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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085679
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】LED道路照明
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20240620BHJP
   F21V 21/108 20060101ALI20240620BHJP
   F21V 21/116 20060101ALI20240620BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240620BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240620BHJP
【FI】
F21S8/08 430
F21S8/08 112
F21V21/108
F21V21/116
F21V19/00 510
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200339
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】593042007
【氏名又は名称】株式会社因幡電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上籠 和人
(72)【発明者】
【氏名】目崎 高志
(72)【発明者】
【氏名】竹川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】篠澤 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】角地 俊行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 義隆
(72)【発明者】
【氏名】北島 達宏
(72)【発明者】
【氏名】石塚 健太郎
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA01
3K013EA03
(57)【要約】
【課題】支柱への車両衝突時に照明器具が落下する可能性を抑制可能なLED道路照明を提供する。
【解決手段】LED道路照明は、鉛直方向Zに延びる縦支柱1と、縦支柱1から道路側X1に延びる横支柱2と、横支柱2の内部に設けられるLED照明ユニット3と、を有する。横支柱2は、先端開口20と、下方Z1に開く照射開口21と、を有する。LED照明ユニット3は、横支柱2の内部において横支柱2の軸方向ADに沿ってスライド移動可能であり、照射開口21から下方Z1に光を照射可能な取付位置に対して横支柱2の外部から先端開口20を介して着脱可能に構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に延びる縦支柱と、
前記縦支柱から道路側に延びる横支柱と、
前記横支柱の内部に設けられるLED照明ユニットと、を備え、
前記横支柱は、先端開口と、下方に開く照射開口と、を有し、
前記LED照明ユニットは、前記横支柱の内部において前記横支柱の軸方向に沿ってスライド移動可能であり、前記照射開口から下方に光を照射可能な取付位置に対して前記横支柱の外部から前記先端開口を介して着脱可能に構成されている、LED道路照明。
【請求項2】
前記横支柱を構成する壁面のうち互いに対面する部位を貫通する貫通部材を備え、
前記貫通部材は、前記LED照明ユニットに干渉することで前記LED照明ユニットの前記先端開口からの抜脱を規制可能である、請求項1に記載のLED道路照明。
【請求項3】
前記貫通部材は、前記横支柱を構成する壁面のうち、前記取付位置にある前記LED照明ユニットよりも前記先端開口側に位置する部位を貫通している、請求項2に記載のLED道路照明。
【請求項4】
前記先端開口を閉塞する蓋体と、
前記蓋体を固定する蓋体固定具と、
前記蓋体固定具以外の接続具であって、前記蓋体を前記LED照明ユニットまたは前記横支柱に接続する蓋体ワイヤと、を有する、請求項3に記載のLED道路照明。
【請求項5】
