(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085712
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】媒体搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20240620BHJP
B65H 11/00 20060101ALI20240620BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65H7/02
B65H11/00 G
G03G15/00 407
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200384
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛
(72)【発明者】
【氏名】廣井 全和
【テーマコード(参考)】
2H072
3F048
3F063
【Fターム(参考)】
2H072AA02
2H072AA12
2H072AA22
2H072AA29
2H072BA06
2H072HA04
3F048AA01
3F048AB01
3F048AC02
3F048BA02
3F048BA14
3F048BB02
3F048CB01
3F048CC01
3F048DA02
3F048DB07
3F048DB13
3F048EA03
3F063AA03
3F063BA02
3F063CA02
3F063CC03
3F063CD03
3F063CD10
(57)【要約】
【課題】より精度良く媒体エラーを検知できるようにする。
【解決手段】装置本体と、媒体が載置される載置面を有する媒体トレイと、前記媒体トレイから前記装置本体へ媒体を搬送する媒体搬送部とを備え、前記媒体トレイは、前記載置面上に載置された媒体を検出する第1センサと、前記載置面上に載置された媒体が前記装置本体側へ搬送されていることを検出する第2センサと、媒体エラーを判定する媒体エラー判定部とを備え、前記媒体エラー判定部は、前記第1センサが、前記載置面上に前記媒体が有ることを検出している状態で、前記第2センサが、前記載置面上に載置された前記媒体が搬送されていることを検出している状態から搬送されていないことを検出している状態へと移行した場合に、媒体エラーと判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
媒体が載置される載置面を有する媒体トレイと、
前記媒体トレイから前記装置本体へ前記媒体を搬送する媒体搬送部と
を備え、
前記媒体トレイは、
前記載置面上に載置された前記媒体を検出する第1センサと、
前記載置面上に載置された前記媒体が前記装置本体側へ搬送されていることを検出する第2センサと、
媒体エラーを判定する媒体エラー判定部と
を備え、
前記媒体エラー判定部は、
前記第1センサが、前記載置面上に前記媒体が有ることを検出している状態で、前記第2センサが、前記載置面上に載置された前記媒体が搬送されていることを検出している状態から搬送されていないことを検出している状態へと移行した場合に、媒体エラーと判定する
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第1センサと前記第2センサは、
前記媒体トレイの前記載置面に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記媒体トレイに載置された前記媒体の種別を判別する判別部を備え、
前記媒体エラー判定部は、
前記判別部により前記媒体の種別が連続媒体と判別されていて、前記第1センサが、前記載置面上に前記連続媒体が有ることを検出している状態で、前記第2センサが、前記載置面上に載置された前記連続媒体が搬送されていることを検出している状態から搬送されていないことを検出している状態へと移行した場合に、媒体エラーと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記媒体エラー判定部は、
前記判別部により前記媒体の種別が連続媒体と判別されていて、前記第1センサが、前記載置面上に前記連続媒体がないことを検出した場合に、媒体エラーと判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記媒体エラー判定部は、
前記判別部により前記媒体の種別がカット媒体と判別されていて、前記第1センサが、前記載置面上に前記カット媒体が有ることを検出している状態で、前記第2センサが、前記載置面上に載置された前記カット媒体が搬送されていることを検出した場合に、媒体エラーと判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記媒体搬送部は、
前記判別部により前記媒体の種別が連続媒体と判別されていて、前記媒体エラー判定部により前記媒体エラーと判定された場合に、前記連続媒体の搬送を停止する
ことを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記第1センサは、
