(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085631
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】コアヤーン、布帛、ニット、及び繊維製品
(51)【国際特許分類】
D02G 3/36 20060101AFI20240620BHJP
D02G 3/04 20060101ALI20240620BHJP
D04B 1/14 20060101ALI20240620BHJP
D04B 21/16 20060101ALI20240620BHJP
D04B 21/00 20060101ALI20240620BHJP
D03D 15/208 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/283 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/47 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/44 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/533 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/20 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/292 20210101ALI20240620BHJP
D03D 15/52 20210101ALI20240620BHJP
D01F 8/06 20060101ALI20240620BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20240620BHJP
A41D 31/04 20190101ALI20240620BHJP
A41B 11/00 20060101ALI20240620BHJP
A41D 31/12 20190101ALN20240620BHJP
【FI】
D02G3/36
D02G3/04
D04B1/14
D04B21/16
D04B21/00 B
D03D15/208
D03D15/283
D03D15/47
D03D15/44
D03D15/533
D03D15/20 100
D03D15/292
D03D15/52
D01F8/06
A41D31/00 502D
A41D31/04 Z
A41B11/00 A
A41D31/12
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200245
(22)【出願日】2022-12-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】519381469
【氏名又は名称】青島紗支紡織科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521358556
【氏名又は名称】青島新嘉程家紡有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 暁東
【テーマコード(参考)】
3B018
4L002
4L036
4L041
4L048
【Fターム(参考)】
3B018AC02
3B018AC03
3B018AD02
3B018AD07
4L002AA01
4L002AA02
4L002AA06
4L002AA07
4L002AB01
4L002AB02
4L002AB04
4L002AC03
4L002AC07
4L002BA00
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4L036RA24
4L036UA01
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4L048AB19
4L048AC13
4L048AC15
4L048CA00
4L048CA05
4L048CA07
4L048DA01
(57)【要約】
【課題】吸湿性が高く、感触がよく、かつ冷涼感を与える衣服に使用される繊維を提供する。
【解決手段】芯鞘構造を備えるコアヤーンの芯に含まれる繊維を構成する樹脂の熱伝導率が0.2W/m・k以上の範囲であり、その鞘は天然繊維を含む。この芯は、好ましくは、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、及び、ポリエチレン繊維とナイロン繊維との複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。この鞘は、好ましくは、綿繊維、再生セルロース繊維、リヨセル繊維、レーヨン繊維、及び綿とレーヨンの混紡繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの天然繊維を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯鞘構造を備えるコアヤーンであって、
当該芯に含まれる繊維を構成する樹脂の熱伝導率が0.2W/m・k以上の範囲であり、
当該鞘は天然繊維を含むことを特徴とするコアヤーン。
【請求項2】
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記芯は、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、及び、ポリエチレン繊維とナイロン繊維との複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、前記鞘は、綿繊維、再生セルロース繊維、リヨセル繊維、レーヨン繊維、及び綿とレーヨンの混紡繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの天然繊維を含むことを特徴とするコアヤーン。
