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特開2024-85755入出力方法、入出力プログラム、及び入出力装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085755
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】入出力方法、入出力プログラム、及び入出力装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240620BHJP
   G05D 1/43 20240101ALN20240620BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
G05D1/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200458
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】赤木 琢磨
【テーマコード(参考)】
3F022
5H301
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022LL07
3F022NN41
3F022QQ17
5H301AA01
5H301BB05
5H301DD07
5H301FF07
5H301FF15
5H301KK06
5H301KK08
5H301KK09
5H301KK10
5H301KK18
5H301KK19
5H301QQ01
5H301QQ02
(57)【要約】
【課題】異なる機器の連携にかかる負担を軽減する入出力方法を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る入出力方法は、カメラの撮影により得られる画像を入力し、前記画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1及び第2の装置の少なくとも一方の状態、又はその搬送物の状態を認識する認識処理を実行し、前記認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの撮影により得られる画像を入力し、
前記画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1及び第2の装置の少なくとも一方の状態、又はその搬送物の状態を認識する認識処理を実行し、
前記認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する、入出力方法。
【請求項2】
前記画像の解析結果に基づき、前記第1の装置の状態を認識する第1の認識処理を実行し、前記第1の認識処理に基づき、前記第2の装置を制御するための第1の信号を出力する、請求項1の入出力方法。
【請求項3】
前記画像の解析結果に基づき、前記第2の装置の状態を認識する第2の認識処理を実行し、前記第2の認識処理に基づき、前記第1の装置を制御するための第2の信号を出力する、請求項2の入出力方法。
【請求項4】
前記第1の装置は、第1の領域から第2の領域へ前記搬送物を搬送する第1の動作、及び前記第2の領域から前記第1の領域へ移動する第2の動作を実行し、
前記第2の装置は、前記第2の領域から第3の領域へ前記搬送物を搬送する第3の動作を実行する、
前記第1の信号は、前記第3の動作を前記第2の装置に実行させるコマンドである、請求項3の入出力方法。
【請求項5】
前記第2の信号は、前記第2の動作を前記第1の装置に実行させるコマンドである、請求項4の入出力方法。
【請求項6】
前記第1の認識処理は、前記搬送物を搬送する前記第1の装置の速度変化を認識することを含む、請求項2の入出力方法。
【請求項7】
前記第1の認識処理は、前記速度変化の特性に基づき、前記第1の装置を認識することを含む、請求項6の入出力方法。
【請求項8】
前記第1の認識処理は、前記搬送物を搬送する前記第1の装置の停止を認識することを含む、請求項2の入出力方法。
【請求項9】
前記第1の認識処理は、停止領域の基準点と前記第1の装置の基準点との位置関係に基づき、前記第1の装置を認識することを含む、請求項8の入出力方法。
【請求項10】
前記画像の解析結果に基づき、前記第1及び第2の装置の状態を認識する第1の認識処理を実行し、前記第1の認識処理に基づき、前記第1の装置を制御するための第1の信号を出力する、請求項1の入出力方法。
【請求項11】
前記画像の解析結果に基づき、前記第1及び第2の装置の状態を認識する第2の認識処理を実行し、前記第2の認識処理に基づき、前記第2の装置を制御するための第2の信号を出力する、請求項10の入出力方法。
【請求項12】
前記画像の解析結果に基づき、前記第2の装置の状態を認識する第3の認識処理を実行し、前記第3の認識処理に基づき、前記第1の装置を制御するための第3の信号を出力する、請求項11の入出力方法。
【請求項13】
前記搬送物は、物品を収納する機材であり、
前記第1の装置は、第1の領域から第2の領域へ前記機材を搬送する第1の動作、前記機材を前記第2の装置へセットする第2の動作、前記第2の装置から退避する第3の動作、及び前記第2の装置にセットされた前記機材を回収する第4の動作を実行し、
前記第2の装置は、前記第1の装置によりセットされる前記機材を受け入れた後、前記機材から物品を所定位置へ放出する第5の動作を実行し、
前記第1の認識処理は、前記第1の装置による前記第2の領域への前記機材の搬送完了を認識すること、及び前記第2の装置による前記機材の受け入れ準備完了を認識することを含み、
前記第1の信号は、前記第2の動作を前記第1の装置に実行させる信号である、請求項12の入出力方法。
【請求項14】
前記第2の認識処理は、前記第2の装置による前記機材の受け入れ完了を認識する、及び前記第1の装置の退避完了を認識することを含み、
ことを含み、
前記第2の信号は、前記第5の動作を前記第2の装置に実行させる信号である、請求項13の入出力方法。
【請求項15】
前記第3の認識処理は、前記物品の放出完了を認識することを含み、
前記第3の信号は、前記第4の動作を前記第1の装置に実行させる信号である、請求項14の入出力方法。
【請求項16】
前記画像の解析結果に基づき、前記搬送物の状態を認識する第1の認識処理を実行し、前記第1の認識処理に基づき、前記第1の装置を制御するための第1の信号を出力し、
前記第1の信号は、前記第1の装置に前記搬送物を受け取らせ搬送させる信号である、請求項1の入出力方法。
【請求項17】
コンピュータに、
カメラの撮影により得られる画像を入力する手順と、
前記画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1及び第2の装置の少なくとも一方の状態、又はその搬送物の状態を認識する認識処理を実行する手順と、
前記認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する手順と、を実行させるための入出力プログラム。
【請求項18】
カメラの撮影により得られる画像を入力する入力インタフェースと、
前記画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1及び第2の装置の少なくとも一方の状態、又はその搬送物の状態を認識する認識処理を実行するプロセッサと、
前記認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する出力インタフェースと、
を備える入出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、入出力方法、入出力プログラム、及び入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流の配送拠点等では物品の取扱量が増加し、物品処理の自動化が進められている。例えば、倉庫内では、様々な自動機器が連携し、各機器は、上位装置からの指示に従い、物品又は物品を収納した機材を受け渡す。
【0003】
自動機器としては、自律搬送ロボット(Autonomous Mobile Robot、AMRと略記する)、ロールパレットティッパー(Roll pallet Tipper、RPTと略記する)、カートン搬送ユニット(Case Transfer Unit、CTUと略記する)、及びコンベア等が知られている。
【0004】
例えば、AMR-Aは、物品等を積載するパレットを所定領域へ搬送し停止する。AMR-Bは、所定領域に搬送されたパレットを取得し、コンベアへ搬送する。コンベアは、パレットを検出し、パレットを所定領域へ搬送する。
【0005】
RPTは、ロールパレットを受け入れ、受け入れたロールパレットを傾けて、ロールパレットに収納された物品をコンベア等へ放出する。ロールパレットは、柵で側面を囲まれた台車付きのパレットである。
【0006】
CTUは、垂直方向に移動するフォーク機構を備える。CTUは、コンベアに向かって走行し、コンベアの終端に対向する領域で停止する。CTUは、コンベアの高さに合わせてフォーク機構の高さを調整し、コンベアの終端に搬送されるケース等をフォーク機構で受け取り、受け取ったケース等を所定領域へ搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-52494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
倉庫内には、物品処理の要望に合わせて、様々な自動機器が投入されるが、これら自動機器を連携させるためには、共通のインタフェース(interface、IFと略記する)が必要となる。
【0009】
自動機器が、特殊仕様であり、汎用性のあるIFを有していない場合、コスト、期間、及びリソースをかけて、IFの変更作業を行ったり、変更後の試験を行ったりする。また、旧型の自動機器については、その自動機器のサポートが終了している等の事情から、改変が難しいこともある。さらに、複数メーカーの複数種類の自動機器を接続する場合は、複数メーカー各々に対して仕様を提示して変更するため、大幅な手間、工数、及びコストが必要となる。加えて、変更期間中には対象機器の稼働の停止が必要となり、倉庫の稼働効率が低下することもあり得る。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、異なる機器の連携にかかる負担を軽減する入出力方法、入出力プログラム、及び入出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係る入出力方法は、カメラの撮影により得られる画像を入力し、前記画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1及び第2の装置の少なくとも一方の状態、又はその搬送物の状態を認識する認識処理を実行し、前記認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、第1の実施形態に係るAMR-Aの状態認識の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るAMR-Bの状態認識の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るAMR-Bの形状認識の一例を示す図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態に係るAMRの状態認識の一例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係るRPTの状態認識(受け入れ準備完了)の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係るRPTの状態認識(動作準備完了)の一例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態に係るAMRの状態認識(受け入れ完了)の一例を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態に係るRPTの状態認識(物品放出完了)の一例を示す図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