前記第2センサよりも媒体搬送方向の上流側に設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の媒体搬送装置を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置及び当該媒体搬送装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、媒体(つまり用紙)に画像を形成する画像形成装置として、例えばロール紙などの連続紙に画像を形成可能なものがある(例えば特許文献1参照)。また従来の画像形成装置は、用紙切れやジャム(つまり用紙詰まり)などの用紙エラーを検知する為の検知手段を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置では、用紙切れやジャムなどの用紙エラーを検知できない場合があり、より精度良く用紙エラーを検知できるようにすることが求められている。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、より精度良く媒体エラーを検知できる画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の媒体搬送装置は、装置本体と、媒体が載置される載置面を有する媒体トレイと、前記媒体トレイから前記装置本体へ媒体を搬送する媒体搬送部とを備え、前記媒体トレイは、前記載置面上に載置された媒体を検出する第1センサと、前記載置面上に載置された媒体が前記装置本体側へ搬送されていることを検出する第2センサと、媒体エラーを判定する媒体エラー判定部とを備え、前記媒体エラー判定部は、前記第1センサが、前記載置面上に前記媒体が有ることを検出している状態で、前記第2センサが、前記載置面上に載置された前記媒体が搬送されていることを検出している状態から搬送されていないことを検出している状態へと移行した場合に、媒体エラーと判定する。
【0007】
また本発明の画像形成装置は、上述した媒体搬送装置を有する。
【0008】
こうすることで、ロール芯に巻回されているロール紙などの連続媒体の媒体切れなどの媒体エラーを精度良く検知することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より精度良く媒体エラーを検知できる媒体搬送装置及び画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】画像形成装置の構成(ロール紙をセットした場合)を示す図である。
【
図2】画像形成装置の構成(定型紙をセットした場合)を示す図である。
【
図4】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】定型紙が給紙される様子、及びこのときのPEセンサ及び最後紙センサの出力を示す図である。
【
図6】ロール紙が最後まで引き出されて停止する様子、及びこのときのPEセンサ及び最後紙センサの出力を示す図である。
【
図7】ロール紙が最後まで引き出されてロール芯から外れて搬送される様子、及びこのときのPEセンサ及び最後紙センサの出力を示す図である。
【
図8】最後紙センサと対向する位置にローラを追加した構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[1.画像形成装置の基本構成]
図1(A)に、本実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成(印刷機構)を示す。この
図1(A)に例示する画像形成装置1は、いわゆる中間転写方式のカラープリンタであり、箱型の装置本体2を有している。尚、ここでは、装置本体2の図中右側を装置本体2の前側、図中左側を装置本体2の後側、図中手前側を装置本体2の左側、図中奥側を装置本体2の右側、図中上側及び下側を、それぞれ装置本体2の上側及び下側とする。
【0013】
装置本体2の下部には、給紙トレイ10が設けられ、装置本体2の上面には、スタッカ11が設けられ、さらに装置本体2の内部には、給紙トレイ10とスタッカ11とを繋ぐ主搬送路R1が設けられている。
【0014】
さらにこの主搬送路R1上には、給紙トレイ10側から順に、用紙分離ローラ部12、第1入り口センサ13、第1レジストローラ部14、第2入り口センサ15、第2レジストローラ部16、調整ローラ部17、書き出しセンサ18、二次転写ローラ部19、定着器20、第1出口センサ21、第2出口センサ22が設けられている。
【0015】
給紙トレイ10は、用紙(具体的には定型紙P1)を集積する部分であり、集積された定型紙P1を主搬送路R1へと繰り出す給紙ローラ23を有している。尚、定型紙P1とは、1枚ずつ所定の縦横サイズで形成されたカット紙(単票紙とも呼ぶ)である。用紙分離ローラ部12は、主搬送路R1を挟んで対向配置された2つのローラで構成され、給紙トレイ10から繰り出された定型紙(カット紙)P1を1枚ずつに分離して搬送するローラ部である。
【0016】
第1レジストローラ部14と、第2レジストローラ部16は、それぞれ主搬送路R1を挟んで対向配置された2つのローラで構成され、用紙の斜行を修正して搬送するローラ部である。第1入り口センサ13、第2入り口センサ15、第1出口センサ21、第2出口センサ22は、それぞれ主搬送路R1に沿って搬送されてくる用紙を検出するセンサである。
【0017】
調整ローラ部17は、主搬送路R1を挟んで対向配置された2つのローラで構成され、所定のタイミングで用紙を二次転写ローラ部19へと搬送するローラ部である。書き出しセンサ18は、調整ローラ部17から送り出される用紙の先端を検出するセンサである。
【0018】
二次転写ローラ部19は、主搬送路R1を挟んで対向配置された2つのローラで構成され、間に画像搬送ベルト24が挟み込まれている。画像搬送ベルト24は、二次転写ローラ部19に挟み込まれている部分が下方に突出するように逆三角形状に張架されていて、図中時計回り方向に走行可能となっている。この画像搬送ベルト24は、上部が前後方向に延びる平坦部となっていて、この平坦部の上側に画像形成部25が配置されている。
【0019】
