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特開2024-85674ホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085674
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】ホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200331
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】横井 佐代子
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA09
5J047AB09
5J047BG02
5J047BG05
(57)【要約】
【課題】ホーンアンテナの中心位置を明確にできるとともに、ホーンアンテナを容易に設置できるホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法を提供する。
【解決手段】ホーンアンテナ2に固定されるホーンアンテナ固定部と、ホーンアンテナ固定部と接続され、ホーンアンテナ2の開口側の端部における中心位置2bと重なって配置され、中心位置2bと重なる中心対応位置313aが明示された中心明示部と、ホーンアンテナ固定部および中心明示部の少なくとも一方と接続され、ホーンアンテナ2の軸線2aに沿った方向にレーザーを照射するレーザー照射装置5と、を有し、中心明示部は、中心対応位置313aに設けられ下げ振り6を取り付け可能な第1孔部315(第1下げ振り取付部)を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーンアンテナに固定されるホーンアンテナ固定部と、
前記ホーンアンテナ固定部と接続され、前記ホーンアンテナの開口側の端部における中心位置と重なって配置され、前記中心位置と重なる中心対応位置が明示された中心明示部と、
前記ホーンアンテナ固定部および前記中心明示部の少なくとも一方と接続され、前記ホーンアンテナの軸線に沿った方向にレーザーを照射するレーザー照射装置と、を有し、
前記中心明示部は、前記中心対応位置に設けられ下げ振りを取り付け可能な第1下げ振り取付部を有するホーンアンテナの位置合わせ治具。
【請求項2】
前記ホーンアンテナの外周に固定され前記ホーンアンテナが前記開口が斜め上方を向く姿勢になると前記ホーンアンテナの下方に位置する外周固定部を有し、
前記外周固定部は、前記中心位置の鉛直方向下側となる位置に設けられ下げ振りを取り付け可能な第2下げ振り取付部を有し、
前記第2下げ振り取付部は、前記外周固定部における前記ホーンアンテナの複数の傾斜角度それぞれに対応した複数の位置に設けられている請求項1に記載のホーンアンテナの位置合わせ治具。
【請求項3】
前記外周固定部は、前記ホーンアンテナ固定部に着脱可能である請求項2に記載のホーンアンテナの位置合わせ治具。
【請求項4】
請求項1に記載のホーンアンテナの位置合わせ治具を用いたホーンアンテナの位置合わせ方法であって、
前記ホーンアンテナの位置合わせ治具を前記ホーンアンテナに固定し、
前記第1下げ振り取付部に取り付けられた下げ振りの下端を、前記ホーンアンテナを設置する設置面における前記ホーンアンテナの前記中心位置の鉛直方向下側となる位置に合わせるように前記ホーンアンテナを前記設置面に設置し、
前記レーザー照射装置でレーザーを照射して、前記ホーンアンテナから送信する電磁波を反射させる点に前記レーザーが到達するように前記ホーンアンテナの向きを調整するホーンアンテナの位置合わせ方法。
【請求項5】
請求項2に記載のホーンアンテナの位置合わせ治具を用いたホーンアンテナの位置合わせ方法であって、
前記ホーンアンテナの位置合わせ治具を前記ホーンアンテナに固定し、前記ホーンアンテナを前記開口が斜め上方を向く姿勢とし、
前記ホーンアンテナの傾斜角度に対応した前記第2下げ振り取付部に取り付けられた下げ振りの下端を、前記ホーンアンテナを設置する設置面における前記ホーンアンテナの前記中心位置の鉛直方向下側となる位置に合わせるように前記ホーンアンテナを前記設置面に設置し、
前記レーザー照射装置でレーザーを照射して、前記ホーンアンテナから送信する電磁波を反射させる点に前記レーザーが到達するように前記ホーンアンテナの向きを調整するホーンアンテナの位置合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内の電磁波伝播のシミュレーションでは、誘電率をパラメータとして使用している。誘電率を測定する方法として、自由空間法がある。自由空間法では、2つのアンテナのうち一方のアンテナから対象となる建材に向かって電磁波を送信し、反射した電磁波を他方のアンテナで受信する(例えば、特許文献1参照)。
