(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085578
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】車両用システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20240620BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20240620BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
B60Q1/04 Z
B60J5/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200160
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤本 和宏
(72)【発明者】
【氏名】脇田 祥太
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA32
3K339AA34
3K339BA01
3K339BA02
3K339CA01
3K339CA22
3K339CA24
3K339CA25
3K339GB01
3K339GB21
3K339KA01
3K339KA09
3K339KA28
3K339KA39
3K339LA06
3K339LA33
3K339LA34
3K339MA02
3K339MB04
3K339MB05
3K339MC01
3K339MC02
3K339MC12
3K339MC15
3K339MC27
3K339MC36
3K339MC48
3K339MC49
3K339MC50
3K339MC68
3K339MC74
3K339MC77
3K339MC90
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両周辺の状況に応じてより多様な態様で車両用ランプ等を制御することが可能な車両用システムを提供する。
【解決手段】自車両に搭載された灯具及び装備の動作を制御する車両用システム1であって、コントローラ10と、コントローラ10に接続されたカメラ11a、11bと、を含み、コントローラ10は、予め登録した地点に対応する所定場所において自車両が停車中である場合において、カメラ11a、11bによって撮影された画像に基づいて歩行者の有無を検出し、当該歩行者が存在する場合に灯具の1つであるロービームランプ31を点灯させる制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載された灯具及び装備の動作を制御する車両用システムであって、
コントローラと、
前記コントローラに接続されたカメラと
を含み、
前記コントローラは、予め登録した地点に対応する所定場所において自車両が停車中である場合において、前記カメラによって撮影された画像に基づいて歩行者の有無を検出し、当該歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるロービームランプを点灯させる制御を行う、
車両用システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記歩行者と前記自車両との相対距離が所定の閾値以下の場合には前記装備の1つであるエアコンをオンにし、当該相対距離が前記閾値より大きい場合又は前記歩行者が存在しない場合には前記エアコンをオフにする制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記歩行者と前記自車両との相対距離が所定の閾値以下であって当該歩行者の接近時には前記自車両のドアであって予め登録されているドアを開ける制御を行い、前記歩行者が遠ざかっている場合又は前記相対距離が前記閾値より大きい場合には前記ドアの閉状態を維持する制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるテールランプを減光させる制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記歩行者が存在しない場合に前記ロービームランプを消灯させる制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記自車両に搭乗者が存在する場合において前記制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記カメラによって撮影された画像に基づいて検出された前記歩行者が予め登録された関係者である場合において前記制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項8】
前記コントローラは、予め登録した場所において自車両が停車中である場合であって、前記自車両に搭乗者が存在せず、かつ前記歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるロービームランプをフラッシュ点灯させる制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態である場合において、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
請求項1に記載の車両用システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態ではない場合において、当該自車両と対向車との相対距離に変化がない場合に、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
