(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085605
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】薬剤師業務支援システム、薬剤師業務支援方法及び薬剤師業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240620BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200202
(22)【出願日】2022-12-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】395011562
【氏名又は名称】三菱電機ITソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】511311750
【氏名又は名称】株式会社マディア
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朝子
(72)【発明者】
【氏名】中村 敏明
(72)【発明者】
【氏名】古川 綾
(72)【発明者】
【氏名】中村 公昭
(72)【発明者】
【氏名】園田 康博
(72)【発明者】
【氏名】高野 謙司
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】経験又は知識が少ない薬剤師でも患者が持っている課題を特定可能にする。
【解決手段】選択受付部は、薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、複数の選択肢から患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける。課題推定部は、選択受付部によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、患者が持っている課題として推定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定部と
を備える薬剤師業務支援システム。
【請求項2】
前記選択受付部は、前記複数の選択肢のうち指定された指定選択肢について、前記指定選択肢が示す内容を具体化した複数のサブ項目を表示し、前記複数のサブ項目のうちいずれかのサブ項目が選択された場合に、前記指定選択肢の選択を受け付けたとする
請求項1に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項3】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記課題推定部によって推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示する状態確認部
を備える請求項1に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項4】
前記状態確認部は、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付け、
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記状態確認部によって受け付けされた情報から、前記課題推定部により推定された課題が薬剤師が患者に指導する課題として評価できるかを判断するための支援情報を生成する支援情報生成部
を備える請求項3に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項5】
前記1つ以上の確認項目には点数が割り当てられており、
前記支援情報生成部は、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数から前記支援情報を生成する
請求項4に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項6】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報を表示して、前記課題推定部によって推定された前記課題が正しいか否かの入力を受け付ける推定確認部と
を備える請求項4に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項7】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づき、前記課題推定部によって推定された前記課題が正しいか否かを判定する推定判定部と
を備える請求項4に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項8】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者に対して指導を行う際に前記患者に提示する資材であって、前記課題推定部によって推定された課題に対応した資材を特定する資材特定部
を備える請求項1に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項9】
前記資材特定部は、前記課題に対応した資材のうち、前記患者の属性の評価に応じた資材を特定する
請求項8に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項10】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるSubjectとして、前記課題推定部によって推定された前記課題を記録する薬歴記録部
を備える請求項1に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項11】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment Plan)薬歴におけるObjectとして、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目を記録する薬歴記録部
を備える請求項4に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項12】
前記1つ以上の確認項目は、複数のファクターのうちのいずれかのファクターに分類され、
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment Plan)薬歴におけるAssessmentとして、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目が分類されたファクターを記録する薬歴記録部
を備える請求項4に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項13】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment Plan)薬歴におけるPlanとして、前記資材特定部によって特定された資材を記録する薬歴記録部
を備える請求項8に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項14】
コンピュータが、薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する薬剤師業務支援方法。
【請求項15】
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付処理と、
