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特開2024-85597困惑状態判定システム、困惑状態判定装置、困惑状態判定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085597
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】困惑状態判定システム、困惑状態判定装置、困惑状態判定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240620BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20240620BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200191
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】川西 康友
【テーマコード(参考)】
5L020
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA38
5L049CC25
5L050CC25
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】施設の従業員が端末装置を操作する利用者に注意を払わなくても、当該利用者が困惑しているかどうかを容易に判定することができ、前記従業員の監視負担を軽減することが可能な困惑状態判定システム、困惑状態判定装置、困惑状態判定方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
利用者支援システムにおいて、セルフ端末装置の制御部は、特定画面が表示された時点から、前記特定画面の連続表示時間Ntをカウントする(S51)。制御部21は、前記連続表示時間Ntが設定時間K1を超えたか否かを判定する(S52)。前記連続表示時間Ntが前記設定時間K1を超えたと判定されると、制御部21は、セルフ端末装置を操作している利用者が困惑状態であると認定する。この場合、制御部21は、困惑情報を携帯端末装置に送信して、従業員に通知する(S57)。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号を取得する操作信号取得部と、
前記操作信号取得部によって取得される前記操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出部と、
前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定処理部と、を備える困惑状態判定システム。
【請求項2】
前記判定処理部によって前記利用者が前記困惑状態であると判定された場合に、その判定結果を前記施設の従業員が利用する第2端末装置に出力する出力処理部を更に備える、請求項1に記載の困惑状態判定システム。
【請求項3】
前記指標算出部は、前記利用者の操作入力によって前記第1端末装置の表示部に表示される特定画面の連続表示時間を前記指標として算出し、
前記判定処理部は、前記指標が前記判定閾値として予め定められた基準時間を超えた場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する、請求項1に記載の困惑状態判定システム。
【請求項4】
前記特定画面は、予め定められた基準項目数以上の入力項目を含む入力画面、又は、予め定められた基準文字数以上の文字入力を要する入力画面である、請求項3に記載の困惑状態判定システム。
【請求項5】
前記指標算出部は、前記利用者の操作入力によって前記第1端末装置の表示部に表示された表示画面を前の画面に戻すための操作の入力回数を前記指標として算出し、
前記判定処理部は、前記指標が前記判定閾値として予め定められた基準回数を超えた場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する、請求項1に記載の困惑状態判定システム。
【請求項6】
前記指標算出部は、前記第1端末装置に対する単位時間あたりの操作入力回数を前記指標として算出し、
前記判定処理部は、前記指標が前記判定閾値として予め定められた基準頻度よりも小さい場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する、請求項1に記載の困惑状態判定システム。
【請求項7】
前記第1端末装置を操作する前記利用者の属性情報を取得する属性取得部と、
前記属性情報に基づいて前記判定閾値を変更する閾値変更処理部と、を更に備える請求項1から6のいずれかに記載の困惑状態判定システム。
【請求項8】
前記利用者の前記属性情報及び前記利用者の識別情報を含む利用者情報が格納される利用者情報記憶部を更に備え、
前記属性取得部は、前記第1端末装置に入力された前記識別情報に対応する前記属性情報を前記利用者情報記憶部から取得する、請求項7に記載の困惑状態判定システム。
【請求項9】
前記利用者情報は、過去に前記困惑状態であると判定された判定履歴を更に含み、
前記閾値変更処理部は、前記利用者情報に含まれる前記属性情報又は前記判定履歴のいずれか一方又は両方に基づいて前記判定閾値を変更する、請求項8に記載の困惑状態判定システム。
【請求項10】
前記第1端末装置を操作する前記利用者を撮像する撮像部を更に備え、
前記属性取得部は、前記撮像部によって撮像された前記利用者の画像に基づいて前記属性情報を取得する、請求項7に記載の困惑状態判定システム。
【請求項11】
前記出力処理部は、前記判定結果とともに、前記第1端末装置を示す端末識別情報を前記第2端末装置に出力する、請求項2に記載の困惑状態判定システム。
【請求項12】
前記出力処理部は、前記判定結果とともに、前記利用者が操作中の画面情報を前記第2端末装置に出力する、請求項2又は11に記載の困惑状態判定システム。
【請求項13】
施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号を取得する操作信号取得部と、
前記操作信号取得部によって取得される前記操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出部と、
前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定処理部と、を備える困惑状態判定装置。
【請求項14】
施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出ステップと、
前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定ステップと、を一又は複数のプロセッサにより実行する困惑状態判定方法。
【請求項15】
施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出ステップと、
前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定ステップと、を一又は複数のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が利用する施設に適用される困惑状態判定システム、困惑状態判定装置、困惑状態判定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテルや旅館、空港などの施設には、利用者自身が操作することによりチェックイン手続きを行うためのチェックイン端末が設置されている。例えば、事前に利用予約をした利用者は、前記チェックイン端末の操作画面をタッチ操作することにより、所定の情報を入力し、自身の予約情報を確認したうえでチェックイン手続きを行う。
【0003】
前記チェックイン端末を操作する利用者には、初めて当該チェックイン端末を操作する不慣れな人や、タッチキー入力の操作に疎い人などがおり、このような利用者は、前記チェックイン端末の操作に困惑することがある。
【0004】
従来、施設の従業員(施設関係者)は、前記チェックイン端末の操作に困ってそうな利用者に気づいた場合に、その利用者に声を掛けて、当該利用者による入力操作をサポートしている。
【0005】
なお、施設に来館した利用者のなかから、来館頻度が低下している利用者を声掛け対象者として特定する声掛け支援システムが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-039719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記チェックイン端末を操作する利用者が困っているかどうかを判断するために、施設の従業員は利用者の挙動に注意を払わなければならず、従業員の作業効率が低下する。また、前記利用者の挙動を見ただけでは、利用者が入力操作に困っているかどうかを正確に判断することはできない。また、従業員が気づくのが遅れた場合、手続遅延が生じ、チェックイン端末の利用効率が悪くなり、後続の利用者の待ち時間も生じる。一方、困っていないにもかかわらず利用者に声を掛けた場合は、従業員の声掛け自体が無駄に終わり、従業員の作業効率が低下する。
【0008】
本発明の目的は、施設の従業員が端末装置を操作する利用者に注意を払わなくても、当該利用者が困惑しているかどうかを容易に判定することができ、前記従業員の監視負担を軽減することが可能な困惑状態判定システム、困惑状態判定装置、困惑状態判定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の一の局面に係る困惑状態判定システムは、施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号を取得する操作信号取得部と、前記操作信号取得部によって取得される前記操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出部と、前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定処理部と、を備える。
【0010】
このように構成されているため、施設の従業員が第1端末装置を操作する利用者の挙動に注意を払わなくても、当該利用者が困惑状態であるか否かを容易に判定することができる。これにより、前記従業員の監視負担が軽減する。
【0011】
(2) 当該困惑状態判定システムは、前記判定処理部によって前記利用者が前記困惑状態であると判定された場合に、その判定結果を前記施設の従業員が利用する第2端末装置に出力する出力処理部を更に備える。
【0012】
