(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085668
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】流体圧制御装置
(51)【国際特許分類】
F15B 11/00 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
F15B11/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200315
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木谷 俊行
(72)【発明者】
【氏名】吉田 説与
【テーマコード(参考)】
3H089
【Fターム(参考)】
3H089BB27
3H089CC01
3H089CC08
3H089CC11
3H089DA03
3H089DA07
3H089DB03
3H089DB12
3H089DB43
3H089GG02
3H089HH04
3H089JJ02
(57)【要約】
【課題】新たに中立カット弁を追加する場合に、流体圧制御装置の大型化を抑制する。
【解決手段】流体圧制御装置100は、第1回路系統10と、第2回路系統20と、第1制御弁121~125が収容される第1領域R1と第2制御弁221~224が収容される第2領域R2とを有するバルブブロック3と、を備える。第1回路系統10は、第1中立通路11とタンクTとの接続を連通または遮断する第1中立カット弁40と、を有し、第2回路系統20は、第2中立通路21とタンクTとの接続を連通または遮断する第2中立カット弁60と、を有する。第1中立カット弁40と第2中立カット弁60は、第1領域R1及び第2領域R2のいずれか一方に収容される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体圧制御装置であって、
第1ポンプに接続されアクチュエータを制御する第1制御弁を少なくとも1つ有する第1回路系統と、
第2ポンプに接続されアクチュエータを制御する第2制御弁を少なくとも一つ有する第2回路系統と、
前記第1制御弁が収容される第1領域と前記第2制御弁が収容される第2領域とを有するバルブブロックと、を備え、
前記第1回路系統は、
全ての前記第1制御弁が中立位置にある場合に前記第1ポンプの作動流体をタンクに還流させる第1中立通路と、
前記第1中立通路における前記第1制御弁の下流に設けられ、前記第1中立通路と前記タンクとの接続を連通または遮断する第1中立カット弁と、を有し、
前記第2回路系統は、
全ての前記第2制御弁が中立位置にある場合に前記第2ポンプの作動流体を前記タンクに還流させる第2中立通路と、
前記第2中立通路における前記第2制御弁の下流に設けられ、前記第2中立通路と前記タンクとの接続を連通または遮断する第2中立カット弁と、を有し、
前記第1中立カット弁と前記第2中立カット弁は、前記第1領域及び前記第2領域のいずれか一方に収容されることを特徴とする流体圧制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された流体圧制御装置であって、
前記第1中立カット弁は、前記第1中立通路と前記タンクとの接続を遮断または連通する第1スプールを有し、
前記第2中立カット弁は、前記第2中立通路と前記タンクとの接続を遮断または連通する第2スプールを有し、
前記第1スプールと前記第2スプールは、同軸上に配置されることを特徴とする流体圧制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載された流体圧制御装置であって、
前記第1スプールと前記第2スプールは、前記バルブブロックに形成された同一の貫通孔内に収容されることを特徴とする流体圧制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載された流体圧制御装置であって、
前記第1回路系統は、
前記第1中立通路における前記第1中立カット弁の下流に設けられ、前記第1中立通路の最高圧を規定する第1リリーフ弁をさらに有し、
前記第2回路系統は、
前記第2中立通路における前記第2中立カット弁の下流に設けられ、前記第2中立通路の最高圧を規定する第2リリーフ弁をさらに有し、
前記第1中立カット弁、前記第2中立カット弁、前記第1リリーフ弁及び前記第2リリーフ弁は、前記第1領域または前記第2領域のうち、いずれかの同じ領域に設けられることを特徴とする流体圧制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1ポンプに接続され第1ポンプから吐出される作動油が供給される第1回路系統と、第2ポンプに接続され第2ポンプから吐出される作動油が供給される第2回路系統と、を備えた流体圧制御装置が開示されている。特許文献1に記載された流体圧制御装置の第2回路系統は、第2ポンプから供給される作動油をタンクへ導く第2中立通路と、第2中立通路に直列に接続される複数のアクチュエータ制御弁と、アクチュエータ制御弁より下流側の第2中立通路に接続される中立カット弁と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された流体圧制御装置において、第1回路系統にも、第1中立通路と排出通路とを連通または遮断する中立カット弁を設けることが考えられる。