画像形成部25は、画像搬送ベルト24に沿って前後方向に並べて配置された複数(例えば5個)のイメージドラム26(26A~26E)を有している。図中省力しているが、画像形成部25は、イメージドラム26ごとに、露光手段と供給ローラと現像ローラとトナータンクと転写ローラを有していて、露光手段により各イメージドラム26の表面を露光することで当該表面に静電潜像を形成する。さらに画像形成部25は、各イメージドラム26の表面に形成された静電潜像に、トナータンクから供給ローラを介して現像ローラに供給された各色のトナーを付着させて現像することにより、各イメージドラム26の表面に各色のトナー像を形成する。そして画像形成部25は、転写ローラにより、各イメージドラム26の表面に形成された各色のトナー像を、画像搬送ベルト24に転写する。画像搬送ベルト24に転写されたカラーのトナー像は、二次転写ローラ部19へと搬送される。そして二次転写ローラ部19が、画像搬送ベルト24により搬送されてくるトナー像を、調整ローラ部17から送り出された用紙に転写する。
【0020】
定着器20は、二次転写ローラ部19によりトナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、当該用紙にトナー像を定着させる。定着器20から送り出された用紙は、図示しない排出ローラ部により主搬送路R1に沿って搬送され、スタッカ11に排出される。
【0021】
さらに装置本体2の前面側には、定型紙やロール紙などの用紙を給紙可能なマルチパーパストレイ30が設けられている。このマルチパーパストレイ30は、装置本体2の前面側から前方に突出する。
【0022】
マルチパーパストレイ(以下、MPTと略称する)30は、
図1(B)に上から見た上面図を示すように、載置面31と、MPT用給紙ローラ32(
図1(B)では省略)と、PE(Paper End)センサ33と、最後紙センサ34と、用紙ガイド35L、35Rを有している。
【0023】
載置面31は、用紙を載置する面であり外部に露出している。
図1(A)、(B)に示すように、MPT30は、ロール芯Rcに巻回された連続紙としてのロール紙P2を、載置面31の前端側にセットすることができ、このロール芯Rcから後方に引き出されたロール紙P2の一部分(引出部分と呼ぶ)P2pが載置面31に載置されるようになっている。尚、
図1(B)では、引出部分P2pについては省略している。
【0024】
また
図2に示すように、MPT30は、複数枚の定型紙(カット紙)P1を載置面31に重ねて載置(つまり集積)することができるようになっている。
【0025】
MPT用給紙ローラ32は、載置面31の後端側に設けられていて、載置面31に載置された用紙を後述するMPT用搬送路R2へと繰り出するようになっている。例えば、MPT30にロール紙(連続紙)P2がセットされている場合、MPT用給紙ローラ32は、載置面31に載置されているロール紙P2の引出部分P2pをMPT用搬送路R2へと繰り出す。また例えば、MPT30に定型紙(カット紙)P1がセットされている場合、MPT用給紙ローラ32は、載置面31に載置されている定型紙P1の1番上の定型紙P1を主搬送路R1へと繰り出す。
【0026】
PEセンサ33は、載置面31に載置されている用紙の有無を検出するセンサである。このPEセンサ33は、例えば載置面31から一部が突出するレバーを有し、当該レバーの回動位置により用紙の有無を検出する。具体的には、このPEセンサ33は、例えば、当該レバーが初期位置にある場合には、用紙が無いことを示すOFFを出力し、載置面31に載置されている用紙と接触して当該レバーが初期位置から回動した場合には、用紙が有ることを示すONを出力するようになっている。
【0027】
最後紙センサ34は、載置面31に載置されている用紙が搬送されているか否かを検出するセンサである。この最後紙センサ34は、例えば載置面31から一部が突出する回転部を有し、当該回転部が回転しているか否かにより用紙が搬送されているか否かを検出する。具体的には、この最後紙センサ34は、例えば、当該回転部が停止している場合には、用紙が搬送されていないことを示すOFFを出力し、載置面31に載置されている用紙と接触して回転部が回転している場合には、用紙が搬送されていることを示すONを一定間隔で出力するようになっている。
【0028】
尚、
図1(B)に示すように、PEセンサ33と最後紙センサ34は、それぞれ載置面31の幅方向(左右方向)の中央部分に配置されていて、且つPEセンサ33は最後紙センサ34よりも用紙搬送方向上流側(前方)に設けられている。
【0029】
用紙ガイド35L、35Rは、載置面31に載置された用紙の幅方向の位置を規制する為の部材であり、載置面31の幅方向の一端側(左側)と他端側(右側)とに設けられている。この用紙ガイド35L、35Rは、例えば、互いの距離を狭める方向及び広げる方向にスライド可能であり、種々のサイズの用紙に対応するようになっている。
【0030】
MPT30は、上述したMPT用搬送路R2を介して、装置本体2に設けられた主搬送路R1と接続されている。具体的には、このMPT用搬送路R2は、上流側がMPT30と接続され、下流側が、第2レジストローラ部16の上流側近傍で主搬送路R1と接続されている。またこのMPT用搬送路R2には、MPT用分離ローラ部36が設けられている。MPT用分離ローラ部36は、MPT用搬送路R2を挟んで対向配置された2つのローラで構成され、MPT30から繰り出された用紙を1枚ずつに分離して搬送するローラ部である。画像形成装置1の基本的な構成(印刷機構)は、以上のようになっている。尚、画像形成装置1の基本的な構成のうち、用紙(媒体)の搬送に係る部分(MPT用給紙ローラ32、MPT用分離ローラ部36、第2レジストローラ部16、調整ローラ部17など)を用紙搬送装置(媒体搬送装置)とすると、画像形成装置1は用紙搬送装置を備えているといえる。
