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特開2024-85735情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085735
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240620BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240620BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240620BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q10/04
G06Q30/0601 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200422
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】クーガ ヒマンシュ
(72)【発明者】
【氏名】カヤル チャンドライ
(72)【発明者】
【氏名】チャットパディヤイ サヤンタン
(72)【発明者】
【氏名】バイリ カリアン
(72)【発明者】
【氏名】リード ケード
(72)【発明者】
【氏名】アブロール サティアン
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L030BB65
5L030BB66
5L049AA04
5L049BB65
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】より効果的な配送条件の変更をユーザに対して提案するための仕組みを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得し、商品情報および配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、商品の発送スケジュールを予測し、その予測結果に基づいて、商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得手段と、
前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記商品ページにおいて、前記ユーザが前記サービスの利用を指定するためのオブジェクトを表示させるか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記商品ページにおいて、前記サービスの利用が可能である旨を表示させるか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定手段による決定に従って、前記商品ページの表示を制御する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
配送済みの商品の配送履歴を取得する履歴取得手段と、
前記配送履歴を用いて、前記学習モデルを生成する学習手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記学習モデルは、前記商品情報と前記配送先情報とを入力して、入力された商品が入力された配送先に前記所定の発送スケジュールで発送できる確率を出力するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得工程と、
前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測工程と、
前記予測工程における予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、
発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得処理と、
前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測処理と、
前記予測処理における予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定手処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関し、特に、ユーザに対して荷物の配送条件の変更を提案するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子商取引(Electronic Commerce:EC)が普及している。ECサイトでは、ユーザから商品の注文を受け付けると、販売者が配送業者に商品の配送を依頼するなどして、商品をユーザに届ける。
特許文献1は、顧客に対する荷物の配送条件に基づいて荷物の配送ルートを計算し、計算された配送ルートに基づいて、顧客に対して配送条件の変更を提案する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-152173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された技術では、配送条件の変更をユーザに提案することにより、荷物の配送ルートを最適化することができる。しかしながら、当該技術は、ECプラットフォームにおけるビジネスメトリクスを加味しておらず、改善の余地がある。
