(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085694
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/00 20200101AFI20240620BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20240620BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20240620BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20240620BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240620BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240620BHJP
【FI】
H05B47/00
F21S9/02 200
F21S8/02 410
F21V9/40 400
F21V23/00 120
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200360
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】閨谷 渉
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA08
3K273QA23
3K273RA04
3K273SA08
3K273SA33
3K273SA46
3K273TA39
3K273TA42
3K273TA44
3K273UA20
3K273UA22
3K273UA27
3K273UA29
3K273VA02
3K273VA09
3K273VA10
(57)【要約】
【課題】構造を簡素化できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、バッテリと、常時は商用電源、非常時はバッテリからの電力供給により点灯する光源30と、光源30の光照射側に配置され、光源30からの光を常時と非常時で異なる配光に制御する液晶部材14と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと;
常時は商用電源、非常時は前記バッテリからの電力供給により点灯する光源と;
前記光源の光照射側に配置され、前記光源からの光を常時と非常時で異なる配光に制御する液晶部材と;
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記液晶部材は、電圧を印加することにより透明状態となる特性を有し、
常時に前記商用電源からの電力を前記液晶部材に供給する
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
非常時は、常時の前記商用電源から前記液晶部材に供給する電力の電圧よりも小さい電圧の電力を前記バッテリから前記液晶部材に供給するとともに、前記バッテリの電圧降下に伴い、前記バッテリから前記液晶部材に供給する電力の電圧を低下させる
ことを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記液晶部材は、電圧を印加することにより光拡散状態となる特性を有し、
非常時に前記バッテリからの電力を前記液晶部材に供給する
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項5】
前記液晶部材は、液晶層を挟み込む透明基材が不燃材で形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、常時・非常時兼用の照明器具がある。この照明器具では、常時と非常時とで要求される配光が異なるため、常時用と非常時用に2つの光源および光学部品を用いている。
【0003】
そのため、1つ器具内に2つの光源および光学部品を配置することになり、構造が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、構造を簡素化できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明器具は、バッテリと、常時は商用電源、非常時はバッテリからの電力供給により点灯する光源と、光源の光照射側に配置され、光源からの光を常時と非常時で異なる配光に制御する液晶部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明器具によれば、構造を簡素化することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す照明器具の断面図である。
【
図3】同上照明器具の液晶部材の特性に応じ、常時の商用電源と非常時のバッテリの電力供給の有無、光源および液晶部材の状態の例を示し、(a)は液晶部材がリバースモードタイプの場合の第1の例を示す表、(b)は液晶部材がリバースモードタイプの場合の第2の例を示す表、(c)は第2の例において時間経過に伴うバッテリの電圧降下と液晶部材の拡散度合を示すグラフ、(d)は液晶部材がノーマルモードタイプの場合の第3の例を示す表である。
【
図4】第2の実施形態を示す照明器具の断面図である。
【
図5】第3の実施形態を示す照明器具の断面図である。
【
図6】第4の実施形態を示す照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図3を参照して説明する。
【0010】
