(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008574
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】会計システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240112BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/12 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110553
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142CA12
3E142FA03
3E142FA08
3E142GA22
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA01
(57)【要約】
【課題】省スペース化が可能で且つ扱い易い会計システムを提供すること。
【解決手段】会計システムは、顧客が購入する商品を運ぶためのカートと、商品の購入代金を決済する決済装置と、カートを決済装置に連結する連結手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を運ぶためのカートと、
前記商品の購入代金を決済する決済装置と、
前記カートを前記決済装置に連結する連結手段と、
を有する会計システム。
【請求項2】
前記連結手段は、前記カートを前記決済装置に位置決めする位置決め部を有する、
請求項1に記載の会計システム。
【請求項3】
前記カートを前記決済装置に固定する固定部をさらに有する、
請求項1に記載の会計システム。
【請求項4】
前記カートは、バッテリーを備え、
前記連結手段は、前記決済装置から前記バッテリーへ給電する給電部を有する、
請求項1に記載の会計システム。
【請求項5】
前記カートは、前記商品を登録する登録装置を有する、
請求項1に記載の会計システム。
【請求項6】
前記連結手段は、前記登録装置で登録した前記商品の登録情報を前記決済装置へ送る送信部を有する、
請求項5に記載の会計システム。
【請求項7】
前記位置決め部によって前記カートを前記決済装置に位置決めしたことを検知する検知部と、
前記検知部にて前記カートを前記決済装置に位置決めしたことを検知したことに基づき、前記決済装置による決済処理を実施可能とする制御部と、
をさらに有する請求項2に記載の会計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品を登録して決済する会計システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、顧客が商品を登録して決済するセルフレジを導入しつつある。例えば、スーパーマーケットのセルフレジを利用する顧客は、商品を入れたショッピングカート(以下、単に、カートと称する)をセルフレジの近くに置いて、商品のバーコードをスキャナーにより読み取らせて、登録及び決済処理を実施する。
【0003】
スーパーマーケットでは、通常、複数台のセルフレジを置いたセルフレジ専用のエリアを店内に設け、係員がセルフレジの操作を補助する運用をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数台のセルフレジを置いたエリア内に顧客がカートを持ち込むと、カート同士がぶつかったり、カートにより顧客の通行が妨げられたりする場合がある。また、顧客が他の顧客の通行の邪魔にならないように、セルフレジにできるだけ近付けてカートを置こうとすると、セルフレジにカートがぶつかる場合もある。
【0006】
このため、セルフレジ専用のエリアを設けたスーパーマーケットでは、セルフレジのエリアを十分に広くする必要があり、その分、店舗の運用効率が下がってしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、省スペース化が可能で且つ扱い易い会計システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の会計システムは、顧客が購入する商品を運ぶためのカートと、商品の購入代金を決済する決済装置と、カートを決済装置に連結する連結手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る会計システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のシステムのセルフPOS端末を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2のセルフPOS端末の接続装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1のカートを
図2のセルフPOS端末に連結するための連結機構のブロック図である。
【
図6】
図6は、
図1のシステムの制御系を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、
図1のシステムにおける決済処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図1のシステムにおける残存物監視処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。