これにより、施設の従業員は、前記利用者が第1端末装置を操作するうえで困っていることを認識することができ、いち早く利用者のそばに駆け寄って、声を掛けて困りごとを伺ってあげたり、入力操作をサポートしてあげることができる。
【0013】
(3) 前記指標算出部は、前記利用者の操作入力によって前記第1端末装置の表示部に表示される特定画面の連続表示時間を前記指標として算出するよう構成されている。この場合、前記判定処理部は、前記指標が前記判定閾値として予め定められた基準時間を超えた場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する。
【0014】
この構成により、前記利用者が前記困惑状態であることをより確実に判定することができる。
【0015】
(4) 前記特定画面は、例えば、予め定められた基準項目数以上の入力項目を含む入力画面、又は、予め定められた基準文字数以上の文字入力を要する入力画面である。
【0016】
操作に不慣れな利用者は、このような入力画面に遭遇した場合に入力操作に戸惑うと考えられる。
【0017】
(5) 前記指標算出部は、前記利用者の操作入力によって前記第1端末装置の表示部に表示された表示画面を前の画面に戻すための操作の入力回数を前記指標として算出するように構成されていてもよい。この場合、前記判定処理部は、前記指標が前記判定閾値として予め定められた基準回数を超えた場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する。この構成であっても、前記利用者が前記困惑状態であることをより確実に判定できる。
【0018】
(6) 前記指標算出部は、前記第1端末装置に対する単位時間あたりの操作入力回数を前記指標として算出するよう構成されていてもよい。この場合、前記判定処理部は、前記指標が前記判定閾値として予め定められた基準頻度よりも小さい場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する。この構成であっても、前記利用者が前記困惑状態であることをより確実に判定できる。
【0019】
(7) 当該困惑状態判定システムは、前記第1端末装置を操作する前記利用者の属性情報を取得する属性取得部と、前記属性情報に基づいて前記判定閾値を変更する閾値変更処理部と、を更に備える。
【0020】
この構成であれば、利用者の属性に応じて判定閾値が変更される。そのため、利用者の困惑状態をより正確に判定することができる。
【0021】
(8) 当該困惑状態判定システムは、前記利用者の前記属性情報及び前記利用者の識別情報を含む利用者情報が格納される利用者情報記憶部を更に備える。この場合、前記属性取得部は、前記第1端末装置に入力された前記識別情報に対応する前記属性情報を前記利用者情報記憶部から取得する。
【0022】
(9) 前記利用者情報は、過去に前記困惑状態であると判定された判定履歴を更に含む。この場合、前記閾値変更処理部は、前記利用者情報に含まれる前記属性情報又は前記判定履歴のいずれか一方又は両方に基づいて前記判定閾値を変更するよう構成されている。
【0023】
(10) 当該の困惑状態判定システムは、前記第1端末装置を操作する前記利用者を撮像する撮像部を更に備える。この場合、前記属性取得部は、前記撮像部によって撮像された前記利用者の画像に基づいて前記属性情報を取得する。
【0024】
(11) 前記出力処理部は、前記判定結果とともに、前記第1端末装置を示す端末識別情報を前記第2端末装置に出力することが好ましい。
【0025】
これにより、前記判定結果を第2端末装置で受け取った従業員は、困惑している利用者が操作している端末装置を把握することができる。
【0026】
(12) 前記出力処理部は、前記判定結果とともに、前記利用者が操作中の画面情報を前記第2端末装置に出力することが好ましい。
【0027】
これにより、困惑している利用者がどの操作入力画面で困っているのかを事前に把握することができる。
【0028】
(13) 本発明のその他の局面に係る困惑状態判定装置は、施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号を取得する操作信号取得部と、前記操作信号取得部によって取得される前記操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出部と、前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定処理部と、を備える。
【0029】
(14) 本発明のその他の局面に係る困惑状態判定方法は、施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出ステップと、前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定ステップと、を一又は複数のプロセッサにより実行する方法である。
【0030】
(15) 本発明のその他の局面に係るプログラムは、施設の利用手続の際に利用者が第1端末装置を操作したことにより生じる操作信号に基づいて、前記第1端末装置の操作に対する前記利用者の困惑度を示す指標を算出する指標算出ステップと、前記指標と予め定められた判定閾値とに基づいて、前記利用者が前記第1端末装置の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する判定ステップと、を一又は複数のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、施設の従業員が端末装置を操作する利用者に注意を払わなくても、当該利用者が困惑しているかどうかを容易に判定することができ、前記従業員の監視負担を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムに用いられる予約管理データの一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムに用いられる利用者登録リストの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムのセルフ端末装置の一例を示す外観図である。
図6図6は、セルフ端末装置におけるチェックイン手続き方法の手順を示すフローチャートである。
図7図7は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である初期画面を示す図である。
図8図8は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である検索方法選択画面を示す図である。
図9図9は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である氏名入力画面を示す図である。
図10図10は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である予約情報確認画面を示す図である。
図11図11は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である宿泊者情報入力画面を示す図である。
図12図12は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である支払い画面を示す図である。
図13図13は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例である在外者確認画面を示す図である。
図14図14は、セルフ端末装置に表示される操作入力画面の一例であるパスポート読取案内画面を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムにおいて実行されるチェックイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムにおいて実行されるチェックイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムにおいて実行される困惑判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、本発明の実施形態に係る利用者支援システムにおいて実行される閾値変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0034】
[利用者支援システム100]
本発明の実施形態に係る利用者支援システム100は、本発明の困惑状態判定システムの一例であり、図1に示すように、管理装置10と、セルフ端末装置20(本発明の第1端末装置の一例)と、携帯端末装置30(本発明の第2端末装置の一例)と、を含む。利用者支援システム100は、利用者が利用する様々な施設に適用されるシステムである。
【0035】
本実施形態では、施設の一例であるホテルや旅館等の宿泊施設(施設の一例)に適用される利用者支援システム100について説明する。具体的には、利用者支援システム100は、利用者がセルフ端末装置20を自ら操作してチェックイン手続きを行う場合に動作する。
【0036】
管理装置10は、例えば、前記宿泊施設のフロントや事務室などに配置され、利用者の予約情報を管理する。前記宿泊施設の従業員(施設関係者)は、管理装置10を操作することが可能である。
【0037】
セルフ端末装置20は、例えば、前記宿泊施設のロビーやフロント付近に配置され、宿泊客である利用者自身によるチェックイン手続き(利用許可手続き)及びチェックアウト手続き(利用終了手続き)の操作を受け付ける。
【0038】
携帯端末装置30は、前記宿泊施設の従業員が所持するスマートフォン又はタブレット端末などの情報処理装置である。携帯端末装置30は、管理装置10やセルフ端末装置20から送信された情報やデータを受信すると、携帯端末装置30の表示部に受信した情報等を表示する。なお、携帯端末装置30は、携帯性を有する情報処理装置に限られず、従業員が使用するノートパソコン或いはデスクトップパソコンなどの情報処理装置であってもよい。
【0039】
管理装置10、セルフ端末装置20、及び携帯端末装置30は、それぞれ、前記宿泊施設に設置される有線LAN又は無線LANなどのネットワークN1を介して通信可能に接続されている。セルフ端末装置20は、1台設置されてもよいし複数台設置されてもよい。図1では、一例として、1台のセルフ端末装置20が示されている。利用者は、セルフ端末装置20を操作して、チェックイン手続き又はチェックアウト手続きを行う。
【0040】
