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特開2024-85646情報処理装置と情報処理プログラムと情報処理方法と計量ユニットと出力方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085646
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】情報処理装置と情報処理プログラムと情報処理方法と計量ユニットと出力方法
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/01 20060101AFI20240620BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240620BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
G01G23/01 A
G07G1/00 331C
G01G19/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200272
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】519135611
【氏名又は名称】株式会社Retail AI
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】蛯原 均
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142EA02
(57)【要約】
【課題】振動が多い環境下において使用可能な情報処理装置と情報処理プログラムと情報処理方法と計量ユニットと出力方法とを提供する。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置40は、重量値を取得する重量値取得部432と、加速度値を取得する加速度値取得部431と、加速度値が所定の閾値を超えたか否かを判定する加速度判定部433と、加速度判定結果に基づいて所定の設定時間をカウントするタイマ434と、加速度判定結果とタイマの動作状態とに基づいて天板が振動している振動状態、または天板が静止している静止状態を示す状態信号を生成する信号生成部435と、重量値と状態信号とに基づいて所定の判定間隔で増減を判定する増減判定部437と、を有する。増減判定部は、状態信号が振動状態を示しているとき、増減を判定せず、記状態信号が静止状態を示しているとき、増減を判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に載置される物品の重量値と、前記天板の厚み方向の加速度値と、に基づいて、前記天板に対する前記物品の増減を判定する情報処理装置であって、
前記重量値を取得する重量値取得部と、
前記加速度値を取得する加速度値取得部と、
前記加速度値が所定の閾値を超えたか否かを判定する加速度判定部と、
加速度判定結果に基づいて、所定の設定時間をカウントするタイマと、
前記加速度判定結果と前記タイマの動作状態とに基づいて、前記天板の状態を示す状態信号を生成する信号生成部と、
前記重量値と前記状態信号とに基づいて、所定の判定間隔で、前記増減を判定する増減判定部と、
を有してなり、
前記天板の前記状態は、
前記天板が振動している振動状態と、
前記天板が静止している静止状態と、
を含み、
前記増減判定部は、
前記状態信号が前記振動状態を示しているとき、前記増減を判定せず、
前記状態信号が前記静止状態を示しているとき、前記増減を判定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記タイマの前記動作状態は、
前記カウントの初期値が設定されて、前記カウントを停止している初期値設定状態と、
前記カウントを実行しているカウント状態と、
前記カウントが完了している待機状態と、
を含み、
前記タイマの前記動作状態は、
前記加速度値が前記閾値を超えたと判定されたとき、前記初期値設定状態となり、
前記初期値設定状態において、前記加速度値が前記閾値を下回ったと判定されたとき、前記カウント状態となり、
前記カウント状態において、前記加速度値が前記閾値を超えたと判定されたとき、前記初期値設定状態となり、
前記カウントが完了したとき、前記待機状態となる、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記信号生成部は、
前記タイマの前記動作状態が前記初期値設定状態のとき、または、前記タイマの前記動作状態が前記カウント状態のとき、前記振動状態を示す前記状態信号を生成し、
前記タイマの前記動作状態が前記待機状態のとき、前記静止状態を示す前記状態信号を生成する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記重量値を記憶する記憶部と、
前記状態信号に基づいて、前記重量値取得部により取得された前記重量値を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有してなり、
前記記憶制御部は、
前記静止状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記振動状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、所定の更新間隔で、前記記憶部に記憶されている前記重量値を最新の前記重量値に更新させ、
前記振動状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記静止状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、前記重量値の記憶の更新を停止し、
前記増減判定部は、前記記憶部に記憶されている前記重量値が更新されるとき、更新前に前記記憶部に記憶されていた前記重量値と、前記重量値取得部に取得された最新の前記重量値と、を比較することにより、前記増減を判定する、
請求項2または3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定時間は、前記振動の収束に必要な時間に基づいて設定される、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記加速度判定部は、前記設定時間よりも短い判定時間ごとに、前記加速度値が前記閾値を超えたか否かを判定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1記載の情報処理装置として機能させる、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項8】
天板に載置される物品の重量値と、前記天板の厚み方向の加速度値と、に基づいて、前記天板に対する前記物品の増減を判定する情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記重量値を取得する重量値取得ステップと、
前記加速度値を取得する加速度値取得ステップと、
前記加速度値が、所定の閾値を超えたか否かを判定する加速度判定ステップと、
加速度判定結果と、前記加速度判定結果に基づいて所定の設定時間をカウントするタイマの動作状態と、に基づいて、前記天板の状態を示す状態信号を生成する信号生成ステップと、
前記重量値と前記状態信号とに基づいて、所定の判定間隔で、前記増減を判定する増減判定ステップと、
を含み、
前記天板の前記状態は、
前記天板が振動している振動状態と、
前記天板が静止している静止状態と、
を含み、
前記情報処理装置は、前記増減判定ステップにおいて、
前記状態信号が前記振動状態を示しているとき、前記増減を判定せず、
前記状態信号が前記静止状態を示しているとき、所定の判定間隔で、前記増減を判定する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
載置された物品の重量値を計測する天板ユニットと、
計測された前記重量値を記憶する記憶部と、
前記天板ユニットが備える天板の厚み方向の加速度値を計測し出力する加速度検知部と、
計測された前記加速度値が所定の閾値を超えたか否かを判定する加速度判定部と、
加速度判定結果に基づいて、所定の設定時間をカウントするタイマと、
前記加速度判定結果と前記タイマの動作状態とに基づいて、前記天板の状態を示す状態信号を生成する信号生成部と、
前記状態信号に基づいて、計測された前記重量値を外部に出力する重量値出力部と、
を有してなり、
前記天板の前記状態は、
前記天板が振動している振動状態と、
前記天板が静止している静止状態と、
を含み、
前記重量値出力部は、
前記振動状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記静止状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、前記振動状態を示す前記状態信号が入力される前に前記記憶部に記憶されていた前記重量値を出力し、
前記静止状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記振動状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、最新の前記重量値を出力する、
ことを特徴とする計量ユニット。
【請求項10】
前記タイマの前記動作状態は、
前記カウントの初期値が設定されて、前記カウントを停止している初期値設定状態と、
前記カウントを実行しているカウント状態と、
前記カウントが完了している待機状態と、
を含み、
前記タイマの前記動作状態は、
前記加速度値が前記閾値を超えたと判定されたとき、前記初期値設定状態となり、
前記初期値設定状態において、前記加速度値が前記閾値を下回ったと判定されたとき、前記カウント状態となり、
前記カウント状態において、前記加速度値が前記閾値を超えたと判定されたとき、前記初期値設定状態となり、
前記カウントが完了したとき、前記待機状態となる、
請求項9記載の計量ユニット。
【請求項11】
前記信号生成部は、
前記タイマの前記動作状態が前記初期値設定状態のとき、または、前記タイマの前記動作状態が前記カウント状態のとき、前記振動状態を示す前記状態信号を生成し、
前記タイマの前記動作状態が前記待機状態のとき、前記静止状態を示す前記状態信号を生成する、
請求項10記載の計量ユニット。
【請求項12】
前記状態信号に基づいて、前記天板ユニットにより計測された前記重量値を前記記憶部に記憶させる記憶制御部、
を有してなり、
前記記憶制御部は、
前記静止状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記振動状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、所定の更新間隔で、前記記憶部に記憶されている前記重量値を最新の前記重量値に更新し、
前記振動状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記静止状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、前記重量値の記憶の更新を停止し、
前記重量値出力部は、前記振動状態を示す前記状態信号が入力されたとき、前記静止状態を示す前記状態信号が入力されるまでの間、更新前に前記記憶部に記憶されていた前記重量値を出力する、
請求項10または11記載の計量ユニット。
【請求項13】
前記加速度検知部は、前記加速度値を前記外部に出力するように構成される、
請求項9記載の計量ユニット。
【請求項14】
前記天板ユニットは、
ロードセル、
を備え、
前記加速度検知部は、前記天板に取り付けられ、
前記天板は、前記ロードセルの上に取り付けられる、
請求項9記載の計量ユニット。
【請求項15】
天板に載置される物品の重量値と、前記天板の厚み方向の加速度値と、に基づいて、前記重量値を外部に出力するコンピュータにより実行される出力方法であって、
前記コンピュータは、
所定の情報処理を実行するプロセッサと、
前記重量値を記憶する記憶部と、
前記重量値を前記外部に出力する重量値出力部と、
を備え、
前記プロセッサが、
前記加速度値が所定の閾値を超えたか否かを判定する加速度判定ステップと、
加速度判定結果と、前記加速度判定結果に基づいて所定の設定時間をカウントするタイマの動作状態と、に基づいて、前記天板の状態を示す状態信号を生成する信号生成ステップと、
