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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085655
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/12 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
G01W1/12 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200295
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯坂 達也
(57)【要約】
【課題】予報時刻が気象予報毎に相違する場合でも、日射量の高精度な統計値を目標時刻毎に取得する。
【解決手段】情報処理システム100は、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得する予報取得部31と、複数種の気象予報の各々について、予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定する情報処理部32と、複数種の気象予報についてそれぞれ算定された目標時刻毎の複数の日射量から目標時刻毎の日射量の統計値を算定する統計処理部とを具備する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得する予報取得部と、
前記複数種の気象予報の各々について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定する情報処理部と、
前記複数種の気象予報についてそれぞれ算定された前記目標時刻毎の複数の日射量から前記目標時刻毎の日射量の統計値を算定する統計処理部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理部は、
前記複数種の気象予報のうち日射量を含まない第1気象予報について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の予報値を算定する第1データ補間部と、
前記第1気象予報について、前記第1データ補間部が算定した前記目標時刻毎の予報値から前記目標時刻毎の日射量を算定する日射量算定部とを含む
請求項1の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記複数種の気象情報のうち日射量を含む第2気象予報について、前記予報時刻毎の日射量から前記目標時刻毎の日射量を算定する第2データ補間部を含む
請求項2の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理部は、
前記複数種の気象予報のうち日射量を含まない第1気象予報について、前記予報時刻毎の予報値から前記予報時刻毎の日射量を算定する日射量算定部と、
前記予報時刻毎の日射量から前記目標時刻毎の日射量を算定する第2データ補間部とを含む
請求項1の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2データ補間部は、
前記目標時刻前の予報時刻における日射量と前記目標時刻後の予報時刻における日射量との加重和により、前記目標時刻の日射量を算定する
請求項3または請求項4の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2データ補間部は、
前記目標時刻前の予報時刻における日射量に適用される第1加重値と、前記目標時刻後の予報時刻における日射量に適用される第2加重値とを、目標時刻毎に第1加重値および第2加重値が登録された加重値データから特定する
請求項5の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2データ補間部は、特定の時間帯に含まれる目標時刻の日射量を0に設定する
請求項3または請求項4の情報処理システム。
【請求項8】
前記目標時刻毎の日射量の統計値は、前記複数種の気象予報について算定された前記目標時刻毎の日射量の平均値、中央値、散布度、最大値、最小値およびNパーセンタイルのうち1以上の数値を含む
請求項1の情報処理システム。
【請求項9】
複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得し、
前記複数種の気象予報の各々について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定し、
前記複数種の気象予報についてそれぞれ算定された前記目標時刻毎の複数の日射量から前記目標時刻毎の日射量の統計値を算定する
コンピュータシステムにより実現される情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、日射量を解析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば太陽光発電システムによる発電量を予測するためには日射量の推定が重要である。特許文献1には、気象予報により生成された予報値から日射量を推定する構成が開示されている。また、特許文献2には、日射量以外の予報値から日射量を推定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-087886号公報