図14図14は、第3の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第3の実施形態に係る物品の状態認識の一例を示す図である。
図16図16は、第3の実施形態に係る物品の形状認識の一例を示す図である。
図17図17は、第4の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
図18図18は、第4の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、第4の実施形態に係るAGVの状態認識の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して第1の実施形態について説明する。
【0014】
[構成]
図1は、第1の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
第1の実施形態では、自動IF装置5は、カメラ6からの画像を入力し、画像を解析し、画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1又は第2の装置の状態を認識する認識処理を実行し、認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する。
【0015】
例えば、自動IF装置5は、画像の解析結果に基づき、第1の装置であるAMR-A411の状態を認識する第1の認識処理を実行して、第1の認識結果に基づき第2の装置であるAMR-B412を制御するための第1の信号を出力する。
【0016】
また、自動IF装置5は、画像の解析結果に基づき、AMR-B412の状態を認識する第2の認識処理を実行して、第2の認識結果に基づきAMR-A411を制御するための第2の信号を出力する。
【0017】
自動IF装置5は、第1及び第2の信号を順に出力することにより、AMR-A411及びAMR-B412を連携して動作させることができる。
【0018】
図1に示すように、物品処理システムSは、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)1、倉庫運用システム(WES:Warehouse Execution System)2、AMR-A制御装置311、AMR-B制御装置312、コンベア制御装置313、AMR-A(ハードウェア/ファームウェア)411、AMR-B(ハードウェア/ファームウェア)412、及びパレットコンベア413、及びカメラ6を備える。
【0019】
AMR-A411は、搬送物を処理(搬送)する第1の装置の一例である。また、AMR-A412は、搬送物を処理(搬送)する第2の装置の一例である。なお、第1及び第2の装置は、AMRに限定されるものではなく、AGV(Automated Guided Vehicle)又はAGF(Automated Guided Vehicle Forklift)などでもよい。例えば、搬送物は、物品を収納するパレット等の機材である。AMR-A411は、1又は複数台であるが、本実施形態では、複数台を想定する。AMR-B412は、1又は複数台であるが、本実施形態では、複数台を想定する。カメラ6は、1又は複数台であり、本実施形態ではそれぞれについて説明する。
【0020】
WES2は、入出力装置としての自動IF(IF:interface)装置5を備える。なお、自動IF装置5は、WES2の内部構成であってもよいし、WES2の外部構成であってもよい。
【0021】
WMS1は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、入出力IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)等である。WMS1は、上位サーバから物品オーダを受信し、WES2へ送信する。
【0022】
物品オーダは、1以上の物品を指定するオーダであり、物品情報、発注情報、及び配送情報等を含む。物品情報は、物品数、物品識別情報、物品名称等を含む。発注情報は、発注日時及び発注者等を含む。配送情報は、配送先、配送日時、及び受取人等を含む。
【0023】
WES2は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、入出力IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。WES2は、WMS1から複数の物品オーダを受信し、物品オーダに基づき、物品の入出庫を指示し、その結果を受信する。WES2は、受信した結果をWMS1へ送信する。
【0024】
AMR-A制御装置311は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、AMR-A制御装置311は、IF3111を備え、IF3111は、自動IF装置5から出力される信号を受信する。例えば、この信号は、コマンドであり、コマンドは、Application Programming Interface(APIと略記する)コマンドである。また、IF3111はAPIである。AMR-A制御装置311は、受信したコマンドに基づき、AMR-A411を制御する制御信号を出力する。
【0025】
AMR-B制御装置312は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、AMR-B制御装置312は、IF3121を備え、IF3121は、自動IF装置5から出力される信号を受信する。例えば、この信号は、コマンドであり、コマンドは、APIコマンドである。また、IF3121はAPIである。AMR-B制御装置312は、受信したコマンドに基づき、AMR-B412を制御する制御信号を出力する。
【0026】
コンベア制御装置313は、1又は複数台の汎用コンピュータ、或いはPLC(Programmable Logic Controller)である。即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、コンベア制御装置313は、IF3131を備え、IF3131は、自動IF装置5から出力される信号を受信する。例えば、この信号は、コマンドであり、コマンドは、APIコマンドである。また、IF3131はAPIである。コンベア制御装置313は、受信したコマンドに基づき、パレットコンベア413を制御する制御信号を出力する。
【0027】
AMR-A411(hardware/firmware)は、AMR-A制御装置311からの制御信号に基づき、第1の領域から第2の領域へ搬送物を搬送し第2の領域で停止する第1の動作、及び第2の領域から第1の領域へ移動し第1の領域で停止する第2の動作を実行する。例えば、AMR-A411は、各領域の重心とAMR-A411の重心が対応するように、移動及び停止する。
【0028】
AMR-B412(hardware/firmware)は、AMR-B制御装置312からの制御信号に基づき、第2の領域から第3の領域へ搬送物を搬送し第3の領域で停止しパレットコンベア413へパレットを載せる第3の動作、第3の領域から第4の領域(退避領域)へ移動し第4の領域で停止(退避)する第4の動作、第4の領域から第2の領域へ移動し第2の領域のパレットを取得する第5の動作を実行する。例えば、AMR-B412は、各領域の重心とAMR-B412の重心が対応するように、移動及び停止する。
【0029】
カメラ6は、AMR-A411及びAMR-B412の動作領域を撮影し、撮影により得られた画像を出力する。例えば、カメラ6は、第2及び第4の領域を撮影し、撮影により得られた画像を出力する。或いは、複数台のカメラ6を利用し、第1のカメラ6が、第2の領域を撮影し、撮影により得られた画像を出力し、別の第2のカメラ6が、第4の領域を撮影し、撮影により得られた画像を出力してもよい。
【0030】
自動IF装置5は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、自動IF装置5は、プロセッサ51、入力IF521、出力IF522、及びメモリ53を備える。自動IF装置5は、入出力方法及び入出力プログラムの実行主体である。
【0031】
プロセッサ51は、入力部511、画像解析部512、認識部513、生成部514、及び出力部515を備える。プロセッサ51は、メモリ53に記憶されるプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0032】
入力IF521は、無線又は有線にて、カメラ6の撮影により得られる画像、即ちカメラ6から出力される画像を入力する。
【0033】
入力部511は、入力IF521からの画像を入力する。また、入力部511は、画像認識のための辞書データを入力する。辞書データは、AMR-A411及びAMR-B412の辞書画像(テンプレート)を含む。
【0034】
画像解析部512は、入力される画像を解析し、解析結果を出力する。
【0035】
認識部513は、画像の解析結果及び辞書データに基づき、AMR-A411の状態を認識する第1の認識処理を実行する。また、認識部513は、画像の解析結果及び辞書データに基づき、AMR-B412の状態を認識する第2の認識処理を実行する。
【0036】
生成部514は、第1の認識処理に基づき、AMR-B412を制御するための第1のコマンドを生成する。また、生成部514は、第2の認識処理に基づき、AMR-A411を制御するための第2のコマンドを生成する。第1のコマンドは、第3の動作をAMR-B412に実行させる信号である。第2のコマンドは、第2の動作をAMR-A411に実行させる信号である。
【0037】
出力部515は、生成された第1又は第2のコマンドを出力する。
【0038】
出力IF522は、無線又は有線にて、第1のコマンドをAMR-B制御装置312へ出力し、第2のコマンドをAMR-A制御装置311へ出力する。
【0039】
[動作]