前記状態信号に基づいて、前記重量値出力部の出力を制御する出力制御ステップと、
を含み、
前記天板の前記状態は、
前記天板が振動している振動状態と、
前記天板が静止している静止状態と、
を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御ステップにおいて、
前記状態信号が前記振動状態を示しているとき、前記振動状態を示す前記状態信号が生成される前に前記記憶部に記憶されていた前記重量値を出力するように前記重量値出力部の出力を制御し、
前記状態信号が前記静止状態を示しているとき、最新の前記重量値を出力するように前記重量値出力部の出力を制御する、
ことを特徴とする出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と、情報処理プログラムと、情報処理方法と、計量ユニットと、出力方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、全ての商品をワンフロアで取り扱い、1か所のレジで集中的に会計処理をすることにより、省人化および会計処理の効率化を図るスーパーセンターが1つの小売業態として定着してきている。
【0003】
スーパーセンターでは、店舗の省人化によるコスト削減や、1か所のレジに客が集中することを防ぐ会計方式の自動化などの対策が施されている。その対策の一環として、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目され始めている。DXを駆使した小売業界において、IoT(Internet of things)およびAI(Artificial Intelligence)技術を用いた省人化・無人化の試みが、実現されてきている。これらの試みを実現する手段として、例えば、ショッピングカート(以下「カート」という。)やセルフレジに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
一般的に、カートおよびセルフレジでは、客が商品に付される二次元コードをスキャンして商品を購入する。このとき、未スキャン品やスキャン後に購入を取りやめた商品(以下「不適合商品」という。)があった場合、客が気付かなければ、店舗および客の双方に問題が生じ得る。そのため、カートおよびセルフレジは、不適合商品を検知して、客に報知する機能を備えている。
【0005】
例えば、カートの場合、店舗内において適宜商品がカートに追加またはカートから棚に戻される。このとき、カート内の商品検知には、カート内を連続的に撮像した画像の差分を用いる手法がしばしば用いられている。しかしながら、画像のみの管理では、商品同士の重なりや、荷崩れ、客による商品の整理などにより、カート内の商品を正確に把握することは、困難である。そのため、画像に加えて、重量センサによりカート内の商品の重量の増減を検知する手法が、採用されている。
【0006】
また、例えば、セルフレジの場合、スキャン後の商品が所定位置に吊り下げられた買い物袋に投入される。このとき、セルフレジでは、例えば、買い物袋の底に当接する位置に備えられた重量センサにより、買い物袋内の商品の増減が検知(把握)されている。
【0007】
このように、いずれの技術においても、商品の検知手段の1つとして、客が購入しようとしている商品の重量を計測する重量センサが用いられている。
【0008】
ここで、カートは店舗内を断続的に移動して、その速度も一定ではない。そのため、カートの移動中、重量センサは、その移動に基づく振動の影響を受けて、カート(買い物かご)内の商品の重量の増減を正確に検知することができない。また、カート(買い物かご)に商品が投入されるときや、カート内の商品の位置が変更されるとき、商品の重量に応じた衝撃が、カート(買い物かご)を介して、重量センサに作用する。このとき、カート(買い物かご)は、一時的に振動する。その振動は重量センサに伝達されて、重量センサの出力値は振動により大きく振れる。そのため、重量センサは、振動が収束するまでの間、正確な重量を検知することができない。この振動の収束を重量センサの出力値に基づいてソフトウェアで判定する場合、数秒(例えば、2~3秒)の時間が必要となる。その後、総重量の増減が一時的(単なる振動)か定常的(商品の投入、取り出し)かの判定に数秒(例えば、2~3秒)の時間が必要となる。そして、その判定の間に、次の商品が投入された場合、再判定が必要となる。
【0009】
一方、セルフレジは店舗内に据え置かれるため、セルフレジの重量センサは、移動による振動の影響を受けない。しかしながら、買い物袋に商品が投入されるときや、買い物袋内の商品の位置が変更されるとき、重量センサは、カートの場合と同様に振動の影響を受ける。
【0010】
このように、重量センサに伝達される振動が多い(断続的に振動が伝達さる)環境下において、従来のソフトウェアによる判定では、重量の増減を正確に検知するために数秒の時間を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特表2015-524947号公報
【特許文献2】特開2016-151921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、振動が多い環境下において使用可能な情報処理装置と情報処理プログラムと情報処理方法と計量ユニットと出力方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る情報処理装置は、天板に載置される物品の重量値と、天板の厚み方向の加速度値と、に基づいて、天板に対する物品の増減を判定する情報処理装置であって、重量値を取得する重量値取得部と、加速度値を取得する加速度値取得部と、加速度値が所定の閾値を超えたか否かを判定する加速度判定部と、加速度判定結果に基づいて、所定の設定時間をカウントするタイマと、加速度判定結果とタイマの動作状態とに基づいて、天板の状態を示す状態信号を生成する信号生成部と、重量値と状態信号とに基づいて、所定の判定間隔で、増減を判定する増減判定部と、を有してなり、天板の状態は、天板が振動している振動状態と、天板が静止している静止状態と、を含み、増減判定部は、状態信号が振動状態を示しているとき、増減を判定せず、状態信号が静止状態を示しているとき、増減を判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動が多い環境下において使用可能な情報処理装置と情報処理プログラムと情報処理方法と計量ユニットと出力方法とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る情報処理装置を備えるショッピングカートの実施の形態を示す模式図である。
図2図1のショッピングカートの機能ブロック図である。
図3図1のショッピングカートが備える計量ユニットの模式底面図である。
図4図3の計量ユニットが備える加速度センサからの加速度値と、図1の情報処理装置が備える重量検知部からの重量値と、同情報処理装置が備えるタイマの動作と、同タイマの動作状態と、同情報処理装置が備える信号生成部の動作と、の関係を示す模式図である。
図5図1の情報処理装置が実行する増減判定処理のフローチャートである。
図6図5の増減判定処理に含まれる、静止時処理のフローチャートである。
図7図5の増減判定処理に含まれる、振動時処理のフローチャートである。
図8図1の情報処理装置の実施例を示す模式図である。
図9図1の情報処理装置の別の実施例を示す模式図である。
図10】本発明に係る情報処理装置を備えるセルフレジの実施の形態を示す模式図である。
図11】本発明に係る計量ユニットの実施の形態を示す機能ブロック図である。
図12図11の計量ユニットが備える加速度センサからの加速度値と、同計量ユニットが備えるタイマの動作と、同計量ユニットが備える重量検知部からの重量値と、同計量ユニットが備える重量値出力部の出力値と、の関係を示す模式図である。
図13図11の計量ユニットが実行する出力選択処理のフローチャートである。
図14図13の出力選択処理に含まれる、静止時処理のフローチャートである。
図15図13の出力選択処理に含まれる、振動時処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る情報処理装置と、情報処理プログラムと、情報処理方法と、計量ユニットと、出力方法と、の実施の形態が、商品が陳列された店舗において、客に取り扱われる装置(ショッピングカート、セルフレジなど)を一例に説明される。以下の説明において、図面は、適宜参照される。各図面において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。
【0017】
●本発明の概要
本発明において、計量ユニット(秤)の計量対象である商品の増減に基づいて計量ユニットの天板が振動したとき、その振動は加速度センサにより検知されて、振動の発生および収束のタイミングが的確に取得可能となる。その結果、本発明は、天板が振動しているときは計量ユニットに対する物品(商品)の増減を判定せず、振動の収束と共に物品(商品)の増減を判定する情報処理装置と、情報処理プログラムと情報処理方法と、を実現する。また、本発明は、天板の振動の開始から収束までの間には振動の検知前に最後に記憶された重量値(最後の重量値)を出力して、振動の収束時にリアルタイムで取得された重量値(最新の重量値)を出力する計量ユニットと出力方法とを実現する。情報処理装置と計量ユニットそれぞれの具体的な構成は、後述される。
【0018】
「振動」は、天板に直接作用する衝撃により生じる振動と、外部からの振動が天板に伝達されることにより生じる振動と、を含む。前者は、例えば、重量が計測される対象商品が天板に載置された際(例えば、投入された際)に生じる衝撃に起因する振動である。後者は、例えば、計量ユニット(秤)を備える移動体(例えば、後述されるカート)の移動に起因して計量ユニット(秤)に伝達される振動、天板の周囲の人や物の動きに起因して床(例えば、店舗の床など)などを介して天板に伝達される振動、などである。
【0019】
●ショッピングカート(1)●
先ず、本発明に係る情報処理装置(以下「本装置」という。)を備えるショッピングカート(以下「カート」という。)を一例に、本装置の実施の形態が説明される。
【0020】
●ショッピングカート(1)の構成
図1は、本装置を備えるカートの実施の形態を示す模式図である。
同図は、カート1を側方から見た状態を模式的に示す。同図は、カート1に載せられる買い物かごCを破線で示す。
【0021】
カート1は、店舗内で買い物をする客が代金を支払うまでの間、客が購入しようとする商品、または商品を収容する買い物かごCが一時的に載せられる(収容される)移動装置である。カート1は、店舗内で客に利用され、客と共に店舗内を移動する。
【0022】
以下の説明において、前後上下左右の方向は、カート1を押す客の前後上下左右の方向である。すなわち、例えば、前方は同客の正面方向であり、後方は同客の背面方向である。上方は、客の頭上方向である。下方は、上方の反対方向(重力方向)である。
【0023】
カート1は、枠体10と、4つの車輪21,22(2つは不図示。以下同じ。)と、計量ユニット30と、本装置40と、読取装置50と、蓄電部60(図2参照)と、を備える。
【0024】
枠体10は、カート1の骨組みを構成する。枠体10は、主枠体11と、支持枠体12と、カゴ枠体13と、を備える。
【0025】
主枠体11は、支持枠体12を支持すると共に、枠体10の土台として機能する。主枠体11は、例えば、金属管で構成されている。主枠体11の前半部は前後方向に沿い、主枠体11の後半部は湾曲しながら上方に向けられている。すなわち、主枠体11は、側方視において略L字状である。
【0026】
支持枠体12は、カゴ枠体13を支持する。支持枠体12は、例えば、金属管で構成されている。支持枠体12は、上下方向において、主枠体11の後半部の中央付近から前方に突出している。
【0027】
カゴ枠体13は、商品や買い物かごCを収容する。カゴ枠体13は、例えば、複数の鋼線により構成されている。側方視において、カゴ枠体13は、逆台形状である。カゴ枠体13は、支持枠体12の上方に配置され、支持枠体12に固定されている。
【0028】
車輪21,22は、客の操作に応じて、枠体10を移動させる。車輪21,22は、主枠体11の前半部の下方に配置されて、同前半部に取り付けられている。
【0029】
図2は、カート1の機能ブロック図である。以下の説明において、図1は適宜参照される。
【0030】