図1に示すように、会計システム100(以下、単にシステム100と称する)は、複数台のセルフPOS(Point Of Sales)端末10と、アテンダント端末20と、店舗サーバー30と、を含む。複数台のセルフPOS端末10とアテンダント端末20と店舗サーバー30は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク40を介して接続している。セルフPOS端末10は、決済装置として機能する。システム100は、この他に、顧客が使用する複数台のカート50を含む。
【0011】
システム100は、
図1にて破線で囲むセルフエリア101内に、複数台のセルフPOS端末10とアテンダント端末20を有する。複数台のカート50は、このセルフエリア101の入口102から入って出口103から出る。システム100で使用するカート50は、後述する電子機器52やハンドスキャナー53(
図3)を備えるものとこれらを備えないものの両方を含む。店舗サーバー30は、セルフエリア101とは別の場所にある。
【0012】
顧客は、購入する商品をカート50に乗せてセルフエリア101に持ち込み、セルフPOS端末10を操作して商品の登録及び決済処理を実施する。或いは、顧客は、買い回り時にカート50に入れる商品を電子機器52に登録し、会計時にセルフPOS端末10に購入した商品の情報(以下、登録データと称する)を送信して決済処理のみ実施する。
【0013】
アテンダント端末20は、店舗の係員が操作する。係員は、顧客によるセルフPOS端末10の操作をサポートする。アテンダント端末20は、セルフエリア101の出口103が見える位置にある。アテンダント端末20は、各セルフPOS端末10に登録された商品のリスト等を端末毎に表示する図示しない表示デバイスを備える。アテンダント端末20は、セルフPOS端末10でエラーが発生した場合にはそのエラー情報を報知する。
【0014】
店舗サーバー30は、通信ネットワーク40を介して、複数台のセルフPOS端末10及びアテンダント端末20に対し、様々なサービスを提供することができる。また、店舗サーバー30は、店舗で販売している商品に関するデータを管理する商品データベースを有する。
【0015】
商品データベースは、店舗で販売される商品毎に作成される商品レコードの集合体である。商品レコードは、例えば、商品コード、商品名、価格等のデータを含む。商品コードは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。各商品には、当該商品の商品コードを表すバーコードが付されている。商品名及び価格は、商品コードで識別される商品の固有名称及び1点当たりの販売金額である。
【0016】
図2に示すように、セルフPOS端末10は、本体60と、本体60の図示右側に配置した籠置き台12と、本体60の図示左側に配置した商品載置台14と、商品載置台14の上方に配置した一時置き台16と、を備える。セルフPOS端末10は、この他に、カート50を連結するための連結手段として機能する後述する連結機構110(
図1)の端末側連結装置120(
図4)を備える。なお、籠置き台12、商品載置台14、及び一時置き台16は、本体60に対して左右の取り付け位置を逆にすることもでき、顧客の動線に合わせて取り付け位置を変更可能である。
【0017】
籠置き台12は、顧客が購入する登録前の商品を入れた買い物籠を置くための台である。カート50を使用しない顧客は、買い物籠を手で持って購入する商品を買い物籠に入れ、この買い物籠を籠置き台12に置く。そして、顧客は、商品を買い物籠から取り出して商品コードをセルフPOS端末10に読み取らせて当該商品をセルフPOS端末10に登録する。
【0018】
カート50を使用する顧客は、連結機構110に含まれる後述する位置決め部140(
図5)により、商品を積んだカート50をセルフPOS端末10に位置決めする。カート50をセルフPOS端末10に位置決めした状態で、カート50の収容籠56(
図3)に入れた商品が籠置き台12の上方に配置される。言い換えると、セルフPOS端末10の籠置き台12は、カート50の収容籠56の下面が接触しない高さを有する。買い回り時に商品を登録していない顧客は、籠置き台12の上にある収容籠56から取り出した商品をセルフPOS端末10に登録する。
【0019】
籠置き台12の下方には、カート50のキャスター57を収容するための空間がある。言い換えると、セルフPOS端末10にカート50を位置決めした状態で、セルフPOS端末10の籠置き台12は、カート50の収容籠56とキャスター57の間に入る。
【0020】
セルフPOS端末10に対するカート置き場を顧客に知らせるため、籠置き台12の上面に、例えば、“カートを挿し込んでください”といった案内表示を設けてもよい。この場合、案内表示を印刷したステッカーを籠置き台12の上面に貼り付けてもよい。また、連結機構110によるカート50のセルフPOS端末10に対する連結状態を顧客が視認できるように、籠置き台12を透明な材料により形成してもよい。
【0021】
商品載置台14は、セルフPOS端末10に登録済の商品を載置するための台である。顧客は、登録済の商品を、商品載置台14に置かれた持ち帰り用の買い物籠、レジ袋、又はマイバッグ等に入れる。顧客は、登録済の商品を、商品載置台14に直接置くこともできる。
【0022】
一時置き台16は、例えば、商品をレジ袋等に入れる前に一時的に載置するための台である。一時置き台16は、左右に離間した2本の保持アーム17を前方に突出して備える。顧客は、これらの保持アーム17を用いて、レジ袋、マイバッグ等を開口した状態で商品載置台14の上方に取り付けることができる。
【0023】