ミリ波の電磁波を送受信する場合は、底面が開口した角錐台のホーン形状のホーンアンテナを使用する。ホーンアンテナは、中心(軸線上)の電波強度が大きい。このため、ホーンアンテナの軸線の先に測定対象物における電磁波を反射させる所定の点(ターゲット)が位置するようにホーンアンテナを設置する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-101300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ホーンアンテナは、中空の構造であり、その中心を印をつけるなどして明確にすることができない。このため、ホーンアンテナの設置の際には、ホーンアンテナの中心を目視で特定している。また、ホーンアンテナの設置の際に下げ振りを使用する場合には、目視で特定したホーンアンテナの中心の鉛直方向の下方または上方となる位置に下げ振りを取り付けている。
このため、ホーンアンテナの中心の位置に誤差が生じ、測定に影響する懸念があるとともに、ホーンアンテナの中心を目視で特定しなければならずホーンアンテナの設置作業が煩雑である。
【0005】
そこで本発明は、ホーンアンテナの中心位置を明確にできるとともに、ホーンアンテナを容易に設置できるホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るホーンアンテナの位置合わせ治具は、前記ホーンアンテナに固定されるホーンアンテナ固定部と、前記ホーンアンテナ固定部と接続され、前記ホーンアンテナの開口側の端部における中心位置と重なって配置され、前記中心位置と重なる中心対応位置が明示された中心明示部と、前記第1固定部および前記中心明示部の少なくとも一方と接続され、前記ホーンアンテナの軸線に沿った方向にレーザーを照射するレーザー照射装置と、を有し、前記中心明示部は、前記中心対応位置に設けられ下げ振りを取り付け可能な第1下げ振り取付部を有する。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るホーンアンテナの位置合わせ方法は、上記のホーンアンテナの位置合わせ治具を用いたホーンアンテナの位置合わせ方法であって、前記ホーンアンテナの位置合わせ治具を前記ホーンアンテナに固定し、前記第1下げ振り取付部に取り付けられた下げ振りの下端を、前記ホーンアンテナを設置する設置面における前記ホーンアンテナの前記中心位置の鉛直方向下側となる位置に合わせるように前記ホーンアンテナを前記設置面に設置し、前記レーザー照射装置でレーザーを照射して、前記ホーンアンテナから送信する電磁波を反射させる点に前記レーザーが到達するように前記ホーンアンテナの向きを調整する。
【0008】
本発明では、ホーンアンテナにホーンアンテナの位置合わせ治具を取り付けることにより、ホーンアンテナの中心位置を明確にできる。第1下げ振り取付部に取り付けられた下げ振りの下端は、ホーンアンテナの中心位置の鉛直方向下側となる位置に配置されることにより、平面視におけるホーンアンテナの中心位置を明確にできる。
ホーンアンテナの中心位置からホーンアンテナの軸線に沿った方向にレーザーを照射し、その位置を調整するようにして、ホーンアンテナの向きを調整することによって、ホーンアンテナの向きを電磁波の送受信に最適な向きにすることができる。
このように、ホーンアンテナの中心位置が明確にでき、位置や向きを容易に調整できるため、ホーンアンテナを容易に設置できる。
【0009】
本発明に係るホーンアンテナの位置合わせ治具では、前記ホーンアンテナの外周に固定され前記ホーンアンテナが前記開口が斜め上方を向く姿勢になると前記ホーンアンテナの下方に位置する外周固定部を有し、前記外周固定部は、前記中心位置の鉛直方向下側となる位置に設けられ下げ振りを取り付け可能な第2下げ振り取付部を有し、前記第2下げ振り取付部は、前記外周固定部における前記ホーンアンテナの複数の傾斜角度それぞれに対応した複数の位置に設けられていてもよい。
【0010】
本発明に係るホーンアンテナの位置合わせ治具は、上記のホーンアンテナの位置合わせ治具を用いたホーンアンテナの位置合わせ方法であって、前記ホーンアンテナの位置合わせ治具を前記ホーンアンテナに固定し、前記ホーンアンテナを前記開口が斜め上方を向く姿勢とし、前記ホーンアンテナの傾斜角度に対応した前記第2下げ振り取付部に取り付けられた下げ振りの下端を、前記ホーンアンテナを設置する設置面における前記ホーンアンテナの前記中心位置の鉛直方向下側となる位置に合わせるように前記ホーンアンテナを前記設置面に設置し、前記レーザー照射装置でレーザーを照射して、前記ホーンアンテナから送信する電磁波を反射させる点に前記レーザーが到達するように前記ホーンアンテナの向きを調整する。
【0011】
このような構成とすることにより、ホーンアンテナが斜め上方を向くように設置される場合でも、ホーンアンテナの傾斜角度に対応した位置の第2下げ振り取付部に下げ振りを取り付けることにより、平面視におけるホーンアンテナの中心位置を明確にできる。
【0012】
本発明に係るホーンアンテナの位置合わせ治具では、前記外周固定部は、前記ホーンアンテナ固定部に着脱可能であってもよい。
【0013】
このような構成とすることにより、ホーンアンテナの位置合わせ治具を必要に応じて外周固定部が設けられて第2下げ振り取付部が設けられた形態と、第2下げ振り取付部が設けられていない形態と、に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホーンアンテナの中心位置を明確にできるとともに、ホーンアンテナを容易に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】壁に電磁波を送受信するホーンアンテナの位置合わせ方法を示す図である。