その場合において、第1回路系統を収容するバルブブロックに中立カット弁を設けると、中立カット弁を収容するスペースの分、バルブブロックが大型化してしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、新たに中立カット弁を追加する場合に、流体圧制御装置の大型化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、流体圧制御装置であって、第1ポンプに接続されアクチュエータを制御する第1制御弁を少なくとも1つ有する第1回路系統と、第2ポンプに接続されアクチュエータを制御する第2制御弁を少なくとも一つ有する第2回路系統と、第1制御弁が収容される第1領域と第2制御弁が収容される第2領域とを有するバルブブロックと、を備え、第1回路系統は、全ての第1制御弁が中立位置にある場合に第1ポンプの作動流体をタンクに還流させる第1中立通路と、第1中立通路における第1制御弁の下流に設けられ、第1中立通路とタンクとの接続を連通または遮断する第1中立カット弁と、を有し、第2回路系統は、全ての第2制御弁が中立位置にある場合に第2ポンプの作動流体をタンクに還流させる第2中立通路と、第2中立通路における第2制御弁の下流に設けられ、第2中立通路とタンクとの接続を連通または遮断する第2中立カット弁と、を有し、第1中立カット弁と第2中立カット弁は、第1領域及び第2領域のいずれか一方に収容されることを特徴とする。
【0007】
この発明では、第1中立カット弁と第2中立カット弁は、第1領域及び第2領域のいずれか一方に収容されるので、例えば、第1中立カット弁を新たに追加する場合に、既に第2中立カット弁が設けられている領域に第1中立カット弁を収容することができるため、追加する第1中立カット弁を収容するスペースを新たに確保する必要がない。よって、流体圧制御装置の大型化を抑制できる。
【0008】
また、本発明では、第1中立カット弁が、第1中立通路とタンクとの接続を遮断または連通する第1スプールを有し、第2中立カット弁は、第2中立通路とタンクとの接続を遮断または連通する第2スプールを有し、第1スプールと第2スプールは、同軸上に配置されることを特徴とする。
【0009】
この発明では、第1中立カット弁の第1スプールと第2中立カット弁の第2スプールとが、同軸上に配置されるので、第1中立カット弁の第1スプールと第2中立カット弁の第2スプールとがずれて配置される場合に比べ、流体圧制御装置の大型化を抑制できる。
【0010】
また、本発明では、第1スプールと第2スプールは、バルブブロックに形成された同一の貫通孔内に収容されることを特徴とする。
【0011】
この発明では、第1中立カット弁の第1スプールと第2中立カット弁の第2スプールとが、バルブブロックに形成された同一の貫通孔内に収容されるので、第1スプールと第2中立カット弁の第2スプールとを個別の収容孔に設ける場合に比べ、加工の工数を低減できる。
【0012】
また、本発明では、第1回路系統は、第1中立通路における第1中立カット弁の下流に設けられ、第1中立通路の最高圧を規定する第1リリーフ弁をさらに有し、第2回路系統は、第2中立通路における第2中立カット弁の下流に設けられ、第2中立通路の最高圧を規定する第2リリーフ弁をさらに有し、第1中立カット弁、第2中立カット弁、第1リリーフ弁及び第2リリーフ弁は、第1領域または第2領域のうち、いずれかの同じ領域に設けられることを特徴とする。
【0013】
この発明では、第1領域または第2領域に生じていたデッドスペースを有効に利用することで、バルブブロックの大型化を抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、中立カット弁を新たに追加する場合に、追加する中立カット弁を収容するスペースを新たに確保する必要がないので、流体圧制御装置の大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る流体圧制御装置を示す回路図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る第1中立カット弁及び第2中立カット弁近傍の構造断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る流体圧制御装置における第1領域及び第2領域の概念を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る流体圧制御装置100について説明する。
【0017】
流体圧制御装置100は、例えばパワーショベル等の作業機に用いられる。ここでは、作業機がパワーショベルである場合について説明するが、流体圧制御装置100は、ホイールローダ等の他の作業機にも適用可能である。また、流体圧制御装置100では、作動流体として作動油が用いられるが、作動水等の他の流体を作動流体として用いてもよい。
【0018】