【特許文献2】特開2013-152156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気象予報の精度を充分に確保することは困難である。気象予報の精度を向上するために、複数種の気象予報による日射量の予報値を平均することが想定される。しかし、日射量の予報時刻は気象予報毎に相違するから、予報値の平均により精度の向上を実現することは実際には困難である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、予報時刻が気象予報毎に相違する場合でも、日射量の高精度な統計値を目標時刻毎に取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る情報処理システムは、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得する予報取得部と、前記複数種の気象予報の各々について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定する情報処理部と、前記複数種の気象予報についてそれぞれ算定された前記目標時刻毎の複数の日射量から前記目標時刻毎の日射量の統計値を算定する統計処理部とを具備する。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る情報処理方法は、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得し、前記複数種の気象予報の各々について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定し、前記複数種の気象予報についてそれぞれ算定された前記目標時刻毎の複数の日射量から前記目標時刻毎の日射量の統計値を算定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態における情報処理システムの構成を例示するブロック図である。
図2】気象予報の説明図である。
図3】情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図4】解析処理のフローチャートである。
図5】結果画面の模式図である。
図6】情報生成処理のフローチャートである。
図7】加重値データの模式図である。
図8】第2実施形態における情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図9】第2実施形態における情報生成処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する形態は、本開示を実施する場合に想定される例示的な一形態である。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0009】
A:第1実施形態
図1は、第1実施形態における情報処理システム100のブロック図である。第1実施形態の情報処理システム100は、時間軸上の複数の時刻(以下「目標時刻」という)の各々について日射量(具体的には後述の統計値X)を算定するコンピュータシステムである。すなわち、情報処理システム100は、日射量の時系列を生成する。日射量は、太陽から地表に到達する太陽光の放射エネルギーの総量であり、太陽光発電システムによる発電量の指標として利用される。各目標時刻は、時間軸上に所定の間隔(例えば30分)で離散的に設定された時刻である。
【0010】
図1に例示される通り、第1実施形態の情報処理システム100は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と操作装置14と表示装置15とを具備する。なお、情報処理システム100は、単体の装置により実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0011】
制御装置11は、情報処理システム100の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0012】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用するデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置12は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置12が構成されてもよい。情報処理システム100に対して着脱される可搬型の記録媒体が、記憶装置12として利用されてもよい。
【0013】
通信装置13は、外部装置との間で有線または無線により通信する。なお、情報処理システム100とは別体の通信装置13が、情報処理システム100に有線または無線により接続されてもよい。
【0014】
第1実施形態の通信装置13は、複数の気象予報システム200の各々との間で通信する。各気象予報システム200は、気象予報データDを配信するコンピュータシステムである。通信装置13は、気象予報システム200が送信する気象予報データDを受信する。
【0015】