前記選択受付処理によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定処理と
を行う薬剤師業務支援システムとしてコンピュータを機能させる薬剤師業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤師による患者への指導業務を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤師は、処方箋に従い調剤を行う対物業務だけでなく、服薬等に関する患者への指導といった対人業務を行う。患者への指導は、薬剤師の経験又は知識の差が、質の差として現れ易い。担当する薬剤師によらず、質の高い指導を行えるようにすることが望まれている。
【0003】
薬剤師は、患者が持っている課題(プロブレム)に応じた適切な指導を行う必要がある。課題とは服薬指導に関してはプロブレムと表現することもある。適切な指導を行うためには、患者が持っている課題を正しく特定する必要がある。同じ課題を持っている患者であっても、患者によって課題の表現の仕方が異なる。表現の仕方が異なるため、薬剤師の経験又は知識が少ないと、患者の話から患者が持っている課題を正しく特定することが難しい。そのため、薬剤師の経験又は知識が少ないと、適切な指導を行うことが難しい。
【0004】
患者の話から患者が持っている課題を正しく特定できない状態で指導を行うと、患者は、抱えるストレス等が薬剤師に理解されていないと感じることがある。すると、患者と薬剤師との間の信頼関係が築けなくなってしまう。患者は、信頼関係が築けていない薬剤師から受けた指導には従わない傾向があり、適切な指導内容についても患者に実施されなくなってしまう。
【0005】
特許文献1には、被処方者のシチュエーションに応じた服薬関連情報を抽出するシステムについて記載されている。服薬関連情報は、被処方者に指導すべき内容を示す情報である。これにより、特許文献1では、薬剤師の能力によらず、きめ細やかな服薬指導をできるようにしようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、被処方者のシチュエーションに応じた服薬関連情報を抽出している。特許文献1では、被処方者のシチュエーションは、被処方者の服薬に関連する状況である。具体的には、特許文献1では、被処方者のシチュエーションは、処方薬の処方履歴と、被処方者の属性と、被処方者の血液型、人種、身長、体重及び既往症等とである。特許文献1の技術を用いることで、被処方者の服薬に関連する状況に応じて指導すべき内容を特定できるようになるかもしれない。
しかし、特許文献1には、患者が持っている課題を特定する方法については記載されていない。患者が持っている課題は、服薬に関連する状況だけでは把握できない。例えば、糖尿病を患っている患者は、特許文献1で上げているシチュエーションの具体的な項目が同じであっても、患者によって持っている課題は異なる。そのため、特許文献1に記載された技術では、患者が持っている課題を特定することはできない。
本開示は、患者が持っている課題を特定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る薬剤師業務支援システムは、
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定部と
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示では、患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢から患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付け、選択肢に対応する課題を、患者が持っている課題として推定する。これにより、患者の話に近い選択肢を選択するだけで、患者が持っている課題を特定可能である。そのため、経験又は知識が少ない薬剤師であっても、患者が持っている課題を正しく特定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の構成図。
【
図2】実施の形態1に係る薬剤師業務支援装置10の構成図。
【
図4】実施の形態1に係る課題特定情報131の説明図。
【
図5】実施の形態1に係る資材情報231の説明図。
【
図6】実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを示すフローチャート。
【
図10】実施の形態1に係る支援情報40の説明図。
【
図12】実施の形態2に係る薬剤師業務支援装置10の構成図。
【
図13】実施の形態2に係る薬局端末20の構成図。
【
図14】実施の形態2に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを示すフローチャート。
【
図15】実施の形態3に係る資材情報231の説明図。
【
図16】実施の形態3に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを示すフローチャート。
【
図17】実施の形態4に係る薬局端末20の構成図。
【
図18】実施の形態4に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の構成を説明する。
薬剤師業務支援システム100は、薬剤師業務支援装置10と、1台以上の薬局端末20とを備える。薬剤師業務支援装置10と各薬局端末20とは、ネットワーク90を介して接続されている。
薬剤師業務支援装置10は、クラウドサーバといったコンピュータである。薬局端末20は、薬局30に設置され、薬剤師によって操作されるPC等のコンピュータである。PCは、Personal Computerの略である。
薬局端末20は、同じ薬局30に複数台設置されてもよい。また複数台の薬局端末20を設置する場合は、PCとタブレット端末等異なる装置を組み合わせて設置してもよい。
【0012】
図2を参照して、実施の形態1に係る薬剤師業務支援装置10の構成を説明する。
薬剤師業務支援装置10は、コンピュータである。
薬剤師業務支援装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0013】
薬剤師業務支援装置10は、機能構成要素として、選択肢特定部111と、課題推定部112とを備える。薬剤師業務支援装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、薬剤師業務支援装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、薬剤師業務支援装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0014】
ストレージ13には、課題特定情報131が記憶される。
【0015】
図3を参照して、実施の形態1に係る薬局端末20の構成を説明する。
薬局端末20は、コンピュータである。
薬局端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とのハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。薬局端末20がPCの場合、ハードウェアとして複数のモニターに接続されていてもよい。
【0016】