セルフPOS端末10の本体60は、入出力デバイスとしてのタッチパネル61、カードリーダー62、プリンター63、スキャナー64、ハンドスキャナー65、現金処理機66、パトランプ67、発光部68、スピーカー69等を備える。本体60は、商品の登録、及び購入代金の決済処理を実施する。
【0024】
タッチパネル61は、表示デバイスとしてのディスプレイと、入力デバイスとしてのタッチセンサーとを含む。ディスプレイは、会計開始画面、商品登録画面、支払い方法選択画面、会計終了画面等の種々の画面情報を表示する。
【0025】
会計開始画面は、決済開始を受け付ける画面である。会計開始画面は、決済開始を指令するための“スタートキー”を有する。顧客が“スタートキー”にタッチすると、タッチセンサーが“スタートキー”に顧客がタッチしたことを検知し、セルフPOS端末10のコントローラーが、ディスプレイの画面を会計開始画面から商品登録画面へと切り替える。
【0026】
商品登録画面は、登録された商品の商品名、価格、合計金額等の明細情報を表示する画面である。登録した商品の情報はその都度画面表示に追加される。商品登録画面は、登録を終えた商品の代金支払いへの移行を指令するための“支払いキー”を有する。全ての商品の登録を終えた顧客は、“支払いキー”にタッチする。“支払いキー”がタッチ操作されたことをタッチセンサーが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラーは、ディスプレイの画面を商品登録画面から支払い方法選択画面へと切り替える。
【0027】
支払い方法選択画面は、現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い、コード決済支払い等の支払い方法の選択入力を受け付ける画面である。支払い方法選択画面は、現金支払いを指令するための“現金キー”、クレジットカード支払いを指令するための“クレジットキー”、電子マネー支払いを指令するための“電子マネーキー”、コード決済支払いを指令するための“コード決済キー”等を有する。顧客は、希望する支払い方法の“キー”にタッチする。
【0028】
例えば、“現金キー”がタッチ操作されたことをタッチセンサーが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラーは、現金による決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面から現金による会計終了画面へと切り替える。
【0029】
“クレジットキー”がタッチ操作されたことをタッチセンサーが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラーは、クレジットカードによる決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面からクレジットカードによる会計終了画面へと切り替える。
【0030】
“電子マネーキー”がタッチ操作されたことをタッチセンサーが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラーは、電子マネーカードによる決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面から電子マネーカードによる会計終了画面へと切り替える。
【0031】
“コード決済キー”がタッチ操作されたことをタッチセンサーが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラーは、コード決済用のコードによる決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面からコード決済による会計終了画面へと切り替える。
【0032】
例えば現金による会計終了画面は、取引の合計金額、現金の預かり金額、及び、釣銭額等を表示する画面である。例えば現金による決済処理は、預かり金額から取引の合計金額を減額して釣銭額を算出し、レシートを発行して取引を終了させる処理である。このような現金による決済処理は周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。また、クレジットカード、電子マネーカードまたはコード決済による決済処理も周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。
【0033】
カードリーダー62は、クレジットカード、電子マネーカード、ポイントカード等のカード媒体に記録されたデータを読み取る。カード媒体が磁気カードの場合、カードリーダー62は磁気カードリーダーである。カード媒体がICカードの場合、カードリーダー62は、ICカードリーダーである。セルフPOS端末10は、カードリーダー62として磁気カードリーダーまたはICカードリーダーのいずれか一方を備えていてもよいし、両方を備えていてもよい。カードリーダー62は、カードへのデータ書込み機能を有したカードリーダー・ライターであってもよい。
【0034】
プリンター63は、レシート用紙に買上レシート、クレジットカード伝票等に係るデータを印刷する。プリンター63は、レシート用紙に種々のデータを印刷し、そのレシート用紙をカッターによりカットして、レシート発行口から発行する。プリンター63は、例えばサーマルプリンター又はドットインパクトプリンター等である。
【0035】
