IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イビデン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-プリント配線板 図1
  • 特開-プリント配線板 図2
  • 特開-プリント配線板 図3
  • 特開-プリント配線板 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085647
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20240620BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H05K3/34 502E
H05K3/34 501E
H05K3/34 505A
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200273
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 孔太郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 喬歩
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC13
5E319BB04
5E319CC33
5E319CD04
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】耐久性向上に適するプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、実装エリアを有する最外の樹脂絶縁層と、前記最外の樹脂絶縁層上であって、前記実装エリア内に形成されている複数のパッドと、前記最外の樹脂絶縁層と前記複数のパッド上に形成されていて、前記パッドのそれぞれに至る開口を有するソルダーレジスト層と、前記開口のそれぞれにより露出される前記パッド上に形成されている半田バンプ、とを有する。前記実装エリア内の複数のパッドを介して一つの電子部品が前記プリント配線板に搭載され、前記実装エリア上の前記ソルダーレジスト層の厚みは前記実装エリアの外周から前記実装エリアのほぼ中心に向かって徐々に薄い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装エリアを有する最外の樹脂絶縁層と、
前記最外の樹脂絶縁層上であって、前記実装エリア内に形成されている複数のパッドと、
前記最外の樹脂絶縁層と前記複数のパッド上に形成されていて、前記パッドのそれぞれに至る開口を有するソルダーレジスト層と、
前記開口のそれぞれにより露出される前記パッド上に形成されている半田バンプ、とを有するプリント配線板であって、
前記実装エリア内の複数のパッドを介して一つの電子部品が前記プリント配線板に搭載され、前記実装エリア上の前記ソルダーレジスト層の厚みは前記実装エリアの外周から前記実装エリアのほぼ中心に向かって徐々に薄い。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記実装エリアは中心エリアと前記中心エリアを囲む外周エリアで形成され、前記複数のパッドは電源用のパッドとアース用のパッドと信号用のパッドを含み、前記電源用のパッドと前記アース用のパッドは前記中心エリアに配置され、前記信号用パッドは前記外周エリアに配置される。
【請求項3】
請求項2のプリント配線板であって、前記実装エリアの形状は矩形であって、前記中心は前記矩形の対角線の交点に位置する。
【請求項4】
請求項3のプリント配線板であって、前記開口のそれぞれは側面積を有し、前記側面積は前記実装エリアの外周に近い前記開口から前記実装エリアの中心に位置する前記開口に向かってちいさい。
【請求項5】
請求項4のプリント配線板であって、前記側面積と前記半田バンプと対向する面積は関連している。
【請求項6】
請求項1のプリント配線板であって、前記実装エリアは前記半田バンプを介して前記プリント配線板に実装される前記ひとつの電子部品の直下に位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリント配線板を開示している。特許文献1の図12及び図13に示されるように、特許文献1は、複数のパッドを有するプリント配線板を開示している。複数のパッドのうち、電源用のパッドとアース用のパッドはプリント配線板の中心領域に位置し、信号用のパッドは電源用のパッド及びアース用のパッドを囲んでいる。電源用のパッド及びアース用のパッド上のバンプには、大きな電流を流すことが求められていると特許文献1は述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/86551号
【発明の概要】
【0004】
<特許文献1の課題>
特許文献1の技術では、電源用のパッド及びアース用のパッド上のバンプに大きな電流が流れるため、バンプが発熱すると考えられる。ソルダーレジスト層はバンプに接している。あるいは、ソルダーレジスト層はバンプに近接している。そのため、バンプが発熱すると、ソルダーレジスト層はその熱の影響を受けると考えられる。ソルダーレジスト層が、長期間、あるいは、繰り返し、熱の影響を受けると、ソルダーレジスト層の絶縁抵抗が小さくなると考えられる。特許文献1の技術で形成されるプリント配線板ではソルダーレジスト層の劣化を抑制することが難しいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、実装エリアを有する最外の樹脂絶縁層と、前記最外の樹脂絶縁層上であって、前記実装エリア内に形成されている複数のパッドと、前記最外の樹脂絶縁層と前記複数のパッド上に形成されていて、前記パッドのそれぞれに至る開口を有するソルダーレジスト層と、前記開口のそれぞれにより露出される前記パッド上に形成されている半田バンプ、とを有する。前記実装エリア内の複数のパッドを介して一つの電子部品が前記プリント配線板に搭載され、前記実装エリア上の前記ソルダーレジスト層の厚みは前記実装エリアの外周から前記実装エリアのほぼ中心に向かって徐々に薄い。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、最外の樹脂絶縁層が実装エリアを有する。実装エリアの複数のパッドにより一つの電子部品が搭載されている。実装エリア上のソルダーレジスト層の厚みは、実装エリアの外周からほぼ中心に向かって徐々に薄い。そのため、実装エリアの中心側の開口から露出するパッド上の半田バンプとソルダーレジスト層の接触面積または対向面積が小さい。実装エリアの中心側に位置する半田バンプに大きな電流が流れて発熱しても、ソルダーレジスト層への熱の影響が小さい。実施形態のプリント配線板では、ソルダーレジスト層の絶縁抵抗の低下を抑制することができる。高い品質を有するプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図2】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図4】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図、実施形態のプリント配線板を模式的に示す平面図、参考例によるプリント配線板を模式的に表す断面図、実施形態のプリント配線板のソルダーレジスト層の凹部形状に対応する等高線を模式的に表す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態のプリント配線板>
