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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085628
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200241
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】羽多野 慎司
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA12
5D107AA14
5D107BB08
5D107CC09
5D107CC10
5D107DD03
5D107DD12
5D107FF10
(57)【要約】
【課題】磁気駆動回路により可動体を振動させるアクチュエータにおいて、コイルホルダの穴にコイルを精度良く位置決めする。
【解決手段】アクチュエータ1は、支持体2および可動体3と、可動体3と支持体2とに接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体9と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動回路4と、を有する。磁気駆動回路4は、支持体2に設けられたコイル6と、可動体3に設けられてコイル6に第1方向Zで対向する磁石7と、を備え、可動体3を第2方向Xに駆動する。コイル6は、空芯コイルである。支持体2は、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32が設けられたコイルホルダ30を備える。コイルホルダ30は、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32のそれぞれに配置されるコイル6に外周側から弾性接触するばね部50を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体および可動体と、
前記可動体と前記支持体とに接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体と、
前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動回路と、を有し、
前記磁気駆動回路は、前記支持体に設けられたコイルと、前記可動体に設けられて前記コイルに第1方向で対向する磁石と、を備え、前記可動体を前記第1方向に対して交差する第2方向に駆動し、
前記コイルは、空芯コイルであり、
前記支持体は、コイル配置穴が設けられたコイルホルダを備え、
前記コイルホルダは、前記コイル配置穴に配置されるコイルに外周側から弾性接触するばね部を備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記コイルホルダは、前記コイル配置穴の内周面から突出して前記コイルの外周面に接触する受け部を備え、
前記ばね部から前記コイルに加わる押圧力により、前記受け部に前記コイルが押し付けられることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記ばね部は、1箇所に設けられており、
前記受け部は、前記コイル配置穴の周方向に離れた2箇所に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記コイルは、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向に平行に延びる2本の有効辺を備え、
前記ばね部は、前記2本の有効辺の一方に弾性接触し、
前記受け部は、前記2本の有効辺の他方に接触することを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記コイルホルダは、前記第1方向と交差する方向に延びる板部を備える樹脂部材であり、前記コイル配置穴は、前記板部を前記第1方向に貫通しており、
前記ばね部は、前記板部と一体に形成される樹脂ばねであることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記支持体は、前記板部に前記第1方向の一方側から重なるプレートを備え、
前記ばね部は、前記コイルの外周縁を前記第1方向の他方側から係止する係止部を備えることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記コイルホルダは、前記コイル配置穴の内周面に開口する凹部を備え、
前記ばね部は、前記凹部の一方側の開口縁から他方側の開口縁へ向かって延びており、
前記ばね部は、前記コイル配置穴の内周面よりも内周側に突出する凸部を備えることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記コイル配置穴は、前記第2方向の一方側に位置する第1コイル配置穴と、前記第1コイル配置穴に対して前記第2方向の他方側に位置する第2コイル配置穴を含み、