請求項9に記載の車両用システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態ではない場合において、当該自車両と先行者との相対距離に変化がない場合に、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
請求項9に記載の車両用システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態ではない場合において、当該自車両の前方に横断者が存在する場合に、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
請求項9に記載の車両用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平10-16637号公報(特許文献1)には、日射センサの電圧信号が第1のしきい値より小さい場合にヘッドランプを点灯させ、当該電圧信号が第2のしきい値より大きい場合にヘッドランプを消灯させるオートライト制御装置が記載されている。このオートライト制御装置によれば、運転者の操作によらず、周囲が暗くなった状態ではヘッドランプが点灯して周囲が明るくなった状態ではヘッドランプが消灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る具体的態様は、車両周辺の状況に応じてより多様な態様で車両用ランプ等の動作を制御可能とする技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る一態様の車両用システムは、自車両に搭載された灯具及び装備の動作を制御する車両用システムであって、コントローラと、前記コントローラに接続されたカメラと、を含み、前記コントローラは、予め登録した地点に対応する所定場所において自車両が停車中である場合において、前記カメラによって撮影された画像に基づいて歩行者の有無を検出し、当該歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるロービームランプを点灯させる制御を行う、車両用システムである。
【0006】
上記構成によれば、車両周辺の状況に応じてより多様な態様で車両用ランプ等の動作を制御可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態の車両用システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、送迎モードに用いる地点登録処理並びにその後の送迎モードの実行要否を決定する際の動作手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、登録された地点の位置データと現時点の位置データの関係を説明するための図である。
【
図4】
図4は、送迎モードがオンになった際の動作手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、送迎モードがオンになった際の動作手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、自車両と歩行者との相対的な位置関係に説明するための図である。
【
図7】
図7は、送迎モードに対応する各種制御の具体例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、停車中モードを実行する際の動作手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、停車中モードを実行する際の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一実施形態の車両用システムの構成を示す図である。本実施形態の車両用システム1は、コントローラ10、カメラ11a、11b、メモリ12、ナビゲーション装置20、車両ECU(Electronic Control Unit)21、ポジションランプ30、ロービームランプ31、ハイビームランプ32、テールランプ33、エアコン34、ドアユニット35、電子パーキングブレーキ36を含んで構成されている。
【0009】
コントローラ10は、車両用システム1の全体動作を制御するものであり、例えばプロセッサやメモリ等を備えるコンピュータシステムにおいてプロセッサに所定の動作プログラムを実行させることによって実現される。
【0010】
カメラ11aは、車両に設置されており、車両前方を撮影して画像データ(映像データ)をコントローラ10へ出力する。なお、カメラ11aには、車両前方の他車両、歩行者、車線、信号機といった各対象物を画像認識処理によって検出してコントローラ10へ出力できる機能が備わっていてもよい。
【0011】
カメラ11bは、車両に設置されており、車両内部を撮影して画像データ(映像データ)をコントローラ10へ出力する。なお、カメラ11bには、車両内部の人間の顔を画像認識処理によって検出してコントローラ10へ出力できる機能が備わっていてもよい。
【0012】
メモリ12は、コントローラ10と接続されており、コントローラ10における情報処理に用いられる各種データを記憶する。
【0013】
コントローラ10によって実現される機能を分かりやすくするために機能ブロックを用いて説明する。本実施形態のコントローラ10は、送迎モード処理部13、停車中モード処理部14、ランプ制御部15、車両装備制御部16を有している。
【0014】
送迎モード処理部13は、車両用システム1の搭載された車両がユーザの送迎に利用されていると推定される状況であるかどうかを判断し、当該判断の結果に応じてポジションランプ30、ロービームランプ31、ハイビームランプ32、テールランプ33、エアコン34、ドアユニット35、電子パーキングブレーキ36のそれぞれをどのように動作させるかを決定する。決定した内容(処理結果)はランプ制御部15及び車両装備制御部16へ出力される。