そこで、本発明は、より効果的な配送条件の変更をユーザに対して提案するための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置の一態様は、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得手段と、前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測手段と、前記予測手段による予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定手段と、を備える。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理方法の一態様は、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得工程と、前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測工程と、前記予測工程における予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定工程と、を含む。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理プログラムの一態様は、情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得処理と、前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測処理と、前記予測処理における予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定手処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子商取引プラットフォームにおけるビジネスメトリクスを加味した、より効果的な配送条件の変更をユーザ対して提案するための仕組みが提供される。
上記した本発明の目的、態様および効果並びに上記されなかった本発明の目的、態様および効果は、当業者であれば添付図面および請求の範囲の記載を参照することにより下記の発明を実施するための形態から理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、商品一覧ページの画面例を示す図である。
図3図3は、商品注文ページの画面例を示す図である。
図4図4は、高速配送タグの管理方法を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態における情報処理装置の機能構成例を示す図である。
図6図6は、学習データの生成手順を説明するための図である。
図7図7は、全体の処理の流れを説明するための図である。
図8図8は、商品ページの表示制御手順を示すフローチャートである。
図9図9は、情報処理装置およびユーザ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。以下に開示される構成要素のうち、同一機能を有するものには同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、以下に開示される実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
[情報処理システムの構成例]
図1に、本実施形態における情報処理システムの構成例を示す。情報処理システムは、その一例として、図1に示すように、情報処理装置10と、任意のユーザ1~Nにより使用されるユーザ装置11-1~11-Nを含んで構成される。なお、以下の説明において、特に説明がない限り、ユーザ装置11-1~11-Nをユーザ装置11と総称しうる。図1では、複数のユーザ装置11を示しているが、ユーザ装置11は1台でもよい。
【0012】
ユーザ装置11は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートテレビといった表示部を有するデバイスである。ユーザ装置11は、LTE(Long Term Evolution)等の公衆網や、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信網を介して、情報処理装置10と通信可能に構成されている。ユーザ装置11がスマートフォンやタブレット端末といった、液晶ディスプレイ等の表示部に装備されたGUI(Graphic User Interface)を有するデバイスの場合、ユーザはGUIにより各種操作を行うことができる。当該操作は、指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、画面に表示された画像等のコンテンツに対する各種の操作を含む。
【0013】
なお、ユーザ装置11は、図1に示すような形態のデバイスに限らず、デスクトップ型のPC(Personal Computer)や、ノート型のPCといったデバイスであってもよい。その場合、各ユーザによる操作は、マウスやキーボードといった入力装置を用いて行われうる。また、ユーザ装置11は、表示部を別に備えてもよい。
【0014】
情報処理装置10は、マーケットプレイス等の電子商取引プラットフォームを提供するサーバ装置であってよく、ユーザ装置11は、情報処理装置10から提供されるウェブサービス(インターネット関連サービス)を利用することができる。なお、情報処理装置10が上記サーバ装置である場合に限定されず、ユーザ装置11は、情報処理装置10とは別の不図示のサーバ装置から提供される上記ウェブサービスを、情報処理装置10を介して利用する構成であってもよい。
【0015】
上記ウェブサービスは、ユーザがウェブページにアクセスして商品を注文し、所定の配送先まで配送してもらうサービスであり、例えばオンラインモールやネットスーパーなどのサービスを含むことができる。当該ウェブサービスでは、例えば、ファッション、書籍、食品、日用品、家具、家電など、多種多様な商品を提供することができる。