【請求項3】
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記コアヤーンにおける前記芯の含有量が20~60質量%の範囲であり、当該コアヤーンにおける前記鞘の含有量が80~40質量%の範囲であることを特徴とするコアヤーン。
【請求項4】
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記コアヤーンの型番が5s~60sの範囲であることを特徴とするコアヤーン。
【請求項5】
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記鞘は、トップ染めされた綿繊維又は再生セルロース繊維と、生成り綿繊維又は再生セルロース繊維を含むことを特徴とするコアヤーン。
【請求項6】
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記芯が、帯電防止剤を含有するポリエチレンからなる芯と、防滑剤を含有するポリエチレンからなる鞘とを有する複合繊維からなることを特徴とするコアヤーン。
【請求項7】
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記芯が、ポリエチレンからなる芯と、ナイロンからなる鞘とを有する複合繊維からなることを特徴とするコアヤーン。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載されたコアヤーンが使用されている布帛。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載されたコアヤーンが使用されているニット。
【請求項10】
請求項8に記載された布帛が使用されている繊維製品。
【請求項11】
請求項9に記載されたニットが使用されている繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアヤーン、布帛、ニット、及び繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸し暑い時期に着用する衣服には冷涼感が求められる。冷涼感を与える衣服に使用される繊維は合成繊維である。特許文献1には、内コア層の素材がポリプロピレンであり、外皮層の素材がポリエチレンである芯鞘型構造を有する複合繊維を構成繊維とする冷感軽量生地が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の合成繊維が使用される、冷涼感を与える衣服の吸湿性は低く、そのゴワゴワする感触は悪かった。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、吸湿性が高く、感触がよく、かつ冷涼感を与える衣服に使用される繊維を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、芯が特定の熱伝導率を有する樹脂で構成されるフィラメントを含み、鞘が天然繊維を含むコアヤーンが使用される衣服は、その吸湿性が高く、感触がよく、かつ冷涼感を与えることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0007】
本発明は、芯鞘構造を備えるコアヤーンであって、当該芯に含まれる繊維を構成する樹脂の熱伝導率が0.2W/m・k以上の範囲であり、当該鞘は天然繊維を含むことを特徴とするコアヤーンに関する。
前記芯は、好ましくは、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、及び、ポリエチレン繊維とナイロン繊維との複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、前記鞘は、好ましくは、綿繊維、再生セルロース繊維、リヨセル繊維、レーヨン繊維、及び綿とレーヨンの混紡繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの天然繊維を含む。
前記コアヤーンにおける前記芯の含有量は、好ましくは20~60質量%の範囲であり、当該コアヤーンにおける前記鞘の含有量は、好ましくは80~40質量%の範囲である。
前記コアヤーンの型番は、好ましくは5s~60sの範囲である。
前記鞘は、好ましくは、トップ染めされた綿繊維又は再生セルロース繊維と、生成り綿繊維又は再生セルロース繊維を含む。
前記芯は、好ましくは、帯電防止剤を含有するポリエチレンからなる芯と、防滑剤を含有するポリエチレンからなる鞘とを有する複合繊維からなる。
前記芯は、好ましくは、ポリエチレンからなる芯と、ナイロンからなる鞘とを有する複合繊維からなる。
【0008】
さらに本発明は、前記コアヤーンが使用されている布帛、前記コアヤーンが使用されているニット、当該布帛が使用されている繊維製品、及び当該ニットが使用されている繊維製品に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコアヤーンは、冷涼感を与え、柔軟性、吸湿性、速乾性、形状安定性、抗ビリング性、及び耐久性が優れるコアヤーンを提供する。本発明の布帛及びニットは、それぞれ前記コアヤーンが使用されている布帛、ニットを提供する。本発明の繊維製品は、前記布帛又はニットが使用されている繊維製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のコアヤーンの1実施形態を示す模式図。
【
図2】本発明のコアヤーンの別の実施形態を示す模式図。
【
図3】本発明のコアヤーンを製造する方法の1つの実施態様を示す図。
【
図4】本発明のコアヤーンを製造する方法の別の実施態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について更に詳細に説明する。