【0015】
停車中モード処理部14は、車両用システム1の搭載された車両が交差点等での信号待ちや渋滞などによって停車中と推定される状況であるかどうかを判断し、当該判断の結果に応じてポジションランプ30、ロービームランプ31、ハイビームランプ32、テールランプ33、エアコン34、ドアユニット35、電子パーキングブレーキ36のそれぞれをどのように動作させるかを決定する。決定した内容(処理結果)はランプ制御部15及び車両装備制御部16へ出力される。
【0016】
ランプ制御部15は、送迎モード処理部13又は停車中モード処理部14の処理結果に応じて、ポジションランプ30、ロービームランプ31、ハイビームランプ32及びテールランプ33のそれぞれの動作を制御するための信号を生成し、各ランプ30~33へ出力する。
【0017】
車両装備制御部16は、送迎モード処理部13又は停車中モード処理部14の処理結果に応じて、エアコン34、ドアユニット35、電子パーキングブレーキ36などの車両装備の動作を制御するための信号を生成し、車両ECU21へ出力する。
【0018】
ナビゲーション装置20は、車両の現在位置を検出するためのGPSセンサを備えており、車両の現在位置に対応した地図をディスプレイの画面上に表示し、あるいは現在位置からユーザによって指定された場所までの経路を算出して当該経路の案内を行うものである。コントローラ10は、GPSセンサによって検出される現在位置をこのナビゲーション装置20から取得する。
【0019】
車両ECU21は、車両に備わったエアコン34、ドアユニット35などの車両装備の動作を制御する。この車両ECU21は、コントローラ10と相互にデータ通信可能に接続されている。コントローラ10の車両装備制御部16から所定の信号を受信した車両ECU21は、当該信号に応じてエアコン34、ドアユニット35、電子パーキングブレーキ36の動作を制御するための信号を生成してこれらエアコン34等へ出力する。
【0020】
ポジションランプ30は、灯具の1つであって車両の前部の左端側及び右端側に配置されており、図示しないランプスイッチの操作状態に応じて点消灯する。また、ポジションランプ30は、コントローラ10の制御に応じて点消灯する。
【0021】
ロービームランプ31は、灯具の1つであって車両の前部に配置されており、図示しないランプスイッチの操作状態に応じて点消灯する。ロービームランプ31は、コントローラ10の制御に応じて点消灯する。ロービームランプ31によって照射されるロービームとは、一般にすれ違い用ビームと呼ばれるものであり、車両前方の車両から相対的に近い範囲を照射する光である。
【0022】
ハイビームランプ32は、灯具の1つであって車両の前部に配置されており、図示しないランプスイッチの操作状態に応じて点消灯する。ハイビームランプ32は、コントローラ10の制御に応じて点消灯する。ハイビームランプ32によって照射されるハイビームとは、一般に走行用ビームと呼ばれるものであり、ロービームに比較して、車両前方の車両から相対的に遠い範囲を照射する光である。なお、ハイビームランプ32は、その照射範囲において前方車両等の位置に応じて減光範囲(ないし遮光範囲)を可変に制御できる可変配光型のランプであってもよい。
【0023】
テールランプ33は、灯具の1つであって車両の後部の左端側及び右端側に配置されており、図示しないランプスイッチの操作状態に応じて点消灯する。テールランプ33は、コントローラ10の制御に応じて点消灯する。
【0024】
エアコン34は、車両室内の温度を調整するためのものであり、図示しないスイッチの操作状態に応じて車両ECU21によって制御されて、車両内にいくつか設置された吹き出し口から温風や冷風を送出する。
【0025】
ドアユニット35は、車両の各ドアに設置されており、それらのドアの自動的な開閉動作を行うためのものである。ドアユニット35は、車両ECU21の制御によって動作するものであり、ドアを作動させるためのアクチュエータを含んで構成されている。
【0026】
電子パーキングブレーキ36は、車両ECU21による電子制御によって作動可能なパーキングブレーキである。
【0027】
図2は、送迎モードに用いる地点登録処理並びにその後の送迎モードの実行要否を決定する際の動作手順を示すフローチャートである。この動作手順は、主にコントローラ10の送迎モード処理部13によって実行される。なお、情報処理結果に矛盾や不整合を生じない限りにおいて、図示した各処理の順番の入れ替えや他の処理の追加を行ってもよい。
【0028】
自車両が停止中であり(ステップS11;YES)、かつ、ロービームランプ(LB)31がオン状態からオフ状態へ切り替えられた場合に(ステップS12;YES)、送迎モード処理部13は、同一場所と推定される場所における停止回数が所定回数n(n<1)より大きければ(ステップS13;YES)、その場所に対応する地点データをメモリ12に登録(記録)する(ステップS14)。また、送迎モード処理部13は、送迎モードをオンにする(ステップS15)。送迎モード時の動作については後述する。
【0029】
なお、自車両が停車中であるかどうかの判断については、例えば図示しない車速センサや車輪速センサの検出結果のデータを車両ECU21から取得し、そのデータを元にして、例えば車速が0あるいは車輪速が0である場合に停車中と判断することができる。また、車両のシフトレバーのポジションを示すデータを車両ECU21から取得し、特定のポジション(例えば、パーキングポジション)である場合に停車中と判断することができる。また、ロービームランプ31の状態については、例えばランプスイッチの操作状態を示すデータを車両ECU21から取得することで判断できる。
【0030】