前記コイルは、前記第1コイル配置穴に配置される第1コイルと、前記第2コイル配置穴に配置される第2コイルを含み、
前記板部は、前記第1コイル配置穴と前記第2コイル配置穴の間で前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向に延びる仕切り部を備え、
前記仕切り部には、前記第1コイル配置穴の内周面に開口する前記凹部と、前記第2コ
イル配置穴の内周面に開口する前記凹部が前記第3方向で異なる位置に設けられ、
前記第1コイル配置穴の内周面に開口する前記凹部には、前記第1コイルに前記第2方向の他方側から弾性接触する前記ばね部が設けられ、
前記第2コイル配置穴の内周面に開口する前記凹部には、前記第2コイルに前記第2方向の一方側から弾性接触する前記ばね部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体を振動させるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、支持体および可動体と、可動体を支持体に接続する接続体と、可動体を支持体に対して相対移動させる磁気駆動回路を有するアクチュエータが記載される。特許文献1のアクチュエータは、X方向を長手方向とする直方体形状をしており、支持体に対して可動体をX方向に振動させる。支持体は、磁気駆動回路のコイルを保持するコイルホルダを備える。コイルホルダには、X方向に並ぶ2箇所のコイル保持穴が形成されている。コイルは、接着剤によりコイル保持穴に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-013094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアクチュエータでは、磁気駆動回路のコイルとして空芯コイルが用いられている。空芯コイルは、製造上その外形の寸法精度を高めることが困難であり、寸法ばらつきが大きい。コイル配置穴は、コイルの外形寸法にばらつきがあっても確実にコイルを収容できる形状に設計される。そのため、コイルとコイル配置穴の内周面との隙間が大きくなるおそれがあり、コイルを精度良く位置決めできないおそれがある。
【0005】
また、コイルとコイル配置穴の内周面との隙間が大きくなる場合には、接着剤を注入しても隙間に適正に充填されないおそれがある。その場合には、コイルの接着不良となるおそれがある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、磁気駆動回路により可動体を振動させるアクチュエータにおいて、コイルホルダの穴にコイルを固定する際、コイルの位置決めを精度良く行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るアクチュエータは、支持体および可動体と、前記可動体と前記支持体とに接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体と、前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動回路と、を有し、前記磁気駆動回路は、前記支持体に設けられたコイルと、前記可動体に設けられて前記コイルに第1方向で対向する磁石と、を備え、前記可動体を前記第1方向に対して交差する第2方向に駆動し、前記コイルは、空芯コイルであり、前記支持体は、コイル配置穴が設けられたコイルホルダを備え、前記コイルホルダは、前記コイル配置穴に配置されるコイルに外周側から弾性接触するばね部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、コイルホルダがコイルに外周側から弾性接触するばね部を備えているので、コイル配置穴の内周面とコイルとの間に隙間ができる場合でも、ばね部によりコイルを決められた位置に位置決めして固定することができる。また、その際、コイル配置穴にコイルを嵌め込むだけで、ばね部によりコイルが押圧される状態が形成される。従って、コイルの位置決めを容易に、且つ、精度良く行うことができ、コイルの位置精度を高めることができる。
【0009】
本発明において、前記コイルホルダは、前記コイル配置穴の内周面から突出して前記コイルの外周面に接触する受け部を備え、前記ばね部から前記コイルに加わる押圧力により、前記受け部に前記コイルが押し付けられることが好ましい。このようにすると、コイル配置穴の内周面でなく受け部の先端でコイルを支持できるので、決められた位置からコイルがずれにくい。従って、コイルの位置決めを精度良く行うことができる。また、受け部は、コイル配置穴の内周面から突出しているので、コイル配置穴の内周面とコイルの外周面との間に適正な隙間を形成することができる。従って、接着不良が発生しにくい。
【0010】
本発明において、前記ばね部は、1箇所に設けられており、前記受け部は、前記コイル配置穴の周方向に離れた2箇所に設けられていることが好ましい。このようにすると、ばね部と2箇所の受け部の3箇所でコイルを位置決めできる。従って、コイルのがたつきを回避でき、コイルの位置精度を高めることができる。
【0011】
