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特開2024-85537貼付型通信デバイス及び貼付型通信デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085537
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】貼付型通信デバイス及び貼付型通信デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240620BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240620BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240620BHJP
   G01K 1/024 20210101ALI20240620BHJP
【FI】
G06K19/077 296
G06K19/077 280
G06K19/07 180
G06K19/077 224
G06K19/077 144
H01Q1/38
G01K1/024
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200101
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠子
【テーマコード(参考)】
2F056
5J046
【Fターム(参考)】
2F056AE03
2F056AE07
5J046AA14
5J046AB07
5J046PA07
5J046PA10
(57)【要約】
【課題】伸縮性を有していても無線通信性能の低下を抑制することが可能な貼付型通信デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の貼付型通信デバイス1は、伸縮性を有する伸縮性シート2と、伸縮性シート2の一部に重ねて接着される非伸縮性シート5と、非伸縮性シート5に設けられる第一アンテナ31と、非伸縮性シート5に設けられ、第一アンテナ31に接続されるICチップ4と、伸縮性を有し、伸縮性シート2に設けられて、第一アンテナ31と電磁界結合される部位を有する第二アンテナ32と、を備える。非伸縮性シート5は、第二アンテナ32のうち第一アンテナ31と電磁界結合された部位と重なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有する伸縮性シートと、
前記伸縮性シートの一部に重ねて接着される非伸縮性シートと、
前記非伸縮性シートに設けられる第一アンテナと、
前記非伸縮性シートに設けられ、前記第一アンテナに接続されるICチップと、
伸縮性を有し、前記伸縮性シートに設けられて、前記第一アンテナと電磁界結合される部位を有する第二アンテナと、を備え、
前記非伸縮性シートは、前記第二アンテナのうち前記第一アンテナと電磁界結合された部位と重なる貼付型通信デバイス。
【請求項2】
前記伸縮性シート及び前記非伸縮性シートのうち少なくとも一方が、前記第一アンテナと前記第二アンテナとの間に介在する介在シートであり、
前記介在シートの厚さは、前記第一アンテナと前記第二アンテナとの距離が2mm以下となるように設定されている請求項1に記載の貼付型通信デバイス。
【請求項3】
センサ及び前記センサを制御するセンサ制御部を有し、前記非伸縮性シートに重ねて接着されるセンサ追加基板と、
前記非伸縮性シートに設けられ、前記ICチップに接続された第一接続端子と、
前記センサ追加基板に設けられ、前記センサ制御部に接続された第二接続端子と、を備え、
前記センサ追加基板が前記非伸縮性シートに重ねて接着されることで、前記第一接続端子と前記第二接続端子とが接続される請求項1又は請求項2に記載の貼付型通信デバイス。
【請求項4】
前記第一アンテナは、両端が前記ICチップに接続されるループアンテナであり、
前記センサ追加基板に設けられた前記センサ、前記センサ制御部、前記第二接続端子、及び、これら接続する接続配線は、前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記ループアンテナと重ならない請求項3に記載の貼付型通信デバイス。
【請求項5】
前記センサ追加基板に設けられた前記センサ、前記センサ制御部、前記第二接続端子、及び、前記接続配線は、前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記ループアンテナの外側に位置する請求項4に記載の貼付型通信デバイス。
【請求項6】
前記伸縮性シート又は前記非伸縮性シートには、前記伸縮性シート及び前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記第一アンテナと前記第二アンテナとを位置合わせするための位置合わせマークが設けられている請求項1又は請求項2に記載の貼付型通信デバイス。
【請求項7】
第一アンテナ及び前記第一アンテナに接続されるICチップが設けられた非伸縮性シート、及び、伸縮性を有し、第二アンテナが設けられた伸縮性シートを用意するシート準備工程と、
前記非伸縮性シートを前記伸縮性シートの一部に重ねて接着して、前記第一アンテナと前記第二アンテナとを電磁界結合させると共に、前記非伸縮性シートを前記第二アンテナのうち前記第一アンテナと電磁界結合された部位に重ねるシート接着工程と、を備え、
前記シート準備工程では、前記伸縮性シート又は前記非伸縮性シートに、前記伸縮性シート及び前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記第一アンテナと前記第二アンテナとを位置合わせするための位置合わせマークを設け、