計量ユニット30は、カゴ枠体13またはカゴ枠体13に収容された買い物かごC内に投入された商品の重量を計量する。計量ユニット30は、天板31と、重量検知部32と、加速度センサ33と、回路基板34と、接続部35と、を備える。天板31と重量検知部32とは、本発明における天板ユニットの一例である。
【0031】
天板31は、重量が計量される商品(物品)が載置される部材である。天板31は、例えば、平面視において矩形の板状である。天板31は、例えば、アルミニウム合金などの金属製である。図1に示されるように、天板31は、カゴ枠体13の下部に収容されて、カゴ枠体13の底板として機能している。
【0032】
重量検知部32は、天板31の重量(天板31に載置された商品の重量)を検知して、検知された重量に対応する重量値を計測して出力する。重量検知部32は、例えば、4つのロードセル(第1ロードセル321,第2ロードセル322,第3ロードセル323,第4ロードセル324)と、セル回路部325と、を備える、公知のロードセルユニットである。
【0033】
図3は、計量ユニット30の模式底面図である。
【0034】
第1ロードセル321~第4ロードセル324それぞれは、加速度センサ33を取り囲むように、天板31の下面(裏面)の4角部に取り付けられている。すなわち、天板31は、第1ロードセル321~第4ロードセル324の上部に取り付けられている。第1ロードセル321~第4ロードセル324それぞれは、歪み量に応じた信号を生成して、同信号をセル回路部325(図2参照)に出力する。
【0035】
図1図3に戻る。
セル回路部325は、第1ロードセル321~第4ロードセル324から出力される信号に基づいて、第1ロードセル321~第4ロードセル324の歪み量および歪み量に基づく重量値を算出して、重量値を出力する。セル回路部325は、例えば、インターフェイス(I/F)、増幅回路、重量の演算用のIC(Integrated Circuit)などにより構成されている。セル回路部325は、例えば、回路基板34に取り付けられている。セル回路部325からの重量値は、接続部35を介して後述される制御部43に出力される。
【0036】
加速度センサ33は、例えば、相互に直交する前後・左右・上下に対応するX軸・Y軸・Z軸(不図示)の3軸に対する加速度を検知して、検知した加速度に対応する加速度値を計測して出力する。加速度センサ33は、例えば、インターフェイス(I/F)、加速度の演算用のICなどにより構成されていて、加速度値を計量ユニット30の外部に出力するように構成されている。図3に示されるとおり、加速度センサ33は、1つの軸(本実施の形態では、Z軸)が天板31の下面に垂直になるように、天板31の下面の中央部に取り付けられている。その結果、加速度センサ33は、天板31の振動(Z軸方向(天板の厚み方向)の加速度)を計測して出力可能である。加速度センサ33からの加速度値は、Z軸方向の加速度値であり、接続部35を介して後述される制御部43に出力される。
【0037】
回路基板34は、セル回路部325と接続部35とを実装する。回路基板34は、例えば、プリント基板である。回路基板34は、例えば、筐体(不図示)に収容されて、枠体10に取り付けられている。
【0038】
接続部35は、重量検知部32と加速度センサ33と本装置40それぞれに接続されるインターフェイス(I/F)である。
【0039】
本装置40は、例えば、タブレットPC(Personal Computer)端末である。本装置40の具体的な構成は、後述される。
【0040】
読取装置50は、客や商品の情報を読み取る。読取装置50は、例えば、商品コード(例えば、商品に付される二次元コード)や会員コード(例えば、会員カードに付される二次元コード)を光学的に読取可能なバーコードリーダなどの光学式読取装置である。
【0041】
なお、会員コードと商品コードそれぞれは、二次元コードに限定されない。すなわち、例えば、会員コードと商品コードそれぞれは、バーコード(一次元コード)でもよい。
【0042】
蓄電部60は、計量ユニット30や、本装置40、読取装置50に供給するための電力を蓄える。蓄電部60は、例えば、リチウムイオン電池などの二次電池である。
【0043】
●情報処理装置の構成
次に、本装置40の構成が説明される。以下の説明において、図2は適宜参照される。
【0044】
本装置40は、例えば、後述される増減判定処理、精算処理、通知処理、広告表示処理、商品検索処理、店員呼出処理などの情報処理を実行する情報処理端末である。本装置40は、接続部41と、記憶部42と、制御部43と、操作表示部44と、撮像部45と、通信部46と、を備える。
【0045】
「増減判定処理」は、重量値と加速度値とに基づいて、天板31に対する物品の増減を判定する処理である。
【0046】
「精算処理」は、例えば、カート1を利用する客が、読取装置50を用いて商品コードを読み取った商品の精算を実行する処理である。
【0047】
「通知処理」は、例えば、客が読取装置50を用いて商品コードを読み取ることなく、商品をカート1(買い物かごC)に投入したとき、客に対して商品コードが読み取られていない商品(以下「未スキャン品」という。)の存在などのスキャン情報を通知する処理である。
【0048】
「広告表示処理」は、例えば、客に対して、操作表示部44に店舗内の商品の広告情報を表示する処理である。
【0049】
「商品検索処理」は、例えば、客が操作表示部44を操作して、目当ての商品の陳列位置やクーポン情報などを検索する処理である。
【0050】
「店員呼出処理」は、例えば、客が操作表示部44を操作して、店員を呼び出す処理である。
【0051】
本装置40では、本発明に係るプログラム(以下「本プログラム」という。)が動作して、本プログラムが本装置40のハードウェア資源と協働して、本発明に係る情報処理方法(以下「本方法」という。)を実現する。
【0052】
ここで、コンピュータ(不図示)に本プログラムを実行させることで、本プログラムは、同コンピュータを本装置40と同様に機能させて、同コンピュータに本方法を実行させることができる。
【0053】
接続部41は、計量ユニット30の接続部35と読取装置50それぞれに接続される信号線(不図示)が接続されるインターフェイス(I/F)である。
【0054】
記憶部42は、制御部43が各種の情報処理を実行するために必要な情報を記憶する。記憶部42は、例えば、SSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリなどの情報記憶媒体である。
【0055】
制御部43は、プログラムに従って各種情報処理を実行して、本装置40全体の動作を制御する。制御部43は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)と、各種プログラムなどの情報を記憶するROM(Read Only Memory)と、により構成されている。制御部43は、加速度値取得部431と、重量値取得部432と、加速度判定部433と、タイマ434と、信号生成部435と、記憶制御部436と、増減判定部437と、を備える。
【0056】
加速度値取得部431は、加速度センサ33からの加速度値を取得する。加速度値取得部431に取得された加速度値は、記憶部42に記憶される。加速度値取得部431の具体的な動作は、後述される。
【0057】
重量値取得部432は、重量検知部32からの重量値を取得する。重量値取得部432に取得された重量値は、記憶部42に記憶される。重量値取得部432の具体的な動作は、後述される。
【0058】
加速度判定部433は、加速度値取得部431に取得された加速度値が、天板31の振動に対応する第1閾値「V1」を超えたか否かを判定する。加速度判定部433の具体的な動作は、後述される。
【0059】
「第1閾値「V1」」は、重量検知部32が天板31の重量(天板31上の物品(商品))の増減を正確に検知することができない程度に天板31が振動しているか否かを区分けする所定の閾値である。第1閾値「V1」は、重力加速度「1G」を中心として、プラス側とマイナス側それぞれに同じ値だけ離れた値に設定されている。本実施の形態において、第1閾値「V1」は、例えば、カート1の移動に起因する天板31の振動により生じる加速度値よりも小さい値に予め設定されていて、記憶部42に記憶されている。すなわち、カート1が移動しているとき、加速度センサ33の加速度値は、第1閾値「V1」を超える。一方、カート1が静止しているとき、加速度センサ33の加速度出力値は、第1閾値「V1」未満である。
【0060】
第1閾値「V1」は、天板31が外部からの衝撃を受けて振動している振動状態と、天板31が振動していない静止状態と、を区分する値に設定されている。すなわち、天板31は、加速度値が第1閾値「V1」を超えているとき振動状態であり、加速度値が第1閾値「V1」を超えていないとき(下回っているとき)静止状態である。振動状態と静止状態とは、本発明における天板の状態の一例である。
【0061】
タイマ434は、加速度判定部433による判定の結果(以下「加速度判定結果」という。)に基づいて、設定時間をカウントする。タイマ434の具体的な動作は、後述される。設定時間のカウントは、カウントアップまたはカウントダウンのいずれの方式でもよい。
【0062】
「設定時間」は、天板31上に商品が載置(投入)されたときに生じる天板31の振動が収束するために必要な時間に基づいて設定される所定の時間である。設定時間は、例えば、実測値に基づいて予め設定されていて、記憶部42に記憶されている。設定時間の具体的な設定は、後述される。
【0063】
信号生成部435は、加速度判定結果と、タイマ434の動作状態と、に基づいて、天板31の状態を示す信号(以下「状態信号」という。)を生成する。信号生成部435の具体的な動作は、後述される。
【0064】
「タイマ434の動作状態」は、カウントの初期値(設定時間)がタイマ434に設定されて、タイマ434がカウントの開始を待っている、または、タイマ434がカウントを停止している初期値設定状態と、タイマ434がカウントを実行しているカウント状態と、タイマ434のカウントが完了(終了)している待機状態と、を含む。タイマ434の動作状態は、デフォルト(天板31が振動していない状態)で待機状態であり、待機状態から初期値設定状態に切替可能であり、初期値設定状態からカウント状態に切替可能であり、カウント状態から待機状態または初期値設定状態に切替可能である。タイマの切替の具体的な動作は、後述される。
【0065】
「状態信号」は、振動状態を示す状態信号(以下「振動信号」という。)と、静止状態を示す状態信号(以下「静止信号」という。)と、を含む。
【0066】
記憶制御部436は、状態信号に基づいて、重量値取得部432により取得された重量値(以下「取得重量値」という。)を記憶部42に記憶させる。記憶制御部436の具体的な動作は、後述される。
【0067】
増減判定部437は、重量値と状態信号とに基づいて、所定の判定間隔で、天板31に対する物品の増減を判定する。増減判定部437の具体的な動作は、後述される。
【0068】
操作表示部44は、客が本装置40を操作するための操作部として機能すると共に、販促情報(広告情報やクーポン情報など)や通知情報(スキャン情報など)を客へ通知する通知部として機能する。操作表示部44は、例えば、タッチパネル式のモニタである。
【0069】
撮像部45は、カゴ枠体13(買い物かごC)内を撮像する。撮像部45は、例えば、動画を撮像するカメラである。
【0070】
通信部46は、ネットワーク回線を介して、例えば、店舗のPOS端末(不図示)やサーバ(不図示)と通信する。通信部46は、例えば、通信モジュールや通信回路などの通信インターフェイスである。
【0071】
なお、本発明において、本装置は、各種の情報処理を実行可能な情報処理端末であればよく、タブレットPC端末に限定されない。すなわち、例えば、本装置は、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、スマートホンでもよい。
【0072】
●加速度値と、重量値と、タイマの動作および動作状態と、信号生成部の動作と、の関係
図4は、加速度値と、重量値と、タイマ434の動作と、同タイマ434の動作状態と、信号生成部435の動作と、の関係を示す模式図である。
同図のタイマ434の動作状態において、破線はタイマ434の待機状態を示していて、太線はタイマ434の初期値設定状態を示していて、細線はタイマ434のカウント状態を示している。
以下の説明において、図2は、適宜参照される。
【0073】