各気象予報システム200は、例えば気象衛星またはアメダス等の各種の観測設備による観測の結果を利用した気象予報により気象予報データDを生成する。気象予報データDは、時間軸上の複数の時刻(以下「予報時刻」という)の各々について複数の予報値Fを含む。予報値Fは、特定の地点における気象に関する各種の物理量である。予報時刻は、気象予報の対象となる時刻である。すなわち、各気象予報システム200による気象予報は、各予報時刻における特定の地点の気象を予測する処理である。なお、相異なる気象予報に対応する複数種の気象予報データDが、1個の気象予報システム200から提供されてもよい。
【0016】
図2には、4種類の気象予報に関する情報が例示されている。図2から理解される通り、気象予報毎に予報項目および予報時刻は相違する。具体的には、気象予報データDが表す予報値Fの総数および内容と、予報時刻の間隔および点数とは、気象予報システム200による気象予報毎に相違する。例えば、図2に例示された4種類の気象予報のなかには、予報値Fが日射量を含む気象予報と、予報値Fが日射量を含まない気象予報とがある。なお、複数の予報時刻の一部または全部は、複数種の気象予報の間で共通してもよい。
【0017】
各予報値Fの対象となる各予報時刻の間隔と、日射量の算定対象となる目標時刻の間隔とは相違する。したがって、各予報時刻と各目標時刻とは相違する。ただし、複数の予報時刻の一部と複数の目標時刻の一部とが共通してもよい。
【0018】
図1の操作装置14は、例えば情報処理システム100の利用者からの指示を受付ける入力機器である。操作装置14は、例えば、利用者が操作する操作子、または、利用者による接触を検知するタッチパネルである。表示装置15は、制御装置11による制御のもとで画像を表示する。表示装置15は、例えば、液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルである。なお、情報処理システム100とは別体の操作装置14または表示装置15が、情報処理システム100に有線または無線により接続されてもよい。
【0019】
図3は、情報処理システム100の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで、各目標時刻の日射量を算定するための複数の機能(予報取得部31,情報処理部32,統計処理部33,表示制御部34)を実現する。
【0020】
予報取得部31は、相異なる気象予報に対応する複数の気象予報データDを取得する。具体的には、予報取得部31は、各気象予報システム200から通信装置13により気象予報データDを受信する。前述の通り、気象予報データDは予報時刻毎の予報値Fを含む。すなわち、予報取得部31は、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値Fを取得する。なお、1種類の気象予報について相異なる地点に対応する複数の気象予報データDが提供される場合、予報取得部31は、日射量Sの解析の対象となる地点に近い地点の気象予報データDを取得する。
【0021】
情報処理部32は、複数種の気象予報の各々について、予報取得部31が取得した予報時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の日射量Sを算定する。すなわち、時間軸上の複数の目標時刻の各々について、相異なる気象予報に対応する複数の日射量Sが算定される。日射量Sが算定される目標時刻は、複数種の気象予報の間で共通する。すなわち、情報処理部32は、日射量Sの時間粒度(すなわち観測値の時間間隔)を複数の気象予報の間で一致させる。
【0022】
なお、共通の目標時刻について気象予報毎に算定される日射量Sは、相異なる数値である。ただし、共通の目標時刻について算定される日射量Sが複数種の気象予報の間で一致する場合もある。図3に例示される通り、第1実施形態の情報処理部32は、第1データ補間部321と第2データ補間部322と日射量算定部323とを含む。情報処理部32の各要素の具体的な機能については後述する。
【0023】
統計処理部33は、情報処理部32が複数種の気象予報についてそれぞれ算定した目標時刻毎の複数の日射量Sから、目標時刻毎の日射量Sの統計値Xを算定する。第1実施形態の統計値Xは、相異なる気象予報について算定された複数の日射量Sの平均値(単純平均)である。すなわち、統計処理部33は、1個の目標時刻について気象予報毎に算定された日射量Sを平均することで統計値Xを算定する。表示制御部34は、統計処理部33が目標時刻毎に算定した日射量Sの統計値Xを表示装置15に表示する。すなわち、統計値Xの時系列が表示装置15に表示される。
【0024】
図4は、制御装置11が実行する処理(以下「解析処理」という)のフローチャートである。例えば、操作装置14に対する利用者からの指示を契機として解析処理が開始される。解析処理は「情報処理方法」の一例である。
【0025】
解析処理が開始されると、制御装置11(予報取得部31)は、複数の気象予報システム200の各々から気象予報データDを通信装置13により受信する(S1)。すなわち、制御装置11は、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値Fを取得する。相異なる予報項目に対応する複数の予報値Fが、気象予報毎に取得される。
【0026】