照明器具10は、被設置部である例えば天井部材に形成された埋込孔に埋込設置されるダウンライト形の非常用照明器具である。照明器具10は、常時における一般照明機能と非常時における非常灯機能とを一体に兼ね備えている。
【0011】
照明器具10は、天井部材に設置される本体ユニット11と、この本体ユニット11に配置される光源ユニット12と、この光源ユニット12に電力供給する電源ユニット13と、光源ユニット12の光照射側に配置される液晶部材14と、を備えている。
【0012】
本体ユニット11は、金属製の化粧枠20と、この化粧枠20の上部に取り付けられたホルダ21と、化粧枠20の周囲に取り付けられた複数の取付ばね22と、を備えている。化粧枠20には、上下方向に開口する円筒状の筒部23が設けられ、この筒部23の下端側から周囲に環状のフランジ部24が突出されている。取付ばね22は、板ばねによって構成されており、ばね力によって化粧枠20の外側方に展開するように構成されている。取付ばね22は、化粧枠20の側面に沿うように弾性変形された状態で天井部材の埋込孔に挿入され、ばね力によって化粧枠20の側方に展開して天井部材の上面側に係合することにより化粧枠20を引き上げ、化粧枠20のフランジ部24が天井部材の下面に当接する状態で、照明器具10全体を天井部材に支持する。
【0013】
また、光源ユニット12は、光源30と、この光源30を取り付けた放熱体31と、光源30からの光を光照射側に向けて反射させる反射体32と、光源30の光照射側に配置される光源カバー33と、電源ユニット13と電気的に接続される配線部36と、を備えている。光源30は、1つであり、常用と非常用で兼用される。光源30は、基板34の表面に例えばLEDなどの発光素子35が複数実装された光源モジュールが用いられる。基板34の背面側が放熱体31に熱的に接続された状態で取り付けられている。光源30は、配線部36に電気的に接続され、電源ユニット13からの点灯電力が配線部36を通じて供給される。放熱体31は、金属製で、光源カバー33とともに光源30を収容する筐体を成すもので、本体ユニット11内に取り付けられている。光源カバー33は、例えばガラスまたは樹脂製で、光透過性を有している。光源カバー33の内面側には、光源30からの光の配光を制御するフレネルレンズなどのレンズを設けてもよい。そして、光源ユニット12は、本体ユニット11に対して、化粧枠20の下面開口を通じて交換可能に配置されていてもよいし、交換不可で本体ユニット11に固定的に配置されていてもよい。
【0014】
また、電源ユニット13は、本体ユニット11のホルダ21に取り付けられる取付部材40を備えるとともに、この取付部材40の下面側に配置される端子台41、バッテリ42、および電源部43などを備えている。さらに、電源部43から引き出され、光源ユニット12の配線部36に電気的に接続される配線部44を備えている。
【0015】
端子台41には、商用電源からの電力を供給する電源線が接続される。端子台41と電源部43とは配線によって電気的に接続され、端子台41に供給される商用電源からの電力が電源部43に入力される。
【0016】
バッテリ42は、例えばニッケル水素電池などの充放電可能な二次電池が用いられ、電源部43に対して電気的に接続されている。
【0017】
電源部43は、光源ユニット12の配線部36と電気的に接続される配線部44を介して光源30に電気的に接続されている。さらに、電源部43は、例えば配線部36,44を介して液晶部材14に電気的に接続され、または、配線部36,44とは別の配線経路を介して液晶部材14に電気的に接続されている。
【0018】
電源部43は、商用電源からの電力が供給されている常時において、商用電源からの電力を常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を常時の明るさで点灯させる。さらに、商用電源からの電力を所定の充電電力に変換してバッテリ42に供給し、バッテリ42を充電する。
【0019】
電源部43は、商用電源からの電力の供給が遮断された停電時などの非常時において、バッテリ42から放電される電力を非常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を非常時の明るさで点灯させる。例えば、非常時の点灯電力の電流は常時の点灯電力の電流よりも小さく、光源30の非常時の明るさは非常時の規定された明るさ以上であるが常時の明るさよりも暗い。
【0020】
電源部43は、商用電源またはバッテリ42からの電力を所定の液晶駆動電力に変換して液晶部材14に供給し、液晶部材14を駆動可能とする。電源部43から液晶部材14への電力の供給は、液晶部材14の特性に応じて常時と非常時とで異なり、詳細については後述する。
【0021】
また、液晶部材14は、本体ユニット11の化粧枠20の下面開口を覆って配設され、つまり光源30の光照射側に配置される。液晶部材14は、光源ユニット12が化粧枠20の下面開口を通じて交換可能な場合には、化粧枠20の下面開口に着脱可能または開閉可能に配置される。
【0022】
液晶部材14は、既知の液晶構造を備えるものであり、
図1には液晶構造を省略して図示している。液晶部材14は、平面状のパネルタイプであり、ガラスや透明樹脂製であって好ましくは不燃材で平板状に形成された2枚の透明基材と、各透明基材の内面に形成された透明電極膜と、2枚の透明基材の内面間(透明電極膜の内面3間)に形成された液晶層と、を少なくとも備えている。この構成の液晶部材14はノーマルモードタイプと言われるものであるが、リバースモードタイプの液晶部材14においては、2枚の透明基材の透明電極膜の内面側に垂直配光膜をさらに備えている。そして、一対の透明電極膜は、配線部36,44を介して、または別の配線系統を介して電源部43に電気的に接続され、電源部43から電力が供給されて動作する。