静止状態において、加速度センサ33が加速度(天板31の振動)の計測を開始したとき(T0)から、加速度値取得部431に取得された加速度値が第1閾値「V1」を超える時(T1)まで、タイマ434の動作状態は、待機状態である。このとき、タイマ434には、カウントの初期値(設定時間)が設定されていない。しなわち、タイマ434は、設定時間のカウントをしない。タイマ434の動作状態が待機状態のとき、信号生成部435は、静止信号を生成して、出力している。
【0074】
加速度値が第1閾値「V1」を超えた時(T1)、タイマ434の動作状態は、待機状態から初期値設定状態に切り替わる。このとき、タイマ434には、カウントの初期値が設定されるが、タイマ434は設定時間のカウントをしない(カウントを停止している)。タイマ434の初期値設定状態は、加速度値が第1閾値「V1」未満になる時(T2)まで維持される。タイマ434の動作状態が初期値設定状態のとき、信号生成部435は、振動信号を生成して、出力している。以後、信号生成部435は、タイマ434の動作状態が待機状態に切り替わるまで、振動信号を生成して、出力している。
【0075】
一般的に、重量を電気的に計量する電子秤の出力値は、商品の投入時から約200msec程度遅れてオーバーシュートする傾向にある。そして、オーバーシュートは、発生から1秒以内で収まる傾向にある。また、天板31の振動(加速度値が第1閾値「V1」を超える振動)は、約200~300msecで収束する傾向にある。そのため、本実施の形態において、設定時間は、オーバーシュートが収まった直後、かつ、天板31の振動が収束している時間である「1秒」に設定されている。すなわち、タイマ434には、初期値として、設定時間である「1秒」が設定される。
【0076】
振動状態において、加速度値が第1閾値「V1」未満になった(下回った)時(T2)、タイマ434の動作状態は、初期値設定状態からカウント状態に切り替わる。このとき、タイマ434は、設定時間のカウントを開始する(カウントを実行する)。以後、タイマ434は、加速度値が再び第1閾値「V1」を超えるまで、または、設定時間のカウントが終了するまで(カウントが完了するまで)、カウント状態を維持する(カウントを続ける)。タイマ434の動作状態がカウント状態のとき、信号生成部435は、振動信号を生成して、出力している。
【0077】
振動状態において、加速度値が第1閾値「V1」を超えた時(T3)、タイマ434の動作状態は、カウント状態から初期値設定状態に切り替わる。このとき、タイマ434の設定時間のカウントがリセットされて、タイマ434にはカウントの初期値が設定される。タイマ434の動作状態が初期値設定状態であるので、信号生成部435は、振動信号を生成して、出力している。
【0078】
振動状態において、加速度値が第1閾値「V1」を超えた後、加速度値が第1閾値「V1」未満になった時(T4)、タイマ434の動作状態は、初期値設定状態からカウント状態に切り替わる。このとき、タイマ434は、設定時間のカウントを新たに開始する(カウントを実行する)。タイマ434の動作状態がカウント状態であるので、信号生成部435は、振動信号を生成して、出力している。
【0079】
振動状態において、加速度値が第1閾値「V1」未満になった後、加速度値が第1閾値「V1」を超えた時(T5)、タイマ434の動作状態は、カウント状態から初期値設定状態に切り替わる。このとき、タイマ434の設定時間のカウントがリセットされて、タイマ434にはカウントの初期値が設定される。タイマ434の動作状態が初期値設定状態であるので、信号生成部435は、振動信号を生成して、出力している。
【0080】
振動状態において、加速度値が第1閾値「V1」を超えた後、加速度値が第1閾値「V1」未満になった時(T6)、タイマ434の動作状態は、初期値設定状態からカウント状態に切り替わる。このとき、タイマ434は、設定時間のカウントを新たに開始する(カウントを実行する)。タイマ434の動作状態がカウント状態であるので、信号生成部435は、振動信号を生成して、出力している。
【0081】
振動状態において、加速度値が第1閾値「V1」未満になり、タイマ434による設定時間のカウントが終了した時(T7)、タイマ434の動作状態は、カウント状態から待機状態に切り替わる。このとき、天板31の状態は、振動状態から静止状態に切り替わる。タイマ434には、初期値が設定されておらず、信号生成部435は静止信号を生成して、出力している。天板31の振動は収束しており、電子秤の出力値に発生していたオーバーシュートは設定時間のカウントが終了する前に収束している。
【0082】
このように、本装置40は、加速度値と閾値(第1閾値「V1」)とを利用して、タイマ434の動作状態により天板31の振動の状態を判断できる。本装置40は、タイマ434の動作状態により、正確かつ高速(素早いタイミング)で静止信号と振動信号とを出力できるので、天板31の振動の状態の判断の誤り(計測の誤差)が無くなる。
【0083】
●情報処理装置の動作
次に、本装置40の動作、すなわち、本方法が説明される。本実施の形態において、本装置40は、以下に説明される増減判定処理(S1)を実行する。増減判定処理(S1)は、本方法の一例である。以下の説明において、図2は適宜参照される。
【0084】
図5は、本装置40が実行する増減判定処理(S1)のフローチャートである。
【0085】
先ず、計量ユニット30に通電されると、重量検知部32は天板31の重量の計量を開始して、加速度センサ33はZ軸方向の加速度(天板31の振動)の計測を開始する。加速度値取得部431は、所定時間ごとに、接続部35,41を介して加速度値を加速度センサ33から取得して、重量値取得部432は、所定時間ごとに、接続部35,41を介して最新の重量値を重量検知部32からを取得する(S101)。加速度値取得部431に取得された加速度値と、重量値取得部432に取得された重量値とは、一時的に、記憶部42に記憶(更新)される。ここで、所定時間(本実施の形態では、10msec。以下同じ)は、設定時間よりも短い時間に設定されている。
【0086】
次いで、加速度判定部433は、所定時間ごとに加速度値が第1閾値「V1」を超えているか否かを判定する(S102)。
【0087】
加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」を超えていない」と判定したとき(S102の「N」)、本装置40は、静止時処理(S2)を実行する。このとき、天板31の状態は静止状態であり、タイマ434の動作状態は待機状態である。
【0088】
●静止時処理
図6は、静止時処理(S2)のフローチャートである。
【0089】
信号生成部435は、タイマ434の動作状態が待機状態のとき、静止信号を生成して、同静止信号を記憶制御部436に出力する(S201)。
【0090】
記憶制御部436は、静止信号が入力されているとき、所定時間ごとに(すなわち、所定の間隔で)、取得重量値を最新の重量値として、記憶部42に記憶させる。このとき、記憶部42に記憶されている重量値(以下「記憶重量値」という。)は、取得重量値に更新される(S202)。
【0091】
記憶重量値が取得重量値に更新されるとき、増減判定部437は、最後の重量値(更新前の記憶重量値)と、最新の重量値(最新の取得重量値)と、を比較して(取得重量値と記憶重量値との差分を計測して)、その比較結果に基づいて、天板31に載置されている物品の増減を判定する(S203)。このとき、天板31の状態は静止状態であるので、原則として物品の増減は生じていない。
【0092】
このように、信号生成部435からの静止信号が記憶制御部436に入力されているとき(信号生成部435が静止信号を生成して、出力しているとき)、記憶制御部436は、所定の間隔で、記憶部42に最後に記憶された重量値(記憶重量値)を最新の重量値(取得重量値)に更新する。換言すれば、タイマ434の状態が待機状態のとき、記憶制御部436は、所定の間隔で、記憶重量値を更新する。重量値が更新されたとき、増減判定部437は、天板31に載置されている物品の増減を判定する。すなわち、増減判定部437は、状態信号(静止信号)と重量値(記憶重量値および取得重量値)とに基づいて、所定の間隔で、物品の増減を判定する。
【0093】
図5に戻る。
一方、加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」を超えている」と判定したとき(S102の「Y」)、本装置40は、振動時処理(S3)を実行する。このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ434の動作状態は初期値設定状態である。
【0094】
●振動時処理
図7は、振動時処理(S3)のフローチャートである。
【0095】
タイマ434には、カウントの初期値が設定される(S301)。
【0096】
信号生成部435は、タイマ434の動作状態が初期値設定状態のとき、振動信号を生成して、同振動信号を記憶制御部436に出力する(S302)。
【0097】
記憶制御部436は、振動信号が入力されているとき、取得重量値による記憶重量値の記憶部42への更新を停止する(S303)。増減判定部437は、記憶重量値が更新されるときにのみ物品の増減を判定するので、振動信号が記憶制御部436へ入力されているとき、増減判定部437は、物品の増減を判定しない。
【0098】
次いで、加速度判定部433は、第1閾値「V1」を超えた加速度値が、第1閾値「V1」未満になっている(下回っている)か否かを判定する(S304)。
【0099】
加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」未満になっていない」と判定したとき(S304の「N」)、振動時処理(S3)は、S304に戻る。このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ434の動作状態は初期値設定状態である。
【0100】
一方、加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」未満になっている」と判定したとき(S304の「Y」)、タイマ434は、カウントを実行する(S305)。このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ434の動作状態は初期値設定状態からカウント状態に切り替わる。
【0101】
信号生成部435は、タイマ434の動作状態がカウント状態のとき、振動信号を生成して、同振動信号を記憶制御部436に出力する(S306)。
【0102】
記憶制御部436は、振動信号が入力されているとき、取得重量値による記憶重量値の記憶部42への更新の停止を維持する(S307)。したがって、増減判定部437は、物品の増減を判定しない。
【0103】
次いで、加速度判定部433は、第1閾値「V1」未満になっている加速度値が、第1閾値「V1」を超えているか否かを判定する(S308)。
【0104】
加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」を超えている」と判定したとき(S308の「Y」)、振動時処理(S3)は、S301に戻る。このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ434の動作状態はカウント状態から初期値設定状態に切り替わる。
【0105】
一方、加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」を超えていない」と判定したとき(S308の「N」)、制御部43は、タイマ434による設定時間のカウントが終了(完了)しているか否かを判定する(S309)。
【0106】
制御部43が「タイマ434による設定時間のカウントが終了してない」と判定したとき(S309の「N」)、振動時処理(S3)は、S308に戻る。
【0107】
一方、制御部43が「タイマ434による設定時間のカウントが終了している」と判定したとき(S309の「Y」)、タイマ434の動作状態は、カウント状態から待機状態に切り替わる(S310)。このとき、タイマ434には、初期値は設定されていない。次いで、本装置40の動作は、処理S101に戻り、加速度値が第1閾値「V1」未満であれば、静止時処理(S2)が実行される。
【0108】