図1に示すように、流体圧制御装置100は、第1ポンプP1に接続され第1ポンプP1から作動油が供給される第1回路系統10と、第2ポンプP2に接続され第2ポンプP2から作動油が供給される第2回路系統20と、を備える。
【0019】
第1回路系統10は、第1ポンプP1から供給される作動油をタンクTへ導く第1中立通路11と、第1中立通路11に直列に接続される第1制御弁121~125と、第1制御弁121~125より上流側の第1中立通路11から分岐する第1パラレル通路13と、を備える。第1制御弁121~125は、第1中立通路11によって直列に接続され、第1パラレル通路13によって並列に接続される。
【0020】
第1ポンプP1から吐出された作動油は、上流側から順に、第1走行用制御弁121、予備用制御弁122、旋回用制御弁123、ブーム2速用制御弁124、及びアーム1速用制御弁125に導かれる。第1走行用制御弁121は、パワーショベル(図示せず)の車体の左側に設けられる走行用モータへの作動油の給排を制御する。予備用制御弁122は、バケットの代わりに取り付けられるブレーカやクラッシャ等のアタッチメントを駆動するアクチュエータへの作動油の給排を制御する。旋回用制御弁123は、車体の上部に配置される旋回体を旋回させる旋回モータへの作動油の給排を制御する。ブーム2速用制御弁124は、ブームを駆動するアクチュエータへの作動油の給排を制御する。アーム1速用制御弁125は、アームを駆動するアクチュエータ(アームシリンダ90)への作動油の給排を制御する。
【0021】
第1回路系統10では、全ての第1制御弁121~125が中立位置にある場合、第1ポンプP1から供給される作動油は第1中立通路11によってタンクTへ還流される。これに対して、第1制御弁121~125のうち少なくとも一つが作動位置にある場合、第1中立通路11における第1ポンプP1とタンクTとの接続が遮断される。
【0022】
また、第1回路系統10では、第1制御弁121~124のいずれかが作動位置に切り換えられて第1中立通路11における第1ポンプP1とタンクTとの接続が遮断された場合でも、第1ポンプP1から供給される作動油を、第1パラレル通路13を通じて各第1制御弁122~125に供給することができる。
【0023】
第1回路系統10は、第1中立通路11における第1制御弁121~125の下流に設けられ、第1中立通路11とタンクTとの接続を連通または遮断する第1中立カット弁40と、第1中立通路11における第1中立カット弁40の下流に設けられ、第1中立通路11の最高圧を規定する第1リリーフ弁81と、をさらに備える。第1中立カット弁40は、
図1におけるG位置(通常位置)にある場合、第1中立通路11とタンクTとの接続を連通し、H位置(遮断位置)にある場合、第1中立通路11とタンクTとの接続を遮断する。
【0024】
次に、第1中立カット弁40の作用について具体的に説明する。
【0025】
第1中立カット弁40は、パイロット圧が供給されていない状態では、
図1におけるG位置(通常位置)に位置する。この状態では、第1中立通路11におけるアーム1速用制御弁125の下流から第1中立カット弁40に流入した作動油は、タンクTに還流される。つまり、第1中立カット弁40がG位置(通常位置)にあるときには、第1中立通路11とタンクTとが連通する。
【0026】
この状態から、第1中立カット弁40にパイロット圧が供給されると、
図1におけるH位置(遮断位置)に切り換わる。この状態では、第1中立通路11におけるアーム1速用制御弁125の下流から第1中立カット弁40に流入した作動油は、タンクTへ流出することが阻止される。つまり、第1中立カット弁40をH位置(遮断位置)に切り換えることによって、第1中立通路11とタンクTとの接続が遮断される。これにより、第1中立通路11を流れる作動油は、第1中立通路11におけるアーム1速用制御弁125と第1中立カット弁40との間から分岐した第1外部出力ポート19に導かれる。第1外部出力ポート19に導かれた作動油は、油圧機器を駆動することなどに用いられる。
【0027】
次に、アーム1速用制御弁125について、
図1を参照して説明する。
【0028】
図1に示すように、アーム1速用制御弁125には、第1中立通路11と、第1中立通路11から分岐し、アームシリンダ90を駆動するための作動油を供給する供給通路12と、アームシリンダ90における高負荷側の圧力室90aに連通する第1シリンダ通路91aと、アームシリンダ90における低負荷側の圧力室90bに連通する第2シリンダ通路91bと、圧力室90aの作動油をタンクTへ排出する第1タンク通路14と、圧力室90bの作動油をタンクTへ排出する第2タンク通路15と、が接続される。
【0029】
供給通路12には、第1パラレル通路13(第1パラレル下流側通路13b)が合流する。供給通路12における供給通路12と第1パラレル通路13(第1パラレル下流側通路13b)との合流部Pより上流側には、作動油の逆流を防止するチェック弁17が設けられる。また、第1パラレル通路13における供給通路12と第1パラレル通路13(第1パラレル下流側通路13b)との合流部Pより上流側には、上流側から順に、作動油の逆流を防止するチェック弁76と、第1パラレル通路13を通過する作動油の流量を制御する流量制御弁70と、が設けられる。
【0030】