送迎モード処理部13は、同一場所と推定される場所における停止回数が所定回数以下の場合には(ステップS13;NO)、停止回数を示すデータを1回分増加させてメモリ12に記録する(ステップS16)。また、この場合に送迎モード処理部13は、送迎モードをオフにする(ステップS17)。その後、ステップS11へ戻る。
【0031】
他方、ロービームランプ31がオン状態からオフ状態へ切り替えられていない場合であって(ステップS12;NO)、ロービームランプ31がオン状態である場合に(ステップS18;YES)、送迎モード処理部13は、自車両の現在位置が登録された地点に対応する所定場所であれば(ステップS19;YES)、送迎モードをオンにする(ステップS20)。その後、ステップS11へ戻る。
【0032】
自車両の現在位置が登録された地点に対応する所定場所ではない場合には(ステップS19;NO)、送迎モード処理部13は、送迎モードをオフにする(ステップS21)。その後、ステップS11へ戻る。また、ロービームランプ31がオン状態ではない場合にも(ステップS18;NO)、送迎モード処理部13は、送迎モードをオフにする(ステップS22)。その後、ステップS11へ戻る。
【0033】
ここで、自車両の現在位置が登録された地点に対応する場所と同一の場所と推定できるかどうかの判断についてはナビゲーション装置20から取得される位置データに基づいて行うことができる。その際、登録されている地点と現時点の位置データが厳密に同一である場合だけではなく、ある程度の幅を持たせて判断することが好ましい。
図3に示すように、登録された地点の位置データを(X,Y)とし、現時点(ステップS19の実行時)においてナビゲーション装置20から取得されている位置データを(X’,Y’)とする。このとき、簡易的には、例えば(X-X’)が所定基準値X
thよりも大きい場合や(Y-Y’)が所定基準値Y
thよりも大きい場合には自車両の現在位置が登録された地点に対応する場所ではないと判断し、(X-X’)が所定基準値X
th以下の場合や(Y-Y’)が所定基準値Y
th以下には、自車両の現在位置が登録された地点に対応する場所であると判断することができる。また、((X-X’)
2+(Y-Y’)
2)の値が(X
th
2+Y
th
2)の値よりも大きい場合には自車両の現在位置が登録された地点に対応する場所ではないと判断し、((X-X’)
2+(Y-Y’)
2)の値が(X
th
2+Y
th
2)の値以下の場合には自車両の現在位置が登録された地点に対応する場所であると判断することもできる。上記した基準値X
th、Y
thは適宜設定することが可能であり、例えば絶対値で3m~10mの範囲で設定することが好ましい。
【0034】
他方、自車両が停止中ではない場合において(ステップS11;NO)、車両がクリープ走行中である場合には(ステップS23;YES)、送迎モード処理部13は、送迎モードの切り替えを行うことなく以前の状態を維持する。この場合、ステップS11へ戻る。また、車両がクリープ走行中ではない場合、すなわち走行中である場合には(ステップS23;NO)、送迎モード処理部13は、送迎モードをオフにする(ステップS24)。この場合も、ステップS11へ戻る。
【0035】
なお、車両がクリープ走行中であるかどうかの判断については、例えば図示しない車速センサの検出結果のデータを車両ECU21から取得し、そのデータを元にして、例えば車速が0より大きく所定基準値(例えば時速2km)より小さい場合にクリープ走行中と判断することができる。所定基準値については、車速センサ等で検出できる範囲での最低速度とすることが好ましい。
【0036】
図4及び
図5は、送迎モードがオンになった際の動作手順を示すフローチャートである。この動作手順は、主にコントローラ10の送迎モード処理部13によって実行される。なお、情報処理結果に矛盾や不整合を生じない限りにおいて、図示した各処理の順番の入れ替えや他の処理の追加を行ってもよい。
【0037】
送迎モード処理部13は、自車両の近辺に存在する歩行者(例えば最近接の歩行者)の所定時間での移動距離が基準値Aより大きい場合には(ステップS50;YES)、パラメータの1つである「接近時間」を0に設定し(ステップS51)、同じくパラメータの1つである「離隔時間(遠ざかり時間)」を0に設定し(ステップS52)、同じくパラメータの1つである「保留時間」を0に設定する(ステップS53)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。この場合、送迎モード処理部13は、送迎モードの実行を行わず待機とする(ステップS54)。その後、ステップS50に戻る。
【0038】
ここで、ステップS50における移動距離については、例えば
図6に示すように自車両100と歩行者101との相対的な位置関係に基づいて求めることができる。具体的には、自車両100の前後方向の中心線をcとし、カメラ11aによって撮影される歩行者101が中心線cを基準として角度θの位置に存在し、かつ歩行者101と自車両100との相対的な距離がαであるとする。距離、角度については、例えばカメラ11aによって撮影される画像に用いた画像処理によって得られる。距離の現在値をα、角度の現在値をθ、距離の前回値をα’、角度の前回値をθ’とする。前回値とは、前回の処理機会において得られた値である。このとき、移動距離は以下のように求めることができる。
移動距離=√{(αcosθ-α’cosθ’)
2+(αsinθ-α’sinθ’)
2}
【0039】
そして、ステップS50における基準値Aは、データ異常を検出し得る値に設定される。すなわち、基準値Aは、仮に同じ歩行者であるとすれば移動速度が速すぎると考えられる値(例えば、時速5km以上に相当する値)に設定される。移動距離が基準値Aよりも大きい場合には、カメラ11aによって得られる画像データに基づいて検出される歩行者がある人から別の人に切り替わったと推定できる。