前記シート接着工程では、前記位置合わせマークによって前記第一アンテナと前記第二アンテナとを位置合わせする貼付型通信デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付型通信デバイス及び貼付型通信デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人体や動物の皮膚などの対象物の表面に貼り付けられ、対象物の温度を無線通信によって外部通信装置に送信する貼付型通信デバイス(複合体)が開示されている。特許文献1の貼付型通信デバイスは、温度センサチップを備えた非接触ICタグモジュールと生体適合性粘着ラベルとを重ねた複合体である。非接触ICタグモジュールは、基材の片面に温度センサチップ及びこれに接続されたアンテナを設けて構成されている。生体適合性粘着ラベルは、基材の上にループアンテナを設けて構成され、主に対象物の表面に貼り付けられる部位を有する。非接触ICタグモジュールと生体適合性粘着ラベルとを重ねることで、アンテナとループアンテナとが電磁界結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-114541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の貼付型通信デバイスでは、人体や動物の皮膚など伸縮する対象物の表面に貼り付けられる等して生体適合性粘着ラベルが伸縮すると、アンテナとループアンテナとの相対的な位置関係が変化してしまう。この場合、貼付型通信デバイスの無線通信性能が低下する、という不具合が生じる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、伸縮性を有していても無線通信性能の低下を抑制することが可能な貼付型通信デバイス及び貼付型通信デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、伸縮性を有する伸縮性シートと、前記伸縮性シートの一部に重ねて接着される非伸縮性シートと、前記非伸縮性シートに設けられる第一アンテナと、前記非伸縮性シートに設けられ、前記第一アンテナに接続されるICチップと、伸縮性を有し、前記伸縮性シートに設けられて、前記第一アンテナと電磁界結合される部位を有する第二アンテナと、を備え、前記非伸縮性シートは、前記第二アンテナのうち前記第一アンテナと電磁界結合された部位と重なる貼付型通信デバイスである。
【0007】
前記貼付型通信デバイスにおいては、前記伸縮性シート及び前記非伸縮性シートのうち少なくとも一方が、前記第一アンテナと前記第二アンテナとの間に介在する介在シートであり、前記介在シートの厚さは、前記第一アンテナと前記第二アンテナとの距離が2mm以下となるように設定されてもよい。
【0008】
前記貼付型通信デバイスは、センサ及び前記センサを制御するセンサ制御部を有し、前記非伸縮性シートに重ねて接着されるセンサ追加基板と、前記非伸縮性シートに設けられ、前記ICチップに接続された第一接続端子と、前記センサ追加基板に設けられ、前記センサ制御部に接続された第二接続端子と、を備え、前記センサ追加基板が前記非伸縮性シートに重ねて接着されることで、前記第一接続端子と前記第二接続端子とが接続されてもよい。
【0009】
前記貼付型通信デバイスにおいて、前記第一アンテナは、両端が前記ICチップに接続されるループアンテナであり、前記センサ追加基板に設けられた前記センサ、前記センサ制御部、前記第二接続端子、及び、これら接続する接続配線は、前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記ループアンテナと重ならなくてもよい。
【0010】
前記貼付型通信デバイスにおいて、前記センサ追加基板に設けられた前記センサ、前記センサ制御部、前記第二接続端子、及び、前記接続配線は、前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記ループアンテナの外側に位置してもよい。
【0011】
前記貼付型通信デバイスにおいて、前記伸縮性シート又は前記非伸縮性シートには、前記伸縮性シート及び前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記第一アンテナと前記第二アンテナとを位置合わせするための位置合わせマークが設けられてもよい。
【0012】
本発明の一態様は、第一アンテナ及び前記第一アンテナに接続されるICチップが設けられた非伸縮性シート、及び、伸縮性を有し、第二アンテナが設けられた伸縮性シートを用意するシート準備工程と、前記非伸縮性シートを前記伸縮性シートの一部に重ねて接着して、前記第一アンテナと前記第二アンテナとを電磁界結合させると共に、前記非伸縮性シートを前記第二アンテナのうち前記第一アンテナと電磁界結合された部位に重ねるシート接着工程と、を備え、前記シート準備工程では、前記伸縮性シート又は前記非伸縮性シートに、前記伸縮性シート及び前記非伸縮性シートの厚さ方向から見て、前記第一アンテナと前記第二アンテナとを位置合わせするための位置合わせマークを設け、前記シート接着工程では、前記位置合わせマークによって前記第一アンテナと前記第二アンテナとを位置合わせする貼付型通信デバイスの製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、伸縮性を有していても無線通信性能の低下を抑制することが可能な貼付型通信デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態に係る貼付型通信デバイスを示す平面図である。