制御装置11(情報処理部32)は、複数種の気象予報の何れか(以下「選択気象予報」という)を選択する(S2)。制御装置11(情報処理部32)は、選択気象予報の気象予報データDを利用した情報生成処理を実行する(S3)。情報生成処理は、選択気象予報について目標時刻毎の日射量Sを算定する処理である。情報生成処理の具体的な手順については後述する。
【0027】
制御装置11(情報処理部32)は、全種類の気象予報について情報生成処理を実行したか否かを判定する(S4)。未処理の気象予報がある場合(S4:NO)、制御装置11は、処理をステップS2に移行する。すなわち、制御装置11は、未処理の気象予報を新たな選択気象予報として選択し(S2)、更新後の選択気象予報について情報生成処理を実行する(S3)。以上の通り、複数種の気象予報の各々について情報生成処理が反復される。したがって、複数の気象予報の各々について目標時刻毎の日射量Sが算定される。
【0028】
全種類の気象予報について情報生成処理を実行すると(S4:YES)、制御装置11(統計処理部33)は、複数の気象予報の各々について算定された目標時刻毎の日射量Sを平均することで、目標時刻毎の統計値Xを算定する(S5)。制御装置11(表示制御部34)は、統計値Xの時系列を表示装置15に表示する(S6)。
【0029】
図5は、表示装置15に表示される画面(以下「結果画面Q」という)の模式図である。図5に例示される通り、日射量Sに関する統計値Xの時系列が結果画面Qとして表示される。結果画面Qには、複数の気象予報の各々について算定された日射量Sの時系列も表示される。情報処理システム100の利用者は、結果画面Qを視認することで統計値Xの時間的な変化を把握できる。
【0030】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の日射量Sが算定され、複数種の気象予報について算定された目標時刻毎の日射量Sから統計値Xが算定される。したがって、予報時刻が気象予報毎に相違する場合でも、日射量Sの高精度な統計値Xを目標時刻毎に取得できる。
【0031】
図6は、第1実施形態における情報生成処理(S3)の手順を例示するフローチャートである。情報生成処理が開始されると、制御装置11は、選択気象予報の予報項目が日射量Sを含むか否かを判定する(S31)。すなわち、選択気象予報の気象予報データDが表す複数の予報値Fが日射量Sを含むか否かが判定される。
【0032】
選択気象予報が日射量Sを含まない場合(S31:NO)、制御装置11は、第1データ補間処理Pa1を実行したうえで(S32)、日射量算定処理Pbを実行する(S33)。第1データ補間処理Pa1および日射量算定処理Pbの各々について以下に詳述する。なお、複数種の気象予報のうち日射量Sを含まない気象予報は「第1気象予報」の一例である。
【0033】
[第1データ補間処理Pa1]
第1データ補間処理Pa1は、選択気象予報の予報時刻毎の予報値F(日射量S以外)から目標時刻毎の予報値Fを算定する処理である。具体的には、制御装置11は、選択気象予報の気象予報データDが表す複数の予報値Fの各々について、予報時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の予報値Fを算定する。すなわち、第1データ補間処理Pa1は、予報値Fについて予報時刻を目標時刻に補正する処理である。制御装置11が第1データ補間処理Pa1を実行することで、図3の第1データ補間部321が実現される。すなわち、第1データ補間部321は、予報時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の予報値Fを算定する。
【0034】
具体的には、第1データ補間処理Pa1は、相異なる予報時刻に対応する複数の予報値Fの補間により目標時刻の予報値Fを算定する処理である。例えば、制御装置11は、予報時刻t1の予報値F(t1)と予報時刻t2の予報値F(t2)とを適用した以下の数式(1)の演算により、任意の目標時刻tにおける予報値F(t)を算定する。予報時刻t1は、複数の予報時刻のうち目標時刻tの直前の予報時刻である。予報時刻t2は、複数の予報時刻のうち目標時刻tの直後の予報時刻である。
F(t)=α1(t)・F(t1)+α2(t)・F(t2) (1)
【0035】
選択気象予報による複数の予報項目の各々について数式(1)の演算が実行される。数式(1)から理解される通り、各予報項目に関する目標時刻tの予報値F(t)は、予報時刻t1における予報値F(t1)と予報時刻t2における予報値F(t2)との加重和により算定される。予報値F(t1)に適用される加重値α1(t)は、例えば以下の数式(2a)により算定される0以上かつ1以下の数値である。予報値F(t2)に適用される加重値α2(t)は、例えば以下の数式(2b)により算定される0以上かつ1以下の数値である。
【0036】
α1(t)=(t2-t)/(t2-t1) (2a)
α2(t)=1-α1(t)=(t-t1)/(t2-t1) (2b)
【0037】
以上の説明から理解される通り、目標時刻tが予報時刻t1に近いほど(すなわち加重値α2(t)が小さいほど)、予報値F(t)は予報値F(t1)に近付き、目標時刻tが予報時刻t2に近いほど(すなわち加重値α1(t)が小さいほど)、予報値F(t)は予報値F(t2)に近付く。以上の通り、第1実施形態の第1データ補間部321は、予報時刻毎の予報値Fの直線補間(線形補間)により目標時刻毎の予報値Fを算定する。
【0038】
[日射量算定処理Pb]