【0040】
また、移動距離が基準値A以下である場合において(ステップS50;NO)、歩行者101との相対距離αが所定の基準値よりも大きい場合には(ステップ55;YES)、送迎モード処理部13は、パラメータの「接近時間」を0に設定し(ステップS56)、同じくパラメータの「離隔時間」を0に設定し(ステップS57)、同じくパラメータの「保留時間」を0に設定するとともに(ステップS58)、送迎モードの実行を行わず待機とする(ステップS59)。その後、ステップS50に戻る。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。ここでの処理は、歩行者との相対距離が基準値より大きい場合、すなわち遠すぎる場合には送迎モードが実行されないようにするための処理である。
【0041】
歩行者101との相対距離αが基準値以下である場合において(ステップS55;NO)、この相対距離αが前回値α’と所定値Bの和(α’+B)よりも小さい場合において(ステップS60;YES)、送迎モード処理部13は、パラメータの「接近時間」が0より大きく(ステップS61;YES)、かつ、パラメータの「接近時間」が所定値Cよりも大きい場合には(ステップS62;YES)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS63)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。
【0042】
ここで、所定値Bは、カメラ11aの精度(フレームレート等)に応じて設定されるものであり、例えば10ms毎に検出可能な距離に設定される。また、所定値Cは、歩行者101が自車両100に接近中であることを推定し得る時間として設定されるものであり、例えば2~10秒間に設定することができる。
【0043】
パラメータの「接近時間」が所定値Cよりも大きい場合、すなわち歩行者101が接近中である場合には、送迎モード処理部13は、送迎モードに対応する各種制御を行う(ステップS64)。その後、ステップS50に戻る。
【0044】
パラメータの「接近時間」が所定値C以下の場合には(ステップS62;NO)、送迎モード処理部13は、パラメータの「接近時間」の値を増加させるとともに(ステップS65)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS66)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。その後、ステップS50に戻る。
【0045】
また、パラメータの「接近時間」が0以下である場合に(ステップS61;NO)、送迎モード処理部13は、パラメータの「離隔時間」を0に設定し(ステップS67)、パラメータの「接近時間」の値を増加させるとともに(ステップS68)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS69)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。その後、ステップS50に戻る。
【0046】
歩行者101との相対距離αが前回値α’と所定値Bの和(α’+B)より小さくない場合であって(ステップS60;NO)、当該(α’+B)が相対距離αよりも大きい場合に(ステップS70;YES)、送迎モード処理部13は、パラメータの「離隔時間」が0より大きく(ステップS71;YES)、かつ、パラメータの「離隔時間」が所定値Dよりも大きい場合には(ステップS72;YES)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS73)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。
【0047】
ここで、所定値Dは、歩行者101が自車両100から離隔中であることを推定し得る時間として設定されるものであり、例えば2~10秒間に設定することができる。
【0048】
パラメータの「離隔時間」が所定値Dよりも大きい場合、すなわち歩行者101が離隔中である場合には、送迎モード処理部13は、送迎モードに対応する各種制御を行う(ステップS74)。具体的な制御内容については後述する。その後、ステップS50に戻る。
【0049】
パラメータの「離隔時間」が所定値D以下の場合に(ステップS72;NO)、送迎モード処理部13は、パラメータの「離隔時間」の値を増加させるとともに(ステップS75)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS76)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。その後、ステップS50に戻る。
【0050】
また、パラメータの「離隔時間」が0以下である場合に(ステップS71;NO)、送迎モード処理部13は、パラメータの「接近時間」を0に設定し(ステップS77)、パラメータの「離隔時間」の値を増加させるとともに(ステップS78)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS79)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。その後、ステップS50に戻る。
【0051】
他方で、歩行者101との相対距離αが前回値α’と所定値Bの和(α’+B)より小さくない場合であって(ステップS60;NO)、当該(α’+B)が相対距離αより大きくもない場合には(ステップS70;NO)、歩行者101が立ち止まっている場合などの状況と推定される。この場合に、送迎モード処理部13は、パラメータの「保留時間」が所定値Eより大きい場合であれば(ステップS80;YES)、パラメータの「離隔時間」を0に設定し(ステップS81)、パラメータの「接近時間」を0の設定し(ステップS82)、パラメータの「保留時間」を0に設定する(ステップS83)。各パラメータは、送迎モード処理部13によってメモリ12に記録される。また、送迎モード処理部13は、送迎モードをオフとする(ステップS84)。その後、ステップS50に戻る。