図2】ホーンアンテナの斜視図である。
図3】床に電磁波を送受信するホーンアンテナの位置合わせ方法を示す図である。
図4】天井に電磁波を送受信するホーンアンテナの位置合わせ方法を示す図である。
図5】ホーンアンテナの位置合わせ治具の斜視図である。
図6】ホーンアンテナの位置合わせ治具が取り付けられたホーンアンテナの斜視図である。
図7】ホーンアンテナの位置合わせ治具が取り付けられたホーンアンテナを下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法について、図1図7に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具1は、ホーンアンテナ2に取り付けられて使用される。本実施形態では、ホーンアンテナの位置合わせ治具1は、建物の壁面11、床面12、天井面13(図4参照)などの所定の点(ターゲット11a,12a,13a)に向かって電磁波を送信するホーンアンテナ2と、ターゲットで反射した電磁波を受信する他のホーンアンテナ2と、を設置する際の位置合わせに使用される。
【0017】
図2に示すように、ホーンアンテナ2は、ホーン部21と、導波管部22と、を有する。ホーン部21は、四角錐台状であり、四角錐台の底部が開口している。ホーン部21は、中空である。導波管部22は、長方形状であり、ホーン部21の頂部に接続されている。
ホーン部21における四角錐台の頂部に対する底部側を開口側と表記する。ホーン部21の四角錐台の軸線をホーンアンテナ2の軸線2aと表記する。ホーン部21の開口側の端部における中心位置(上記四角錐台の底部の中心位置)をホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bと表記する。
【0018】
ホーン部21は、四角錐台を形成する4つの平板状の板部を有する。4つの板部は、第1ホーン板部211、第2ホーン板部212、第3ホーン板部213および第4ホーン板部214であり、この順に軸線2a回りに配置され、隣り合う板部どうしが接続されている。
第1ホーン板部211と第3ホーン板部213とは、同一の形状である。第2ホーン板部212と第4ホーン板部214とは、同一の形状である。本実施形態のホーン部21の内部には、リッジ215が設けられている。
ホーンアンテナ2は、例えば、アルミニウムや、アルミニウムに銅を積層しグラスファイバー強化エポキシ樹脂をコーティングした材料で製作されている。
【0019】
図1に示すように、ホーンアンテナ2は、床面12(設置面)に設置された三脚などの支持台23に取り付けられている。ホーンアンテナ2は、軸線2a上の電波強度が大きいため、軸線2aの先にターゲット11aが位置するように設置される。
図3および図4に示すように、ホーンアンテナ2は、鉛直方向の下側および上側以外に開口する向きに設置される場合には、第1ホーン板部211が第3ホーン板部213の下側に配置されるように設置する。
【0020】
図5に示すように、ホーンアンテナの位置合わせ治具1は、ホーンアンテナ取付部3と、外周固定部4と、レーザー照射装置5と、を有する。
図6および図7に示すように、ホーンアンテナ取付部3は、ホーンアンテナ2の内部に設けられホーンアンテナ2にクリップ7などで固定される。図7に示すように、外周固定部4は、ホーンアンテナ2の外周面に沿って設けられ、ホーンアンテナ2にクリップ(不図示)などで固定される。レーザー照射装置5は、ホーンアンテナ取付部3に取り付けられる。
本実施形態の外周固定部4は、ホーンアンテナ取付部3に着脱可能である。図6に示すホーンアンテナの位置合わせ治具1は、外周固定部4が取り外されている。図7に示すホーンアンテナの位置合わせ治具1は、外周固定部4が取り付けられている。
【0021】
図5および図6に示すように、ホーンアンテナ取付部3は、角錐台状の本体部31と、本体部31と接続され、レーザー照射装置5が設置されるレーザー照射装置設置部32と、を有する。
本体部31は、四角錐台状であり、四角錐台の底部が開口している。本体部31は、中空である。
【0022】
本体部31は、四角錐台を形成する4つの平板状の板部を有する。4つの板部は、第1本体板部311、第2本体板部312、第3本体板部313および第4本体板部314であり、この順に四角錐台の周回りに配置され、隣り合う板部どうしが接続されている。本体部31においても四角錐台の頂部に対する底部側を開口側と表記する。
本体部31は、例えば、透明のアクリル樹脂製の板材を接着剤で接着して製作されている。
図6に示すように、第1本体板部311は、第1ホーン板部211と略同じ形状である。第2本体板部312は、第2ホーン板部212における第1ホーン板部211側の半分と略同じ形状である。第4本体板部314は、第4ホーン板部214における第1ホーン板部211側の半分と略同じ形状である。第2本体板部312と第4本体板部314とは同じ形状である。
