(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008571
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】イヤーウォーマー
(51)【国際特許分類】
A41D 13/00 20060101AFI20240112BHJP
A61F 11/14 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A41D13/00 102
A61F11/14
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110545
(22)【出願日】2022-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】722008010
【氏名又は名称】西荒井 希
(72)【発明者】
【氏名】西荒井 希
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AC13
3B211AC13
(57)【要約】
【課題】装着時に髪型を崩さず、コンパクトで持ち運び時や収納時に便利でありながら、耳への圧迫感やメガネのツルへの干渉がないイヤーウォーマーを提供することを課題とする。
【解決手段】イヤーウォーマーであって、耳全体を覆う耳覆い部と、前記耳覆い部の一辺側に設けられ略三日月状で耳の後方に引っかけられる引っかけ部と、イヤーウォーマーの装着時における前記耳覆い部の上側部と下側部とを結ぶベルト部とを備えたイヤーウォーマーである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤーウォーマーであって、
耳全体を覆う耳覆い部と、前記耳覆い部の一辺側に設けられ略三日月状で耳の後方に引っかけられる引っかけ部と、イヤーウォーマーの装着時における前記耳覆い部の上側部と下側部とを結ぶベルト部とを備えたことを特徴とするイヤーウォーマー。
【請求項2】
前記ベルト部の長さは4cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のイヤーウォーマー。
【請求項3】
前記ベルト部の一端又は両端が前記耳覆い部に着脱できることを特徴とする請求項1または2に記載のイヤーウォーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤーウォーマー、及びその構造に関する。
【背景技術】
【0002】
イヤーウォーマーは、寒い時期に耳を保温する耳あてとして多用されている。イヤーウォーマーは、耳をカバーして保温する左右の耳カバーと、ヘッドホンのように左右の耳カバーをつなぐバンドとから成っている(特許文献1)。
また、布部材を耳のサイズに合わせて立体的に裁断して成形し、耳に被せて使用するイヤーウォーマーがある。
これは布部材と、耳挿入用の楕円形開口部が設けられた弾性を有する挿入体から成り、弾性を有する挿入体が布部材によって包み込まれていることを特徴とする(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014ー83359
【特許文献2】特開2005ー319005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなヘッドホンタイプは、左右の耳カバーを繋ぐバンドにより、装着時にセットした髪型が必然的に崩れる仕様である。
左右の耳カバーで頭を挟むように両耳を圧迫して固定しているので、耳や頭部が圧迫されて痛みや不快感を持ちやすい。
また、左右の耳カバーで頭を挟むように両耳を圧迫して固定しているだけなので、頭を動かすなどの動作ですぐに外れる。持ち運び時や収納時に嵩張る。
【0005】
特許文献2のような耳に被せ、弾力性を有する挿入体によって、耳を圧迫し耳全体を圧迫し挟み込むようにして固定するタイプは、その形が決まっているが故に、耳の形や大きさ等の個人差に対応できず、装着した際に耳が圧迫されて耳に痛みを与えたり、頭を動かすなどの動作ですぐに外れたりする。
【0006】
また、上記の両タイプとも、メガネのツルに当たって耳付近のツルが圧迫されたり、メガネの装着状態が変化したりして不快である。
【0007】
本発明は、上記種々の課題を解決するもので、その目的とするところは、