ユーザ装置11は、当該ウェブサービスを利用するために、ユーザの氏名やユーザの住所、商品の配送先の情報、ユーザが保持するクレジットカードの情報、ユーザのデモグラフィック情報等を登録しうる。当該ウェブサービスの利用登録の際には、各ユーザには、ユーザを識別するユーザIDが関連付けられ、上記の登録情報はユーザIDに紐付けられる。
【0016】
ユーザ装置11は、ユーザ操作に従って、任意の電子商取引サイト(ECサイト)にアクセスし、ユーザが指定した任意の検索キーワードや任意の商品カテゴリーの情報を情報処理装置10に送信することができる。また、ユーザ装置11は、情報処理装置10から提供された商品一覧ページの情報を受信し、表示部に商品一覧ページを表示することができる。
【0017】
図2は、ユーザ装置11の表示部に表示される商品一覧ページ20Aの画面例である。
商品一覧ページ20Aには、商品名や商品価格、商品画像などが表示されうる。また、商品一覧ページ20Aには、商品を何日以内に発送可能であるかといった発送スケジュール21が表示されうる。ここで、発送スケジュール21は、商品を所定の発送スケジュールで発送するサービスを指定する配送オプションを利用可能であることを示す情報を含んでよい。所定の発送スケジュールで発送するサービスとは、通常の発送スケジュールよりも早いスケジュールでの発送(例えば翌日配達など)を指定するサービスである。以下の説明において、当該サービスを「高速配送サービス」という。
ユーザが商品を注文する場合には、例えば図2に示すような商品一覧ページ20Aなどから注文したい商品を選択してカートインし、購入手続きに進む。
【0018】
図3は、ユーザ装置11の表示部に表示される商品注文ページ20Bの画面例である。
商品注文ページ20Bは、商品の購入手続きをするためのページである。この商品注文ページ20Bには、商品名や商品説明、商品価格、商品画像が表示されうる。また、商品注文ページ20Bには、ユーザIDに紐付けられた、または、ユーザが個別に指定した配送先情報が表示されうる。
さらに、商品注文ページ20Bには、発送スケジュール21と、高速配送サービスを利用可能な場合には、当該高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22と、が表示されうる。ここで、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22は、図3に示すように、通常配達と高速配達(図3では翌日配達)のいずれかを選択して指定するラジオボタンとすることができる。なお、オブジェクト22は、上記に限定されるものではなく、例えば、通常配達と高速配達のいずれかを選択して指定するプルダウンであってもよいし、配送条件を変更するためのページへ誘導するためのリンクであってもよい。
以下の説明において、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22を「高速配送タグ」ともいい、商品注文ページ20Bにオブジェクト22を表示することを「タグ付けする」ともいう。
【0019】
ECサイトを利用するユーザの多くは、商品を注文してから、できるだけ早く当該商品が配達されることを望んでいる。そのため、類似商品が複数存在する場合、発送スケジュールの早い商品の方がコンバージョン率は高い。ここでいうコンバージョン率とは、商品購入をコンバージョンとした場合の、コンバージョンの達成割合である。
例えば図2に示すように、類似商品の商品一覧ページ20Aにおいて、発送スケジュール21が提示されている場合、ユーザは各商品の発送予定日を比較し、発送スケジュールの早い商品を注文する傾向がある。また、高速配送サービスを指定する配送オプションを利用可能である商品については、さらにコンバージョン率は高くなりうる。
【0020】
ところが、ECサイトで扱う全商品のうち、タグ付けされた商品は一部のみである。タグ付けされていない商品の中には、ウェブページにてユーザに提示した通常の発送スケジュールよりも実際には早く配達できている商品が存在する。これらの商品は、タグ付けされていないことでコンバージョンの機会を逃していることになる。言い換えれば、これらの商品にタグ付けすれば、コンバージョン率が向上し、ショップの知名度や売上が向上しうる。
【0021】
従来、タグ付けの対象とする商品は、ECサイトに出店しているマーチャント(事業者)が、対象の商品を、対象の地域に、どれだけ迅速に配達できるかに基づいて決定していた。しかしながら、高速配送サービスの導入には、高速配送を実現するための配送コストがかかり、また、タグ付けの対象とする商品の識別や高速配送タグのメンテナンス、SLA(Service Level Agreement)を満たしているかどうかのモニタリング等も継続的に必要となる。このように、高速配送サービスの導入には多くのリソースが必要となる。ECサイトに出店しているショップには小さなショップが多数存在し、これらのショップの多くは上記のリソースを十分確保することができない。
【0022】
そこで、本実施形態における情報処理装置10は、機械学習を利用して、高速配送タグを自動的に管理する。
情報処理装置10は、図4に示すように、ECサイトの各種データをもとに、機械学習アルゴリズムを活用して学習モデルのトレーニングを行い(訓練41)、タグ付けされていない商品を分析して、タグ付けの対象になりうる商品を分類し(分類42)、さらに、納期厳守を高精度で保証するためにバックテストによる分類を行う(テスト43)。そして、情報処理装置10は、タグ付けの対象とすべき商品について自動的にタグ付けし、ECサイトにおいて高速配送サービスのレコメンデーションを行う(アップロード44)。また、情報処理装置10は、SLAをモニタリングして、SLAを満たせない商品については自動的にタグ付けを解除する(モニタ45)。
【0023】