図2は、第1の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
ST111~ST115は、AMR-A411の動作の一例を示し、ST121~ST127は、自動IF装置5の動作の一例を示し、ST131~ST134は、AMR-B412の動作の一例を示す。
【0040】
まず、AMR-A411の動作について説明する。
WES2からの指示又はカメラ6からの画像の認識結果に基づき、自動IF装置5はAMR-A制御装置311へコマンドを送信する。AMR-A制御装置311は、コマンドに基づきAMR-A411を制御する制御信号を送信する。AMR-A411は、制御信号に基づき動作する。
【0041】
AMR-A411は、制御信号に基づき、第1の領域へ移動し、パレットを積載する(ST111)。担当者が、AMR-A411へパレットを積載してもよい。
【0042】
AMR-A411は、制御信号に基づき、第1の領域から第2の領域へパレットを搬送し(ST112)、第2の領域で停止する第1の動作を実行する(ST113)。担当者が、AMR-A411へパレットを積載した後、AMR-A411へ搬送指示を入力し、AMR-A411は、この入力に基づき、この第1の動作を実行してもよい。
【0043】
さらに、AMR-A411は、制御信号(第2の制御信号)を受信すると(ST114、YES)、受信した制御信号に基づき、第2の領域から第1の領域へ移動し第1の領域で停止する第2の動作を実行する(ST115)。
【0044】
続いて、自動IF装置5の動作を説明する。
自動IF装置5の入力IF521は、カメラ6からの画像を入力する(ST121)。
【0045】
プロセッサ51は、入力IF521からの画像を入力し、画像を解析し、解析結果を出力する。
【0046】
プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AMR-A411の状態を認識する第1の認識処理を実行する(ST122)。
【0047】
プロセッサ51は、第1の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST123)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0048】
例えば、所定の条件を1つにする場合、プロセッサ51は、AMR-A411が認識される条件C111を満たすか否か判定する。所定の条件を2つにする場合、プロセッサ51は、条件C111に加えて、AMR-A411の動作速度変化が条件C112を満たすか否かを判定する。又は、プロセッサ51は、条件C111に加えて、AMR-A411の停止領域が条件C113を満たすか否かを判定する。所定の条件を3つにする場合、プロセッサ51は、条件C111、C112、及びC113を満たすか否かを判定する。
【0049】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST123、YES)、AMR-B412を制御するための第1のコマンドを生成し、第1のコマンドを出力する。例えば、AMR-A411が所定の速度変化で減速して第2の領域に停止すると、プロセッサ51は、条件C111、C112、及びC113を満たすと判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第1のコマンドをAMR-B制御装置312へ出力する(ST124)。
【0050】
AMR-B制御装置312は、第1のコマンドを受信し、第1のコマンドに基づく第1の制御信号をAMR-B412へ出力する。AMR-B412は、第1の制御信号に基づき第3の動作を実行する。
【0051】
さらに、プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AMR-B412の状態を認識する第2の認識処理を実行する(ST125)。
【0052】
プロセッサ51は、第2の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST126)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0053】
例えば、所定の条件を1つにする場合、プロセッサ51は、AMR-B412が認識される条件C121を満たすか否か判定する。所定の条件を2つにする場合、プロセッサ51は、条件C121に加えて、AMR-B412の動作速度変化が条件C122を満たすか否かを判定する。又は、プロセッサ51は、条件C121に加えて、AMR-B412の停止領域が条件C123を満たすか否かを判定する。所定の条件を3つにする場合、プロセッサ51は、条件C121、C122、及びC123を満たすか否かを判定する(ST126)。
【0054】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST126、YES)、AMR-A411を制御するための第2のコマンドを生成し、第2のコマンドを出力する。例えば、AMR-B412が所定の速度変化で減速して第4の領域に停止すると、プロセッサ51は、条件C121、C122、及びC123を満たすと判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第2のコマンドをAMR-A制御装置311へ出力する(ST127)。
【0055】
AMR-A制御装置311は、第2のコマンドを受信し、第2のコマンドに基づく第2の制御信号をAMR-A411へ出力する。AMR-A411は、第2の制御信号に基づき第2の動作を実行する。
【0056】
続いて、AMR-B412の動作を説明する。
WES2からの指示又はカメラ6からの画像の認識結果に基づき、自動IF装置5はAMR-B制御装置312へコマンドを送信する。AMR-B制御装置312は、コマンドに基づきAMR-B412を制御する制御信号を送信する。AMR-B412は、制御信号に基づき動作する。
【0057】
例えば、第4の領域で退避しているAMR-B412は、AMR-B制御装置312からの第1の制御信号を受信し(ST131、YES)、第1の制御信号に基づき、第4の領域から第2の領域へ移動し、第2の領域においてAMR-A411により搬送されたパレットを取得する第5の動作を実行する(ST132)。
【0058】
さらに、AMR-B412は、第1の制御信号に基づき、第2の領域から第3の領域へパレットを搬送し第3の領域で停止し、パレットコンベア413へパレットを載せる第3の動作を実行する(ST133)。
【0059】
さらに、AMR-B412は、第1の制御信号に基づき、第3の領域から第4の領域(退避領域)へ移動し退避する第4の動作を実行する(ST134)。
【0060】
図3は、第1の実施形態に係るAMR-Aの状態認識の一例を示す図である。即ち、図2に示すST123を説明するための図である。
ここでは、プロセッサ51は、条件C111、C112、及びC113を満たす場合に、第1の認識処理の結果が所定の条件を満たすと判定する。プロセッサ51は、所定の条件を満たす場合に、AMR-A411が第2の領域に到着し停止したと判定する。
【0061】
条件C111は、AMR-A411の形状認識である。プロセッサ51は、画像に含まれるAMR-A411らしきセグメンテーション(SG11)を検出し、セグメンテーション(SG11)の形状とAMR-A411のテンプレート(オリジナル)の形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C111を満たすと判定する。
【0062】
なお、AMR-A411の形状認識に加えてAMR識別情報認識を利用してもよいし、また、AMR-A411の形状認識に替えてAMR識別情報認識を利用してもよい。全てのAMRには、文字、数字、及び記号等の組み合わせによるAMR識別情報、又はバーコード或いは二次元コードによるAMR識別情報が付与される。プロセッサ51は、カメラ6からの撮影画像に含まれるAMR識別情報を認識し、メモリ53に記憶される登録済みAMR識別情報と認識済みAMR識別情報とを照合し、一致する場合に、条件C111を満たすと判定し、所定のAMR-A411であることを認識する。
【0063】
条件C112は、AMR-A411の進入から停止までの動作速度変化認識である。プロセッサ51は、動作速度変化の特性を検出する。例えば、プロセッサ51は、セグメンテーション(SG11)の領域への進入時の速度(V1(t=0))、及びセグメンテーション(SG11)の領域への進入後の速度(V1(t))と(V1(T1)=0)を検出する。なお、T1は、セグメンテーション(SG11)の領域への進入時から停止までの時間である。
【0064】
プロセッサ51は、動作速度変化の特性に基づき、AMR-A411を認識する。例えば、プロセッサ51は、動作速度変化が基準を満たす場合に、この動作速度変化をAMR-A411の動作速度変化であると認識し、この認識に基づき条件C112を満たすと判定する。例えば、プロセッサ51は、基準値v1、v2、t1、t2に基づき、v1<V1(0)<v2、且つt1<T1<t2を満たせば、条件C112を満たすと判定する。
【0065】
条件C113は、AMR-A411の停止位置認識である。プロセッサ51は、停止領域の基準点とAMR-A411の基準点との位置関係に基づき、AMR-A411の停止を認識する。例えば、プロセッサ51は、第2の領域(停止領域)に対応するセグメンテーションの位置情報(P1)を検出し、AMR-A411らしきセグメンテーション(SG11)の位置情報(P2)を検出し、基準点となるP1とP2の偏差(相対位置)を検出する。
【0066】
プロセッサ51は、基準点となるP1とP2の重心位置の距離が期待される一定値以内か、即ち下限及び上限の範囲以内かを判定する。プロセッサ51は、重心位置の距離が下限及び上限の範囲以内である場合に、AMR-A411の停止であることを認識し、この認識に基づき条件C113を満たすと判定する。
【0067】
図4は、第1の実施形態に係るAMR-Bの状態認識の一例を示す図である。即ち、図2に示すST126を説明するための図である。
ここでは、プロセッサ51は、条件C121、C122、及びC123を満たす場合に、第2の認識処理の結果が所定の条件を満たすと判定する。プロセッサ51は、所定の条件を満たす場合に、AMR-B412が第4の領域(退避位置)に到着し停止したと判定する。
【0068】
条件C121は、AMR-B412の形状認識である。プロセッサ51は、画像に含まれるAMR-B412らしきセグメンテーション(SG12)を検出し、セグメンテーション(SG12)の形状とAMR-B412のテンプレート(オリジナル)の形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C121を満たすと判定する。
【0069】
なお、AMR-B412の形状認識に加えてAMR識別情報認識を利用してもよいし、また、AMR-B412の形状認識に替えてAMR識別情報認識を利用してもよい。
【0070】