薬局端末20は、機能構成要素として、処方箋処理部211と、選択受付部212と、状態確認部213と、支援情報生成部214と、推定確認部215と、資材特定部216を備える。薬局端末20の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ23には、薬局端末20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりメモリ22に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、薬局端末20の各機能構成要素の機能が実現される。
【0017】
ストレージ23には、資材情報231が記憶される。
【0018】
プロセッサ11,21は、プロセッシングを行うICである。ICはIntegrated Circuitの略である。プロセッサ11,21は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0019】
メモリ12,22は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12,22は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0020】
ストレージ13,23は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13,23は、具体例としては、HDDである。HDDは、Hard Disk Driveの略である。また、ストレージ13,23は、SD(登録商標)メモリカード、CompactFlash(登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0021】
通信インタフェース14,24は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14,24は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)のポートである。USBは、Universal Serial Busの略である。HDMIは、High-Definition Multimedia Interfaceの略である。
【0022】
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、
図3では、プロセッサ21は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ21は、複数であってもよく、複数のプロセッサ21が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0023】
***動作の説明***
図4から
図10を参照して、実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の動作を説明する。
実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の動作手順は、実施の形態1に係る薬剤師業務支援方法に相当する。また、実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る薬剤師業務支援プログラムに相当する。
【0024】
図4を参照して、実施の形態1に係る課題特定情報131を説明する。
課題特定情報131は、病名毎にテーブルを有する。各テーブルは、選択肢毎に、課題と、プロファイルデータとを含む。
選択肢には、メイン項目と、サブ項目とが含まれる。メイン項目は、薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す。サブ項目は、メイン項目が示す内容を具体化した内容を示す。
課題は、患者が持っている課題であり、患者が薬剤師に伝えようとしている主訴である。
プロファイルデータは、患者の療養状態に関する確認項目である。プロファイルデータは、既往症・合併症と、薬学管理と、生活サイクルと、疾病や薬への向き合い方と、食事・嗜好と、運動・職業との6つのファクターに分類される。プロファイルデータは、各ファクターについて確認項目が設定されている。各確認項目には点数が割り当てられている。なお、選択肢によっては、一部のファクターについては確認項目が設定されていない場合もある。
【0025】
図5を参照して、実施の形態1に係る資材情報231を説明する。
資材情報231には、課題毎に、資材が含まれる。
課題は上述した通りである。資材は、患者に指導を行う際に使用される資料であり、患者に提示する等して用いられる。
【0026】
図6を参照して、実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを説明する。
(ステップS11:処方箋処理)
薬局端末20の処方箋処理部211は、処方箋の受付画面を表示する。薬剤師は、対応中の患者から受け取った処方箋の情報を受付画面に入力する。処方箋の情報には、対象患者の患者ID及び氏名と、処方された薬剤の情報とが含まれている。薬剤師が患者から病名を聴取した場合には、薬剤師は病名も入力する。処方箋処理部211は、入力された情報を薬剤師業務支援装置10に送信する。
【0027】
(ステップS12:選択肢特定処理)
薬剤師業務支援装置10の選択肢特定部111は、ステップS11で送信された情報を受信する。選択肢特定部111は、受信した情報から患者の病名を特定する。具体的には、受信した情報に病名が含まれる場合には、選択肢特定部111は、その病名を患者の病名として特定する。受信した情報に病名が含まれない場合には、選択肢特定部111は、処方された薬剤が適応する病名を、患者の病名として特定する。薬剤から特定できない病名については、患者からのヒヤリング情報等を加味して、患者の病名を特定してもよい。またステップS12において複数の病名が特定されることもある。
選択肢特定部111は、課題特定情報131における、患者の病名に対応するテーブルを特定する。選択肢特定部111は、特定されたテーブルにおける各選択肢についてのメイン項目及びサブ項目を薬局端末20に送信する。患者の病名が複数特定されたとき、選択肢特定部111は、複数の病名に対応する複数のテーブルを特定することになる。複数のテーブル内で、メイン項目及びサブ項目の重複がある場合、選択肢特定部111は重複を取り除いたメイン項目及びサブ項目を薬局端末20に送信する。
【0028】
(ステップS13:選択受付処理)
薬局端末20の選択受付部212は、ステップS12で送信された各選択肢についてのメイン項目を表示する。そして、選択受付部212は、複数の選択肢からメイン項目が患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける。
具体的には、選択受付部212は、
図7に示すような画面を表示して、患者から話を聞いた薬剤師に、患者の話に最も近いメイン項目のチェックボックスにチェックを入れさせる。これにより、チェックされたメイン項目に対応する選択肢が選択されたことになる。
【0029】
この際、どのメイン項目が患者の話に近いか薬剤師が判断に迷う可能性がある。この場合には、薬剤師は、メイン項目にカーソルを合わせる等して、メイン項目を指定する。すると、選択受付部212は、
図8に示すように、メイン項目が指定された選択肢である指定選択肢についての複数のサブ項目を表示する。そして、選択受付部212は、複数のサブ項目から患者の話に近い内容を示すサブ項目の選択を受け付ける。具体的には、患者から話を聞いた薬剤師に、患者の話に最も近いサブ項目のチェックボックスにチェックを入れさせる。選択受付部212は、チェックされたサブ項目に対応する選択肢の選択を受け付けたとする。
図8では、サブ項目である「甘いものをそんなに食べていない」が選択されたため、サブ項目が属するメイン項目の「なぜ糖尿病になったのか納得がいかない」が選択されたことになる。そして、このメイン項目に対応する選択肢が選択されたことになる。
