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特開2024-85714操作力予測装置、操作力予測方法および操作力予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085714
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】操作力予測装置、操作力予測方法および操作力予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/22 20060101AFI20240620BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
G01L5/22
G01M17/007 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200387
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】多々良 隆
(72)【発明者】
【氏名】井出 雄介
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA01
2F051BA07
(57)【要約】
【課題】設計段階においてバックドアの操作力を精度よく予測可能な操作力予測装置を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる操作力予測システム1の制御部11において、重力モーメント算出部21は、バックドアの諸元情報および3D設計情報に基づいて重力によるモーメントを算出する。また、ダンパーモーメント算出部22は、ダンパーステーの諸元情報および3D設計情報とドア開閉速度とF-S-V3Dマップに基づいて、ダンパーステーによるモーメントを算出する。また、差分算出部23は、重力によるモーメントとダンパーステーによるモーメントとの差分値を算出する。そして、操作力算出部24は、バックドアの3D設計情報に基づいて、ヒンジの回転中心とバックドアの操作部との間のモーメント長を計算し、当該モーメント長と上記差分値に基づいてバックドアの操作力を算出する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジを中心として開閉動作を行うダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置において、
前記バックドアおよび前記ダンパーステーの重量や可動部の摩擦係数を含む諸元情報と、構成部品の座標を含む設計情報と、前記ダンパーステーの反力(荷重)、変位および速度の相関を示す3Dマップと、ドア開閉速度とを記憶するための記憶部と、
操作力を予測する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部から、前記バックドアに関する情報として、重量と前記ヒンジの摩擦係数と前記ヒンジの回転中心の座標と現時点の重心の座標とを読み出し、これらの情報に基づいて、前記バックドアの開き角度に対応した重力によるモーメントである第1のモーメントを算出する重力モーメント算出部と、
前記記憶部から、前記ダンパーステーに関する情報として、ボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標と、ドア開閉速度と3Dマップと重量と両端部の摩擦係数とを読み出し、これらの情報に基づいて、前記バックドアの開き角度に対応した前記ダンパーステーによるモーメントである第2のモーメントを算出するダンパーモーメント算出部と、
前記第1のモーメントと前記第2のモーメントとの差分値を算出する差分算出部と、
前記記憶部から、前記ヒンジの回転中心の座標と現時点の前記バックドアの操作部の座標とを読み出し、これらの座標に基づいて前記ヒンジの回転中心と前記バックドアの操作部との間のモーメント長である操作力算出用モーメント長を計算し、当該操作力算出用モーメント長と前記差分値に基づいて、開き角度に対応した前記バックドアの操作力を算出する操作力算出部と、
を有する、
ことを特徴とする操作力予測装置。
【請求項2】
前記重力モーメント算出部は、
前記バックドアの重量に基づいて前記ヒンジでの抗力を計算し、当該抗力と前記ヒンジの摩擦係数に基づいて、前記ヒンジにおける摩擦力を計算し、
前記バックドアの重量と前記ヒンジにおける摩擦力に基づいて前記バックドアによる荷重を計算し、
前記バックドアによる荷重の計算と同時に、前記ヒンジの回転中心の座標と前記バックドアの現時点の重心の座標に基づいて、前記ヒンジの回転中心と前記バックドアの重心との間のモーメント長である第1のモーメント長を計算し、
その後、前記バックドアによる荷重と前記第1のモーメント長に基づいて前記第1のモーメントを計算する、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作力予測装置。
【請求項3】
前記ダンパーモーメント算出部は、