このように、本装置40は、加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」を超えていない」と判定したとき、静止時処理(S2)を実行して、加速度判定部433が「加速度値が第1閾値「V1」を超えている」と判定したとき、タイマ434のカウントが終了するまで振動時処理(S3)を実行する。静止時処理(S2)が実行されているとき、すなわち、天板31の状態が静止状態(タイマ434の動作状態が待機状態)のとき、信号生成部435は、静止信号を生成して、同静止信号を記憶制御部436に出力する(S201)。記憶制御部436は、静止信号が入力されているとき、記憶重量値を更新する(S202)。増減判定部437は、記憶制御部436が重量値を更新させるとき、記憶重量値と取得重量値とを比較して、物品の増減を判定する(S203)。記憶制御部436は、静止信号が入力されているとき、振動信号が入力されるまでの間、記憶重量値を更新させる。一方、振動時処理(S3)が実行されているとき、すなわち、天板31の状態が振動状態(タイマ434の動作状態が初期値設定状態またはカウント状態)のとき、信号生成部435は、振動信号を生成して、同振動信号を記憶制御部436に出力する。記憶制御部436は、振動信号が入力されているとき、記憶重量値の更新を停止させる(S303)。このとき、増減判定部437は、物品の増減を判定しない(停止する)。記憶制御部436は、振動信号が入力されているとき、静止信号が入力されるまでの間、記憶重量値の更新の停止を維持する(S307)
【0109】
その結果、増減判定部437は、重量値が増加したとき、商品(物品)が天板31に載置された(商品が投入された)と判定して、重量値が減少したとき、商品(物品)が天板31から取り出された(商品が除去された)と判定する。すなわち、本装置40は、振動時処理(S3)から静止時処理(S2)への移行後において、取得重量値が記憶重量値よりも大きい(取得重量値>記憶重量値)とき、商品が投入された(物品が増加した)と判定できる。一方、本装置40は、同移行後において、取得重量値が記憶重量値よりも小さい(取得重量値<記憶重量値)とき、商品がカート1(買い物かごC)から取り除かれた(物品が減少した(例えば、棚に戻された))と判定できる。さらに、本装置40は、同移行後における取得重量値と記憶重量値との間で重量値に変化がない(取得重量値=記憶重量値)とき、何らかの理由(例えば、カート1の移動、カート1(買い物かごC)内の商品の荷崩れ、商品の位置変えなど)により天板31が振動したと判定できる。
【0110】
このように、本装置40では、加速度値と第1閾値「V1」との大小を加速度判定部433が判定することにより、天板31の振動の有無が検知される。また、本装置40では、信号生成部435からの状態信号が静止信号のとき(静止状態を示しているとき)、増減判定部437は物品の増減を判定して、同状態信号が振動信号のとき(振動状態を示しているとき)、増減判定部437は物品の増減を判定しない。さらに、本装置40は、タイマ434の動作状態がカウント状態であって、設定時間のカウントが終了するまでの間に加速度値が第1閾値「V1」を超えたとき、タイマ434の動作状態はカウント状態から初期値設定状態に切り替わる。同様に、タイマ434の動作状態が初期値設定状態であって、加速度値が第1閾値「V1」未満になったとき、タイマ434の動作状態は初期値設定状態からカウント状態に切り替わる。このとき、本装置40では、信号生成部435からの状態信号は振動信号である。そのため、増減判定部437は、物品の増減を判定しない。そして、増減判定処理(S1)は、カウントが完了したとき、振動時処理(S3)から静止時処理(S2)に移行する。
【0111】
この構成によれば、本装置40では、天板31の振動が収束するまでの間(すなわち、設定時間のカウントが終了するまでの間)、増減判定部437は天板31の振動により乱高下する重量値に基づいて物品の増減を判定しない。すなわち、本装置40は、乱高下する重量値に基づく誤った処理(例えば、未スキャン品の誤通知など)を実行しない。
【0112】
また、加速度判定部433は、設定時間よりも短い所定時間ごとに、加速度値が第1閾値「V1」を超えたか否かを判定する。その結果、加速度判定部433は、1つの設定時間内に複数の判定結果を取得することができる。
【0113】
また、図4に示されるとおり、設定時間が適切に設定されることにより、本装置40は、天板31の振動の収束に合わせて物品の増減を判定できる。その結果、本装置40では、天板31の振動による計量誤差の無い計量が可能となる。
【0114】
さらに、本装置40は、カート1(買い物かごC)に投入された商品の重量の絶対値を計量するのではなく、相対的な変化(変化量)を計量している。そのため、本発明において、温度変化に対する第1ロードセル321~第4ロードセル324の校正は不要であり、温度変化に基づく第1ロードセル321~第4ロードセル324の誤差は無視することができる。したがって、本発明において、校正や温度補正機能を有さない安価なロードセルが、使用可能である。
【0115】
●ショッピングカート(1)の動きと情報処理装置の動作との関係
(1)カート1が静止しているとき
前述のとおり、第1閾値「V1」は、カート1の移動に起因する天板31の振動により生じる加速度値よりも小さい値に設定されている。そのため、カート1が静止しているとき、加速度判定部433が判定する加速度値は、カート1の移動以外の理由に起因する天板31の振動による加速度値である。
【0116】
「カート1の移動以外の理由」は、主に、カート1(買い物かごC)への商品の投入、カート1(買い物かごC)内の商品の荷崩れ・整理・取り出し、などのカート1に対する商品の移動に起因する理由である。
【0117】
本装置40は、加速度判定部433の判定結果に基づいて、静止時処理(S2)と振動時処理(S3)とを繰り返し実行する。すなわち、例えば、商品がカート1(買い物かごC)に投入されたとき、加速度値が第1閾値「V1」を超えて、天板31の状態は振動状態となり、本装置40は振動時処理(S3)を実行する。振動時処理(S3)では、記憶制御部436はタイマ434のカウントが終了するまでの間、すなわち、静止信号が入力されるまでの間、取得重量値による記憶重量値の記憶部42への更新を停止させる。次いで、タイマ434の設定時間のカウントが終了したとき、天板31の状態は静止状態となり、本装置40は静止時処理(S2)を実行する。静止時処理(S2)では、記憶制御部436は取得重量値により記憶重量値を更新させる。記憶重量値が更新されるとき、増減判定部437は、取得重量値と記憶重量値とを比較して、物品の増減を判定する。このように本装置40が動作することにより、本装置40は、商品の移動の振動に基づく計量誤差の影響を受けることなく、商品による重量の増減(商品の投入、取出し)を正確に、かつ、天板31の振動の収束後すぐに判定できる。
【0118】
(2)カート1が移動を開始・停止するとき
カート1が移動を開始したとき、本装置40は、振動時処理(S3)を実行して、カート1の移動に起因する天板31の振動を検知する。このとき、天板31の状態は、振動状態である。カート1の移動中、商品がカート1(買い物かごC)に投入されても、記憶制御部436は取得重量値による記憶重量値の記憶部42への更新を停止していて、増減判定部437は、物品の増減を判定しない。一方、カート1が移動を停止したとき、本装置40は、振動時処理(S3)の実行後に静止時処理(S2)を実行して、重量値を重量検知部32から取得する。このとき、天板31の状態は、静止状態である。静止時処理(S2)では、記憶制御部436は記憶重量値を取得重量値(最新の重量値)に更新させる。また、静止時処理(S2)では、増減判定部437は、取得重量値(最新の重量値)と、記憶重量値(更新が停止される前最後に記憶された重量値)と、を比較して、物品の増減を判定する。このように本装置40が動作することにより、本装置40は、カート1の移動に基づく振動による計量誤差の影響を受けることなく、商品による重量の増減(商品の投入、取り出し)を正確に判定できる。
【0119】
●ショッピングカート(1)の実施例●
●実施例(1)
図8は、カート1の実施例を示す模式図である。
同図は、カート1の操作表示部44に後述される通知が表示されている状態を示す。
【0120】
制御部43は、計量ユニット30からの出力(重力値)に基づいて、未スキャン品の通知および通知の解除を自動的に実行することができる(通知処理の例)。すなわち、例えば、制御部43は、計量ユニット30からの出力に基づいて、増減判定部437が読取装置50による商品の読み取り無しに重量の増加を検知したとき(物品の増加を判定したとき)、操作表示部44に未スキャン品の存在を通知する。このとき、制御部43は、未スキャン品の合計重量を追跡して、増減判定部437が計量ユニット30からの出力に基づいて未スキャン品の合計重量分の重量の減少を検知したとき、操作表示部44に表示された通知を消去する。増減判定部437による増減判定処理が行われることにより、本装置40は、正確に通知処理を実行することができる。
【0121】
●実施例(2)
制御部43は、撮像部45により撮像されたカゴ枠体13(買い物かごC)内の複数の撮像画像の差分に基づいて、カート1(買い物かごC)に投入された商品、またはカート1(買い物かごC)から取り出された商品を検知する。ここで、カート1(買い物かごC)内の商品が移動したとき、制御部43は、撮像画像の差分に基づいて、移動した商品を検知してしまう。このとき、同商品は読み取り後の商品であるにも関わらず、未スキャン品として取り扱われ得る。しかしながら、制御部43は、増減判定部437による増減判定処理に基づいて、通知処理を実行しない。増減判定部437による増減判定処理が行われることにより、誤った検知処理の実行が抑止される。
【0122】
●実施例(3)
図9は、カート1の別の実施例を示す模式図である。
同図は、カート1の操作表示部44に後述される通知が表示されている状態を示す。
【0123】
制御部43は、計量ユニット30からの出力(重量値)に基づいて、商品コードが読み取られた商品と、カート1(買い物かごC)に投入された商品と、が不一致のとき、操作表示部44に不一致商品(投入された商品)の存在を通知する(通知処理の別の例)。このとき、制御部43は、不一致商品の重量を追跡して、増減判定部437が計量ユニット30からの出力に基づいて不一致商品の重量分の重量の減少を検知したとき、操作表示部44に表示された通知を消去する。増減判定部437による増減判定処理が行われることにより、本装置40は、正確に通知処理を実行することができる。
【0124】
●ショッピングカート(1)のまとめ
以上説明した実施の形態によれば、本装置40は、加速度判定部433と、タイマ434と、信号生成部435と、増減判定部437と、を備える。加速度判定部433は、加速度値が所定の閾値(第1閾値「V1」)を超えたか否かを判定する。タイマ434は、加速度判定結果に基づいて、設定時間のカウントをする。信号生成部435は、加速度判定結果とタイマ434の動作状態(初期値設定状態,カウント状態,待機状態)とに基づいて、天板31の状態(振動状態,静止状態)を示す状態信号(振動信号,静止信号)を生成する。増減判定部437は、重量値(記憶重量値,取得重量値)と状態信号とに基づいて、所定の判定間隔で、物品の増減を判定する。また、増減判定部437は、状態信号が振動信号を示しているとき(すなわち、振動信号が入力されているとき)、物品の増減を判定せず、状態信号が静止信号を示しているとき(すなわち、静止信号が入力されているとき)、物品の増減を判定する。この構成によれば、本装置40は、天板31の振動が収束するまでの間(すなわち、設定時間のカウントが終了するまでの間)、天板31の振動により乱高下する重量値を用いた物品の増減を増減判定部437に判定させない。そのため、本装置40は、乱高下する重量値に基づく誤った処理(例えば、未スキャン品の誤通知など)を実行しない。その結果、本装置40は、振動が多い環境下において物品の増減を正確に判定可能(すなわち、使用可能)である。
【0125】
また、以上説明した実施の形態によれば、タイマ434の動作状態は、加速度判定部433により加速度値が第1閾値「V1」を超えていると判定されたとき、初期値設定状態となる。また、初期値設定状態において、加速度判定部433により加速度値が第1閾値「V1」未満になっていると判定されたとき(下回っていると判定されたとき)、タイマ434の動作状態は、カウント状態に切り替わる。さらに、カウント状態において、加速度判定部433により加速度値が第1閾値「V1」を超えていると判定されたとき、タイマ434の動作状態は、初期値設定状態に切り替わる。さらにまた、カウント状態において、カウントが完了(終了)したとき、タイマ434の動作状態は、待機状態に切り替わる。本装置40は、加速度値と閾値(第1閾値「V1」)とを利用して、タイマ434の動作状態により天板31の振動の状態を判断できる。本装置40は、タイマ434の動作状態により、正確かつ素早いタイミングで静止信号と振動信号とを出力できるので、天板31の振動の状態の判断の誤りが無くなる。