利用者は、前記宿泊施設を利用する場合、自身の利用者端末(不図示)を使用して事前に利用予約を行う。詳細には、利用者は、自身の利用者端末(不図示)を使用して、例えば、前記宿泊施設や運営管理会者が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、宿泊予約された予約情報を取得して予約を管理する。なお、予約処理は、管理装置10で実行されてもよいし、管理装置10に通信網を介して接続された予約サーバ(不図示)で実行されてもよい。例えば、前記予約サーバは、利用者からの予約要求を受け付けて予約処理を実行し、予約が完了した場合に予約完了通知とともに前記予約情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、前記予約情報を記憶部12の予約データ121に格納する。
【0041】
宿泊予約した利用者は、宿泊日に前記宿泊施設を訪れ、セルフ端末装置20を操作してチェックイン手続きを行う。なお、宿泊予約をしないで前記宿泊施設に来訪した利用者は、セルフ端末装置20において、例えば、初期画面D11(図7参照)から空室検索手続きを行って所望の客室を予約し、続けてチェックイン手続きを行ってもよい。また、利用者は、必要に応じてセルフ端末装置20を操作して、チェックアウト手続きを行う。
【0042】
ところで、セルフ端末装置20の操作に不慣れな利用者は、セルフ端末装置20の操作に困惑することがある。この場合、前記宿泊施設の従業員がセルフ端末装置20の操作に困惑してる利用者に気づくことができれば、その利用者に声を掛けて、当該利用者による入力操作をサポートすることができる。
【0043】
しかし、利用者が困惑しているか否かを判断するために、前記宿泊施設の従業員が利用者の挙動に注意を払うことは、従業員の作業効率の低下を招く。また、前記利用者の挙動を見ただけでは、利用者が入力操作に困っているかどうかを正確に見極めることができない。また、従業員が気づくのが遅れた場合、セルフ端末装置20における手続遅延が生じ、セルフ端末装置20の利用効率が悪くなり、また、後続の利用者の待ち時間も生じる。一方、困っていないにもかかわらず利用者に声を掛けた場合は、従業員の声掛け自体が無駄に終わり、従業員の作業効率が低下する。
【0044】
これに対して、本実施形態に係る利用者支援システム100は、以下に説明するように、前記宿泊施設の従業員がセルフ端末装置20を操作する利用者に注意を払わなくても、当該利用者が困惑しているかどうかを容易に判定することができ、また、前記従業員の監視負担を軽減することが可能となる。
【0045】
[管理装置10]
図2に示すように、管理装置10は、制御部11、記憶部12(本発明の利用者情報記憶部の一例)、操作表示部13、通信部14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、所謂ホテル管理システム(Property Management System)を構築する情報処理装置、サーバ装置、又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、宿泊の予約や予約に関する情報(予約情報)を管理する予約管理機能や、利用者の情報を管理する顧客管理機能を備えている。なお、管理装置10は、客室管理、会計管理などの機能を備えてもよい。
【0046】
通信部14は、通信インターフェースであり、管理装置10を有線又は無線を通じてネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介してセルフ端末装置20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0047】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインターフェースである。
【0048】
記憶部12は、各種の情報を記憶する不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部12には、利用者支援システム100で実行される後述のチェックイン処理(図15及び図16参照)、困惑判定処理(図17参照)、閾値変更処理(図18参照)などに必要な各種の処理を制御部11に実行させるための一又は複数の制御プログラムが記憶されている。前記制御プログラムは、前記各処理ごとに独立していてもよく、或いは、前記各処理を実行する一つのプログラムであってもよい。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10にデータ通信可能に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0049】
また、記憶部12には、利用者が使用する前記利用者端末(不図示)から受け付けた宿泊予約の情報(予約情報)を含む予約データ121(図3参照)や、過去に前記宿泊施設を利用した利用者やこれから利用する利用者に関する情報(利用者情報)を含む利用者登録データ122(図4参照)などが記憶されている。
【0050】
前記予約データ121は、宿泊予約を受け付けた複数の予約情報を含むデータベースであり、キーワード検索が可能なように記憶部12に記憶管理されている。前記予約情報には、予約者によって予約された予約内容が含まれており、当該予約情報は、予約番号ごとに登録管理されている。例えば、図3に示すように、前記予約データ121内の前記予約情報は、予約番号、宿泊予約日、予約者名、宿泊者名、決済状況などを含み、更には、到着予定時刻、決済方法などを含んでいてもよい。
【0051】
なお、予約データ121の「決済状況」の項目には、決済が完了したことを示す「済」、または、決済が完了していないことを示す「未」のいずれかが登録されている。また、決済が完了するまでは、前記「決済状況」の項目には、デフォルト値として「未」が登録される。上述のデフォルト値は、決済が完了すると「済」に更新される。
【0052】
前記利用者登録データ122は、複数の利用者情報を含むデータベースであり、キーワード検索が可能なように記憶部12に記憶管理されている。前記利用者情報には、過去に前記宿泊施設を利用した利用者の個人情報や、過去に前記宿泊施設を利用した利用履歴(利用回数)などが含まれている。例えば、図4に示すように、前記利用者登録データ122内の前記利用者情報には、登録済みの利用者の氏名、住所、年齢、過去に前記宿泊施設を利用した利用回数などが含まれている。なお、前記利用回数は、過去の累積利用回数であってもよいが、好ましくは、チェックイン手続き日よりも前の所定期間(例えば1年間)に前記宿泊施設を利用した回数である。
【0053】
本実施形態では、後述の困惑判定処理によって過去に困惑状態であると判定された利用者の困惑判定履歴も前記利用者情報に含まれている。ここで、前記困惑状態とは、チェックイン手続きの際にセルフ端末装置20を操作する利用者が操作に困っている状態のことである。また、前記困惑判定履歴には、前回に前記宿泊施設を利用したときに前記困惑状態と判定されたか否かを示す前回の判定結果や、過去に前記困惑状態と判定された回数を示す判定累積回数とが含まれている。
【0054】
前記予約データ121や前記利用者登録データ122に含まれる各情報は、後述のチェックイン処理(図15及び図16参照)、困惑判定処理(図17参照)、閾値変更処理(図18参照)などに用いられる。
【0055】
なお、前記予約データ121や前記利用者登録データ122は、管理装置10にデータ通信可能に接続された外部記憶装置に格納されていてもよい。
【0056】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
【0057】
具体的に、制御部11は、予約情報取得部111、利用者情報取得部112(本発明の属性取得部の一例)、登録処理部113などの各種の処理部を含む。
【0058】
制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。なお、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0059】
予約情報取得部111は、後述するチェックイン処理(図15及び図16参照)が実行される場合に、記憶部12内の予約データ121(図3参照)から、チェックイン処理の対象である予約情報を取得する処理を行う。具体的には、セルフ端末装置20に予約検索情報が入力され、そして、セルフ端末装置20から送られてきた予約検索要求を受け取ると、予約情報取得部111は、前記予約検索要求に含まれる前記予約検索情報に対応する予約情報を予約データ121から検索する。
【0060】
そして、予約情報取得部111は、前記予約検索情報を含む予約情報が検索された場合に、その予約情報を予約データ121から抽出する。抽出された予約情報は、セルフ端末装置20に送信される。なお、前記予約情報が検索されなかった場合は、前記予約情報が検索されなかった旨の通知がセルフ端末装置20に送信される。
【0061】
前記予約検索情報は、例えば、予約者の氏名や予約番号などであり、又は、前記宿泊施設において登録されている予約者の会員番号などである。前記予約検索情報は、宿泊予約を特定することができるユニークな情報であればよく、例えば、予約者の誕生日、住所、電話番号、メールアドレスなどの各情報であってもよい。なお、電話番号や誕生日は、他人と重複する場合があるため、前記予約検索情報は、上述した各情報を組み合わせたものであることが好ましい。
【0062】
例えば、図3の例では、セルフ端末装置20から予約番号101、又は予約者の氏名A1が入力されると、予約情報取得部111は、利用者A1によって予約された複数人(利用者A1,A11)の宿泊予約の予約情報(予約番号101の予約情報)を予約データ121から取得する。
【0063】
なお、前記予約完了通知とともに、チェックイン手続きに利用可能なQRコード(登録商標)などの二次元コードが予約者に通知されている場合に、セルフ端末装置20から前記二次元コードが読み取られた場合は、前記二次元コードに含まれるユーザIDや予約番号を用いて、チェックイン処理の対象である予約情報を予約データ121から取得してもよい。この場合、前記二次元コード或いは前記二次元コードに含まれる情報が前記予約検索情報の一例である。
【0064】
また、セルフ端末装置20から、チェックイン手続き時に画像読取部25によってパスポートの画像が読み取られた場合は、そのパスポートの画像データをOCR処理することによって得られる氏名情報を用いて、チェックイン処理の対象である予約情報を検索して取得してもよい。この場合、パスポートの画像データから得られた氏名情報が前記予約検索情報の一例である。
【0065】
