(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085689
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】通行検出装置、通行管理システム、通行管理方法、および通行管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/10 20060101AFI20240620BHJP
G01S 5/04 20060101ALI20240620BHJP
G07C 9/20 20200101ALI20240620BHJP
【FI】
G01S5/10
G01S5/04
G07C9/20
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200353
(22)【出願日】2022-12-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三田 尚義
【テーマコード(参考)】
3E138
5J062
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138AA11
3E138GA02
3E138JA03
3E138JB03
3E138JB14
3E138JC19
3E138JC20
3E138JD05
3E138JD08
3E138JD09
5J062BB05
5J062CC14
5J062CC15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通行者の利便性の低下を抑制しながら省線化する通行検出装置、システム、通行管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の読取装置7a~7fを備える通行管理システム1において、同一のグループに属する読取装置の何れかである基準装置(例えば読取装置7a)の他の読取装置は、基準装置が予め設定されたタイミングで送信した検出信号に基づいて、自身が検出信号を送信するタイミングを決定する。各読取装置は、自身が送信した検出信号に対して通信装置6が送信した応答信号及び他の読取装置が送信した検出信号に対して通信装置が送信した応答信号を受信する。通信装置から受信した応答信号の識別情報を管理装置8に送信する読取装置の何れかである主装置(例えば読取装置7a)の他の読取装置である副装置は、通信装置から受信した応答信号の識別情報を、無線通信で主装置に送信する。主装置は、識別情報を管理装置に有線接続で送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を備え、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、
前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、
前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する、
通行検出装置。
【請求項2】
前記基準装置は、前記主装置である、
請求項1に記載の通行検出装置。
【請求項3】
前記複数の読取装置の各々は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いた測距または測角の少なくとも一方によって、前記通信装置の第1位置情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項4】
前記副装置は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いて取得した前記通信装置の第1位置情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いて取得した前記通信装置の第1位置情報または前記副装置から受信した前記通信装置の第1位置情報の少なくともいずれかに基づいて、前記通行者の通行の管理に用いる前記通信装置の第2位置情報を特定する、
請求項3に記載の通行検出装置。
【請求項5】
前記主装置は、特定した前記通信装置の第2位置情報に基づいて、前記通信装置が予め設定された検出エリア内にいるか否かの判定を行い、前記検出エリア内にいると判定しない場合に、前記通行者の識別情報の前記管理装置への送信を留保する、
請求項4に記載の通行検出装置。
【請求項6】
前記主装置は、前記通信装置から前記応答信号を受信するときに、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記副装置からの前記通行者の識別情報の受信を待たずに前記管理装置に送信する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項7】
前記主装置は、前記副装置から前記通行者の識別情報を受信するときに、当該識別情報を、前記通信装置からの前記応答信号の受信を待たずに前記管理装置に送信する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項8】
前記複数の読取装置の各々に対して前記検出信号の送信タイミングを表すタイミング識別子が割り当てられ、
前記基準装置が送信する前記検出信号は、前記基準装置のタイミング識別子を含み、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置から受信した前記検出信号が前記基準装置のタイミング識別子を含む場合に、自身のタイミング識別子に基づいて自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項9】
前記複数の読取装置の各々は、グループ識別子によって識別されるグループに属し、
前記複数の読取装置の各々が送信する前記検出信号は、当該読取装置が属するグループを表すグループ識別子を含み、
前記検出信号に対して前記通信装置が送信する前記応答信号は、当該検出信号に含まれるグループ識別子を含み、
前記複数の読取装置の各々は、前記通信装置から受信した前記応答信号が自身の属するグループのグループ識別子を含む場合に、前記応答信号を受信する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項10】
管理領域の境界における通行者の通行を管理する管理装置と、
前記通行者とともに移動する通信装置と、
前記管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置と、
を備え、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、
前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、
前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する、
通行管理システム。
【請求項11】
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を用いた通行管理方法であり、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、
前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、
前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、
前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、
前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、
を備える、通行管理方法。
【請求項12】
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を備える通行管理システムに、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、
前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、
前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、
前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、
前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、
を実行させる、通行管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通行検出装置、通行管理システム、通行管理方法、および通行管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、通行管理システムの例を開示する。通行管理システムは、複数の読取装置を備える。複数の読取装置は、同期線を介して電気的に接続される。各々の読取装置は、検出電波を送信する。通行者が所持するタグは、これらの検出電波に対して応答電波を送信する。各々の読取装置は、検出電波に対してタグが送信した応答電波を受信する。各々の読取装置は、受信した応答電波から読み取った識別情報を、対応する副制御装置を介して主制御装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の通行管理システムは、複数の読取装置、副制御装置、主制御装置などの各装置間で同期線などの多数の配線を必要とする。このため、通行管理システムの設置の際の施工が難しくなることがある。一方、省線化のため各装置間の通信を単純に無線化すると、無線信号の干渉による通信の失敗などによって通行者の利便性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、通行者の利便性の低下を抑制しながら省線化できる通行検出装置、通行管理システム、通行管理方法、および通行管理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る通行検出装置は、管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置を備え、前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する。