条件C122は、AMR-B412の進入から停止までの動作速度変化認識である。プロセッサ51は、動作速度変化の特性を検出する。例えば、プロセッサ51は、セグメンテーション(SG12)の領域への進入時の速度(V2(t=0))、及びセグメンテーション(SG12)の領域への進入後の速度(V2(t))と(V2(T2)=0)を検出する。なお、T2は、セグメンテーション(SG12)の領域への進入時から停止までの時間である。
【0071】
プロセッサ51は、動作速度変化の特性に基づき、AMR-B412を認識する。例えば、プロセッサ51は、動作速度変化が基準を満たす場合に、この動作速度変化をAMR-B412の動作速度変化であると認識し、この認識に基づき条件C122を満たすと判定する。例えば、プロセッサ51は、基準値v3、v4、t3、t4に基づき、v3<V2(0)<v4、且つt3<T2<t4を満たせば、条件C122を満たすと判定する。
【0072】
条件C123は、AMR-B412の停止位置認識である。プロセッサ51は、停止領域の基準点とAMR-B412の基準点との位置関係に基づき、AMR-A412の停止を認識する。例えば、プロセッサ51は、第4の領域(停止領域)に対応するセグメンテーションの位置情報(P3)を検出し、AMR-B412らしきセグメンテーション(SG12)の位置情報(P4)を検出し、P3とP4の偏差(相対位置)を検出する。
【0073】
プロセッサ51は、P3とP4の重心位置の距離が期待される一定値以内か、即ち下限及び上限の範囲以内かを判定する。プロセッサ51は、重心位置の距離が下限及び上限の範囲以内である場合に、AMR-B412の停止であることを認識し、この認識に基づき条件C123を満たすと判定する。
【0074】
図5は、第1の実施形態に係るAMR-Bの形状認識の一例を示す図である。
メモリ53は、全てのAMRのテンプレート(オリジナル)の画像を登録(記憶)する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG12)の画像と登録されたテンプレートの画像を照合する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG12)の画像とAMR-B412のテンプレートの画像の類似度が閾値を超える場合に、検出されたセグメンテーション(SG12)をAMR-B412として認識する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG12)の画像とAMR-B412のテンプレートの画像の類似度が閾値を超えない場合に、検出されたセグメンテーション(SG12)をAMR-B412ではないとして認識する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG12)の画像と他のAMRのテンプレートの画像の類似度が閾値を超える場合に、検出されたセグメンテーション(SG12)を他のAMRとして認識する。
【0075】
上記説明したように、第1の実施形態の自動IF装置5は、カメラ6で撮影された画像を入力として、AMR-A411及びAMR-B412等の各装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。自動IF装置5は、入力される画像を解析し、解析結果に基づき一方の装置の状態(状態遷移)を認識し、認識結果に基づき他方の装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。
【0076】
各装置を制御するAMR-A制御装置311及びAMR-B制御装置312等の各制御装置がAPIを備える場合、各制御装置のIFの改変は不要となる。このように、第1の実施形態によれば、各装置の動作を連携させる場合に、その連携負担の軽減を図ることができる。また、自動IF装置5をWES2から独立させることにより、WES2においてシステムダウンが発生した場合でも、各装置を連携して動作させることができる。
【0077】
なお、第1の実施形態では、AMR-A411及びAMR-B412のような2種の合計2台の処理装置に対して自動IF装置5を適用するケースについて説明したが、3種以上の合計3台以上の処理装置に対して自動IF装置5を適用してもよい。また、自動IF装置5の制御対象はAMRに限定されるものではなく、旧型の処理装置又は汎用的なコンベアを制御対象としてもよい。また、自動IF装置5と制御対象の処理装置の間を繋ぐ制御装置をPLC(Programmable Logic Controller)で実現してもよい。
【0078】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して第2の実施形態について説明する。第1の実施形態で用いた参照符号と同一の参照符号を付した構成は、第1の実施形態と実質的に同一の構成であり、説明を適宜省略する。
【0079】
[構成]
図6は、第2の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
第2の実施形態では、自動IF装置5は、カメラ6からの画像を入力し、画像を解析し、画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1の装置及び第2の装置の少なくとも一方の状態を認識する認識処理を実行し、認識処理に基づき、前記第1又は第2の装置を制御するための信号を出力する。
【0080】
例えば、自動IF装置5は、画像の解析結果に基づき、第1の装置であるAMR412及び第2の装置であるRPT422の状態を認識する第1の認識処理を実行して、第1の認識結果に基づきAMR412を制御するための第1の信号を出力する。
【0081】
また、自動IF装置5は、画像の解析結果に基づき、AMR412及びRPT422の状態を認識する第2の認識処理を実行して、第2の認識結果に基づきRPT422を制御するための第2の信号を出力する。
【0082】
また、自動IF装置5は、画像の解析結果に基づき、RPT422の状態を認識する第3の認識処理を実行して、第3の認識結果に基づきAMR412を制御するための第3の信号を出力する。
【0083】
自動IF装置5は、第1、第2、及び第3の信号を順に出力することにより、AMR412及びRPT422を連携して動作させることができる。
【0084】
図6に示すように、物品処理システムSは、WMS1、WES2、AMR制御装置321、RPT制御装置322、AMR(ハードウェア/ファームウェア)421、RPT(ハードウェア)422、自動IF装置5、及びカメラ6を備える。AMR421は、AMR-A411に相当し、ここでの説明を省略する。
【0085】
AMR制御装置321は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、AMR制御装置321は、IF3211を備え、IF3211は、自動IF装置5から出力される第1及び第3の信号を受信する。例えば、第1の信号は、第1のコマンドであり、第1のコマンドは、APIコマンドである。第3の信号は、第3のコマンドであり、第3のコマンドは、APIコマンドである。また、IF3211はAPIである。AMR制御装置321は、受信した第1のコマンドに基づき、AMR421を制御する第1の制御信号を出力し、受信した第3のコマンドに基づき、AMR421を制御する第3の制御信号を出力する。
【0086】
RPT制御装置322は、1又は複数台の専用装置、PLC、または汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、RPT制御装置322は、スイッチBOTであり、IF3221を備え、IF3221は、自動IF装置5から出力される第2の信号を受信する。例えば、第2の信号は、第2のコマンドであり、第2のコマンドは、APIコマンドである。また、IF3221はAPIである。RPT制御装置322は、受信した第2のコマンドに基づき、RPT422を制御する第2の制御信号を出力する。
【0087】
AMR421は、AMR制御装置321からの制御信号に基づき、第1の領域から第2の領域へ機材を搬送し第2の領域で停止する第1の動作、機材をRPT422へセットする第2の動作、RPT422から退避し、第3の領域で停止する第3の動作、及びRPT422にセットされた機材を回収する第4の動作を実行する。例えば、AMR421は、各領域の重心とAMR421の重心が対応するように、移動及び停止する。
【0088】
RPT422は、ロールパレット等の機材を受け入れ、受け入れたロールパレットを傾けて、ロールパレットに収納された物品をコンベア等へ放出する。ロールパレットは、柵で側面を囲まれた台車付きのパレットである。RPT422は、RPT制御装置322からの制御信号に基づき、AMR421によりセットされる機材を受け入れた後、機材から物品を所定位置へ放出する第5の動作を実行する。
【0089】
カメラ6は、AMR421の動作領域及びRPT422を撮影し、撮影により得られた画像を出力する。例えば、カメラ6は、第2の領域及びRPT422を撮影し、撮影により得られた画像を出力する。或いは、複数台のカメラ6を利用し、第1のカメラ6が、第3の領域を撮影し、撮影により得られた画像を出力し、別の第2のカメラ6が、RPT422を撮影し、撮影により得られた画像を出力してもよい。
【0090】
自動IF装置5の基本構成は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0091】
入力部511は、入力IF521からの画像を入力する。また、入力部511は、画像認識のための辞書データを入力する。辞書データは、AMR421及びRPT422の辞書画像(テンプレート)を含む。例えば、辞書データは、RPT422がロールパレットを受け入れた状態、及びロールパレットを受け入れる前の状態の辞書画像を含む。
【0092】
画像解析部512は、入力される画像を解析し、解析結果を出力する。
【0093】
認識部513は、画像の解析結果及び辞書データに基づき、AMR421及びRPT422の状態を認識する第1及び第2の認識処理を実行する。また、認識部513は、画像の解析結果及び辞書データに基づき、RPT422の状態を認識する第3の認識処理を実行する。
【0094】
生成部514は、第1の認識処理に基づき、AMR421を制御するための第1のコマンドを生成する。また、生成部514は、第2の認識処理に基づき、RPT422を制御するための第3のコマンドを生成する。また、生成部514は、第3の認識処理に基づき、AMR421を制御するための第2のコマンドを生成する。第1のコマンドは、第2の動作をAMR421に実行させる信号である。第2のコマンドは、第5の動作をAMR-A411に実行させる信号である。第3のコマンドは、第4の動作をAMR-A411に実行させる信号である。
【0095】
出力部515は、生成された第1、第2、又は第3のコマンドを出力する。
【0096】
出力IF522は、無線又は有線にて、第1のコマンドをAMR制御装置321へ出力し、第2のコマンドをRPT制御装置322へ出力し、第3のコマンドをAMR制御装置321へ出力する。
【0097】
[動作]
図7は、第2の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