本発明において、前記コイルは、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向に平行に延びる2本の有効辺を備え、前記ばね部は、前記2本の有効辺の一方に弾性接触し、前記受け部は、前記2本の有効辺の他方に接触することが好ましい。このように、コイルの直線部(有効辺)にばね部と受け部を接触させることにより、ばね部からの押圧力によってコイルが傾くおそれが少ない。従って、コイルの位置精度を高めることができる。
【0012】
本発明において、前記コイルホルダは、前記第1方向と交差する方向に延びる板部を備える樹脂部材であり、前記コイル配置穴は、前記板部を前記第1方向に貫通しており、前記ばね部は、前記板部と一体に形成される樹脂ばねであることが好ましい。このようにすると、別部品のばねを取り付ける工程が不要となるので、組立工数の削減、および、部品点数の削減を図ることができる。
【0013】
本発明において、前記支持体は、前記板部に前記第1方向の一方側から重なるプレートを備え、前記ばね部は、前記コイルの外周縁を前記第1方向の他方側から係止する係止部を備えることが好ましい。このようにすると、コイルを第1方向の他方側から押さえてコイルの浮きを規制できるため、コイルの第1方向の位置精度を高めることができる。従って、コイルと磁石とのギャップの寸法精度を高めることができる。また、板部に第1方向の他方側から重なるプレートが不要となるので、組立工数の削減、および、部品点数の削減を図ることができる。
【0014】
本発明において、前記コイルホルダは、前記コイル配置穴の内周面に開口する凹部を備え、前記ばね部は、前記凹部の一方側の開口縁から他方側の開口縁へ向かって延びており、前記ばね部は、前記コイル配置穴の内周面よりも内周側に突出する凸部を備えることが好ましい。このようにすると、ばね部を外周側へ撓ませるスペースを確保できる。また、コイルの外周面をばね部の先端によって押圧することができる。
【0015】
本発明において、前記コイル配置穴は、前記第2方向の一方側に位置する第1コイル配置穴と、前記第1コイル配置穴に対して前記第2方向の他方側に位置する第2コイル配置穴を含み、前記コイルは、前記第1コイル配置穴に配置される第1コイルと、前記第2コイル配置穴に配置される第2コイルを含み、前記板部は、前記第1コイル配置穴と前記第2コイル配置穴の間で前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向に延びる仕切り部を備え、前記仕切り部には、前記第1コイル配置穴の内周面に開口する前記凹部と、前記第2コイル配置穴の内周面に開口する前記凹部が前記第3方向で異なる位置に設けられ、前記第1コイル配置穴の内周面に開口する前記凹部には、前記第1コイルに前記第2方向の他方側から弾性接触する前記ばね部が設けられ、前記第2コイル配置穴の内
周面に開口する前記凹部には、前記第2コイルに前記第2方向の一方側から弾性接触する前記ばね部が設けられていることが好ましい。このようにすると、2つのばね部を仕切り部に集約して配置でき、且つ、仕切り部の第2方向の幅が大型化することを回避できる。従って、ばね部を設けることに起因するコイルホルダの平面形状の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コイルホルダがコイルに外周側から弾性接触するばね部を備えているので、コイル配置穴の内周面とコイルとの間に隙間ができる場合でも、ばね部によりコイルを決められた位置に位置決めして固定することができる。また、その際、コイル配置穴にコイルを嵌め込むだけで、ばね部によりコイルが押圧される状態が形成される。従って、コイルの位置決めを容易に、且つ、精度良く行うことができ、コイルの位置精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るアクチュエータの外観斜視図である。
図2図1のアクチュエータのXZ断面図(図4のA-A断面図)である。
図3図1のアクチュエータのYZ断面図(図4のB-B断面図)である。
図4図1のアクチュエータのXY断面図(図2のC-C断面図)である。
図5図1のアクチュエータの分解斜視図である。
図6】コイルホルダの斜視図である。
図7】ばね部の位置で切断したコイルホルダ、プレート、およびコイルの断面図(図6(a)のD-D断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明に係るアクチュエータ1の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、互いに交差する3つの方向を各々、第1方向Z、第2方向Xおよび第3方向Yとして説明する。また、第2方向Xの一方側にX1を付し、第2方向Xの他方側にX2を付し、第3方向Yの一方側にY1を付し、第3方向Yの他方側にY2を付し、第1方向Zの一方側にZ1を付し、第1方向Zの他方側にZ2を付して説明する。本形態では、第1方向Z、第2方向Xおよび第3方向Yは、互いに直交する方向である。第2方向Xは、可動体3の振動方向である。
【0019】
(全体構成)