装着時に髪型を崩さず、コンパクトで持ち運び時や収納時に便利でありながら、耳への圧迫感やメガネのツルへの干渉がなく、前記引っかけ部と前記ベルト部によって前記耳覆い部を耳に装着することができ、装着時の感触及び保温・保護効果に優れ、使用中に簡単に外れてしまうことがないイヤウォーマーを提供することにある。
眼鏡をかけマスクもしている場合は、眼鏡のツルもしくはマスクの紐のどちらかを前記ベルト部に通して装着する。
また、本発明は、メガネをかけていない人にも、メガネのツルの代わりにマスクの紐を使用して上記と同様の効果と利便性を提供できる。
【課題を解決する為の手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、イヤーウォーマーであって、耳全体を覆う耳覆い部と、前記耳覆い部の一辺側に設けられ略三日月状で耳の後方に引っかけられる引っかけ部と、イヤーウォーマーの装着時における前記耳覆い部の上側部と下側部とを結ぶ、ベルト部とを備えたことを特徴とするイヤーウォーマーに関する。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記ベルト部の長さは4cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のイヤーウォーマーに関する。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記ベルト部の一端又は両端が前記耳覆い部に着脱できることを特徴とする請求項1または2に記載のイヤーウォーマーに関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のイヤーウォーマーは、特許文献1のようなヘッドホンタイプではないため、装着時にセットした髪型が崩れることはない。前記ヘッドホンタイプのように、左右の耳カバーで頭を挟むように両耳を圧迫して固定するものではないため、耳や頭部が圧迫されることによる、痛みや不快感を持つこともない。また、前記ヘッドホンタイプのように、左右の耳カバーで頭を挟むように両耳を圧迫して固定をしないため、頭を動かすなどの動作ですぐに外れることもない。さらに、前記ヘッドホンタイプのように、持ち運びや収納時に嵩張ることなくコンパクトである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るイヤーウォーマーの正面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るイヤーウォーマーの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るイヤーウォーマーの装着図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るメガネをかけた状態でのイヤーウォーマー装着時の状態を想像線で示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るマスクを着けた状態でのイヤーウォーマー装着時の状態を想像線で示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るイヤーウォーマーの他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を図に基づいて説明する。
図1ないし
図2に示すようにイヤーウォーマーは、耳覆い部(1)、引っかけ部(2)、ベルト部(3)とから成っている。
本発明のイヤーウォーマーの装着は、眼鏡またはマスクを装着し、
図1ないし
図2のベルト部(3)を眼鏡のツルまたはマスクの紐に通し、
図1ないし
図2の引っかけ部(2)を耳の後ろ側に引っかけて耳に固定し、装着する。
【0014】
本発明のイヤーウォーマーに用いる布部材としては、耳覆い部(1)、引っかけ部(2)、ベルト部(3)とも、主として保温性を具えた材料であれば限定されず、織布、不織布、ニット等いずれも使用できる。
【0015】
耳覆い部(1)は、円形状で耳全体を覆う。
引っかけ部(2)は、耳覆い部(1)の内側(身体側)の一辺側の半周に沿って略三日月状の形状で あり、耳輪に引っかけられるよう、ポケット状に成形されている。
耳覆い部(1)、引っかけ部(2)、ベルト部(3)をそれぞれ成形するにあたっての方法は、保温性を具えた材料であれば1枚でもいいし、1枚以上の材料を縫う、編む、接着などがあるが、その方法は問わない。
耳覆い部(1)と引っかけ部(2)をポケット状に成形するにあたっての方法は、縫う、編む、接着などがあるが、その方法は問わない。
【0016】