【0030】
選択受付部212は、選択された選択肢を薬剤師業務支援装置10に送信する。
【0031】
(ステップS14:課題推定処理)
薬剤師業務支援装置10の課題推定部112は、課題特定情報131から、ステップS13で送信された選択肢に対応する課題及びプロファイルデータを読み出す。課題推定部112は、読み出された課題を患者が持っている課題として推定する。そして、課題推定部112は、読み出された課題及びプロファイルデータを薬局端末20に送信する。
【0032】
(ステップS15:状態確認処理)
状態確認部213は、ステップS14で送信された課題及びプロファイルデータを表示する。そして、状態確認部213は、プロファイルデータが示す1つ以上の確認項目それぞれついて患者が該当するか否かの入力を受け付ける。
具体的には、状態確認部213は、
図9に示すような画面を表示して、患者から話を聞いた薬剤師に、該当する確認項目のチェックボックスにチェックを入れさせる。これにより、チェックされた確認項目に該当することになる。
【0033】
なお、状態確認部213は、薬剤師だけでなく患者も表示された情報が見られる状況の場合には、課題については薬剤師にだけ分かるように表示してもよい。例えば、状態確認部213は、薬剤師にだけ分かる課題の識別子を表示してもよい。あるいは、状態確認部213は、課題については薬剤師だけが見られる表示装置に表示してもよい。これは、患者が推定された課題を見ると、気分を害する可能性があるためである。
【0034】
(ステップS16:支援情報生成処理)
支援情報生成部214は、ステップS15で受け付けされた情報から、ステップS14で推定された課題が薬剤師が患者に指導する課題として評価できるかを判断するための支援情報40を生成する。
具体的には、支援情報生成部214は、ステップS15で該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数から支援情報40を生成する。実施の形態1では、支援情報生成部214は、
図10に示すように、プロファイルデータの各ファクターを頂点に設定した六角形41を設定する。支援情報生成部214は、各ファクターについて、基準点(
図10では5点)から、該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数を減算する。これにより、各ファクターについての点数が計算される。そして、各ファクターについて、そのファクターが設定された頂点における点数の位置に点42を設定し、隣り合うファクターの点を線43で結ぶ。支援情報生成部214は、描かれた多角形であるヘキサゴンデータを、支援情報40とする。そして、支援情報生成部214は、支援情報40を表示する。
実施の形態1では、支援情報40は、次のステップS17の処理での判断を行うための参考情報である。薬剤師によっては、支援情報40がなくても、ステップS17の処理での判断を行うことが可能な場合がある。このような場合には、実施の形態1では、ステップS16の処理をスキップしてもよい。
【0035】
(ステップS17:評価受付処理)
推定確認部215は、ステップS14で推定された課題を薬剤師が患者に指導する課題として設定するか否かの入力を受け付ける。この入力は薬剤師からの入力であり、薬剤師がステップS15での確認項目の入力により、設定が適切か否かの判断に基づき入力するものである。設定するか否かの入力は、
図9の画面又は
図9の画面から選択できる画面(図示せず)で入力を受け付ける。
推定確認部215は、課題として設定すると入力された場合には、患者が持っている課題を推定された課題に確定し、処理をステップS19に進める。一方、推定確認部215は、課題として設定しないと入力された場合には、処理をステップS18に進める。
【0036】
(ステップS18:課題受付処理)
推定確認部215は、ステップS14で推定された課題として設定しないとする薬剤師からの入力に基づき、薬剤師からの課題の選択を受け付ける。具体的には推定確認部215は、課題特定情報131における特定された病名が有する課題のうち、ステップS14で推定された課題を除いた課題候補一覧情報を選択肢特定部111に要求する。そして、推定確認部215は、
図9の画面又は
図9の画面から選択できる画面(図示せず)に課題候補一覧を表示し、薬剤師から選択した課題の入力を受け付ける。推定確認部215は、患者が持っている課題を入力された課題に確定する。なおステップS14で推定された課題を除いた課題候補一覧情報から課題を選択させるだけでなく、薬剤師からフリーキーワードで入力を受け付けるように構成してもよい。
【0037】
(ステップS19:資材特定処理)
資材特定部216は、資材情報231から、ステップS17又はステップS18で確定された課題に対応する資材を読み出す。資材特定部216は、読み出された資材を表示する。
【0038】
なお、ステップS18で課題の選択が受け付けされた場合には、選択された課題に対応した支援情報40が生成されていない状態になってしまう。選択された課題に対応した支援情報40を生成しておきたい場合には、状態確認部213は、選択された課題に対応するプロファイルデータを薬剤師業務支援装置10から取得して、ステップS15と同様にプロファイルデータが示す1つ以上の確認項目それぞれについて患者が該当するか否かの入力を受け付ける。そして、支援情報生成部214は、ステップS16と同様に、受け付けされた情報から、ステップS18で選択された課題に対応する支援情報40を生成する。
【0039】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100では、患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢から患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付け、選択肢に対応する課題が、患者が持っている課題として推定される。これにより、患者の話に近い選択肢を選択するだけで、患者が持っている課題を特定可能である。そのため、経験又は知識が少ない薬剤師であっても、患者が持っている課題を正しく特定可能である。
患者が持っている課題を正しく特定することにより、適切な指導を行うことが可能になる。また、患者が持っている課題を正しく特定することにより、患者は薬剤師が自分のことを理解してくれていると感じ、薬剤師を信頼し易くなる。その結果、指導した内容を患者が実施する可能性が高くなる。
【0040】
実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100では、プロファイルデータが示す確認項目に該当するかの入力を受け付け、支援情報40を生成する。これにより、推定された課題が正しいか否かを薬剤師が判断し易くなる。
【0041】
なお、薬剤師の技量によっては、プロファイルデータが示す確認項目を見ることにより、推定された課題が正しいか否かを判断することも可能である。そのため、プロファイルデータが示す確認項目を表示するだけでも、推定された課題が正しいか否かを薬剤師が判断し易くなるという効果がある。
【0042】
実施の形態1に係る薬剤師業務支援システム100では、確定された課題に対応する資材が表示される。これにより、薬剤師が指導に使用する資材を選定する手間を軽減することができる。
【0043】
***他の構成***
<変形例1>