具体的には、情報処理装置10は、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得し、これらの情報を学習済みの学習モデルに入力して、当該商品の配送スケジュールを予測する。そして、情報処理装置10は、その予測結果に基づいて、当該商品の商品ページにおいて、高速配送サービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する。本実施形態では、商品の購入手続きをするための商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22を表示することで、高速配送サービスの利用をユーザにレコメンドする。
【0024】
情報処理装置10は、まず、ECサイトにおける過去の注文商品に対する配送履歴を取得し、各商品について、所定の配送先への高速配送の実行可能性を予測するための学習モデルを学習させる。なお、情報処理装置10は、外部装置において学習された、学習済みの学習モデルを取得してもよい。
そして、情報処理装置10は、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報と学習済みの学習モデルを用いた機械学習により、発送対象となりうる商品の高速配送の実行可能性を予測する。また、情報処理装置10は、当該予測結果に基づいて、当該商品の商品注文ページ20Bにおいて高速配送サービスを指定するためのオブジェクト22を表示するか否かを決定し、決定内容に従って、当該商品を注文しようとしているユーザが操作するユーザ装置11に商品注文ページ20Bを表示させる。
【0025】
[情報処理装置10の機能構成]
図5は、本実施形態における情報処理装置10の機能構成の一例を示す。
図5に示す情報処理装置10は、ユーザ情報取得部101、商品情報取得部102、配送履歴取得部103、学習データ生成部104、学習部105、配送予測部106、表示設定決定部107、出力部108、学習モデル記憶部110、およびデータ記憶部120を備える。学習モデル記憶部110は、配送予測モデル111を記憶している。データ記憶部120は、配送履歴121および学習データ122を記憶している。
【0026】
ユーザ情報取得部101は、ユーザ1~Nのうち、ウェブサービスを利用しているユーザのユーザ装置11から、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報取得部101は、例えば、ウェブサービス利用時におけるユーザIDを取得し、不図示のデータベース等を参照して、ユーザIDに紐付けられた、ユーザの氏名やユーザの住所、商品の配送先情報、ユーザが保持するクレジットカードの情報、ユーザのデモグラフィック情報等のユーザ情報を取得することができる。ユーザ情報は、ウェブサービス利用時の利用状況、購入履歴、利用履歴、検索履歴、サービスの利用により貯めることが可能なポイントに関する情報を含んでもよい。このように、ユーザ情報は、ユーザ自身に関連する情報や、通信を介した所定のサービス利用に関する情報を含む、あらゆる情報を含むことができる。
本実施形態では、ユーザ情報は、少なくとも商品の配送先情報を含む。なお、この配送先情報は、ユーザIDに紐付けられた情報に限定されない。例えば、発送対象の商品の配送先情報は、ユーザが商品の購入手続きにおいて個別に指定した情報であってもよい。
【0027】
商品情報取得部102は、発送対象となりうる商品の商品情報を取得する。ここで、発送対象となりうる商品は、例えばカートインされ、電子商取引において決済可能な状態となっている商品など、ユーザが購入の意図を示した商品を含む。
商品情報取得部102は、発送対象となりうる商品の商品情報を、ユーザ装置11またはECサイトの注文データベースから取得することができる。商品情報取得部102により取得される商品情報は、例えば商品の商品IDであってよい。また、当該商品情報は、商品の属性情報を含んでよい。商品の属性情報は、例えば、商品価格や商品重量などの商品に関連する情報や、商品を販売するマーチャントに関する情報などを含んでよい。なお、商品情報取得部102は、例えば、取得した商品IDをもとに、ECサイトの商品データベース等を参照して、商品の属性情報を取得してもよい。
【0028】
配送履歴取得部103は、過去に注文された商品のうち、配送済みの商品の配送履歴を取得し、配送履歴121としてデータ記憶部120に記憶する。配送履歴は、商品の配送情報、注文情報、オファー情報、商品情報、配送先情報を含む。ここで、配送情報は、配送完了日時や配送業者(運送業者)に関する情報等を含んでよい。注文情報は、注文日時や注文番号、発送日時、注文された商品の個数等を含んでよい。オファー情報は、商品の価格や割引、決済方法、送料など支払いに関する条件や、特典、保証、締め切り、納期などの情報を含んでよい。商品情報は、商品の品目やカテゴリー、商品のサイズ、商品の重量、商品の価格、マーチャントに関する情報等を含んでよい。配送先情報は、配送先の住所を含んでよい。
【0029】
学習データ生成部104は、配送履歴121をもとに、配送予測モデル111を学習させるための学習データを生成する。学習データ生成部104は、生成した学習データを、学習データ122としてデータ記憶部120に記憶する。
図6は、学習データ122の生成手順を説明するための図である。
学習データ生成部104は、配送履歴121をもとに、例えば特徴量エンジニアリング(Feature Engineering)を用いて学習データ122を生成することができる。ここで、配送履歴121は、上述したように、商品の配送情報61、注文情報62、オファー情報63、商品情報64、配送先情報65を含む。学習データ生成部104は、これらの情報61~65をもとに、特徴量66を含む学習データを生成する。
【0030】
