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】リベット型接点
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/04 20060101AFI20240112BHJP
   H01H 1/06 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H01H1/04 E
H01H1/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110521
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000211112
【氏名又は名称】中外電気工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】平田 安秀
【テーマコード(参考)】
5G050
5G051
【Fターム(参考)】
5G050AA01
5G050AA03
5G050AA13
5G050DA01
5G050DA02
5G050DA04
5G050EA09
5G050FA01
5G051AA12
5G051AB02
(57)【要約】
【課題】 金,金合金のいずれかによるメッキ被膜3を極薄に形成し、メッキ被膜3の形成領域を頭部1の必要最小限領域Xに抑えて大幅なコストダウンを図れるリベット型接点を提供する。
【解決手段】 頭部1,足部2を含むリベット全体を銀,銀合金等の接点材料で形成し、又は、頭部1を銀,銀合金等の接点材料で形成し、足部2を銅,銅合金等のベース材で形成し、更に、金,金合金のいずれかによるメッキ被膜3を頭部1の面積領域に形成するリベット型接点で、メッキ被膜3を初期接触信頼性の維持可能な0.1μ~3μ未満の厚みで頭部1の相手材との接触面Xに限って形成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部,足部を含むリベット全体を銀,銀合金等の接点材料で形成し、又は、頭部を銀,銀合金等の接点材料で形成し、足部を銅,銅合金等のベース材で形成し、更に、金,金合金のいずれかによるメッキ被膜を該頭部の面積領域に形成するリベット型接点において、
前記金,金合金いずれかによるメッキ被膜を初期接触信頼性の維持可能な0.1μ~3μ未満の厚みで前記頭部の相手材との接触面に限って形成したことを特徴とするリベット型接点。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ,リレー,サーモスタット,ブレーカー等の小型の電気機器に装着するリベット型接点に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器に装備される相手材との接触面となる頭部と、電気機器の台金にカシメ止めするに用する足部とからなるリベット型接点は周知である(特許文献1)。このリベット型接点としては、一般に、頭部,足部を含むリベット全体を銀,銀合金等の接点材料で形成する無垢型と、頭部を銀,銀合金等の接点材料で形成し、足部を銅,銅合金等のベース材で形成する複合型のものと挙げられる。
【0003】
そのリベット型接点においては、初期の接触信頼性を維持するため、金,金合金のメッキ被膜を相手材との接触面となる頭部に形成することも知られている。この金,金合金のメッキ被膜は、バレルメッキ法を適用することにより形成されている。
【0004】
バレルメッキ法は、製品をバレルの内部に入れてメッキ液に浸漬させながらバレルを回転させてメッキする方法であり、小さな製品を一回のメッキ処理で大量に加工するのに適しているが、製品の全面にメッキ被膜を形成することになる。
【0005】
そのため、バレルメッキ法を適用すると、金,金合金のいずれかによるメッキ被膜も頭部,足部を含むリベット全体に形成されることになる。然し、金,金合金は高価なものであり、金,金合金のいずれかによるメッキ被膜を大幅に減らすことが望まれる。かかる観点に基づき、リベット体の頭部を概ね覆う3μ厚みの金によるメッキ被膜を形成することが提案されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3098834号
【非特許文献】
【0007】
Web頁:WWW.Taira-denki.Com/denki/index.htmi 電気接点材料 金メッキ接点の大幅コストダウン
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、金,金合金のいずれかによるメッキ被膜を極薄に形成し、メッキ被膜の形成領域を頭部の必要最小限領域に抑えて大幅なコストダウンを図れるリベット型接点を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の請求項1に係るリベット型接点は、頭部,足部を含むリベット全体を銀,銀合金等の接点材料で形成し、又は、頭部を銀,銀合金等の接点材料で形成し、足部を銅,銅合金等のベース材で形成し、更に、金,金合金のいずれかによるメッキ被膜を該頭部の面領域に形成するリベット型接点において、
前記金,金合金いずれかによるメッキ被膜を初期接触信頼性の維持可能な0.1μ~3μ未満の厚みで前記頭部の相手材との接触面に限って形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願の発明に係るリベット型接点では、金,金合金いずれかによるメッキ被膜を初期接触信頼性の維持可能な0.1μ~3μ未満厚みに形成し、且つ又、頭部の相手材との接触面に限って形成することにより、初期の接触信頼性を維持しながらもメッキ被膜を極薄に形成し、メッキ被膜の形成領域を頭部の必要最小限領域に抑えることから、スイッチ,リレー,サーモスタット,ブレーカー等の小型の電気機器に装着されるリベット型接点として大幅なコストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明に係るリベット型接点を示す断面図である。
図2図2は、図1のリベット型接点を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1,2のリベット型接点は、頭部1を銀,銀合金等の接点材料(以下、単に「銀」という。)で形成し、足部2を銅,銅合金等のベース材(以下、単に「銅」という。)で形成する複合リベット型のものが例示されている。この他に、頭部1,足部2を含むリベット全体を銀,銀合金等の接点材料で形成した無垢リベット型としても構成するようにできる。
【0013】
そのリベット型接点においては、メッキ被膜3が頭部1の面領域に形成されている。このメッキ被膜3は、金,金合金いずれか(以下、単に「金」という。)により形成されている。
【0014】
そのメッキ被膜3は、初期の接触信頼性を維持可能な0.1μ~3μ未満の厚みの極薄なものに形成されている。また、小型な電気機器に装着される接触相手との頭部1における接触面(接触領域:頭部1の略半分程度)Xに限って形成されている。換言すれば、頭部1の非接触面(非接触領域)Yには形成されていない。
【0015】
このように構成するリベット型接点では、金によるメッキ被膜3を初期接触信頼性の維持可能な0.1μ~3μ未満の厚みに形成し、且つ又、頭部1における相手側との接触面Xに限って形成することにより、初期の接触信頼性を維持しながらもメッキ被膜3を極薄に形成し、メッキ被膜3の形成領域を頭部の必要最小限領域Xに抑えることから、スイッチ,リレー,サーモスタット,ブレーカー等の小型な電気機器に装着されるリベット型接点として大幅なコストダウンを図れる。
【0016】
メッキ被膜3の厚み制御は、メッキ中に流れる電流と時間の積で図れ、例えば0.1μと3μ未満とでは電流と時間の積を略30倍に設定すればよい。このように金によるメッキ被膜を形成すると、従来のバレルメッキで全面にメッキ被膜を形成する場合と比較し、メッキに使用する金の重量を約75%削減できる。
【符号の説明】
【0017】
1 頭部
2 足部
3 メッキ被膜
X 頭部1の相手材との接触面
図1
図2