プロファイルデータは、上述した6つのファクターに加え、検査値のファクターを含んでもよい。検査値のファクターには、確認項目として、確認すべき検査項目の値が設定される。例えば、値が大きいほど状態が悪いことを示す検査項目であれば、値が増加しているか、減少しているか、安定しているかで検査値の項目の点数が決定される。値が増加している場合が点数は最も低く、減少している場合が点数は次に低く、安定している場合が点数は最も高くなるようにすることが考えられる。
病気によっては、患者が持っている課題に対する検査値の影響が大きい場合もある。そのため、プロファイルデータに検査値のファクターを設定することにより、推定された課題が正しいか否かを判断し易くなる。
【0044】
またファクターは、上述した6つに限定されるものではなく、課題を確定するための患者の療養状態に関する任意の要素でよい。またファクターの数も6つに限定されるものではなく、任意の数でよい。上述のように6つのファクターに検査値のファクターを加えて7つのファクターとしてもよいし、6つのいずれかのファクターと検査値のファクターを入れ替えて6つとしてもよい。
【0045】
<変形例2>
支援情報40は、ヘキサゴンデータではなく、該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数から計算された評価値であってもよい。
例えば、支援情報生成部214は、該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数を基準値から減算して評価値を計算することが考えられる。また、支援情報生成部214は、該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数を重み付け加算した値を基準値から減算して評価値を計算することが考えられる。また、支援情報生成部214は、実施の形態1で説明した多角形の面積を評価値として計算することが考えられる。
【0046】
<変形例3>
同じ患者が同じ病気で再来店する場合がある。再来店した場合には、患者が持っている課題は前回の来店時と同じことが多い。そこで、再来店の場合には、
図6のステップS15の処理から開始してもよい。この場合には、
図6のステップS17の処理で、前回来店時に推定された課題が現在でも正しいか否かを判定する。課題が正しくない場合には、処理がステップS13に戻され、改めて課題の推定が行われることになる。
【0047】
再来店の場合には、
図6のステップS17で推定確認部215は、前回生成された支援情報40であるヘキサゴンデータと、新たに生成された支援情報40であるヘキサゴンデータとを比較表示してもよい。例えば、推定確認部215は、
図11に示すように、前回のヘキサゴンデータと新たなヘキサゴンデータとを重ねて表示させてもよい。前回の来店時のヘキサゴンデータは
図11において、破線で示している。破線に前回の来店時の来店日付を付記してもよい。新たなヘキサゴンデータは
図11において、実線で示している。実線に薬剤師が患者に服薬指導を行っている日付を付記してもよい。これにより、前回確定された課題について、前回からの改善度合いが分かる。これにより、前回確定された課題を現在でも持っているか否か判断し易くなる。
なお、各患者について、支援情報40及び確定された課題の履歴は薬剤師業務支援システム100に保管されるものとする。
【0048】
<変形例4>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例4として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例4について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0049】
変形例4に係る薬剤師業務支援装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、薬剤師業務支援装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0050】
変形例4に係る薬局端末20の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、薬局端末20は、プロセッサ21とメモリ22とストレージ23とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ22と、ストレージ23との機能とを実現する専用の回路である。
【0051】
電子回路としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
【0052】
<変形例5>
変形例5として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0053】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0054】
実施の形態2.
実施の形態2は、薬剤師業務支援システム100が推定された課題が正しいか否か判定する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については省略する。
【0055】
***構成の説明***
図12を参照して、実施の形態2に係る薬剤師業務支援装置10の構成を説明する。
薬剤師業務支援装置10は、機能構成要素として、推定判定部113を備える点が
図2に示す薬剤師業務支援装置10と異なる。推定判定部113の機能は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
【0056】
図13を参照して、実施の形態2に係る薬局端末20の構成を説明する。
薬局端末20は、機能構成要素として、推定確認部215を備えていない点が、
図3に示す薬局端末20と異なる。
【0057】
***動作の説明***
図14を参照して、実施の形態2に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを説明する。
ステップS21からステップS25の処理は、
図6のステップS11からステップS15の処理と同じである。ステップS28の処理は、
図6のステップS19の処理と同じである。
【0058】
(ステップS26:支援情報生成処理)
支援情報生成部214は、ステップS15で受け付けされた情報から、ステップS14での推定の正しさを判断するための支援情報40を生成する。実施の形態2では、支援情報生成部214は、変形例2で説明したように、評価値を支援情報40として生成する。
支援情報生成部214は、支援情報40を薬剤師業務支援装置10に送信する。
【0059】
(ステップS27:推定判定処理)
推定判定部113は、ステップS26で送信された支援情報40に基づき、ステップS24で推定された課題が正しいか否かを判定する。
具体的には、推定判定部113は、支援情報40である評価値が閾値よりも低い場合には、課題が正しいと判定する。一方、推定判定部113は、支援情報40である評価値が閾値以上である場合には、課題が正しくないと判定する。
【0060】
推定判定部113は、課題が正しいと判定された場合には、患者が持っている課題を推定された課題に確定させ、処理をステップS28に進める。一方、推定確認部215は、課題が正しくないと判定された場合には、処理をステップS23に戻して、選択肢を再選択させる。
【0061】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る薬剤師業務支援システム100では、薬剤師でなく、薬剤師業務支援システム100が推定された課題が正しいか否か判定する。これにより、薬剤師の負担をさらに軽減可能である。
【0062】
実施の形態3.