【0126】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、信号生成部435は、タイマ434の動作状態が初期値設定状態、または、カウント状態のとき、振動状態を示す状態信号(振動信号)を生成する。また、信号生成部435は、タイマ434の動作状態が待機状態のとき、静止状態を示す状態信号(静止信号)を生成する。前述のとおり、増減判定部437は、状態信号が振動信号を示しているとき(すなわち、振動信号が入力されているとき)、物品の増減を判定せず、状態信号が静止信号を示しているとき(すなわち、静止信号が入力されているとき)、物品の増減を判定する。本装置40は、タイマ434の動作状態により、静止状態か振動状態かを判断して、状態に合わせた状態信号を生成する。前述のとおり、本装置40は、天板31の振動が収束するまでの間(すなわち、設定時間のカウントが終了するまでの間)、天板31の振動により乱高下する重量値を用いた物品の増減を増減判定部437に判定させない。そのため、本装置40は、乱高下する重量値に基づく誤った処理(例えば、未スキャン品の誤通知など)を実行しない。その結果、本装置40は、振動が多い環境下において使用可能である。
【0127】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、本装置40は、記憶部42と記憶制御部436とを備える。記憶部42は、重量値(記憶重量値)を記憶する。記憶制御部436は、状態信号に基づいて、取得重量値を記憶部42に記憶させる。具体的には、記憶制御部436は、静止信号が入力されたとき、振動信号が入力されるまでの間、所定の更新間隔で、記憶重量値を取得重量値に(最新の重量値)に更新させる。一方、記憶制御部436は、振動信号が入力されたとき、静止信号が入力されるまでの間、重量値の記憶の更新を停止させる。増減判定部437は、記憶重量値が取得重量値に更新されるとき、更新が停止される前最後に記憶された記憶重量値と、最新の取得重量値と、を比較することにより、物品の増減を判定する。この構成によれば、記憶制御部436は、振動信号が入力されているときには、静止信号が入力されるまでの間は重量値の記憶の更新を停止させるので、天板31の振動が収束するまでの間(すなわち、設定時間のカウントが終了するまでの間)、天板31の振動により乱高下する重量値を用いた物品の増減を増減判定部437に判定させない。そのため、本装置40は、乱高下する重量値に基づく誤った処理(例えば、未スキャン品の誤通知など)を実行しない。その結果、本装置40は、振動が多い環境下において使用可能である。
【0128】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、設定時間は、天板31の振動の収束に必要な時間に基づいて決定されている。設定時間のカウントが終了するまでの時間は、天板31の振動の収束が終了するまでの時間に合わせて設定されているので、天板31の振動の収束後から正確な測定が可能になる。その結果、本装置40では、天板31の振動による計量誤差の無い計量が可能となる。
【0129】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、加速度判定部433は、設定時間よりも短い所定時間ごとに加速度値が第1閾値「V1」を超えたか否かを判定する。この構成によれば、加速度判定部433は、1つの設定時間内に、加速度値が第1閾値「V1」を超えたか否かの判定を複数回できる。その結果、本装置40は、天板31の振動の収束に合わせて都度、物品の増減を判定できる。その結果、本装置40では、天板31の振動による計量誤差の無い計量が可能となる。
【0130】
●セルフレジ●
次に、本装置を備えるセルフレジの実施の形態(以下「第2実施形態」という。)が、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)とは異なる部分を中心に説明される。第2実施形態では、本装置を備える物が、カートではなくセルフレジである点が、第1実施形態と異なる。以下の説明において、第1実施形態と共通する機能を備える要素については、同一の符号が付され、その説明は省略される。
【0131】
●セルフレジの構成
図10は、本発明に係る情報処理装置(セルフレジ)の実施の形態を示す模式図である。
同図は、セルフレジ1Aを正面から見た状態を模式的に示す。同図は、セルフレジ1Aに取り付けられる買い物袋SBを破線で示す。
【0132】
セルフレジ1Aは、店舗内で買い物をする客が商品コードを読み取り、代金を支払うために使用する装置である。セルフレジ1Aは、店舗内に設置され、店舗内で客に利用される。
【0133】
以下の説明において、前方は、セルフレジ1Aに対して、セルフレジ1Aを利用する客が立つ方向であり、後方は、その逆方向である。下方は重力方向であり、上方は下方の反対方向である。
【0134】
セルフレジ1Aは、ユニット筐体10Aと、計量ユニット30Aと、本装置40と、読取装置50と、レジ装置70と、袋掛け部80と、を備える。
【0135】
ユニット筐体10Aは、計量ユニット30Aを支持すると共に、計量ユニット30Aを収容する。ユニット筐体10Aは、上方に開口を有する略直方体状のケースである。開口には、天板31の上面が上方に露出するように、天板31が配置されている。
【0136】
計量ユニット30Aは、袋掛け部80に取り付けられた買い物袋SB内に投入された商品の重量を計量して、商品の重量に関する情報(重量値)を処理する。
【0137】
ここで、本実施の形態において、「第1閾値「V1」」は、例えば、客が買い物袋SB内に軽い(例えば、10g)商品を投入したときに生じる振動に基づく加速度値よりも小さい値に予め設定され、後述される記憶部42に記憶されている。すなわち、買い物袋SB内に商品が投入されたとき、加速度センサの加速度値は、第1閾値「V1」を超える。
【0138】
本装置40は、例えば、精算処理、通知処理、店員呼出処理などの情報処理を実行する情報処理端末である。本装置40は、例えば、タブレットPC端末である。
【0139】
本実施形態における情報処理装置40の構成は、第1実施形態における情報処理装置40(図2参照)の構成と共通する。すなわち、本実施形態における情報処理装置40は、図2に示されるように、接続部41と、記憶部42と、制御部43と、操作表示部44と、撮像部45と、通信部46と、を備える。
【0140】
レジ装置70は、会計処理(例えば、現金の譲受や、キャッシュカード情報の取得、キャッシュレス決済などの処理)や、レシートの発行処理を実行する。レジ装置70は、例えば、公知のレジ装置である。
【0141】
袋掛け部80は、商品コードが読み取られた商品が投入される買い物袋SBを支持する。袋掛け部80は、買い物袋SBの底部が天板31に載置されるように、ユニット筐体10Aの上方に配置されている。
【0142】
●情報処理装置の動作
第2実施形態における本装置40の動作は、第1実施形態における本装置40の動作と共通する。すなわち、本装置40は、買い物袋SBに商品が投入されたとき、天板31の振動を検知する。このとき、天板31の状態は、振動状態である。天板31の状態が振動状態のとき、商品が買い物袋SBに投入されても、記憶制御部436は記憶重量値を取得重量値で更新させず、増減判定部437は、物品の増減を判定しない。一方、天板31の振動が収束したとき(天板31の状態が静止状態のとき)、本装置40は振動の収束時から設定時間経過後に静止時処理を実行して、記憶制御部436は記憶重量値を取得重量値(最新の重量値)で更新させる。このとき増減判定部437は、取得重量値(最新の重量値)と、記憶重量値(更新が停止される前最後に記憶されていた重量値)と、を比較して、物品の増減を判定する。このように本装置40が動作することにより、本装置40は、買い物袋SBへの商品の投入に基づく天板の振動による計量誤差の影響を受けることなく、物品(商品)の増減(買い物袋SBへの商品の投入、買い物袋SBからの取り出し)を正確に判定できる。
【0143】
この構成によれば、本装置40では、天板31の振動が収束するまでの間(すなわち、設定時間のカウントが終了するまでの間)、増減判定部437は天板31の振動により乱高下する重量値に基づいて物品の増減を判定しない。すなわち、本装置40は、乱高下する重量値に基づく誤った処理(例えば、未スキャン品の誤通知など)を実行しない。
【0144】
●セルフレジの実施例●
●実施例(1)
本装置40は、第1実施形態の実施例(1)~(3)と同様に、計量ユニット30Aからの出力(重力値)に基づいて、未スキャン品の通知および通知の解除、誤った検知処理の実行の抑止、不一致商品の通知および通知の解除、を自動的に実行することができる(通知処理の例)。
【0145】
●セルフレジのまとめ
以上説明した実施の形態によれば、第1実施形態と同様に、天板の振動の収束に必要な時間(設定時間)が経過するまでの間(静止信号が入力されるまでの間)、記憶制御部436は、取得重量値による記憶重量値の記憶部42への更新を停止させる。増減判定部437は、物品の増減の判定をしない。そして、天板の振動の収束に合わせて、記憶制御部436は、記憶重量値を取得重量値(最新の重量値)に更新させる。増減判定部437は、取得重量値(最新の重量値)と、記憶重量値(更新が停止される前最後に記憶された重量値)と、を比較して、物品の増減を判定する。その結果、本装置40は、商品による重量の増減(商品の投入、取り出し)を正確に判定可能である。
【0146】
●ショッピングカート(2)●
次に、本発明に係る計量ユニット(以下「本ユニット」という。)を備えるショッピングカート(以下「カート」という。)を一例に、本ユニットを備えるカートの実施の形態(以下「第3実施形態」という。)が、第1実施形態とは異なる部分を中心に説明される。第3実施形態では、計量ユニットの構成と、第1実施形態における情報処理装置および読取装置をカートが備えない構成とが、第1実施形態と異なる。以下の説明において、第1実施形態と共通する機能を備える要素については、同一の符号が付され、その説明は省略される。また、以下の説明において、図1は適宜参照される。
【0147】
図11は、カート1Bの機能ブロック図である。
【0148】
カート1Bは、枠体10と、4つの車輪21,22と、本ユニット30Bと、蓄電部60と、外部装置90と、を備える。
【0149】
本ユニット30Bは、カゴ枠体13またはカゴ枠体13に収容された買い物かごC内に投入された商品の重量を計量して、外部装置90に重量値を出力する。本ユニット30Bは、天板31と、重量検知部32と、加速度センサ33と、回路基板34と、接続部35Bと、制御部36と、記憶部37と、を備える。天板31と重量検知部32とは、本発明における天板ユニットの一例である。加速度センサ33は、本発明における加速度検知部の一例である。本ユニット30Bの具体的な構成は、後述される。
【0150】
蓄電部60は、本ユニット30Bや外部装置90に供給するための電力を蓄える。
【0151】
外部装置90は、本ユニット30Bから入力された物品の増減を判定する。外部装置90は、例えば、タブレットPC端末である。
【0152】
なお、本発明において、外部装置は、各種の情報処理を実行可能な情報処理端末であればよく、タブレットPC端末に限定されない。すなわち、例えば、外部装置は、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話、スマートホンでもよい。
【0153】
●計量ユニットの構成
次に、本ユニット30Bの構成が説明される。
【0154】
天板ユニットは、天板31に載置(投入)された商品の重量値を計測する。
【0155】
回路基板34Bは、セル回路部325と、接続部35Bと、制御部36と、記憶部37と、実装する。回路基板34Bは、例えば、プリント基板である。回路基板34Bは、例えば、筐体(不図示)に収容されて、枠体10に取り付けられている。
【0156】
接続部35Bは、重量検知部32と加速度センサ33と外部装置90それぞれに接続されるインターフェイス(I/F)である。接続部35Bは、回路基板34Bに実装されている。
【0157】
制御部36は、本ユニット30Bの全体の動作を制御する。制御部36は、例えば、CPUと、CPUの作業領域として機能するRAMと、各種プログラムなどの情報を記憶するROMと、により構成されている。制御部36は、加速度値取得部361と、重量値取得部362と、加速度判定部363と、タイマ364と、信号生成部365と、記憶制御部366と、重量値出力部367と、を備える。