ST211~ST218は、AMR421の動作の一例を示し、ST221~ST230は、自動IF装置5の動作の一例を示し、ST231~ST233は、RPT422の動作の一例を示す。
【0098】
まず、AMR421の動作について説明する。
WES2からの指示又はカメラ6からの画像の認識結果に基づき、自動IF装置5はAMR制御装置321へコマンドを送信する。AMR制御装置321は、コマンドに基づきAMR421を制御する制御信号を送信する。AMR421は、制御信号に基づき動作する。
【0099】
AMR421は、制御信号に基づき、第1の領域へ移動し、ロールパレットを積載する(ST211)。担当者が、AMR421へロールパレットを積載してもよい。
【0100】
AMR421は、制御信号に基づき、第1の領域から第2の領域へロールパレットを搬送し(ST212)、第2の領域で停止する第1の動作を実行する(ST213)。担当者が、AMR421へパレットを積載した後、AMR421へ搬送指示を入力し、AMR421は、この入力に基づき、第1の動作を実行してもよい。
【0101】
さらに、AMR421は、制御信号(第1の制御信号)を受信すると(ST214、YES)、受信した制御信号に基づき、ロールパレットをRPT422へセットする第2の動作を実行し(ST215)、RPT422から退避する第3の動作を実行する(ST216)。
【0102】
さらに、AMR421は、制御信号(第3の制御信号)を受信すると(ST217、YES)、受信した制御信号に基づき、RPT422にセットされたロールパレットを回収する第4の動作を実行する(ST218)。
【0103】
続いて、自動IF装置5の動作を説明する。
自動IF装置5の入力IF521は、カメラ6からの画像を入力する(ST221)。
【0104】
プロセッサ51は、入力IF521からの画像を入力し、画像を解析し、解析結果を出力する。
【0105】
プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AMR421及びRPT422の状態を認識する第1の認識処理を実行する(ST222)。
【0106】
プロセッサ51は、第1の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST223)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0107】
例えば、所定の条件は、条件C21、C22、C23、及びC24であり、プロセッサ51は、条件C21、C22、C23、及びC24を満たすか否かを判定する。
【0108】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST223、YES)、AMR421を制御するための第1のコマンドを生成し、第1のコマンドを出力する(ST224)。例えば、AMR421が所定の速度変化で減速して第2の領域に停止すると、プロセッサ51は、条件C21、C22、及びC23を満たす(ロールパレットの搬送完了)と判定する。さらに、RPT422がロールパレットを受け入れていない状態(空きの状態)であれば、プロセッサ51は、条件C24を満たす(ロールパレットの受け入れ準備完了)と判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第1のコマンドをAMR制御装置321へ出力する(ST224)。
【0109】
AMR制御装置321は、第1のコマンドを受信し、第1のコマンドに基づく第1の制御信号をAMR422へ出力する。AMR422は、第1の制御信号に基づき第2の動作を実行する。
【0110】
さらに、プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AMR421及びRPT422の状態を認識する第2の認識処理を実行する(ST225)。
【0111】
プロセッサ51は、第2の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST226)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0112】
例えば、所定の条件を2つにする場合、プロセッサ51は、RPT422へロールパレットがセットされることを示す条件C25を満たすか否か判定し、AMR421がRPT422から退避したことを示す条件C26、C27、及びC28を満たすか否か判定する。
【0113】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST226、YES)、RPT422を制御するための第2のコマンドを生成し、第2のコマンドを出力する。例えば、RPT422によるロールパレットの受け入れが完了すると、プロセッサ51は、条件C25を満たす(ロールパレットの受け入れ完了)と判定し、AMR421の退避が完了すると、プロセッサ51は、条件C26、C27、及びC28を満たす(退避完了)と判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第2のコマンドをRPT制御装置322へ出力する(ST227)。
【0114】
RPT制御装置322は、第2のコマンドを受信し、第2のコマンドに基づく第2の制御信号をRPT422へ出力する。RPT422は、第2の制御信号に基づき第5の動作を実行する。或いは、RPT422は、スイッチBOTであるRPT制御装置322によりスイッチオンされ、スイッチオンに基づき第5の動作を実行する。
【0115】
さらに、プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、RPT422の状態を認識する第3の認識処理を実行する(ST228)。
【0116】
プロセッサ51は、第3の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST229)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0117】
例えば、所定の条件を1つにする場合、プロセッサ51は、RPT422にセットされたロールパレットの物品が放出されたことを示す条件C29を満たすか否か判定する。
【0118】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST229、YES)、AMR421を制御するための第3のコマンドを生成し、第3のコマンドを出力する。例えば、RPT422によるロールパレットに収容された物品の放出が完了すると、プロセッサ51は、条件C29を満たす(物品の放出完了)と判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第3のコマンドをAMR制御装置321へ出力する(ST230)。
【0119】
AMR制御装置321は、第3のコマンドを受信し、第3のコマンドに基づく第3の制御信号をAMR421へ出力する。AMR421は、第3の制御信号に基づき第4の動作を実行する。
【0120】
続いて、LPT422の動作を説明する。
例えば、LPT422は、AMR421により搬送されるロールパレットを受け入れ、受け入れ完了状態となる。また、ロールパレットを搬送したAMR421は、退避領域へ退避し、退避状態となる。自動IF装置5は、画像解析に基づきこれらの状態を認識し、LPT制御装置322へ第2のコマンドを送信する。
【0121】
LPT制御装置322は、第2のコマンドに基づきLPT422を制御する第2の制御信号を送信する。受け入れ完了状態のLPT422は、第2の制御信号を受信し(ST231、YES)、受信した第2の制御信号に基づき第5の動作を実行する(ST232)。或いは、スイッチBOTであるLPT制御装置322は、第2のコマンドに基づきLPT422のスイッチをオンし(ST231、YES)。LPT422は、スイッチオンに基づき第5の動作を実行する(ST232)。即ち、LPT422は、第2の制御信号又はスイッチオンに基づき、ロールパレットを傾けてロールパレットに収納された物品をコンベア等へ放出する(ST232)。LPT422は、放出を完了し退避状態となる(ST233)。
【0122】
自動IF装置5は、画像解析に基づきこの退避状態を認識し、AMR制御装置321へ第3のコマンドを送信する。AMR制御装置321は、第3のコマンドに基づきAMR421を制御する第3の制御信号を送信する。AMR421は、第3の制御信号に基づき、LPT422からロールパレットを回収する第4の動作を実行する。
【0123】
図8は、第2の実施形態に係るAMRの状態認識の一例を示す図である。即ち、図7に示すST223における条件C21、C22、及びC23について説明するための図である。
ここでは、プロセッサ51は、条件C21、C22、及びC23を満たす場合に、AMR421が第2の領域に到着し停止したと判定する。
【0124】
条件C21は、AMR421の形状認識である。プロセッサ51は、画像に含まれるAMR421らしきセグメンテーション(SG21)を検出し、セグメンテーション(SG21)の形状とAMR421のテンプレート(オリジナル)の形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C21を満たすと判定する。
【0125】
なお、AMR421の形状認識に加えてAMR識別情報認識を利用してもよいし、また、AMR421の形状認識に替えてAMR識別情報認識を利用してもよい。全てのAMRには、文字、数字、及び記号等の組み合わせによるAMR識別情報、又はバーコード或いは二次元コードによるAMR識別情報が付与される。プロセッサ51は、カメラ6からの撮影画像に含まれるAMR識別情報を認識し、メモリ53に記憶される登録済みAMR識別情報と認識済みAMR識別情報とを照合し、一致する場合に、条件C21を満たすと判定し、所定のAMR421であることを認識する。
【0126】
条件C22は、AMR421の進入から停止までの動作速度変化認識である。プロセッサ51は、動作速度変化の特性を検出する。例えば、プロセッサ51は、セグメンテーション(SG21)の領域への進入時の速度(V1(t=0))、及びセグメンテーション(SG21)の領域への進入後の速度(V1(t))と(V1(T1)=0)を検出する。なお、T1は、セグメンテーション(SG21)の領域への進入時から停止までの時間である。
【0127】
プロセッサ51は、動作速度変化の特性に基づき、AMR421を認識する。例えば、プロセッサ51は、動作速度変化が基準を満たす場合に、この動作速度変化をAMR421の動作速度変化であると認識し、この認識に基づき条件C22を満たすと判定する。例えば、プロセッサ51は、基準値v1、v2、t1、t2に基づき、v1<V1(0)<v2、且つt1<T1<t2を満たせば、条件C22を満たすと判定する。
【0128】
条件C23は、AMR421の停止位置認識である。プロセッサ51は、停止領域の基準点とAMR421の基準点との位置関係に基づき、AMR421の停止を認識する。例えば、プロセッサ51は、第2の領域(停止領域)に対応するセグメンテーションの位置情報(P1)を検出し、AMR421らしきセグメンテーション(SG21)の位置情報(P2)を検出し、基準点となるP1とP2の偏差(相対位置)を検出する。