前記ダンパーステーのボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標に基づいて前記ダンパーステーの変位を計算し、
前記ダンパーステーの変位およびドア開閉速度に基づいて、3Dマップから前記ダンパーステーの反力を導出し、
前記ダンパーステーの重量と前記ダンパーステーの反力に基づいて、前記ダンパーステーの取付位置での抗力を算出し、当該抗力と前記ダンパーステーの両端部の摩擦係数に基づいて、前記ダンパーステーの取付位置での摩擦力を計算し、
前記ダンパーステーの反力と前記ダンパーステーの取付位置での摩擦力に基づいて前記ダンパーステーによる荷重を計算し、
前記ダンパーステーによる荷重の計算と同時に、前記ダンパーステーのボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標に基づいて、前記ダンパーステーの両端部間のモーメント長である第2のモーメント長を計算し、
その後、前記ダンパーステーによる荷重と前記第2のモーメント長に基づいて前記第2のモーメントを計算する、
ことを特徴とする請求項2に記載の操作力予測装置。
【請求項4】
前記3Dマップは、前記ダンパーステーの反力が速度依存性を有することを示す情報、および、前記バックドアの開閉が切り替わるときの変位端部において当該ダンパーステーの反力が線形でないことを示す情報、を含む、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の操作力予測装置。
【請求項5】
ヒンジを中心として開閉動作を行うダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置による操作力予測方法であって、
前記バックドアおよび前記ダンパーステーの重量や可動部の摩擦係数を含む諸元情報と、構成部品の座標を含む設計情報と、前記ダンパーステーの反力(荷重)、変位および速度の相関を示す3Dマップと、ドア開閉速度とを記憶部に記憶する記憶ステップと、
操作力を予測する制御ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、
前記記憶部から、前記バックドアに関する情報として、重量と前記ヒンジの摩擦係数と前記ヒンジの回転中心の座標と現時点の重心の座標とを読み出し、これらの情報に基づいて、前記バックドアの開き角度に対応した重力によるモーメントである第1のモーメントを算出する重力モーメント算出ステップと、
前記記憶部から、前記ダンパーステーに関する情報として、ボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標と、ドア開閉速度と3Dマップと重量と両端部の摩擦係数とを読み出し、これらの情報に基づいて、前記バックドアの開き角度に対応した前記ダンパーステーによるモーメントである第2のモーメントを算出するダンパーモーメント算出ステップと、
前記第1のモーメントと前記第2のモーメントとの差分値を算出する差分算出ステップと、
前記記憶部から、前記ヒンジの回転中心の座標と現時点の前記バックドアの操作部の座標とを読み出し、これらの座標に基づいて前記ヒンジの回転中心と前記バックドアの操作部との間のモーメント長である操作力算出用モーメント長を計算し、当該操作力算出用モーメント長と前記差分値に基づいて、開き角度に対応した前記バックドアの操作力を算出する操作力算出ステップと、
を含み、
前記バックドアが全閉の状態から上方へ回転動作を開始し一旦全開の状態となるまで前記制御ステップにおける各ステップを繰り返し実行し、その後、前記バックドアが全開の状態から下方へ回転動作を開始し再度全閉の状態となるまで前記制御ステップにおける各ステップを繰り返し実行する、
ことを特徴とする操作力予測方法。
【請求項6】
ヒンジを中心として開閉動作を行うダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置として動作するコンピュータにより実行される操作力予測プログラムであって、
制御部が、請求項5に記載の操作力予測方法の各ステップ、
をコンピュータに実行させることを特徴とする操作力予測プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置、操作力予測方法および操作力予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の品質や性能を判断する要素の一つとして、人が自動車を操作するときの操作性(感覚)が着目されている。たとえば、自動車のドアハンドル、フロントおよびリアのドアやスライドドア、バックドア、トランクリッド、ボンネット等、人が直接操作する操作部については、その操作力が品質や性能を判断する上での重要な要素となる。そして、所望の操作性を有する操作部を効率よく設計するためには、何らかの方法で操作力を測定する必要がある(下記特許文献1~3参照)。
【0003】
たとえば、操作部の1つであるバックドアの操作力を測定する方法として、手動でバックドア(実機)を開閉することにより開き角度に対応する荷重を測定する方法が従来から知られている(従来の操作力測定方法)。
【0004】
