(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085575
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】ワッシャ
(51)【国際特許分類】
F16B 43/00 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
F16B43/00 Z
F16B43/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200157
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000220033
【氏名又は名称】東京コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福永 太郎
【テーマコード(参考)】
3J034
【Fターム(参考)】
3J034AA20
3J034BA03
3J034BC02
(57)【要約】
【課題】被圧入部材からの抜け落ちを防止できるワッシャを提供すること。
【解決手段】被圧入部材の内部に圧入されるワッシャであって、摺動部材に接する本体部と、前記本体部の外周から幅方向外側に突出した突起部と、を有し、前記突起部は、前記ワッシャが前記被圧入部材内へ圧入された際に、圧入方向の反対方向へ向けて曲折し、前記被圧入部材の内周面に噛み込む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被圧入部材の内部に圧入されるワッシャであって、
摺動部材に接する本体部と、
前記本体部の外周から幅方向外側に突出した突起部と、を有し、
前記突起部は、
前記ワッシャが前記被圧入部材内へ圧入された際に、圧入方向の反対方向へ向けて曲折し、前記被圧入部材の内周面に噛み込む、
ワッシャ。
【請求項2】
前記突起部は、前記本体部の外周に沿って所定の間隔を空けて複数個設けられている、
請求項1に記載のワッシャ。
【請求項3】
前記突起部は、三角形状に形成されている、
請求項1に記載のワッシャ。
【請求項4】
前記突起部は、前記本体部よりも薄く形成されている、
請求項1に記載のワッシャ。
【請求項5】
前記突起部の根元に切り欠き部が設けられている、
請求項1に記載のワッシャ。
【請求項6】
前記ワッシャは、回転式可変抵抗器に設けられる、
請求項1に記載のワッシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、摺動部材に接する部材として、ワッシャが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、被圧入部材に圧入されたワッシャの抜け落ちを防ぐために、被圧入部材の内周面にリブを設ける方法が知られている。しかし、ワッシャの圧入方向とは反対の方向へ強い力が働いた場合、ワッシャが被圧入部材から抜け落ちてしまうことがあり、対策としては不十分であった。
【0005】
本開示の一態様の目的は、被圧入部材からの抜け落ちをより確実に防止することができるワッシャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るワッシャは、被圧入部材の内部に圧入されるワッシャであって、摺動部材に接する本体部と、前記本体部の外周から幅方向外側に突出した突起部と、を有し、前記突起部は、前記ワッシャが前記被圧入部材内へ圧入された際に、圧入方向の反対方向へ向けて曲折し、前記被圧入部材の内周面に噛み込む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、被圧入部材からの抜け落ちをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態に係る回転式可変抵抗器の構成を模式的に示す断面図
【
図2】本開示の実施の形態に係るカバーを部分的に示す斜視図
【
図3】本開示の実施の形態に係るワッシャの圧入前の状態を示す斜視図
【
図4】本開示の実施の形態に係るワッシャの圧入後の状態を示す斜視図
【
図5】本開示の変形例1に係るワッシャの圧入前の状態を示す斜視図
【
図6】本開示の変形例1に係るワッシャの圧入後の状態を示す斜視図
【
図7】本開示の変形例2に係るワッシャの圧入前の状態を示す斜視図
【
図8】本開示の変形例2に係るワッシャの圧入後の状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素には同一符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0010】
まず、
図1、
図2を用いて、本実施の形態の回転式可変抵抗器1の構成について説明する。
図1は、回転式可変抵抗器1の構成を模式的に示す断面図である。
図2は、カバー12を部分的に示す斜視図である。
【0011】
図1に示すように、回転式可変抵抗器1は、回転体10、軸受け11、カバー12、軸13、被圧入部14、およびワッシャ15を有する。
【0012】