第1タンク通路14には、第1タンク通路14を通過する作動油の流量をパイロット圧力に応じて制御する再生解除弁50が設けられる。再生解除弁50の機能については、後で説明する。
【0031】
アーム1速用制御弁125は、
図1に示される中立位置Aと、
図1の右側に示される高負荷側作動位置Bと、
図1の左側に示される低負荷側作動位置Cと、の3つの位置に切り換えられる。アーム1速用制御弁125の位置A、B、Cは、アーム1速用制御弁125の両端に設けられるパイロット室125a、125bに供給されるパイロット圧力に応じて切り換えられる。パイロット圧力がいずれのパイロット室125a、125bにも作用していない場合には、アーム1速用制御弁125はアーム1速用制御弁125の両側に設けられるばね125cの付勢力によって中立位置Aとなる。パイロット圧力がパイロット室125bに供給されると、アーム1速用制御弁125は高負荷側作動位置Bに切り換わり、パイロット圧力がパイロット室125aに供給されると、アーム1速用制御弁125は低負荷側作動位置Cに切り換わる。
【0032】
中立位置Aでは、第1中立通路11はタンクTに接続され、その他の通路は遮断される。これにより、アームシリンダ90の圧力室90a、90bには作動油が給排されず、アームシリンダ90は、その位置で保持される。
【0033】
高負荷側作動位置Bでは、第1中立通路11が遮断され、供給通路12が第1シリンダ通路91aに接続されるとともに、第2シリンダ通路91bが第2タンク通路15に接続される。これにより、第1ポンプP1から吐出された作動油は、第1中立通路11及び第1パラレル通路13(第1パラレル下流側通路13b)から供給通路12及び第1シリンダ通路91aを通じて圧力室90aに供給される。また、圧力室90b内の作動油は、第2シリンダ通路91b及び第2タンク通路15を通じてタンクTに排出される。
【0034】
低負荷側作動位置Cでは、第1中立通路11が遮断され、供給通路12が第2シリンダ通路91bに接続されるとともに、第1シリンダ通路91aが第1タンク通路14に接続される。これにより、第1ポンプP1から吐出された作動油は、第1中立通路11及び第1パラレル通路13から供給通路12及び第2シリンダ通路91bを通じて圧力室90bに供給される。また、圧力室90a内の作動油は、第1シリンダ通路91a及び第1タンク通路14を通じてタンクTに排出される。このとき、再生解除弁50によって第1タンク通路14を通じてタンクTに排出される作動油の流量が制御される。
【0035】
また、アーム1速用制御弁125内には、低負荷側作動位置Cにおいて第1シリンダ通路91aと第1タンク通路14とを接続する第1内部通路126と、供給通路12と第2シリンダ通路91bとを接続する第2内部通路127と、第1内部通路126と第2内部通路127とを接続する再生通路128と、が形成される。再生通路128には、第1内部通路126から第2内部通路127への流れのみを許容するチェック弁129が設けられる。したがって、圧力室90aから排出される作動油を再生通路128を通じて圧力室90bに再生することができる。なお、第1内部通路126には、圧力室90aから排出される作動油の流量を規制する絞りが設けられる。
【0036】
次に、再生解除弁50の作用について説明する。
【0037】
再生解除弁50は、アーム1速用制御弁125を低負荷側作動位置Cに切り換えた場合に、高負荷側の圧力室90aから第1タンク通路14を通じてタンクTに戻される作動油の流量を調整する。具体的には、アーム1速用制御弁125のパイロット室125aにパイロット圧力が供給されると、アーム1速用制御弁125は、低負荷側作動位置Cに切り換わる。これにより、アームシリンダ90の高負荷側の圧力室90a内の作動油が、第1シリンダ通路91a、第1内部通路126、第1タンク通路14、及び再生解除弁50を通じてタンクTに流出する。
【0038】
供給通路12からパイロット通路16を通じて再生解除弁50のパイロット圧室に作用するパイロット圧力が低い場合には、再生解除弁50の弁体が流路の一部を塞ぐことによって、流路が絞られた状態になる。この状態では、再生解除弁50を通過できる作動油の流量が少ない。したがって、圧力室90aから排出される作動油のほとんどは、再生通路128を通じて圧力室90bに再生される。
【0039】
この状態から、内部パイロット圧室55に作用するパイロット圧力が高くなっていくと、弁体がリターンスプリングの付勢力に抗して移動することにより、流路の面積が広がっていく。したがって、再生解除弁50を通過できる作動油の流量が増加し、圧力室90aから再生通路を通じて圧力室90bに再生される作動油の流量が減少する。再生解除弁50のパイロット圧室に作用するパイロット圧力がさらに高くなっていくと、弁体がさらにリターンスプリングの付勢力に抗して移動する。これにより、第1タンク通路14を通過できる作動油の流量がさらに増加する。したがって、圧力室90aから再生通路128を通じて圧力室90bに作動油は再生されず、圧力室90a内の作動油は、全量がタンクTへ排出される。
【0040】
このように、再生解除弁50は、パイロット圧室に作用するパイロット圧力に応じて第1タンク通路14を通過する作動油の流量を調整することで、圧力室90aから再生通路128を通じて圧力室90bに再生される流量を調整する。