具体的には、自動車のバックドア(実機)の下端に荷重計をセットし、所定の速度でバックドアを繰り返し開閉(たとえば全開全閉を複数回にわたり繰り返す)することにより、荷重計から得られる荷重をそのときの開き角度に対応付けてプロットする。図12は、バックドアの開き角度(deg)に対する操作力(N)の一例を示す図である。図12において、バックドアを開くときは、まず、バックドアを手前側に引っ張り(引張)、特定の角度で上から押さえ始め(圧縮)、最上部付近で軽く上に押す(引張)ことで全開させる。一方、バックドアを閉じるときは、最上部から下方に押し続けて全閉させる。この動作を複数回にわたり繰り返すことによって、図12に示す形状の実機における操作力を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-24714号公報
【特許文献2】特開2001-13021号公報
【特許文献3】特開2014-153266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、操作性を考慮したバックドアの設計を行う際には、従来から、市販ソフトを利用して作成された操作力算出モデル(アルゴリズム)を用いて操作力を算出し、その結果に基づいてダンパーステーの仕様を決定している。具体的にいうと、この操作力算出モデルは、たとえば、バックドアの開き角度、ジオメトリー、重量、重心、ダンパーステーのF-S特性(荷重変位特性)等の情報を入力し、算出結果(予測値)として、開き角度に対する操作力を出力する。
【0007】
そして、ダンパーステーの仕様を決定した後、バックドアを作製する工程において、上記で決定した仕様のダンパーステーを発注し、さらに、実車でダンパーステー(実機)が搭載されたバックドアの操作力を評価する。たとえば、上述した従来の操作力測定方法で操作力を測定する。
【0008】
しかしながら、従来の操作力算出モデルにおいては、ダンパーステーの可動部の摩擦力やダンパーステーの速度依存性を考慮したものではないため、実機を用いて評価した操作力と、上記操作力算出モデル(エクセルツール)による予測値との間に大幅なずれ(操作力の幅や、閉じるときの操作力の最大値等)が生じるケースが多くみられた(図12参照)。そして、このようなケースにおいてはダンパーステーの設計変更が必要となり、さらにはこの設計変更によりコストが増大する、という課題があった。すなわち、従来のバックドアの設計においては、操作力算出モデルを用いた操作力の算出精度(予測精度)について改善の余地がある。
【0009】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、設計段階においてバックドアの操作力を精度よく予測可能な操作力予測装置、操作力予測方法および操作力予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる操作力予測装置は、ヒンジを中心として開閉動作を行うダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置であって、バックドアおよびダンパーステーの重量や可動部の摩擦係数を含む諸元情報と、構成部品の座標を含む設計情報と、ダンパーステーの反力(荷重)、変位および速度の相関を示す3Dマップと、ドア開閉速度とを記憶するための記憶部を備えることとし、さらに、操作力を予測する制御部を備えることとした。
【0011】
そして、制御部は、記憶部から、バックドアに関する情報として、重量とヒンジの摩擦係数とヒンジの回転中心の座標と現時点の重心の座標とを読み出し、これらの情報に基づいて、バックドアの開き角度に対応した重力によるモーメントである第1のモーメントを算出する重力モーメント算出部と、記憶部から、ダンパーステーに関する情報として、ボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標とドア開閉速度と3Dマップと重量と両端部の摩擦係数とを読み出し、これらの情報に基づいて、バックドアの開き角度に対応したダンパーステーによるモーメントである第2のモーメントを算出するダンパーモーメント算出部と、第1のモーメントと第2のモーメントとの差分値を算出する差分算出部と、記憶部から、ヒンジの回転中心の座標と現時点のバックドアの操作部の座標とを読み出し、これらの座標に基づいてヒンジの回転中心とバックドアの操作部との間のモーメント長である操作力算出用モーメント長を計算し、当該操作力算出用モーメント長と差分値に基づいて、開き角度に対応したバックドアの操作力を算出する操作力算出部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる操作力予測装置によれば、可動部の摩擦係数やダンパーステーの反力(荷重)、変位および速度の相関を考慮した操作力予測が可能となるため、設計段階において、バックドアの操作力を精度よく予測することができる。
【0013】