【0023】
本体部31は、第1本体板部311が第1ホーン板部211の内側に重なり、第2本体板部312が第2ホーン板部212における第1ホーン板部211側の半分の内側に重なり、第4本体板部314が第4ホーン板部214における第1ホーン板部211側の半分の内側に重なり、第3本体板部313がホーン部21の中間部に配置されるようにホーンアンテナ2の内部に取り付けられる。第1本体板部311、第2本体板部312および第3本体板部313の少なくとも1つがホーンアンテナ2にクリップなどで固定される。
【0024】
本体部31がホーンアンテナ2の内部に取り付けられると、第3本体板部313は、ホーンアンテナ2の軸線2aと重なる位置に配置される。第3本体板部313の開口側の端部で、ホーンアンテナ2の軸線2aと重なる位置を中心対応位置313aと表記する。第3本体板部313の中心対応位置313aは、ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bと重なる。第3本体板部313の中心対応位置313aは、第2本体板部312と第4本体板部314とを結ぶ方向の中央に配置されている。
第1本体板部311、第2本体板部312および第4本体板部314は、特許請求の範囲の「ホーンアンテナ固定部」に相当する。第3本体板部313は、特許請求の範囲の「中心明示部」に相当する。
【0025】
第3本体板部313の中心対応位置313aには、下げ振り6を吊り下げることが可能な第1孔部315が形成されている。第1孔部315は、特許請求の範囲の「第1下げ振り取付部」に相当する。
【0026】
レーザー照射装置設置部32は、角筒状に形成され、第3本体板部313の開口側に接続されている。レーザー照射装置設置部32は、例えば、透明のアクリル樹脂製の板材を接着剤で接着して製作されている。
レーザー照射装置5は、レーザー照射装置設置部32の内部に設置される。レーザー照射装置設置部32には、レーザー照射装置5のスイッチと重なる位置に孔部321が形成され、ネジ322が挿し込まれている。レーザー照射装置5は、ネジ322を締めたり緩めたりすることによって、ON/OFFが切り替えられる。レーザー照射装置設置部32に設置されたレーザー照射装置5は、ホーンアンテナ2の軸線2aに沿った方向にレーザーを照射する。
【0027】
図5に示すように、外周固定部4は、平板状である。外周固定部4の板面は、第1本体板部311の板面と略同じ形状である。外周固定部4は、第1本体板部311の開口側の縁部に丁番41を介して接続されている。
外周固定部4は、第1本体板部311に着脱可能である。
【0028】
図7に示すように、外周固定部4は、本体部31がホーンアンテナ2の内部に配置されてもホーンアンテナ2の内部に配置されず、第1ホーン板部211の下側に重なった状態で第1本体板部311とともにクリップ(不図示)などで第1ホーン板部211に固定される。このとき、第1ホーン板部211は、外周固定部4と第1本体板部311とに挟まれた状態となる。
図5および図7に示すように、外周固定部4には、下げ振り6を吊り下げることが可能な複数の第2孔部42が形成されている。複数の第2孔部42は、特許請求の範囲の「第2下げ振り取付部」に相当する。
【0029】
複数の第2孔部42は、外周固定部4における第1本体板部311と接続される側と第1本体板部311と離れる側とを結ぶ方向に間隔をあけて複数配列されている。図4に示すように、ホーンアンテナ2が斜め上向きに開口するように設置されると、第1孔部315は、第1本体板部311またはホーンアンテナ2の上側に配置される。このため、第1孔部315に下げ振り6を取り付けても、下げ振り6が第1本体板部311およびホーンアンテナ2と干渉してしまうことになる。
【0030】
第2孔部42は、外周固定部4における第1孔部315、すなわちホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に形成されている。第2孔部42は、ホーンアンテナ2の鉛直方向に対する傾斜角度が15°、22.5°、30°、37.5°、45°、52.5°、60°の場合それぞれの第1孔部315の鉛直方向下側となる位置に形成されている。図示していないが、外周固定部4には、複数の第2孔部42それぞれの周囲に対応する傾斜角度が表記されている。なお、第2孔部42を形成する際のホーンアンテナ2の鉛直方向に対する傾斜角度のピッチや第2孔部42の数は、適宜設定されてよい。
ホーンアンテナ2が斜め上向きに開口するように設置され場合には、複数の第2孔部42のうちのその傾斜角度に対応する第2孔部421に下げ振り6を設置することにより、下げ振り6をホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側に配置することができる。
【0031】
次に、本実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具を用いたホーンアンテナの位置合わせ方法について説明する。