【0007】
本開示に係る通行管理システムは、管理領域の境界における通行者の通行を管理する管理装置と、前記通行者とともに移動する通信装置と、前記管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置と、を備え、前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する。
【0008】
本開示に係る通行管理方法は、管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置を用いた通行管理方法であり、前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、を備える。
【0009】
本開示に係る通行管理プログラムは、管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置を備える通行管理システムに、前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る通行検出装置、通行管理システム、通行管理方法、または通行管理プログラムであれば、通行者の利便性の低下を抑制しながら省線化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る通行管理システムの構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る通行管理システムの検出エリアの例を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る通行管理システムにおける検出信号の送信タイミングの同期の例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る通行管理システムにおける検出信号の送信タイミングの同期の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る通行管理システムにおける応答信号の送信の例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る通行管理システムにおける通信装置の第1位置情報の無線通信の例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る通行管理システムにおける通信装置の第2位置情報の特定の例を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る通行管理システムにおける通信装置の第2位置情報の特定の例を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係る読取装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態1に係る読取装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1に係る読取装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1に係る読取装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態1に係る通行管理システムの主要部のハードウェア構成図である。
【
図14】実施の形態2に係る通行管理システムの構成図である。
【
図15】実施の形態2に係る通行管理システムにおける応答信号の送信の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る通行管理システム1の構成図である。
【0014】
通行管理システム1は、施設に適用される。施設は、例えば、屋内施設もしくは屋外施設、またはこれらを複合した施設などである。施設は、例えば、1つまたは複数の建物などからなる。施設は、例えば、建物などの一部であってもよい。施設において、管理領域2aが設定される。管理領域2aは、施設の内部または外部の予め設定された領域である。通行管理システム1は、例えば、管理領域2aへの入退域を管理する入退域管理システムなどであってもよい。
【0015】
通行管理システム1において、管理領域2aの境界にセキュリティゲート3が設けられる。管理領域2aの境界は、管理領域2aに隣接する空間などの境界領域2bを含んでもよい。セキュリティゲート3は、例えば建物の玄関、または建物の内部の部屋の出入口などに設けられる。セキュリティゲート3において、レーン4aおよびレーン4bが左右に並んで設けられる。ここで、レーン4aおよびレーン4bを特に区別しない場合に、単にレーン4と表記することがある。各々のレーン4は、管理領域2aの境界を通行可能な通行者が通行する通路である。管理領域2aの境界を通行可能な通行者は、例えば管理領域2aへの入退域が許可されている人物などである。各々のレーン4において、フラッパー5などの開閉装置が設けられる。フラッパー5は、レーン4の通行を制限する閉状態と、レーン4の通行を可能にする開状態とが切り替えられる装置である。なお、セキュリティゲート3において設けられるレーン4は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、各々のレーン4は、平行に並んで配置されていなくてもよい。
【0016】
管理領域2aの境界を通行する通行者は、通信装置6を所持する。通信装置6は、通行者が所持することで通行者とともに移動する。通信装置6は、例えばスマートフォンなどの可搬な汎用の情報処理端末装置であってもよいし、無線タグなどの専用装置であってもよい。無線タグは、例えばセミアクティブのRFIDタグ(RFID:Radio Frequency IDentification)などを含む。通信装置6は、例えば、通行者が所有する通行管理システム1の外部機器であってもよいし、通行管理システム1の管理者などから通行者に配布される通行管理システム1の内部機器であってもよい。通信装置6は、無線信号を通信する機能を搭載する。無線信号は、例えば電磁波による無線通信の信号である。無線信号は、例えば、無線PAN(Personal Area Network)、またはUWB(Ultra Wide Band)などの信号である。無線信号は、例えば、IEEE 802.11規格もしくはIEEE 802.15.1規格、またはこれらの後継規格、関連規格、代替規格、もしくは類似規格などによる無線通信における信号であってもよい。通信装置6は、所持している通行者を識別する識別情報を保持する。識別情報は、例えば通行者に付与される固有のID番号(ID:IDentifier)などである。識別情報は、通行者が所持する通信装置6を識別する情報であってもよい。
【0017】
通行管理システム1は、読取装置7a、読取装置7b、読取装置7c、読取装置7d、読取装置7e、および読取装置7fを備える。ここで、読取装置7a、読取装置7b、読取装置7c、読取装置7d、読取装置7e、および読取装置7fを特に区別しない場合に、単に読取装置7と表記することがある。なお、通行管理システム1が備える複数の読取装置7の数は6つに限定されず、5つ以下であってもよいし、7つ以上であってもよい。通行管理システム1は、ここに図示されない他の読取装置7を備えていてもよい。当該読取装置7は、例えばここに図示されない管理領域2aの他の出入口などに配置される。各々の読取装置7は、無線信号を通信する機能を搭載する。各々の読取装置7は、例えば通行者が所持する通信装置6、および他の少なくともいずれかの読取装置7と無線信号によって通信する。各々の読取装置7は、例えばセキュリティゲート3に搭載される。複数の読取装置7が搭載されるセキュリティゲート3は、通行検出装置の例である。この例において、読取装置7aおよび読取装置7bは、管理領域2aの外部から見たレーン4aの右側に配置される。読取装置7cおよび読取装置7dは、レーン4aおよびレーン4bの間に配置される。読取装置7eおよび読取装置7fは、管理領域2aの外部から見たレーン4bの左側に配置される。また、読取装置7a、読取装置7c、および読取装置7eは、管理領域2aの外部から見た各レーン4の手前側に配置される。読取装置7b、読取装置7d、および読取装置7fは、管理領域2aの外部から見た各レーン4の奥側に配置される。読取装置7aおよび読取装置7cは、レーン4aを挟んで相対するように配置される。読取装置7bおよび読取装置7dは、レーン4aを挟んで相対するように配置される。読取装置7cおよび読取装置7eは、レーン4bを挟んで相対するように配置される。読取装置7dおよび読取装置7fは、レーン4bを挟んで相対するように配置される。
【0018】