図2図1に示すII-II線矢印方向に見た断面図である。
図3図1図2の貼付型通信デバイスに備える伸縮性シートを示す平面図である。
図4図1図2の貼付型通信デバイスに備える非伸縮性シートであり、(A)は反対面側から見た平面図であり、(B)は対向面側から見た平面図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る貼付型通信デバイスの第一変形例を示す断面図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る貼付型通信デバイスの第二変形例を示す断面図である。
図7】本発明の第二実施形態に係る貼付型通信デバイスの第一例を示す平面図である。
図8図7の貼付型通信デバイスを製造する方法を示す平面図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る貼付型通信デバイスの第二例を示す平面図である。
図10図9の貼付型通信デバイスを製造する方法を示す平面図である。
図11】本発明の第三実施形態に係る貼付型通信デバイスを示す平面図である。
図12図11の貼付型通信デバイスにおいて、非伸縮性シート及びセンサ追加基板を透過した状態で示す拡大平面図である。
図13図11に示すXIII-XIII線矢印方向に見た断面図である。
図14図11図13の貼付型通信デバイスの機能構成の一例を示すブロック図である。
図15図11図13の貼付型通信デバイスに備える非伸縮性シートであり、(A)は反対面側から見た平面図であり、(B)は対向面側から見た平面図である。
図16図11図13の貼付型通信デバイスに備えるセンサ追加基板であり、(A)は反対面側から見た平面図であり、(B)は対向面側から見た平面図である。
図17】本発明の第三実施形態に係る貼付型通信デバイスの変形例を示す断面図である。
図18】本発明の第四実施形態に係る貼付型通信デバイスを、非伸縮性シート及びセンサ追加基板を透過した状態で示す平面図である。
図19図19の貼付型通信デバイスを示す概略断面図である。
図20図19図20の貼付型通信デバイスに備える非伸縮性シートであり、(A)は反対面側から見た平面図であり、(B)は対向面側から見た平面図である。
図21図19図20の貼付型通信デバイスに備えるセンサ追加基板であり、(A)は反対面側から見た平面図であり、(B)は対向面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第一実施形態>
以下、図1図4を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
図1図2に示す貼付型通信デバイス1は、人体の皮膚など、任意の対象物の表面に貼り付けられるものである。貼付型通信デバイス1は、伸縮性シート2と、第一アンテナ31と、第二アンテナ32と、ICチップ4と、非伸縮性シート5と、第一接着層6と、第二接着層7と、を備える。
【0016】
伸縮性シート2は、伸縮性を有するシート状の部材である。伸縮性シート2は、その厚さ方向において互いに反対側に向く第一主面2a及び第二主面2bを有する。伸縮性シート2は、第一主面2a、第二主面2bに沿う方向に伸縮しやすい。
【0017】
非伸縮性シート5は、伸縮性を有さない、あるいは、伸縮性シート2よりも伸縮し難いシート状の部材である。厚さ方向から見た非伸縮性シート5の大きさは、伸縮性シート2よりも小さい(特に図1参照)。非伸縮性シート5は、第一接着層6を介して伸縮性シート2の第一主面2aの一部に重ねて接着される。以下の説明では、伸縮性シート2の第一主面2aに対向する非伸縮性シート5の面を、対向面5aと呼ぶ。また、対向面5aと反対側に向く非伸縮性シート5の面を、反対面5bと呼ぶ。
図1図3に示すように、前述した伸縮性シート2は、その厚さ方向から見て、非伸縮性シート5が重なる積層領域21と、非伸縮性シート5が重ならない非積層領域22と、を有する。
【0018】
図2図4に示すように、第一アンテナ31及びICチップ4は、非伸縮性シート5の対向面5aに設けられている。第一アンテナ31は、導電性を有する配線によって構成され、ICチップ4に接続されている。本実施形態において、第一アンテナ31は、両端がICチップ4に接続されるループアンテナである。図示例の第一アンテナ31は、矩形状に形成され、矩形の一辺にICチップ4が位置している。なお、第一アンテナ31は、例えば円形状など任意の形状に形成されてよい。
【0019】
図1図3に示すように、第二アンテナ32は、導電性を有する配線からなり、伸縮性シート2の第一主面2aに設けられている。第二アンテナ32は、伸縮性を有しており、伸縮性シート2の伸縮に追従することができる。第二アンテナ32は、第一アンテナ31を含む非伸縮性シート5が伸縮性シート2に取り付けられた状態で、第一アンテナ31に対して間隔をあけて配置される。
図1図2に示すように、第二アンテナ32は、第一アンテナ31と電磁界結合される部位を有する。第一アンテナ31と電磁界結合される第二アンテナ32の部位は、第一アンテナ31の近くに位置し、かつ、第一アンテナ31と平行するように配置される。
【0020】
本実施形態の第二アンテナ32は、ミアンダ配線によって構成されている。第二アンテナ32は、第一アンテナ31の周囲から第一アンテナ31の両側に延びるように設けられている。第二アンテナ32のうち、第一アンテナ31の周囲に位置する部分は、ICチップ4が位置しない第一アンテナ31の矩形の三辺に沿うように配置され、第一アンテナ31の当該部分と電磁界結合される。以下の説明では、第一アンテナ31及び第二アンテナ32のうち電磁界結合される部位を、電磁界結合部位33と呼ぶ。