前記LED照明ユニットと前記横支柱とを接続するユニットワイヤを備える、請求項1に記載のLED道路照明。
【請求項6】
前記鉛直方向に延び且つ前記縦支柱の周方向の複数個所に配置される縦部材を備え、
前記縦支柱は、前記横支柱が一体に形成された第1縦支柱と、前記第1縦支柱が先端に取り付けられる第2縦支柱と、を有し、
前記縦部材それぞれの上端部は前記第1縦支柱に固定され、前記縦部材それぞれの下端部は前記第2縦支柱に固定されている、請求項1~5のいずれかに記載のLED道路照明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、LED道路照明に関する。
【背景技術】
【0002】
道路照明柱は、一般道路や高速道路の道路脇又は中央分離帯に設けられる。LED道路照明器具は、道路照明柱の支柱の先端部にネジやクランプ部材などの接続部を介して取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-220312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車が道路照明柱の支柱に衝突するなど、非常に強い衝撃力が加わったとしても道路照明器具の落下を防止することが望ましい。
【0005】
本開示は、支柱への車両衝突時に照明器具が落下する可能性を抑制可能なLED道路照明を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のLED道路照明は、鉛直方向に延びる縦支柱と、前記縦支柱から道路側に延びる横支柱と、前記横支柱の内部に設けられるLED照明ユニットと、を備え、前記横支柱は、先端開口と、下方に開く照射開口と、を有し、前記LED照明ユニットは、前記横支柱の内部において前記横支柱の軸方向に沿ってスライド移動可能であり、前記照射開口から下方に光を照射可能な取付位置に対して前記横支柱の外部から前記先端開口を介して着脱可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】設置面10に設けられた第1実施形態の道路照明柱の縦支柱1及び横支柱2を示す側面図。
図2】横支柱2及び内部のLED照明ユニット3を示す拡大側面図。
図3】横支柱2を示す平面図及び底面図。
図4】横支柱2に対してLED照明ユニット3を取り付ける様子を示す側面図。
図5】横支柱2に対するLED照明ユニット3の取り付け構造を示す側面図。
図6】横支柱2に対するLED照明ユニット3の取り付け構造を示す底面図。
図7】LED照明ユニット3の取り付け構造を示す平面図。
図8】横支柱2に対してLED照明ユニット3を取り付けた状態において横支柱2の先端側(道路側X1)から見た正面図。
図9】第2実施形態の横支柱2及び縦支柱1の連結部分を示す側面図。
図10】第2実施形態の横支柱2及び縦支柱1の連結部分を示す裏面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、設置面10に設けられた第1実施形態の道路照明柱の縦支柱1及び横支柱2を示す側面図である。図2は、横支柱2及び内部のLED照明ユニット3を示す拡大側面図である。図3は、横支柱2を示す平面図及び底面図であり、図3(a)が平面図であり、図3(b)が底面図である。図4は、横支柱2に対してLED照明ユニット3を取り付ける様子を示す側面図である。図4において横支柱2は二点鎖線で示している。図5は、横支柱2に対するLED照明ユニット3の取り付け構造を示す側面図である。図5において横支柱2は二点鎖線で示している。図6は、横支柱2に対するLED照明ユニット3の取り付け構造を示す底面図である。図6において横支柱2は二点鎖線で示している。図7は、LED照明ユニット3の取り付け構造を示す平面図である。図7において横支柱2の図示を省略している。図8は、横支柱2に対してLED照明ユニット3を取り付けた状態において横支柱2の先端側(道路側X1)から見た正面図である。図8において、横支柱2を二点鎖線で示し、蓋体50を一点鎖線で示している。
【0009】
[縦支柱1及び横支柱2]