通行管理システム1は、管理装置8を備える。管理装置8は、管理領域2aの境界における通行者の通行を管理する装置である。管理装置8は、いずれかの読取装置7と通信可能に接続される。この例において、管理装置8は、読取装置7aと電気的に有線接続される。管理装置8は、例えば、床下配線などによって読取装置7aと接続される。管理装置8と接続される読取装置7aは、主装置の例である。主装置の他の読取装置7、例えば読取装置7bは、副装置の例である。なお、管理装置8は、外部のサーバ装置などと連携して管理処理を行ってもよい。外部のサーバ装置は、例えばクラウドサービスとして記憶または処理のリソースなどを提供するものであってもよい。このとき、管理装置8は、インターネットなどの通信網を通じて外部のサーバ装置に接続してもよい。
【0019】
通行管理システム1において、各々の読取装置7は、無線信号として検出信号を送信する。検出信号は、通行者が所持する通信装置6に、当該通行者の識別情報を含む応答信号を無線信号として送信させる信号である。
【0020】
通行管理システム1において、複数の読取装置7を含むグループが設定される。グループは、例えば通行者が通行するレーン4ごとに設定されてもよいし、通行管理システム1が複数の管理領域2aに適用される場合、または管理領域2aに複数の出入口が設けられる場合などに、管理領域2aの出入口ごとに設定されてもよい。グループは、単一のレーン4の入口側と出口側とで個別に設定されてもよい。この例において、レーン4aに沿ってセキュリティゲート3に搭載される読取装置7a、読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dが同一のグループに属する。このとき、レーン4bに沿ってセキュリティゲート3に搭載される読取装置7c、読取装置7d、読取装置7e、および読取装置7fが同一のグループに属するように設定されてもよい。すなわち、レーン4aおよびレーン4bの間に配置される読取装置7cおよび読取装置7dは、複数のグループに属していてもよい。また、隣接するレーン4aおよびレーン4bに沿って配置される読取装置7a、読取装置7b、読取装置7c、読取装置7d、読取装置7e、および読取装置7fは、まとめて1つのグループに属していてもよい。読取装置7のグループは、固有の値として割り当てられたグループ識別子などによって識別される。同一のグループに属する各々の読取装置7は、無線信号の干渉を抑えうるように、互いに同期して、検出信号を時分割して順番に送信する。このように、読取装置7のグループは、同期グループを形成する。
【0021】
同一のグループに属する各々の読取装置7について、タイミング識別子が設定される。タイミング識別子は、検出信号の送信タイミングを表す情報である。タイミング識別子は、例えば、検出信号の送信の順番を表す情報などである。
【0022】
通行管理システム1において、同一のグループに属する読取装置7のいずれかが基準装置として機能する。この例において、読取装置7aが基準装置として機能する。読取装置7aには、基準装置であることが判別可能であるように、他のタイミング識別子と区別しうる特別なタイミング識別子が付与される。読取装置7aは、予め設定されたタイミングで検出信号を送信する。読取装置7aは、検出信号を予め設定された周期でポーリング、すなわち定期送信する。読取装置7aが送信する検出信号は、読取装置7aが属するグループのグループ識別子、および読取装置7aのタイミング識別子を含む。
【0023】
基準装置の他の読取装置7、例えば読取装置7bは、読取装置7aが送信した検出信号を受信する。読取装置7bは、受信した検出信号のグループ識別子が自身の属するグループを識別するものであるかを判定する。判定結果が肯定的である場合に、読取装置7bは、当該検出信号のタイミング識別子が当該グループの基準装置である読取装置7aのものであるかを判定する。判定結果が肯定的である場合に、読取装置7bは、自身のタイミング識別子に基づいて、自身が次に検出信号を送信するタイミングを決定する。読取装置7bは、決定したタイミングで検出信号を送信する。読取装置7bが送信する検出信号は、読取装置7bが属するグループのグループ識別子、および読取装置7bのタイミング識別子を含む。
【0024】
他の読取装置7cおよび読取装置7dなども同様に、検出信号の送信のタイミングの決定および検出信号の送信を行う。ここで、読取装置7cが複数のグループに属する場合に、読取装置7cが送信する検出信号は、例えば、検出信号の送信のタイミングの決定に用いたグループ識別子、および当該グループ識別子で識別されるグループにおける読取装置7cのタイミング識別子を含む。あるいは、読取装置7cが複数のグループに属する場合に、読取装置7cが属する複数のグループの各々のグループ識別子、および各々のグループにおける読取装置7cのタイミング識別子を含んでもよい。
【0025】
通行者が所持する通信装置6は、当該通行者がセキュリティゲート3のレーン4への進入を試みるときに、いずれかの読取装置7が送信する検出信号を受信する。通信装置6は、当該通行者について自身が保持している識別情報、および当該検出信号に含まれるグループ識別子を、当該検出信号に対する応答信号に含めて送信する。
【0026】
いずれかの読取装置7は、通信装置6が検出信号に対して送信した応答信号を受信する。このとき、読取装置7は、自身が送信した検出信号に対して通信装置6が送信した応答信号を受信してもよいし、他の読取装置7が送信した検出信号に対して通信装置6が送信した応答信号を受信してもよい。読取装置7は、例えば、応答信号に含まれるグループ識別子が自身の属するグループを識別するものであるときに、当該応答信号の受信処理を行う。読取装置7は、例えば次のように応答信号の受信処理を行う。
【0027】
読取装置7は、受信した応答信号を用いて、応答信号を送信した通信装置6の第1位置情報を取得する。第1位置情報は、各々の読取装置7が応答信号を用いて取得する通信装置6の位置情報である。読取装置7が取得する第1位置情報は、例えば当該読取装置7を基準とした相対位置などである。読取装置7が取得する第1位置情報は、例えば当該読取装置7を基準とした距離または角度などの一方または両方の情報を含むものであってもよい。この例において、読取装置7は、受信した応答信号を用いた測距および測角によって通信装置6の第1位置情報を取得する。読取装置7は、測距または測角の一方のみによって通信装置6の第1位置情報を取得してもよい。読取装置7は、例えば、受信した応答信号の信号強度などに基づいて、読取装置7と通信装置6との距離情報を取得する。信号強度は、例えばRSSI値(RSSI:Received Signal Strength Indicator)などである。読取装置7は、例えば、RSSI値が予め設定した閾値より大きい場合に、通信装置6が当該読取装置7の周囲の予め設定された検出範囲内にいると判定する。
【0028】
読取装置7は、例えばToF法(ToF:Time of Flight)などの測距の手法によって、応答信号を送信した通信装置6との距離を取得してもよい。このとき、応答信号は、通信端末において検出信号を受信した時刻から応答信号を送信する時刻までの処理時間の情報を含んでいてもよい。これにより、読取装置7は、検出信号を送信した時刻から応答信号を受信する時刻までの時間と、当該応答時間に含まれる処理時間とから、検出信号および応答信号が空間を伝播している時間を算出できる。検出信号を送信した読取装置7と応答信号を受信した読取装置7とが同一の場合に、算出した伝播時間は読取装置7と通信装置6との往復の時間に相当するため、読取装置7は、光速度などの無線信号の伝播速度によって読取装置7と通信装置6との距離を算出できる。一方、検出信号を送信した読取装置7と応答信号を受信した読取装置7とが異なる場合、例えば読取装置7aが送信した検出信号に対する応答信号を読取装置7bが受信する場合に、読取装置7bは次のように通信装置6の第1位置情報を取得してもよい。この場合、無線信号の伝播時間と伝播速度とによって算出される伝播距離は、読取装置7aから通信装置6までの距離と、通信装置6から読取装置7bまでの距離との和になる。このため、読取装置7bは、通信装置6の第1位置情報を、読取装置7aおよび読取装置7bの位置を焦点とする楕円上などに特定してもよい。なお、読取装置7bを基準とした読取装置7aの位置情報は、例えば読取装置7bが予め記憶していてもよい。
【0029】
読取装置7は、例えばPDoA法(PDoA:Phase Difference of Arrival)などの測角の手法によって、通信装置6からの応答信号の到来方向、すなわち当該通信装置6の方向を取得してもよい。読取装置7は、搭載する複数の受信アンテナで受信する応答信号の位相差によって、当該応答信号の到来方向を取得する。
【0030】
副装置である読取装置7bが応答信号の受信処理を行う場合に、読取装置7bは、応答信号に含まれる識別情報を読み取る。読取装置7bは、RSSI値の大きさによる方法、ToF法、PDoA法、またはその他の方法などの一部または全部によって、通信装置6の第1位置情報を取得する。読取装置7bは、読み取った識別情報および通信装置6の第1位置情報を、主装置である読取装置7aに無線通信によって送信する。他の副装置である読取装置7cなども、同様の処理を行う。
【0031】