ベルト部(3)は、耳覆い部(1)の内側(身体側)でイヤーウォーマーの装着時における耳覆い部(1)の上側部(11)と下側部(12)とを結び、引っかけ部(2)に略平行に取り付けられており、その取り付ける間隔(Ⅾ)は引っかけ部の端とベルト部の端が0.5cm以上、更には1cm以上、更には1.5cm以上開いていることが好ましい。
ベルト部(3)の役割は、メガネのツルやマスクの紐を通し、引っかけ部と共に2点でイヤーウォーマーを耳に固定することである。
ベルト部(3)の長さ(Ⅼ)は4cm以上、更には5cm以上、更には6cm以上あることが望ましい。こうすることにより、メガネのツルだけでなく、マスクの上下の紐を通してもイヤーウォーマーを耳に固定することができる。
ベルト部(3)の幅は問わない。
前記例ではベルト部(3)を、耳覆い部(1)へ取り付ける際、略平行としたが、ベルト部(3)と耳覆い部(1)とが成す角度が30度などになるように取り付けてもよい。
【0017】
ベルト部(3)の、耳覆い部(1)への取り付けの方法は、縫う、編む、接着などがあるが、その方法は問わない。また、ベルト部(3)は、その端が耳覆い部(1)に着脱できる仕様になっている。着脱部については、一端でも両端でもいいし、方法はホック、スナップボタン、面ファスナーなどがあるが、その方法は問わない。
【0018】
本発明のイヤーウォーマーは、
図1のとおり、耳覆い部と、引っかけ部と、ベルト部とから成る非常に簡潔な構造であり、製造工程が簡便である。
また、特許文献1、特許文献2のように耳に当たる部分にプラスチックや金属等の固い素材を使わなくても製造可能なことから、装着時のソフトな感触を向上させることができる。
さらに、メガネのツルやマスクの紐に
図1のベルト部(3)を通して、簡単に装着できるが、頭を動かすなどのちょっとした動作によって外れることはなく、保温・保護効果を向上させることができる。
また、本発明は、非常にコンパクトな形態なので、携帯時や収納時に利便性が高い。
【0019】
本発明のイヤーウォーマーは、特許文献1のようなヘッドホンタイプのように、左右の耳カバーで頭を挟むように両耳を圧迫して固定するものではないため、装着時にセットした髪型が崩れることはない。また、耳や頭部が圧迫されることによる、痛みや不快感を持つこともなく、頭を動かすなどの動作ですぐに外れることもない。さらに、持ち運びや収納時に嵩張ることなくコンパクトである。
【0020】
本発明のイヤーウォーマーは、特許文献2のような弾力性を有する挿入体によって、耳全体を圧迫し挟み込むようにして固定するタイプではないため、耳の形や大きさ等の個人差にも対応でき、装着した際に耳が圧迫されることがなく、耳に痛みを与えたり、頭を動かすなどの動作ですぐに外れたりすることはない。
【0021】
また、上記特許文献1のようなヘッドホンタイプや、上記特許文献2のような弾力性を有する挿入体によって、耳全体を圧迫し挟み込むようにして固定するタイプのように、メガネのツルに当たってツルが圧迫されたり、眼鏡の装着状態に影響したりして不快感を感じない。
【0022】
本発明のイヤーウォーマーは、前記引っかけ部と前記ベルト部の2点で前記耳覆い部を耳に固定する。前記引っかけ部を耳の後方で耳輪に引っかけるだけであるため、耳全体を圧迫することがなく装着できる。そのため、耳の形や大きさ等の個人差にも対応でき、圧迫による痛みや不快感もない。
前記引っかけ部を耳輪に引っかけるだけではイヤーウォーマーが耳に固定できず落ちてしまうが、前記ベルト部にメガネのツルやマスクの紐を通すことによって、2点でイヤーウォーマーを固定することになり、簡単に外れることがない。
【0023】
本発明は、上記種々の課題を解決するもので、その目的とするところは、
装着時に髪型を崩さず、コンパクトで持ち運び時や収納時に便利でありながら、耳への圧迫感やメガネのツルへの干渉がなく引っかけ部とベルト部の2点で簡単に装着でき、装着時の感触及び保温・保護効果に優れ、使用中にすぐに外れてしまうことがないイヤーウォーマーを提供することにある。
眼鏡をかけマスクもしている場合は、眼鏡のツルもしくはマスクの紐のどちらかをベルト部に通して使用する。
また、本発明は、メガネをかけていない人にも、メガネのツルの代わりにマスクの紐を使用して上記と同様の効果と利便性を提供できる。
【0024】
<他の実施形態>
図3の実施形態では、
図1ないし
図2の(1)の形状を円形にしているが、耳を覆う形状であれば、そのサイズ、デザインは様々なものでよい。
また、素材も保温性があれば、織布、不織布、毛糸、フェルト、フェイクファー等様々なものが使用可能である。