【0023】
液晶層は、液晶分子と、この液晶分子を保持する高分子とを含んでいる。液晶分子の保持形式は、ポリマーネットワーク型(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)でもよいし、ポリマー分散型(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)でもよい。
【0024】
液晶部材14は、電圧の印加により透明状態、電圧の印加解除により光拡散状態となる特性を有するノーマルモードタイプと、電圧の印加により光拡散状態、電圧の印加解除により透明状態となるリバースモードタイプとがある。
【0025】
ノーマルモードタイプの液晶部材14は、一対の透明電極膜間に電圧を印加していない状態において、液晶分子の向きが不規則で、透過する光が散乱し、例えば乳白となる不透明または半透明の光拡散状態となり、光が拡散されて透過する。一方、一対の透明電極膜間に電圧を印加すると、不規則であった液晶分子の向きが透明電極膜に対して垂直に配列され、透明状態となり、光が直線的に透過可能となる。
【0026】
リバースモードタイプの液晶部材14は、一対の透明電極間に電圧を印加していない状態では、垂直配光膜の影響によって液晶分子の向きが垂直配光膜に対して垂直に配列され、透明状態となり、光が直線的に透過可能となる。一方、一対の透明電極膜間に電圧を印加すると、液晶分子の向きが透明電極膜に対して平行状に配列され、透過する光が散乱し、例えば乳白となる不透明または半透明の光拡散状態となる。
【0027】
次に、照明器具10の動作を説明する。
【0028】
まず、液晶部材14が電圧印加により透明状態となるリバースモードタイプの場合の第1の例について説明する。
図3(a)には、液晶部材14がリバースモードタイプの場合の第1の例の動作状況を示す。
【0029】
常時には、電源部43は、商用電源からの電力を常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を点灯させる。さらに、電源部43は、商用電源からの電力を所定の液晶駆動電力に変換して液晶部材14に供給し、液晶部材14を透明状態とする。そのため、点灯した光源30からの光が透明状態の液晶部材14を透過し、常時の配光で光を照射する。
【0030】
なお、常時において、液晶部材14に供給する点灯電力の電圧を調整することにより、液晶部材14による光拡散度合を調整し、それによって、光照射範囲を調整してもよい。
【0031】
非常時には、電源部43は、バッテリ42からの電力を非常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を点灯させる。電源部43は、液晶部材14に対して電力を供給せず、液晶部材14を光拡散状態とする。そのため、点灯した光源30からの光が光拡散状態の液晶部材14により拡散されて透過し、常時の配光よりも広い非常時の配光で光を照射する。
【0032】
そして、液晶部材14がリバースモードタイプの場合の第1の例では、非常時に液晶部材14に電力を供給しなくても光拡散状態とすることができるため、バッテリ42の電力を液晶部材14の駆動に使用せずに済み、バッテリ42の容量を大きくしなくてよい。
【0033】
続いて、液晶部材14が電圧印加により透明状態となるリバースモードタイプの場合の第2の例について説明する。
図3(b)には、液晶部材14がリバースモードタイプの場合の第2の例の動作状況を示し、
図3(c)には、第2の例において時間経過に伴うバッテリ42の電圧降下と液晶部材14の光拡散度合のグラフを示す。
【0034】
常時には、電源部43は、商用電源からの電力を常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を点灯させる。さらに、電源部43は、商用電源からの電力を所定の液晶駆動電力に変換して液晶部材14に供給し、液晶部材14を透明状態とする。そのため、点灯した光源30からの光が透明状態の液晶部材14を透過し、常時の配光で光を照射する。
【0035】
なお、常時において、液晶部材14に供給する点灯電力の電圧を調整することにより、液晶部材14による光拡散度合を調整し、それによって、光照射範囲を調整してもよい。
【0036】
非常時には、電源部43は、バッテリ42からの電力を非常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を点灯させる。さらに、電源部43は、バッテリ42からの電力を所定の液晶駆動電力に変換して液晶部材14に供給する。この際、非常時の点灯電力の電圧を、常時に液晶部材14に供給する点灯電力の電圧よりも小さく(例えば常時の半分の電圧)することにより、液晶部材14を透明状態よりも光が拡散する光拡散状態である例えば半光拡散状態とする。そのため、点灯した光源30からの光が半光拡散状態の液晶部材14により拡散されて透過し、常時の配光よりも広い非常時の配光で光を照射する。
【0037】
非常時において、
図3(c)に示すように(
図3(c)の実線の曲線はバッテリ42の電圧(光源30の明るさ)の変化、破線の曲線は光拡散度合の変化)、時間経過に伴う電力の使用により、バッテリ42の電圧降下が生じる。電源部43は、バッテリ42の電圧を検出し、電圧降下に伴って、液晶部材14に供給する電力の電圧を連続的または段階的に低下させるように制御する。そのため、バッテリ42の電圧降下に伴い、液晶部材14の光拡散度合が増加し、光源30からの光の配光を広げる。
【0038】
そして、液晶部材14がリバースモードタイプの場合の第2の例では、非常時に、バッテリ42の電圧降下に伴い、光源30の明るさが低下していくが、液晶部材14の光拡散度合が増加していくことにより、光源30からの光の配光を広げ、光を照射される範囲を確保することができる。