主装置である読取装置7aが応答信号の受信処理を行う場合に、読取装置7aは、応答信号に含まれる識別情報を読み取る。読取装置7aは、RSSI値の大きさによる方法、ToF法、PDoA法、またはその他の方法などの一部または全部によって、通信装置6の第1位置情報を取得する。読取装置7aは、取得した通信装置6の第1位置情報に基づいて、当該通信装置6の第2位置情報を特定する。第2位置情報は、通行者の通行の管理に用いられる、当該通行者とともに移動する通信装置6の位置情報である。第2位置情報は、例えば、通信装置6を所持する通行者が通行するレーン4などの通路に対する通信装置6の位置の関係を判定可能な情報などである。第2位置情報は、例えば、管理領域2aの境界を含む空間における座標などの情報であってもよい。読取装置7aは、自身が取得した第1位置情報で通信装置6の第2位置情報を特定できる場合に、当該第1位置情報をそのまま第2位置情報として用いてもよい。また、読取装置7aは、他の読取装置7bなどから第1位置情報を受信する場合に、自身が取得した通信装置6の第1位置情報、および読取装置7bなどから受信した通信装置6の第1位置情報を用いて、当該通信装置6の第2位置情報を特定してもよい。このとき、読取装置7aは、例えば予め記憶している読取装置7aを基準とした読取装置7bの位置情報を用いてもよい。第2位置情報は、複数の第1位置情報に基づいて特定されるときに、より高い精度で通信装置6の位置を表しうる。読取装置7aは、特定した通信装置6の第2位置情報に基づいて、当該通信装置6が予め設定された検出エリア内にいるかを判定する。通信装置6が検出エリア内にいると判定する場合に、読取装置7aは、通行者の識別情報を管理装置8に送信する。一方、読取装置7aは、通信装置6が検出エリア内にいると判定しない場合に、通行者の識別情報の管理装置8への送信を行わずに留保する。
【0032】
なお、主装置である読取装置7aは、通信装置6から応答信号を受信していない場合であっても、他の読取装置7bまたは読取装置7cなどから第1位置情報を受信する場合に、これらの第1位置情報を用いて通信装置6の第2位置情報を特定してもよい。読取装置7aは、単一の第1位置情報で通信装置6の第2位置情報を特定できる場合に、当該第1位置情報をそのまま第2位置情報として用いてもよい。読取装置7aは、特定した通信装置6の第2位置情報に基づいて、当該通信装置6が検出エリア内にいるかを判定する。通信装置6が検出エリア内にいると判定する場合に、読取装置7aは、通信装置6から応答信号を自身が受信していない場合であっても、他の読取装置7から受信した通行者の識別情報を管理装置8に送信する。一方、読取装置7aは、通信装置6が検出エリア内にいると判定しない場合に、通行者の識別情報の管理装置8への送信を行わずに留保する。
【0033】
管理装置8は、読取装置7aから受信した識別情報で識別される通行者の通行が許可されているかを、例えば予め設定された通行可能な通行者のリストと照合することなどによって判定する。通行者の通行が許可されているときに、管理装置8は、当該通行者を認証する。このとき、管理装置8は、セキュリティゲート3に、当該通行者が通行するレーン4のフラッパー5を開状態に切り替えさせる。認証された通行者は、フラッパー5が開状態になったレーン4を通行して管理領域2aに入域する。
【0034】
続いて、
図2を用いて検出エリアの例を説明する。
図2は、実施の形態1に係る通行管理システム1の検出エリアの例を示す図である。
図2において、上方から見た読取装置7aおよび読取装置7cと、通信装置6とが示される。
【0035】
この例において、検出エリアは、レーン4aに対して設定される。検出エリアは、読取装置7aの周囲の予め設定された検出範囲内であり、かつ、読取装置7cの周囲の予め設定された検出範囲内であるエリアに設定される。ここで、読取装置7の検出範囲は、例えば予め設定された距離より当該読取装置7に近い範囲などである。このように、レーン4aを挟んで相対する一対の読取装置7に対して設定された検出範囲が重複するエリアを検出エリアとすることで、当該レーン4aを通行する通行者をより確実に検出することができるようになる。また、読取装置7からの距離に基づいて通信装置6が検出エリア内にいるか否かが判定できるので、読取装置7は当該判定を容易に実施できる。
【0036】
例えば、読取装置7aは、他の読取装置7からの第1位置情報としてRSSI値などの距離に相当する情報を受け付けてもよい。このとき、読取装置7aは、第1位置情報に基づいて当該他の読取装置7の検出範囲内に通信装置6がいるかを判定する。あるいは、読取装置7aは、他の読取装置7からの第1位置情報として、当該他の読取装置7の検出範囲内に通信装置6がいるか否かの情報を受け付けてもよい。読取装置7aは、通信装置6がその検出範囲内にある1または複数の読取装置7のうちに、いずれかのレーン4に対して設定された検出エリアを形成する読取装置7の組み合わせがあるかを判定する。より具体的には、読取装置7aは、例えば、通信装置6がその検出範囲内にある複数の読取装置7のうちに、レーン4aに対して検出エリアを形成する組み合わせである読取装置7aおよび読取装置7cがあるかを判定する。このように判定された組み合わせの情報は、通信装置6を所持する通行者が通行するレーン4に対する通信装置6の位置の関係を判定できるので、読取装置7aは、当該組み合わせの情報を通信装置6の第2位置情報として特定してもよい。
【0037】
なお、読取装置7aが通信装置6の第2位置情報を座標などによって詳細に特定できる場合に、検出エリアは、対応するレーン4aを含む矩形またはその他の形状のエリアなどとして設定されてもよい。
【0038】
続いて、
図3から
図8を用いて、セキュリティゲート3に搭載された複数の読取装置7の動作の例を説明する。
図3および
図4は、実施の形態1に係る通行管理システム1における検出信号の送信タイミングの同期の例を示す図である。
図5は、実施の形態1に係る通行管理システム1における応答信号の送信の例を示す図である。
図6は、実施の形態1に係る通行管理システム1における通信装置6の第1位置情報の無線通信の例を示す図である。
図7および
図8は、実施の形態1に係る通行管理システム1における通信装置6の第2位置情報の特定の例を示す図である。
図3から
図8において、上方から見た読取装置7aおよび読取装置7cと、通信装置6とが示される。
【0039】
図3に示されるように、基準装置である読取装置7aは、予め設定されたポーリングの周期で検出信号を送信する。この例において、通信装置6はレーン4aから遠く離れているため、読取装置7aが送信した検出信号を受信しない。一方、無線信号である検出信号は、読取装置7aにレーン4aを挟んで相対する読取装置7cにも伝播する。読取装置7cは、読取装置7aが送信した検出信号からグループ識別子およびタイミング識別子の情報を読み取る。読取装置7cは、検出信号から読み取ったグループ識別子が自身の属するグループを識別するものであるかを判定する。判定結果が肯定的である場合に、読取装置7cは、検出信号から読み取ったタイミング識別子が当該グループの基準装置である読取装置7aのものであるかを判定する。判定結果が肯定的である場合に、読取装置7cは、自身のタイミング識別子に基づいて、自身が次に検出信号を送信するタイミングを決定する。
【0040】
例えば、読取装置7cのタイミング識別子が読取装置7aの直後の順番を表す場合に、読取装置7cは、読取装置7aの検出信号の送信が終わるタイミングを、自身が次に検出信号を送信するタイミングとする。例えば、各読取装置7について検出信号を送信する時間幅が予め割り当てられている場合に、読取装置7cは、読取装置7aの検出信号の送信開始時刻から読取装置7aに割り当てられた時間幅の分が経過した時刻を、自身が次に検出信号を送信するタイミングとする。検出信号の送信開始時刻の情報は、検出信号に含まれていてもよい。あるいは、読取装置7cは、読取装置7aからの検出信号を受信した時刻を当該検出信号の送信開始時刻としてもよい。読取装置7cは、この他の方法で検出信号の送信のタイミングを決定してもよい。
【0041】
管理領域2aに入域しようとする通行者が所持する通信装置6は、当該通行者とともにセキュリティゲート3のレーン4に接近する。
【0042】
その後、
図4に示されるように、読取装置7cは、自身が決定したタイミングで、検出信号を送信する。読取装置7cが送信する検出信号は、読取装置7cが属するグループのグループ識別子、および読取装置7cのタイミング識別子を含む。この例において読取装置7cが検出信号を送信するときに、読取装置7cと同一のグループに属する基準装置である読取装置7aは、検出信号を送信しない。
【0043】
その後、
図5に示されるように、通行者が所持する通信装置6は、読取装置7cが送信した検出信号を受信する。通信装置6は、当該通行者について自身が保持している識別情報を読み込む。通信装置6は、受信した検出信号からグループ識別子を読み取る。通信装置6は、読み込んだ識別情報および読み取ったグループ識別子を含む情報を生成する。通信装置6は、生成した情報を、応答信号として読取装置7cに無線通信によって送信する。
【0044】
読取装置7cの検出信号に対して通信装置6が送信した無線信号である応答信号は、読取装置7cに伝播する。読取装置7cは、応答信号に含まれるグループ識別子が自身の属するグループを識別するものであるときに、当該応答信号について、通信装置6の第1位置情報の取得および識別情報の読取りなどを含む受信処理を行う。
【0045】
また、読取装置7cの検出信号に対して通信装置6が送信した無線信号である応答信号は、読取装置7cにレーン4aを挟んで相対する読取装置7aにも伝播する。読取装置7aは、応答信号に含まれるグループ識別子が自身の属するグループを識別するものであるときに、当該応答信号について、通信装置6の第1位置情報の取得および識別情報の読取りなどを含む受信処理を行う。
【0046】
なお、通信装置6が読取装置7aの検出信号に対して応答信号を送信する場合においても同様に、読取装置7aおよび読取装置7cはいずれも受信処理を行ってもよい。