利用者情報取得部112は、後述するチェックイン処理(図15及び図16参照)が実行される場合に、記憶部12内の前記利用者登録データ122(図4参照)から、チェックイン処理を行っている利用者に関する前記利用者情報を取得する処理を行う。具体的には、予約情報取得部111によって予約情報が検索されると、利用者情報取得部112は、その予約情報に対応する利用者の予約者情報を前記利用者登録データ122から検索する。
【0066】
そして、利用者情報取得部112は、前記利用者情報が検索された場合に、その利用者情報を前記利用者登録データ122から抽出する。抽出された前記利用者情報には、利用者の属性を示す属性情報、つまり、利用者の住所、年齢、利用者が過去に前記宿泊施設を利用した利用回数などが含まれている。また、前記利用者情報には、困惑判定履歴(前回の判定結果、前記判定累積回数)が含まれていてもよい。抽出された前記利用者情報は、セルフ端末装置20に送信される。なお、前記利用者情報が検索されなかった場合は、前記利用者情報が検索されなかった旨の通知がセルフ端末装置20に送信される。
【0067】
例えば、図4の例では、予約情報取得部111によって予約者A1の予約情報が検索されると、利用者情報取得部112は、その予約者A1の利用者情報(利用者A1の利用者情報)を前記利用者登録データ122から取得する。
【0068】
なお、利用者情報取得部112は、前記利用者情報に含まれる利用者の前記属性情報だけを前記利用者登録データ122から抽出してもよい。また、利用者情報取得部112は、前記利用者情報に含まれる利用者の前記困惑判定履歴だけを前記利用者登録データ122から抽出してもよい。
【0069】
登録処理部113は、セルフ端末装置20から所定の登録要求が送られてきた場合に、前記登録要求に基づいて、前記利用者登録データ122内の利用者情報を更新する。具体的には、登録処理部113は、利用者のチェックイン手続きが終了した後に、前記宿泊施設の利用回数を更新する要求を受け取ると、前記利用回数を1つ増加する。また、登録処理部113は、前記困惑判定履歴を更新する要求を受け取ると、例えば、前回の判定結果の内容を変更し、或いは、判定累積回数を1つ増加する。
【0070】
[セルフ端末装置20]
図2に示すように、セルフ端末装置20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、ルームキー発行部24、画像読取部25、カメラ26(本発明の撮像部の一例)、通信部27、カード読取部28、現金精算部29などを備える。
【0071】
図5は、セルフ端末装置20の一例を示す外観図である。本実施形態では、自立タイプのセルフ端末装置20を例示する。なお、セルフ端末装置20は、例えば、タブレット端末やパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0072】
セルフ端末装置20において、利用者は操作表示部23をタッチ操作することが可能である。利用者は、操作表示部23に順次表示される操作入力画面に従って操作入力することにより、チェックイン手続きや、チェックアウト手続きなどを行うことができる。
【0073】
例えば、利用者は、図6に示すように、セルフ端末装置20においてチェックイン手続きを行う。ここで、図6は、チェックイン手続きの手順を示すフローチャートである。操作表示部23には、図7に示す前記初期画面D11(操作入力画面)が表示されている。まず、利用者は、前記チェックイン手続きの開始前に、前記初期画面D11(操作入力画面)において、画面上部に配置された複数の言語選択ボタンから所望の言語選択ボタンをタッチして表示言語を切り替える(S1)。表示言語の初期設定は「日本語」に設定されているため、変更する必要がない場合は、チェックインボタン41をタッチして前記チェックイン手続きを開始する操作を行う(S2)。
【0074】
表示言語が日本語の場合、チェックインボタン41が操作されると、図8の検索方法選択画面D12(操作入力画面)が操作表示部23に表示される(S3,S4)。利用者は、前記検索方法選択画面D12において、いずれかの選択ボタンをタッチして選択方法を指定する。
【0075】
例えば、名前検索ボタン43がタッチ操作されると、図9の氏名入力画面D13(操作入力画面)が操作表示部23に表示される。利用者は、前記氏名入力画面D13において、宿泊の予約情報を検索するための前記予約検索情報(利用者の氏名等)を画面内のキーボードを用いて入力する(S5)。なお、前記氏名入力画面D13は、前記予約検索情報を入力するための操作入力画面の一例である。例えば、予約番号検索ボタンがタッチ操作された場合は、予約番号(予約検索情報)で予約情報を検索するための予約番号入力画面(不図示)が表示される。また、会員カードボタンがタッチ操作された場合は、会員カードを挿入するよう促す案内画面(不図示)が表示される。この場合、前記予約番号入力画面から入力された前記予約番号、或いは、挿入された会員カードから読み取られた氏名や会員番号など会員情報(予約検索情報)を用いて、利用者の予約情報が検索される。
【0076】
利用者本人の予約情報が検索された場合に、図10の予約情報確認画面D14(操作入力画面)が操作表示部23に表示される。利用者は、前記予約情報確認画面D14において、予約内容を確認し、間違いがなければ予約内容を承認するためのOKボタン53をタッチ操作する(S6)。
【0077】
予約内容の承認後に、図11の宿泊者情報入力画面D15(操作入力画面)が操作表示部23に表示される。前記宿泊者情報入力画面D15は、利用者(宿泊者)の個人情報や宿泊目的などの宿泊者情報を入力するための複数の入力項目を有する。利用者は、前記宿泊者情報入力画面D15において、各種の入力項目のうち、未入力の項目に必要な情報を入力し、入力後にOKボタン53をタッチ操作する(S7)。なお、同泊者がいる場合は、利用者は、同泊者の情報を入力するための同泊者情報入力画面(不図示)に切り替えるために、同泊者入力ボタンをタッチ操作する。その後、前記同泊者情報入力画面において、利用者は、自身の宿泊者情報の入力手順と同様に、同泊者の情報(同泊者情報)を入力する(S8)。
【0078】
前記宿泊者情報及び前記同泊者情報が入力された後に、図12の支払い画面D16が操作表示部23に表示される。利用者は、最後に、前記支払い画面D16において、支払い方法を選択し、その後に表示される操作入力画面にて、支払い方法に応じた支払情報を入力し、支払いを完了させる(S9)。例えば、前記支払い画面D16は、利用者の任意により、クレジット、電子マネー、現金の3つの支払い方法から一つの支払い方法を選択可能である。いずれかの支払い方法が選択され、その後にOKボタン53がタッチ操作されると、該当する支払い方法に応じた入力画面に切り替えられて、支払情報の入力が可能となる。支払いが完了すると、一連のチェックイン手続きが終了する。
【0079】
なお、前記初期画面D11において、外国語(例えば英語)の言語選択ボタンがタッチ操作された場合は、チェックインボタン41がタッチ操作された後に、図13の在外者確認画面D17(操作入力画面)が操作表示部23に表示される。利用者は、自身が在外者である場合は、前記在外者確認画面D17において、画面に表示される在外者選択ボタンをタッチ操作する。この場合、図14に示すパスポート読取案内画面D18(操作入力画面)が操作表示部23に表示される。パスポート読取案内画面D18が表示されると、利用者は、前記パスポート読取案内画面D18に示される案内にしたがって、パスポート読取操作(パスポートを読み取らせるための操作)を行う(S10)。なお、パスポートが読み取られると、読取画像から利用者の氏名が取得され、その氏名に基づいて予約情報の検索が自動的に行われる。そして、予約情報が検索されると、図10の前記予約情報確認画面が操作表示部23に表示される。
【0080】
以下、セルフ端末装置20が備える各構成要素について説明する。
【0081】
通信部27は、通信インターフェースであり、セルフ端末装置20を有線又は無線を通じてネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0082】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインターフェースである。利用者が、セルフ端末装置20でチェックイン手続きや、チェックアウト手続きなどを行う場合に、各手続きに必要な前記操作入力画面が操作表示部23に表示される。
【0083】
カメラ26は、セルフ端末装置20の正面の上部に設けられている。カメラ26は、画像を撮像して、静止画又は動画などのデジタル画像データを出力するデジタルカメラである。カメラ26は、例えば、利用者の全体像や、顔画像を撮像する。また、カメラ26は、セルフ端末装置20の正面の映像を常時撮像することにより、セルフ端末装置20の正面に利用者が立ち止まったことを検知するための人感センサーとしても機能する。
【0084】
画像読取部25は、二次元コードなどの情報コードを読み取る。また、画像読取部25は、利用者のパスポートや身分証明書などの画像をスキャンする機能を備えてもよい。画像読取部25によって読み取られた情報は、制御部21によって管理装置10に送られて、管理装置10の記憶部12に記憶され、また、管理装置10において実行される各種処理に用いられる。
【0085】
カード読取部28は、セルフ端末装置20の正面に設けられたカード挿入口28A(図5参照)に挿入された各種カードの情報(カード情報)を読み取る処理を行う。カード挿入口28Aには、クレジットカードなどの決済カードや、前記宿泊施設が発行する会員カードなどの各種カードが挿入可能である。カード読取部28によって読み取られたカード情報は、記憶部22に一時的に記憶されて、セルフ端末装置20で実行される各種処理に用いられる。或いは、前記カード情報は、制御部21によって管理装置10に送信され、管理装置10で実行される各種処理に用いられる。
【0086】
ルームキー発行部24は、例えばICカード型のカードキーをルームキーとして発行し、そして、排出する。前記カードキーは、前記客室の入口に設けられた解錠装置(通信装置)との間の通信処理を介して前記客室の解錠を行うICカードキーである。前記カードキーには、情報の書き換えが可能なICメモリ(記憶部)が設けられており、前記ICメモリにキー情報が記憶されている。
【0087】
ルームキー発行部24は、セルフ端末装置20における前記チェックイン手続き中に、制御部21の指示に基づいて前記カードキーを発行する。例えば、ルームキー発行部24は、セルフ端末装置20における前記チェックイン手続きが完了すると、前記チェックイン手続きを行った利用者に対応するキー情報(客室ID、宿泊者名、宿泊日情報など)を前記ICメモリに書き込み、前記カードキーをセルフ端末装置20に設けられた排出口24A(図5参照)から排出する。なお、前記ルームキーは、ICカードに限定されず、磁気カード、情報コードが紙媒体等に印刷された情報コードキー、鍵穴に挿入して施錠及び解錠を行うキーなどの物理キーであればどのようなタイプのものであってもよい。