スキャナー64及びハンドスキャナー65は、商品を識別する情報を読み取るものである。本実施形態において、スキャナー64及びハンドスキャナー65は、商品を識別する情報として商品に付されたバーコードを読み取る。スキャナー64は、商品に付されたバーコードが相対するように読取窓(ガラス窓)に翳された商品のバーコードを光学的に読み取る。ハンドスキャナー65は、顧客によって手持ちで操作されるもので、商品に付されたバーコードに近接されることによりバーコードを光学的に読み取る。なお、スキャナー64及びハンドスキャナー65は、商品を認識する情報を読み取るものであればよく、例えば二次元コード等、バーコード以外の情報を読み取るものであってもよい。
【0036】
現金処理機66は、現金を処理する。現金処理機66は、紙幣投入口71、紙幣排出口72、硬貨投入口73、及び硬貨排出口74を有する。現金処理機66は、紙幣投入口71に投入された紙幣を処理する。現金処理機66は、釣銭としての紙幣を紙幣排出口72から排出する。現金処理機66は、硬貨投入口73に投入された硬貨を受け入れて処理する。現金処理機66は、釣銭としての硬貨を硬貨排出口74から排出する。
【0037】
パトランプ67は、遠くからでも見えるように、鉛直上方に延びたポールの上端に取り付けられている。パトランプ67は、発光部材と円筒部材を含む。発光部材は、円筒部材の内部に取り付けられている。パトランプ67は、アラートを表示するためのものである。例えば、パトランプ67は、操作に不具合がある時に発光部材を赤色等の警告色に点灯させることで、顧客やアテンダント端末20に居る係員が、エラー状態であると目視確認できるようにする。なお、パトランプ67の発光部材は、円筒部材の内部に、円筒部材と同軸に回転可能に取り付けられ、発光部材を発光させながら回転させてもよい。
【0038】
発光部68は、ポールのパトランプ67の下に配置されている。発光部68も、パトランプ67と同様に発光部材と円筒部材を含む。発光部材は、複数の色で選択的に発光可能となっている。或いは、発光部68は、互いに異なる発光色の複数の発光部材を備える。発光部68もパトランプ67と同様に、アラートを表示するためのものである。発光部68は、発光部材の発光色によってもしくは発光色とその点滅状態によって、エラー中、顧客の不正な行動の検出等のアラートを表示することができる。
【0039】
スピーカー69は、アラートとしての警告音、あるいは、メッセージとしての音声等を出力する。
【0040】
セルフPOS端末10は、本体60の上方に、カメラ80を有する。カメラ80は、セルフPOS端末10とそれを操作する顧客を撮影する。カメラ80がセルフPOS端末10を撮影する範囲は、籠置き台12、商品載置台14、及び一時置き台16を含む範囲である。カメラ80は、顧客のほぼ全身を上方から撮影する。したがって、カメラ80は、顧客の頭部、顔面、両肩、両腕、胸部、腹部等を撮影する。
【0041】
また、本体60は、その正面に、人感センサー90を有する。人感センサー90は、セルフPOS端末10の正面側の感知範囲内に顧客が存在する間、顧客が存在することを示す感知信号をセルフPOS端末10のコントローラーに送信する。コントローラーは、この感知信号に基づいて、顧客が存在しない間は、セルフPOS端末10をアイドル状態にする。アイドル状態とは、例えばタッチパネル61のディスプレイを消灯する等して省電力化を図る待機状態のことである。また、セルフPOS端末10は、人感センサー90の感知信号に基づいて顧客の存在を認識すると、スピーカー69により音声ガイダンスを流し、最初の操作を促すことができる。
【0042】
図3に示すように、カート50は、カート本体51と、電子機器52と、ハンドスキャナー53と、バッテリー54と、カート側連結装置130と、を備える。電子機器52とハンドスキャナー53は、商品を登録する登録装置である。カート50は、商品を収容して移動することができる。カート50は、商品を積んでいない状態で、複数台を前後に重ねることができる。なお、カート50は、ハンドスキャナー53の他に、固定スキャナーを据え付けて設置してもよい。
【0043】
カート本体51は、収容籠56を有する。収容籠56には、商品をそのまま載せることができ、或いは商品を収容する買い物籠を乗せることができる。カート本体51は、その下端に4個のキャスター57を備える。カート本体51は、スタック時に回動する開閉板部58を有する。カート本体51は、収容籠56、キャスター57、及び開閉板部58を取り付けたフレーム59を有する。
【0044】
フレーム59は、その上端に顧客が把持するハンドル591を有する。フレーム59は、ハンドル591の上方に配置した電子機器52とハンドスキャナー53を支持する支持ロッド592を有する。フレーム59は、ハンドル591の下方で、開閉板部58の上端を回動可能に支持している。フレーム59は、開閉板部58の前方に対向して、収容籠56を前方に突出させた片持ち状態で支持している。
【0045】
このため、別のカート50の収容籠56の前端部を当該カート50の開閉板部58の背面側から押し込むことにより、開閉板部58の回動を伴って、別のカート50の収容籠56を当該カート50の収容籠56の上に重ねることができ、2台のカート50を前後にスタックすることができる。
【0046】
フレーム59は、開閉板部58の下方でバッテリー54を支持している。また、フレーム59は、底部の前方端にカート側連結装置130を保持している。カート側連結装置130は、セルフPOS端末10の端末側連結装置120と共に、カート50をセルフPOS端末10に連結する連結機構110を構成している。
【0047】
連結機構110は、カート50をセルフPOS端末10に位置決めする機能、セルフPOS端末10からカート50に電力を供給する機能、及びカート50からセルフPOS端末10へ各種データを送信する機能を有する。連結機構110については、後に詳述する。
【0048】