【0047】
その後、
図6に示されるように、副装置である読取装置7cは、読み取った識別情報および通信装置6の第1位置情報を、主装置である読取装置7aに無線通信によって送信する。
【0048】
読取装置7aは、自身が読み取った通行者の識別情報および通信装置6の第1位置情報と、
読取装置7cから受信した当該通行者の識別情報および当該通信装置6の第1位置情報とに基づいて、当該通信装置6の第2位置情報を特定する。
【0049】
読取装置7aは、例えば
図7に示されるように、PDoA法などを用いた測角によって取得された第1位置情報に基づいて、通信装置6の第2位置情報を特定する。読取装置7aは、自身が取得した方向θaを含む第1位置情報に基づいて、読取装置7aを通る直線La上に通信装置6があると推定する。読取装置7aは、読取装置7cが取得した方向θcを含む第1位置情報、および読取装置7aを基準とした読取装置7cの位置情報に基づいて、読取装置7cを通る直線Lc上に通信装置6があると推定する。読取装置7aは、通信装置6の第2位置情報を、このように推定した直線Laおよび直線Lcなどの複数の直線が集中する交点などの位置に特定する。
【0050】
また、読取装置7aは、例えば
図8に示されるように、ToF法などを用いた測距によって取得された第1位置情報に基づいて、通信装置6の第2位置情報を特定してもよい。読取装置7aは、自身が取得した伝播距離daを含む第1位置情報、および読取装置7aを基準とした読取装置7cの位置情報に基づいて、読取装置7aおよび読取装置7cを焦点とする楕円Ea上に通信装置6があると推定する。ここで、伝播距離daは、読取装置7cと通信装置6との間の距離、および通信装置6と読取装置7aとの間の距離の和に対応する。楕円Eaは、伝播距離daを長径とする楕円である。読取装置7aは、読取装置7cが取得した伝播距離dcを含む第1位置情報、および読取装置7aを基準とした読取装置7cの位置情報に基づいて、読取装置7cを中心とする円Cc上に通信装置6があると推定する。ここで、伝播距離dcは、読取装置7cと通信装置6との間の往復の距離に対応する。円Ccは、伝播距離dcを直径とする円である。読取装置7aは、通信装置6の第2位置情報を、このように推定した楕円Eaおよび円Ccなどの複数の曲線が集中する交点などの位置に特定する。
【0051】
また、読取装置7aは、測角および測距によって取得された第1位置情報を組み合わせて通信装置6の第2位置情報を特定してもよい。例えばいずれかの読取装置7が測角のみの第1情報を取得し、他の読取装置7が測距のみの第1情報を取得する場合に、これらを組み合わせて通信装置6の第2位置情報を特定してもよい。
【0052】
読取装置7aは、特定した通信装置6の第2位置情報に基づいて、当該通信装置6がレーン4aの検出エリア内にいるかを判定する。通信装置6が検出エリア内にいると判定する場合に、読取装置7aは、通行者の識別情報を管理装置8に送信する。一方、読取装置7aは、通信装置6が検出エリア内にいると判定しない場合に、通行者の識別情報の管理装置8への送信を行わずに留保する。
【0053】
続いて、
図9から
図12を用いて、各々の読取装置7における処理の例を説明する。
図9から
図12は、実施の形態1に係る読取装置7の動作の例を示すフローチャートである。
【0054】
図9において、基準装置である読取装置7aが検出信号を送信するときの処理の例が示される。
【0055】
ステップS11において、読取装置7aは、現在のタイミングが予め設定された検出信号の送信のタイミングであるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7aの処理は、例えば予め設定された時間が経過した後に、ふたたびステップS11に進む。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS12に進む。
【0056】
ステップS12において、読取装置7aは、無線信号である検出信号を送信する。その後、読取装置7aの処理は、ステップS11に進む。
【0057】
図10において、基準装置の他の読取装置7dに、他の読取装置7から送信された検出信号が伝播するときの処理の例が示される。読取装置7bおよび読取装置7cなどにおいても、同様に処理が行われる。
【0058】
ステップS21において、読取装置7dは、他の読取装置7から送信された検出信号のグループ識別子が、自身の属するグループのグループ識別子であるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7dの処理は、例えば予め設定された時間が経過した後に、ふたたびステップS21に進む。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7dの処理は、ステップS22に進む。
【0059】
ステップS22において、読取装置7dは、他の読取装置7から送信された検出信号のタイミング識別子が、自身の属するグループの基準装置である読取装置7aのものであるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7dの処理は、ステップS21に進む。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7dの処理は、ステップS23に進む。
【0060】
ステップS23において、読取装置7dは、他の読取装置7から送信された検出信号のタイミング識別子および自身のタイミング識別子などに基づいて、自身が次に検出信号を送信するタイミングを決定する。その後、読取装置7dの処理は、ステップS24に進む。
【0061】
ステップS24において、読取装置7dは、現在のタイミングが、ステップS23で決定した検出信号の送信のタイミングであるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7dの処理は、例えば予め設定された時間が経過した後に、ふたたびステップS24に進む。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7dの処理は、ステップS25に進む。
【0062】
ステップS25において、読取装置7dは、無線信号である検出信号を送信する。その後、読取装置7dの処理は、ステップS21に進む。
【0063】
図11において、副装置である読取装置7dに通信装置6から応答信号が伝播するときの処理の例が示される。読取装置7bおよび読取装置7cなどの他の副装置においても、同様に処理が行われる。
【0064】
ステップS31において、読取装置7dは、通信装置6から送信された応答信号のグループ識別子が、自身の属するグループのグループ識別子であるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7dの処理は、例えば予め設定された時間が経過した後に、ふたたびステップS31に進む。なお、応答信号が読取装置7dに伝播していない場合にも、読取装置7aの処理は、ステップS31に進んでもよい。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7dの処理は、ステップS32に進んで受信処理を行う。
【0065】
ステップS32において、読取装置7dは、通信装置6から送信された応答信号に基づいて、通信装置6の第1位置情報を取得する。その後、読取装置7dの処理は、ステップS33に進む。
【0066】
ステップS33において、読取装置7dは、通信装置6から送信された応答信号に含まれる通行者の識別情報を読み取る。その後、読取装置7dの処理は、ステップS34に進む。
【0067】
ステップS34において、読取装置7dは、取得した通信装置6の第1位置情報および読み取った通行者の識別情報を、主装置である読取装置7aに無線通信によって送信する。その後、読取装置7dの処理は、ステップS31に進む。
【0068】
図12において、主装置である読取装置7aに通信装置6から応答信号が伝播するときの処理の例が示される。
【0069】
ステップS41において、読取装置7aは、通信装置6から送信された応答信号のグループ識別子が、自身の属するグループのグループ識別子であるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS42に進む。なお、応答信号が読取装置7aに伝播していない場合にも、読取装置7aの処理は、ステップS42に進んでもよい。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS43に進んで受信処理を行う。
【0070】
ステップS42において、読取装置7aは、他の読取装置7から、第1位置情報および識別情報が送信されたかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS41に進む。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS45に進む。
【0071】
ステップS43において、読取装置7aは、通信装置6から送信された応答信号に基づいて、通信装置6の第1位置情報を取得する。その後、読取装置7aの処理は、ステップS44に進む。
【0072】
ステップS44において、読取装置7aは、通信装置6から送信された応答信号に含まれる通行者の識別情報を読み取る。その後、読取装置7aの処理は、ステップS45に進む。
【0073】
ステップS45において、読取装置7aは、1つまたは複数の第1位置情報に基づいて、通信装置6の第2位置情報を特定する。その後、読取装置7aの処理は、ステップS46に進む。