図1は、本発明に係るアクチュエータ1の斜視図である。図2は、図1のアクチュエータ1のXZ断面図であり、図4のA-A位置で切断した断面図である。図3は、図1のアクチュエータ1のYZ断面図であり、図4のA-A位置で切断した断面図である。図4は、図1のアクチュエータ1のXY断面図であり、図2のC-C位置で切断した断面図である。図5は、図1のアクチュエータ1の分解斜視図である。
【0020】
図1に示すように、アクチュエータ1は、全体として、第2方向Xの寸法が第3方向Yの寸法および第1方向Zの寸法より大きい直方体形状である。図2図5に示すように、アクチュエータ1は、支持体2と、可動体3と、磁気駆動回路4と、配線基板5とを有する。磁気駆動回路4は、第1方向Zに対向するコイル6および磁石7を備えており、可動体3を第2方向Xに振動させる。コイル6は、支持体2の外周面に固定される配線基板5に接続されており、配線基板5を介してコイル6に電流が流れる。
【0021】
アクチュエータ1は、支持体2と可動体3とに接続される接続体9を備える。可動体3は、接続体9を介して支持体2に支持される。後述するように、アクチュエータ1は、接続体9としてゲル状部材(粘弾性体)を用いている。なお、本発明は、接続体9としてゴ
ムや板バネ等を用いたアクチュエータに適用可能である。
【0022】
アクチュエータ1は、可動体3が第2方向Xに振動することにより、アクチュエータ1や、アクチュエータ1を取り付けた機器等を利用する者の身体を通して利用者に情報を報知する。アクチュエータ1は、例えば、ゲーム機の操作部材、操作パネル、自動車のハンドルやいす等に組み込んで利用することができ、可動体3の第2方向Xの振動によって利用者に触覚を与える触覚デバイスとして使用することができる。アクチュエータ1を触覚デバイスとして使用する際、例えば、コイル6に印加する交流波形を調整して、可動体3が第2方向Xの一方側X1に移動する加速度と、可動体3が第2方向の他方側X2に移動する加速度とを相違させれば、利用者は、第2方向Xにおいて方向性を有する振動を体感することができる。
【0023】
支持体2は、第1方向Zの一方側Z1から他方側Z2に順に重ねられた第1ケース部材10、コイルホルダ30、および第2ケース部材20を有する。第1ケース部材10と第2ケース部材20との間に可動体3および磁気駆動回路4が配置される。本形態では、第1ケース部材10、コイルホルダ30、および第2ケース部材20は各々、樹脂製である。
【0024】
図5に示すように、コイルホルダ30は、4箇所の角部にそれぞれ、第1ケース部材10側へ突出する凸部30aと、第2ケース部材20側へ突出する凸部30bが設けられている。支持体2を組み立てる際には、コイルホルダ30の凸部30aは第1ケース部材10の穴10aに嵌まり、コイルホルダ30の凸部30bは第2ケース部材20の穴(図示せず)に嵌まる。従って、第1ケース部材10、コイルホルダ30および第2ケース部材20は互いに位置決めされた状態で連結される。第1ケース部材10、コイルホルダ30、および第2ケース部材20は、例えば、接着剤により結合される。あるいは、図示しない筒状のカバーの内側に第1ケース部材10、コイルホルダ30、および第2ケース部材20を保持させる構造を採用してもよい。
【0025】
第1ケース部材10は、第2方向Xで並ぶ2つの凹部13が形成された第1端板部11と、第1端板部11の外周縁からZ2方向に延びる第1側板部12を備える。第2ケース部材20は、第2方向Xで並ぶ2つの凹部23が形成された第2端板部21と、第2端板部21の外周縁からZ1方向に延びる第2側板部22を備える。コイルホルダ30の凸部30aが嵌まる穴10aは、第1側板部12における4箇所の角部の先端面に開口し、コイルホルダ30の凸部30bが嵌まる穴(図示せず)は、第2側板部22における4箇所の角部の先端面に開口する。
【0026】
コイルホルダ30のX2方向の側面には、配線基板5が固定される。第2ケース部材20のX2方向の側面には、コイルホルダ30からZ2方向に突出する配線基板5の上端部分を配置する凹部24が形成されている。コイル6から引き出したコイル線(図示せず)は、コイルホルダ30のZ2方向の表面に沿って引き回され、配線基板5に接続される。
【0027】
コイルホルダ30には、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32が第2方向Xに並んで設けられている。第1コイル配置穴31はX1方向に配置され、第2コイル配置穴32は第1コイル配置穴31のX2方向に配置される。コイルホルダ30は、XY面に平行な板部33を備えており、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32は、板部33を第1方向Zに貫通する。第1コイル配置穴31と第2コイル配置穴32の間には、第3方向Yに延びる仕切り部34が設けられている。仕切り部34は、コイルホルダ30の第2方向Xの略中央に位置する。
【0028】
コイルホルダ30には、第1コイル配置穴31のX1方向に切欠き部301が形成され