【0158】
加速度値取得部361と加速度判定部363とタイマ364と信号生成部365それぞれの構成は、第1実施形態における加速度値取得部431と加速度判定部433とタイマ434と信号生成部435それぞれの構成(いずれも図2参照)と共通する。
【0159】
重量値取得部362は、重量検知部32からの重量値を取得する。重量値取得部362に取得された重量値は、記憶部37に記憶されると共に、重量値出力部367に入力される。重量値取得部362の具体的な動作は、後述される。
【0160】
記憶制御部366は、状態信号に基づいて、重量値取得部362により取得された重量値(取得重量値)を記憶部37に記憶させる。記憶制御部366の具体的な動作は、後述される。
【0161】
重量値出力部367は、状態信号に基づいて、重量値取得部362により取得された重量値(取得重量値)を外部に出力する。重量値出力部367の具体的な動作は、後述される。
【0162】
記憶部37は、例えば、記憶重量値(取得重量値)など、制御部36が各種の情報処理を実行するために必要な情報を記憶する。記憶部37は、例えば、SSDやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。
【0163】
●加速度値と、重量検知部の出力値(重量値)と、重量値出力部の出力値(重量値)と、タイマの動作と、の関係
図12は、加速度値、重量検知部32の出力値(重量値),重量値出力部367の出力値(重量値)、タイマ364の動作、の関係を示す模式図である。
以下の説明において、図11は、適宜参照される。
【0164】
同図の重量値出力部367の出力値において、太線は重量値出力部367が記憶重量値を出力しているときを示していて、細線は重量値出力部367が取得重量値を出力していることを示している。
【0165】
また、同図は、第1実施形態における図4に対応する図面である。同図は、図4に示されるタイマ434の動作状態と信号生成部435の動作との関係に代えて、重量値出力部367の出力値の状態を示している。ただし、図12において図示は省略されているが、タイマ364の動作状態および信号生成部365の動作は、図4と共通する。すなわち、例えば、図12では、加速度センサ33が加速度(天板31の振動)の計測を開始した時(T0)から加速度値が第1閾値「V1」を超える時(T1)まで、タイマ364の動作状態は、待機状態である。このとき、信号生成部365は、静止信号を生成して、出力している。同様に、タイマ364による設定時間のカウントが終了した時(T7)以降、タイマ364の動作状態は、待機状態である。このとき、信号生成部365は、静止信号を生成して、出力する。一方、加速度値が第1閾値「V1」を超えた時(T1)から、タイマ364による設定時間のカウントが終了する時(T7)までの間、タイマ364の動作状態は、初期値設定状態とカウント状態とに繰り返し切り替えられている。このとき、信号生成部365は、振動信号を生成して、出力している。
【0166】
前述のとおり、加速度センサ33が加速度(天板31の振動)の計測を開始した時(T0)から、加速度値取得部361が取得した加速度値が第1閾値「V1」を超える時(T1)まで、信号生成部365が出力する状態信号は静止信号である。このとき、記憶制御部366は、記憶重量値を取得重量値に更新させる。重量値出力部367は、静止信号が入力されたとき、最新の取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)と、記憶部37に最後に記憶された記憶重量値(更新が停止される前最後に記憶された重量値)と、を取得して、取得重量値を選択して、接続部35Bを介して外部(外部装置90)に出力している。
【0167】
前述のとおり、加速度値が第1閾値「V1」を超えた時(T1)から、タイマ364による設定時間のカウントが終了する時(T7)まで、信号生成部365が出力する状態信号は振動信号である。このとき、記憶制御部366は、取得重量値による記憶重量値の更新を停止する。重量値出力部367は、最新の取得重量値と、記憶部37に最後に記憶されている記憶重量値と、を取得して、記憶重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力している。
【0168】
前述のとおり、タイマ364による設定時間のカウントが終了した時(T7)以降、信号生成部365が出力する状態信号は静止信号である。このとき、記憶制御部366は、静止信号が入力されたとき、取得重量値による記憶重量値の更新を再開させる。重量値出力部367は、静止信号が入力されたとき、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、取得重量値を選択して、接続部35Bを介して外部(外部装置90)に出力している。
【0169】
このように、状態信号が静止信号のとき(T0~T1,T7~)、記憶制御部366は取得重量値による記憶重量値の更新を開始・再開して、重量値出力部367は、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、取得重量値を選択して、接続部35Bを介して外部(外部装置90)に出力している。また、状態信号が静止信号から振動信号に切り替わった時(T1)、記憶制御部366は取得重量値の更新を停止して、重量値出力部367は、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、記憶重量値を選択して、接続部35Bを介して外部(外部装置90)に出力している。さらに、状態信号が振動信号の間(T1~T7)、記憶制御部366は取得重量値による記憶重量値の更新の停止を維持して、重量値出力部367は、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、記憶重量値を選択して、接続部35Bを介して外部(外部装置90)に出力し続けている。
【0170】
●計量ユニットの動作
次に、本ユニット30Bの動作、すなわち、本発明に係る出力方法(以下「本出力方法」という。)が説明される。本実施の形態において、本ユニット30Bは、以下に説明される出力選択処理(S4)を実行する。出力選択処理(S4)は、本出力方法の一例である。以下の説明において、図11は適宜参照される。
【0171】
図13は、本ユニット30Bが実行する出力選択処理(S4)のフローチャートである。
【0172】
先ず、本ユニット30Bに通電されると、重量検知部32は天板31の重量の計量を開始して、加速度センサ33はZ軸方向の加速度(天板31の振動)の計測を開始する。加速度値取得部361は、所定時間ごとに、接続部35Bを介して加速度センサ33からの加速度値を取得して、重量値取得部362は、所定時間ごとに、接続部35Bを介して重量検知部32からの重量値を取得する(S401)。加速度値取得部361が取得した加速度値は、一時的に、記憶部37に記憶される。また、重量値取得部362に取得された重量値は、重量値出力部367に入力されると共に、一時的に、記憶部37に記憶(更新)される。ここで、所定時間(本実施の形態では、10msec。以下同じ)は、設定時間よりも短い時間に設定されている。
【0173】
次いで、加速度判定部363は、所定時間ごとに加速度値が第1閾値「V1」を超えているか否かを判定する(S402)。
【0174】
加速度判定部363が「加速度値が第1閾値「V1」を超えていない」と判定したとき(S402の「N」)、本ユニット30Bは、静止時処理(S5)を実行する。このとき、天板31の状態は静止状態であり、タイマ364の動作状態は待機状態である。
【0175】
●静止時処理
図14は、静止時処理(S5)のフローチャートである。
【0176】
信号生成部365は、タイマ364の動作状態が待機状態のとき、静止信号を生成して、同静止信号を記憶制御部366と重量値出力部367とに出力する(S501)。
【0177】
記憶制御部366は、静止信号が入力されているとき、所定時間ごとに(すなわち、所定の間隔で)、記憶重量値を取得重量値に更新させる(S502)。
【0178】
重量値出力部367は、静止信号が入力されているとき、振動信号が入力されるまでの間、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、取得重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力している(S503)。すなわち、重量値出力部367は、リアルタイムで取得された重量値を外部(外部装置90)に出力する。
【0179】
このように、重量値出力部367は、静止信号が入力されたとき、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、取得重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力する。すなわち、重量値出力部367は、状態信号(静止信号)に基づいて、天板ユニットに計測された重量値(取得重量値)を外部に出力する。
【0180】
図13に戻る。
一方、加速度判定部363が「加速度値が第1閾値「V1」を超えている」と判定したとき(S402の「Y」)、本ユニット30Bは、振動時処理(S6)を実行する。このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ364の動作状態は初期値設定状態である。
【0181】
●振動時処理
図15は、振動時処理(S6)のフローチャートである。
【0182】
タイマ364には、カウントの初期値が設定される(S601)。
【0183】
信号生成部365は、タイマ364の動作状態が初期値設定状態のとき、振動信号を生成して、同振動信号を記憶制御部366と重量値出力部367とに出力する(S602)。
【0184】
記憶制御部366は、振動信号が入力されているとき、取得重量値による記憶重量値の記憶部37への更新を停止する(S603)。このとき、重量値出力部367は、重量値取得部362からの取得重量値(最新の取得重量値)と、記憶部37に記憶されている記憶重量値(最後に記憶された記憶重量値)と、を取得して、記憶重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力している。
【0185】
次いで、加速度判定部363は、第1閾値「V1」を超えた加速度値が、第1閾値「V1」未満になっている(下回っている)か否かを判定する(S604)。
【0186】
加速度判定部363が「加速度値が第1閾値「V1」未満になっていない」と判定したとき(S604の「N」)、振動時処理(S6)は、S604に戻る。すなわち、このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ364の動作状態は初期値設定状態である。
【0187】
一方、加速度判定部363が「加速度値が第1閾値「V1」未満になっている」と判定したとき(S604の「Y」)、重量値出力部367は、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、記憶重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力している(S605)。
【0188】
また、タイマ364は、カウントを実行する(S606)。このとき、タイマ434の動作状態は、初期値設定状態からカウント状態に切り替わる。
【0189】
信号生成部365は、タイマ364の動作状態がカウント状態のとき、振動信号を生成して、振動信号を記憶制御部366と重量値出力部367とに出力する(S607)。
【0190】
記憶制御部366は、振動信号が入力されているとき、取得重量値による記憶重量値の記憶部37への更新の停止を維持する(S608)。このとき、重量値出力部367は、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、記憶重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力している。
【0191】
次いで、加速度判定部433は、第1閾値「V1」未満になっている加速度値が、第1閾値「V1」を超えているか否かを判定する(S609)。
【0192】
加速度判定部363が「加速度値が第1閾値「V1」を超えている」と判定したとき(S609の「Y」)、振動時処理(S6)は、S601に戻る。このとき、天板31の状態は振動状態であり、タイマ364の動作状態はカウント状態から初期値設定状態に切り替わる。