【0129】
プロセッサ51は、基準点となるP1とP2の重心位置の距離が期待される一定値以内か、即ち下限及び上限の範囲以内かを判定する。プロセッサ51は、重心位置の距離が下限及び上限の範囲以内である場合に、AMR421の停止であることを認識し、この認識に基づき条件C23を満たすと判定する。
【0130】
図9は、第2の実施形態に係るRPTの状態認識(受け入れ準備完了)の一例を示す図である。即ち、図7に示すST223における条件C24について説明するための図である。
プロセッサ51は、条件C24を満たすか否かを判定する。条件C24は、RPT422の状態認識である。メモリ53は、RPT422がロールパレットを受け入れていない初期状態のテンプレート(ロールパレット無し)を記憶する。プロセッサ51は、画像に含まれるRPT422らしきセグメンテーション(SG22)を検出し、セグメンテーション(SG22)の形状と初期状態のテンプレートの形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C24を満たすと判定する。つまり、プロセッサ51は、RPT422がロールパレットを受け入れていない初期状態であると判定し、RPT422においてロールパレットの受け入れ準備が完了していると判定する。
【0131】
図10は、第2の実施形態に係るRPTの状態認識(受け入れ完了)の一例を示す図である。即ち、図7に示すST226における条件C25について説明する。
プロセッサ51は、条件C25を満たすか否かを判定する。条件C25は、RPT422の状態認識である。メモリ53は、RPT422がロールパレットを受け入れた受け入れ完了状態のテンプレートを記憶する。プロセッサ51は、画像に含まれるRPT422らしきセグメンテーション(SG22)を検出し、セグメンテーション(SG22)の形状と受け入れ完了状態のテンプレートの形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C25を満たすと判定する。つまり、プロセッサ51は、RPT422においてロールパレットの受け入れが完了したと判定する。
【0132】
図11は、第2の実施形態に係るAMRの状態認識(退避完了)の一例を示す図である。即ち、図7に示すST226の条件C26、C27、及びC28について説明するための図である。
ここでは、プロセッサ51は、条件C26、C27、及びC28を満たす場合に、AMR421が退避領域に到着し退避が完了したと判定する。
【0133】
条件C26は、AMR421の形状認識である。プロセッサ51は、画像に含まれるAMR421らしきセグメンテーション(SG21)を検出し、セグメンテーション(SG21)の形状とAMR421のテンプレート(オリジナル)の形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C26を満たすと判定する。
【0134】
条件C27は、AMR421の進入から停止までの動作速度変化認識である。プロセッサ51は、動作速度変化の特性を検出する。例えば、プロセッサ51は、セグメンテーション(SG21)の領域への進入時の速度(V1(t=0))、及びセグメンテーション(SG21)の領域への進入後の速度(V1(t))と(V1(T1)=0)を検出する。なお、T1は、セグメンテーション(SG21)の領域への進入時から停止までの時間である。
【0135】
プロセッサ51は、動作速度変化の特性に基づき、AMR421を認識する。例えば、プロセッサ51は、動作速度変化が基準を満たす場合に、この動作速度変化をAMR421の動作速度変化であると認識し、この認識に基づき条件C27を満たすと判定する。例えば、プロセッサ51は、基準値v1、v2、t1、t2に基づき、v1<V1(0)<v2、且つt1<T1<t2を満たせば、条件C27を満たすと判定する。
【0136】
条件C28は、AMR421の停止位置認識である。プロセッサ51は、停止領域の基準点とAMR421の基準点との位置関係に基づき、AMR421の停止を認識する。例えば、プロセッサ51は、退避領域に対応するセグメンテーションの位置情報(P1)を検出し、AMR421らしきセグメンテーション(SG21)の位置情報(P2)を検出し、基準点となるP1とP2の偏差(相対位置)を検出する。
【0137】
プロセッサ51は、基準点となるP1とP2の重心位置の距離が期待される一定値以内か、即ち下限及び上限の範囲以内かを判定する。プロセッサ51は、重心位置の距離が下限及び上限の範囲以内である場合に、AMR421の停止であることを認識し、この認識に基づき条件C28を満たすと判定する。
【0138】
図12は、第2の実施形態に係るRPTの状態認識(物品放出完了)の一例を示す図である。即ち、図7に示すST229の条件C29について説明するための図である。
プロセッサ51は、条件C29を満たすか否かを判定する。条件C29は、RPT422の状態認識である。メモリ53は、RPT422がロールパレットから物品を放出完了した状態(空のロールパレットを受け入れた状態)のテンプレートを記憶する。プロセッサ51は、第2のコマンドをRPT制御装置322へ出力した後(ST227)、一定時間にわたり、画像に含まれるRPT422らしきセグメンテーション(SG22)を検出し、セグメンテーション(SG22)の形状とRPT422がロールパレットから物品を放出完了した状態のテンプレートの形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、第2のコマンドをRPT制御装置322へ出力した後、一定時間以内であることを条件に、類似度が閾値を超える場合に、条件C29を満たすと判定する。つまり、プロセッサ51は、RPT422においてロールパレットから物品の放出が完了していると判定する。
【0139】
上記説明したように、第2の実施形態の自動IF装置5は、カメラ6で撮影された画像を入力として、AMR421及びRPT422等の各装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。自動IF装置5は、入力される画像を解析し、解析結果に基づき各装置の状態(状態遷移)を認識し、認識結果に基づき所定の装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。
【0140】
各装置を制御するAMR制御装置321、RPT制御装置322等の各制御装置がAPIを備える場合、各制御装置のIFの改変は不要となる。このように、第2の実施形態によれば、各装置の動作を連携させる場合に、その連携負担の軽減を図ることができる。また、自動IF装置5をWES2から独立させることにより、WES2においてシステムダウンが発生した場合でも、各装置を連携して動作させることができる。
【0141】
<第3の実施形態>
以下、図面を参照して第3の実施形態について説明する。第1の実施形態で用いた参照符号と同一の参照符号を付した構成は、第1の実施形態と実質的に同一の構成であり、説明を適宜省略する。
【0142】
[構成]
図13は、第3の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
第3の実施形態では、自動IF装置5は、カメラ6からの画像を入力し、画像を解析し、画像の解析結果に基づき、搬送物の状態を認識する認識処理を実行し、認識処理に基づき、搬送物を搬送する第1の装置を制御するための信号を出力する。
【0143】
例えば、自動IF装置5は、画像の解析結果に基づき、コンベア432で搬送される搬送物の状態を認識する第1の認識処理を実行して、第1の認識結果に基づきCTU431を制御するための第1の信号を出力する。
【0144】
自動IF装置5は、第1の信号を出力することにより、コンベア432とCTU431による搬送を連携させることができる。
【0145】
図13に示すように、物品処理システムSは、WMS1、WES2、CTU制御装置331、コンベア制御装置332、CTU(ハードウェア/ファームウェア)431、コンベア432、自動IF装置5、及びカメラ6を備える。
【0146】
CTU制御装置331は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、CTU制御装置331は、IF3311を備え、IF3311は、自動IF装置5から出力される第1の信号を受信する。例えば、第1の信号は、第1のコマンドであり、第1のコマンドは、APIコマンドである。また、IF3311はAPIである。CTU制御装置331は、受信した第1のコマンドに基づき、CTU431を制御する第1の制御信号を出力する。
【0147】
コンベア制御装置332は、1又は複数台の専用装置、PLC、または汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、コンベア制御装置332は、自動IF装置5から出力される第2の信号を受信し、第2の信号に基づき、コンベア432を制御する第2の制御信号を出力する。また、コンベア制御装置332は、自動IF装置5からの出力を受信しない場合もある。
【0148】
CTU431は、垂直方向に移動するフォーク機構を備える。CTU431は、CTU制御装置331からの第1の制御信号に基づき、第1の動作を実行する。例えば、CTU431は、第1の動作として、コンベア432に向かって走行し、コンベア432の終端に対向する領域で停止し、コンベア432の高さに合わせてフォーク機構の高さを調整し、コンベア432の終端で停止する搬送物をフォーク機構で受け取り、受け取った搬送物を所定領域へ搬送する。
【0149】
コンベア432は、コンベア制御装置332からの制御信号に基づき、搬送開始位置にセットされる搬送物を終端へ向けて搬送する。コンベア432は、搬送路に沿って複数のセンサを備え、搬送される搬送物を検出する。コンベア432は、搬送物の検出結果に基づき、搬送物の搬送を開始したり停止したりする。搬送物は、物品である。
【0150】
[動作]
図14は、第3の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
ST311~ST315は、コンベア432の動作の一例を示し、ST321~ST326は、自動IF装置5の動作の一例を示し、ST331~ST333は、CTU431の動作の一例を示す。
【0151】
まず、コンベア432の動作について説明する。
コンベア432は、コンベア制御装置332からの制御信号に基づき、搬送開始位置にセットされる物品を終端へ向けて搬送する(ST311)。コンベア432は、センサからの信号に基づき、搬送される物品を検出する。コンベア432は、終端に差し掛かる物品を検出すると(ST312、YES)、物品の搬送を停止する(ST313)。物品は、終端に位置する。
【0152】
コンベア432は、センサからの信号に基づき、終端に位置する物品を検出する。コンベア432は、終端に位置する物品の移動(持ち運び)を検出すると(ST314、YES)、次の物品を搬送開始位置へセットする(ST315)。