【0031】
ここで、MPT30にセットされた用紙を用いて印刷を行う場合の画像形成装置1の動作について簡単に説明する。画像形成装置1は、上位装置から受信した印刷データに基づいて、画像形成部25により各イメージドラム26(26A~26E)に各色のトナー像を形成して、これを画像搬送ベルト24に転写する。そして画像形成装置1は、画像搬送ベルト24に転写されたカラーのトナー像を二次転写ローラ部19へと搬送する。
【0032】
また一方で、画像形成装置1は、MPT30にセットされた用紙(定型紙P1やロール紙P2)を、MPT用給紙ローラ32により繰り出し、MPT用分離ローラ部36により1枚ずつに分離して、MPT用搬送路R2から主搬送路R1へと搬送する。
【0033】
さらに画像形成装置1は、MPT30から主搬送路R1へと搬送されてきた用紙を、第2レジストローラ部16により斜行を修正したうえで調整ローラ部17により、トナー像が二次転写ローラ部19へと搬送されてくるタイミングに合わせて二次転写ローラ部19へと搬送する。そして画像形成装置1は、二次転写ローラ部19によりトナー像を用紙に転写する。さらに画像形成装置1は、用紙に転写されたトナー像を定着器20により当該用紙に定着させ、スタッカ11に排出する。
【0034】
[2.画像形成装置の機能構成]
次に、上述した画像形成装置1の機能構成について
図3を用いて説明する。画像形成装置1は、主制御部201と、用紙搬送制御部202と、画像形成制御部203と、定着制御部204とを有している。
【0035】
主制御部201は、上位装置200から送られてくる印刷指示(印刷ジョブ)を受け取り、受け取った印刷指示に基づいて、用紙搬送制御部202、画像形成制御部203、及び定着制御部204に印刷動作の指示を出す。尚、印刷指示には、例えば、印刷画像となる印刷データと印刷設定が含まれている。さらに印刷設定には、例えば使用する用紙のサイズや給紙方法などが指定されていて、主制御部201は、この印刷設定に基づいて用紙の種別(カット紙又は連続紙)を判別するようになっている。例えば、主制御部201は、サイズがA3やA4などに指定されている場合に、用紙の種別をカット紙と判別し、給紙方法が連続紙に指定されている場合に、用紙の種別を連続紙と判別する。
【0036】
用紙搬送制御部202は、用紙の搬送制御を行う部分であり、センサ監視切替部202Aと、カット紙監視制御部202Bと、連続紙監視制御部202Cと、用紙切れ判定部202Dとを有している。
【0037】
センサ監視切替部202Aは、主制御部201により判別された用紙の種別(カット紙または連続紙)に応じて、最後紙センサ34の制御を切り替える。カット紙監視制御部202Bは、主制御部201により用紙の種別がカット紙と判別された場合に、カット紙用のセンサ監視動作(つまりPEセンサ33及び最後紙センサ34の監視動作)を行う。連続紙監視制御部202Cは、主制御部201により用紙の種別が連続紙と判別された場合に、連続紙用のセンサ監視動作(つまりPEセンサ33及び最後紙センサ34の監視動作)を行う。用紙切れ判定部202Dは、カット紙監視制御部202B及び連続紙監視制御部202Cによる監視結果に基づいて用紙切れを判定する。尚、これらセンサ監視切替部202A、カット紙監視制御部202B、連続紙監視制御部202C、及び用紙切れ判定部202Dの動作について詳しくは後述する。
【0038】
画像形成制御部203は、画像形成部25の動作を制御する。定着制御部204は、定着器20の動作を制御する。画像形成装置1の機能構成は、以上のようになっている。
【0039】
[3.画像形成装置の動作]
次に、上述した画像形成装置1の動作について
図4に示すフローチャートを用いて説明する。尚、ここでは、ユーザが画像形成装置1のMPT30に用紙(カット紙または連続紙)をセットして、上位装置200側で画像形成装置1へ印刷指示を出した場合の画像形成装置1の動作について説明する。
【0040】
画像形成装置1の主制御部201は、上位装置200から印刷指示(印刷ジョブ)を受け取ると、ステップSP301において、印刷指示に含まれている印刷設定に基づいて用紙の種別を判別する。ここで、用紙の種別がカット紙であると判別した場合、主制御部201は、センサ監視切替部202Aにより最後紙センサ34の制御をカット紙用の制御に切り替えて、ステップSP302に移る。
【0041】
ステップSP302において、主制御部201は、各部を制御して印刷を開始するとともに、カット紙監視制御部202Bによるカット紙用のセンサ監視を開始する。つづくステップSP303において、用紙切れ判定部202Dは、カット紙監視制御部202Bによるセンサ監視結果をもとに、PEセンサ33により用紙無しが検出されているか否かを判別する。
【0042】
ここで、PEセンサ33により用紙有りが検出されている場合、このことは、例えば、MPT30にセットされたカット紙(定型紙P1)がまだ残っていること(つまり用紙切れとなっていないこと)を意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP303で否定結果を得て、ステップSP304に移る。
【0043】
ステップSP304において、用紙切れ判定部202Dは、カット紙監視制御部202Bによるセンサ監視結果をもとに、最後紙センサ34により用紙が搬送されていることが検出されているか否かを判別する。
【0044】
ここで、最後紙センサ34は、MPT30にセットされている最後の1枚のカット紙(定型紙)が搬送される場合に、回転部が当該カット紙と接触して回転することにより用紙が搬送されていることを検出(つまりONを一定間隔で出力)するようになっている。
【0045】