【0193】
一方、加速度判定部363が「加速度値が第1閾値「V1」を超えていない」と判定したとき(S609の「Y」)、制御部36は、タイマ364による設定時間のカウントが終了しているか否かを判定する(S610)。
【0194】
制御部36が「タイマ364による設定時間のカウントが終了してない」と判定したとき(S610の「N」)、振動時処理(S6)は、S609に戻る。
【0195】
一方、制御部36が「タイマ364による設定時間のカウントが終了している」と判定したとき(S610の「Y」)、タイマ364の動作状態は、カウント状態から待機状態に切り替わる(S611)。このとき、天板31の状態は静止状態である。
【0196】
記憶制御部366は、タイマ364の動作状態が待機状態のとき、静止信号が入力される。すなわち、記憶制御部366は、所定時間ごとに、取得重量値により記憶重量値を更新させる。また、重量値出力部367は、タイマ364の動作状態が待機状態のとき、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、取得重量値を選択して、外部(外部装置90)に出力している(S612)。すなわち、すなわち、記憶制御部366は記憶重量値の更新を再開させて、重量値出力部367はリアルタイムで取得された重量値を外部(外部装置90)に出力している。重量値出力部367は、次に振動信号が入力されるまでの間、取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)を選択して、出力を維持している。
【0197】
このように、記憶制御部366は、振動信号が入力されているとき、次に静止信号が入力されるまでの間、取得重量値による記憶重量値の記憶部37への更新を停止している。重量値出力部367は、振動信号が入力されているとき、次に静止信号が入力されるまでの間、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、記憶重量値を選択して、出力している。一方、重量値出力部367は、静止信号が入力されているとき、次に振動信号が入力されるまでの間、最新の取得重量値と、最後に記憶された記憶重量値と、を取得して、取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)を選択して、出力している。その結果、天板31が振動しているとき、外部装置90には、変動しない重量値(記憶重量値)が入力されて、天板31が静止しているとき、外部装置90には、オーバーシュートなどの急激な変動のないリアルタイムで取得された重量値(取得重量値)が入力される。その結果、外部装置90には、振動が多い環境下においても物品の増減を正確に判定可能である。
【0198】
●ショッピングカート(2)のまとめ
【0199】
以上説明した実施の形態によれば、本ユニット30Bは、天板ユニットと、記憶部37と、加速度センサ33と、加速度判定部363と、タイマ364と、信号生成部365と、重量値出力部367と、を備える。天板ユニットは、天板31に載置された商品(物品)の重量値を計測する。記憶部37は、天板ユニットに計測された重量値(取得重量値)を記憶する。加速度センサ33は、Z軸方向の加速度値を計測して出力する。加速度判定部363は、計測された加速度値が所定の閾値(第1閾値「V1」)を超えたか否かを判定する。タイマ364は、加速度判定結果に基づいて、所定の設定時間をカウントする。信号生成部365は、加速度判定結果とタイマ364の動作状態(初期値設定状態,カウント状態,待機状態)とに基づいて、天板31の状態(振動状態,静止状態)を示す状態信号(振動信号,静止信号)を生成する。重量値出力部367は、状態信号に基づいて、計測された重量値を外部(外部装置90)に出力する。また、重量値出力部367は、振動信号が入力されているとき、静止信号が入力されるまでの間、振動信号が入力される前に記憶部37に記憶されていた記憶重量値を出力する。さらに、重量値出力部367は、静止信号が入力されているとき、振動信号が入力されるまでの間、最新の取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)を出力する。すなわち、天板31の振動の収束に必要な時間(設定時間)が経過するまでの間、重量値出力部367は、最新の取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)と、記憶部37に最後に記憶された記憶重量値(更新が停止される前最後に記憶された重量値)と、を取得して、記憶重量値を選択して出力する。そして、重量値出力部367からの重量値の出力は、天板31の振動の収束に合わせて、最新の取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)に戻される。この構成によれば、本ユニット30Bは、天板31の振動中には固定された重量値(記憶重量値)を出力して、天板31の静止中には大きな変動のないリアルタイムで取得された重量値(取得重量値)を出力する。このように、本ユニット30Bは、振動が多い環境下において物品の増減の判定(重量値の増減の判定)に使用可能である。
【0200】
また、以上説明した実施の形態によれば、タイマ364の動作状態は、加速度判定部363により加速度値が第1閾値「V1」を超えたと判定されたとき、初期値設定状態となる。また、初期値設定状態において、加速度判定部363により加速度値が第1閾値「V1」未満になっていると判定されたとき(下回っていると判定されたとき)、タイマ364の動作状態は、カウント状態に切り替わる。さらに、カウント状態において、加速度判定部363により加速度値が第1閾値「V1」を超えていると判定されたとき、タイマ364の動作状態は、初期値設定状態に切り替わる。さらにまた、カウント状態において、カウントが完了(終了)したとき、タイマ364の動作状態は、待機状態に切り替わる。本ユニット30Bは、加速度値と閾値(第1閾値「V1」)とを利用して、タイマ364の動作状態により天板31の振動の状態を判断できる。本ユニット30Bは、タイマ364の動作状態により、正確かつ素早いタイミングで静止信号と振動信号とを出力できるので、天板31の振動の状態の判断の誤りが無くなる。この構成によれば、設定時間は、加速度判定部363の判定結果に基づいて天板31の振動の収束に連動し、タイマ364により正確にカウントされる。
【0201】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、信号生成部365は、タイマ364の動作状態が初期値設定状態、または、カウント状態のとき、振動状態を示す状態信号(振動信号)を生成する。また、信号生成部365は、タイマ364の動作状態が待機状態のとき、静止状態を示す状態信号(静止信号)を生成する。この構成によれば、天板31の振動の収束に必要な時間(設定時間)が経過するまでの間、重量値出力部367は、記憶部37に直近に記憶されている記憶重量値を選択して出力する。そして、重量値出力部367からの重量値の出力は、天板31の振動の収束に合わせて、最新の取得重量値(リアルタイムで取得された重量値)に戻される。その結果、本ユニット30Bは、振動が多い環境下において使用可能である。また、この構成によれば、設定時間は、加速度判定部363の判定結果に基づいて天板31の振動の収束に連動し、タイマ364により正確にカウントされる。
【0202】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、本ユニット30Bは、記憶制御部366を備える。記憶制御部366は、状態信号に基づいて、天板ユニットにより計測された重量値を記憶部37に記憶させる。また、記憶制御部366は、静止信号が入力されたとき、振動信号が入力されるまでの間、所定の更新間隔で、記憶重量値を最新の重量値に更新させる。また、記憶制御部366は、振動信号が入力されたとき、静止信号が入力されるまでの間、重量値の記憶の更新を停止する。重量値出力部367は、振動信号が入力されたとき、静止信号が入力されるまでの間、更新前に記憶部に記憶されていた重量値(記憶部37に直近に記憶されている記憶重量値)を出力する。この構成によれば、記憶制御部366は、状態信号に基づいて、取得重量値を定期的に記憶部37に記憶させるか否かを制御することができる。また、重量値出力部367は、天板31の振動の収束に必要な時間(設定時間)が経過するまでの間、記憶部37に直近に記憶されている記憶重量値を選択して出力する。その結果、本ユニット30Bは、振動が多い環境下において使用可能である。
【0203】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、加速度センサ33は、天板31に取り付けられている。この構成によれば、加速度センサ33は、天板31に商品が載置された瞬間(天板31が振動した瞬間)に、天板31の振動に応じた加速度を検知することができる。
【0204】
●その他の実施形態
なお、本発明に係る情報処理装置は本出力方法を実行すればよく、また、本発明に係る計量ユニットは本発明に係る出力方法を実行すればよく、同情報処理装置や同計量ユニットを備えるものはカートおよびセルフレジに限定されない。
【0205】
また、本発明において、カートの枠体は、2つの支持枠体とカゴ枠体とを備えてもよく、あるいは、主枠体の下部に買い物かごCや比較的大きな商品(例えば、ケース売りの飲料などの物品)が載置される枠体を備えていてもよい。この場合、カートは、本装置を2つ備えていてもよい。
【0206】
さらに、本発明において、記憶部は、重い(例えば、500g以上)商品が投入されたときの天板の振動により生じる加速度値に対応する第2閾値「V2」を記憶していてもよい。第2閾値「V2」は、第1閾値「V1」よりも大きく、かつ、カートが移動したときの加速度値よりも大きい値に設定される。この場合、例えば、本装置は、第2閾値「V2」を超える加速度値が検知されたとき、カートが移動中であっても第2閾値「V2」を用いて増減判定処理を実行してもよい。
【0207】
さらにまた、本発明において、計量ユニットが備えるロードセルの数は、「4」に限定されない。すなわち、例えば、計量ユニットが備えるロードセルの数は、「1」「2」「3」でもよく、あるいは、「5」以上でもよい。
【0208】
さらにまた、本発明において、制御部は、セル回路部の機能も備えていてもよい。
【0209】
さらにまた、本発明において、加速度判定部が最新の加速度値を読み出す時間間隔は、設定時間よりも短ければよく、各実施の形態に限定されない。
【0210】
さらにまた、本発明において、撮像部は、動画ではなく静止画を撮像するカメラでもよい。
【0211】
さらにまた、本発明において、設定時間は、取り扱う物品(商品)の重量の傾向により設定されればよく、1秒に限定されない。
【0212】
さらにまた、本発明において、本方法のフローや本出力方法のフローは、タイマの動作状態に応じて設定時間のカウントが適切に実行されればよく、各実施の形態に限定されない。
【0213】
さらにまた、本発明において、本方法や本出力方法は、各実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、制御部は、取得重量値の記憶部への更新・記憶の停止後、短時間(例えば、100msec)の設定時間経過ごとに加速度値を判定し、予め設定された回数(例えば、10回)連続して加速度値が第1閾値「V1」以下となったとき取得重量値の記憶部への更新・記憶を再開してもよい。
【0214】
さらにまた、本発明において、加速度センサが取り付けられる位置は、天板の下面に限定されない。すなわち、例えば、加速度センサは、天板の上面や側面に取り付けられてもよい。また、加速度センサは、天板の内部に埋め込まれていてもよい。さらに、加速度センサは、回路基板に実装されていてもよい。この場合、加速度センサは、天板の振動から間接的に加速度を検知する。
【符号の説明】
【0215】
1,1B ショッピングカート
1A セルフレジ
30 計量ユニット
31 天板(天板ユニット)
32 記憶部(天板ユニット)
33 加速度検知部(加速度検知部)
363 加速度判定部
364 タイマ
365 信号生成部
367 重量値出力部
40 情報処理装置
431 加速度値取得部
432 重量値取得部
433 加速度判定部
434 タイマ
435 信号生成部
437 増減判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15