特徴量66は、機械学習モデルに有用な説明変数であり、例えば、どういった商品が、どの地域に、何日以内に配送されているかといった情報を含みうる。
具体的には、特徴量66は、マーチャントごと、商品ごと、配送地域ごとに、それぞれ商品の高速配送達成率(例えば1日または2日以内に配送できた回数)を含むことができる。例えば、マーチャントの高速配送達成率は、マーチャントのプレゼンス(例えば倉庫中の商品のうちマーチャントによる販売対象の商品の比率)や商品の配送速度、使用している運送業者などと紐付けることができる。また、商品の高速配送達成率は、商品のカテゴリー(階層L1~L3)や商品価格、商品の平均重量などと紐付けることができる。ここで、階層L1~L3は、例えば、L1=メンズファッション、L2=ボトムス、L3=ジーンズといった商品の階層構造を示す。さらに、配送地域の高速配送達成率は、国などの地域、都道府県などの地域属性、郵便番号や市区町村などのサブ地域属性などと紐付けることができる。また、特徴量66は、マーチャント、配送地域および商品の総合的な特徴として、注文番号や平均GMS(General Merchandise Store)、ネットGMS、商品の出荷数量などを含みうる。
【0031】
学習部105は、学習データ生成部104により生成された学習データ122を用いて、配送予測モデル111を学習させ、学習済みの配送予測モデル111を学習モデル記憶部110に記憶する。配送予測モデル111は、商品情報と配送先情報とを入力として、入力された商品の発送スケジュールを予測する学習モデルである。例えば、配送予測モデル111は、入力された商品が、入力された配送先に高速配送される確率(可能性)を示す配送スコアを出力する。
例えば、過去に特定の商品が高頻度で高速配送されている場合、配送予測モデル111は、当該商品の高速配送される確率を高く出力する。また、例えば、過去に特定のマーチャントが扱う商品が高頻度で高速配送されている場合には、当該マーチャントが扱う別の商品も高速配送される確率が高いとして、配送予測モデル111は、当該マーチャントが扱う商品の高速配送される確率を高く出力する。さらに、例えば、離島などの特定の地域への商品の配送に比較的時間がかかっている場合には、配送予測モデル111は、当該地域を配送先とする商品について、高速配送される確率を低く出力する。
【0032】
配送予測部106は、ユーザ情報取得部101により取得されたユーザ情報に含まれる配送先情報と、商品情報取得部102により取得された商品の商品情報とを、配送予測モデル111に入力することで、対象商品の発送スケジュールを予測する。
表示設定決定部107は、配送予測部106により予測された予測結果に基づいて、対象商品の商品ページにおける表示設定を決定する。具体的には、表示設定決定部107は、配送予測部106において予測された発送スケジュールに基づいて、対象商品の商品ページにおいて、高速配送サービスの利用をレコメンドするか否かを決定する。例えば、表示設定決定部107は、予測された配送スコアが所定の閾値以上の場合に、対象商品は高速配送が可能であるとして、高速配送サービスの利用をレコメンドすると決定する。
【0033】
出力部108は、表示設定決定部107による決定に従って、商品ページにおける表示を制御する。具体的には、出力部108は、表示設定決定部107により、高速配送サービスの利用をレコメンドすると決定された商品については、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22を含む商品注文ページ20Bをユーザ装置11の表示部に表示させる。一方、出力部108は、表示設定決定部107により、高速配送サービスの利用をレコメンドしないと決定された商品については、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22を含まない商品注文ページ20Bをユーザ装置11の表示部に表示させる。
ここで、出力部108は、表示設定決定部107による決定に従って商品注文ページ20Bを生成し、ユーザ装置11の表示部に出力してもよいし、表示設定決定部107による決定内容を外部装置に出力し、表示設定決定部107による決定に従った商品注文ページ20Bをユーザ装置11の表示部に表示させてもよい。
なお、出力部108は、表示設定決定部107により、高速配送サービスの利用をレコメンドすると決定された商品と対応する商品注文ページ20Bにおいて、オブジェクト22を強調表示してよい。このとき、オブジェクト22に相当するオブジェクトは、レコメンドの有無によらず各商品注文ページ20Bにおいてデフォルトで表示され、レコメンドが決定された場合に強調表示されてよい。つまり、レコメンドの有無に応じて、オブジェクト22の表示が変化してよい。ここで、強調表示とは、オブジェクト22の彩色、形状、大きさ等の外見的特徴の静的な変化を伴う表示処理を含んでよく、ページ上のポップアップ、フェードイン等の外見的特徴の動的な変化を伴う表示処理を含んでよい。
【0034】
[全体の処理の流れ]
図7は、本実施形態における情報処理装置10により実行される全体の処理の流れを説明するための図である。
この図7に示すように、情報処理装置10は、データソース70のデータを利用したデータ生成処理71と、機械学習処理72と、予測処理73とを実行し、予測結果に応じたレコメンデーション74を行う。また、情報処理装置10は、データソース70のデータを利用してガードレール処理75を行う。本実施形態において、データソース70は、配送履歴121を含む。
【0035】
データ生成処理71では、データソース70から生データセットを構築し、特徴量エンジニアリングにより特徴量(図6の特徴量66)を生成する。ここで、上記の生データセットは、図6に示す配送情報61、注文情報62、オファー情報63、商品情報64および配送先情報65を含む。