電子機器52は、顧客に対して各種情報を提供するとともに、顧客に対して各種サービスを提供する。電子機器52は、バッテリー54から供給される電力により駆動される。電子機器52は、例えば、顧客に情報を提供するためのタブレット端末等の情報端末である。或いは、電子機器52は、バッテリー54からの電力によって顧客が所持する携帯端末を充電するための充電装置等であっても良い。例えば、顧客が所持する携帯端末としては、携帯電話機、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット端末等がある。
【0049】
本実施形態において、電子機器52は、例えば、タブレット端末である。タブレット端末は、例えば、タッチパネルを設けた表示部を有する。支持ロッド592は、ハンドル591を掴む位置に立つ顧客が表示部を見易い角度でタブレット端末を支持している。例えば、タブレット端末は、ハンドスキャナー53によって読み取った商品の情報を表示する。また、タブレット端末は、ハンドスキャナー53により読取った商品に関する情報を登録し、この登録データに基づいて決済処理を実施しても良い。
【0050】
ハンドスキャナー53は、商品の情報を読取る装置である。ハンドスキャナー53は、読取った商品の情報を表示する表示部を有しても良い。ハンドスキャナー53は、例えば、収容籠56に入れる商品に添付されたバーコード等の商品識別情報を読み取る。また、ハンドスキャナー53は、商品に添付されたRFIDタグ等を読み取るRFIDタグリーダであっても良い。また、ハンドスキャナー53は、例えば、顧客が所持する携帯端末、又は店舗が保有する形態端末であってもよい。携帯端末をハンドスキャナー53の代わりに用いる場合には、例えば、携帯端末に設けられたカメラにより、バーコード等の商品識別情報を読み取ればよい。
【0051】
顧客は、ハンドスキャナー53を使用して、購入する商品の識別情報を読み取って、収容籠56に入れる。つまり、電子機器52とハンドスキャナー53を備えたカート50を使用する顧客は、購入する商品をカート50の収容籠56に入れるタイミングで商品を登録することができる。このため、電子機器52とハンドスキャナー53を備えたカート50を使用した場合、セルフPOS端末10における会計時には、購入する商品の登録情報に紐付けしたIDコードなどをカート50からセルフPOS端末10に送信するだけでよい。この場合、顧客は、セルフPOS端末10のスキャナー64やハンドスキャナー65を用いた商品の登録処理は実施しない。
【0052】
バッテリー54は、電子機器52を動作させるための電源装置である。バッテリー54は、電力を蓄電する二次電池と二次電池を充電する充電回路を含む。充電回路は、連結機構110の後述する給電部150(
図5)を介してセルフPOS端末10から給電される電力を二次電池に蓄電する。バッテリー54は、二次電池に蓄電した電力を電子機器52へ供給する。或いは、バッテリー54を介さずに、セルフPOS端末10から給電される電力を電子機器52へ供給することもできる。
【0053】
図4に示すように、セルフPOS端末10は、カート50をドッキングするための接続装置200を備える。
図4では、接続装置200を実線で示し、接続装置200以外のセルフPOS端末10の一部を破線で示してある。接続装置200は、セルフPOS端末10の本体60の右側にある籠置き台12の下方の空間に取り付けられている。籠置き台12が本体60の左側に取り付けられている場合には、接続装置200は、本体60の左側に位置する。
【0054】
接続装置200は、床面に設置する底板部201、底板部201の奥側の端部から上方に立設した奥板部202、底板部201の上面に取り付けた2本のガイド部材203、204、及びカート側連結装置130を連結するための端末側連結装置120を有する。また、接続装置200は、セルフPOS端末10に接続した状態のカート50をセルフPOS端末10に固定する固定装置210(固定部)を有する。
【0055】
2本のガイド部材203、204は、
図4に矢印で示すカート50の移動方向に沿って底板部201の左右端に互いに離間して配置されている。図示左側のセルフPOS端末10の本体60に近いガイド部材203は、底板部201の前後の略全長にわたって設けられている。図示右側のガイド部材204は、図示右側から移動してくるカート50に干渉しないように、左側のガイド部材203より短い。
【0056】
セルフPOS端末10のレイアウト上の理由により本体60の左側に籠置き台12を置いた場合、接続装置200を本体60の左側に配置する。この場合、接続装置200の2本のガイド部材203、204は、左右逆側に取り付ける。つまり、この場合、底板部201の本体60に近い右側に長い方のガイド部材を取り付け、左側に短い方のガイド部材を取り付ける。
【0057】
2本のガイド部材203、204は、カート50の移動方向の前端にあるキャスター57が底板部201の左右の端部から外側に脱落しないようにガイドする。底板部201の上面には、カート50の前端の2つのキャスター57を受け入れる位置に2つの凹部205がある。2つの凹部205の代わりに、奥板部202に向けて下方に傾斜した傾斜部を設けてもよい。
【0058】
カート50を接続装置200に接続する場合、顧客は、接続装置200の底板部201の前端にある傾斜面2011を介してカート50の前端の2つのキャスター57を底板部201の上面に乗せる。さらに、顧客がカート50を押すと、前端の2つのキャスター57が凹部205に嵌り、カート50の動きが拘束される。この状態で、カート50がセルフPOS端末10に位置決めされ、カート50のカート側連結装置130がセルフPOS端末10の端末側連結装置120に連結される。