【0074】
ステップS46において、読取装置7aは、特定した通信装置6の第2位置情報に基づいて、当該通信装置6が予め設定された検出エリア内にいるかを判定する。判定結果がNoの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS41に進む。一方、判定結果がYesの場合に、読取装置7aの処理は、ステップS47に進む。
【0075】
ステップS47において、読取装置7aは、通行者の識別情報を管理装置8に送信する。その後、読取装置7aの処理は、ステップS41に進む。
【0076】
管理装置8は、読取装置7aから受信した識別情報で識別される通行者の通行が許可されているかを判定する。通行者の通行が許可されているときに、管理装置8は、当該通行者を認証する。このとき、管理装置8は、セキュリティゲート3に、当該通行者が通行するレーン4のフラッパー5を開状態に切り替えさせる。
【0077】
通行管理システム1は、例えば、各々の読取装置7および管理装置8などの各装置が記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、当該プログラムに従って動作することで、各機能を実行する。当該プログラムを記録する記録媒体は、例えば通行管理システム1を構成する各装置に内蔵されるものであってもよいし、各装置に接続されるものであってもよいし、各装置のドライブなどの読出装置によって情報が読み出されるものなどであってもよい。当該プログラムは、通行管理システム1を構成する複数の装置の各々の上で動作するソフトウェアを複数含むソフトウェアパッケージなどであってもよい。
【0078】
以上に説明したように、実施の形態1に係る通行管理システム1は、複数の読取装置7を備える。いずれかの読取装置7である基準装置は、予め設定されたタイミングで検出信号を送信する。基準装置の他の読取装置7は、基準装置が送信した検出信号に基づいて、自身が検出信号を送信するタイミングを決定する。各々の読取装置7は、自身が送信した検出信号に対して通信装置6が送信した応答信号、および他の読取装置7が送信した検出信号に対して通信装置6が送信した応答信号を受信する。いずれかの読取装置7である主装置は、通信装置6から受信した応答信号に含まれる通行者の識別情報を、管理領域2aの境界における通行者の通行を管理する管理装置8に送信する。主装置の他の読取装置7である副装置は、通信装置6から受信した応答信号に含まれる通行者の識別情報を、主装置に無線通信によって送信する。主装置は、副装置から受信した通行者の識別情報を、管理装置8に送信する。
【0079】
このような構成により、各々の読取装置7は、基準装置が通行者の通信装置6に向けて送信する検出信号によって同期を取ることができるので、検出信号を時分割で送信することなどにより無線信号の干渉が抑制される。また、各々の読取装置7は、他の読取装置7が送信した検出信号に対する応答信号であっても受信して識別情報を読み取ることができる。このため、検出信号が時分割で順に送信されることによる通行者の認証などの遅れが生じにくくなる。これにより、無線通信の失敗が生じにくくなり、また、通行者の認証などの通行管理の処理のリアルタイム性が高められるため、通行者の認証などが妨げられにくくなる。そして、読取装置7は無線信号によって互いに通信するため、読取装置7間の同期線などの配線を低減することができるようになる。このため、通行管理システム1において、通行者の利便性の低下の抑制と省線化とが両立できるようになる。通行管理システム1が省線化されることにより、通行管理システム1の設置の際の施工性が向上し、通行管理システム1の導入などのコストを低減できるようになる。
【0080】
また、以上の例において、基準装置である読取装置7aは、主装置である。このとき、他の読取装置7は、副装置である。ここで、基準装置として機能する読取装置7aと他の読取装置7とは、互いに異なるハードウェアまたはソフトウェアなどを搭載するものであってもよいし、ハードウェアスイッチの操作またはソフトウェア上の設定などによって互いに切り替え可能なものであってもよい。また、主装置と副装置とは、互いに異なるハードウェアまたはソフトウェアなどを搭載するものであってもよいし、ハードウェアスイッチの操作またはソフトウェア上の設定などによって互いに切り替え可能なものであってもよい。なお、読取装置7aが基準装置でありかつ主装置である例を説明したが、基準装置である読取装置7と主装置である読取装置7とは、別の装置であってもよい。例えば通行管理システム1の設計などにおいて、管理装置8との間の配線の施工性の観点からどの読取装置7を主装置とするかを決定し、検出信号による同期のしやすさなどの観点からどの読取装置7を基準装置とするかを決定してもよい。
【0081】
また、各々の読取装置7は、通信装置6から受信する応答信号を用いた測距または測角の少なくとも一方によって、通信装置6の第1位置情報を取得する。これにより、各々の読取装置7は、識別情報の読み取りの際に通信装置6の位置情報をあわせて取得できるようになるので、通行者の通行の検出がより精度よく行われるようになる。
【0082】
また、副装置は、通信装置6から受信する応答信号を用いて取得した当該通信装置6の第1位置情報を、主装置に無線通信によって送信する。主装置は、通信装置6から受信する応答信号を用いて取得した通信装置6の第1位置情報または副装置から受信した当該通信装置6の第1位置情報の少なくともいずれかに基づいて、当該通信装置6の第2位置情報を特定する。主装置は、1つ以上の第1位置情報に基づいて通行者の通行の管理に用いられる通信装置6の位置情報を特定するので、通行者の通行の検出がより精度よく行われるようになる。
【0083】
また、主装置は、特定した通信装置6の第2位置情報に基づいて、当該通信装置6が予め設定された検出エリア内にいるか否かの判定を行う。主装置は、検出エリア内にいると判定する場合に、通行者の識別情報の管理装置8への送信を行う。一方、主装置は、検出エリア内にいると判定しない場合に、通行者の識別情報の管理装置8への送信を行わずに留保する。これにより、検出エリア内に通信装置6がない場合などに管理装置8への識別情報の送信が行われないので、通行者の無用な認証などが抑制される。これにより、通信のリソースが節約され、また、管理領域2aのセキュリティ性などが向上する。
【0084】
また、通行管理システム1において、各々の読取装置7に対して、検出信号の送信タイミングを表すタイミング識別子が割り当てられる。基準装置が送信する検出信号は、基準装置のタイミング識別子を含む。基準装置の他の読取装置7は、基準装置から受信した検出信号が当該基準装置のタイミング識別子を含む場合に、自身のタイミング識別子に基づいて自身が検出信号を送信するタイミングを決定する。このように、各々の読取装置7は、基準装置が通行者の通信装置6に向けて送信する検出信号によって容易に同期を取ることができるので、検出信号の干渉が抑制される。
【0085】
また、通行管理システム1において、各々の読取装置7は、グループ識別子によって識別されるグループに属する。各々の読取装置7が送信する検出信号は、当該読取装置7が属するグループを表すグループ識別子を含む。検出信号に対して通信装置6が送信する応答信号は、当該検出信号に含まれるグループ識別子を含む。各々の読取装置7は、通信装置6から受信した応答信号が自身の属するグループのグループ識別子を含む場合に、当該応答信号を受信して受信処理を行う。これにより、各々の読取装置7は、他の読取装置7が送信した検出信号に対して通信装置6が送信する応答信号について、受信処理を行うか否かを判定できるようになる。
【0086】
なお、主装置は、通信装置6から応答信号を受信するときに、当該応答信号に含まれる通行者の識別情報を、副装置からの通行者の識別情報の受信を待たずに、管理装置8に送信してもよい。また、主装置は、副装置から通行者の識別情報を受信するときに、当該識別情報を、通信装置6からの応答信号の受信を待たずに、管理装置8に送信してもよい。また、主装置は、いずれかの副装置から通行者の識別情報を受信するときに、当該識別情報を、他の副装置からの通行者の識別情報の受信を待たずに、管理装置8に送信してもよい。これにより、通行者の認証などの通行管理の処理のリアルタイム性がより高められる。
【0087】
また、通行管理システム1において、通行者は、ロボットまたはモビリティなどの自律移動体であってもよい。このとき、通信装置6は、自律移動体に内蔵された無線通信モジュールなどであってもよい。
【0088】
続いて、
図13を用いて、通行管理システム1のハードウェア構成の例について説明する。
図13は、実施の形態1に係る通行管理システム1の主要部のハードウェア構成図である。
【0089】
通行管理システム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、例えば、各々の読取装置7および管理装置8などの各装置に搭載される。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0090】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、通行管理システム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、通行管理システム1の各機能を実現する。
【0091】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0092】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0093】