また、本発明にかかる操作力予測装置において、重力モーメント算出部は、バックドアの重量に基づいてヒンジでの抗力を計算し、当該抗力とヒンジの摩擦係数に基づいて、ヒンジにおける摩擦力を計算する。つぎに、バックドアの重量とヒンジにおける摩擦力に基づいてバックドアによる荷重を計算する。また、バックドアによる荷重の計算と同時に、ヒンジの回転中心の座標とバックドアの現時点の重心の座標に基づいて、ヒンジの回転中心とバックドアの重心との間のモーメント長である第1のモーメント長を計算する。その後、バックドアによる荷重と第1のモーメント長に基づいて上記第1のモーメントを計算する。
【0014】
また、本発明にかかる操作力予測装置において、ダンパーモーメント算出部は、ダンパーステーのボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標に基づいてダンパーステーの変位を計算する。つぎに、ダンパーステーの変位およびドア開閉速度に基づいて、3Dマップからダンパーステーの反力を導出する。つぎに、ダンパーステーの重量とダンパーステーの反力に基づいて、ダンパーステーの取付位置での抗力を算出し、当該抗力とダンパーステーの両端部の摩擦係数に基づいて、ダンパーステーの取付位置での摩擦力を計算する。つぎに、ダンパーステーの反力とダンパーステーの取付位置での摩擦力に基づいてダンパーステーによる荷重を計算する。また、ダンパーステーによる荷重の計算と同時に、ダンパーステーのボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標に基づいて、ダンパーステーの両端部間のモーメント長である第2のモーメント長を計算する。その後、ダンパーステーによる荷重と第2のモーメント長に基づいて上記第2のモーメントを計算する。
【0015】
さらに、本発明にかかる操作力予測装置において、上記3Dマップは、ダンパーステーの反力が速度依存性を有することを示す情報、および、バックドアの開閉が切り替わるときの変位端部において当該ダンパーステーの反力が線形でないことを示す情報、を含むことが望ましい。
【0016】
また、本発明にかかる操作力予測方法は、ヒンジを中心として開閉動作を行うダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置による操作力予測方法であって、バックドアおよびダンパーステーの重量や可動部の摩擦係数を含む諸元情報と、構成部品の座標を含む設計情報と、ダンパーステーの反力(荷重)、変位および速度の相関を示す3Dマップと、ドア開閉速度とを記憶部に記憶する記憶ステップを含むこととし、さらに、操作力を予測する制御ステップを含むこととした。
【0017】
そして、制御ステップは、記憶部から、バックドアに関する情報として、重量とヒンジの摩擦係数とヒンジの回転中心の座標と現時点の重心の座標とを読み出し、これらの情報に基づいて、バックドアの開き角度に対応した重力によるモーメントである第1のモーメントを算出する重力モーメント算出ステップと、記憶部から、ダンパーステーに関する情報として、ボディ側取付位置の座標および現時点のバックドア側取付位置の座標とドア開閉速度と3Dマップと重量と両端部の摩擦係数とを読み出し、これらの情報に基づいて、バックドアの開き角度に対応したダンパーステーによるモーメントである第2のモーメントを算出するダンパーモーメント算出ステップと、第1のモーメントと第2のモーメントとの差分値を算出する差分算出ステップと、記憶部から、ヒンジの回転中心の座標と現時点のバックドアの操作部の座標とを読み出し、これらの座標に基づいてヒンジの回転中心とバックドアの操作部との間のモーメント長である操作力算出用モーメント長を計算し、当該操作力算出用モーメント長と差分値に基づいて、開き角度に対応したバックドアの操作力を算出する操作力算出ステップと、を含み、バックドアが全閉の状態から上方へ回転動作を開始し一旦全開の状態となるまで制御ステップにおける各ステップを繰り返し実行し、その後、バックドアが全開の状態から下方へ回転動作を開始し再度全閉の状態となるまで制御ステップにおける各ステップを繰り返し実行することを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる操作力予測方法によれば、可動部の摩擦係数やダンパーステーの反力(荷重)、変位および速度の相関を考慮した操作力予測が可能となるため、設計段階において、バックドアの操作力を精度よく予測することができる。
【0019】
さらに、本発明にかかる操作力予測プログラムは、ヒンジを中心として開閉動作を行うダンパーステー付きのバックドアの操作力を予測する操作力予測装置として動作するコンピュータにより実行される操作力予測プログラムであって、制御部が、上述した操作力予測方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる操作力予測装置によれば、設計段階においてバックドアの操作力を精度よく予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明にかかる操作力予測装置として動作するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図2図2は、制御部の機能を示す機能ブロック図である。