図3は途中基板2の断面を示す。図1は、実施形態の半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、実施形態のプリント配線板10とプリント配線板10に実装されている電子部品90で形成されている。
【0009】
図1に示されるように、プリント配線板10は、コア基板30とコア基板30の表裏に形成されているビルドアップ層80A、80Bを有する。ビルドアップ層80A、80Bは、樹脂絶縁層150U、150Lと導体層158U、158Lと樹脂絶縁層150U、150Lを貫通し隣接する導体層を接続するビア導体160U、160Dで形成されている。樹脂絶縁層150Uは最外の樹脂絶縁層である。樹脂絶縁層150Uは、実装エリア75を有する。実装エリア75は図2に示される電子部品90の直下のエリアである。実装エリア75はプリント配線板10のほぼ中央に位置する。
【0010】
プリント配線板10は、ビルドアップ層80A、80B上にソルダーレジスト層70U、70Dを有する。ソルダーレジスト層70Uは複数の開口71Uを有する。開口71Uにより露出される導体層158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。開口71Uはパッド158pに至る。パッド158pは樹脂絶縁層150Uの実装エリア75内に形成されている。電子部品90は、実装エリア75内の複数のパッド158pを介してプリント配線板10上に搭載されている。ソルダーレジスト層70Uは、樹脂絶縁層150Uと複数のパッド158p上に形成されている。各パッド158p上に電子部品90を実装するための半田バンプ76Uが形成されている。実装エリア75は、電子部品90の直下に位置する。実装エリア75上のソルダーレジスト層70Uは凹部100を有する。
【0011】
実装エリア75は、中心エリア75cと中心エリア75cを囲む外周エリア75oで形成される。実装エリア75上に位置するソルダーレジスト層70Uの厚みTは、実装エリア75の外周から実装エリア75のほぼ中心に向かって、徐々に薄い。実装エリア75の形状は矩形である。実装エリア75の中心Cは矩形の対角線の交点に位置している。図4(a)に示されるように、外周エリア75oのソルダーレジスト層70Uの厚みT1より中心エリア75cのソルダーレジスト層70Uの厚みT2のほうが薄い。
【0012】
複数のパッド158pは実装エリア75内に位置している。複数のパッド158pは、電源用またはアース用のパッド158paと信号用のパッド158pbを含む。図4(b)に示されるように、電源用またはアース用のパッド158paは、中心エリア75cに配置されている。信号用パッド158pbは外周エリア75oに配置されている。
【0013】
開口71Uは側面積Sを有する。側面積Sは、実装エリア75の外周に近い開口71Uから実装エリア75の中心Cに位置する開口71Uに向かって小さい。図4(a)に示されるように、実装エリア75の外周に近い開口71Uの側面積S1より実装エリア75の中心Cに位置する開口71Uの側面積S2のほうが小さい。開口71Uの側面積と半田バンプ76Uと対向する面積は関連している。半田バンプ76Uと対向しているソルダーレジスト層70Uの面積は、中心Cに向かって、徐々に小さい。
【0014】
<実施形態のプリント配線板の製造方法>
図2図3は実施形態のプリント配線板10の製造方法を示す。図2図3は断面図である。
【0015】
図2に示される途中基板1が製造される。途中基板1は、コア基板30と上側のビルドアップ層80Aと下側のビルドアップ層80Bを有する。コア基板30とビルドアップ層80A、80Bは周知な方法で製造される。上側のビルドアップ層80Aは樹脂絶縁層150Uと樹脂絶縁層150U上の導体層158Uを有する。
【0016】
図3に示されるように、樹脂絶縁層150Uと導体層158U上に、ソルダーレジスト層70Uが形成される。ソルダーレジスト層70Uには、凹部100が形成される。凹部100は深さDを有する。凹部100は、凹部100の周縁部から凹部100の中心に向かって徐々に深く形成される。ソルダーレジスト層70Uはスクリーン印刷で形成される。例えばスクリーンメッシュの厚み(メッシュ厚)は一定であってスクリーンの開口率は凹部100の周縁部から凹部100の中心に向かって徐々に小さい。
【0017】
ソルダーレジスト層70Uは、導体層158Uを露出する開口71Uを有する。開口71Uにより露出される導体層158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。パッド158p上に半田バンプ76Uが形成される。
【0018】
図1に示されるように、半田バンプ76U上に電子部品90が搭載される。実施形態の半導体装置200が得られる。図4(c)には凹部100を有していない参考例が示される。参考例では、電子部品90の下方の開口から露出するパッド158pa、158pb上の半田バンプ76Ua、76Ubとソルダーレジスト層70Uの接触面積(または対向面積)はS1で一定である。実施形態では、図4(a)に示されるように、実装エリア75の中心C側の半田バンプ76Uとソルダーレジスト層70Uの接触面積または対向面積が小さい。そのため、中心C側に位置する電源用またはアース用のパッド158pa上の半田バンプ76Uaに大きな電流が流れて半田バンプ76Uaが発熱しても、ソルダーレジスト層70Uへの熱の影響が小さい。実施形態のプリント配線板10では、ソルダーレジスト層70Uの絶縁抵抗の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0019】
1 :途中基板
2 :途中基板
10 :プリント配線板
30 :コア基板
70D :ソルダーレジスト層
70U :ソルダーレジスト層
71U :開口
75 :実装エリア
75c :中心エリア
75o :外周エリア
76U :半田バンプ
76Ua :半田バンプ
76Ub :半田バンプ
90 :電子部品
100 :凹部
150U :樹脂絶縁層
158L :導体層
158U :導体層
158p :パッド
158pa:電源用またはアース用のパッド
158pb:信号用のパッド
160D :ビア導体
160U :ビア導体
200 :半導体装置
C :実装エリアの中心
S :開口の側面積
S1 :実装エリアの外周に近い開口の側面積
S2 :実装エリアの中心に位置する開口の側面積
T :ソルダーレジスト層の厚み
図1
図2
図3
図4