日射量算定処理Pbは、第1データ補間処理Pa1により算定された目標時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の日射量Sを算定する処理である。具体的には、制御装置11は、選択気象予報の相異なる予報項目に対応する複数の予報値Fから、目標時刻における日射量Sを算定する。制御装置11が日射量算定処理Pbを実行することで、図3の日射量算定部323が実現される。すなわち、日射量算定部323は、目標時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の日射量Sを算定する。
【0039】
具体的には、制御装置11は、以下の数式(3)の演算により、目標時刻tにおける日射量S(t)を算定する。
S(t)=G{F1(t),F2(t),…FK(t)} (3)
【0040】
数式(3)の関数Gは、選択気象予報の相異なる予報項目に対応するK個の予報値F1(t)~FK(t)と、日射量S(t)との関係を表す関数である。関数Gの変数であるK個の予報値F1(t)~FK(t)は、例えば、大気外日射量、雲量、降水量および湿度等の予報値Fを含む。K個の予報値F1(t)~FK(t)を適用した日射量S(t)の算定には、例えば特許文献2に記載された技術が利用される。以上に説明した日射量算定処理Pbにより、目標時刻毎の日射量Sが算定される。
【0041】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、予報時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の予報値Fが算定され(S32)、目標時刻毎の予報値Fから目標時刻毎の日射量Sが算定される(S33)。したがって、日射量Sを含まない気象予報も加味された高精度な統計値Xを算定できる。
【0042】
[第2データ補間処理Pa2]
図6の情報生成処理において選択気象予報が日射量Sを含む場合(S31:YES)、制御装置11は、第2データ補間処理Pa2を実行する。第2データ補間処理Pa2は、選択気象予報の気象予報データDが表す予報時刻毎の日射量Sから目標時刻毎の日射量Sを算定する処理である。すなわち、第2データ補間処理Pa2は、日射量Sについて予報時刻を目標時刻に補正する処理である。制御装置11が第2データ補間処理Pa2を実行することで、図3の第2データ補間部322が実現される。すなわち、第2データ補間部322は、日射量Sを含む気象予報について予報時刻毎の日射量Sから目標時刻毎の日射量Sを算定する。なお、複数種の気象予報のうち日射量Sを含む気象予報は「第2気象予報」の一例である。
【0043】
以上の通り、第1実施形態においては、予報値Fが日射量Sを含む気象予報について、予報時刻毎の日射量Sから目標時刻毎の日射量Sが算定される。したがって、日射量の有無を問わない複数種の気象予報が加味された日射量Sの統計値Xを高精度に算定できる。
【0044】
具体的には、第2データ補間処理Pa2は、相異なる予報時刻に対応する複数の日射量Sの補間により目標時刻の日射量Sを算定する処理である。例えば、制御装置11は、予報時刻t1の日射量S(t1)と予報時刻t2の日射量S(t2)とを適用した以下の数式(4)の演算により、任意の目標時刻tにおける日射量S(t)を算定する。予報時刻t1は、複数の予報時刻のうち目標時刻tの直前の予報時刻である。予報時刻t2は、複数の予報時刻のうち目標時刻tの直後の予報時刻である。
S(t)=β1(t)・S(t1)+β2(t)・S(t2) (4)
【0045】
数式(4)から理解される通り、制御装置11は、予報時刻t1における日射量S(t1)と予報時刻t2における日射量S(t2)との加重和により、目標時刻tの日射量S(t)を算定する。以上の態様によれば、目標時刻tの前後の予報時刻における日射量(S(t1),S(t2))の加重和により、目標時刻tの日射量S(t)を簡便に算定できる。
【0046】
日射量S(t1)に適用される加重値β1(t)と日射量S(t2)に適用される加重値β2(t)とは、0以上かつ1以下の数値に設定される。加重値β1(t)および加重値β2(t)は、例えば記憶装置12に記憶された加重値データWに事前に登録される。
【0047】
図7は、加重値データWの模式図である。図7に例示される通り、加重値データWは、複数の目標時刻tの各々について加重値β1(t)と加重値β2(t)とが登録されたデータテーブルである。すなわち、加重値β1(t)および加重値β2(t)が目標時刻t毎に登録される。したがって、加重値β1(t)は目標時刻t毎に相違する。加重値β2(t)も同様に、目標時刻t毎に相違する。各目標時刻tの加重値β1(t)および加重値β2(t)は、過去の日射量Sを観測した結果に応じて統計的または実験的に設定される。
【0048】
制御装置11は、特定の目標時刻tの日射量S(t)を算定する数式(4)の演算に、当該目標時刻tについて加重値データWに登録された加重値β1(t)および加重値β2(t)を適用する。すなわち、制御装置11は、加重値β1(t)および加重値β2(t)を加重値データWから特定する。
【0049】
第1実施形態においては、目標時刻毎に加重値β1(t)および加重値β2(t)が登録された加重値データWを利用して、日射量S(t1)の加重値β1(t)と日射量S(t2)の加重値β2(t)とが特定される。すなわち、第1実施形態の第2データ補間部322は、予報時刻毎の日射量Sの非線形補間により目標時刻毎の日射量Sを算定する。したがって、日射量S(t)の時間的な変化が目標時刻t毎に相違するという傾向が加味された日射量S(t)の統計値Xを高精度に算定できる。