【0041】
このように、内部パイロット形式の再生解除弁50を備えた流体圧制御装置100では、シリンダの複合動作などにより、供給通路12内の作動油の圧力が低下した場合、つまり、パイロット圧力が低下した場合には、再生解除弁50が、第1タンク通路14を絞ることによって圧力室90a内の作動油を圧力室90bに再生させることができる。これに対して、アームシリンダ90の単独操作など、供給通路12内の作動油の圧力が高い(低下しない)場合、つまり、パイロット圧力が高い場合には、再生解除弁50が第1タンク通路14を開放することによって、圧力室90a内の作動油を圧力室90bに再生させずにタンクTに排出する。なお、本実施形態では、再生解除弁50が、内部パイロット形式である場合を例に説明したが、再生解除弁50は、外部パイロット形式であってもよい。
【0042】
次に、流量制御弁70の作用について説明する。
【0043】
流量制御弁70は、第1パラレル通路13(第1パラレル下流側通路13b)上に設けられる。流量制御弁70は、外部からパイロット通路18を通じてパイロット圧室に供給される作動油の圧力(パイロット圧)に応じて、第1パラレル下流側通路13bを流れる作動油の流量を調整する。具体的には、流量制御弁70は、パイロット圧室に供給される作動油の圧力が高くなるにつれて、流量制御弁70を通過する作動油の流量(第1パラレル下流側通路13bの流量)を小さくする。第1パラレル下流側通路13bを流れる作動油は、供給通路12及びアーム1速用制御弁125を通じてアームシリンダ90に供給される。このため、流量制御弁70を通過する作動油の流量を制御することにより、アームシリンダ90に供給される作動油の流量を制御することができる。これにより、例えば、アームシリンダ90を含む複数のアクチュエータを複合操作した場合に、アームシリンダ90に供給される作動油の流量を制限することで、その分の作動油を他のアクチュエータに供給することができる。この結果、複数のアクチュエータを複合操作した場合に、アームシリンダ90のみが先行して駆動するといった状況を回避することができる。
【0044】
続いて、
図1を参照しながら、第2回路系統20について説明する。
【0045】
第2回路系統20は、第2ポンプP2から供給される作動油をタンクTへ導く第2中立通路21と、第2中立通路21に直列に接続される複数の第2制御弁221~224と、第2制御弁221~224より上流側の第2中立通路21から分岐する第2パラレル通路23と、を備える。第2制御弁221~224は、第2中立通路21によって直列に接続され、第2パラレル通路23によって並列に接続される。
【0046】
第2ポンプP2から吐出された作動油は、上流側から順に、第2走行用制御弁221、バケット用制御弁222、ブーム1速用制御弁223、及びアーム2速用制御弁224に導かれる。第2走行用制御弁221は、パワーショベル(図示せず)の車体の右側に設けられる走行用モータへの作動油の給排を制御する。バケット用制御弁222は、バケットを駆動するアクチュエータへの作動油の給排を制御する。ブーム1速用制御弁223は、ブームを駆動するアクチュエータへの作動油の給排を制御する。アーム2速用制御弁224は、アームを駆動するアクチュエータへの作動油の給排を制御する。
【0047】
第2回路系統20では、全ての第2制御弁221~224が中立位置にある場合、第2ポンプP2から供給される作動油は第2中立通路21によってタンクTへ還流される。これに対して、第2制御弁221~224のうち少なくとも一つが作動位置にある場合、第2中立通路21における第2ポンプP2とタンクTとの接続が遮断される。
【0048】
また、第2回路系統20では、第2制御弁221~223のいずれかが作動位置に切り換えられて第2中立通路21における第2ポンプP2とタンクTとの接続が遮断された場合でも、第2ポンプP2から供給される作動油を、第2パラレル通路23を通じて各第2制御弁222~224に供給することができる。
【0049】
第2回路系統20は、第2中立通路21におけるアーム2速用制御弁224の下流に設けられ、第2中立通路21とタンクTとの接続を連通または遮断する第2中立カット弁60と、第2中立通路21における第2中立カット弁60の下流に設けられ、第2中立通路21の最高圧を規定する第2リリーフ弁82と、をさらに備える。なお、第2中立カット弁60及び第2リリーフ弁82は、それぞれ第1中立カット弁40及び第1リリーフ弁81と同じ構成のものが用いられる。
【0050】
第2回路系統20は、第2中立通路21におけるアーム2速用制御弁224の下流であってかつ第2中立カット弁60の上流に連通し、第2ポンプP2から吐出された作動油を外部へ供給可能な第2外部出力ポート29をさらに備える。第2中立カット弁60の機能は、第1中立カット弁40と同じであるので、説明を省略する。
【0051】
第2回路系統20は、第2中立通路21における第2パラレル通路23との分岐点より下流であって第2走行用制御弁221より上流に接続される走行直進用制御弁25をさらに備える。走行直進用制御弁25には、第1パラレル通路13が接続される。第1パラレル通路13は、第1ポンプP1と走行直進用制御弁25とを接続する第1パラレル上流側通路13aと、走行直進用制御弁25と第1制御弁122~125とを接続する第1パラレル下流側通路13bと、を有する。