図1に示すように、ホーンアンテナ2から壁面11に対して電磁波を送受信する場合は、ホーンアンテナ2の軸線2aが延びる方向が、水平方向になるようにホーンアンテナ2を設置する。ホーンアンテナ2の軸線2aが延びる方向は、壁面11に直交せず、壁面11に対して斜め方向から交差する方向である。ホーンアンテナ2が正位置に設置された際に、床面12におけるホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に目印12bを付ける。
【0032】
外周固定部4は、本体部31から外した状態とする。ホーンアンテナ2を軸線2aが水平になるように支持台23に固定する。ホーンアンテナ2の内部にホーンアンテナの位置合わせ治具1を設置する。第1孔部315に下げ振り6を取り付ける。ホーンアンテナの位置合わせ治具1は、ホーンアンテナ2を支持台23に固定する前にホーンアンテナ2に設置してもよい。
下げ振り6の下端6aがホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に付けられた目印12bの上に配置されるように、支持台23を設置する。第1孔部315の高さ、すなわちホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの高さを壁面11のターゲット11aの高さに合わせる。
レーザー照射装置5を駆動させ、レーザーが壁面11のターゲット11aに照射されるようにホーンアンテナ2の水平方向の向きを調整する。
下げ振り6の下端6aと壁面11との距離が、ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bとターゲット11aとの水平距離に相当する。
このようにすることによって、ホーンアンテナ2が正位置に設置される。
【0033】
図3に示すように、ホーンアンテナ2から床面12に対して電磁波を送受信する場合は、ホーンアンテナ2の軸線2aが延びる方向が、水平方向および鉛直方向に対して交差する方向となるようにホーンアンテナ2を設置する。ホーンアンテナ2は、斜め下方に開口している。ホーンアンテナ2が正位置に設置された際に、床面12におけるホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に目印12bを付ける。
【0034】
外周固定部4は、本体部31から外した状態とする。ホーンアンテナ2を上記の姿勢となる所定の角度で支持台23に固定する。本実施形態では、支持台23には、ホーンアンテナ2の取付角度を計測可能な目盛りが表示された目盛り板24が設けられている。ホーンアンテナ2に取り付けられたL字形の金具25に設けられた印251を目盛り板24の所定の角度の目盛り合わせることで、ホーンアンテナ2を所定の角度で支持台23に固定できる。
ホーンアンテナ2の内部にホーンアンテナの位置合わせ治具1を設置する。第1孔部315に下げ振り6を設置する。
【0035】
下げ振り6の下端6aがホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に付けられた目印12bの上に配置されるように、支持台23を設置する。
レーザー照射装置5を駆動させ、レーザーが床面12のターゲット12aに照射されるようにホーンアンテナ2の水平方向の向きを調整する。下げ振り6の下端6aとターゲット12aとの距離が、ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bとターゲット12aとの水平距離に相当する。
このようにすることによって、ホーンアンテナ2が正位置に設置される。
【0036】
図4に示すように、ホーンアンテナ2から天井面13に対して電磁波を送受信する場合は、ホーンアンテナ2の軸線2aが延びる方向が、水平方向および鉛直方向に対して交差する方向となるようにホーンアンテナ2を設置する。ホーンアンテナ2は、斜め上方に開口している。ここでは、ホーンアンテナ2をその軸線2aが鉛直方向に対して30°傾斜した状態に設置する。ホーンアンテナ2が正位置に設置された際に、床面12におけるホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に目印12bを付ける。
【0037】
外周固定部4は、本体部31に取り付けた状態とする。ホーンアンテナ2を鉛直方向に対して30°傾斜した姿勢で支持台23に固定する。上述しているホーンアンテナ2から床面12に対して電磁波を送受信する場合と同様に、ホーンアンテナ2の角度を調整する。
ホーンアンテナ2の内部にホーンアンテナ2の位置合わせ治具1を設置する。傾斜角度30°に対応する第2孔部42に下げ振り6を設置する。
下げ振り6の下端6aがホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に付けられた目印12bの上に配置されるように、支持台23を設置する。
レーザー照射装置5を駆動させ、レーザーが天井面13のターゲット13aに照射されるようにホーンアンテナ2の水平方向の向きを調整する。
このようにすることによって、ホーンアンテナ2が正位置に設置される。
【0038】
次に、本実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法の作用・効果について説明する。