、第2コイル配置穴32のX2方向に開口部302が形成されている。切欠き部301、および開口部302は板部33を第1方向Zで貫通している。板部33のY1方向の側面には、Y2方向に凹んだ凹部303、304が設けられている。凹部303は、板部33の第2方向Xの略中央に設けられ、凹部304は、板部33のX2方向の端部に近い位置に設けられている。板部33のY2方向の側面には、Y1方向に凹んだ凹部305が第2方向Xの略中央に設けられている。凹部303、304、305は、コイル6からコイル線(図示せず)を引き出して配線基板5まで引き回す際、配線スペースとして利用される。
【0029】
図1に示すように、アクチュエータ1のX1方向の外周面には、コイルホルダ30の切欠き部301を塞ぐシール部材201が貼付される。アクチュエータ1の製造工程において、内部を検査する際、切欠き部301から検査光を照射する。また、アクチュエータ1のY1方向の外周面には、凹部303、304を塞ぐシール部材202が貼付され、アクチュエータ1のY2方向の外周面には、凹部305を塞ぐシール部材203が貼付される。
【0030】
支持体2は、コイルホルダ30の板部33およびコイル6にZ1方向から重ねられた金属製のプレート40を備える。プレート40は、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32に重なるが、切欠き部301および開口部302には重ならない。コイルホルダ30にコイル6を固定する際、プレート40とコイルホルダ30とを積層し、接着剤を入れた第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32にコイル6を配置して固定する。
【0031】
磁気駆動回路4は、コイル6として、第1コイル61および第2コイル62を備える。第1コイル61は、第1コイル配置穴31に配置される。第2コイル62は、第2コイル配置穴32に配置される。コイル6は、第3方向Yに延在する2本の有効辺601を備える長円形状の空芯コイルである。コイル6の中央には、第3方向Yに延びる中央穴602が設けられている。
【0032】
磁石7は、コイル6の有効辺601と第1方向Zで対向する。磁石7は、第1コイル61および第2コイル62の有効辺601にZ1方向から対向する2個の第1磁石71、72と、第1コイル61および第2コイル62の有効辺601にZ2方向から対向する2個の第2磁石73、74を備える。第1磁石71、72および第2磁石73、74は、第3方向Yで分極着磁される。本形態では、第1コイル61と第2コイル62は、同一のコイルである。また、第1磁石71、72、および第2磁石73、74は、全て同一の磁石である。
【0033】
なお、本形態では、コイル6に対する第1方向Zの両側に磁石7を配置しているが、磁気駆動回路4は、コイル6に対してZ1方向およびZ2方向の一方側にのみ磁石7を配置した構成を採用してもよい。また、本形態では、コイル6と磁石7を第1方向Zで対向させた磁気駆動回路4を2組備えているが、本発明は、磁気駆動回路4を1組、あるいは3組以上備えたアクチュエータに適用できる。
【0034】
可動体3は、磁石7を保持するヨーク80を備える。図2図5に示すように、ヨーク80は、コイルホルダ30の板部33に対してZ1方向から対向する第1板部81と、板部33に対してZ2方向から対向する第2板部82と、板部33の第3方向Yの両側において第1方向Zに延びて第1板部81と第2板部82とを接続する一対の連結板部83、84を備える。第1板部81のZ2方向の表面には、第1磁石71、72が第2方向Xに並んで固定される。第2板部82のZ1方向の表面には、第2磁石73、74が第2方向Xに並んで固定される。第1磁石71、72および第2磁石73、74は、接着等の方法
でヨーク80に固定される。
【0035】
本形態では、ヨーク80は、第1板部81および第1板部81の第3方向Yの両端からZ2方向に屈曲した一対の連結板部83、84を備える第1ヨーク85と、第2板部82からなる第2ヨーク86の2部品を接合して製造される。連結板部83は、第1コイル61に対してX1方向でコイルホルダ30の切欠き部301を通ってZ2方向に延在し、連結板部84は、第2コイル62に対してZ2方向でコイルホルダ30の開口部302を通ってZ2方向に延在する。一対の連結板部83、84のZ2方向の端部は、溶接により第2板部82の第3方向Yの両端部に連結される。
【0036】
(接続体)
図2に示すように、接続体9は、支持体2と可動体3とが第1方向Zで対向する個所に配置される。可動体3は、接続体9によって第2方向Xに移動可能に支持される。本形態では、接続体9は、第1ヨーク85と第1ケース部材10とが第1方向Zで対向する個所に配置される第1接続体91、および、第2ヨーク86と第2ケース部材20とが第1方向Zで対向する個所に配置される第2接続体92を備える。
【0037】
第1接続体91は、第1ヨーク85の第1板部81と第1ケース部材10の凹部13の底面との間で第1方向Zに圧縮された状態で配置される。本形態では、2個の第1接続体91が第2方向Xで並列して配置される。また、第2接続体92は、第2ヨーク86の第2板部82と第2ケース部材20の凹部23の底面との間で第1方向Zに圧縮された状態で配置される。本形態では、2個の第2接続体92が第2方向Xで並列して配置される。