【0088】
現金精算部29は、貨幣又は紙幣の金銭の挿入を受け付けて、受け付けられた金銭により宿泊費用や追加費用などの精算を行う。例えば、チェックイン手続き又はチェックアウト手続きにおいて、宿泊費用や追加費用の精算時に金銭が挿入された場合に、精算処理を行う。また、現金精算部29は、現金による返金が生じた場合に、返金額に応じた金銭を返金(放出)する。
【0089】
記憶部22は、各種の情報を記憶する不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部22には、利用者支援システム100で実行される後述のチェックイン処理(図15及び図16参照)、困惑判定処理(図17参照)、閾値変更処理(図18参照)などに必要な各種の処理を制御部21に実行させるための一又は複数の制御プログラムが記憶されている。前記制御プログラムは、前記各処理ごとに独立していてもよく、或いは、前記各処理を実行する一つのプログラムであってもよい。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、セルフ端末装置20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0090】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりセルフ端末装置20を制御する。
【0091】
具体的に、制御部21は、図2に示すように、受付処理部211(本発明の操作信号取得部の一例)、表示処理部212、指標算出部213(本発明の指標算出部の一例)、困惑判定処理部214(本発明の判定処理部の一例)、閾値変更処理部215(本発明の閾値変更処理部の一例)、通知処理部216(本発明の出力処理部の一例)、チェックイン処理部217、チェックアウト処理部218などの各種の処理部を含む。
【0092】
制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。なお、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0093】
受付処理部211は、操作表示部23に表示される上述の操作入力画面D11~S18を通じて、前記チェックイン手続きに関する操作入力を受け付ける処理を行う。
【0094】
例えば、受付処理部211は、前記宿泊施設の利用者が、前記チェックイン手続きにおいて、セルフ端末装置20の操作表示部23上の前記操作入力画面をタッチ操作することにより生じる操作信号を取得し、また、前記操作入力画面を操作することにより入力された入力情報を取得する。
【0095】
また、各画面において、操作表示部23の表示内容を一つ前の画面に戻すための操作ボタン(Backボタン)51や、初期画面に戻すための操作ボタン(Backボタン)52がタッチ操作されると、受付処理部211は、当該操作によって入力された操作信号を取得する。
【0096】
セルフ端末装置20におけるチェックイン手続き時に操作表示部23に表示される複数の操作入力画面のうち、前記氏名入力画面D13(図9参照)、及び前記宿泊者情報入力画面D15(図11参照)は、他の操作入力画面と比べて、入力するべき情報量が多い。例えば、前記氏名入力画面D13では、利用者は、キーボードを介して氏名を入力する必要があるため、入力される文字数(文字量)が他の操作入力画面よりも多い。また、前記宿泊者情報入力画面D15では、情報を入力する必要のある入力項目が他の操作入力画面よりも多い。したがって、セルフ端末装置20の操作に不慣れた利用者は、前記氏名入力画面D13や前記宿泊者情報入力画面D15が表示された後に、入力操作に困惑する可能性が高いと考えられる。この場合、前記氏名入力画面D13及び前記宿泊者情報入力画面D15の連続表示時間も他の操作入力画面と比べて長くなると考えられる。
【0097】
また、チェックイン手続き時に操作表示部23に前記支払い画面D16(図12参照)が表示された場合、利用者は、支払い方法を選択したり、支払い情報を入力する必要がある。そのため、前記支払い画面D16では、入力される文字数が他の操作入力画面よりも多い。したがって、セルフ端末装置20の操作に不慣れた利用者は、前記支払い画面D16が表示された後に、入力操作に困惑する可能性が高いと考えられる。この場合、前記支払い画面D16の連続表示時間も他の操作入力画面と比べて長くなると考えられる。
【0098】
また、チェックイン手続き時に操作表示部23にパスポート読取案内画面D18が表示された場合、利用者は、操作入力以外のパスポート読取操作(パスポートを読み取らせるための操作)を行う必要がある。そのため、セルフ端末装置20の操作に不慣れた利用者は、パスポート読取案内画面D18が操作表示部23に表示された場合に、操作入力に戸惑う可能性が高い。この場合、パスポート読取案内画面D18の連続表示時間が他の操作入力画面と比べて長くなると考えられる。
【0099】
なお、受付処理部211は、セルフ端末装置20において、利用者からチェックアウト手続きに必要なチェックアウト要求の入力を受け付ける。具体的には、受付処理部211は、前記チェックアウト手続きに関する操作入力を受け付ける。前記チェックアウト手続きを開始するために、利用者が、前記初期画面D11(図7参照)においてチェックアウトボタン42をタッチして前記チェックアウト手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作によって入力された入力信号を前記チェックアウト要求として取得し、また、その後に入力される前記検索情報などをチェックアウト処理に必要な情報として取得する。前記チェックアウト手続きには、利用者の宿泊情報の検索に必要な情報(利用者の氏名や利用した客室番号等)を入力する入力手続きなどが含まれる。
【0100】
表示処理部212は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部212は、チェックイン手続き、チェックアウト手続きなどに必要な情報を入力させるための各操作入力画面を操作表示部23に表示させる。具体的には、表示処理部212は、上述した操作入力画面D11~D18や、その他の操作入力画面を操作表示部23に表示させる。
【0101】
また、表示処理部212は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させる。
【0102】
チェックイン処理部217は、前記チェックイン手続きにおいて、セルフ端末装置20にチェックインボタン41(図7参照)の操作信号が入力されると、チェックイン処理を実行する。チェックイン処理部217は、セルフ端末装置20に入力される前記予約検索情報に基づいて、利用者の認証を行う。具体的には、受付処理部211によって利用者の予約情報を検索するための前記予約検索情報の入力が受け付けられると、チェックイン処理部217は、前記予約検索情報を管理装置10に送信し、管理装置10に前記予約検索情報と照合する予約情報の検索処理(照合処理)を実行させる。そして、前記照合処理において、利用者が入力した前記予約検索情報が前記予約管理データに登録されているいずれかの予約情報に一致する場合に、チェックイン処理部217は、当該利用者による予約情報の確認処理が完了した後に、当該利用者の宿泊を許可する。
【0103】
また、チェックイン処理部217は、利用者による事前の支払いが済んでいない場合に、利用者の認証後に、宿泊料金の支払い関する決済を行う。例えば、利用者がクレジット支払いを選択し、その後にクレジットカードをセルフ端末装置20のカード挿入口28Aに挿入すると、チェックイン処理部217は、利用者が利用する決済事業者(クレジットカード事業者)の決済サーバに決済要求を送信して決済処理を実行する。
【0104】
なお、チェックイン処理部217は、受付処理部211によって前記予約検索情報の入力が受け付けられた場合に、管理装置10に記憶される前記予約管理データにアクセスして当該予約管理データを参照して、チェックイン処理部217が前記照合処理を実行してもよい。
【0105】
チェックアウト処理部218は、チェックアウト手続きにおいて、セルフ端末装置20にチェックアウトボタン42(図7参照)の操作信号が入力されると、チェックアウト処理を実行する。チェックアウト処理部218は、利用者の宿泊情報を検索するための宿泊検索情報(利用者の氏名や利用した客室番号等)がセルフ端末装置20に入力されると、その宿泊検索情報を管理装置10に送信し、管理装置10に前記宿泊情報を検索させる宿泊情報検索処理を実行させる。そして、前記宿泊情報検索処理において、利用者の宿泊情報が検索されると、管理装置10の制御部11に、前記宿泊情報に応じた各処理を実行させる。なお、チェックアウト処理部218は、受付処理部211によって前記宿泊検索情報報の入力が受け付けられた場合に、管理装置10に記憶される宿泊台帳データにアクセスして当該宿泊台帳データを参照して、前記各処理を実行してもよい。
【0106】
指標算出部213は、受付処理部211によって前記チェックイン手続き時に取得される前記操作信号に基づいて、セルフ端末装置20の操作に対する前記利用者の困惑度を示す困惑指標を算出する処理を行う。前記困惑指標は、後述の困惑判定処理に用いられる。
【0107】
また、困惑判定処理部214は、前記困惑指標と、予め定められた判定閾値とに基づいて、セルフ端末装置20の利用者がセルフ端末装置20の操作に対して困惑している困惑状態であるか否かを判定する処理を行う。
【0108】
ここで、指標算出部213は、具体的には、前記操作入力画面において利用者が操作したことにより操作表示部23に特定の操作入力画面(以下、特定画面という。)が表示された場合に、その特定画面が連続して表示されている時間Nt(連続表示時間)を前記困惑指標としてカウントする。
【0109】
例えば、前記特定画面は、前記検索方法選択画面D12(図8参照)で名前検索ボタン43がタッチ操作された後に、操作表示部23に表示される前記氏名入力画面D13(図9参照)である。この場合、前記連続表示時間Ntは、表示画面が前記氏名入力画面D13に切り替えられてから、OKボタン53がタッチ操作されて表示画面が別の操作入力画面に切り替わるまでの経過時間である。
【0110】
また、前記特定画面は、前記予約情報確認画面D14(図10参照)でOKボタン53がタッチ操作された後に、操作表示部23に表示される前記宿泊者情報入力画面D15(図11参照)である。この場合、前記連続表示時間Ntは、表示画面が前記宿泊者情報入力画面D15に切り替えられてから、複数の入力項目に所定の情報が入力された後にOKボタン53がタッチ操作されて表示画面が別の操作入力画面に切り替わるまでの経過時間である。