【0153】
続いて、自動IF装置5の動作を説明する。
自動IF装置5の入力IF521は、カメラ6からの画像を入力する(ST321)。
【0154】
プロセッサ51は、入力IF521からの画像を入力し、画像を解析し、解析結果を出力する。
【0155】
プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、コンベア432における物品の状態(有無)を認識する第1の認識処理を実行する(ST322)。
【0156】
プロセッサ51は、第1の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST323)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0157】
例えば、所定の条件を1つにする場合、プロセッサ51は、物品が認識される条件C31を満たすか否か判定する。所定の条件を2つにする場合、プロセッサ51は、条件C31に加えて、物品の動作速度変化が条件C32を満たすか否かを判定する。又は、プロセッサ51は、条件C31に加えて、物品の停止領域が条件C33を満たすか否かを判定する。所定の条件を3つにする場合、プロセッサ51は、条件C31、C32、及びC33を満たすか否かを判定する。
【0158】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST323、YES)、CTU431を制御するための第1のコマンドを生成し、第1のコマンドを出力する。例えば、物品が所定の速度変化で減速して停止領域に停止すると、プロセッサ51は、条件C31、C32、及びC33を満たすと判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第1のコマンドをCTU制御装置331へ出力する(ST324)。
【0159】
CTU制御装置331は、第1のコマンドを受信し、第1のコマンドに基づく第1の制御信号をCTU431へ出力する。CTU431は、第1の制御信号に基づき第1の動作を実行する。
【0160】
さらに、プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、コンベア432における物品の状態を認識する第2の認識処理を実行する(ST325)。例えば、停止領域に停止した物品がCTU431により持ち運ばれると、プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定し(ST326、YES)、再び、第1の認識処理を実行する(ST322)。
【0161】
続いて、CTU431の動作を説明する。
自動IF装置5は、カメラ6からの画像の認識結果に基づき、CTU制御装置331へコマンドを送信する。CTU制御装置331は、コマンドに基づきCTU431を制御する制御信号を送信する。CTU431は、制御信号に基づき動作する。
【0162】
例えば、退避中のCTU431は、CTU制御装置331からの第1の制御信号を受信し(ST331、YES)、第1の制御信号に基づき、コンベア432に向かって走行し、コンベア432の終端に対向する領域で停止し、コンベア432の高さに合わせてフォーク機構の高さを調整し、コンベア432の終端で停止する物品をフォーク機構で受け取る(ST332)。CTU431は、受け取った物品を所定領域へ搬送する(ST333)。
【0163】
図15は、第3の実施形態に係る物品の状態認識の一例を示す図である。即ち、図14に示すST323を説明するための図である。
ここでは、プロセッサ51は、条件C31、C32、及びC33を満たす場合に、物品が停止領域に到着し停止したと判定する。
【0164】
条件C31は、物品の形状認識である。プロセッサ51は、画像に含まれる物品らしきセグメンテーション(SG3)を検出し、セグメンテーション(SG3)の形状と物品のテンプレート(オリジナル)の形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C31を満たすと判定する。
【0165】
なお、物品の形状認識に加えて物品識別情報認識を利用してもよいし、また、物品の形状認識に替えて物品識別情報認識を利用してもよい。全ての物品には、文字、数字、及び記号等の組み合わせによる物品識別情報、又はバーコード或いは二次元コードによる物品識別情報が付与される。プロセッサ51は、カメラ6からの撮影画像に含まれる物品識別情報を認識し、メモリ53に記憶される登録済み物品識別情報と認識済み物品識別情報とを照合し、一致する場合に、条件C31を満たすと判定し、所定の物品であることを認識する。
【0166】
条件C32は、物品の進入から停止までの動作速度変化認識である。プロセッサ51は、動作速度変化の特性を検出する。例えば、プロセッサ51は、セグメンテーション(SG3)の領域への進入時の速度(V1(t=0))、及びセグメンテーション(SG3)の領域への進入後の速度(V1(t))と(V1(T1)=0)を検出する。なお、T1は、セグメンテーション(SG3)の領域への進入時から停止までの時間である。
【0167】
プロセッサ51は、動作速度変化の特性に基づき、物品を認識する。例えば、プロセッサ51は、動作速度変化が基準を満たす場合に、この動作速度変化を物品の動作速度変化であると認識し、この認識に基づき条件C32を満たすと判定する。例えば、プロセッサ51は、基準値v1、v2、t1、t2に基づき、v1<V1(0)<v2、且つt1<T1<t2を満たせば、条件C32を満たすと判定する。
【0168】
条件C33は、物品の停止位置認識である。プロセッサ51は、停止領域の基準点と物品の基準点との位置関係に基づき、物品の停止を認識する。例えば、プロセッサ51は、停止領域に対応するセグメンテーションの位置情報(P1)を検出し、物品らしきセグメンテーション(SG3)の位置情報(P2)を検出し、基準点となるP1とP2の偏差(相対位置)を検出する。
【0169】
プロセッサ51は、基準点となるP1とP2の重心位置の距離が期待される一定値以内か、即ち下限及び上限の範囲以内かを判定する。プロセッサ51は、重心位置の距離が下限及び上限の範囲以内である場合に、物品の停止であることを認識し、この認識に基づき条件C33を満たすと判定する。
【0170】
図16は、第3の実施形態に係る物品の形状認識の一例を示す図である。
メモリ53は、全ての物品或いは所定の物品のテンプレート(オリジナル)の画像を登録(記憶)する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG3)の画像と登録されたテンプレートの画像を照合する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG3)の画像と物品のテンプレートの画像の類似度が閾値を超える場合に、検出されたセグメンテーション(SG3)を物品として認識する。プロセッサ51は、検出されたセグメンテーション(SG3)の画像と物品のテンプレートの画像の類似度が閾値を超えない場合に、検出されたセグメンテーション(SG3)を物品ではないとして認識する。
【0171】
上記説明したように、第3の実施形態の自動IF装置5は、カメラ6で撮影された画像を入力として、CTU431等の装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。自動IF装置5は、入力される画像を解析し、解析結果に基づき、搬送物の状態(状態遷移)を認識し、認識結果に基づきCTU431等の装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。CTU431等の装置がAPIを備える場合、装置のIFの改変は不要となる。このように、第3の実施形態によれば、装置の連携負担の軽減を図ることができる。また、自動IF装置5をWES2から独立させることにより、WES2のシステムダウンが発生した場合でも、各装置の動作を継続させることができる。
【0172】
<第4の実施形態>
以下、図面を参照して第4の実施形態について説明する。第1の実施形態で用いた参照符号と同一の参照符号を付した構成は、第1の実施形態と実質的に同一の構成であり、説明を適宜省略する。
【0173】
[構成]
図17は、第4の実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
第4の実施形態では、自動IF装置5は、カメラ6からの画像を入力し、画像を解析し、画像の解析結果に基づき、搬送物を処理する第1の装置及び第2の装置の少なくとも一方の状態を認識する認識処理を実行し、認識処理に基づき、第1及び第2の装置の少なくとも一方を制御するための信号を出力する。自動IF装置5は、信号を出力することにより、第1の装置の一例であるAGV441及び第2の装置の一連であるEV(elevator)442の動作を連携させることができる。
【0174】
図17に示すように、物品処理システムSは、WMS1、WES2、AGV制御装置341、EV制御装置342、AGV(ハードウェア/ファームウェア)441、EV442、自動IF装置5、及びカメラ6を備える。カメラ6は、各階及びEV442の内部に設置され、各階のEV442への乗降口を撮影し、また、EV442の内部を撮影する。
【0175】
AGV制御装置341は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、AGV制御装置341は、IF3411を備え、IF3411は、自動IF装置5から出力される信号(例えばAPIコマンド)を受信し、受信したコマンドに基づき、AGV441を制御する制御信号を出力する。
【0176】
EV制御装置342は、1又は複数台の専用装置、PLC、または汎用コンピュータ、即ち、IF、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。例えば、EV制御装置342は、IF3421を備え、IF3421は、自動IF装置5から出力される信号(例えばAPIコマンド)を受信し、EV442を制御する制御信号を出力する。
【0177】
[動作]
図18は、第4の実施形態に係る倉庫システムの動作の一例を示すフローチャートである。
ST411~ST416は、AGV441の動作の一例を示し、ST421~ST430は、自動IF装置5の動作の一例を示し、ST431~ST436は、EV442の動作の一例を示す。
【0178】
まず、AGV441の動作について説明する。
AGV441は、AGV制御装置341からの制御信号に基づき動作を開始し(ST411)、目的領域である第1の領域へ移動し停止する(ST412)。例えば、第1の領域は、EV442の乗降口の正面である。
【0179】
また、AGV441は、第2のコマンドに応じた第2の制御信号を受信し(ST413、YES)、目的領域である第2の領域へ移動し停止する(ST414)。例えば、第2の領域は、EV442内の所定領域であり、AGV441は、第2の制御信号に基づきEV442内へ進入し停止する。
【0180】