図3図3は、操作力予測処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、バックドアのシミュレーションモデルとして動作する機構解析モデルの概念を示す模式図である。
図5図5は、バックドア開閉の原理を示す模式図である。
図6図6は、操作力を予測する際に特に考慮した点を示す図である。
図7図7は、F-S-V3Dマップの一例を示す図である。
図8図8は、時間(s)に対するバックドアの開き角度(deg)の推移を示す図である。
図9図9は、重力によるモーメントの算出処理を詳細に示すフローチャートである。
図10図10は、ダンパーステーによるモーメントの算出処理を詳細に示すフローチャートである。
図11図11は、本発明にかかる操作力予測装置により得られた予測値(操作力)の評価結果を示す図である。
図12図12は、バックドアの開き角度(deg)に対する操作力(N)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明にかかる操作力予測装置、操作力予測方法および操作力予測プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、本願の明細書および図面において、同様に説明することが可能な要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する場合がある。
【0023】
<構成>
図1は、本発明にかかる操作力予測装置として動作するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の操作力予測装置1は、自動車のバックドアの操作力を予測する処理(以下、操作力予測処理と呼ぶ。)を行うホストコンピュータとして動作する。
【0024】
図1において、操作力予測装置1は、CPU(Central Processing Unit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成される制御部11と、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等の各種メモリを含む記憶部12と、キーボードおよびマウス等のユーザインタフェースを含む入力部13と、印刷やスキャン等の入出力処理を行うインタフェース(I/F)部14と、ディスプレイである表示部15と、所定のネットワークを介して外部と通信を行う通信部16とを備える。なお、図1では、キーボードおよびマウス等のユーザインタフェースを含む入力部13を備えることとしたが、本実施形態の操作力予測装置1は、これに限るものではなく、表示部15にタッチパネルの機能を持たせることによって、入力部13を設けない構成、または入力部13と併用する構成としてもよい。
【0025】
図1において、制御部11は、本実施形態の操作力予測装置1による操作力予測処理を実現するために、たとえば、自動車のバックドアの操作力を予測する操作力予測プログラムを実行する。記憶部12は、本実施形態の操作力予測処理にかかるプログラム(操作力予測プログラム)および各種情報(重量や摩擦係数(バックドア、ダンパーステー)、ヒンジの回転中心の座標、ダンパーステーの取付位置(ボディ側)の座標、F-S-Vの3Dマップ等)や、処理の過程で得られた各種データ(バックドアの開き角度、操作部の座標、重心の座標、ダンパーステーの取付位置(バックドア側)の座標、各種モーメント長、モーメント等)等を記憶する。制御部11では、記憶部12に記憶されている各種プログラムを読み出すことにより、本実施形態の操作力予測処理を実行する。なお、記憶部12は、内部メモリに限るものではなく、たとえば、DVD(Digital Versatile Disc)やSDメモリ等の外部記憶媒体であってもよいし、また、内部メモリおよび外部記憶媒体(DVDやSDメモリ等)の両方で構成されることとしてもよい。また、本実施形態の操作力予測装置1のハードウェア構成は、説明の便宜上、本実施形態の操作力予測処理にかかわる構成を列挙したものであり、操作力予測装置1を構成するコンピュータのすべての機能を表現したものではない。
【0026】
また、本実施形態の操作力予測装置1は、デスクトップパソコン、ノートパソコン等の汎用PCを想定しているが、これらに限るものではなく、たとえば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末であってもよい。
【0027】
<操作力予測処理>
つづいて、本実施形態の操作力予測装置1における操作力予測処理について説明する。図2は、操作力予測処理を実行する制御部11の機能を示す機能ブロック図であり、図3は、操作力予測処理の一例を示すフローチャートであり、図4は、バックドアのシミュレーションモデルとして動作する機構解析モデルの概念を示す模式図である。
【0028】
図2において、制御部11は、重力モーメント算出部21と、ダンパーモーメント算出部22と、差分算出部23と、操作力算出部24とを有する。本実施形態においては、図2に示す各構成部が、図4に示す機構解析モデルを構成するバックドア31の操作力を予測する。