通行管理システム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、通行管理システム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。通行管理システム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで通行管理システム1の各機能を実現する。
【0094】
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0095】
図14は、実施の形態2に係る通行管理システム1の構成図である。
【0096】
通行管理システム1は、読取アレイ9を備える。読取アレイ9は、例えばアレイ状に配置された複数の読取装置7を含む。読取アレイ9は、読取装置7a、読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dを含む。複数の読取装置7によって形成される読取アレイ9は、通行検出装置の例である。読取アレイ9は、管理領域2aの境界に設けられる。読取アレイ9は、例えば建物のエントランスなどの天井面に配置される。この例において、読取装置7a、読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dは、同一のグループに属する。読取装置7aは、基準装置として機能する。読取装置7aは、管理装置8に接続される主装置である。読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dは、副装置である。
【0097】
基準装置である読取装置7aは、予め設定されたポーリングの周期で検出信号を送信する。無線信号である検出信号は、通行者が所持する通信装置6に伝播し、他の読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dにも伝播する。読取装置7bは、検出信号に基づいて、自身が次に検出信号を送信するタイミングを決定する。読取装置7cおよび読取装置7dも同様に、検出信号の送信のタイミングを決定する。
【0098】
この例において、通信装置6は、読取装置7aからの検出信号を受信する。
【0099】
図15は、実施の形態2に係る通行管理システム1における応答信号の送信の例を示す図である。
【0100】
通信装置6は、読取装置7aからの検出信号に対して、応答信号を送信する。無線信号である検出信号は、読取装置7aに伝播し、他の読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dにも伝播する。読取装置7aは、応答信号について、通信装置6の第1位置情報の取得および識別情報の読取りなどを含む受信処理を行う。このとき、読取装置7bは、応答信号のグループ識別子が自身の属するグループのグループ識別子であるので、当該応答信号について受信処理を行う。読取装置7cおよび読取装置7dも同様に、応答信号について受信処理を行う。
【0101】
読取装置7は、例えばPDoA法などの測角の手法によって第1位置情報を取得する。読取装置7は、搭載する複数の受信アンテナで受信する応答信号の位相差によって、当該応答信号の到来方向を取得する。ここで、読取装置7は、3以上の受信アンテナを搭載することで、2軸以上での測角を行ってもよい。また、読取装置7は、例えばToF法などの測距の手法によって、無線信号の伝播距離を含む第1位置情報を取得してもよい。副装置である読取装置7b、読取装置7c、および読取装置7dは、識別情報および第1位置情報などを主装置である読取装置7aに無線通信によって送信する。
【0102】
読取装置7aは、通信装置6の第2位置情報を特定する。例えば、第1位置情報がToF法などによる無線信号の伝播距離を含む場合に、読取装置7aは、通信装置6の位置を、各読取装置7を基準とした球面または回転楕円面などの曲面上にあると推定してもよい。読取装置7aは、通信装置6の第2位置情報を3次元的に特定してもよいし、床面などの水平面上に射影した位置として2次元的に特定してもよい。
【0103】
読取装置7aは、特定した通信装置6の第2位置情報に基づいて、当該通信装置6が予め設定された検出エリア内にいるかを判定する。通信装置6が検出エリア内にいると判定する場合に、読取装置7aは、通行者の識別情報を管理装置8に送信する。一方、読取装置7aは、通信装置6が検出エリア内にいると判定しない場合に、通行者の識別情報の管理装置8への送信を行わずに留保する。
【0104】
管理装置8は、読取装置7aから受信した識別情報で識別される通行者が、認証可能な通行者として登録されているかを判定する。通行者が認証可能であるときに、管理装置8は、例えば、セキュリティゲート3に、当該通行者が通行するレーン4のフラッパー5を開状態に切り替えさせる。なお、通行管理システム1は、例えば電気錠が設けられたドアなどに適用されてもよい。この場合に、管理装置8は、通行者を認証するときに、電気錠を解錠させる信号を出力してもよい。
【0105】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を備え、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、
前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、
前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する、
通行検出装置。
(付記2)
前記基準装置は、前記主装置である、
付記1に記載の通行検出装置。
(付記3)
前記複数の読取装置の各々は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いた測距または測角の少なくとも一方によって、前記通信装置の第1位置情報を取得する、
付記1または付記2に記載の通行検出装置。
(付記4)
前記副装置は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いて取得した前記通信装置の第1位置情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いて取得した前記通信装置の第1位置情報または前記副装置から受信した前記通信装置の第1位置情報の少なくともいずれかに基づいて、前記通行者の通行の管理に用いる前記通信装置の第2位置情報を特定する、
付記3に記載の通行検出装置。
(付記5)
前記主装置は、特定した前記通信装置の第2位置情報に基づいて、前記通信装置が予め設定された検出エリア内にいるか否かの判定を行い、前記検出エリア内にいると判定しない場合に、前記通行者の識別情報の前記管理装置への送信を留保する、
付記4に記載の通行検出装置。
(付記6)
前記主装置は、前記通信装置から前記応答信号を受信するときに、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記副装置からの前記通行者の識別情報の受信を待たずに前記管理装置に送信する、
付記1または付記2に記載の通行検出装置。
(付記7)
前記主装置は、前記副装置から前記通行者の識別情報を受信するときに、当該識別情報を、前記通信装置からの前記応答信号の受信を待たずに前記管理装置に送信する、
付記1または付記2に記載の通行検出装置。
(付記8)
前記複数の読取装置の各々に対して前記検出信号の送信タイミングを表すタイミング識別子が割り当てられ、
前記基準装置が送信する前記検出信号は、前記基準装置のタイミング識別子を含み、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置から受信した前記検出信号が前記基準装置のタイミング識別子を含む場合に、自身のタイミング識別子に基づいて自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する、
付記1から付記7のいずれか一項に記載の通行検出装置。
(付記9)
前記複数の読取装置の各々は、グループ識別子によって識別されるグループに属し、
前記複数の読取装置の各々が送信する前記検出信号は、当該読取装置が属するグループを表すグループ識別子を含み、
前記検出信号に対して前記通信装置が送信する前記応答信号は、当該検出信号に含まれるグループ識別子を含み、
前記複数の読取装置の各々は、前記通信装置から受信した前記応答信号が自身の属するグループのグループ識別子を含む場合に、前記応答信号を受信する、
付記1から付記8のいずれか一項に記載の通行検出装置。
(付記10)
管理領域の境界における通行者の通行を管理する管理装置と、
前記通行者とともに移動する通信装置と、
前記管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置と、
を備え、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、
前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、
前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する、
通行管理システム。
(付記11)
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を用いた通行管理方法であり、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、