【0038】
接続体9は、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備える。本形態では、接続体9は粘弾性体である。例えば、接続体9(粘弾性体)は、針入度が10度から110度であるシリコーン系ゲルである。針入度とは、JIS-K-2207やJIS-K-2220で規定されており、この値が小さい程、硬いことを意味する。また、粘弾性を備えた接続体9として、天然ゴム、ジエン系ゴム(例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム)、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等)、非ジエン系ゴム(例えば、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、熱可塑性エラストマー等の各種ゴム材料及びそれらの変性材料を用いてもよい。
【0039】
接続体9は、その伸縮方向によって、線形あるいは非線形の伸縮特性を備える。例えば、接続体9は、その厚さ方向(軸方向)に押圧されて圧縮変形する際は、線形の成分(バネ係数)よりも非線形の成分(バネ係数)が大きい伸縮特性を備える。これに対して、厚さ方向(軸方向)に引っ張られて伸びる場合は、非線形の成分(バネ係数)よりも線形の成分(バネ係数)が大きい伸縮特性を備える。また、接続体9は、厚さ方向(軸方向)と交差する方向(せん断方向)に変形する場合、いずれの方向に動いても、引っ張られて伸びる方向の変形であるため、非線形の成分(バネ係数)よりも線形の成分(バネ係数)が大きい変形特性を持つ。
【0040】
可動体3が第2方向Xに振動した際、接続体9は、せん断方向に変形する。従って、接続体9では、可動体3が第2方向Xに振動した際、せん断方向のバネ要素を用いることにより、入力信号に対する振動加速度の再現性を向上することができるので、微妙なニュアンスをもった振動を実現することができる。
【0041】
(樹脂ばねによるコイルの位置決め)
図6(a)はコイルホルダ30をZ2方向から見た斜視図であり、図6(b)はコイルホルダ30をZ1方向から見た斜視図である。コイルホルダ30は、コイル6の外周面を
押圧して位置決めするばね部50を2箇所に備える。ばね部50は、コイルホルダ30と一体に形成された樹脂ばねである。
【0042】
ばね部50は、第1コイル配置穴31のX2方向の内周面、および第2コイル配置穴32のX1方向の内周面に1箇所ずつ設けられている。2箇所のばね部50は、いずれも第3方向Yに延びており、第2方向Xに弾性変形する。各ばね部50の先端には、コイル6が位置する側に突出する凸部51が設けられている。凸部51の先端は、各コイル配置穴の内周面よりも内周側に突出している。従って、ばね部50は、凸部51の先端によってコイル6を押圧する。
【0043】
ばね部50は、コイルホルダ30の第2方向Xの中央に配置される仕切り部34のX1方向の側面、および仕切り部34のX2方向の側面に配置される。仕切り部34のX1方向の側面には、X2方向に凹む凹部35が設けられている。凹部35は、第1コイル配置穴31の内周面で開口する。ばね部50は、凹部35のY1方向の開口縁からY2方向の開口縁に向かって延びている。ばね部50のY2方向の先端には、X1方向に突出する凸部51が設けられている。第1コイル配置穴31に第1コイル61を固定する際、凹部35の内側に向かってばね部50を撓ませて第1コイル61を嵌め込むと、ばね部50の先端に設けられた凸部51が第1コイル61に接触し、ばね部50の弾性復帰力によって第1コイル61がX1方向に押圧される。
【0044】
仕切り部34のX2方向の側面には、X1方向に凹む凹部36が設けられている。凹部36は、第2コイル配置穴32の内周面で開口する。仕切り部34のX1方向の側面に設けられる凹部35と、仕切り部34のX2方向の側面に設けられる凹部36は、第3方向Yの位置が異なる。凹部35は、仕切り部34の第3方向Yの中央よりもY1方向に位置する。凹部36は、仕切り部34の第3方向Yの中央よりもY2方向に位置する。
【0045】
仕切り部34のX2方向の側面において、ばね部50は、凹部36のY2方向の開口縁からY1方向の開口縁に向かって延びている。ばね部50のY1方向の先端には、X2方向に突出する凸部51が設けられている。第2コイル配置穴32に第2コイル62を固定する際、凹部36の内側に向かってばね部50を撓ませて第2コイル62を嵌め込むと、ばね部50の先端に設けられた凸部51が第2コイル62に接触し、ばね部50の弾性復帰力によって第2コイル62がX2方向に押圧される。
【0046】