【0029】
図4において、バックドア31は、ダンパーステー32によって操作力が軽減される構造とし、その一端がヒンジ33により自動車のボディに取り付けられている。また、本実施形態の機構解析モデルにおいては、バックドア31の他端側(操作部の近辺)に、バックドア31の操作力を測定するための荷重計34が配置され、さらに、ダンパーステー32の一端がボディに取り付けられ、その他端がバックドア31の重心付近に取り付けられている。なお、この機構解析モデルにおいて、バックドア31は、ヒンジ33を中心に全閉~全開の範囲で回転動作を行うものとする。また、この機構解析モデルにおいて、ヒンジ33とダンパーステー32の両端部が可動部である(図4の点線部参照)。
【0030】
また、図5は、バックドア開閉の原理を示す模式図であり、(a)はバックドア31が開くときの動作を示し、(b)はバックドア31が閉じるときの動作を示す。たとえば、バックドア31を開く場合、動きの方向へのダンパー反力が強いので、バックドア31は、上から手で押さえることによりゆっくりと上方へと移動する。このとき、ダンパー反力が開く力(動きの方向)となり、手で押さえる力とバックドア31の重量(重力)と可動部の摩擦力がその逆の力となる。この際、手で押さえる力の強弱を調節することにより、バックドア31の位置を保持することができる。
【0031】
一方、閉じる場合、バックドア31は、ダンパー反力よりも強い力で上から押さえることにより下方へと移動する。このとき、手で押さえる力とバックドア31の重量(重力)が閉じる力(動きの方向)となり、ダンパー反力と可動部の摩擦力がその逆の力となる。この際、手で押さえる力の強弱を調節することにより、バックドア31の位置を保持することができる。
【0032】
なお、本実施形態の操作力予測処理においては、バックドア31の重量、ダンパーステー32の重量および可動部の摩擦係数を含む諸元情報と、ヒンジ33の回転中心の座標およびダンパーステー32の取付位置(ボディ側)の座標を含む3D設計情報が、予め記憶部12に記憶されていることとする。また、バックドア31の操作部の座標、バックドア31の重心の座標およびダンパーステー32の取付位置(バックドア31側)の座標については、初期位置(全閉位置)の座標が3D設計情報として予め記憶部12に記憶され、バックドア31の回転移動に伴って逐次更新されるものとする。
【0033】
また、本実施形態の操作力予測処理においては、特に、ダンパーステーが速度依存性を有する点、バックドアの「全閉→全開」の動作における変位終了端部のダンパーステーの反力(ダンパー荷重F)と「全開→全閉」の動作における変位開始端部のダンパーステーの反力(ダンパー荷重F)が線形でない点、の2点を考慮して、操作力を予測することとした。図6図6(a),図6(b))は、操作力を予測する際に特に考慮した点を示す図である。
【0034】
たとえば、図6(a)に示すように、一般的に、ダンパーステーには速度依存性がある。また、図6(b)に示すように、一般的に、開閉が切り替わるときの変位端部はダンパーステーの反力が線形ではない。したがって、本実施形態の操作力予測処理においては、ダンパーステー32の反力であるダンパー荷重F(N)とダンパーステー32の変位量であるダンパー変位S(mm)とダンパーステー32の伸縮速度であるダンパー速度V(mm/s)との相関を示す、上記2点を考慮した3Dマップ(以後、F-S-V3Dマップと呼ぶ)を用意し、予め記憶部12に記憶しておくこととした。図7は、F-S-V3Dマップの一例を示す図である。このF-S-V3Dマップは、ダンパー荷重Fが速度依存性を有することを示す情報、さらには、開閉が切り替わるときの変位端部においてダンパー荷重Fが線形でないことを示す情報、が含まれている。
【0035】
また、本実施形態の操作力予測処理においては、ドア開閉速度を一定速度に設定することとし、その速度を予め記憶部12に記憶しておくこととする。図8は、本実施形態の操作力予測処理における、時間(s)に対するバックドア31の開き角度(deg)の推移を示す図である。本実施形態の操作力予測処理においては、たとえば、規定時間にわたり一定速度で「全閉→全開」とし、数秒間全開を保持した後、さらに、規定時間にわたり一定速度で「全開→全閉」とする。
【0036】
本実施形態においては、上記のように各種情報が予め記憶部12に記憶されていることを前提として、たとえば、図3に示すように、制御部11が、操作力予測処理を実行する。
【0037】
図3において、たとえば、バックドア31が全閉の状態において(ステップS1、Yes)、作業者による入力部13の操作によりバックドア31が予め設定されたドア開閉速度で上方への回転動作を開始した場合(ステップS1、No)、制御部11の重力モーメント算出部21は、バックドア31の開き角度θ(t)に応じた、重力によるモーメントM1(θ)を算出する(ステップS2)。ここで、θ(t)は時刻t(t=t1,t2,t3,t4,…)のときの開き角度を示す。
【0038】