従って、最後紙センサ34により用紙が搬送されていないことが検出されている場合、このことはMPT30にセットされたカット紙がまだ残っていること(つまり用紙切れとなっていないこと)を意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP304で否定結果を得て、ステップSP305に移る。
【0046】
ステップSP305において、用紙切れ判定部202Dは、印刷動作中であるか否かを判別する。ここで、印刷動作中である場合、このことは、印刷指示(印刷ジョブ)に含まれている印刷データのうち、まだ印刷し終えていない印刷データが残っていることを意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP305で肯定結果を得て、ステップSP303に戻り、引き続きカット紙監視制御部202Bによる監視結果に基づいて用紙切れを判定する。
【0047】
これに対して、印刷動作中でない場合、このことは、印刷指示(印刷ジョブ)に含まれている全ての印刷データの印刷が完了していることを意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP305で否定結果を得て、用紙切れの判定を終了する。ここで一連の動作が終了する。
【0048】
一方で、PEセンサ33により用紙無しが検出された場合、このことは、例えば、MPT30にセットされたカット紙の最後の1枚が給紙されたことを意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、上述したステップSP303で肯定結果を得て、ステップSP306に移る。
【0049】
また最後紙センサ34により用紙が搬送されていることが検出されている場合、このことはMPT30にセットされたカット紙の最後の1枚が給紙されていることを意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP304で肯定結果を得て、ステップSP306に移る。
【0050】
ステップSP306において、用紙切れ判定部202Dは、用紙切れと判定する。用紙切れ判定部202Dにより用紙切れと判定されると、主制御部201は、例えば用紙切れとなった旨を画像形成装置1の図示しない表示部に表示する。つづくステップSP307において、主制御部201は、最後の印刷データの印刷を実行する。ここで一連の動作が終了する。
【0051】
このように、画像形成装置1では、MPT30にセットされたカット紙に印刷を行う場合、PEセンサ33により用紙無しが検出された場合、及びPEセンサ33により用紙有りが検出されていて且つ最後紙センサ34により用紙(最後の1枚のカット紙)が搬送されていることが検出された場合に、用紙切れ判定部202Dが用紙切れと判定するようになっている。
【0052】
ここで、
図5(A)に、MPT30にセットされた最後の1枚のカット紙(定型紙)P1が給紙される様子を示すとともに、
図5(B)に、このときのPEセンサ33及び最後紙センサ34の出力の時間的変化を示す。
【0053】
図5(A)は、MPT30にセットされた最後の1枚のカット紙P1が給紙された直後の様子を示している。このとき、当該カット紙P1が図中矢印Ar1で示す用紙搬送方向に搬送(給紙)されることにより、最後紙センサ34の回転部34Rが図中反時計回り方向に回転する。このとき、最後紙センサ34は、用紙が搬送されていることを検出する。
【0054】
すなわち、最後紙センサ34は、
図5(B)に示すように、回転部34Rが回転を開始した時点t1から、ON、OFF、ON、OFF…というように一定間隔でパルスを出力する。ここで、用紙切れ判定部202Dは、例えば2回目のONとなるパルスの立ち上がり(もしくは立ち下り)のタイミングt2で、用紙切れと判定する。これは、最後紙センサ34では、カット紙P1の重送などにより、カット紙P1が最後の1枚になっていない場合でも、例えば単発的にパルスを出力してしまう場合があり、このような単発的に出力されたパルスを用いると用紙切れを誤判定してしまう為である。
【0055】
尚、ここでは、2回目のパルスの立ち上がり(もしくは立下り)のタイミングt2で用紙切れと判定するようにしたが、これは一例であり、例えば重送を考慮しなくてもよい場合には、最初のパルスの立ち上がり(もしくは立ち下り)のタイミングで用紙切れと判定するようにしてもよい。また例えばパルスの出力間隔が短い場合などでは、3回目以降のパルスの立ち上がり(もしくは立下り)のタイミングで用紙切れと判定するようにしてもよい。
【0056】
また
図5(B)に示すように、最後紙センサ34は最後の1枚のカット紙P1の給紙が開始されたタイミングでONの出力を開始するようになっている。この為、用紙切れ判定部202Dでは、PEセンサ33が用紙無しを検出するタイミング(OFFとなるタイミング)t3よりも早いタイミングt2で用紙切れと判定することができる。
【0057】
このように、用紙切れ判定部202Dでは、最後紙センサ34の検出結果から用紙切れを判定することで、より迅速に用紙切れを判定できるようになっている。尚、上述のステップSP303で否定結果を得てステップSP307に移るパターン、すなわち、PEセンサ33の出力結果から用紙切れと判定するパターンもあり得る。このパターンとして考えられるのは、例えば、最初からMPT30にカット紙が1枚もセットされていないパターンである。この場合、当然のことながら、ステップSP307での処理(最後の1枚の印刷)はスキップされる。またこれに限らず、MPT30にセットされたカット紙P1のサイズが小さく、当該カット紙P1がPEセンサ33よりも搬送方向下流側に載置されるパターンなども考えられる。
【0058】