【0059】
上記のように、接続装置200の2本のガイド部材203、204及び2つの凹部205により、セルフPOS端末10に対する所定位置にカート50を位置決めすることができるため、カート50をセルフPOS端末10にドッキングする際にカート50がセルフPOS端末10に勢いよく衝突してしまう不具合を防止することができる。
【0060】
固定装置210は、キーロッド211を
図4に破線で示す作動位置と実線で示す退避位置との間で動作させるアクチュエーター212(
図6)を有する。アクチュエーター212は、例えば、ねじ軸をキーロッド211としたボールねじやラックをキーロッド211に設けたラックアンドピニオンなどである。カート50をセルフPOS端末10に位置決めした状態で、キーロッド211を実線で示す退避位置から破線で示す作動位置へ移動させると、キャスター57の移動が禁止されてカート50をセルフPOS端末10に固定することができる。
【0061】
上記のように、本実施形態ではセルフPOS端末10に設けた接続装置200に固定装置210を設けたが、カート50に固定装置210を設けてもよく、或いは、セルフエリア101の床に固定装置210を埋設してもよい。固定装置210を床に設ける例として、例えば、コインパーキングのように地面からブレードを立ち上げる装置を設けてもよい。
【0062】
図5は、カート50をセルフPOS端末10に連結する連結機構110のブロック図である。連結機構110は、セルフPOS端末10の接続装置200に設けた端末側連結装置120と、カート50のフレーム59に取り付けたカート側連結装置130を含む。
【0063】
カート側連結装置130は、磁石141を有する。端末側連結装置120は、磁石141に対向する位置に電磁石142を有する。磁石141及び電磁石142は、接続装置200によりカート50をセルフPOS端末10にドッキングした際に互いに磁気吸着する位置関係で配置されている。
【0064】
電磁石142は、磁気吸引力を変更可能なものである。電磁石142の磁気吸引力は、カート50の前端に設けた2つのキャスター57が接続装置200の2つの凹部205に嵌る直前にカート側連結装置130の磁石141に吸引力が作用する大きさに設定されている。また、電磁石142の磁気吸引力は、位置決め部140によってカート50をセルフPOS端末10に位置決めした状態で、カート50をセルフPOS端末10から容易に離脱させることができない強さに設定することができる。つまり、磁石141及び電磁石142は、上述した2本のガイド部材203、204及び2つの凹部205とともに、カート50をセルフPOS端末10に位置決めするための位置決め部140として機能する。
【0065】
また、連結機構110は、端末側連結装置120にカート側連結装置130を連結した状態で、セルフPOS端末10からカート50へ給電する給電部150と、カート50からセルフPOS端末10へ各種データを送信する通信部160を有する。給電部150は非接触給電が可能なものであり、通信部160は無線通信が可能なものである。
【0066】
給電部150は、端末側連結装置120に設けた給電回路151と、カート側連結装置130に設けた受電回路152を有する。給電回路151は、図示しない給電コイルに交流電流を流して、給電コイルに磁界の変化を発生させる。受電回路152は、給電回路15の給電コイルに対向する図示しない受電コイルを有する。給電コイルに磁界の変化を発生させると、受電コイルに誘起電圧が生じる。この誘起電圧によって、例えば、バッテリー54の二次電池を充電することができる。
【0067】
通信部160は、カート側連結装置130に設けた送信回路161と、端末側連結装置120に設けた受信回路162を有する。送信回路161は、カート50の電子機器52に登録した商品の情報を登録データとして図示しない送信アンテナを介して送信する。受信回路162は、送信アンテナを介して送信された登録データを受信する。
【0068】
つまり、連結機構110は、カート側連結装置130を端末側連結装置120に対して非接触状態で連結することができる。しかし、本実施形態では、カート側連結装置130の筐体を端末側連結装置120の筐体に接触させて機械的な位置決めを可能としている。連結機構110のカート側連結装置130と端末側連結装置120を連結することで、セルフPOS端末10に対するカート50の位置決め、セルフPOS端末10からカート50への給電、及びセルフPOS端末10からカート50への各種データの送信が可能となる。カート側連結装置130を端末側連結装置120に連結したときに、常に、バッテリー54の充電を開始するようにしてもよい。
【0069】
図6は、上述したシステム100の制御系のブロック図である。
システム100は、制御部300を有する。制御部300は、図示しないプロセッサーとメモリーを備える。プロセッサーは、演算処理を実行する。プロセッサーは、例えば、メモリーに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリーは、プログラム及びプログラムで用いられるデータ等を記憶する。本実施形態では、制御部300は、各セルフPOS端末10に設けたコントローラーに相当する。
【0070】
システム100は、制御部300に接続した、検知部301、カメラ80、人感センサー90、固定装置210のアクチュエーター212、及び画像処理部302を有する。検知部301は、セルフPOS端末10の接続装置200にカート50がドッキングされて位置決め部140によってカート50がセルフPOS端末10に位置決めされたことを検知する。検知部301は、機械的なスイッチや光学センサーなどである。