図1に示すように、照明柱を構成する縦支柱1が、路面や壁面の設置面10に設けられ、縦支柱1が設置面10から鉛直方向Zに延びている。縦支柱1の上端部には、縦支柱1から水平方向Xの道路側X1に延びる横支柱2が設けられている。縦支柱1は円柱状であり、横支柱2は直方体(ボックス状)に形成されている。第1実施形態において縦支柱1と横支柱2は金属材であり、縦支柱1と横支柱2が一体に形成されている。図3(b)に示すように、横支柱2には、下方Z1に開く照射開口21が形成されている。照射開口21は、底面視において、角部が面取りされた長方形状に形成されている。図6に示すように、照射開口21は、LED照明ユニット3よりも小さく、LED照明ユニット3が照射開口21から抜けることはない。図8に示すように、横支柱2の先端(道路側X1の先端)には、矩形状の先端開口20が形成されている。先端開口20は、LED照明ユニット3よりも大きく、これにより、LED照明ユニット3を先端開口20から挿入可能にしている(図4参照)。図3(b)に示すように、横支柱2は道路側X1(先端側)が上向きになっており、横支柱2の反道路側(基端側)には、水抜孔23が形成されている。すなわち、横支柱2の内部には水が浸入する可能性があり、横支柱2は密閉構造ではない。
【0010】
[LED照明ユニット3]
図2及び図5に示すように、照明器具であるLED照明ユニット3は、横支柱2の内部に設けられており、横支柱2の内部において、照射開口21から下方Z1に光を照射可能な取付位置(図5及び図6に示す)に取り付けられる。図6に示すように、LED照明ユニット3は、複数のLED素子30を有し、図3の矢印S1で示すように、照射開口21から下方Z1に光を照射する。また、図4に示すように、LED照明ユニット3は、横支柱2の内部において横支柱2の軸方向ADに沿ってスライド移動可能であり、図5及び図6に示す取付位置に対して、横支柱2の外部から先端開口20を介して着脱可能に構成されている。すなわち、LED照明ユニット3の横支柱2の外部から内部へのアクセスは、先端開口20を通すことでしか実現できない。よって、LED照明ユニット3は、横支柱2の先端開口20を通らなければ、横支柱2の外部に出ることがなく、縦支柱1への車両衝突時にLED照明ユニット3が落下する可能性を抑制可能となる。
【0011】
図4図8に示すように、LED照明ユニット3は、横支柱2の軸方向ADに沿って長尺状に形成されている。LED照明ユニット3は、LED素子30を有する直方体状の照明部31と、照明部31の上方に取り付けられる冷却部32と、冷却部32の長手方向両側に設けられる対の取付片33と、を有する。照明部31は、LED素子30、レンズ及び基板(非図示)を有し、電源ケーブル60(図4参照)からの給電によってLED素子30を発光させる。冷却部32は、ヒートシンクで構成されている。ヒートシンクが照明部31で発生した熱を放熱すると共に、ヒートシンクや取付片33が、横支柱2に接触することで横支柱2へ伝熱して更なる放熱効果を発揮させる。
【0012】
図5に示すように、取付片33は、板金を折り曲げて形成されており、冷却部32にネジなどの締結手段で固定される第1端部33aと、第1端部33aから横支柱2の軸方向ADの外側に折り曲げられ且つ横支柱2の内面に平行に対面する平行対面部33bと、平行対面部33bから下方Z1に向けて折り曲げられる第2端部33cと、を有する。図4及び図5に示すように、平行対面部33bには、第1ナット40が溶接等で固定されている。図3(a)に示すように、横支柱2の上面には、第1ナット40に対応する位置に第1挿通孔41が形成されている。図5に示すように、平行対面部33bは、第1挿通孔41を介して挿入された第1ボルト42と第1ナット40とにより横支柱2に固定される。第1ボルト42及び第1ナット40により実現される第1固定手段を構成している。第1固定手段は、LED照明ユニット3の横支柱2の軸方向ADの両外側にそれぞれ配置されている。
【0013】
横支柱2の外部にLED照明器具を固定する従来の構造では、LED照明器具を固定する第1固定手段が横支柱2の軸方向外側の一方のみにしか配置されていないことが多い。これに対して、第1実施形態では、LED照明ユニット3の横支柱2の軸方向ADの両外側にそれぞれ第1固定手段が配置されているため、LED照明ユニット3の固定がより堅牢となり、車両衝突時の衝撃力が作用した場合であってもLED照明ユニット3が落下する可能性を低減可能となる。
【0014】