【0039】
続いて、液晶部材14が電圧印加により光拡散状態となるノーマルモードタイプの場合の第3の例について説明する。
図3(d)には、液晶部材14がノーマルモードタイプの場合の第3の例の動作状況を示す。
【0040】
常時には、電源部43は、商用電源からの電力を常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を点灯させる。電源部43は、液晶部材14に対して電力を供給せず、液晶部材14を透明状態とする。そのため、点灯した光源30からの光が透明状態の液晶部材14を透過し、常時の配光で光を照射する。
【0041】
非常時には、電源部43は、バッテリ42からの電力を非常時の点灯電力に変換して光源30に供給し、光源30を点灯させる。さらに、電源部43は、バッテリ42からの電力を所定の液晶駆動電力に変換して液晶部材14に供給し、液晶部材14を光拡散状態とする。そのため、点灯した光源30からの光が光拡散状態の液晶部材14により拡散されて透過し、常時の配光よりも広い非常時の配光で光を照射する。
【0042】
なお、非常時において、液晶部材14に供給する点灯電力の電圧を調整することにより、液晶部材14による光拡散度合を調整し、光照射範囲を調整してもよい。
【0043】
そして、液晶部材14がノーマルモードタイプの場合の第3の例では、非常時に、常時よりも広い配光で光を照射できる。
【0044】
このように、照明器具10では、光源30の光照射側に配置される液晶部材14により常時と非常時で異なる配光に制御することにより、常時と非常時でそれぞれに適切な配光を得ることができるため、常時と非常時で1つの光源30および1つの光学系である液晶部材14を兼用でき、構造を簡素化できる。
【0045】
また、液晶部材14の透明基材がガラスなどの不燃材で形成した場合、光源30を覆う光源カバー33が樹脂製であっても、照明器具10を防災照明として活用できる。
【0046】
【0047】
液晶部材14は、可撓性を有するフィルムタイプ(液晶フィルム)の場合である。フィルムタイプの液晶部材14は、透明基材として例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムや、ガラスフィルムなどを用いている。
【0048】
化粧枠20の下面開口を覆うようにガラスまたは樹脂製の透明カバー50が配置され、この透明カバー50の光源30とは反対側の外面、または光源30に対向する内面にフィルムタイプの液晶部材14が貼り付けられて配置されている。
【0049】
この場合にも、光源30の光照射側に配置される液晶部材14により常時と非常時で異なる配光に制御することにより、常時と非常時でそれぞれに適切な配光を得ることができるため、常時と非常時で1つの光源30および1つの光学系である液晶部材14を兼用でき、構造を簡素化できる。
【0050】
さらに、フィルムタイプの液晶部材14の透明基材がガラスフィルムやガラスクロスを含有した樹脂フィルムなどの不燃材で形成した場合、光源30を覆う光源カバー33や透明カバー50が樹脂製であっても、照明器具10を防災照明として活用できる。
【0051】
【0052】
光源カバー33の少なくとも光源30の光照射側に対向する領域に、上述した第1の実施形態と同様の平面状のハードパネルタイプの液晶部材14が用いられる。化粧枠20の下面側は開口されている。
【0053】
この場合にも、光源30の光照射側に配置される液晶部材14により常時と非常時で異なる配光に制御することにより、常時と非常時でそれぞれに適切な配光を得ることができるため、常時と非常時で1つの光源30および1つの光学系である液晶部材14を兼用でき、構造を簡素化できる。
【0054】
さらに、液晶部材14の透明基材がガラスなどの不燃材で形成した場合、照明器具10を防災照明として活用できる。
【0055】
さらに、液晶部材14が光源カバー33に配置されることで、電源部43との電気的な接続を光源30と一緒に行うことができ、配線構造を簡素化できる。
【0056】
【0057】
光源カバー33の光源30とは反対側の外面、または光源30に対向する内面に、上述した第2の実施形態と同様のフィルムタイプの液晶部材14が貼り付けられて配置されている。化粧枠20の下面側は開口されている。
【0058】
この場合にも、光源30の光照射側に配置される液晶部材14により常時と非常時で異なる配光に制御することにより、常時と非常時でそれぞれに適切な配光を得ることができるため、常時と非常時で1つの光源30および1つの光学系である液晶部材14を兼用でき、構造を簡素化できる。
【0059】
さらに、フィルムタイプの液晶部材14の透明基材がガラスフィルムやガラスクロスを含有した樹脂フィルムなどの不燃材で形成し、光源カバー33の外面に配置された場合、光源30を覆う光源カバー33が樹脂製であっても、照明器具10を防災照明として活用できる。
【0060】
さらに、液晶部材14が光源カバー33に配置されることで、電源部43との電気的な接続を光源30と一緒に行うことができ、配線構造を簡素化できる。
【0061】
なお、各実施形態において、光源30は、常時用光源と非常時用光源との2つ備えていてもよい。この場合、常時用光源と非常時用光源のいずれが点灯する場合でも、1つの液晶部材14により配光を制御できるため、構造が複雑になるのを最小限に留めることができる。
【0062】
また、液晶部材14を用いた照明器具10は、ダウンライト形に限らず、天井直付け形、壁面取付形、床面埋込形などにも適用できる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 照明器具
14 液晶部材
30 光源
42 バッテリ