【0071】
アクチュエーター212は、固定装置210のキーロッド211を動作させて、セルフPOS端末10に位置決めされた状態のカート50をセルフPOS端末10に固定及び固定解除する。アクチュエーター212は、例えば、ボールねじやラックアンドピニオンを駆動させるモーターである。
【0072】
画像処理部302は、カメラ80で撮影した画像を記憶する図示しない画像メモリーを備える。画像処理部302は、セルフPOS端末10を顧客が操作していないときにカメラ80で撮影したアイドル画像を基準画像として予め画像メモリーに記憶している。そして、画像処理部302は、カメラ80で撮影したセルフPOS端末10の画像を画像メモリーから読み出した基準画像と比較し、セルフPOS端末10に残っている顧客の忘れ物等である“残存物”の有無を検出する。
【0073】
以下、
図7に示すフローチャートを参照して、上述したシステム100における決済処理の一例について説明する。
システム100の各セルフPOS端末10は、顧客による操作入力を受け付ける前の待機中において、電力の消費を抑えるアイドル状態となっている。このアイドル状態で、各セルフPOS端末10の制御部300は、ACT1として、検知部301を介して、カート50がセルフPOS端末10に位置決めされたか否かを判断する。また、制御部300は、ACT1と並行して、ACT2として、人感センサー90を介して、顧客が人感センサー90の感知範囲内に入ってきたか否かを判断する。
【0074】
ACT1にてカート50がセルフPOS端末10に位置決めされたことを判断する前に、ACT2にて、顧客が人感センサー90の感知範囲内に入ってきたことを判断すると(ACT1;NO、ACT2;YES)、制御部300は、買い物籠を使用した顧客による取引であることを判断し、ACT3として、タッチパネル61のディスプレイを介して、上述した会計開始画面を表示する。
【0075】
会計開始画面を表示した後、制御部300は、ACT4として、会計開始画面の“スタートキー”の入力を待つ。会計開始画面を表示した後、顧客による“スタートキー”の入力があると(ACT4;YES)、制御部300は、ACT5として、ディスプレイの画面を上述した商品登録画面に切り替える。この状態で、顧客は、商品登録画面を見ながら、購入する商品をセルフPOS端末10に登録する。
【0076】
商品登録画面を表示した後、制御部300は、ACT6として、商品登録画面の“支払いキー”の入力を待つ。商品の登録作業を終えた顧客による“支払いキー”の入力があると(ACT6;YES)、制御部300は、ACT7として決済処理に移行する。ACT7の決済処理では、制御部300は、上述した支払い方法選択画面を表示し、顧客による操作入力に従い会計終了画面に切り替える。
【0077】
一方、ACT1にて検知部301を介してカート50がセルフPOS端末10に位置決めされたことを検知すると(ACT1;YES)、制御部300は、ACT8に移行する。ACT8として、制御部300は、連結機構110の通信部160を介してカート50から商品の登録データを受信する。
【0078】
この後、制御部300は、ACT9として、ACT8で登録データを受信できたか否かを判断する。ACT9にて登録データを受信できたことを判断した場合(ACT9;YES)、制御部300は、当該取引が商品の登録機能を有する(電子機器52とハンドスキャナー53を有する)カート50を利用した取引であることを判断し、ACT6に移行して、“支払いキー”の入力を待機する。“支払いキー”の入力が無い場合(ACT6;NO)、制御部300は、ACT5の商品登録画面を表示する。
【0079】
ACT9で登録データを受信できなかった場合(ACT9;NO)、制御部300は、当該取引が商品の登録機能を持たない(電子機器52やハンドスキャナー53を持たない)カート50を利用した取引であることを判断し、ACT3に移行して、ディスプレイを介して会計開始画面を表示する。
【0080】
なお、ACT1においてカート50がセルフPOS端末10に位置決めされた後(ACT1;YES)、制御部300は、固定装置210のアクチュエーター212を動作させて、カート50をセルフPOS端末10に固定してもよい。或いは、制御部300は、このとき、固定装置210によってカート50を固定する代わりに、連結機構110の位置決め部140の電磁石142による磁気吸引力を強めて、カート50を容易に移動できないように拘束してもよい。いずれにしても、カート50を固定した場合、制御部300は、ACT7の決済処理の終了後に固定を解除する。
【0081】
また、ACT9にてカート50から登録データを受信できたことを判断した場合(ACT9;YES)、制御部300は、当該取引がカート50にて商品の登録がなされた後の決済のみの処理であることを係員に知らせるため、例えば、発光部68の発光部材を所定の色(例えば青色)で発光させてもよい。
【0082】
上述した決済処理の一例にあるように、本実施形態によると、カート50をセルフPOS端末10に位置決めしたことを検知部301が検知したことに基づいて、当該セルフPOS端末10による商品の会計を実施可能とした。このため、顧客は、会計処理を実行するため、カート50をセルフPOS端末10に対して位置決めする必要があり、カート50を通路などに置いた状態での顧客による作業を防止することができる。よって、本実施形態によると、カート50を通路などに置いた状態で顧客がセルフPOS端末10を操作することがなく、他のカート50の通行を妨げる不具合を防止することができ、カート50同士の衝突を抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態によると、セルフエリア101にカート50を持ち込んだ顧客が、決済処理のため、必ずカート50をセルフPOS端末10に位置決めすることになるため、複数台のセルフPOS端末10を互いに近接させて配置することができ、システム100全体として装置構成をコンパクトにすることができる。よって、本実施形態によると、従来と比べて、店舗の運用効率を高めることができる。