【0050】
以上の通り、制御装置11(第2データ補間部322)は、基本的には予想時刻毎の複数の日射量Sから目標時刻の日射量Sを算定する。ただし、制御装置11(第2データ補間部322)は、複数の目標時刻tのうち特定の時間帯(以下「特定時間帯」という)に含まれる各目標時刻tについては日射量S(t)を0に設定する。すなわち、第2データ補間処理Pa2において、特定時間帯内の各目標時刻tについては、数式(4)の演算が実行されることなく日射量S(t)は一律に0に設定される。
【0051】
特定時間帯は、太陽光が実質的に存在しない夜間の時間帯である。例えば、午前0時から午前6時までおよび午後18時から午後24時までの時間帯が特定時間帯として設定される。なお、制御装置11は、特定時間帯を日付毎に相違させてもよい。
【0052】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、特定時間帯に含まれる目標時刻tの日射量S(t)が0に設定される。したがって、例えば夜間の時間帯についても日射量Sが存在するといった誤推定の可能性を低減できる。
【0053】
B:第2実施形態
本開示の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明と同様の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0054】
図8は、第2実施形態における情報処理システム100の機能的な構成を例示するブロック図である。図8に例示される通り、第2実施形態の情報処理部32は、第2データ補間部322と日射量算定部323とを含む。すなわち、第2実施形態の情報処理部32においては、第1実施形態の第1データ補間部321が省略される。
【0055】
図9は、第2実施形態における情報生成処理(S3)の手順を例示するフローチャートである。情報生成処理が開始されると、制御装置11は、第1実施形態と同様に、選択気象予報の予報項目が日射量Sを含むか否かを判定する(S31)。選択気象予報が日射量Sを含まない場合(S31:NO)、制御装置11は、日射量算定処理Pbを実行したうえで(S32)、第2データ補間処理Pa2を実行する(S33)。
【0056】
第2実施形態の日射量算定処理Pbは、気象予報データDが表す予報時刻毎の予報値Fから予報時刻毎の日射量Sを算定する処理である。具体的には、制御装置11は、選択気象予報の相異なる予報項目に対応する複数の予報値Fから、予報時刻における日射量Sを算定する。第1実施形態と同様に、制御装置11が日射量算定処理Pbを実行することで、図8の日射量算定部323が実現される。
【0057】
具体的には、制御装置11は、前述の数式(3)の演算により、予報時刻tにおける日射量S(t)を算定する。すなわち、制御装置11は、選択気象予報の気象予報データDが予報時刻tについて指定するK個の予報値F1(t)~FK(t)を関数Gに適用することで、当該予報時刻tの日射量S(t)を算定する。
【0058】
また、第2実施形態の第2データ補間処理Pa2は、日射量算定処理Pbにより予報時刻毎に算定された日射量Sから目標時刻毎の日射量Sを算定する処理である。具体的には、制御装置11は、相異なる予報時刻に対応する複数の日射量Sから目標時刻毎の日射量Sを算定する。制御装置11が第2データ補間処理Pa2を実行することで、図8の第2データ補間部322が実現される。
【0059】
具体的には、制御装置11は、予報時刻t1の日射量S(t1)と予報時刻t2の日射量S(t2)とを適用した前述の数式(4)の演算により、目標時刻tにおける日射量S(t)を算定する。加重値β1(t)および加重値β2(t)は、第1実施形態と同様に、加重値データWに事前に登録される。
【0060】
以上に説明した通り、第2実施形態においては、予報時刻毎の予報値Fから予報時刻毎の日射量Sが算定され(S32)、予報時刻毎の日射量Sから目標時刻毎の日射量Sが算定される(S33)。したがって、予報値Fが日射量Sを含まない気象予報も加味された高精度な統計値Xを算定できる。
【0061】
他方、選択気象予報が日射量Sを含む場合(S31:YES)、制御装置11は、第1実施形態と同様に第2データ補間処理Pa2を実行する。すなわち、制御装置11は、選択気象予報の気象予報データDが表す予報時刻毎の日射量Sから目標時刻毎の日射量Sを算定する。
【0062】
以上に説明した通り、第2実施形態においては、
(1) 日射量Sを含まない気象予報について日射量算定処理Pbにより予報時刻毎に算定された日射量S、または、
(2) 日射量Sを含む気象予報について気象予報データDが予報時刻毎に指定する日射量S、
について第2データ補間処理Pa2が実行される。
【0063】
第2実施形態において、情報処理部32以外の構成および動作は第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0064】
C:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0065】