【0052】
走行直進用制御弁25は、
図1の右側に示す通常位置Dと、
図1の左側に示す走行直進位置Eと、の2つの位置に切り換えられる。走行直進用制御弁25の位置D、Eは、走行直進用制御弁25の両端に設けられるパイロット室25aに供給されるパイロット圧力に応じて切り換えられる。パイロット圧力がパイロット室25aにも作用していない場合には、走行直進用制御弁25は、ばね25bの付勢力によって通常位置Dとなる。パイロット圧力がパイロット室25aに供給されると、走行直進用制御弁25は、走行直進位置Eに切り換わる。
【0053】
通常位置Dでは、第1パラレル通路13の第1パラレル上流側通路13aが第1パラレル通路13の第1パラレル下流側通路13bに接続されるとともに、第2中立通路21が第2ポンプP2に接続される。これにより、第1ポンプP1から吐出された作動油は、第1中立通路11及び第1パラレル通路13を通じて各第1制御弁121~125に供給される。また、第2ポンプP2から吐出された作動油は、第2中立通路21及び第2パラレル通路23を通じて各第2制御弁221~224に供給される。つまり、走行用モータのみを操作する場合は、第1走行用制御弁121には、第1ポンプP1から吐出された作動油が供給され、第2走行用制御弁221には、第2ポンプP2から吐出された作動油が供給される。
【0054】
走行直進位置Eでは、第1パラレル通路13の第1パラレル上流側通路13aが走行直進用制御弁25より下流側の第2中立通路21に接続されるとともに、第1パラレル下流側通路13bが第2ポンプP2に接続される。つまり、走行用モータと走行用モータ以外のアクチュエータを同時操作した場合は、第1走行用制御弁121及び第2走行用制御弁221には、第1ポンプP1から吐出された作動油が供給され、他の第1制御弁122~125及び他の第2制御弁222~224には、第2ポンプP2から吐出された作動油が供給される。したがって、走行直進位置Eでは、走行用モータと走行用モータ以外のアクチュエータを同時操作しても、走行用モータ用の回路と走行用モータ以外のアクチュエータの回路とが独立することになるので、車体の走行直進性が確保される。
【0055】
図1に示すように、流体圧制御装置100では、第1回路系統10及び第2回路系統20の各バルブは、1つのバルブブロック3内に収容される。具体的には、
図3に示すように、バルブブロック3は、第1回路系統10における第1制御弁121~125が収容される第1領域R1と、第2回路系統20における第2制御弁221~224、及び走行直進用制御弁25が収容される第2領域R2と、を有する。本実施形態では、第1領域R1及び第2領域R2は、バルブブロック3の長手方向において、上下に分割されるようにして設けられる。
【0056】
図3に示すように、第1回路系統10の第1制御弁121~125は、第1領域R1内において、バルブブロック3の長手方向に並ぶように設けられる。第2回路系統20の第2制御弁221~224は、第2領域R2内においてバルブブロック3の長手方向に並ぶように設けられる。
【0057】
次に、第1中立カット弁40及び第2中立カット弁60の具体的な構造について
図2を参照しながら説明する。
図2は、第1中立カット弁40及び第2中立カット弁60が通常位置にある場合の断面を示す断面図である。なお、再生解除弁50、流量制御弁70、チェック弁76、及び第1、第2リリーフ弁81,82の構成は、一般的であるので説明を省略する。
【0058】
図2に示すように、バルブブロック3には、第1中立カット弁40の第1スプールとしてのスプール41と第2中立カット弁60の第2スプールとしてのスプール61とが収容される第1収容孔31が設けられる。第1収容孔31は、バルブブロック3の両側面に開口する円筒状の貫通孔として形成される。
【0059】
第1中立カット弁40は、第1収容孔31に収容され第1中立通路11とタンクTとの接続を遮断または連通するスプール41と、スプール41の一端側に設けられバルブブロック3とキャップ部材42とによって形成されたパイロット圧室43と、パイロット圧室43内に設けられ、スプール41を第1中立通路11とタンクTとが連通する方向(
図2における右方向)に付勢するリターンスプリング44と、を備える。キャップ部材42には、パイロット圧室43に対してパイロット圧力を給排するためのパイロットポート45が設けられる。
【0060】
スプール41は、第1収容孔31の内周面に沿って摺動する第1ランド部41a及び第2ランド部41bと、第1ランド部41aと第2ランド部41bとの間に形成された環状溝41cと、を備える。第1ランド部41aが第1収容孔31内を移動することにより、第1中立通路11は開閉される。
【0061】
第2中立カット弁60は、第1収容孔31に収容され第2中立通路21とタンクTとの接続を遮断または連通するスプール61と、スプール61の一端側に設けられバルブブロック3とキャップ部材62とによって形成されたパイロット圧室63と、パイロット圧室63内に設けられ、スプール61を第2中立通路21とタンクTとが連通する方向(