【0111】
また、前記特定画面は、前記宿泊者情報入力画面D15で(図11参照)でOKボタン53がタッチ操作された後に、操作表示部23に表示される前記支払い画面D16(図12参照)である。この場合、前記連続表示時間Ntは、表示画面が前記支払い画面D16に切り替えられてから、所定の複数の項目に前記支払情報が入力された後にOKボタン53がタッチ操作されて表示画面が別の操作入力画面に切り替わるまでの経過時間である。
【0112】
前記氏名入力画面D13や、前記宿泊者情報入力画面D15、前記支払い画面D16は、いずれも、入力項目が他の操作入力画面よりも多く、操作に不慣れた利用者が操作入力に困惑する場面であると考えられる。
【0113】
この場合、困惑判定処理部214は、前記連続表示時間Nt(困惑指標)が前記判定閾値として予め定められた設定時間K1(本発明の基準時間の一例)を超えた場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する。ここで、前記設定時間K1は、各特定画面ごとに設定されている閾値であり、例えば、各画面に対する操作入力の難易度に応じて定められている。例えば、入力を求められる文字数や入力項目数が多いほど入力難易度が高い。
【0114】
なお、前記特定画面は、上述の操作入力画面D13,D15,D16に限られない。例えば、画面中に予め定められた基準項目数以上の入力項目を含む操作入力画面であってもよい。この場合、前記基準項目数は、過去に前記宿泊施設を利用した複数の利用者の操作履歴をもとに求められた基準値であって、利用者が操作入力に困惑すると推定される入力項目数とすることができる。
【0115】
また、前記特定画面は、予め定められた基準文字数以上の文字入力を要する操作入力画面であってもよい。この場合、前記基準文字数は、過去に前記宿泊施設を利用した複数の利用者の操作履歴をもとに求められた基準値であって、利用者が操作入力に困惑すると推定される文字数とすることができる。
【0116】
また、操作に不慣れた利用者が、操作入力以外のパスポート読取操作に戸惑う可能性が高いため、前記特定画面は、パスポート読取操作中に操作表示部23に表示されるパスポート読取案内画面D18であってもよい。
【0117】
また、別の実施形態として、指標算出部213は、セルフ端末装置20の操作表示部23に対して利用者が表示画面を一つ前の画面、又は初期画面に戻すための操作ボタン(Backボタン)を操作した戻り操作回数Nmを前記困惑指標としてカウントしてもよい。利用者がセルフ端末装置20の操作に対して困惑すると、利用者は無駄に画面を戻す行為を行うことが知られている。したがって、この場合は、前記戻り操作回数Nmは、予め定められた所定の設定回数K2(本発明の基準回数の一例)よりも多くなると考えられる。
【0118】
この場合、困惑判定処理部214は、前記戻り操作回数Nm(困惑指標)が前記判定閾値として予め定められた前記設定回数K2を超えた場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する。ここで、前記設定回数K2は、過去に前記宿泊施設を利用した複数の利用者の操作履歴をもとに求められた基準値であって、利用者が操作入力に困惑すると推定される回数とすることができる。また、前記設定回数K2は、各画面に対する操作入力の難易度に応じて定められていてもよい。
【0119】
また、別の実施形態として、指標算出部213は、セルフ端末装置20の操作表示部23に対して利用者が操作入力をする単位時間あたりの回数(操作入力回数)を示す操作入力頻度Nfを前記困惑指標として算出してもよい。前記単位時間は任意に定めることができ、例えば1分間とすることができる。利用者がセルフ端末装置20の操作に対して困惑している場合、前記操作入力頻度Nfは、予め定められた所定の基準頻度K3(本発明の基準頻度の一例)よりも低下すると考えられる。
【0120】
この場合、困惑判定処理部214は、前記操作入力頻度Nf(困惑指標)が前記判定閾値として予め定められた前記基準頻度K3よりも小さい場合に、前記利用者が前記困惑状態であると判定する。ここで、前記基準頻度K3は、過去に前記宿泊施設を利用した複数の利用者の操作履歴をもとに求められた基準値であって、利用者が操作入力に困惑すると推定される単位時間あたりの操作回数とすることができる。また、前記基準頻度K3は、各画面に対する操作入力の難易度に応じて定められていてもよい。
【0121】
閾値変更処理部215は、セルフ端末装置20を操作する利用者の属性を示す属性情報に基づいて、前記判定閾値を変更する処理を行う。
【0122】
前記属性は、例えば、利用者の年齢や、利用者の住所、利用者が過去に当該宿泊施設を利用した利用回数、前回の判定時に困惑状態と判定されたことを示す判定履歴、過去に困惑状態と判定された回数(過去判定回数)などである。これらの属性情報は、利用者情報取得部112によって前記利用者登録データ122から抽出された前記利用者情報に含まれている。
【0123】
本実施形態では、閾値変更処理部215は、利用者情報取得部112によって抽出され、管理装置10からセルフ端末装置20に送信された前記利用者情報に含まれる前記属性情報に基づいて、前記判定閾値を変更する処理を行う。
【0124】
例えば、閾値変更処理部215は、利用者の年齢が予め定められた基準年齢K4以上である場合に、前記判定閾値を変更する。前記基準年齢K4は、任意に変更可能な設定値であり、その一例として、例えば、70歳である。年齢が高齢であるほどセルフ端末装置20に対する操作に困惑する可能性が高いと考えらえる。そのため、利用者の年齢が前記基準年齢K4以上である場合に、前記困惑状態と判定されやすくなるように、前記設定時間K1及び前記設定回数K2を所定の割合だけ減少させ、前記基準頻度K3を所定の割合だけ大きくする。
【0125】
また、閾値変更処理部215は、利用者が前回に前記宿泊施設を利用したときに前記困惑状態と判定された者(被判定者)である場合に、前記判定閾値を変更してもよい。利用者が前記被判定者である場合は、セルフ端末装置20に対する操作に困惑する可能性が高いと考えらえる。そのため、この場合も、前記困惑状態と判定されやすくなるように、前記判定閾値を変更する。
【0126】
また、閾値変更処理部215は、利用者が過去に前記困惑状態と判定された前記過去判定回数が、予め定められた設定回数K5以上である場合に、前記判定閾値を変更してもよい。利用者の前記過去判定回数が前記設定回数K5以上である場合は、つまり、過去に何度も前記困惑状態と判定されている場合は、今回も前記困惑状態と判定される可能性が高い。そのため、この場合も、前記困惑状態と判定されやすくなるように、前記判定閾値を変更する。
【0127】
なお、前回の利用時から所定期間以上の長い間、前記宿泊施設を利用していない場合に、閾値変更処理部215は、前記困惑状態と判定されやすくなるように前記判定閾値を変更してもよい。
【0128】
また、利用者の住所が都心から離れた地方都市である場合は、セルフ端末装置20に不慣れな可能性が高い。そのため、この場合も、閾値変更処理部215は、前記困惑状態と判定されやすくなるように前記判定閾値を変更してもよい。なお、前記判定閾値を変更する条件として、利用者の住所が、例えば、政令都市以外の都市であること、政令都市から所定距離離れた地域であること、人口密度が所定の閾値よりも小さい地域であること、などが考えられる。
【0129】
なお、利用者の年齢は、例えば、カメラ26から撮像された利用者の画像から利用者の年齢を推定することにより取得されてもよい。この場合、年齢を画像解析して取得する制御部21が、本発明の属性取得部の一例である。
【0130】
通知処理部216は、携帯端末装置30に提供するべき情報を通信部27を通じて携帯端末装置30に送信する処理を行う。具体的には、通知処理部216は、困惑判定処理部214によって利用者が困惑状態であると判定された場合に、前記宿泊施設の従業員が利用する携帯端末装置30に、利用者が困惑状態であることを示す困惑情報(判定結果)を出力する処理を行う。通知処理部216は、セルフ端末装置20から携帯端末装置30に前記困惑情報を送信してもよく、また、セルフ端末装置20から管理装置10を経て、管理装置10に前記困惑情報を携帯端末装置30に送信させるようにしてもよい。
【0131】
本実施形態では、通知処理部216は、困惑している利用者が使用しているセルフ端末装置20の識別情報(端末識別情報)を前記困惑情報とともに携帯端末装置30に送信する。前記識別情報は、例えば、セルフ端末装置20を特定することができる装置番号や装置名称、装置の位置情報などである。
【0132】
また、通知処理部216は、困惑している利用者が操作中の画面情報を前記困惑情報とともに携帯端末装置30に送信する。
【0133】
これらの情報が携帯端末装置30で受信されると、携帯端末装置30の制御部によって、携帯端末装置30の表示画面に前記情報が表示される。これにより、携帯端末装置30を所有する従業員は、特定のセルフ端末装置20において利用者が入力操作に困惑していることを把握できる。
【0134】
[チェックイン処理]
以下、図15及び図16を参照しつつ、利用者支援システム100において実行されるチェックイン処理(困惑判定処理を含む)の手順の一例とともに、本発明の困惑状態判定方法について説明する。なお、本発明は、前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップを実行する困惑状態判定方法の発明として捉えることができる。ここで、図15及び図16は、前記チェックイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0135】
前記チェックイン処理は、管理装置10の制御部11及びセルフ端末装置20の制御部21により実行される。例えば、制御部11が記憶部12に記憶された制御プログラムを実行することによって、そして、制御部21が記憶部22に記憶された制御プログラムを実行することによって、前記チェックイン処理が行われる。
【0136】
なお、以下に説明する前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックイン処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
【0137】
更に、以下に説明する前記チェックイン処理は、処理実行主体である制御部11又は制御部21に対応するプロセッサによって各ステップが実行されてもよく、或いは、各制御部11,21に対応する複数のプロセッサによって各ステップが分散して実行されてもよい。