LED照明ユニット3が先端開口20から抜けることを防止するために、上記第1固定手段とは別の手段として、貫通部材43が設けられている。貫通部材43は、横支柱2を構成する壁面のうち互いに対面する部位(上面及び下面)を貫通する。貫通部材43は、頭部及びボルト部を有する頭付きボルトであり、頭部を横支柱2の外側に配置し、ボルト部を横支柱2に形成された第2挿通孔44(図3参照)を通した貫通状態にし、貫通部材43のボルト部の先端が第2ナット45に締結される。貫通部材43は、先端開口20の一部にかかっており、LED照明ユニット3が通過可能な空間をLED照明ユニット3よりも小さくしている。よって、貫通部材43は、LED照明ユニット3に干渉することでLED照明ユニット3の先端開口20からの抜脱を規制可能である。貫通部材43は、横支柱2を構成する壁面のうち、取付位置にあるLED照明ユニット3よりも先端開口20側に位置する部位を貫通している。これにより、LED照明ユニット3が先端開口20から抜けようとする方向に移動した際に、LED照明ユニット3が貫通部材43に干渉することになり、LED照明ユニット3の抜脱を的確に防止可能にしている。また、貫通部材43は、横支柱2の対面しあう2壁面を貫通した状態にあるため、貫通部材43が2壁面から外れなければ、LED照明ユニット3が先端開口20から抜けることができないため、LED照明ユニット3の抜脱を防止可能となる。
【0015】
先端開口20を閉塞する蓋体50が設けられている。蓋体50は、蓋体固定具51によってLED照明ユニット3に固定されている。蓋体固定具51は、ナット及びボルトであり、ナットがLED照明ユニット3の取付片33に対して溶接等で固定されており、ボルトとナットとで蓋体50を挟み込む状態でボルト及びナットが締結される。蓋体50は、蓋体ワイヤ61によってLED照明ユニット3に接続される。これにより、万一、蓋体固定具51が機能しなくなったとしても、蓋体50が落下することを防止可能となる。蓋体ワイヤ61は、カラビナなどの接続具を介してLED照明ユニット3及び蓋体50に接続されている。
【0016】
LED照明ユニット3と横支柱2とを接続するユニットワイヤ62が設けられている。ユニットワイヤ62は、カラビナなどの接続具を介してLED照明ユニット3に接続されている。ユニットワイヤ62は、カラビナなどの接続具を介して横支柱2内部に設けられた内部支柱22に接続されている。これにより、LED照明ユニット3が横支柱2から抜脱することを抑制可能となる。
【0017】
[LED照明ユニット3の組み付け方法]
図4を用いて、LED照明ユニット3の組み付け方法を説明する。図4に示すように、LED照明ユニット3を横支柱2に挿入する前に、ユニットワイヤ62を内部支柱22に接続しておき、ユニットワイヤ62の自由端を照射開口21から出しておく。次に、LED照明ユニット3の電源ケーブル60を、縦支柱1の内部を通る状態にする。また、LED照明ユニット3に蓋体ワイヤ61を接続しておく。次に、LED照明ユニット3を横支柱2の先端開口20から横支柱2の内部に軸方向ADに沿ってスライド移動させながら内部に挿入する。次に、ユニットワイヤ62の自由端をLED照明ユニット3に照射開口21からアクセスして接続する。次に、LED照明ユニット3が取付位置に至るまでLED照明ユニット3を横支柱2の内部に挿入する。次に、第1ボルト42を第1挿通孔41に挿入してLED照明ユニット3を第1ボルト42で横支柱2の上面に固定する。次に、貫通部材43を第2挿通孔44に挿入して貫通状態にし、貫通部材43を第2ナット45で締結する。次に、先端開口20を介して貫通部材43の適切な取付状態を確認した後で、蓋体ワイヤ61の自由端を蓋体50に接続する。次に、蓋体50で横支柱2の先端開口20を閉塞し、蓋体固定具51で蓋体50を締結して固定する。
【0018】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態について図面を用いて説明する。第1実施形態は、横支柱2と縦支柱1とが一体で分離不可能に構成されており、新設の照明柱に適した構造である。第2実施形態は、縦支柱1の一部が分離可能に構成されており、既設の照明柱に適した構成である。図9は、第2実施形態の横支柱2及び縦支柱1の連結部分を示す側面図である。図10は、第2実施形態の横支柱2及び縦支柱1の連結部分を示す裏面図である。
【0019】