図1ないし
図2の(2)、(3)についても、その素材は特定しない。また、デザイン性を持たせることも可能である。
図1ないし
図2の(1)に、
図5のように装飾具を取り付けることも可能である。
【0025】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えても良いし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせても良い。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、コンパクトであり、持ち運びに便利でありながら、簡単に装着でき、耳にしっかり固定できるので使用中に落ちてしまうことがなく耳を覆うことのできるイヤーウォーマーであり、通勤・通学、散歩、ジョギングなどにおいて有効である上に、布帛の生産者、縫製、その他、広く産業上の利用可能性は高いものである。
【符号の説明】
【0027】
(1) 耳覆い部
(2) 引っかけ部
(3) ベルト部
(Ⅾ) 引っかけ部(2)とベルト部(3)の間隔
(Ⅼ) ベルト部(3)の長さ
(11) 耳覆い部(1)の上側部
(12) 耳覆い部(1)の下側部
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
ベルト部(3)は、耳覆い部(1)の内側(身体側)でイヤーウォーマーの装着時における耳覆い部(1)の上側部(11)と下側部(12)とを結び、引っかけ部(2)に略平行に取り付けられており、その取り付ける間隔(D)は引っかけ部の端とベルト部の端が0.5cm以上、更には1cm以上、更には1.5cm以上開いていることが好ましい。
ベルト部(3)の役割は、メガネのツルやマスクの紐を通し、引っかけ部と共に2点でイヤーウォーマーを耳に固定することである。
ベルト部(3)の長さ(L)は4cm以上、更には5cm以上、更には6cm以上あることが望ましい。こうすることにより、メガネのツルだけでなく、マスクの上下の紐を通してもイヤーウォーマーを耳に固定することができる。
ベルト部(3)の幅は問わない。
前記例ではベルト部(3)を、耳覆い部(1)へ取り付ける際、略平行としたが、ベルト部(3)と耳覆い部(1)とが成す角度が30度などになるように取り付けてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
(1)耳覆い部
(2)引っかけ部
(3)ベルト部
(D)引っかけ部(2)とベルト部(3)の間隔
(L)ベルト部(3)の長さ
(11)耳覆い部(1)の上側部
(12)耳覆い部(1)の下側部
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネやマスクをしているときに使用するイヤーウォーマーであって、耳全体を覆う耳覆い部と、前記耳覆い部の一辺側に設けられ略三日月状で耳の後方に引っかけられる引っかけ部と、イヤーウォーマーの装着時における前記耳覆い部の上側部と下側部とを結ぶベルト部とを備えた一体物であり、ベルト部にメガネのツルやマスクの紐を通すことを特徴とするイヤーウォーマー。
【請求項2】
前記耳覆い部、前記引っかけ部、前記ベルト部の素材は、織布、不織布、毛糸、フェルト、フェイクファーを使用し、弾性のある素材で作られた芯材を使用しないことを特徴とする請求項1に記載のイヤーウォーマー。
【請求項3】
前記ベルト部の一端又は両端が前記耳覆い部に着脱できることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイヤーウォーマー。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネ又はマスクの装着時を前提とするイヤーウォーマーであって、
耳全体を覆う耳覆い部と、
前記耳覆い部の一辺側に設けられ略三日月状かつポケット状に成形され、耳の後方で耳輪に引っかけるのみの引っかけ部と、
装着時前記耳覆い部の上側部と下側部とを結び、メガネのツル又はマスクの紐で支持されるベルト部とを備えた一体物であり、
前記引っかけ部の後方耳輪の引っかけ部分と、メガネのツルではこめかみで、マスクの紐では耳前方こめかみから頬の間で、メガネのツル又はマスクの紐で支持される前記ベルト部とによって、前記耳覆い部を支持すること、を特徴とするイヤーウォーマー。
【請求項2】
前記ベルト部の一端又は両端が前記耳覆い部に着脱できることを特徴とする請求項1に記載のイヤーウォーマー。