なお、第二アンテナ32は、例えば直線状の配線によって構成されてよい。また、第二アンテナ32は、例えば第一アンテナ31の矩形の一辺又は二辺に沿うように配置されてよい。
【0021】
前述したように、第二アンテナ32と第一アンテナ31とは、互いに対向する伸縮性シート2の第一主面2aと非伸縮性シート5の対向面5aとに設けられている。このため、電磁界結合部位33をなす第一アンテナ31と第二アンテナ32との間隔は、伸縮性シート2と非伸縮性シート5との間に介在する第一接着層6によって確保されている。図示例では、第一アンテナ31と第二アンテナ32とが伸縮性シート2、非伸縮性シート5の厚さ方向において重ならないように位置していることでも、第一アンテナ31と第二アンテナ32との間隔が確保されている。なお、第一アンテナ31と第二アンテナ32とは、例えば伸縮性シート2、非伸縮性シート5の厚さ方向において重なるように配置されてもよい。
【0022】
図1図2に示すように、第二アンテナ32のうち第一アンテナ31と電磁界結合される部位は、伸縮性シート2の積層領域21に位置する。言い換えれば、非伸縮性シート5は、第二アンテナ32のうち第一アンテナ31と電磁界結合された部位と重なる。すなわち、非伸縮性シート5は、第一アンテナ31及び第二アンテナ32のうち電磁界結合部位33の全体と重なる。
【0023】
また、本実施形態では、第二アンテナ32のうち第一アンテナ31と電磁界結合される部位が、非伸縮性シート5によって覆われる。一方、第二アンテナ32のうち第一アンテナ31の両側に離れるように延びる部位は、伸縮性シート2の非積層領域22に位置し、非伸縮性シート5によって覆われない。
【0024】
上記した第一アンテナ31、第二アンテナ32及びICチップ4は、RFIDアンテナを構成している。図示しないが、ICチップ4は、各種情報を記憶する記憶部、各種情報を送受信するための制御部などを有してよい。各種情報には、例えば、貼付型通信デバイス1が貼付された対象物を識別するための識別情報、対象物の温度などの取得情報などがある。ICチップ4は、例えば、取得情報を取得するためのセンサ(例えば温度センサ)を有してよい。
【0025】
図2に示す第二接着層7は、貼付型通信デバイス1(特に伸縮性シート2)を対象物の表面に貼り付けるための粘着性を有する層である。図2において、第二接着層7は、伸縮性シート2の第二主面2bに設けられている。これにより、伸縮性シート2の第二主面2bが対象物の表面に対向するように、貼付型通信デバイス1を対象物の表面に貼り付けることができる。
【0026】
図示しないが、本実施形態の貼付型通信デバイス1は、例えば伸縮性を有する保護シートをさらに備えてもよい。保護シートは、伸縮性シート2の第一主面2aのうち非伸縮性シート5によって覆われない領域に設けられる。保護シートは、第二アンテナ32のうち非伸縮性シート5によって覆われない部位を覆うことで、当該第二アンテナ32を保護する。
【0027】
以上のように構成される本実施形態の貼付型通信デバイス1は、第二接着層7により、伸縮性を有する対象物の表面(例えば人体の皮膚)に好適に貼り付けることができる。伸縮性を有する対象物の表面に貼付型通信デバイス1を貼り付けた状態では、伸縮性シート2が対象物の表面の伸縮に追従することができる。
【0028】
第一実施形態の貼付型通信デバイス1において、伸縮性シート2のうち非伸縮性シート5が重なる積層領域21の伸縮は、非伸縮性シート5によって妨げられる。一方、伸縮性シート2のうち非伸縮性シート5が重ならない非積層領域22は、伸縮することができる。
そして、第一アンテナ31全体は伸縮しないあるいは伸縮し難い非伸縮性シート5に設けられる。また、第二アンテナ32のうち第一アンテナ31と電磁界結合された部位は、伸縮性シート2のうち非伸縮性シート5によって伸縮が抑制又は防止された積層領域21に位置する。このため、伸縮性シート2が伸縮しても、電磁界結合部位33における第一アンテナ31と第二アンテナ32との相対的な位置関係に変化が生じることを抑制又は防止できる。これにより、伸縮性シート2が伸縮しても貼付型通信デバイス1の無線通信性能の低下を抑制又は防止することができる。また、貼付型通信デバイス1によって無線通信ができなくなる不具合も回避することができる。
【0029】
また、第一実施形態の貼付型通信デバイス1によれば、仮に第二アンテナ32の断線などによって電磁界結合の効果が生じなくなっても、通信特性(通信距離)が低減するものの、第一アンテナ31及びICチップ4の構成を、RFIDとして機能させることが可能である。例えば、第一アンテナ31及びICチップ4の構成により、ICチップ4に記憶された各種情報を外部機器に取得させることができる。
【0030】
第一実施形態の貼付型通信デバイス1においては、少なくとも電磁界結合の効力を発揮する領域に位置する第一アンテナ31、第二アンテナ32の部位の伸縮が抑制されればよい。このため、非伸縮性シート5は、電磁界結合部位33の全体に限らず、電磁界結合部位33の少なくとも一部と重なればよい。電磁界結合部位33のうち非伸縮性シート5が重なる範囲は、貼付型通信デバイス1を貼付する対象物の伸縮の程度や、当該伸縮による通信特性の変化の許容範囲などに応じて適宜設定されてよい。
【0031】