実施の形態3は、ヘルスリテラシーの評価に基づき資材を特定する点が実施の形態1,2と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態3では、実施の形態1に機能を加えた場合について説明する。しかし、実施の形態2に機能を加えることも可能である。
【0063】
***動作の説明***
図15を参照して、実施の形態3に係る資材情報231を説明する。
資材情報231には、課題及びヘルスリテラシーの評価毎に、資材が含まれる。
ヘルスリテラシーは、健康又は医療についての情報を入手し、理解及び活用する能力を意味する。
図15では、ヘルスリテラシーの評価が高いことを表すHと、ヘルスリテラシーの評価が低いことを表すLとが設定されている。同じ課題に対応する資材では、Hに対応する資材の方が、Lに対応する資材よりも説明が詳細な内容になっていたり、患者側の知識が必要となる内容等になっている。
なお、ヘルスリテラシーの評価はH及びLの2段階に限らず、3段階以上が設定されても構わない。
【0064】
図16を参照して、実施の形態3に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを説明する。
ステップS31からステップS38の処理は、
図6のステップS11からステップS18の処理と同じである。
【0065】
(ステップS39:資材特定処理)
資材特定部216は、患者のヘルスリテラシーの評価の入力を受け付ける。実施の形態3では、薬剤師は、患者との会話から、患者のヘルスリテラシーを推測して、推測されたヘルスリテラシーの評価を入力する。ここでは、ヘルスリテラシーの評価として、H又はLが入力される。
資材特定部216は、資材情報231から、ステップS37又はステップS38で確定された課題に対応する資材であって、入力されたヘルスリテラシーの評価に対応する資材を読み出す。資材特定部216は、読み出された資材を表示する。
【0066】
資材特定部216は、ステップS37又はステップS38で確定された課題に対応する資材であって、入力されたヘルスリテラシーの評価以外のヘルスリテラシーの評価に対応する資材に、表示する資材を簡単に切り替えられるようにしておいてもよい。つまり、入力されたヘルスリテラシーの評価がLである場合には、資材特定部216は、課題に対応し、かつ、評価Lに対応する資材を表示しつつ、課題に対応し、かつ、評価Hに対応する資材に簡単に切り替えられるようにしておく。例えば、資材特定部216は、切替用のボタンを表示しておいてもよいし、スワイプ操作等で切り替えられるようにしておいてもよい。
資材の内容が予想していたよりも簡単、あるいは、難解という場合がある。このような場合に、レベルの異なる資材に切り替えられるようにしておくことで、スムーズな指導が可能になる。
【0067】
***実施の形態3の効果***
以上のように、実施の形態3に係る薬剤師業務支援システム100では、ヘルスリテラシーの評価に応じた資材が特定される。これにより、患者に適した資材を用いた指導が可能になる。
【0068】
***他の構成***
<変形例6>
実施の形態3では、薬剤師がヘルスリテラシーの評価を入力した。しかし、資材特定部216がヘルスリテラシーの評価を決定してもよい。そして、資材特定部216は、決定したヘルスリテラシーの評価に応じた資材を特定する。
具体的には、資材特定部216は、支援情報40からヘルスリテラシーを決定する。ここでは、変形例2で説明したように、評価値が支援情報40として生成されているとする。資材特定部216は、評価値に応じてヘルスリテラシーの評価を決定する。例えば、資材特定部216は、評価値が基準よりも高い場合には、ヘルスリテラシーの評価をHに決定し、評価値が基準よりも低い場合には、ヘルスリテラシーの評価をLに決定する。
【0069】
同じ患者が同じ病気で再来店した場合には、資材特定部216は、前回の評価値と、新たな評価値との差に応じてヘルスリテラシーの評価を決定してもよい。例えば、資材特定部216は、前回の評価値よりも新たな評価値が基準以上に高くなっている場合には、ヘルスリテラシーの評価をHに決定し、それ以外の場合には、ヘルスリテラシーの評価をLに決定する。
【0070】
同じ患者が同じ病気で再来店した場合には、資材特定部216は、前回の評価値と、新たな評価値との差で、新たな評価値を重み付けして得られた値から、ヘルスリテラシーの評価を決定してもよい。例えば、資材特定部216は、前回の評価値よりも新たな評価値が高くなるほど重みを大きくする。これにより、評価値の改善度合いが大きいほど、得られる値が大きくなる。そして、資材特定部216は、得られた値が基準よりも大きい場合には、ヘルスリテラシーの評価をHに決定し、得られた値が基準よりも低い場合には、ヘルスリテラシーの評価をLに決定する。
【0071】
なお、変形例6では、ステップS18で課題の選択が受け付けされた場合には、選択された課題に対応した支援情報40を生成しておく必要がある。
【0072】
<変形例7>
資材特定部216は、課題に対応する資材であって、各ヘルスリテラシーの評価に対応する資材を読み出してもよい。そして、資材特定部216は、患者のヘルスリテラシーの評価に応じて読み出された各資材に優先順位を示して表示してもよい。薬剤師は、示された優先順位を参照しつつ、資材の内容を確認して、どの資材を使用するか決定することができる。
【0073】
<変形例8>
実施の形態3では、ヘルスリテラシーの評価に応じた資材を表示した。しかし、ヘルスリテラシーの評価は、資材の特定以外に用いることも考えられる。
例えば、ヘルスリテラシーの評価に応じて、フォローアップのタイミングを決定することが考えられる。フォローアップとは、患者が薬局にいないときに、電話又はアプリケーションプログラムを用いて、患者の体調又は服薬状態等をフォローすることである。この場合には、薬局端末20は、機能構成要素として、タイミング決定部を備えておく。タイミング決定部は、ヘルスリテラシーの評価に応じて、フォローアップのタイミングを決定する。例えば、ヘルスリテラシーの評価が高いほど、フォローアップする間隔を長くするといったことが考えられる。
【0074】
<変形例9>
実施の形態3では、ヘルスリテラシーの評価に基づく資材を特定する点やフォローアップを決定する点について説明した。しかし変形例として、評価パラメータとしてヘルスリテラシーではなく疾病のコントロール状況、療養に関わる自己管理等を用いてもよい。具体的にはステップS36で生成される支援情報40で
図10に示すような線43が外側に広がり、各ファクターの点数が高い場合、疾病のコントロール状況が良いと判定してもよい。
患者のヘルスリテラシー、疾病のコントロール状況、療養に関わる自己管理を含めて患者の属性の評価と言うことができ、患者の属性の評価に応じた資材を特定することが可能となる。
【0075】
実施の形態4.