図2における左方向)に付勢するリターンスプリング64と、を備える。キャップ部材62には、パイロット圧室63に対してパイロット圧力を給排するためのパイロットポート65が設けられる。
【0062】
スプール61は、第1収容孔31の内周面に沿って摺動する第1ランド部61a及び第2ランド部61bと、第1ランド部61aと第2ランド部61bとの間に形成された環状溝61cと、を備える。第1ランド部61aが第1収容孔31内を移動することにより、第2中立通路21は開閉される。
【0063】
第1収容孔31におけるスプール41の他端とスプール61との間には、タンクTに連通するドレン室32が形成される。
【0064】
本実施形態の流体圧制御装置100では、第1中立カット弁40は、第2領域R2に設けられる。また、本実施形態の流体圧制御装置100では、第1回路系統10が、再生解除弁50や流量制御弁70を備えており、これらは、第1領域R1に設けられている。このため、例えば、第1中立カット弁40を第1領域R1に設けようとすると、
図2に示す断面の上方側に新たにスペースを確保する、あるいは、バルブブロック3を長手方向に延長するなどして新たにスペースを確保する必要がある。第2回路系統20は、再生解除弁50や流量制御弁70といったバルブを備えていないので、第2領域R2には、スペースに余裕がある。そこで、本実施形態の流体圧制御装置100では、第1中立カット弁40を第2領域R2に設けている。これにより、第1中立カット弁40を収容するスペースを新たに確保する必要がない。よって、第1中立カット弁40を設けても、流体圧制御装置100が大型化することを抑制できる。
【0065】
また、流体圧制御装置100では、第1中立カット弁40のスプール41と第2中立カット弁60のスプール61とが、同一の第1収容孔31内に収容される。これにより、スプール41とスプール61とを個別の収容孔に設ける場合に比べ、加工の工数を低減できる。さらに、流体圧制御装置100では、第1中立カット弁40のスプール41と第2中立カット弁60のスプール61とが、同一の第1収容孔31内に収容されることにより、スプール41とスプール61とが同軸上に配置される。これにより、第1中立カット弁40のスプール41と第2中立カット弁60のスプール61とがずれて配置される場合に比べ、流体圧制御装置100の大型化を抑制できる。
【0066】
なお、上記実施形態の流体圧制御装置100では、第1中立カット弁40のスプール41と第2中立カット弁60のスプール61とが、同一の第1収容孔31内に収容される場合を例に説明したが、第1中立カット弁40のスプール41と第2中立カット弁60のスプール61とを個別の収容孔に収容するようにしてもよい。また、バルブブロック3のスペースに余裕があれば、第1中立カット弁40のスプール41と第2中立カット弁60のスプール61とをずらして配置してもよい。
【0067】
また、流体圧制御装置100では、第1回路系統10の第1リリーフ弁81も、第2領域R2に設けられる。そして、第1中立カット弁40は、
図2に示す断面(バルブブロック3の長手方向と直交する断面)において、第1リリーフ弁81と第1領域R1に設けられた流量制御弁70との間に設けられる。このような構成とすることにより、第2領域R2におけるデッドスペースを有効に利用することでき、バルブブロック3の大型化を抑制できる。
【0068】
なお、上記実施形態では、第1回路系統10に再生解除弁50や流量制御弁70を設けている場合を例に説明したが、これに換えて、第2回路系統20に再生解除弁50や流量制御弁70などのバルブが設けられていてもよい。この場合には、第1中立カット弁40及び第2中立カット弁60を第1領域R1に設けるようにすればよい。
【0069】
また、上記実施形態では、第1回路系統10に再生解除弁50や流量制御弁70を設けている場合を例に説明したが、これに限らず、アームシリンダ90の速度を切り換える速度切換弁などの他の機能のバルブを設けた場合にも適用できる。さらに、第1回路系統10が再生解除弁50及び流量制御弁70を備えていない構成であってもよい。この場合であっても、第1中立カット弁40及び第2中立カット弁60を第1領域R1または第2領域R2のいずれかに設けることにより、第1中立カット弁40及び第2中立カット弁60が存在しないスペースを除去することができる。
【0070】
上記実施形態では、流量制御弁70を外部パイロット形式としたが、これに限らず、例えば、いずれかのアクチュエータの負荷圧をパイロット圧とする内部パイロット形式としてもよい。
【0071】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0072】
流体圧制御装置100は、第1ポンプP1に接続されアクチュエータを制御する第1制御弁121~125を少なくとも1つ有する第1回路系統10と、第2ポンプP2に接続されアクチュエータを制御する第2制御弁221~224を少なくとも一つ有する第2回路系統20と、第1制御弁121~125が収容される第1領域R1と第2制御弁221~224が収容される第2領域R2とを有するバルブブロック3と、を備え、第1回路系統10は、全ての第1制御弁121~125が中立位置にある場合に第1ポンプP1の作動流体をタンクTに還流させる第1中立通路11と、第1中立通路11における第1制御弁121~125の下流に設けられ、第1中立通路11とタンクTとの接続を連通または遮断する第1中立カット弁40と、を有し、第2回路系統20は、全ての第2制御弁221~224が中立位置にある場合に第2ポンプP2の作動流体をタンクTに還流させる第2中立通路21と、第2中立通路21における第2制御弁221~224の下流に設けられ、第2中立通路21とタンクTとの接続を連通または遮断する第2中立カット弁60と、を有し、第1中立カット弁40と第2中立カット弁60は、第1領域R1及び第2領域R2のいずれか一方に収容される。