第一実施形態において、第一アンテナ31及びICチップ4は、例えば図5に示すように、伸縮性シート2の第一主面2aと同じ方向に向く非伸縮性シート5の反対面5bに設けられてもよい。図5に例示した貼付型通信デバイス1Cでは、第一アンテナ31と第二アンテナ32との間に非伸縮性シート5(介在シート)が介在する。この場合、非伸縮性シート5の厚さT5は、第一アンテナ31と第二アンテナ32との距離が2mm以下となるように設定されている。なお、第一接着層6の厚さが非伸縮性シート5の厚さT5と比較して無視できる程度に小さい場合、非伸縮性シート5の厚さT5は例えば2mm以下であるとよい。非伸縮性シート5の厚さT5を適切に設定して、第一アンテナ31と第二アンテナ32との距離を2mm以下とすることで、第一アンテナ31と第二アンテナ32との間に非伸縮性シート5が介在していても、貼付型通信デバイス1Cと外部通信装置(例えばRFIDリーダー)との通信距離が短くなることを効果的に抑制することができる。
【0032】
図5に例示した貼付型通信デバイス1Cにおいて、第一アンテナ31及びICチップ4は、例えば、伸縮性シート2の第一主面2aのうち非伸縮性シート5によって覆われない領域に位置する第二アンテナ32と共に、保護シートによって保護されてもよい。
【0033】
また、第一実施形態において、第二アンテナ32は、例えば図6に示すように、伸縮性シート2の第二主面2bに設けられてもよい。図6に例示した貼付型通信デバイス1Dでは、第一アンテナ31と第二アンテナ32との間に伸縮性シート2(介在シート)が介在する。この場合、伸縮性シート2の厚さT2は、第一アンテナ31と第二アンテナ32との距離が2mm以下となるように設定されている。なお、第一接着層6の厚さが伸縮性シート2の厚さT2と比較して無視できる程度に小さい場合、伸縮性シート2の厚さT2は例えば2mm以下であるとよい。伸縮性シート2の厚さT2を適切に設定して、第一アンテナ31と第二アンテナ32との距離を2mm以下とすることで、第一アンテナ31と第二アンテナ32との間に伸縮性シート2が介在していても、貼付型通信デバイス1Dと外部通信装置との通信距離が短くなることを効果的に抑制することができる。
なお、図6に例示した貼付型通信デバイス1Dでは、伸縮性シート2の第二主面2bに設けられた第二アンテナ32が第二接着層7によって保護されている。
【0034】
第一実施形態において、第二接着層7は、例えば伸縮性シート2の第一主面2aのうち非伸縮性シート5によって覆われない領域(非積層領域22)に設けられてもよいし、さらに、伸縮性シート2の第一主面2aと同じ方向に向く非伸縮性シート5の反対面5bに設けられてもよい。第二接着層7が伸縮性シート2の第一主面2aに設けられる場合、第二接着層7は、第二アンテナ32のうち非伸縮性シート5によって覆われない部位を覆うことで、当該第二アンテナ32を保護してもよい。
【0035】
なお、図5に例示した貼付型通信デバイス1Cでは、ICチップ4が伸縮性シート2、非伸縮性シート5によって覆われない。このため、非伸縮性シート5の反対面5bが対象物の表面側に向くように貼付型通信デバイス1Cを対象物に取り付けた場合、ICチップ4を対象物の表面により近づけて配置することができる。このため、例えば、ICチップ4が温度センサを含む場合には、対象物の温度をより高い精度で測定することが可能となる。
【0036】
<第二実施形態>
次に、図7図10を参照して本発明の第二実施形態について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0037】
図7図9に示すように、第二実施形態の貼付型通信デバイス1E,1Fにおいて、伸縮性シート2又は非伸縮性シート5には、位置合わせマーク24,54が設けられている。位置合わせマーク24,54は、伸縮性シート2及び非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、非伸縮性シート5に設けられた第一アンテナ31と伸縮性シート2に設けられた第二アンテナ32とを位置合わせをするために設けられている。位置合わせマーク24,54は、例えば第一、第二アンテナ31,32と同様に導電性を有する配線によって構成されてよい。この場合、位置合わせマーク24,54を第一、第二アンテナ31,32と同じ工程において形成することができる。
【0038】
図7に示す第一例の貼付型通信デバイス1Eにおいて、位置合わせマーク24は、伸縮性シート2の第一主面2aに設けられ、伸縮性シート2に重ねて配置される非伸縮性シート5の位置を示している。図7において、位置合わせマーク24は、平面視で矩形状に形成された非伸縮性シート5の角部の位置を示すL字状のマークである。なお、非伸縮性シート5の角部を示す位置合わせマーク24の形状は、例えば「+」形状やT字形状などであってもよい。また、図7において、位置合わせマーク24は、非伸縮性シート5の2つの角部の位置をそれぞれ示すように、2つ設けられている。なお、位置合わせマーク24の数は、例えば1つでもよいし3つ以上であってもよい。
【0039】
図9に示す第二例の貼付型通信デバイス1Fにおいて、位置合わせマーク54は、非伸縮性シート5の反対面5bに設けられ、非伸縮性シート5が重なる第二アンテナ32の位置を示している。言い換えれば、位置合わせマーク54は、電磁界結合部位33をなす第二アンテナ32の部位の位置を示している。図9において、位置合わせマーク54は、対応する第二アンテナ32の長手方向に延びる棒状に形成されたマークである。具体的に、位置合わせマーク54は、第二アンテナ32のうち直角に折れ曲がった部位に対応するL字状のマークである。また、図9において、位置合わせマーク54は、第二アンテナ32の直角に折れ曲がった2つの部位の位置をそれぞれ示すように、2つ設けられている。なお、位置合わせマーク54の数は、例えば1つでもよいし3つ以上であってもよい。
【0040】