実施の形態4は、SOAP薬歴を自動生成する点が実施の形態1~3と異なる。実施の形態4では、この異なる点を説明して、同一の点については説明を省略する。
実施の形態4では、実施の形態1に機能を加えた場合について説明する。しかし、実施の形態2,3に機能を加えることも可能である。
【0076】
***構成の説明***
図17を参照して、実施の形態4に係る薬局端末20の構成を説明する。
薬局端末20は、機能構成要素として、薬歴記録部217を備える。薬歴記録部217の機能は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
【0077】
***動作の説明***
図18を参照して、実施の形態4に係る薬剤師業務支援システム100の処理の流れを説明する。
ステップS41からステップS49の処理は、
図6のステップS11からステップS19の処理と同じである。
【0078】
(ステップS50:薬歴記録処理)
薬歴記録部217は、ステップS48までの処理で得られた情報を、SOAP薬歴に記録する。SOAPは、Subject Object Assessment Planの略である。SOAP薬歴では、Subjectには、患者の主観的な情報が記録される。Objectには、客観的な情報が記録される。Assessmentには、薬剤師の分析及び見解が記録される。Planには、課題に対する計画が記録される。
具体的には、薬歴記録部217は、Subjectとして、ステップS44で推定された課題を記録する。薬歴記録部217は、Objectとして、ステップS45で該当するとの入力が受け付けされた確認項目を記録する。薬歴記録部217は、Assessmentとして、ステップS45で該当するとの入力が受け付けされた確認項目が分類されたファクターを記録する。薬歴記録部217は、Planとして、ステップS49で特定された資材を記録する。記録されたSOAP薬歴は薬剤師業務支援装置10に送信され、薬剤師業務支援装置10のストレージ13に記憶される。
なお、薬歴記録部217は、Planとして、資材の内容を記録してよい。例えば、資材情報231に、資材とともに資材の内容を記憶しておき、Planとして、ステップS48で特定された資材の内容を記録してもよい。
ステップS49でPlanとして、資材の内容を記録することにより、ステップS48で資材特定部216が資材を特定するときに、Planに記憶された資材を除外し他の資材を特定するように構成することができる。あるいは、Planに記憶された資材を除外せずに一度表示したことがわかるフラグ等を合わせて表示するように構成してもよい。これにより、患者は毎回異なる資材による指導を受けることができる。
【0079】
***実施の形態4の効果***
以上のように、実施の形態4に係る薬剤師業務支援システム100では、SOAP薬歴に情報が記録される。これにより、薬剤師がSOAP薬歴に書き込む手間を軽減可能である。
【0080】
***他の構成***
<変形例10>
以上の実施の形態では、薬剤師業務支援装置10と薬局端末20とが機能構成要素を分散して備えた。しかし、薬剤師業務支援システム100の機能構成要素については、薬剤師業務支援システム100が備えていればよく、薬剤師業務支援装置10と薬局端末20とのどちらが機能構成要素を備えていてもよい。
【0081】
例えば、薬局端末20が、全ての機能構成要素を備えてもよい。この構成では、薬剤師業務支援装置10を、データを記憶するためのデータベースサーバとみなすことができる。
また、例えば、薬剤師業務支援装置10が、全ての機能構成要素を備えてもよい。この構成では、薬局端末20を、薬剤師とのインタフェースを担うだけの端末とみなすことができる。
【0082】
また、薬剤師業務支援システム100は、1台のコンピュータで構成されてもよい。つまり、薬剤師業務支援装置10と薬局端末20との両方の機能を1台のコンピュータに持たせてもよい。
【0083】
また、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0084】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定部と
を備える薬剤師業務支援システム。
(付記2)
前記選択受付部は、前記複数の選択肢のうち指定された指定選択肢について、前記指定選択肢が示す内容を具体化した複数のサブ項目を表示し、前記複数のサブ項目のうちいずれかのサブ項目が選択された場合に、前記指定選択肢の選択を受け付けたとする
付記1に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記3)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記課題推定部によって推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示する状態確認部
を備える付記1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記4)
前記状態確認部は、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付け、
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記状態確認部によって受け付けされた情報から、前記課題推定部により推定された課題が薬剤師が患者に指導する課題として評価できるかを判断するための支援情報を生成する支援情報生成部
を備える付記3に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記5)
前記1つ以上の確認項目には点数が割り当てられており、
前記支援情報生成部は、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数から前記支援情報を生成する
付記4に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記6)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報を表示して、前記課題推定部によって推定された前記課題が正しいか否かの入力を受け付ける推定確認部と
を備える付記4又は5に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記7)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づき、前記課題推定部によって推定された前記課題が正しいか否かを判定する推定判定部と
を備える付記4又は5に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記8)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者に対して指導を行う際に前記患者に提示する資材であって、前記課題推定部によって推定された課題に対応した資材を特定する資材特定部
を備える付記1から7までのいずれか1項に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記9)
前記資材特定部は、前記課題に対応した資材のうち、前記患者の属性の評価に応じた資材を特定する
付記8に記載の薬剤師業務支援システム。(付記10)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるSubjectとして、前記課題推定部によって推定された前記課題を記録する薬歴記録部
を備える付記1に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記11)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるObjectとして、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目を記録する薬歴記録部
を備える付記4に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記12)
前記1つ以上の確認項目は、複数のファクターのうちのいずれかのファクターに分類され、
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment Plan)薬歴におけるAssessmentとして、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目が分類されたファクターを記録する薬歴記録部
を備える付記4に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記13)
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment Plan)薬歴におけるPlanとして、前記資材特定部によって特定された資材を記録する薬歴記録部
を備える付記8から9までのいずれか1項に記載の薬剤師業務支援システム。
(付記14)