【0052】
なお、
図2に示した全体動作と
図4及び
図5に示した送迎モード時の動作との関係については全体動作のほうが優先するものとする。すなわち、例えば
図2に示すステップS15等において送迎モードがオンとなって
図4等に示す送迎モード時の動作に移行したとしても、全体動作は継続し、例えばステップS11にて車両が停止状態ではなくなった場合やステップS18においてロービームがオフであった場合などには、
図4等に示す動作に割り込み処理がなされ、送迎モードがオフとなる。
【0053】
図7は、送迎モードに対応する各種制御の具体例を説明するための図である。ここに示す各種制御は、送迎モード処理部13によって行われる。図示のように、搭乗者の有無やエンジンの作動状態(オン/オフ)といった車両状態に応じて制御態様を変えることが好ましい。搭乗者の有無は、図示しない着座センサなどの検出結果を車両ECU21から取得することで判断できる。エンジンの作動状態は、車両ECU21から取得することで判断できる。
【0054】
まず、搭乗者が有り、かつエンジンがオン状態である場合について説明する。
この場合において、車両へ搭乗しようと接近している者又は降車して遠ざかろうとしている者である歩行者101(
図6参照)の存在が検出されている場合において、その相対距離αが所定の閾値以下である場合には、送迎モード処理部13は、ポジションランプ30をオン(点灯)、ロービームランプ31をオン(点灯)、ハイビームランプ32をオフ(消灯)、テールランプ33をオン(ただし減光にて点灯)に制御する。具体的には、送迎モード処理部13から指令を受けたランプ制御部15によってロービームランプ31等が制御される(以下においても同様)。
【0055】
また、このランプ制御と協調する制御として、送迎モード処理部13は、歩行者101が接近している場合においてエアコン34をオン(作動)に制御するとともに、ドアユニット35を作動させてドアを開くように制御する。このときの開くドアについては予めユーザによって登録されていることが好ましい。具体的には、停車中モード処理部14から指令を受けた車両装備制御部16によって車両ECU21を介してエアコン34及びドアユニット35の制御が行われる(以下においても同様)。
【0056】
他方、車両へ搭乗しようと接近している者又は降車して遠ざかろうとしている者である歩行者101(
図6参照)の存在が検出されている場合において、その相対距離αが所定の閾値より大きい場合には、送迎モード処理部13は、ポジションランプ30をオン(点灯)、ロービームランプ31をオン(点灯)、ハイビームランプ32をオフ(消灯)、テールランプ33をオン(ただし減光にて点灯)に制御する。また、送迎モード処理部13は、エアコン34をオフ(非作動)に制御するとともに、ドアユニット35については状態を保持するように制御する。
【0057】
他方、車両へ搭乗しようと接近している者又は降車して遠ざかろうとしている者である歩行者101(
図6参照)の存在が検出されていない場合には、送迎モード処理部13は、ポジションランプ30をオン(点灯)、ロービームランプ31をオフ(消灯)、ハイビームランプ32をオフ(消灯)、テールランプ33をオン(ただし減光にて点灯)に制御する。また、送迎モード処理部13は、エアコン34をオフ(非作動)に制御するとともに、ドアユニット35については状態を保持するように制御する。
【0058】
次に、搭乗者がない場合あるいはエンジンがオフ状態である場合について説明する。
この場合において、車両へ搭乗しようと接近している者又は降車して遠ざかろうとしている者である歩行者101(
図6参照)の存在が検出されている場合において、その相対距離αが閾値以下である場合には、送迎モード処理部13は、ポジションランプ30をオン(点灯)、ロービームランプ31をオン(点灯、点滅あるいは一時的点灯であるフラッシュ点灯)、ハイビームランプ32をオフ(消灯)、テールランプ33をオン(最大光度にて点灯)に制御する。また、送迎モード処理部13は、エアコン34をオフ(非作動)に制御するとともに、ドアユニット35については閉状態を保持するように制御する。
【0059】
他方、車両へ搭乗しようと接近している者又は降車して遠ざかろうとしている者である歩行者101(
図6参照)の存在が検出されている場合において、その相対距離αが閾値より大きい場合には、送迎モード処理部13は、ポジションランプ30をオフ(消灯)、ロービームランプ31をオフ(消灯)、ハイビームランプ32をオフ(消灯)、テールランプ33をオフ(消灯)に制御する。また、送迎モード処理部13は、エアコン34をオフ(非作動)に制御するとともに、ドアユニット35については状態を保持するように制御する。
【0060】
図8及び
図9は、停車中モードを実行する際の動作手順を示すフローチャートである。この動作手順は、主にコントローラ10の停車中モード処理部14によって実行される。なお、情報処理結果に矛盾や不整合を生じない限りにおいて、図示した各処理の順番の入れ替えや他の処理の追加を行ってもよい。
【0061】
自車両が走行中である場合には(ステップS100;YES)、停車中モード処理部14は、停車中モードを実行しない。なお、自車両が走行中であるか停車中であるかの判断については上記した送迎モードの場合と同様に行うことができる。この場合、停車中モード処理部14は、パラメータである「確定待ち時間」を0に設定する(ステップS101)。パラメータは、停車中モード処理部14によってメモリ12に記録される。この「確定待ち時間」を0にする処理は、後述するステップS103等での確定待ち処理において経時される確定待ち時間をリセットすることを意味している。