なお、数値範囲の「~」は、断りがなければ、以上から以下を表し、両端の数値をいずれも含む。また、数値範囲を示したときは、上限値および下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示したものとする。
さらに図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
<コアヤーン>
本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンの当該芯に含まれる繊維を構成する樹脂(熱可塑性樹脂)の熱伝導率は0.2W/m・k以上の範囲である。前記熱伝導率は、例えばカトーテック株式会社製KES-F7サーモラボII試験機を用いて測定される。熱伝導率が0.2W/m・k以上の樹脂として、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等)、ポリオキシメチレンが挙げられる。熱伝導率が0.2W/m・k以上の樹脂の例とその熱伝導率を表1に示す。
【0013】
【0014】
前記芯に含まれる繊維は、ポリエチレングリコール等の帯電防止剤、線状中密度ポリエチレン等の防滑剤を含んでいてよい。前記芯に含まれる繊維は、芯鞘構造を備える複合繊維であってよい。好ましくは、前記複合繊維の芯は帯電防止剤、鞘は防滑剤を含む。
さらに本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンの当該鞘は天然繊維を含む。前記天然繊維として、植物繊維(綿、麻、再生セルロース、リヨセル、レーヨン等)、動物繊維(生糸、絹糸、羊毛、カシミヤ等)が挙げられる。
【0015】
好ましくは、前記芯は、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、及び、ポリエチレン繊維とナイロン繊維との複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、前記鞘は、綿繊維、再生セルロース繊維、リヨセル繊維、レーヨン繊維、及び綿とレーヨンの混紡繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの天然繊維を含む。より好ましくは、前記芯、鞘のそれぞれは、これらの繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つからなる。前記芯は、更に好ましくは、ポリエチレンからなる芯と、ナイロンからなる鞘とを有する複合繊維からなる。さらに前記芯は、防滑剤を含有するポリエチレン繊維からなる芯と、帯電防止剤を含有するポリエチレン繊維からなる鞘とを有する複合繊維からなっていてもよい。
【0016】
図1は、本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンの1実施形態を示す模式図である。コアヤーン3は、内芯1aと外芯1bを備える複合繊維からなる芯と、天然繊維2からなる鞘を備えている。内芯1aはポリエチレン、外芯1bはナイロンから構成されていてもよく、内心1aは帯電防止剤を含有するポリエチレン、外芯1bは防滑剤を含有するポリエチレンから構成されていてもよい。
【0017】
図2は、本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンの別の実施形態を示す模式図である。コアヤーン3は、ナイロン、ポリエチレン等の、熱伝導率が0.2W/m・k以上の範囲である樹脂で構成される繊維1からなる芯と、天然繊維2からなる鞘を備えている。
【0018】
前記天然繊維2は、好ましくは、トップ染めされた綿繊維又は再生セルロース繊維と、生成り綿繊維又は再生セルロース繊維を含む。前記トップ染めされた繊維及び前記生成り繊維の併用の結果、少ない染料でコアヤーンの表面を十分に染色できる。
【0019】
好ましくは、本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンにおける前記芯の含有量は20~60質量%の範囲であり、前記鞘の含有量は80~40質量%の範囲である。
【0020】
本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンの型番は、好ましくは5s~60sの範囲である。
【0021】
<コアヤーンの製造方法>
本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンは、通常のコアヤーンの製造方法により製造される。本発明の芯鞘構造を備えるコアヤーンの製造方法として、例えば以下の2つが挙げられる。
【0022】
本発明のコアヤーンを製造する方法の1つ(製造方法1)は、前記芯を構成する繊維に、前記鞘を構成する、天然繊維を含む撚糸(ロービング)を撚る撚り工程を含み、当該撚り工程において、前記コアヤーンの中心軸と前記フィラメントの中心軸が重複せず、かつ平行である。
【0023】
前記製造方法1の1つの実施態様を
図3に示す。前記芯を構成する繊維1、及び前記天然繊維2をZ撚りして前記コアヤーンを製造できる(
図3A)。Z撚りにおいて、前記芯を構成する繊維1の中心軸は、前記コアヤーンの中心軸より左側によっており、両中心軸は平行である。
【0024】
前記芯を構成する繊維1及び前記天然繊維2をS撚りしても前記コアヤーンを製造できる(
図3B)。S撚りにおいて、前記芯を構成する繊維1の中心軸は、前記コアヤーンの中心軸より右側によっており、両中心軸は平行である。
【0025】
前記撚り工程において、前記コアヤーンの中心軸と前記フィラメントの中心軸が重複しないので、前記コアヤーンの断面における前記芯の片寄りが防止される。
【0026】