コンピュータが、薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する薬剤師業務支援方法。
(付記15)
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付処理と、
前記選択受付処理によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定処理と
を行う薬剤師業務支援システムとしてコンピュータを機能させる薬剤師業務支援プログラム。
【0085】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 薬剤師業務支援システム、10 薬剤師業務支援装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、111 選択肢特定部、112 課題推定部、113 推定判定部、131 課題特定情報、20 薬局端末、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信インタフェース、211 処方箋処理部、212 選択受付部、213 状態確認部、214 支援情報生成部、215 推定確認部、216 資材特定部、217 薬歴記録部、231 資材情報、30 薬局、40 支援情報、41 六角形、42 点、43 線、90 ネットワーク。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定部と、
前記課題推定部によって推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示して、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付ける状態確認部と、
前記状態確認部によって受け付けされた情報から支援情報を生成する支援情報生成部と、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報を表示して、前記課題推定部によって推定された前記課題が正しいか否かの入力を受け付ける推定確認部と
を備える薬剤師業務支援システム。
【請求項2】
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定部と、
前記課題推定部によって推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示して、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付ける状態確認部と、
前記状態確認部によって受け付けされた情報から支援情報を生成する支援情報生成部と、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づき、前記課題推定部によって推定された前記課題が正しいか否かを判定する推定判定部とを備える薬剤師業務支援システム。
【請求項3】
前記選択受付部は、前記複数の選択肢のうち指定された指定選択肢について、前記指定選択肢が示す内容を具体化した複数のサブ項目を表示し、前記複数のサブ項目のうちいずれかのサブ項目が選択された場合に、前記指定選択肢の選択を受け付けたとする
請求項1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項4】
前記1つ以上の確認項目には点数が割り当てられており、
前記支援情報生成部は、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目に割り当てられた点数から前記支援情報を生成する
請求項1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項5】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者に対して指導を行う際に前記患者に提示する資材であって、前記課題推定部によって推定された課題に対応した資材を特定する資材特定部
を備える請求項1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項6】
前記資材特定部は、前記課題に対応した資材のうち、前記患者の属性の評価に応じた資材を特定する
請求項5に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項7】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるSubjectとして、前記課題推定部によって推定された前記課題を記録する薬歴記録部
を備える請求項1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項8】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるObjectとして、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目を記録する薬歴記録部
を備える請求項1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項9】
前記1つ以上の確認項目は、複数のファクターのうちのいずれかのファクターに分類され、
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるAssessmentとして、前記状態確認部によって該当するとの入力が受け付けされた確認項目が分類されたファクターを記録する薬歴記録部
を備える請求項1又は2に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項10】
前記薬剤師業務支援システムは、さらに、
前記患者についてのSOAP(Subject Object Assessment
Plan)薬歴におけるPlanとして、前記資材特定部によって特定された資材を記録する薬歴記録部
を備える請求項5に記載の薬剤師業務支援システム。
【請求項11】
コンピュータが、薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定し、
コンピュータが、推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示して、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた情報から支援情報を生成し、
コンピュータが、前記支援情報を表示して、推定された前記課題が正しいか否かの入力を受け付ける薬剤師業務支援方法。
【請求項12】
コンピュータが、薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定し、
コンピュータが、推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示して、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた情報から支援情報を生成し、
コンピュータが、前記支援情報に基づき、推定された前記課題が正しいか否かを判定する薬剤師業務支援方法。
【請求項13】
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付処理と、
前記選択受付処理によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定処理と、
前記課題推定処理によって推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示して、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付ける状態確認処理と、
前記状態確認処理によって受け付けされた情報から支援情報を生成する支援情報生成処理と、
前記支援情報生成処理によって生成された前記支援情報を表示して、前記課題推定処理によって推定された前記課題が正しいか否かの入力を受け付ける推定確認処理と
を行う薬剤師業務支援システムとしてコンピュータを機能させる薬剤師業務支援プログラム。
【請求項14】
薬剤の処方を受ける患者が話すと想定される内容を示す複数の選択肢であって、複数の課題のうちいずれかの課題に対応付けされた複数の選択肢を表示して、前記複数の選択肢から前記患者の話に近い内容を示す選択肢の選択を受け付ける選択受付処理と、
前記選択受付処理によって受け付けされた選択肢に対応する課題を、前記患者が持っている課題として推定する課題推定処理と、
前記課題推定処理によって推定された前記課題に対応する1つ以上の確認項目であって、前記患者の療養状態に関する1つ以上の確認項目を表示して、前記1つ以上の確認項目それぞれについて前記患者が該当するか否かの入力を受け付ける状態確認処理と、
前記状態確認処理によって受け付けされた情報から支援情報を生成する支援情報生成処理と、
前記支援情報生成処理によって生成された前記支援情報に基づき、前記課題推定処理によって推定された前記課題が正しいか否かを判定する推定判定処理と
を行う薬剤師業務支援システムとしてコンピュータを機能させる薬剤師業務支援プログラム。