本実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具1は、ホーンアンテナ2に取り付けられることにより、ホーンアンテナの中心位置を明確に示すことができる。第1孔部315(第1下げ振り取付部)に取り付けられた下げ振り6の下端6aは、ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bの鉛直方向下側となる位置に配置されることにより、平面視におけるホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bを明確にできる。
ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bからホーンアンテナ2の軸線2aに沿った方向にレーザーを照射し、その位置を調整するようにして、ホーンアンテナ2の向きを調整することによって、ホーンアンテナ2の向きを電磁波の送受信に最適な向きにすることができる。
このように、ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bが明確にでき、位置や向きを容易に調整できるため、ホーンアンテナ2を容易に設置できる。
【0039】
また、本実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具1は、ホーンアンテナ2の外周に固定されホーンアンテナ2が斜め上方を向く姿勢になるとホーンアンテナ2の下方に位置する外周固定部4を有する。外周固定部4は、中心位置の鉛直方向下側となる位置に設けられ下げ振り6を取り付け可能な第2孔部42(第2下げ振り取付部)を有する。第2孔部42は、前記周固定部におけるホーンアンテナ2の複数の傾斜角度それぞれに対応した複数の位置に設けられている。
このような構成とすることにより、ホーンアンテナ2が斜め上方を向くように設置される場合でも、ホーンアンテナ2の傾斜角度に対応した位置の第2孔部42に下げ振り6を取り付けることにより、平面視におけるホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bを明確にできる。
【0040】
また、本実施形態によるホーンアンテナの位置合わせ治具1では、外周固定部4は、ホーンアンテナ取付部3の第1本体板部311(ホーンアンテナ固定部)に着脱可能である。
このような構成とすることにより、ホーンアンテナの位置合わせ治具1を必要に応じて外周固定部4が設けられて第2孔部42が設けられた形態と、第2孔部42が設けられていない形態と、に切り替えることができる。
【0041】
以上、本発明によるホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、ホーンアンテナの位置合わせ治具1は、第2孔部42が形成された外周固定部4を備えているが、外周固定部4を備えていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、外周固定部4は、ホーンアンテナ取付部3の第1本体板部311に着脱可能であるが、取り外しできないように固定されていてもよい。
【0042】
上記の実施形態では、第1本体板部311、第2本体板部312および第4本体板部314が特許請求の範囲の「ホーンアンテナ固定部」に相当し、第3本体板部313が特許請求の範囲の「中心明示部」に相当している。ホーンアンテナ固定部は、ホーンアンテナ2に安定して固定可能な形状であれば、上記の形状以外であってもよい。また、中心明示部は、ホーンアンテナ2の開口側の中心位置2bを明示可能であれば、上記以外の形状であってもよい。
上記の実施形態では、ホーンアンテナ固定部に相当する、第1本体板部311、第2本体板部312および第4本体板部314がホーンアンテナ2にクリップで固定されているが、クリップ以外の固定具で固定されてもよい。
【0043】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable DevelopmentGoals:SDGs)」がある。
本実施形態に係るホーンアンテナの位置合わせ治具およびホーンアンテナの位置合わせ方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「9.産業と技術革新の基板をつくろう」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0044】
1 ホーンアンテナの位置合わせ治具
2 ホーンアンテナ
2a 軸線
2b 中心位置
4 外周固定部
5 レーザー照射装置
6 下げ振り
6a 下端
11a,12a,13a ターゲット(点)
12 床面(設置面)
31 本体部
32 レーザー照射装置設置部
41 丁番
42 第2孔部(第2下げ振り取付部)
311 第1本体板部(ホーンアンテナ固定部)
312 第2本体板部(ホーンアンテナ固定部)
313 第3本体板部(中心明示部)
313a 中心対応位置
314 第4本体板部(ホーンアンテナ固定部)
315 第1孔部(第1下げ振り取付部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7