第二例の貼付型通信デバイス1Fでは、非伸縮性シート5に設けられた位置合わせマーク54の位置を、非伸縮性シート5が重なる第二アンテナ32の部位の位置に合わせる。このため、非伸縮性シート5を通して第二アンテナ32を視認できるように、非伸縮性シート5は透明であることが好ましい。
【0041】
次に、本実施形態の貼付型通信デバイス1E,1Fの製造方法について説明する。
貼付型通信デバイス1E,1Fの製造に際しては、はじめに図8図10に示すように、第一アンテナ31及びICチップ4が設けられた非伸縮性シート5、及び、第二アンテナ32が設けられた伸縮性シート2を用意するシート準備工程を実施する。シート準備工程では、伸縮性シート2又は非伸縮性シート5に、伸縮性シート2及び非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、第一アンテナ31と第二アンテナ32とを位置合わせするための位置合わせマーク24,54を設ける。位置合わせマーク24,54が、第一、第二アンテナ31,32と同様に導電性を有する配線によって構成される場合、位置合わせマーク24,54は第一、第二アンテナ31,32と同じ工程で形成されてよい。
【0042】
図8に示す第一例の貼付型通信デバイス1Eの製造方法では、シート準備工程において、位置合わせマーク24が、伸縮性シート2の第一主面2aに2つ形成される。また、2つの位置合わせマーク24は、それぞれ伸縮性シート2に重ねて配置される非伸縮性シート5の位置を示す形状(図示例ではL字状)に形成される。
図10に示す第二例の貼付型通信デバイス1Fの製造方法では、シート準備工程において、位置合わせマーク54が、非伸縮性シート5の反対面5bに2つ形成される。また、2つの位置合わせマーク54は、それぞれ非伸縮性シート5が重なる第二アンテナ32の位置を示す形状(図示例ではL字状)に形成される。
【0043】
次いで、図7図9に示すように、第一接着層6(図2参照)により非伸縮性シート5を伸縮性シート2の第一主面2aの一部に重ねて接着するシート接着工程を実施する。シート接着工程では、非伸縮性シート5を伸縮性シート2に接着することで、第一アンテナ31と第二アンテナ32とを電磁界結合させる、また、非伸縮性シート5を第二アンテナ32のうち第一アンテナ31と電磁界結合された部位に重ねる。さらに、シート接着工程では、位置合わせマーク24,54によって第一アンテナ31と第二アンテナ32とを位置合わせする。
【0044】
図7に示す第一例の貼付型通信デバイス1Eの製造方法では、シート接着工程において、非伸縮性シート5の2つの角部の位置を、伸縮性シート2に形成された2つの位置合わせマーク24にそれぞれ合わせるように、非伸縮性シート5を伸縮性シート2の第一主面2aに接着する。これにより、電磁界結合部位33を構成する第一アンテナ31及び第二アンテナ32の部位が位置合わせされる。
図9に示す第二例の貼付型通信デバイス1Fの製造方法では、シート接着工程において、第二アンテナ32のうち非伸縮性シート5が重なる2つの所定部位の位置を、非伸縮性シート5に形成された2つの位置合わせマーク54にそれぞれ合わせるように、非伸縮性シート5を伸縮性シート2の第一主面2aに接着する。これにより、電磁界結合部位33を構成する第一アンテナ31及び第二アンテナ32の部位が位置合わせされる。
【0045】
第二実施形態における貼付型通信デバイス1E,1Fの製造方法は、例えば、上記したシート接着工程を実施することで完了してもよいが、例えばシート接着工程の後に、伸縮性シート2の第二主面2bに第二接着層7(図2参照)を設ける工程を実施してもよい。なお、伸縮性シート2の第二主面2bに第二接着層7を設ける工程は、例えば伸縮性シート2を準備するシート準備工程において実施されてもよい。
【0046】
第二実施形態の貼付型通信デバイス1E,1F及び貼付型通信デバイス1E,1Fの製造方法によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態の貼付型通信デバイス1E,1F及び貼付型通信デバイス1E,1Fの製造方法によれば、伸縮性シート2に非伸縮性シート5を重ねて接着する際に、位置合わせマーク24,54によって第一、第二アンテナ31,32を位置合わせすることで、第一アンテナ31と第二アンテナ32とを好適に電磁界結合させることができる。したがって、無線通信性能が良好な貼付型通信デバイス1E,1Fを提供することができる。
【0047】
第二実施形態において、位置合わせマーク24,54は、例えば伸縮性シート2及び非伸縮性シート5の両方に設けられてもよい。
【0048】
第二実施形態においても、第一アンテナ31が非伸縮性シート5の反対面5bに設けられたり、第二アンテナ32が伸縮性シート2の第二主面2bに設けられたりしてもよい。
【0049】
<第三実施形態>
次に、図11図16を参照して本発明の第三実施形態について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0050】
図11図13に示すように、第三実施形態の貼付型通信デバイス1Gは、第一実施形態と同様の構成要素(伸縮性シート2、第一アンテナ31、第二アンテナ32、ICチップ4、非伸縮性シート5、第一接着層6、第二接着層7)に加え、センサ追加基板8と、第一接続端子11と、第二接続端子12と、をさらに備える。
【0051】
図14に示すように、センサ追加基板8には、センサ81及びセンサ制御部82が設けられている。また、本実施形態のセンサ追加基板8には、電源部83及び記憶部84も設けられている。