前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、
前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、
前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、
前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、
を備える、通行管理方法。
(付記12)
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を備える通行管理システムに、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、
前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、
前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、
前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、
前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、
を実行させる、通行管理プログラム。
【符号の説明】
【0106】
1 通行管理システム、 2a 管理領域、 2b 境界領域、 3 セキュリティゲート、 4、4a、4b レーン、 5 フラッパー、 6 通信装置、 7、7a、7b、7c、7d、7e、7f 読取装置、 8 管理装置、 9 読取アレイ、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を備え、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、
前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、
前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する、
通行検出装置。
【請求項2】
前記基準装置は、前記主装置である、
請求項1に記載の通行検出装置。
【請求項3】
前記複数の読取装置の各々は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いた測距または測角の少なくとも一方によって、前記通信装置の第1位置情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項4】
前記副装置は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いて取得した前記通信装置の第1位置情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記通信装置から受信する前記応答信号を用いて取得した前記通信装置の第1位置情報または前記副装置から受信した前記通信装置の第1位置情報の少なくともいずれかに基づいて、前記通行者の通行の管理に用いる前記通信装置の第2位置情報を特定する、
請求項3に記載の通行検出装置。
【請求項5】
前記主装置は、特定した前記通信装置の第2位置情報に基づいて、前記通信装置が予め設定された検出エリア内にいるか否かの判定を行い、前記検出エリア内にいると判定しない場合に、前記通行者の識別情報の前記管理装置への送信を留保する、
請求項4に記載の通行検出装置。
【請求項6】
前記主装置は、前記通信装置から前記応答信号を受信するときに、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記副装置からの前記通行者の識別情報の受信を待たずに前記管理装置に送信する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項7】
前記主装置は、前記副装置から前記通行者の識別情報を受信するときに、当該識別情報を、前記通信装置からの前記応答信号の受信を待たずに前記管理装置に送信する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項8】
前記複数の読取装置の各々に対して前記検出信号の送信タイミングを表すタイミング識別子が割り当てられ、
前記基準装置が送信する前記検出信号は、前記基準装置のタイミング識別子を含み、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置から受信した前記検出信号が前記基準装置のタイミング識別子を含む場合に、自身のタイミング識別子に基づいて自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項9】
前記複数の読取装置の各々は、グループ識別子によって識別されるグループに属し、
前記複数の読取装置の各々が送信する前記検出信号は、当該読取装置が属するグループを表すグループ識別子を含み、
前記検出信号に対して前記通信装置が送信する前記応答信号は、当該検出信号に含まれるグループ識別子を含み、
前記複数の読取装置の各々は、前記通信装置から受信した前記応答信号が自身の属するグループのグループ識別子を含む場合に、前記応答信号に含まれる識別情報を読み取る受信処理を行う、
請求項1または請求項2に記載の通行検出装置。
【請求項10】
管理領域の境界における通行者の通行を管理する管理装置と、
前記通行者とともに移動する通信装置と、
前記管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置と、
を備え、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置は、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置は、前記基準装置が送信した前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定し、
前記複数の読取装置の各々は、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、および前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信し、
前記複数の読取装置のいずれかである主装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信し、
前記複数の読取装置のうちの前記主装置の他の副装置は、前記通信装置から受信した前記応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信し、
前記主装置は、前記副装置から受信した前記通行者の識別情報を、前記管理装置に送信する、
通行管理システム。
【請求項11】
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を用いた通行管理方法であり、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、
前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、
前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、
前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、
前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、
を備える、通行管理方法。
【請求項12】
管理装置によって通行者の通行が管理される管理領域の境界に設けられ、前記通行者の識別情報を含む応答信号を前記通行者とともに移動する通信装置に無線通信によって送信させる検出信号を、各々が無線通信によって送信する複数の読取装置
を備える通行管理システムに、
前記複数の読取装置のいずれかである基準装置が、予め設定されたタイミングで前記検出信号を送信する第1送信ステップと、
前記複数の読取装置のうちの前記基準装置の他の読取装置が、前記第1送信ステップで送信された前記検出信号に基づいて、自身が前記検出信号を送信するタイミングを決定する決定ステップと、
前記複数の読取装置のうち前記決定ステップを実行した読取装置が、前記決定ステップにおいて決定したタイミングで前記検出信号を送信する第2送信ステップと、
前記複数の読取装置のいずれかが、自身が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号、または前記複数の読取装置のうちの他の読取装置が送信した前記検出信号に対して前記通信装置が送信した前記応答信号を受信する受信ステップと、
前記複数の読取装置のうちであり、かつ、前記複数の読取装置のいずれかである主装置の他の副装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合に、当該応答信号に含まれる前記通行者の識別情報を、前記主装置に無線通信によって送信する第3送信ステップと、
前記主装置が、前記受信ステップにおいて前記通信装置から前記応答信号を受信する場合、または前記第3送信ステップにおいて前記副装置から送信された前記通行者の識別情報を受信する場合に、前記通行者の識別情報を前記管理装置に送信する第4送信ステップと、
を実行させる、通行管理プログラム。