コイルホルダ30は、第1コイル配置穴31のX1方向の内周面、および第2コイル配置穴32のX2方向の内周面から突出する受け部55を備える。第1コイル61は、第1コイル配置穴31においてばね部50によりX1方向に押圧され、受け部55に押し付けられている。第2コイル62は、第2コイル配置穴32においてばね部50によりX2方向に押圧され、受け部55に押し付けられている。第1コイル配置穴31のX1方向の内周面、および第2コイル配置穴32のX2方向の内周面には、それぞれ、第3方向Yに離れた2箇所に受け部55が設けられている。従って、第1コイル61および第2コイル62には、いずれも、2箇所の受け部55と1箇所のばね部50が接触しており、3点で支持される。
【0047】
第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32において、2箇所の受け部55と1箇所のばね部50は、第1コイル61および第2コイル62の湾曲部でなく、直線状に延びる有効辺601の部分に接触する位置に配置される。ばね部50は2本の有効辺601の一方に接触し、2箇所の受け部55は他方の有効辺601に接触する。2箇所の受け部55は、有効辺601の両端に接触する。なお、本形態では、ばね部50は、有効辺601の中央からずれた位置を押圧しているが、ばね部50が有効辺601の中央を押圧するように構成してもよい。
【0048】
図7は、ばね部50の位置で切断したコイルホルダ30、プレート40、およびコイル6の断面図であり、図6(a)のD-D位置で切断した断面図である。コイルホルダ30には、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32をZ1方向から塞ぐようにプレート40が取り付けられており、第1コイル61および第2コイル62はプレート40によりZ1方向から支持される。
【0049】
図6図7に示すように、ばね部50は、凸部51のZ2方向の端部から突出する係止部52を備える。係止部52は、第1コイル61のX2方向の外周縁をZ2方向から係止する。同様に、受け部55のZ2方向の端部から突出する係止部56が第1コイル61のX1方向の外周縁をZ2方向から係止する。これにより、第1コイル61が第1コイル配置穴31から抜けないように保持される。第2コイル配置穴32においても、同様に、第2コイル62は、ばね部50に設けられた係止部52、および、受け部55に設けられた係止部56が第2コイル62の外周縁をZ2方向から係止する。これにより、第2コイル62が第2コイル配置穴32から抜けないように保持される。
【0050】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のアクチュエータ1は、支持体2および可動体3と、可動体3と支持体2とに接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体9と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動回路4と、を有する。磁気駆動回路4は、支持体2に設けられたコイル6と、可動体3に設けられてコイル6に第1方向Zで対向する磁石7と、を備え、可動体3を第1方向Zに対して交差する第2方向Xに駆動する。コイル6は、空芯コイルである。支持体2は、コイル配置穴(第1コイル配置穴31、第2コイル配置穴32)が設けられたコイルホルダ30を備える。コイルホルダ30は、コイル配置穴に配置されるコイル6に外周側から弾性接触するばね部50を備える。
【0051】
このように、本形態では、コイルホルダ30がコイル6に外周側から弾性接触するばね部50を備えているので、コイル配置穴(第1コイル配置穴31、第2コイル配置穴32)の内周面とコイル6との間に隙間ができる場合でも、ばね部50によりコイル6を決められた位置に位置決めして固定することができる。また、その際、コイル配置穴にコイル6を嵌め込むだけで、ばね部50によりコイル6が押圧される状態が形成される。従って、コイル6の位置決めを容易に、且つ、精度良く行うことができ、コイル6の位置精度を高めることができる。
【0052】
本形態では、コイルホルダ30は、コイル配置穴(第1コイル配置穴31、第2コイル配置穴32)の内周面から突出してコイル6の外周面に接触する受け部55を備え、ばね部50からコイル6に加わる押圧力により、受け部55にコイル6が押し付けられている。このように、コイル配置穴の内周面でなく受け部55の先端でコイル6を支持すると、決められた位置からコイル6がずれにくい。従って、コイル6の位置決めを精度良く行うことができる。また、受け部55は、コイル配置穴の内周面から突出しているので、コイル配置穴の内周面とコイル6の外周面との間に適正な隙間を形成することができる。従って、接着剤を適正に入れることができ、接着不良が発生しにくい。
【0053】
本形態では、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32のそれぞれにおいて、ばね部50は1箇所に設けられてており、受け部55は、コイル配置穴の周方向に離れた2箇所に設けられている。これにより、ばね部50と2箇所の受け部55の3点でコイル6を位置決めできる。従って、コイル6のがたつきを回避でき、コイル6の位置精度を高めることができる。
【0054】
なお、ばね部50と受け部55の配置および数は、本形態の配置および数に限定されな
い。例えば、ばね部50を2箇所に設け、受け部55を1箇所に設けてもよい。