【0073】
この構成では、第1中立カット弁40と第2中立カット弁60は、第1領域R1及び第2領域R2のいずれか一方に収容されるので、例えば、第1中立カット弁40を新たに追加する場合に、既に第2中立カット弁60が設けられている第2領域R2に第1中立カット弁40を収容することができるため、追加する第1中立カット弁40を収容するスペースを新たに確保する必要がない。よって、流体圧制御装置100の大型化を抑制できる。
【0074】
また、流体圧制御装置100では、第1中立カット弁40が、第1中立通路11とタンクTとの接続を遮断または連通するスプール41(第1スプール)を有し、第2中立カット弁60は、第2中立通路21とタンクTとの接続を遮断または連通するスプール61(第2スプール)を有し、スプール41(第1スプール)とスプール61(第2スプール)は、同軸上に配置される。
【0075】
この構成では、第1中立カット弁40のスプール41(第1スプール)と第2中立カット弁60のスプール61(第2スプール)とが、同軸上に配置されるので、第1中立カット弁40のスプール41(第1スプール)と第2中立カット弁60のスプール61(第2スプール)とがずれて配置される場合に比べ、流体圧制御装置100の大型化を抑制できる。
【0076】
また、流体圧制御装置100では、スプール41(第1スプール)とスプール61(第2スプール)は、バルブブロック3に形成された同一の貫通孔(第1収容孔31)内に収容される。
【0077】
この構成では、第1中立カット弁40のスプール41(第1スプール)と第2中立カット弁60のスプール61(第2スプール)とが、バルブブロック3に形成された同一の貫通孔(第1収容孔31)内に収容されるので、スプール41(第1スプール)とスプール61(第2スプール)とを個別の収容孔に設ける場合に比べ、加工の工数を低減できる。
【0078】
また、流体圧制御装置100では、第1回路系統10は、第1中立通路11における第1中立カット弁40の下流に設けられ、第1中立通路11の最高圧を規定する第1リリーフ弁81をさらに有し、第2回路系統20は、第2中立通路21における第2中立カット弁60の下流に設けられ、第2中立通路21の最高圧を規定する第2リリーフ弁82をさらに有し、第1中立カット弁40、第2中立カット弁60、第1リリーフ弁81及び第2リリーフ弁82は、第1領域R1または第2領域R2のうち、いずれかの同じ領域に設けられる。
【0079】
この構成では、第1領域R1または第2領域R2に生じていたデッドスペースを有効に利用することで、バルブブロック3の大型化を抑制できる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0081】
上記実施形態では、バルブブロック3は、1つの部材によって形成された場合を例に説明したが、バルブブロック3は、複数のブロックを積層して構成されていてもよいし、第1領域R1と第2領域R2に相当するバルブブロックをそれぞれ設ける構成であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
100・・・流体圧制御装置、3・・・バルブブロック、10・・・第1回路系統、11・・・第1中立通路、12・・・供給通路、13・・・第1パラレル通路、13a・・・第1パラレル上流側通路、13b・・・第1パラレル下流側通路、16・・・パイロット通路、17・・・チェック弁、18・・・パイロット通路、20・・・第2回路系統、21・・・第2中立通路、23・・・第2パラレル通路、25・・・走行直進用制御弁、26・・・合流通路、31・・・第1収容孔(貫通孔)、40・・・第1中立カット弁、41・・・スプール(第1スプール)、43・・・パイロット圧室、44・・・リターンスプリング、45・・・パイロットポート、50・・・再生解除弁、60・・・第2中立カット弁、61・・・スプール(第2スプール)、63・・・パイロット圧室、64・・・リターンスプリング、65・・・パイロットポート、70・・・流量制御弁、76・・・チェック弁、81・・・第1リリーフ弁、82・・・第2リリーフ弁、90・・・アームシリンダ、121・・・第1走行用制御弁(第1制御弁)、122・・・予備用制御弁(第1制御弁)、123・・・旋回用制御弁(第1制御弁)、124・・・ブーム2速用制御弁(第1制御弁)、125・・・アーム1速用制御弁(第1制御弁)、221・・・第2走行用制御弁(第2制御弁)、222・・・バケット用制御弁(第2制御弁)、223・・・ブーム1速用制御弁(第2制御弁)、224・・・アーム2速用制御弁(第2制御弁)P1・・・第1ポンプ、P2・・・第2ポンプ、R1・・・第1領域、R2・・・第2領域