機械学習処理72では、機械学習アルゴリズム用いて配送予測モデル111を生成する。機械学習処理72は、機械学習モデルの選択(アルゴリズムの選択)、ハイパーパラメータチューニング、および、ベイズモデルの組合せ(アンサンブル学習)を含みうる。
データ生成処理71および機械学習処理72は、図4に示す訓練41に対応する。
【0036】
予測処理73では、配送予測モデル111を用いて、商品の配送スケジュールを予測する。予測処理73は、マーチャントのパフォーマンスの最適化、高速配送の実行可能性の予測(高速配送サービスの利用対象商品の識別)、および、予測結果の出力を含みうる。この予測処理73は、図4に示す分類42およびテスト43に対応する。
レコメンデーション74では、高速配送サービスの利用対象商品の商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト22を表示することで、ユーザに対して高速配送サービスの利用をレコメンドする。このとき、レコメンデーション結果をもとにデータソース70を更新してもよい。このレコメンデーション74は、図4のアップロード44に対応する。
ガードレール処理75では、データソース70のデータやレコメンデーション74の結果を利用して、タグ付けされた商品について、SLAを満たしているかどうかを監視し、必要に応じてタグ付けの解除や再タグ付けを行う。このガードレール処理75は、図4のモニタ45に対応する。
【0037】
図8は、情報処理装置10により実行される商品ページの表示制御処理を示すフローチャートである。なお、本例において、学習済みの配送予測モデル111は、学習モデル記憶部110に格納されているものとする。
まず、S1において、ユーザ情報取得部101は、ウェブサービスを利用しているユーザのユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、発送対象となりうる商品の配送先情報を含む。
S2において、商品情報取得部102は、発送対象となりうる商品の商品情報を取得する。
【0038】
S3において、配送予測部106は、S1において取得された商品の配送先情報と、S2において取得された商品の商品情報とに基づいて、学習済みの配送予測モデル111を用いて、当該商品の発送スケジュールを予測する。具体的には、配送予測部106は、商品の配送先情報と商品情報とを配送予測モデル111に入力し、入力された商品が、入力された配送先に高速配送される確率(可能性)を示す配送スコアを予測する。
S4において、表示設定決定部107は、S3において予測された配送スコアに基づいて、オブジェクトの表示設定を決定する。具体的には、表示設定決定部107は、予測された配送スコアが所定の閾値以上の場合に、高速配送サービスの利用をユーザにレコメンドする、つまり、商品ページにおいて、高速配送サービスを指定するためのオブジェクトを表示すると決定する。
【0039】
最後に、S5において、出力部108は、S4において決定された表示設定に従って、商品注文ページ20Bにおけるオブジェクト22の表示制御を行う。
発送対象となりうる商品が高速配送サービスの利用対象となりうる商品である場合、情報処理装置10は、当該商品の商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスを指定するためのオブジェクト22を表示させる(タグ付けする)。これにより、ユーザは、高速配送サービスの利用を指定して、商品を迅速に受け取ることができる。
また、発送対象となりうる商品が高速配送サービスの利用対象にはならない商品である場合、情報処理装置10は、当該商品の商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスを指定するためのオブジェクト22を表示させない(タグ付けしない)。これにより、ユーザが高速配送サービスの利用を指定したにもかかわらず、商品が高速配送されないといった事態を回避することができ、マーチャントに対するユーザの評価が低下してしまうことを抑制することができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、情報処理装置10は、図3に示すように、高速配送サービスの利用対象商品の商品ページである商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスを指定するためのオブジェクト22を表示させることで、高速配送サービスの利用をユーザにレコメンドする場合について説明した。これに加えて、情報処理装置10は、商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスの利用が可能である旨を表示させてもよい。ここで、高速配送サービスの利用が可能である旨を表示は、例えば図2に示す発送スケジュール21に含まれる、「翌日配達対応」などの表示であってよい。
【0041】
さらに、情報処理装置10は、図2に示すように、商品一覧ページ20Aにおいて、高速配送サービスの利用対象商品について、高速配送サービスの利用が可能である旨を表示させてもよい。つまり、ユーザが検索キーワード等を入力して絞り込んだ商品など、ユーザが購入する可能性の高い商品は、発送対象となりうる商品であるとして、情報処理装置10は、商品一覧ページ20Aに表示する商品の商品情報と、例えばユーザIDと紐付けて事前に登録された配送先情報とを用いて、高速配送サービスの利用対象商品を推定し、ユーザにレコメンドしてよい。ただし、実際の商品の配送先は、事前に登録された配送先と異なる場合があるため、商品一覧ページ20Aにおいて、高速配送サービスの利用が可能となる配送先条件を併せて表示させることが好ましい。