本発明のコアヤーンを製造する方法の別の1つ(製造方法2)は、前記芯を構成する繊維1に、前記鞘を構成する2本以上の天然繊維2をサイロ紡績により撚るサイロ紡績撚り工程を含む。
【0027】
前記製造方法2の1つの実施態様を
図4に示す。前記サイロ紡績撚り工程において、前記コアヤーンの中心軸と前記芯を構成する繊維1の中心軸は重複せず、かつ平行である。また、前記鞘を構成する1本以上のトップ染めされている天然繊維2aに加え、1本以上の生成り天然繊維2bが撚られてもよい。
前記芯を構成する繊維1は、好ましくはビニール袋に保管される。その結果、前記芯を構成する繊維1の帯電と、当該繊維1への空気中の夾雑物の吸着が防止される。
【0028】
<コアヤーンの応用>
本発明のコアヤーンは布帛又はニットに織り込まれる。さらに前記布帛又はニットは、布団カバー、布団、敷パット、枕、マットレス、カーペット、座布団、クッション、衣類、靴下等の繊維製品に使用される。
【実施例0029】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
実施例及び比較例において、各種物性は以下のとおりに測定ないし算出された。
<樹脂の熱伝導率>
樹脂の熱伝導率は、カトーテック株式会社製サーモラボII熱伝導率測定機を用いて測定された。
【0031】
<Q-MAX値(冷感値)>
JIS L1927に準じてカトーテック株式会社製サーモラボII接触冷温感測定装置を用いてニット生地が与える冷感を測定した。すなわち、センサーと熱板を接触させて当該センサーを加熱し、ニット生地と当該センサーの温度差を10℃にして両者を接触させ、熱の移動量(Q-MAX値)を測定した。前記値が大きいほど、ニット生地は人肌により強い冷感を与える。
【0032】
<ニット生地の速乾性>
0.6mlの水を10cm×10cmのニット生地に滴下し、下記式(1)により残留水分率を算出した。前記残留水分率が10%になるまでの時間を速乾性の基準とした。
残留水分率=[Wt-W]/(W0-W)]×100・・・(1)
ただし、Wは前記ニット生地の質量、Wtは所定時間が経過した時点での水を含む前記ニット生地の質量、W0は水を滴下した直後の水を含む前記ニット生地の質量である。
【0033】
[実施例1]
防滑剤として線状中密度ポリエチレンを20質量%含むポリエチレン組成物を紡糸して得られたポリエチレン繊維と、帯電防止剤としてポリエチレングリコール(#600)を1.5質量%含むポリエチレン組成物を紡糸して得られたポリエチレン繊維とを使用して、帯電防止剤を含有するポリエチレン繊維からなる芯と、防滑剤を含有するポリエチレン繊維からなる鞘とを有する複合繊維(80D 48F)を作り、この複合繊維をボビンに巻き取って、当該ボビンをビニール袋に保管した。前記複合繊維中の鞘の含有量は20質量%、芯の含有量は80質量%であった。ビニール袋に保管されていた前記複合繊維を、F506細紡績機の芯糸装置に供給して巻き戻し、ガイドワイヤホイールを介し、当該紡績機の前ローラの挟み口で、当該紡績機の2つのスピンインゴットから巻き戻されたコーマ綿の撚糸と共にZ撚りされ、前記複合繊維からなる芯と、前記コーマ綿の撚糸からなる鞘を備える型番26sのコアヤーン1が紡績された。コアヤーン1中の芯の含有量は42質量%、鞘の含有量は58質量%であった。前記コアヤーン1を織り込んでニット生地1を製造した。前記ニット生地1のQ-MAX値は0.338、速乾性は48分間であった。
【0034】
[実施例2]
ポリエチレン繊維とナイロン繊維を使用して、ポリエチレン繊維からなる芯と、ナイロン繊維からなる鞘とを有する複合繊維(80D 48F)を製造し、この複合繊維をボビンに巻き取って、当該ボビンをビニール袋に保管した。前記複合繊維中の鞘の含有量は50質量%、芯の含有量は50質量%であった。ビニール袋に保管されていた前記複合繊維を、F506細紡績機の芯糸装置に供給して巻き戻し、ガイドワイヤホイールを介し、当該紡績機の前ローラの挟み口で、当該紡績機の2つのスピンインゴットから巻き戻されたリヨセルの撚糸と共にZ撚りされ、前記複合繊維からなる芯と、前記リヨセルの撚糸からなる鞘を備える型番26sのコアヤーン2が紡績された。コアヤーン2中の芯の含有量は42質量%、鞘の含有量は58質量%であった。前記コアヤーン2を織り込んでニット生地2を製造した。前記ニット生地2のQ-MAX値は0.356、速乾性は66分間であった。
【0035】
[実施例3]
防滑剤として線状中密度ポリエチレンを20質量%含むポリエチレン組成物を紡糸して得られたポリエチレン繊維と、帯電防止剤としてポリエチレングリコール(#600)を1.5質量%含むポリエチレン組成物を紡糸して得られたポリエチレン繊維とを使用して、帯電防止剤を含有するポリエチレン繊維からなる芯と、防滑剤を含有するポリエチレン繊維からなる鞘とを有する複合繊維(50D 36F)を製造し、この複合繊維をボビンに巻き取って、当該ボビンをビニール袋に保管した。前記複合繊維中の鞘の含有量は20質量%、芯の含有量は80質量%であった。ビニール袋に保管されていた前記複合繊維を、F506細紡績機の芯糸装置に供給して巻き戻し、ガイドワイヤホイールを介し、当該紡績機の前ローラの挟み口で、当該紡績機の2つのスピンインゴットから巻き戻されたリヨセルの撚糸と共にZ撚りされ、前記複合繊維からなる芯と、前記リヨセルの撚糸からなる鞘を備える型番40sのコアヤーン3が紡績された。コアヤーン3中の芯の含有量は38質量%、鞘の含有量は62質量%であった。前記コアヤーン3を織り込んでニット生地3を製造した。前記ニット生地3のQ-MAX値は0.315、速乾性は53分間であった。
請求項1に記載されたコアヤーンにおいて、前記芯は、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、及び、ポリエチレン繊維とナイロン繊維との複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とするコアヤーン。