図9及び図10に示すように、縦支柱1は、横支柱2が溶接等で一体に形成された第1縦支柱1Aと、第1縦支柱1Aが先端に取り付けられる第2縦支柱1Bと、を有している。第1縦支柱1Aと第2縦支柱1Bとが分離可能に構成されている。第2実施形態では、第2縦支柱1Bの先端が第1縦支柱1Aの内部に挿入される構造であるが、第1縦支柱1Aの先端を第2縦支柱1Bの内部に挿入する構造にしてもよい。
【0020】
第1縦支柱1Aと第2縦支柱1Bとの固定構造として、複数の固定ボルト(71,72)が設けられている。複数の固定ボルト(71,72)は、第1縦支柱1A及び第2縦支柱1Bを貫通する第1固定ボルト71と、第1縦支柱1Aに固定され且つ第2縦支柱1Bを押圧する第2固定ボルト72と、を含む。第2固定ボルト72は、上側の四方複数個所(四か所)と、下側の四方複数個所(四か所)の合計で8箇所に設けられている。
【0021】
さらに、第1縦支柱1Aと第2縦支柱1Bとの固定構造として、鉛直方向Zに延び且つ縦支柱1の周方向の複数個所に配置される縦部材73が設けられている。第2実施形態では、縦部材73は、板部材であり、縦支柱1を挟む2箇所に配置されているが、個数は2以上であれば適宜変更可能である。縦部材73の上端部は、第1縦支柱1Aから径方向に突出するフランジ11に対してボルト及びナットの締結具で締結されている。縦部材73の下端部は、第2縦支柱1Bを挟み込んで固定する対のバンド部材74に対してボルト及びナットの締結具で締結されている。バンド部材74は、第2縦支柱1Bを挟むための円弧部と、円弧部を補強するために円弧部から径方向外側に張り出す上下二対のリブと、縦部材73及び相手側のバンド部材74を締結するためのフランジと、を有する。
【0022】
このように、縦部材73それぞれの上端部が第1縦支柱1Aに固定され、縦部材73それぞれの下端部が第2縦支柱1Bに固定されているので、第1縦支柱1Aが第2縦支柱1Bから軸方向(鉛直方向Z)に離脱して抜けてしまうことが抑制される。さらに、第1縦支柱1Aの第2縦支柱1Bに対する回転動作も抑制され、第1縦支柱1Aと第2縦支柱1Bとの固定を堅牢にすることが可能となる。さらに、縦部材73がせん断力の一部を負担するため、第1固定ボルト71にせん断力が集中することを縦部材73によって避けることができ、第1固定ボルト71がせん断されてしまうことを抑制でき、第1固定ボルト71が離脱してしまうことを抑制可能となる。
【0023】
<変形例>
(A)第1実施形態において、縦支柱1が円柱状であり、横支柱2は直方体(ボックス状)に形成されているが、これに限定されず、形状を種々変更可能である。
【0024】
(B)第1実施形態において、貫通部材43は、横支柱2を構成する壁面のうち、取付位置にあるLED照明ユニット3よりも先端開口20側に位置する部位を貫通しているが、貫通する位置はこれに限定されない。例えば、貫通部材43は、取付位置にあるLED照明ユニット3よりも先端開口20とは反対側(横支柱2の基端側)に位置する部位を貫通していてもよい。
【0025】
(C)第1実施形態において、蓋体50は、蓋体固定具51によってLED照明ユニット3に固定されているが、これに限定されない。例えば、蓋体50は、横支柱2に固定されていてもよい。
【0026】
(D)第1実施形態において、蓋体ワイヤ61は、蓋体50をLED照明ユニット3に接続しているが、これに限定されない。例えば、蓋体ワイヤ61は、蓋体50を横支柱2に接続するようにしてもよい。
【0027】
(E)第2実施形態において、縦部材73は、第1縦支柱1Aに形成されたフランジ11に固定されているが、これに限定されない。例えば、縦部材73は、第1縦支柱1Aを挟んで固定されたバンド部材74に固定されていてもよい。また、縦部材73は、第2縦支柱1Bを挟んで固定されたバンド部材74に固定されているが、これに限定されない。例えば、縦部材73は、第2縦支柱1Bに形成されたフランジに固定されていてもよい。すなわち、縦部材73の第1縦支柱1A及び第2縦支柱1Bに対する固定構造は、フランジであってもよいし、バンド部材であってもよく、任意に選択可能である。
【0028】
(F)第1実施形態及び第2実施形態では、横支柱2は、縦支柱1から水平方向Xの一方側に延びているがこれに限定されない。例えば、縦支柱1が道路の中央分離帯に配置される場合には、2つの横支柱2が縦支柱1から水平方向Xの両側に延びていてもよい。
【0029】
[1]