このように、情報処理装置10は、商品一覧ページ20Aにおいて、高速配送サービスの利用をユーザにレコメンドしてもよい。これにより、ユーザは、商品一覧ページ20Aにおいて、高速配送サービスの利用の可否を含めて複数の類似商品を比較することができる。
【0042】
[情報処理装置10のハードウェア構成]
図9は、本実施形態における情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態における情報処理装置10は、単一または複数の、あらゆるコンピュータ、モバイルデバイス、または他のいかなる処理プラットフォーム上にも実装することができる。
図9を参照して、情報処理装置10は、単一のコンピュータに実装される例が示されているが、本実施形態における情報処理装置10は、複数のコンピュータを含むコンピュータシステムに実装されてよい。複数のコンピュータは、有線または無線のネットワークにより相互通信可能に接続されてよい。
【0043】
図9に示すように、情報処理装置10は、CPU91と、ROM92と、RAM93と、HDD94と、入力部95と、表示部96と、通信I/F97と、システムバス98とを備えてよい。情報処理装置10はまた、外部メモリを備えてよい。
CPU(Central Processing Unit)91は、情報処理装置10における動作を統括的に制御するものであり、データ伝送路であるシステムバス98を介して、各構成部(92~97)を制御する。
【0044】
ROM(Read Only Memory)92は、CPU91が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶する不揮発性メモリである。なお、当該プログラムは、HDD(Hard Disk Drive)94、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリや着脱可能な記憶媒体(不図示)等の外部メモリに記憶されていてもよい。
RAM(Random Access Memory)93は、揮発性メモリであり、CPU91の主メモリ、ワークエリア等として機能する。すなわち、CPU91は、処理の実行に際してROM92から必要なプログラム等をRAM93にロードし、当該プログラム等を実行することで各種の機能動作を実現する。図5に示す学習モデル記憶部110とデータ記憶部120とは、RAM93で構成されうる。
【0045】
HDD94は、例えば、CPU91がプログラムを用いた処理を行う際に必要な各種データや各種情報等を記憶している。また、HDD94には、例えば、CPU91がプログラム等を用いた処理を行うことにより得られた各種データや各種情報等が記憶される。
入力部95は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスにより構成される。
表示部96は、液晶ディスプレイ(LCD)等のモニタにより構成される。表示部96は、入力部95と組み合わせて構成されることにより、GUI(Graphical User Interface)として機能してもよい。
【0046】
通信I/F97は、情報処理装置10と外部装置との通信を制御するインタフェースである。
通信I/F97は、ネットワークとのインタフェースを提供し、ネットワークを介して、外部装置との通信を実行する。通信I/F97を介して、外部装置との間で各種データや各種パラメータ等が送受信される。本実施形態では、通信I/F97は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に準拠する有線LAN(Local Area Network)や専用線を介した通信を実行してよい。ただし、本実施形態で利用可能なネットワークはこれに限定されず、無線ネットワークで構成されてもよい。この無線ネットワークは、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)等の無線PAN(Personal Area Network)を含む。また、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)や、WiMAX(登録商標)等の無線MAN(Metropolitan Area Network)を含む。さらに、LTE/3G、4G、5G等の無線WAN(Wide Area Network)を含む。なお、ネットワークは、各機器を相互に通信可能に接続し、通信が可能であればよく、通信の規格、規模、構成は上記に限定されない。
【0047】
図5に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能は、CPU91がプログラムを実行することで実現することができる。ただし、図5に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能が専用のハードウェアとして動作するようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPU91の制御に基づいて動作する。例えば、機械学習モデルの学習処理、予測処理、推論処理等を含む各種情報処理は、CPU91に限らずGPU等のプロセッサを含む専用のハードウェアによって行われてよい。
【0048】
[ユーザ装置11のハードウェア構成]
図1に示すユーザ装置11のハードウェア構成は、図9と同様でありうる。すなわち、ユーザ装置11は、CPU91と、ROM92と、RAM93と、HDD94と、入力部95と、表示部96と、通信I/F97と、システムバス98とを備えうる。ユーザ装置11は、情報処理装置10により提供された各種情報を、表示部96に表示し、GUI(入力部95と表示部96による構成)を介してユーザから受け付ける入力操作に対応する処理を行うことができる。
【0049】