センサ81は、各種情報を取得する。各種情報には、例えば、体温、心拍、脳波などの生体情報、加速度の情報、ガスの情報などがある。すなわち、センサ81は、例えば体温センサ、心拍センサ、脳波センサなどの生体センサ、加速度センサ、ガスセンサなどであってよい。
電源部83は、センサ81及びセンサ制御部82に電力を供給する。記憶部84は、センサ81において取得した各種情報を記憶する。センサ制御部82は、主にセンサ81の動作を制御する。本実施形態において、センサ制御部82は、電源部83から電力を得ることでセンサ81を駆動する。また、センサ制御部82は、センサ81が取得した情報を記憶部84に記憶させる。
【0052】
記憶部84は、センサ制御部82を介して、非伸縮性シート5に設けられたICチップ4に接続される。なお、記憶部84は、例えばセンサ制御部82を介さずにICチップ4に接続されてもよい。
ICチップ4は、記憶部84に記憶された各種情報を参照し、当該各種情報を第一、第二アンテナ31,32を介して無線通信によって外部通信装置100(例えばRFIDリーダー)に送信する。当該ICチップ4の動作に要する電力は、例えば外部通信装置100からの電波に基づいて第一、第二アンテナ31,32が共振することで、ICチップ4において起電した電力によって賄われてよい。
【0053】
図11~13、図16に示すセンサ追加基板8は、伸縮性を有さない、あるいは、伸縮性シート2よりも伸縮し難い板状の部材である。センサ追加基板8は、第三接着層9を介して非伸縮性シート5の反対面5bに重ねて接着される。以下の説明では、非伸縮性シート5の反対面5bに対向するセンサ追加基板8の面を、対向面8aと呼ぶ。また、対向面5aと反対側に向くセンサ追加基板8の面を、反対面8bと呼ぶ。
【0054】
図16に示すように、前述したセンサ81及びセンサ制御部82、並びに第二接続端子12は、いずれもセンサ追加基板8の対向面8aに設けられ、接続配線85によって互いに接続されている。具体的には、第二接続端子12とセンサ81とを接続する接続配線85の途中に、センサ制御部82が位置している。なお、図12図13図16においては、電源部83及び記憶部84の記載が省略されているが、これら電源部83及び記憶部84は、センサ追加基板8のうちセンサ81及びセンサ制御部82と同じ面(すなわちセンサ追加基板8の対向面8a)に設けられてよい。
センサ追加基板8に設けられるセンサ81、センサ制御部82、第二接続端子12、接続配線85、電源部83、記憶部84は、センサ追加基板8の回路を構成している。
【0055】
図15に示すように、第一接続端子11は、非伸縮性シート5に設けられており、接続配線55によってICチップ4に接続されている。第一接続端子11は、センサ追加基板8の第二接続端子12に接続されることで、ICチップ4をセンサ追加基板8の回路に接続する。本実施形態において、ICチップ4及び接続配線55は非伸縮性シート5の対向面5aに設けられている。このため、図13に示すように、第一接続端子11は、非伸縮性シート5の対向面5aから反対面5bまで貫通している。
【0056】
センサ追加基板8が非伸縮性シート5に重ねて接着されることで、非伸縮性シート5の第一接続端子11とセンサ追加基板8の第二接続端子12とが接続される。これにより、センサ追加基板8の回路(特にセンサ制御部82)が、非伸縮性シート5のICチップ4と接続される。
【0057】
図12に示すように、センサ追加基板8を非伸縮性シート5に重ねて接着した状態において、センサ追加基板8の回路(センサ81、センサ制御部82、第二接続端子12、接続配線85、電源部83、記憶部84を含む回路)は、非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、ループアンテナである第一アンテナ31と重ならない。具体的に、センサ追加基板8のセンサ81、センサ制御部82、第二接続端子12及び接続配線85は、非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、第一アンテナ31の内側に位置する。
【0058】
第三実施形態の貼付型通信デバイス1Gによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第三実施形態の貼付型通信デバイス1Gでは、第一アンテナ31及びICチップ4を設けた非伸縮性シート5を、第二アンテナ32を設けた伸縮性シート2に重ねてなるユニットに対し、所望のセンサ81を有するセンサ追加基板8を取り付けるだけで、センサ81を備えた貼付型通信デバイス1Gを簡単に製造することができる。
【0059】
また、センサ81が非伸縮性シート5ではなくセンサ追加基板8に設けられることで、センサ81の種類が異なる様々な貼付型通信デバイス1Gを安価に製造することができる。以下、この点について説明する。
例えば、第一アンテナ31及びICチップ4に加えてセンサ81も非伸縮性シート5に設ける場合には、センサ81の種類毎に第一アンテナ31及びICチップ4の配置を適宜設定した非伸縮性シート5を製造する必要がある。このため、これら第一アンテナ31、ICチップ4、センサ81を含む非伸縮性シート5は高価となる。
これに対し、センサ81が非伸縮性シート5とは別のセンサ追加基板8に設けられる場合には、センサ81の種類に関わらず、また、センサ81の設置の要否に関わらず、第一アンテナ31及びICチップ4を設けた非伸縮性シート5を一種類だけ用意すればよい。このため、第一アンテナ31、ICチップ4を含む非伸縮性シート5を安価に製造できる。その結果として、貼付型通信デバイス1Gを安価に製造することができる。
【0060】