以上のように、第1実施形態及び第2実施形態のLED道路照明は、鉛直方向Zに延びる縦支柱1と、縦支柱1から道路側X1に延びる横支柱2と、横支柱2の内部に設けられるLED照明ユニット3と、を備え、横支柱2は、先端開口20と、下方Z1に開く照射開口21と、を有し、LED照明ユニット3は、横支柱2の内部において横支柱2の軸方向ADに沿ってスライド移動可能であり、照射開口21から下方Z1に光を照射可能な取付位置に対して横支柱2の外部から先端開口20を介して着脱可能に構成されている、としてもよい。
【0030】
この構成によれば、縦支柱1から道路側X1に延びる横支柱2の内部にLED照明ユニット3が設けられるので、従来の横支柱2の外部に照明器具を取り付ける構成に比べて、縦支柱1への車両衝突時に照明器具が落下する可能性を抑制可能となる。
【0031】
[2]
上記[1]に記載のLED道路照明において、横支柱2を構成する壁面のうち互いに対面する部位を貫通する貫通部材43を備え、貫通部材43は、LED照明ユニット3に干渉することでLED照明ユニット3の先端開口20からの抜脱を規制可能である、としてもよい。
この構成によれば、横支柱2を構成する壁面のうち互いに対面する部位を貫通部材43が貫通しているので、LED照明ユニット3の抜脱を的確に防止することが可能となる。
【0032】
[3]
上記[2]に記載のLED道路照明において、貫通部材43は、横支柱2を構成する壁面のうち、取付位置にあるLED照明ユニット3よりも先端開口20側に位置する部位を貫通している、としてもよい。
この構成によれば、LED照明ユニット3よりも横支柱2の先端開口20側に貫通部材43を配置することで、LED照明ユニット3が先端開口20から抜脱する際には確実に貫通部材43に干渉することになり、LED照明ユニット3の抜脱を的確に防止可能となる。
【0033】
[4]
上記[1]~[3]のいずれかに記載のLED道路照明において、先端開口20を閉塞する蓋体50と、蓋体50を固定する蓋体固定具51と、蓋体固定具51以外の接続具であって、蓋体50をLED照明ユニット3または横支柱2に接続する蓋体ワイヤ61と、を有する、としてもよい。
この構成によれば、万一、蓋体固定具51が破損等によって機能しなくなったとしても、蓋体ワイヤ61によって蓋体50の落下を防止可能となる。さらに、上記[3]に記載のLED道路照明においては、貫通部材43が横支柱2を構成する壁面を適切に貫通しているかを確認した後で、蓋体50を固定可能となる。
【0034】
[5]
上記[1]~[4]のいずれかに記載のLED道路照明において、LED照明ユニット3と横支柱2とを接続するユニットワイヤ62を備える、としてもよい。
この構成によれば、LED照明ユニット3の抜脱を更に抑制可能となる。
【0035】
[6]
上記[1]~「5」のいずれかに記載のLED道路照明において、鉛直方向Zに延び且つ縦支柱1の周方向の複数個所に配置される縦部材73を備え、縦支柱1は、横支柱2が一体に形成された第1縦支柱1Aと、第1縦支柱1Aが先端に取り付けられる第2縦支柱1Bと、を有し、縦部材73それぞれの上端部は第1縦支柱1Aに固定され、縦部材73それぞれの下端部は第2縦支柱1Bに固定されている、としてもよい。
この構成によれば、縦部材73によって第1縦支柱1Aが第2縦支柱1Bから軸方向(鉛直方向Z)に離脱することが抑制されると共に、第1縦支柱1Aの第2縦支柱1Bに対する回転動作も抑制され、第1縦支柱1Aを第2縦支柱1Bに適切に固定可能となる。さらに、縦部材73がせん断力の一部を負担するため、第1固定ボルト71にせん断力が集中することを縦部材73によって避けることができ、第1固定ボルト71がせん断されてしまうことを抑制でき、第1固定ボルト71が離脱してしまうことを抑制可能となる。
【0036】
本開示は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 :縦支柱
1A :第1縦支柱
1B :第2縦支柱
2 :横支柱
3 :LED照明ユニット
20 :先端開口
21 :照射開口
43 :貫通部材
50 :蓋体
51 :蓋体固定具
61 :蓋体ワイヤ
62 :ユニットワイヤ
73 :縦部材
AD :軸方向
X1 :道路側
Z :鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10