(1)前述の各形態においては、相異なる予報時刻に対応する2個の予報値Fの直線補間(数式(1))により目標時刻の予報値Fを算定したが、第1データ補間処理Pa1の方法は以上の例示に限定されない。例えば、第1データ補間部321は、2個の予報値Fを適用した各種の曲線補間により目標時刻の予報値Fを算定してもよい。また、第1データ補間部321は、予報時刻毎の1以上の予報値Fを所定の関数に適用することで、目標時刻の予報値Fを算定してもよい。目標時刻の予報値Fの算定に利用される予報値Fの個数は3個以上でもよい。
【0066】
同様に、第2データ補間処理Pa2の方法は前述の各形態における例示(数式(4))に限定されない。例えば、第2データ補間部322は、相異なる予報時刻に対応する2個の日射量Sを適用した各種の曲線補間により目標時刻の日射量Sを算定してもよい。また、第2データ補間部322は、予報時刻毎の1以上の日射量Sを所定の関数に適用することで、目標時刻の日射量Sを算定してもよい。目標時刻の日射量Sの算定に利用される日射量Sの個数は3個以上でもよい。
【0067】
(2)前述の各形態においては、日射量Sの統計値Xを表示装置15に表示したが、解析処理の結果である統計値Xの利用方法は、以上の例示に限定されない。例えば、太陽光発電システムによる発電量の指標として統計値Xが利用されてもよい。具体的には、制御装置11は、目標時刻毎に算定された統計値Xの時系列に応じて太陽光発電システムによる発電動作を制御する。例えば、制御装置11は、統計値Xに応じた指令値を通信装置13から太陽光発電システムに送信する。なお、情報処理システム100が太陽光発電システムに搭載されてもよい。
【0068】
(3)前述の各形態においては、相異なる気象予報に対応する複数の日射量Sの単純平均を統計値Xとして算定したが、統計処理部33は、複数の日射量Sの加重平均により統計値Xを算定してもよい。各日射量Sに適用される加重値は、気象予報毎に個別に設定される。具体的には、気象予報における日射量Sの有無に応じて加重値が設定される。例えば、統計処理部33は、日射量Sを含む気象予報(第2気象予報)に対応する加重値を、日射量Sを含まない気象予報(第1気象予報)に対応する加重値よりも大きい数値に設定する。信頼性が高い気象予報の加重値ほど大きい数値に設定される形態、または、予報項目の総数が多い気象予報の加重値ほど大きい数値に設定される形態も想定される。
【0069】
(4)前述の各形態においては、相異なる気象予報に対応する複数の日射量Sの平均値を統計値Xとして例示したが、統計処理部33は、平均値以外の統計値Xを算定してもよい。例えば、相異なる気象予報について算定された複数の日射量Sの中央値、散布度(例えば標準偏差または分散)、最大値、最小値およびNパーセンタイル(0≦N≦100)を、統計処理部33が統計値Xとして算定してもよい。また、統計処理部33は、以上に例示した数値(平均値、中央値、散布度、最大値、最小値、Nパーセンタイル)のうち2以上の統計値Xを算定してもよい。表示制御部34は、複数の統計値Xの各々の時系列を結果画面Qに並列に表示してもよい。
【0070】
(5)前述の各形態においては、気象予報の相異なる予報項目に対応するK個の予報値F1(t)~FK(t)を関数Gに適用することで目標時刻の日射量S(t)を算定したが、予報値Fから日射量Sを算定する方法は以上の例示に限定されない。例えば、制御装置11(日射量算定部323)は、推定モデルにより予報値Fを処理することで日射量Sを生成してもよい。推定モデルは、予報値Fと日射量Sとの関係を機械学習により学習した学習済モデルある。例えばDNN(Deep Neural Network)、HMM(Hidden Markov Model)またはSVM(Support Vector Machine)等の各種の統計モデルが、日射量Sの生成のための推定モデルとして利用される。
【0071】
(6)前述の各形態においては、数式(4)の加重値β1(t)および加重値β2(t)が加重値データWに事前に登録された形態を例示したが、加重値β1(t)および加重値β2(t)の設定方法は以上の例示に限定されない。例えば、数式(2a)の加重値α1(t)が数式(4)の加重値β1(t)として利用される形態、または、数式(2b)の加重値α2(t)が数式(4)の加重値β2(t)として利用される形態も想定される。すなわち、予報時刻毎の日射量Sの線形補間により目標時刻毎の日射量Sが算定されてもよい。また、数式(1)の加重値α1(t)および加重値α2(t)が、目標時刻毎に加重値データWに事前に登録されてもよい。すなわち、予報時刻毎の予報値Fの非線形補間により目標時刻毎の予報値Fが算定されてもよい。
【0072】
(7)前述の各形態に係る情報処理システム100の機能は、前述の通り、制御装置11を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上に例示したプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0073】
D:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0074】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る情報処理システムは、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得する予報取得部と、前記複数種の気象予報の各々について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定する情報処理部と、前記複数種の気象予報についてそれぞれ算定された前記目標時刻毎の複数の日射量から前記目標時刻毎の日射量の統計値を算定する統計処理部とを具備する。以上の態様においては、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量が算定され、複数種の気象予報についてそれぞれ算定された目標時刻毎の複数の日射量から日射量の統計値が算定される。したがって、予報時刻が気象予報毎に相違する場合でも、日射量の高精度な統計値を目標時刻毎に取得できる。
【0075】
態様1の具体例(態様2)において、前記情報処理部は、前記複数種の気象予報のうち日射量を含まない第1気象予報について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の予報値を算定する第1データ補間部と、前記第1気象予報について、前記第1データ補間部が算定した前記目標時刻毎の予報値から前記目標時刻毎の日射量を算定する日射量算定部とを含む。以上の態様によれば、予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の予報値が算定され、目標時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量が算定される。したがって、予報値が日射量を含まない第1気象予報を含む複数種の気象予報が加味された高精度な統計値を算定できる。
【0076】
態様2の具体例(態様3)において、前記情報処理部は、前記複数種の気象情報のうち日射量を含む第2気象予報について、前記予報時刻毎の日射量から前記目標時刻毎の日射量を算定する第2データ補間部を含む。以上の態様によれば、予報値が日射量を含む第2気象予報について、予報時刻毎の日射量から目標時刻毎の日射量が算定される。したがって、日射量の有無を問わない複数種の気象予報が加味された高精度な統計値を算定できる。
【0077】
態様1の具体例(態様4)において、前記情報処理部は、前記複数種の気象予報のうち日射量を含まない第1気象予報について、前記予報時刻毎の予報値から前記予報時刻毎の日射量を算定する日射量算定部と、前記予報時刻毎の日射量から前記目標時刻毎の日射量を算定する第2データ補間部とを含む。以上の態様によれば、予報時刻毎の予報値から予報時刻毎の日射量が算定され、予報時刻毎の日射量から目標時刻毎の日射量が算定される。したがって、予報値が日射量を含まない第1気象予報を含む複数種の気象予報が加味された高精度な統計値を算定できる。なお、第2データ補間部により処理される予報時刻毎の日射量は、日射量算定部により予報時刻毎に算定された日射量、または、日射量を含む第2気象予報について予報取得部が予報時刻毎に算定された日射量である。
【0078】
態様3または態様4の具体例(態様5)において、前記第2データ補間部は、前記目標時刻前の予報時刻における日射量と前記目標時刻後の予報時刻における日射量との加重和により、前記目標時刻の日射量を算定する。以上の態様によれば、目標時刻の前後の予報時刻における日射量の加重和により、目標時刻の日射量を簡便に算定できる。
【0079】
態様5の具体例(態様6)において、前記第2データ補間部は、前記目標時刻前の予報時刻における日射量に適用される第1加重値と、前記目標時刻後の予報時刻における日射量に適用される第2加重値とを、目標時刻毎に第1加重値および第2加重値が登録された加重値データから特定する。以上の態様によれば、第1加重値と第2加重値とが目標時刻毎に登録された加重値データを利用して、目標時刻の日射量の安定に適用される第1加重値および第2加重値が特定される。したがって、日射量の時間的な変化が目標時刻毎に相違するという傾向が加味された日射量の統計値を高精度に算定できる。
【0080】
態様3から態様6の何れかの具体例(態様7)において、前記第2データ補間部は、特定の時間帯に含まれる目標時刻の日射量を0に設定する。以上の態様によれば、特定の時間帯(例えば夜間時間帯)に含まれる目標時刻の日射量が0に設定されるから、例えば夜間の時間帯についても日射量が存在するといった誤推定の可能性を低減できる。
【0081】
態様1から態様7の何れかの具体例(態様8)において、前記目標時刻毎の日射量の統計値は、前記複数種の気象予報について算定された前記目標時刻毎の日射量の平均値、中央値、散布度、最大値、最小値およびNパーセンタイルのうち1以上の数値を含む。以上の態様によれば、複数種の気象予報における予報値が適切に反映された統計値を算定できる。
【0082】
本開示のひとつの態様(態様9)に係る情報処理方法は、複数種の気象予報の各々について予報時刻毎の予報値を取得し、前記複数種の気象予報の各々について、前記予報時刻毎の予報値から目標時刻毎の日射量を算定し、前記複数種の気象予報についてそれぞれ算定された前記目標時刻毎の複数の日射量から前記目標時刻毎の日射量の統計値を算定する。
【符号の説明】
【0083】
100…情報処理システム、11…制御装置、12…記憶装置、13…通信装置、14…操作装置、15…表示装置、200…気象予報システム、31…予報取得部、32…情報処理部、321…第1データ補間部、322…第2データ補間部、323…日射量算定部、33…統計処理部、34…表示制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9