このように、本実施形態における情報処理装置10は、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を、学習済みの学習モデルである配送予測モデル111に入力して、当該商品の発送スケジュールを予測する。そして、情報処理装置10は、その予測結果に基づいて、当該商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービス(高速配送サービス)の利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する。
また、情報処理装置10は、上記の決定に従って、商品ページの表示を制御する表示制御を行うことができる。具体的には、情報処理装置10は、高速配送サービスの利用をユーザにレコメンドすると決定された商品の商品注文ページ20Bにおいて、高速配送サービスの利用を指定するためのオブジェクト(高速配送タグ)を表示させることができる。つまり、高速配送サービスの利用対象となりうる商品について、商品注文ページ20Bにおいて高速配送タグを自動的に表示させることができる。
【0050】
これにより、ECサイトで扱う商品について、高速配送サービスの利用対象となりうる商品であるか否かを管理し、自動的に高速配送タグのタグ付けを行って、高速配送サービスの利用をレコメンドすることができる。高速配送タグのタグ付けにより、当該商品の購入をコンバージョンとするコンバージョン率(CVR)が向上し、当該商品の売上や知名度が向上されることが期待される。このように、ECプラットフォームにおけるビジネスメトリクスを加味し、ユーザに対してより効果的に配送条件の変更を提案することができる。
【0051】
なお、上記において特定の実施形態が説明されているが、当該実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定する意図はない。本明細書に記載された装置および方法は上記した以外の形態において具現化することができる。また、本発明の範囲から離れることなく、上記した実施形態に対して適宜、省略、置換および変更をなすこともできる。かかる省略、置換および変更をなした形態は、請求の範囲に記載されたものおよびこれらの均等物の範疇に含まれ、本発明の技術的範囲に属する。
【0052】
本実施形態の開示は以下の構成を含む。
[1]発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得手段と、前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測手段と、前記予測手段による予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0053】
[2]前記決定手段は、前記商品ページにおいて、前記ユーザが前記サービスの利用を指定するためのオブジェクトを表示させるか否かを決定する、ことを特徴とする[1]に記載の情報処理装置。
【0054】
[3]前記決定手段は、前記商品ページにおいて、前記サービスの利用が可能である旨を表示させるか否かを決定する、ことを特徴とする[1]または[2]に記載の情報処理装置。
【0055】
[4]前記決定手段による決定に従って、前記商品ページの表示を制御する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0056】
[5]配送済みの商品の配送履歴を取得する履歴取得手段と、前記配送履歴を用いて、前記学習モデルを生成する学習手段と、をさらに備えることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0057】
[6]前記学習モデルは、前記商品情報と前記配送先情報とを入力して、入力された商品が入力された配送先に前記所定の発送スケジュールで発送できる確率を出力するように構成されていることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0058】
[7]発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得工程と、前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測工程と、前記予測工程における予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定工程と、を含むことを特徴とする情報処理方法。
【0059】
[8]情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、発送対象となりうる商品の商品情報および配送先情報を取得する情報取得処理と、前記商品情報および前記配送先情報を、学習済みの学習モデルに入力して、前記商品の発送スケジュールを予測する予測処理と、前記予測処理における予測結果に基づいて、前記商品の商品ページにおいて、当該商品を通常の発送スケジュールよりも早い所定の発送スケジュールで発送するサービスの利用をユーザにレコメンドするか否かを決定する決定手処理と、を含む処理を実行させるためのものである、情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0060】
1~N:ユーザ、10:情報処理装置、11-1~11-N:ユーザ装置、101:ユーザ特徴取得部、102:商品情報取得部、103:配送履歴取得部、104:学習データ生成部、105:学習部、106:配送予測部、107:表示設定決定部、108:出力部、110:学習モデル記憶部、111:配送予測モデル、120:データ記憶部、121:配送履歴、122:学習データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9