【0138】
ステップS11において、制御部21は、カメラ26によって撮像された画像データに基づいて、セルフ端末装置20の正面に立つ利用者(操作者)を検知すると、日本語(宿泊施設の国の母国語)で表記された前記初期画面D11(図7参照)をデフォルトの受付画面として操作表示部23に表示する(S12)。
【0139】
次のステップS13では、制御部21は、操作画面に表示する言語(表示言語)を選択するための言語選択指示が入力されたか否かを判定する。例えば、操作者によって、英語表記を選択するための言語選択ボタン(図7参照)がタッチ操作されると、そのタッチ操作によって生じた操作信号に基づいて、制御部21は、前記初期画面D11の日本語表記を英語表記に変更する(S14)。言い換えると、制御部21は、英語で表記された前記初期画面D11を操作表示部23に表示する。以降、チェックイン手続きが完了するまで、表示言語が「英語」に維持される。その後、処理はステップS15に移行する。なお、ステップS13において、前記言語選択指示が入力されなかった場合、表示言語が変更されないまま、処理はステップS15に移行する。
【0140】
ステップS15では、制御部21は、チェックイン手続きが開始されたか否かを判定する。例えば、前記初期画面D11において、チェックイン手続きを開始するためのチェックインボタン41(図7参照)がタッチ操作されると、制御部21は、そのタッチ操作によって生じた操作信号に基づいて、チェックイン手続きが開始されたと判定する。なお、ステップS15においてチェックインボタン41がタッチ操作されるまで、ステップS13~S15の処理が繰り返される。
【0141】
ステップS15において、チェックイン手続きが開始されたと判定されると、制御部21は、利用者が在外者であるか否かを判定する(S16)。具体的には、制御部21は、表示言語が外国語に変更された場合に、利用者が外国在住者(在外者)であるか否かを確認するための前記在外者確認画面D17(図13参照)を操作表示部23に表示する。そして、在外者選択ボタンがタッチ操作された場合に利用者を外国在住者と判定し、日本選択ボタンがタッチ操作された場合に利用者を国内在住者と判定する。ステップS16において、利用者が外国在住者と判定されると、処理はステップS17に移行する。一方、操作者が国内在住者と判定されると、パスポート画像を読み取る処理を行うことなく、処理はステップS19に移行する。
【0142】
ステップS17では、制御部21は、利用者のパスポートのイメージ画像(パスポート画像)の入力を受け付けるために、操作者のパスポート画像を読み取る準備を行う。具体的には、制御部21は、前記パスポート読取案内画面D18(図14参照)を操作表示部23に表示し、画像読取部25を起動して、読取面にパスポートが載置されるまで待機する。画像読取部25の読取面にパスポートが載置され、その後にOKボタン53がタッチ操作されると、画像読取部25は取動作を開始して、パスポートのイメージ画像を取得する。なお、画像読取部25は、読取面にパスポートが載置されたことを検知して自動的に読取動作を開始してもよい。
【0143】
ステップS18では、制御部21は、パスポートのイメージ画像が取得されたか否かを判定する。例えば、読取画像に写真が含まれており、且つ、読取画像をOCR処理して得られるテキスト情報に氏名、パスポート番号に相当する情報が含まれている場合に、パスポートの必要ページのイメージ画像が取得されたと判定する。パスポート画像が取得されると、処理はステップS19に移行する。なお、パスポート画像の取得が判定されなかった場合は、制御部21は、再読取を促すエラーメッセージを表示し、その後、再び、前記パスポート読取案内画面D18を操作表示部23に表示して、再度の読取まで待機する。
【0144】
なお、ステップS18においてパスポート画像が取得されず、前記パスポート読取案内画面D18が連続して表示される前記連続表示時間Ntが、前記設定時間K1を超えたと判定された場合に、制御部21は、利用者がセルフ端末装置20の操作に対して困惑状態であると判定し、携帯端末装置30にその旨を示す前記困惑情報を送信してもよい。これにより、携帯端末装置30の制御部によって、携帯端末装置30の表示画面に前記困惑情報が表示される。その結果、携帯端末装置30を所有する従業員は、特定のセルフ端末装置20において利用者が操作に困惑していることを把握できる。
【0145】
ステップS19では、制御部21は、前記検索方法選択画面D12(図8参照)を操作表示部23に表示し、その画面においていずれかの選択ボタン(例えば名前検索ボタン43)がタッチ操作された後に、前記予約検索情報を入力するための操作入力画面(例えば前記氏名入力画面D13)を表示する。
【0146】
次のステップS20において、制御部21は、前記予約検索情報の入力が完了したか否かを判定する。例えば、前記氏名入力画面D13において、必要な情報の入力が検出されて、更に、OKボタン53がタッチ操作されると、制御部21は、前記予約検索情報の入力が完了したと判定する。例えば、制御部21は、操作表示部23に表示された前記氏名入力画面D13から予約者の氏名が入力された場合に、その氏名情報を前記予約検索情報として取得する。
【0147】
なお、セルフ端末装置20の画像読取部25によってチェックイン手続きに利用可能な前記二次元コードが読み取られた場合に、制御部21は、前記二次元コードに含まれるユーザIDから予約者の氏名情報を取得してもよい。或いは、ステップS18においてパスポート画像が読み取られたと判定された場合に、制御部21は、その画像をOCR処理することによって得られるテキスト情報から氏名情報を取得してもよい。また、制御部21は、予約者の氏名とともに、予約者の誕生日、住所、電話番号、メールアドレス、予約番号などの各情報を操作入力画面から入力させて、これらの情報を前記予約検索情報として取得してもよい。
【0148】
前記予約検索情報の入力が完了すると、制御部21は、前記予約検索情報とともに予約検索要求を管理装置10に送信して、管理装置10に前記予約情報の検索処理を実行させる(S21)。管理装置10では、制御部11は、記憶部12内の予約データ121を参照して、予約者の氏名を含む予約情報を予約データ121から検索する検索処理を行い、予約データ121に利用者の予約情報が有るか否かを判定する。
【0149】
一方、利用者による前記予約検索情報の入力中に、制御部21によって、ステップS50の困惑判定処理(図17参照)が実行される。なお、前記困惑判定処理については後述する。
【0150】
図16に示すように、次のステップS22において、前記検索処理によって、予約データ121に利用者の予約情報があると判定されると(S22のYes側)、制御部11は、予約データ121から当該予約情報を取得する。そして、予約データ121に含まれる当該予約情報が管理装置10からセルフ端末装置20に送信される。セルフ端末装置20では、制御部21が、その予約情報を含む前記予約情報確認画面D14(図10参照)を操作表示部23に表示する(S23)。
【0151】
なお、ステップS22において前記予約情報が見つからなかった場合は(S22のNo)、宿泊施設の従業員を呼び出す呼び出し処理(S36)が行われる。また、前記予約情報確認画面D14に表示されている前記予約情報が間違っている場合に、利用者によって呼び出しボタン54がタッチ操作されると(S24のNo)、前記呼び出し処理(S36)が行われる。
【0152】
利用者が前記予約情報確認画面D14に表示された予約内容が正しいことを確認した後に、OKボタン53がタッチ操作されると(S24のYes)、次のステップS25では、制御部21は、前記宿泊者情報入力画面D15(図11参照)を操作表示部23に表示して、利用者の前記宿泊者情報などの未入力項目の入力を利用者に促す。
【0153】
次のステップS26において、制御部21は、前記宿泊者情報の入力が完了したか否かを判定する。例えば、前記宿泊者情報入力画面D15において、必要な情報の入力が検出されて、更に、OKボタン53がタッチ操作されると、制御部21は、前記宿泊者情報の入力が完了したと判定する。
【0154】
一方、利用者による前記宿泊者情報の入力中に、制御部21によって、ステップS50の困惑判定処理(図17参照)が実行される。
【0155】
前記宿泊者情報の入力が完了すると、制御部21は、利用者の前記宿泊者情報とともに宿泊台帳登録要求を管理装置10に送信して、管理装置10に前記宿泊者情報を前記宿泊台帳データに登録する登録処理を実行させる(S27)。管理装置10では、制御部11は、記憶部12内の前記宿泊台帳データにアクセスして、前記宿泊者情報を前記宿泊台帳データに格納する。
【0156】
前記宿泊者情報の登録が完了すると、次のステップS28では、制御部21は、利用者の前記予約情報を参照して、宿泊費用の決済が済んでいるか否かを判定する。ここで、宿泊費用の決済が済んでいる場合は、ステップS32に進み、ルームキー(カードキー)を利用者に対して発行する処理が行われ、一連のチェックイン処理が終了する。
【0157】
一方、宿泊費用の決済が済んでいない場合は、次のステップS29では、制御部21は、前記支払い画面D16(図12参照)を操作表示部23に表示して、前記支払情報の入力を利用者に促す。
【0158】
次のステップS30において、制御部21は、前記支払情報の入力が完了したか否かを判定する。例えば、前記支払い画面D16において、必要な前記支払情報の入力が検出されて、更に、OKボタン53がタッチ操作されると、制御部21は、前記支払情報の入力が完了したと判定する。
【0159】
一方、利用者による前記支払情報の入力中に、制御部21によって、ステップS50の困惑判定処理(図17参照)が実行される。
【0160】
前記支払情報が入力されて、宿泊費用の決済が実行されると(S31)、その後、ルームキー(カードキー)を利用者に対して発行する処理が行われ(S32)、一連のチェックイン処理が終了する。
【0161】
[困惑判定処理]
以下、図17を参照しつつ、利用者支援システム100において実行されるステップS50の困惑判定処理の手順の一例について説明する。ここで、図17は、前記チェックイン処理に含まれる前記困惑判定処理(S50)の手順の一例を示すフローチャートである。
【0162】
前記困惑判定処理は、主として、セルフ端末装置20の制御部21により実行される。例えば、制御部21が記憶部22に記憶された制御プログラムを実行することによって、前記困惑判定処理は行われる。
【0163】
ステップS51において、制御部21は、前記特定画面が表示された時点から、前記特定画面の前記連続表示時間Ntをカウントする。ステップS51は、本発明の指標算出ステップの一例である。