【0062】
自車両が走行中ではない場合、すなわち停車中である場合に(ステップS100;NO)、停車中モード処理部14は、カメラ11aから得られる画像データに基づいて画像処理を行って信号機の指示する色を特定し、この色が赤色(停止を意味する色)である場合には(ステップS102;YES)、停車中モード処理部14は、所定の確定待ち処理ルーチンを実行する(ステップS103)。確定待ち処理とは、確定待ち時間を増加させる処理である。
【0063】
確定待ち時間が所定時間(例えば3秒間)を経過した場合には、停車中モード処理部14は、停車中モードをオンにする(ステップS104)。停車中モードの処理内容については後述する。他方、ステップS103の確定待ち処理において所定時間が経過する以前に信号機の指示する色が赤色から他の色に変化した場合には、停車中モードへ移行せずにステップS100へ戻る。
【0064】
信号機の指示する色が赤色ではない場合において(ステップS102;NO)、停車中モード処理部14は、カメラ11aから得られる画像データに基づいて画像処理を行って対向車の有無や相対距離を特定する。相対距離が前回値から変化していない場合には(ステップS105;YES)、停車中モード処理部14は、カメラ11aから得られる画像データに基づいて画像処理を行って路面幅や対向車の位置を特定し、路面幅が基準値以上であり(ステップS106;YES)、かつ、対向車が対向車線に存在する場合に(ステップS107;YES)には、所定の確定待ち処理ルーチンを実行する(ステップS108)。なお、相対距離の前回値については、初期値は例えば0に設定されており、その後は前回値がメモリ12に記憶されているものとする。
【0065】
確定待ち時間が所定時間(例えば3秒間)を経過した場合には、停車中モード処理部14は、停車中モードをオンにする(ステップS109)。停車中モードの処理内容については後述する。他方、ステップS108の確定待ち処理において所定時間が経過する以前に、対向車の相対距離が変化した場合には、停車中モードへ移行せずにステップS100へ戻る。
【0066】
他方で、路面幅が基準値より小さい場合(ステップS106;NO)、又は、対向車が対向車線に存在しない場合(ステップS107;NO)には、停車中モード処理部14は、パラメータである「確定待ち時間」を0に設定する(ステップS110)。パラメータは、停車中モード処理部14によってメモリ12に記録される。路面幅が基準値より小さい場合や対向車が対向車線に存在しない場合には狭い道路でのすれ違いという状況と推測されるので、このような場合に自車両のロービームランプ31等の消灯や減光を伴う停車中モードへの移行を防ぐことができる。
【0067】
対向車の相対距離に変化がある場合において(ステップS105;NO)、停車中モード処理部14は、カメラ11aから得られる画像データに基づいて画像処理を行って先行車の有無や相対距離を特定する。相対距離が前回値から変化していない場合には(ステップS111;YES)、停車中モード処理部14は、所定の確定待ち処理ルーチンを実行する(ステップS112)。なお、相対距離の前回値については、初期値は例えば0に設定されており、その後は前回値がメモリ12に記憶されているものとする。
【0068】
確定待ち時間が所定時間(例えば3秒間)を経過した場合には、停車中モード処理部14は、停車中モードをオンにする(ステップS113)。停車中モードの処理内容については後述する。他方、ステップS112の確定待ち処理において所定時間が経過する以前に、先行車の相対距離が変化した場合には、停車中モードへ移行せずにステップS100へ戻る。
【0069】
先行車の相対距離に変化がある場合において(ステップS111;NO)、停車中モード処理部14は、カメラ11aから得られる画像データに基づいて画像処理を行って自車両の前方を横断する歩行者(横断者)の有無を特定する。横断者が存在する場合には(ステップS114;YES)、停車中モード処理部14は、所定の確定待ち処理ルーチンを実行する(ステップS115)。
【0070】
確定待ち時間が所定時間(例えば3秒間)を経過した場合には、停車中モード処理部14は、停車中モードをオンにする(ステップS116)。停車中モードの処理内容については後述する。他方、ステップS112の確定待ち処理において所定時間が経過する以前に横断者が存在しなくなった場合には、停車中モードへ移行せずにステップS100へ戻る。
【0071】
他方、横断者が存在しない場合に(ステップS114;NO)、停車中モード処理部14は、パラメータである「確定待ち時間」を0に設定する(ステップS117)。パラメータは、停車中モード処理部14によってメモリ12に記録される。
【0072】
上記したステップS104、S109、S113、S116において停車中モードがオンになった場合の制御内容について例示する。停車中モード処理部14は、自車両のライトスイッチが手動モードである場合には、ロービームランプ31、ハイビームランプ32(元々点灯している場合に限る)の輝度を相対的に下げるように制御する。例えば、法規上許容される最下限まで輝度を下げる。また、停車中モード処理部14は、自車両のライトスイッチが自動モードである場合には、ロービームランプ31、ハイビームランプ32(元々点灯している場合に限る)を消灯するように制御する。具体的には、停車中モード処理部14から指令を受けたランプ制御部15によってロービームランプ31等が制御される。また、このランプ制御と協調する制御として、停車中モード処理部14は、電子パーキングブレーキ36をオンにする制御を行う。具体的には、停車中モード処理部14から指令を受けた車両装備制御部16によって車両ECU21を介して電子パーキングブレーキ36をオンにする制御が行われる。