また、第三実施形態の貼付型通信デバイス1Gにおいて、センサ追加基板8に設けられた回路(少なくともセンサ81、センサ制御部82、第二接続端子12及び接続配線85を含む回路)は、非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、ループアンテナである第一アンテナ31と重ならない。このため、センサ追加基板8の回路が、第一、第二アンテナ31,32の電磁界結合に与える影響を低減できる。したがって、センサ追加基板8の回路に起因する貼付型通信デバイス1Gの無線通信性能の低下を抑制することができる。
【0061】
第三実施形態において、センサ81などを含むセンサ追加基板8の回路は、例えば図17に示すように、主にセンサ追加基板8の反対面8bに設けられてもよい。この場合、第二接続端子12は、非伸縮性シート5の第一接続端子11と接続できるように、センサ追加基板8の反対面8bから対向面5aまで貫通するとよい。
なお、図17に例示する貼付型通信デバイス1Hでは、第一アンテナ31及びICチップ4が非伸縮性シート5の反対面5bに設けられている。この場合、第一接続端子11は、非伸縮性シート5を貫通せず、単に伸縮性シート2の反対面5bに設けられるだけでよい。
【0062】
第三実施形態において、センサ追加基板8は、例えば電源部83を有さなくてもよい。この場合、センサ81やセンサ制御部82の動作に要する電力は、例えば外部通信装置100からの電波に基づいて第一、第二アンテナ31,32が共振することで、ICチップ4において起電した電力によって賄われてよい。
また、センサ追加基板8は、例えば記憶部84を有さなくてもよい。この場合には、第一、第二アンテナ31,32と外部通信装置100との間で無線通信が行われる際に、センサ81が各種情報を取得し、取得した情報を外部通信装置100に送信すればよい。
【0063】
第三実施形態の貼付型通信デバイス1G,1Hには、例えば第二実施形態の位置合わせマーク24,54が適用されてもよい。
【0064】
<第四実施形態>
次に、図18図21を参照して本発明の第四実施形態について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0065】
図18図19に示すように、第四実施形態の貼付型通信デバイス1Iは、第三実施形態と同様の構成要素(伸縮性シート2、第一アンテナ31、第二アンテナ32、ICチップ4、非伸縮性シート5、第一接着層6、第二接着層7、センサ追加基板8、第一接続端子11、第二接続端子12)を備える。また、センサ追加基板8には、センサ追加基板8の回路を構成するセンサ81、センサ制御部82及び接続配線85が設けられている。なお、図示しないが、センサ追加基板8の回路には、第三実施形態と同様に、電源部83や記憶部84(図14参照)が含まれてもよい。
【0066】
図18に示すように、第四実施形態の貼付型通信デバイス1Iでは、第三実施形態と同様に、センサ追加基板8を非伸縮性シート5に重ねて接着した状態において、センサ追加基板8の回路(センサ81、センサ制御部82、第二接続端子12、接続配線85などを含む回路)は、非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、第一アンテナ31と重ならない。そして、第四実施形態では、センサ追加基板8の回路が、非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、ループアンテナである第一アンテナ31の外側に位置する。
【0067】
また、第四実施形態の貼付型通信デバイス1Iでは、図19図20に示すように、第一アンテナ31、ICチップ4及び接続配線55が、非伸縮性シート5の対向面5aに設けられている。また、図19図21に示すように、センサ81、センサ制御部82及び接続配線85が、センサ追加基板8の反対面8bに設けられている。このため、非伸縮性シート5の第一接続端子11が、非伸縮性シート5の対向面5aから反対面5bまで貫通している。また、センサ追加基板8の第二接続端子12が、センサ追加基板8の反対面8bから対向面8aまで貫通している。
【0068】
第四実施形態の貼付型通信デバイス1Iによれば、第三実施形態と同様の効果を奏する。
また、第四実施形態の貼付型通信デバイス1Iにおいて、センサ追加基板8に設けられた回路(少なくともセンサ81、センサ制御部82、第二接続端子12及び接続配線85を含む回路)は、非伸縮性シート5の厚さ方向から見て、ループアンテナである第一アンテナ31の外側に位置する。このため、センサ追加基板8の回路がループアンテナである第一アンテナ31の内側に位置する場合と比較して、当該センサ追加基板8の回路が第一、第二アンテナ31,32の電磁界結合に与える影響をより効果的に低減できる。したがって、センサ追加基板8の回路に起因する貼付型通信デバイス1Iの無線通信性能の低下を効果的に抑制することができる。
【0069】
第四実施形態の貼付型通信デバイス1Iには、例えば第二実施形態の位置合わせマーク24,54が適用されてもよい。
【0070】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
1,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I 貼付型通信デバイス
2 伸縮性シート
4 ICチップ
5 非伸縮性シート
8 センサ追加基板
11 第一接続端子
12 第二接続端子
24,54 位置合わせマーク
31 第一アンテナ
32 第二アンテナ
81 センサ
82 センサ制御部
85 接続配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21