【0164】
例えば、ステップS20において入力が完了する前に行われる困惑判定処理(S50)では、前記予約検索情報の操作入力画面(例えば前記氏名入力画面D13)の前記連続表示時間Ntがカウントされる。また、ステップS26において入力が完了する前に行われる困惑判定処理(S50)では、前記宿泊者情報入力画面D15(図11参照)の前記連続表示時間Ntがカウントされる。また、ステップS30において入力が完了する前に行われる困惑判定処理(S50)では、前記支払い画面D16(図12参照)の前記連続表示時間Ntがカウントされる。
【0165】
次のステップS52において、制御部21は、前記連続表示時間Ntが前記設定時間K1を超えたか否かを判定する。ここで、前記連続表示時間Ntが前記設定時間K1を超えたと判定されると、制御部21は、セルフ端末装置20を操作している利用者が前記困惑状態であると認定する。この場合、制御部21は、前記困惑情報を携帯端末装置30に送信する。ステップS52は、本発明の判定ステップの一例である。
【0166】
前記連続表示時間Ntが前記設定時間K1を超える前に前記特定画面が他の操作入力画面に切り替わった場合、処理はステップS53に進む。
【0167】
ステップS53では、制御部21は、チェックイン手続きの開始以降に戻りボタンが操作された前記戻り操作回数Nmを記憶部22から読み出す。なお、セルフ端末装置20において、チェックインボタン41が操作されてチェックイン手続きが開始されると、制御部21は、操作入力画面に対する利用者のタッチ操作により操作信号が生じた回数(操作回数)をカウントする。本実施形態では、そのカウント値が、利用者の操作回数として記憶部22に記憶されている。なお、前記操作回数をカウントする処理手順は、本発明の指標算出ステップの一例である。
【0168】
次のステップS54では、制御部21は、前記戻り操作回数Nmが前記設定回数K2を超えたか否かを判定する。ここで、前記戻り操作回数Nmが前記設定回数K2を超えたと判定されると、制御部21は、セルフ端末装置20を操作している利用者が前記困惑状態であると認定する。この場合、制御部21は、前記困惑情報を携帯端末装置30に送信する(S57)。ステップS54は、本発明の判定ステップの一例である。
【0169】
なお、前記戻り操作回数Nmは、前記特定画面が表示されてからの操作回数であってもよい。この場合、制御部21は、前記特定画面が表示された時点から、前記戻り操作回数Nmをカウントする。
【0170】
前記戻り操作回数Nmが前記設定回数K2未満である場合、次のステップS55において、制御部21は、チェックイン手続きが開始してから現時点までの経過時間と前記操作回数に基づいて、前記操作入力頻度Nfを算出する処理を行う。ステップS51は、本発明の指標算出ステップの一例である。
【0171】
次のステップS56では、制御部21は、前記操作入力頻度Nfが前記基準頻度K3よりも小さいか否かを判定する。ここで、前記操作入力頻度Nfが前記基準頻度K3よりも小さいと判定されると、制御部21は、セルフ端末装置20を操作している利用者の操作が滞っており、利用者が前記困惑状態であると判定する。この場合、制御部21は、前記困惑情報を携帯端末装置30に送信する(S57)。ステップS56は、本発明の判定ステップの一例である。
【0172】
ステップS54において、前記操作入力頻度Nfが前記基準頻度K3以上と判定された場合は、ステップS20、S26、又はS30に戻る。
【0173】
[閾値変更処理]
以下、図18を参照しつつ、利用者支援システム100において実行される閾値変更処理の手順の一例について説明する。ここで、図18は、前記閾値変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0174】
前記閾値変更処理は、主として、セルフ端末装置20の制御部21により実行される。例えば、制御部21が記憶部22に記憶された制御プログラムを実行することによって、前記閾値変更処理は行われる。
【0175】
制御部21は、セルフ端末装置20を操作する利用者に関する前記利用者情報を取得すると、前記利用者情報に利用者の年齢が含まれているか否かを判定する(S61)。
【0176】
ここで、前記年齢が前記利用者情報に含まれていないと判定された場合は、制御部21は、カメラ26により撮像された利用者の画像に基づいて、利用者の年齢を推定する(S62)。その後、ステップS63に進む。
【0177】
ステップS61において、前記年齢が前記利用者情報に含まれていると判定された場合は、次のステップS63において、利用者の年齢が前記基準年齢K4以上か否かを判定する。そして、利用者の年齢が前記基準年齢K4以上である場合は、前記設定時間K1や前記設定回数K2、前記基準頻度K3などの前記判定閾値を変更する(S66)。本実施形態では、上述したように、前記困惑状態と判定されやすくなるように、前記判定閾値を変更する。
【0178】
一方、利用者の年齢が前記基準年齢K4未満である場合は、次のステップS64において、制御部21は、前回に前記宿泊施設を利用したときに前記困惑状態と判定された者(被判定者)であるか否かを判定する。ここで、利用者が前記被判定者であると判定された場合は、制御部21は、前記困惑状態と判定されやすくなるように、前記判定閾値を変更する(S66)。
【0179】
一方、利用者が前記被判定者ではないと判定されると、次のステップS65において、制御部21は、利用者の前記過去判定回数が前記設定回数K5以上であるか否かを判定する。ここで、前記過去判定回数が前記設定回数K5以上であると判定された場合は、制御部21は、前記困惑状態と判定されやすくなるように、前記判定閾値を変更する(S66)。
【0180】
なお、ステップS65で、前記過去判定回数が前記設定回数K5未満と判定されると、前記判定閾値を変更せずに、一連の処理が終了する。
【0181】
以上説明したように、本発明の実施形態では、利用者支援システム100において上述した前記チェックイン処理において前記困惑判定処理が行われるため、前記宿泊施設の従業員がセルフ端末装置20を操作する利用者に注意を払わなくても、携帯端末装置30に通知される前記困惑情報を確認することにより、利用者がセルフ端末装置20の操作に困惑しているかどうかを容易に判断することができる。これにより、従業員の監視負担を軽減することが可能となる。
【0182】
また、従業員は、いち早く利用者のそばに駆け寄って、声を掛けてあげて利用者の不安を取り除くことができ、また、利用者の入力操作をサポートしてあげることができる。
【0183】
また、前記困惑情報とともに、困惑している利用者が使用しているセルフ端末装置20の識別情報や、困惑している利用者が操作中の画面情報が通知される。そのため従業員は、困惑している利用者が操作している端末装置を容易に把握することができ、また、どの操作入力画面で困っているのかを事前に把握することができる。
【0184】
また、上述の実施形態では、前記特定画面の前記連続表示時間Ntが前記困惑指標として算出されるため、利用者が前記困惑状態であることをより確実に判定することができる。
【0185】
また、上述の実施形態では、利用者の属性に応じて、前記困惑判定処理に用いられる各種の判定閾値が変更される。そのため、利用者の属性にかかわらず、利用者が困惑状態であることをより確実に判定することができる。
【0186】
なお、上述の実施形態では、前記特定画面が表示された場合の前記連続表示時間Ntを例示して前記困惑判定処理について説明したが、前記連続表示時間Ntは、前記特定画面の連続表示時間でなく、前記特定画面以外の操作入力画面の連続表示時間であってもよい。
【0187】
また、上述の実施形態では、利用者がセルフ端末装置20において前記チェックイン手続きを行った場合に実行される困惑判定処理について例示したが、本発明はこのような処理例に限られない。例えば、利用者がチェックアウト手続きを行った場合にも本発明の困惑判定処理は適用可能である。この場合、セルフ端末装置20におけるチェックアウト手続きの操作入力に困惑した場合でも、その困惑状態を容易に判定することが可能である。
【0188】
また、上述の実施形態では、ホテルや旅館等の宿泊施設に適用される利用者支援システム100を例示したが、本発明の困惑状態判定システムは、前記宿泊施設に適用されるシステムに限られない。上述した実施形態は、本発明の困惑状態判定システムを宿泊施設における宿泊管理システムに適用した場合の単なる一実施例であり、本発明は、セルフ端末装置20を介してチェックイン手続きやチェックアウト手続きなどの利用手続きを利用者自らが行うように構成されたシステムにも適用可能である。
【0189】
たとえば、前記利用手続きとしては、事前に利用予約をしたゴルフ場などの娯楽施設(施設の一例)におけるチェックイン手続き又はチェックアウト手続き、空港(施設の一例)における搭乗手続き、港湾施設(施設の一例)における乗船手続き、映画館や美術館(施設の一例)における入館手続き、オフィスビルや行政サービスなどを行う施設などにおける入館手続き又は退館手続き、貸し会議室やカラオケ店、飲食店などの各施設の利用開始手続きなどが該当する。
【0190】
なお、本発明の他の実施形態として、セルフ端末装置20の制御部21に含まれる各処理部の一部又は全部が管理装置10の制御部11に含まれてもよい。また、管理装置10の制御部11に含まれる各処理部の一部又は全部がセルフ端末装置20の制御部21に含まれてもよい。
【0191】
また、本発明の利用者支援システム100は、管理装置10及びセルフ端末装置20で構成されてもよいし、管理装置10及びセルフ端末装置20のいずれか一方の情報処理装置によって本発明の困惑状態判定装置が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0192】
10 :管理装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
20 :セルフ端末装置
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
30 :携帯端末装置
100 :利用者支援システム
111 :予約情報取得部
112 :利用者情報取得部
113 :登録処理部
121 :予約データ
122 :利用者登録データ
211 :受付処理部
212 :表示処理部
213 :指標算出部
214 :困惑判定処理部
215 :閾値変更処理部
216 :通知処理部
217 :チェックイン処理部
218 :チェックアウト処理部
D11-D18 :操作入力画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18