また一方で、主制御部201は、ステップSP301において、用紙の種別が連続紙であると判別した場合、センサ監視切替部202Aにより最後紙センサ34の制御を連続紙用の制御に切り替えて、ステップSP308に移る。
【0059】
ステップSP308において、主制御部201は、各部を制御して印刷を開始するとともに、連続紙監視制御部202Cによる連続紙用のセンサ監視を開始する。つづくステップSP309において、用紙切れ判定部202Dは、連続紙監視制御部202Cによるセンサ監視結果をもとに、PEセンサ33により用紙無しが検出されているか否かを判別する。
【0060】
ここで、PEセンサ33により用紙有りが検出されている場合、このことは、例えば、MPT30にセットされた連続紙(ロール紙P2)がまだ残っていること(つまり用紙切れとなっていないこと)を意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP309で否定結果を得て、ステップSP310に移る。
【0061】
ステップSP310において、用紙切れ判定部202Dは、連続紙監視制御部202Cによるセンサ監視結果をもとに、最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態(ONを一定間隔で出力している状態)から用紙が搬送されていないことを検出している状態(OFFを出力し続けている状態)に移行したか否かを判別する。
【0062】
ここで、最後紙センサ34は、印刷動作中は、MPT30にセットされている連続紙(ロール紙P2)が継続して搬送(給紙)される為、ON、OFF、ON、OFF…というように一定間隔でONとなるパルスを出力し続ける。そして、
図6(A)に示すように、ロール芯Rcから全てのロール紙P2が引き出されると、ロール紙P2の末端がロール芯Rcに固定されている場合、それ以上、ロール紙P2を引き出せなくなる。このとき、ロール紙P2が停止することにともなって、最後紙センサ34の回転部34Rが停止し、
図6(B)に示すように、最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態(ONを一定間隔で出力している状態)から用紙が搬送されていないことを検出している状態(OFFを出力し続けている状態)に移行することになる。
【0063】
つまり、最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態から用紙が搬送されていないことを検出している状態に移行したということは、ロール紙P2が用紙切れになったことを意味する。よって、用紙切れ判定部202Dは、最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態から用紙が搬送されていないことを検出している状態に移行した場合に、用紙切れと判定するようになっている。別の言い方をすると、用紙切れ判定部202Dは、最後紙センサ34が一定間隔でONを出力し続けている間は、用紙切れと判定しないようになっている。
【0064】
すなわち、用紙切れ判定部202Dは、最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態のままである場合(つまり一定間隔でONを出力していて用紙切れとはなっていない場合)、ステップSP310で否定結果を得てステップSP311に移る。
【0065】
ステップSP311において、用紙切れ判定部202Dは、印刷動作中であるか否かを判別する。ここで、印刷動作中である場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP311で肯定結果を得て、ステップSP309に戻り、引き続き連続紙監視制御部202Cによる監視結果に基づいて用紙切れを判定する。
【0066】
これに対して、印刷動作中でない場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP311で否定結果を得て、用紙切れの判定を終了する。ここで一連の動作が終了する。
【0067】
一方で、PEセンサ33により用紙無しが検出された場合、このことは、例えば、
図7(A)に示すように、MPT30にセットされたロール紙P2の末端がロール芯Rcから離れ、ロール紙P2が停止することなく搬送されたことを意味する。この場合、用紙切れ判定部202Dは、上述したステップSP309で肯定結果を得て、ステップSP312に移る。尚、ロール紙P2の末端がロール芯Rcから離れる場合というのは、例えばロール芯Rcにテープなどにより固定されていたロール紙P2の末端がロール芯Rcから外れてしまった場合や、そもそもロール紙P2の末端がロール芯Rcに固定されてはいない場合などである。
【0068】
また最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態から用紙が搬送されていないことを検出している状態に移行した場合、用紙切れ判定部202Dは、ステップSP310で肯定結果を得て、ステップSP312に移る。
【0069】
ステップSP312において、用紙切れ判定部202Dは、用紙切れと判定する。具体的には、用紙切れ判定部202Dは、
図6(B)に示すように、PEセンサ33がON(用紙有り)している状態で、最後紙センサ34がONからOFFとなったタイミングt10から、さらに所定時間T(ONの間隔よりも長い時間)だけ経過してもONにならなかった場合に用紙切れと判定する。
【0070】
また用紙切れ判定部202Dは、
図7(B)に示すように、PEセンサ33がOFF(用紙無し)になったタイミングt20で用紙切れと判定する。尚、