図9は、重力によるモーメントM1(θ)の算出処理を詳細に示すフローチャートである。重力モーメント算出部21は、記憶部12からバックドア31の重量W1(Kg)とヒンジ33の摩擦係数μ1とを読み出し、このバックドア31の重量W1から、ヒンジ33での抗力N1を計算し、この抗力N1とヒンジ33の摩擦係数μ1に基づいて、ヒンジ33における摩擦力f1(=N1×μ1)を計算する(ステップS101)。さらに、重力モーメント算出部21は、バックドア31の重量W1と摩擦力f1に基づいてバックドア31による荷重F1を計算する(ステップS102)。これにより、ヒンジ33における摩擦力f1を考慮した荷重F1を得る。
【0039】
また、ステップS101~S102による荷重F1の計算と同時に、重力モーメント算出部21は、記憶部12からヒンジ33の回転中心の座標(X1,Y1)と現時点(開き角度θ(t))のバックドア31の重心の座標(X2(θ),Y2(θ))を読み出し、座標(X1,Y1)と座標(X2(θ),Y2(θ))に基づいて、ヒンジ33の回転中心とバックドア31の重心との間のモーメント長L1(θ)を計算する(ステップS103)。
【0040】
そして、重力モーメント算出部21は、上記で計算した荷重F1とモーメント長L1(θ)に基づいて、重力によるモーメントM1(θ)(=F1×L1(θ))を計算する(ステップS104)。
【0041】
また、上述したステップS2の処理と並行して、制御部11のダンパーモーメント算出部22が、バックドア31の開き角度θ(t)に応じた、ダンパーステー32によるモーメントM2(θ)を算出する(ステップS3)。ここで、ダンパーステー32によるモーメントM2(θ)は、上述した重力によるモーメントM1(θ)とは反対向きのモーメントである。
【0042】
図10は、ダンパーステー32によるモーメントM2(θ)の算出処理を詳細に示すフローチャートである。ダンパーモーメント算出部22は、記憶部12からダンパーステー32の取付位置(ボディ側)の座標(X3,Y3)と現時点のダンパーステー32の取付位置(バックドア31側)の座標(X4(θ),Y4(θ))とを読み出し、これらの座標からダンパー変位S(θ)を計算する(ステップS201)。つぎに、ダンパーモーメント算出部22は、記憶部12からドア開閉速度(一定速度)とF-S-V3Dマップとを読み出し、ダンパー変位S(θ)およびドア開閉速度により決まるダンパー速度V(θ)に基づいて、F-S-V3Dマップからダンパー荷重F(S,V)を導出する(ステップS202)。
【0043】
つぎに、ダンパーモーメント算出部22は、記憶部12からダンパーステー32の重量W2(Kg)とダンパーステー32の両端部の摩擦係数μ2とを読み出し、このダンパーステー32の重量W2とダンパー荷重F(S,V)に基づいて、ダンパーステー32の取付位置での抗力N2を算出し、この抗力N2とダンパーステー32の両端部の摩擦係数μ2に基づいて、ダンパーステー32の取付位置での摩擦力f2(=N2×μ2)を計算する(ステップS203)。さらに、ダンパーモーメント算出部22は、ダンパー荷重F(S,V)と摩擦力f2に基づいてダンパーステー32による荷重F2を計算する(ステップS204)。これにより、ダンパーステー32両端部における摩擦力f2を考慮した荷重F2を得る。
【0044】
また、ステップS201~S204による荷重F2の計算と同時に、ダンパーモーメント算出部22は、ダンパーステー32の取付位置(ボディ側)の座標(X3,Y3)とダンパーステー32の取付位置(バックドア31側)の座標(X4(θ),Y4(θ))に基づいて、ダンパーステー32の両端部間のモーメント長L2(θ)を計算する(ステップS205)。
【0045】
そして、ダンパーモーメント算出部22は、上記で計算した荷重F2とモーメント長L2(θ)に基づいて、ダンパーステー32によるモーメントM2(θ)(=F2×L2(θ))を計算する(ステップS206)。
【0046】
ステップS2およびステップS3によりそれぞれモーメントを算出後、制御部11の差分算出部23は、重力によるモーメントM1(θ)とダンパーステー32によるモーメントM2(θ)との差分値M3(θ)を算出する(ステップS4)。この差分値が0の場合は、相互のモーメントが釣り合った状態となる。
【0047】
そして、制御部11の保持力算出部24は、記憶部12からヒンジ33の回転中心の座標(X1,Y1)とバックドア31の操作部の座標(X5(θ),Y5(θ))とを読み出し、座標(X1,Y1)と座標(X5(θ),Y5(θ))に基づいて、ヒンジ33の回転中心とバックドア31の操作部との間のモーメント長L3(θ)を計算し、このモーメント長L3(θ)と上記で算出した差のモーメントM3(θ)に基づいて、開き角度θ(t)に応じたバックドア31の操作力F(θ)(=M3(θ)÷L3(θ))を算出する(ステップS5)。
【0048】
その後、制御部11は、開き角度が最大角度(全開)に達するまでステップS2~ステップS6の処理を繰り返し実行する(ステップS6、No)。そして、開き角度が最大角度(全開)に達した状態において(ステップS6、Yes ステップS7、No)、数秒間経過した後、作業者による入力部13の操作によりバックドア31が予め設定されたドア開閉速度で下方への回転動作を開始した場合(ステップS7、Yes)、制御部11は、上述したステップS2~ステップS5の処理を、バックドア31が全閉するまで(ステップS8、Yes)、繰り返し実行する。すなわち、バックドア31が下降を開始してから全閉するまでの間は(ステップS8,No)、バックドア31の操作力F(θ)の算出を繰り返し継続して実行し、全閉した段階で(ステップS8、Yes)、操作力予測処理を終了する。