【0055】
本形態では、コイル6は、第1方向Zと交差し且つ第2方向Xと交差する第3方向Yに平行に延びる2本の有効辺601を備え、ばね部50は、2本の有効辺601の一方に弾性接触し、受け部55は、2本の有効辺601の他方に接触する。このように、コイル6の直線部(有効辺601)にばね部50と受け部55を接触させることにより、ばね部50からの押圧力によってコイル6が傾くおそれを少なくすることができる。従って、コイル6の位置精度を高めることができる。
【0056】
本形態では、コイルホルダ30は、第1方向Zと交差する方向に延びる板部33を備える樹脂部材であり、第1コイル配置穴31および第2コイル配置穴32は、板部33を第1方向Zに貫通している。ばね部50は、板部33と一体に形成される樹脂ばねである。このように、コイルホルダ30にばね部50を一体成形することにより、別部品のばねを取り付ける工程が不要となる。従って、組立工数の削減、および、部品点数の削減を図ることができ、コストダウンを図ることができる。
【0057】
本形態では、支持体2は、板部33にZ1方向(第1方向Zの一方側)から重なるプレート40を備え、ばね部50は、コイル6の外周縁をZ2方向(第1方向Zの他方側)から係止する係止部52を備える。さらに、受け部55は、コイル6の外周縁をZ2方向から係止する係止部56を備える。従って、コイル6をZ2方向から押さえてコイル6の浮きを規制できるため、コイル6の第1方向Zの位置精度を高めることができる。また、従来は、板部33にZ2方向から重なるプレートを設けてコイル6を押えていたが、このプレートは不要となる。従って、組立工数の削減、および、部品点数の削減を図ることができ、コストダウンを図ることができる。
【0058】
本形態では、コイルホルダ30は、第1コイル配置穴31の内周面に開口する凹部35と、第2コイル配置穴32の内周面に開口する凹部36を備える。ばね部50は、凹部35、36の周方向の一方側の開口縁から周方向の他方側の開口縁へ向かって延びている。このように、各コイル配置穴の内周面に凹部35、36を形成してばね部50を配置することにより、ばね部50を外周側へ撓ませるスペースを確保できる。また、ばね部50の先端には、各コイル配置穴の内周面よりも内周側に突出する凸部51が設けられている。従って、各コイル配置穴にコイル6を配置した際、コイル6の外周面をばね部50の先端に設けられた凸部51によって押圧することができる。
【0059】
本形態では、コイル配置穴は、X1方向(第2方向の一方側)に位置する第1コイル配置穴31と、第1コイル配置穴31に対してX2方向(第2方向の他方側)に位置する第2コイル配置穴32を含む。コイル6は、第1コイル配置穴31に配置される第1コイル61と、第2コイル配置穴32に配置される第2コイル62を含む。コイルホルダ30の板部33は、第1コイル配置穴31と第2コイル配置穴32の間で第1方向Zと交差し且つ第2方向Xと交差する第3方向Yに延びる仕切り部34を備える。仕切り部34には、第1コイル配置穴31の内周面に開口する凹部35と、第2コイル配置穴32の内周面に開口する凹部36が第3方向Yで異なる位置に設けられている。第1コイル配置穴31の内周面に開口する凹部35には、コイル6にX2方向(第2方向の他方側)から弾性接触するばね部50が設けられている。第2コイル配置穴32の内周面に開口する凹部36には、コイル6にX1方向(第2方向の一方側)から弾性接触するばね部50が設けられている。
【0060】
このように、本形態では、2つのばね部50を配置するための凹部35、36を仕切り部34において第3方向Yに並べて形成したので、ばね部50を設けるための構造を仕切り部34に集約して配置しながら、仕切り部34の大型化を抑制できる。従って、ばね部
50を設けたことに起因するコイルホルダ30の平面形状の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。
【符号の説明】
【0061】
1…アクチュエータ、2…支持体、3…可動体、4…磁気駆動回路、5…配線基板、6…コイル、7…磁石、9…接続体、10…第1ケース部材、10a…穴、11…第1端板部、12…第1側板部、13…凹部、20…第2ケース部材、21…第2端板部、22…第2側板部、23…凹部、24…凹部、30…コイルホルダ、30a、30b…凸部、31…第1コイル配置穴、32…第2コイル配置穴、33…板部、34…仕切り部、35、36…凹部、40…プレート、50…ばね部、51…凸部、52…係止部、55…受け部、56…係止部、61…第1コイル、62…第2コイル、71、72…第1磁石、73、74…第2磁石、80…ヨーク、81…第1板部、82…第2板部、83、84…連結板部、85…第1ヨーク、86…第2ヨーク、91…第1接続体、92…第2接続体、201、202、203…シール部材、301…切欠き部、302…開口部、303、304、305…凹部、601…有効辺、602…中央穴、X…第2方向、Y…第3方向、Z…第1方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7