【0084】
また、本実施形態によると、カート50をセルフPOS端末10に位置決めした状態で、連結機構110の通信部160を介してカート50から商品の登録情報をセルフPOS端末10へ送信することができる。このため、買い回り時に商品の登録を済ませたカート50をセルフPOS端末10に位置決めした場合、セルフPOS端末10における商品の登録に関する画面表示を省略することができる。この場合、具体的には、会計開始画面の表示を省略することができる。よって、本実施形態によると、扱い易いシステム100を提供することができ、顧客に対する利便性を向上させることができる。
【0085】
次に、
図8に示すフローチャートを参照して、本実施形態のシステム100における残存物監視処理の一例について説明する。
上述したようにセルフPOS端末10における決済処理が終了して、顧客によって会計終了画面の“終了ボタン”が入力されると、当該セルフPOS端末10の制御部300は、ACT11として、当該取引に関する会計処理が終了したことを判断する(ACT11;YES)。
【0086】
この後、制御部300は、ACT12として、人感センサー90を介して顧客がセルフPOS端末10の前に居るか否かを判断する。また、制御部300は、このとき、ACT13として、検知部301を介してカート50がセルフPOS端末10の接続装置200から離脱されたか否かを判断する。
【0087】
そして、ACT12にて顧客がセルフPOS端末10の前から離れたことを検知する(ACT12;YES)とともに、ACT13にてカート50がセルフPOS端末10から離脱したことを検知する(ACT13;YES)と、制御部300は、ACT14として、カメラ80によって当該セルフPOS端末10を撮影する。
【0088】
さらに、この後、制御部300は、ACT15として、ACT14にて撮影した画像を画像メモリーに予め記憶しておいた基準画像と比較する。そして、制御部300は、ACT15における比較結果に基づいて、ACT16として、当該セルフPOS端末10に“残存物”があるか否かを判断する。
【0089】
ACT16にて“残存物”有りを判断した場合(ACT16;YES)、制御部300は、ACT17として、顧客及びアテンダント端末20の係員に警告を発する。顧客に対する警告は、例えば、パトランプ67によるアラート表示、タッチパネル61のディスプレイやアテンダント端末20のディスプレイに“残存物”がある旨のメッセージを表示することによる警告表示、スピーカー69からのアラートとしての警告音や音声による警告などである。また、顧客に対する警告として、カート50に搭載した電子機器52を介して警告表示をしてもよい。制御部300は、ACT17にて警告を発した後、ACT14に移行する。
【0090】
一方、ACT16にて“残存物”無しを判断した場合(ACT16;NO)、制御部300は、ACT18として、セルフPOS端末10をアイドル状態にして処理を終了する。
【0091】
なお、当該取引を開始する際に、固定装置210によりカート50をセルフPOS端末10に固定していた場合、或いは位置決め部140の電磁石142による磁気吸引力を強めていた場合、制御部300は、ACT16にて“残存物”無しを判断した後、カート50の上述した固定状態を解除するようにしてもよい。
【0092】
上述した残存物監視処理の一例にあるように、本実施形態によると、決済処理終了後に顧客がセルフPOS端末10から離れ且つカート50がセルフPOS端末10から離脱されたことに基づいて、“残存物”の有無を検出するようにした。このため、顧客がセルフエリア101を出ようとしたタイミングで“残存物”の有無を顧客及び係員に知らせることができ、利便性を向上させることができる。
【0093】
また、本実施形態によると、セルフPOS端末10の制御部300が“残存物”有りを判断した場合、セルフPOS端末10からのカート50の離脱を禁止することができる。これにより、顧客がセルフPOS端末10に忘れ物をすることをより確実に防ぐことができる。
【0094】
なお、本実施の形態では、決済装置の例示として、商品を登録する登録処理の機能と登録された商品の情報に基づいて決済処理を行う決済機能を有するセルフPOS端末を示して説明を行った。しかしながら、本発明は、商品を登録する登録処理の機能を有しておらず、かつ、決済機能を有する決済装置についても適用可能である。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
10…セルフPOS端末、20…アテンダント端末、30…店舗サーバー、40…通信ネットワーク、50…カート、52…電子機器、53…ハンドスキャナー、54…バッテリー、57…キャスター、64…スキャナー、65…ハンドスキャナー、67…パトランプ、68…発光部、69…スピーカー、80…カメラ、90…人感センサー、100…会計システム、101…セルフエリア、110…連結機構、120…端末側連結装置、130…カート側連結装置、140…位置決め部、142…電磁石、150…給電部、160…通信部、200…接続装置、203、204…ガイド部材、205…凹部、210…固定装置、300…制御部、301…検知部、302…画像処理部。