【0073】
以上のような実施形態によれば、車両周辺の状況に応じてより多様な態様で車両に搭載された各ランプや装備の動作を制御可能となる。
【0074】
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、送迎モードの場合において車内のカメラ11bで予め撮影した関係者(例えば家族等)の顔画像をメモリ12に登録しておき、これを用いて送迎モード処理部13により自車両に近づいてくる歩行者や遠ざかっていく歩行者の顔認識を行ってもよい。それにより、歩行者をより精度良く特定して送迎モードを実行することができる。また、車内のカメラ11b、若しくは車両後部に設置したカメラによって車両後方を撮影し、所定距離内に接近してくる他車両が存在する場合にはテールランプ33を増光させるように制御してもよい。この制御については、送迎モード処理部13又は停車中モード処理部14の何れかによって実行すればよい。
【0075】
また、上記した実施形態では自車両の位置データをナビゲーション装置20から取得していたが、別途用意されてコントローラ10と接続されたGPSセンサを用いて位置データを取得してもよいし、携帯電話や腕時計などの携帯機器(GPS機能を有するもの)を有線ないし無線の通信手段でコントローラ10と接続して位置データを取得してもよい。また、上記した実施形態ではロービームランプ31を何度もオンからオフに切り替える場所を登録していたが、手動にて所定場所を登録してもよい。
【0076】
本開示は、以下に付記する特徴を有する。
(付記1)
自車両に搭載された灯具及び装備の動作を制御する車両用システムであって、
コントローラと、
前記コントローラに接続されたカメラと
を含み、
前記コントローラは、予め登録した地点に対応する所定場所において自車両が停車中である場合において、前記カメラによって撮影された画像に基づいて歩行者の有無を検出し、当該歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるロービームランプを点灯させる制御を行う、
車両用システム。
(付記2)
前記コントローラは、前記歩行者と前記自車両との相対距離が所定の閾値以下の場合には前記装備の1つであるエアコンをオンにし、当該相対距離が前記閾値より大きい場合又は前記歩行者が存在しない場合には前記エアコンをオフにする制御を行う、
付記1に記載の車両用システム。
(付記3)
前記コントローラは、前記歩行者と前記自車両との相対距離が所定の閾値以下であって当該歩行者の接近時には前記自車両のドアであって予め登録されているドアを開ける制御を行い、前記歩行者が遠ざかっている場合又は前記相対距離が前記閾値より大きい場合には前記ドアの閉状態を維持する制御を行う、
付記1又は2に記載の車両用システム。
(付記4)
前記コントローラは、前記歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるテールランプを減光させる制御を行う、
付記1~3の何れかに記載の車両用システム。
(付記5)
前記コントローラは、前記歩行者が存在しない場合に前記ロービームランプを消灯させる制御を行う、
付記1~4の何れかに記載の車両用システム。
(付記6)
前記コントローラは、前記自車両に搭乗者が存在する場合において前記制御を行う、
付記1~5の何れかに記載の車両用システム。
(付記7)
前記コントローラは、前記カメラによって撮影された画像に基づいて検出された前記歩行者が予め登録された関係者である場合において前記制御を行う、
付記1~6の何れかに記載の車両用システム。
(付記8)
前記コントローラは、予め登録した場所において自車両が停車中である場合であって、前記自車両に搭乗者が存在せず、かつ前記歩行者が存在する場合に前記灯具の1つであるロービームランプをフラッシュ点灯させる制御を行う、
付記1~7の何れかに記載の車両用システム。
(付記9)
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態である場合において、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
付記1~8の何れかに記載の車両用システム。
(付記10)
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態ではない場合において、当該自車両と対向車との相対距離に変化がない場合に、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
付記9に記載の車両用システム。
(付記11)
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態ではない場合において、当該自車両と先行者との相対距離に変化がない場合に、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
付記9又は10に記載の車両用システム。
(付記12)
前記コントローラは、前記自車両が停車中であって、当該自車両の前方の信号機が停止を指示する状態ではない場合において、当該自車両の前方に横断者が存在する場合に、前記ロービームランプを消灯させる制御又は輝度を相対的に低下させる制御を行う、
付記9~11の何れかに記載の車両用システム。
【符号の説明】
【0077】
1:車両用システム、10:コントローラ、11a、11b:カメラ、12:メモリ、13:送迎モード処理部、14:停車中モード処理部、15:ランプ制御部、16:車両装備制御部、20:ナビゲーション装置、21:車両ECU、30:ポジションランプ、31:ロービームランプ、32:ハイビームランプ、33:テールランプ、34:エアコン、35:ドアユニット、36:電子パーキングブレーキ、100:自車両、101:歩行者