軸受け11は、回転体10に固定されている。また、軸13は、カバー12に固定されている。
【0013】
図1、
図2に示すように、被圧入部14(被圧入部材の一例)は、円筒形状であり、軸13を取り囲むようにカバー12に設けられている。
【0014】
被圧入部14の内部には、
図1に示すように、ワッシャ15が圧入される。
図1、
図2に示す矢印Aは、ワッシャ15の圧入方向を示している。なお、
図1では、本実施の形態の特徴的な構成であるワッシャ15の突起部17(詳細は後述)の図示を省略している。
【0015】
ワッシャ15が圧入された後、被圧入部14には、
図1に示すように、軸受け11が挿入される。軸受け11(摺動部材の一例)は、ワッシャ15の一面(具体的には、後述する本体部16の一面)に接し、その面を摺動する。
【0016】
次に、
図3、
図4を用いて、本実施の形態のワッシャ15について説明する。
図3は、ワッシャ15の圧入前の状態を示す斜視図である。
図4は、ワッシャ15の圧入後の状態を示す斜視図である。
【0017】
図3、
図4に示すように、ワッシャ15は、板状の部材であり、本体部16と、突起部17とを有する。本体部16の厚みと突起部17の厚みは、同じである。
【0018】
本体部16は、円形であり、その中央部分には、軸13が挿通される円形の穴(符号略)が形成されている。
【0019】
本体部16は、被圧入部14に圧入されたときに、軸受け11と接する。
【0020】
突起部17は、三角形であり、本体部16の外周から径方向(幅方向の一例)の外側に突出して設けられている。
【0021】
また、突起部17は、本体部16の外周に沿って所定の間隔を空けて複数個(ここでは例として3つ)設けられている。
【0022】
突起部17は、ワッシャが被圧入部14内へ圧入された際に、
図4に示すように、圧入方向の反対方向(
図4に示す矢印Bの方向)へ向けて曲折する。また、曲折した突起部17は、被圧入部14の内周面に噛み込む。
【0023】
なお、本体部16の形状、突起部17の形状、および突起部17の個数は、
図3、
図4の図示に限定されない。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態のワッシャ15は、被圧入部14の内部に圧入されるワッシャであって、軸受け11に接する本体部16と、本体部16の外周から径方向外側に突出した突起部17と、を有し、突起部17は、ワッシャ15が被圧入部14内へ圧入された際に、圧入方向の反対方向(
図4に示した矢印Bの方向)へ向けて曲折し、被圧入部14の内周面に噛み込むことを特徴とする。
【0025】
この特徴により、ワッシャ15に対して圧入方向の反対方向への力が作用したとしても、被圧入部14からの抜け落ちをより確実に防止することができる。
【0026】
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0027】
[変形例1]
実施の形態では、本体部16の厚みと突起部17の厚みが同じである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。突起部17の厚みと本体部16の厚みとが異なる例について、
図5、
図6を用いて説明する。
図5は、ワッシャ15の圧入前の状態を示す斜視図である。
図6は、ワッシャ15の圧入後の状態を示す斜視図である。
【0028】
図5、
図6に示すように、突起部17の厚みaは、本体部16の厚みbよりも薄い。このように、突起部17を本体部16よりも薄く形成することにより、ワッシャ15の圧入時において突起部17がより曲折し易くなる。
【0029】
[変形例2]
変形例1では、突起部17を本体部16よりも薄くする場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。ワッシャ15の圧入時に突起部17をより曲折し易くする例について、
図7、
図8を用いて説明する。
図7は、ワッシャ15の圧入前の状態を示す斜視図である。
図8は、ワッシャ15の圧入後の状態を示す斜視図である。
【0030】
図7、
図8に示すように、突起部17の根元に(換言すると、本体部16における突起部17との隣接部分に)、湾曲形状の切り欠き部18が設けられている。このように、切り欠き部18を設けることにより、ワッシャ15の圧入時において突起部17がより曲折し易くなる。
【0031】
なお、切り欠き部18の形状、大きさ、および個数は、
図7、
図8の図示に限定されない。
【0032】
[変形例3]
実施の形態では、ワッシャ15が回転式可変抵抗器1に用いられる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、その他の装置、機器、器具等に用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本開示のワッシャは、被圧入部材に圧入されるワッシャに有用である。
【符号の説明】
【0034】
1 回転式可変抵抗器
10 回転体
11 軸受け
12 カバー
13 軸
14 被圧入部
15 ワッシャ
16 本体部
17 突起部
18 切り欠き部