図7(A)、(B)に示すように、MPT30にセットされたロール紙P2の末端がロール芯Rcから離れ、ロール紙P2が停止することなく搬送された場合、当該末端が最後紙センサ34を通過すると、最後紙センサ34の回転部34Rが停止することにより、最後紙センサ34の検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態(ONを一定間隔で出力している状態)から用紙が搬送されていないことを検出している状態(OFFを出力し続けている状態)に移行する。この為、最後紙センサ34の検出結果から用紙切れを判定することもできるが、PEセンサ33の方が最後紙センサ34よりも用紙搬送方向上流側(媒体搬送方向上流側)に位置していて、ロール紙P2の末端が最後紙センサ34を通過するタイミングよりも、PEセンサ33を通過するタイミングの方が早い為、PEセンサ33の検出結果を用いた方がより迅速に用紙切れを判定できる。
【0071】
用紙切れ判定部202Dにより用紙切れと判定されると、主制御部201は、例えば用紙切れとなった旨を画像形成装置1の図示しない表示部に表示する。つづくステップSP313において、主制御部201は、ロール紙P2が張った状態で印刷を行うことのないように、またロール芯Rcについている異物(例えばロール紙P2の末端とロール芯Rcとを固定していたテープなど)が装置本体2に入ってしまわないように、全てのメカ動作を停止させる。具体的には、画像形成部25の動作停止、MPT用給紙ローラ32などの各種ローラの動作停止、画像搬送ベルト24の動作停止、定着器20の動作停止などを行う。ここで一連の動作が終了する。
【0072】
このように、画像形成装置1では、MPT30にセットされた連続紙(ロール紙P2)に印刷を行う場合、PEセンサ33が用紙有りを検出している状態で、最後紙センサ34による検出結果が、用紙が搬送されていることを検出している状態から用紙が搬送されていないことを検出している状態に移行した場合に、用紙切れと判定するようになっている。こうすることで、画像形成装置1では、ロール芯Rcから全てのロール紙P2が引き出されてロール紙P2がそれ以上を引き出せなくなった場合の用紙切れを正確に検知できるようになっている。
【0073】
また画像形成装置1では、PEセンサ33により用紙無しが検出された場合に、用紙切れと判定するようになっている。こうすることで、画像形成装置1では、ロール芯Rcから全てのロール紙P2が引き出されるとともに、ロール紙P2の末端がロール芯Rcから外れて搬送された場合の用紙切れを正確に検知できるようになっている。画像形成装置1の動作は、以上のようになっている。
【0074】
[4.まとめと効果]
ここまで説明したように、本実施の形態の画像形成装置1は、媒体搬送装置として、装置本体2と、媒体としての用紙が載置される載置面31を有する媒体トレイとしてのMPT30と、MPT30から装置本体2へ媒体を搬送する媒体搬送部としてのMPT用給紙ローラ32とを備える。
【0075】
さらにMPT30は、載置面31上に載置された用紙を検出する第1センサとしてのPEセンサ33と、載置面31上に載置された用紙が装置本体2側へ搬送されていることを検出する第2センサとしての最後紙センサ34を有する。
【0076】
そして判別部としての主制御部201によりMPT30にセットされた用紙の種別が連続紙(連続媒体)であると判別されていて、PEセンサ33が、載置面31上にロール紙P2が有ることを検出している状態(ON)で、最後紙センサ34が、載置面31上に載置されたロール紙P2が搬送されていることを検出している状態(ONを一定間隔で出力している状態)から搬送されていないことを検出している状態(OFFを出力し続けている状態)へと移行した場合に、MPT用給紙ローラ32がロール紙P2の搬送(給紙)を停止するようにした。
【0077】
すなわち、MPT30にセットされた連続紙としてのロール紙P2を搬送(給紙)する場合に、PEセンサ33が、載置面31上にロール紙P2が有ることを検出している状態(ON)で、最後紙センサ34が、載置面31上に載置されたロール紙P2が搬送されていることを検出している状態(ONを一定間隔で出力している状態)から搬送されていないことを検出している状態(OFFを出力し続けている状態)へと移行した場合に、媒体エラー判定部としての用紙切れ判定部202Dが用紙切れ(媒体エラー)と判定して、用紙搬送制御部202が、MPT用給紙ローラ32を含めた各部の動作を停止するようにした。
【0078】
こうすることで、画像形成装置1では、末端がロール芯Rcに固定されているロール紙P2の用紙切れ(媒体エラー)を精度良く検知することができる。
【0079】
また画像形成装置1では、主制御部201によりMPT30にセットされた用紙の種別が連続紙であると判別されていて、例えば用紙切れではなくジャムが発生した場合も、PEセンサ33が、載置面31上にロール紙P2が有ることを検出している状態(ON)で、最後紙センサ34が、載置面31上に載置されたロール紙P2が搬送されていることを検出している状態(ONを一定間隔で出力している状態)から搬送されていないことを検出している状態(OFFを出力し続けている状態)へと移行することになる。
【0080】
したがって、画像形成装置1では、末端がロール芯Rcに固定されているロール紙P2の用紙切れだけでなくジャムについても用紙エラーとして精度良く検知することができる。
【0081】
かくして、本実施の形態の画像形成装置1によれば、より精度良く紙切れやジャムなどの用紙エラー(媒体エラー)を検知することができる。
【0082】
また画像形成装置1では、主制御部201によりMPT30にセットされた用紙の種別が連続紙であると判別されていて、PEセンサ33が、載置面31上にロール紙P2がないことを検出した場合に、用紙切れ判定部202Dが用紙切れと判定して、用紙搬送制御部202が、MPT用給紙ローラ32を含めた各部の動作を停止するようにした。