【0049】
<評価>
つづいて、本実施形態の操作力予測処理を実行して得られた予測値(操作力)を評価した。
【0050】
具体的には、本実施形態の操作力予測処理およびこの処理によって予測した操作力に基づきダンパーステーの仕様を決定し、発注した。その後、この仕様に基づき作製されたダンパーステーが取り付けられたバックドアを実車に搭載し、ダンパーステー付きバックドアの実機を使用して操作力を測定した。この際、実機のバックドアの下端に荷重計をセットし、操作力予測時と同様に(図8参照)、規定時間かつ略一定速度で「全閉→全開」とし、数秒間保持した後、さらに、規定時間かつ略一定速度で「全開→全閉」とするように、バックドアを開閉した。
【0051】
そして、上記のように測定することにより荷重計から得られた荷重(操作力)をバックドアの開き角度に対応付けてプロットし、実機による測定値と本実施形態の操作力予測処理による予測値とを比較し、評価した。
【0052】
図11は、本実施形態の操作力予測装置1により得られた予測値(操作力)の評価結果を示す図である。本実施形態の操作力予測装置1により得られた操作力は、実機による測定値(操作力)と略一致しており、従来(図12参照)と比較して操作力の予測精度が大幅に改善されていることが確認できる。
【0053】
<効果>
以上のように、本実施形態の操作力予測装置1は、ヒンジ33を中心として開閉動作を行うダンパーステー32付きのバックドア31の操作力を予測するものである。具体的には、バックドア31およびダンパーステー32の重量や可動部の摩擦係数を含む諸元情報と、構成部品の座標を含む3D設計情報と、ダンパーステー32の反力であるダンパー荷重F、ダンパー変位Sおよびダンパー速度Vの相関を示すF-S-V3Dマップとを記憶するための記憶部12と、操作力を予測する制御部11とを備えることとした。
【0054】
そして、制御部11において、重力モーメント算出部21は、記憶部12から、バックドア31に関する情報として、重量W1とヒンジ33の摩擦係数μ1とヒンジ33の回転中心の座標(X1,Y1)と現時点の重心の座標(X2(θ),Y2(θ))とを読み出し、これらの情報に基づいて、バックドア31の開き角度θ(t)に対応した重力によるモーメントM1(θ)を算出する。また、ダンパーモーメント算出部22は、記憶部12から、ダンパーステーに関する情報として、ボディ側取付位置の座標(X3,Y3)および現時点のバックドア側取付位置の座標(X4(θ),Y4(θ))と、ドア開閉速度とF-S-V3Dマップと重量W2と両端部の摩擦係数μ2とを読み出し、これらの情報に基づいて、バックドア31の開き角度θ(t)に対応したダンパーステー32によるモーメントM2(θ)を算出する。また、差分算出部23は、重力によるモーメントM1(θ)とダンパーステー32によるモーメントM2(θ)との差分値M3(θ)を算出する。操作力算出部24は、記憶部12から、ヒンジ33の回転中心の座標(X1,Y1)と現時点のバックドア31の操作部の座標(X5(θ),Y5(θ))とを読み出し、これらの座標に基づいてヒンジ33の回転中心とバックドア31の操作部との間のモーメント長L3(θ)を計算し、当該モーメント長L3(θ)と差分値M3(θ)に基づいて、開き角度θ(t)に対応したバックドア31の操作力F(θ)を算出する。
【0055】
また、F-S-V3Dマップには、ダンパー荷重Fが速度依存性を有することを示す情報、および、開閉が切り替わるときの変位端部においてダンパー荷重Fが線形でないことを示す情報、を含むこととした。
【0056】
これにより、可動部の摩擦係数や、ダンパー荷重F、ダンパー変位Sおよびダンパー速度Vの相関、を考慮した操作力予測が可能となるため、設計段階において、バックドア31の操作力を精度よく予測することができる。
【0057】
なお、本実施形態においては、自動車のバックドアの操作力を予測する場合について説明したが、これに限るものではなく、本実施形態の操作力予測処理は、自動車のドア(フロント、リア)、トランクリッド、ボンネット等、人が直接操作しかつダンパーステーが使用されるすべてのパーツに対して適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 操作力予測装置
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 インタフェース(I/F)部
15 表示部
16 通信部
21 重力モーメント算出部
22 ダンパーモーメント算出部
23 差分算出部
24 操作力算出部
31 バックドア
32 ダンパーステー
33 ヒンジ
34 荷重計

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12