【0083】
こうすることで、画像形成装置1では、末端がロール芯Rcに固定されていないロール紙P2についても用紙切れを精度良く検知することができる。
【0084】
さらに画像形成装置1では、主制御部201によりMPT30にセットされた用紙の種別がカット紙(カット媒体)であると判別されていて、PEセンサ33が、載置面31上にカット紙P1が有ることを検出している状態で、最後紙センサ34が、載置面31上に載置されたカット紙P1(つまり最後のカット紙P1)が搬送されていることを検出した場合に、用紙切れ判定部202Dが用紙切れと判定するようにした。
【0085】
こうすることで、画像形成装置1では、定型紙P1についても用紙切れ(媒体エラー)を精度良く検知することができる。
【0086】
[5.他の実施の形態]
[5-1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、MPT30の載置面31に載置されている用紙の有無を検出する第1センサであるPEセンサ33としてレバーセンサを用いた。これに限らず、MPT30の載置面31に載置されている用紙の有無を検出できるものであれば、他のセンサをPEセンサ33として用いてもよい。例えば、発光部と受光部とを有する光学センサをPEセンサ33として用いてもよい。
【0087】
また上述した実施の形態では、MPT30の載置面31に載置されている用紙が搬送されているか否かを検出する第2センサである最後紙センサ34として回転部34Rを有するセンサを用いた。これに限らず、MPT30の載置面31に載置されている用紙が搬送されているか否かを検出できるものであれば、他のセンサを最後紙センサ34として用いてもよい。例えば、用紙の裏面に用紙搬送方向に一定の間隔で付された目印を検知可能な光学センサを最後紙センサ34として用いてもよい。この場合、最後紙センサ34は、例えば、目印を検知した場合にON、検知していない場合にOFFを出力するようになっていて、一定間隔でONを出力した場合に、MPT30の載置面31に載置されている用紙が搬送されていると検出する。
【0088】
[5-2.他の実施の形態2]
また上述した実施の形態では、最後紙センサ34が、MPT30の載置面31に載置されている用紙が搬送されている場合に一定間隔でONを出力する構成であるとした。これに限らず、最後紙センサ34が、MPT30の載置面31に載置されている用紙が搬送されている場合にONを出力し続けるような構成であってもよい。
【0089】
[5-3.他の実施の形態3]
さらに上述した実施の形態では、MPT30の載置面31に用紙を載置することでMPT30に用紙をセットするようにした。ここで、
図8に示すように、最後紙センサ34の回転部34Rと対向する位置に、回転部34Rから離れる方向及び回転部34Rに近づく方向に移動可能で回転部34Rに近づく方向に付勢されているローラ34Dを設けるようにしてもよい。この場合、MPT30の載置面31に用紙を載置した後、当該用紙を回転部34Rとローラ34Dの間に挟み込むことでMPT30に用紙をセットする。こうすることで、MPT30の載置面31に載置された用紙がローラ34Dにより回転部34Rに押し付けられることになる為、用紙が搬送される際に、回転部34Rが確実に回転するようになり、最後紙センサ34の検出精度を向上させることができる。
【0090】
[5-4.他の実施の形態4]
また上述した実施の形態では、画像形成装置1に、媒体トレイの具体例としてMPT30を設けた。これに限らず、媒体が載置される載置面を有する媒体トレイであれば、MPT30とは異なる媒体トレイを画像形成装置1に設けてもよい。
【0091】
[5-5.他の実施の形態5]
さらに上述した実施の形態では、画像形成部25が形成したトナー像を、画像搬送ベルト24に一旦転写し、画像搬送ベルト24に転写されたトナー像を用紙に転写する中間転写方式の画像形成装置1に本発明を適用したが、これに限らず、画像形成装置1とは異なる方式で印刷を行う画像形成装置に適用してもよい。例えば、画像形成部25が形成したトナー像を直接用紙に転写する転写方式の画像形成装置に適用してもよい。
【0092】
さらに上述した実施の形態では、カラープリンタである画像形成装置1に本発明を適用したが、これに限らず、MPT30のような媒体トレイを有する種々の画像形成装置や媒体搬送装置に適用できる。例えば、モノクロプリンタ、ラベルプリンタ、複合機、コピー機などの画像形成装置や当該画像形成装置が備える媒体搬送装置にも適用できる。また例えば画像形成装置に取り付けられ、当該画像形成装置へ媒体を搬送する媒体搬送装置にも適用できる。
【0093】
[5-6.他の実施の形態6]
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部が異なる実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、例えば媒体トレイに媒体を載置して搬送する機構を持つプリンタなどで広く利用できる。
【符号の説明】
【0095】
1、画像形成装置、2……装置本体、25……画像形成部、30……MPT、31……載置面、32……MPT用給紙ローラ、33……PEセンサ、34……最後紙センサ、34R……回転部、35L、35R……用紙ガイド、36……MPT用分離ローラ部、201……主制御部、202……用紙搬送制御部、202A……センサ監視切替部、202B……カット紙監視制御部、202C……連続紙監視制御部、202D……用紙切れ判定部、P1……定型紙(カット紙)、P2……ロール紙(連続紙)、R1……主搬送路、R2……MPT用搬送路。