さらに、AGV441は、第2のコマンドに応じた第2の制御信号を受信し(ST415、YES)、目的領域である第3の領域へ移動し停止する(ST416)。例えば、第3の領域は、EV442外の所定領域であり、AGV441は、第2の制御信号に基づきEV442から退出し停止する。
【0181】
続いて、自動IF装置5の動作を説明する。
自動IF装置5の入力IF521は、カメラ6からの画像を入力する(ST421)。
【0182】
プロセッサ51は、入力IF521からの画像を入力し、画像を解析し、解析結果を出力する。プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AGV441の状態を認識する第1の認識処理を実行する(ST422)。
【0183】
プロセッサ51は、第1の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST423)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0184】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST423、YES)、EV442を制御するための第1のコマンドを生成し、また、AGV441を制御するための第2のコマンドを生成し、第1及び第2のコマンドを出力する。例えば、AGV441が所定の速度変化で減速して第1の領域に停止すると、プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第1のコマンドをEV制御装置342へ出力し、第2のコマンドをAGV制御装置341へ出力する(ST424)。
【0185】
また、プロセッサ51は、メモリ53に記憶されるAGV走行計画に基づき、第1の領域に停止したAGV441を認識する。例えば、プロセッサ51は、AGV走行計画に含まれる所定のAGV識別情報と画像の解析結果により読み取られたAGV識別情報の一致、及びAGV走行計画に含まれる目的地(目的階)に基づき、第1の領域に停止したAGV441の目的階を認識し、第3のコマンドを生成する。
【0186】
EV制御装置342は、第1のコマンドを受信し、第1のコマンドに基づく第1の制御信号をEV442へ出力する。EV442は、第1の制御信号に基づき第1の動作を実行しドアを開放する。
【0187】
AGV制御装置341は、第2のコマンドを受信し、第2のコマンドに基づく第2の制御信号をAGV441へ出力する。AGV441は、第2の制御信号に基づき第2の動作を実行し、EV442内へ進入し停止する。
【0188】
さらに、プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AGV441の状態を認識する第2の認識処理を実行する(ST425)。
プロセッサ51は、第2の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST426)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0189】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST426、YES)、第3のコマンドを出力する。例えば、AGV441が所定の速度変化で減速して第2の領域に停止すると、プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第3のコマンドをEV制御装置342へ出力する(ST427)。
【0190】
EV制御装置342は、第3のコマンドを受信し、第3のコマンドに基づく第3の制御信号をEV442へ出力する。EV442は、第3の制御信号に基づき第3の動作を実行し、ドアを閉鎖し目的階へ移動し、目的階で停止しドアを開放する。
【0191】
さらに、プロセッサ51は、解析結果及び辞書データに基づき、AGV441の状態を認識する第4の認識処理を実行する(ST428)。
プロセッサ51は、第4の認識処理の結果が所定の条件を満たすか否か判定する(ST429)。所定の条件は1又は複数であり、所定の条件を1つにするか複数にするかは、倉庫システムのニーズに合わせて決定される。
【0192】
プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定した場合(ST429、YES)、AGV441を制御するための第4のコマンドを生成し、EV432を制御するための第5のコマンドを生成し、第4及び第5のコマンドを出力する。例えば、AGV441が第2の領域で停止し、EV432のドアが開放した状態であれば、プロセッサ51は、所定の条件を満たすと判定する。出力IF522は、プロセッサ51からの第4のコマンドをAGV制御装置341へ出力し、プロセッサ51からの第5のコマンドをEV制御装置342へ出力する(ST430)。
【0193】
AGV制御装置341は、第4のコマンドを受信し、第4のコマンドに基づく第4の制御信号をAGV441へ出力する。AGV441は、第4の制御信号に基づき第4の動作を実行し、EV442内から退出して停止する。
【0194】
EV制御装置342は、第5のコマンドを受信し、第5のコマンドに基づく第5の制御信号をEV442へ出力する。EV442は、第5の制御信号に基づき第5の動作を実行し、ドアを閉鎖する。
【0195】
続いて、EV442の動作を説明する。
例えば、停止中のEV442は、EV制御装置342からの第1の制御信号を受信し(ST431、YES)、第1の制御信号に基づき、第1の動作を実行し、ドアを開放する(ST432)。
【0196】
ドアを開放した後、AGV441は、第2の制御信号に基づき第2の動作を実行し、EV442内に侵入し停止する。
【0197】
続いて、EV442は、EV制御装置342からの第3の制御信号を受信し(ST433、YES)、第3の制御信号に基づき、第3の動作を実行し、ドアを閉鎖し目的階へ移動し、目的階で停止しドアを開放する(ST434)。
【0198】
ドアを開放した後、AGV441は、第4の制御信号に基づき第4の動作を実行し、EV442内から退出して停止する。
【0199】
続いて、EV442は、EV制御装置342からの第5の制御信号を受信し(ST435、YES)、第5の制御信号に基づき、第5の動作を実行し、ドアを閉鎖する(ST436)。
【0200】
図19は、第4の実施形態に係るAGVの状態認識の一例を示す図である。即ち、図18に示すST422等を説明するための図である。
ここでは、プロセッサ51は、条件C41、C42、及びC43を満たす場合に、AGVが停止領域に到着し停止したと判定する。
【0201】
条件C41は、AGVの形状認識である。プロセッサ51は、画像に含まれるAGV441らしきセグメンテーション(SG4)を検出し、セグメンテーション(SG4)の形状とAGV441のテンプレート(オリジナル)の形状の類似度が閾値を超えるか否かを判定する。プロセッサ51は、類似度が閾値を超える場合に、条件C41を満たすと判定する。
【0202】
なお、AGV441の形状認識に加えてAGV識別情報認識を利用してもよいし、また、AGV441の形状認識に替えてAGV識別情報認識を利用してもよい。全てのAGV441には、文字、数字、及び記号等の組み合わせによるAGV識別情報、又はバーコード或いは二次元コードによるAGV識別情報が付与される。プロセッサ51は、カメラ6からの撮影画像に含まれるAGV識別情報を認識し、メモリ53に記憶される登録済みAGV識別情報と認識済みAGV識別情報とを照合し、一致する場合に、条件C41を満たすと判定し、所定のAGV441であることを認識する。
【0203】
条件C42は、AGV441の進入から停止までの動作速度変化認識である。プロセッサ51は、動作速度変化の特性を検出する。例えば、プロセッサ51は、セグメンテーション(SG4)の領域への進入時の速度(V1(t=0))、及びセグメンテーション(SG4)の領域への進入後の速度(V1(t))と(V1(T1)=0)を検出する。なお、T1は、セグメンテーション(SG4)の領域への進入時から停止までの時間である。
【0204】
プロセッサ51は、動作速度変化の特性に基づき、AGV441を認識する。例えば、プロセッサ51は、動作速度変化が基準を満たす場合に、この動作速度変化をAGV441の動作速度変化であると認識し、この認識に基づき条件C42を満たすと判定する。例えば、プロセッサ51は、基準値v1、v2、t1、t2に基づき、v1<V1(0)<v2、且つt1<T1<t2を満たせば、条件C42を満たすと判定する。
【0205】
条件C43は、AGV441の停止位置認識である。プロセッサ51は、停止領域の基準点とAGV441の基準点との位置関係に基づき、AGV441の停止を認識する。例えば、プロセッサ51は、停止領域に対応するセグメンテーションの位置情報(P1)を検出し、AGV441らしきセグメンテーション(SG4)の位置情報(P2)を検出し、基準点となるP1とP2の偏差(相対位置)を検出する。
【0206】
プロセッサ51は、基準点となるP1とP2の重心位置の距離が期待される一定値以内か、即ち下限及び上限の範囲以内かを判定する。プロセッサ51は、重心位置の距離が下限及び上限の範囲以内である場合に、AGV441の停止であることを認識し、この認識に基づき条件C43を満たすと判定する。
【0207】
上記説明したように、第4の実施形態の自動IF装置5は、カメラ6で撮影された画像を入力として、AGV441及びEV442等の装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。自動IF装置5は、入力される画像を解析し、解析結果に基づき、AGV441の状態(状態遷移)を認識し、認識結果に基づきAGV441及びEV442等の装置を制御するためのAPIコマンド等の信号を出力する。AGV制御装置341及びEV制御装置342等の装置がAPIを備える場合、装置のIFの改変は不要となる。このように、第4の実施形態によれば、装置の連携負担の軽減を図ることができる。また、自動IF装置5をWES2から独立させることにより、WES2のシステムダウンが発生した場合でも、各装置の動作を継続させることができる。
【0208】
本実施形態に係るプログラムは、自動IF装置5等の電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、光ディスク、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。電子機器は、ネットワークを介して譲渡(提供)されるプログラムをダウンロードしてメモリにインストールする、又は記憶媒体からプログラムを読み取りメモリにインストールする。
【0209】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0210】
S…物品処理システム
1…WMS
2…WES
311…AMR-A制御装置
312…AMR-B制御装置
313…コンベア制御装置
321…AMR制御装置
322…RPT制御装置
331…CTU制御装置
332…コンベア制御装置
341…AGV制御装置
342…EV制御装置411…AMR-A
412…AMR-B
413…パレットコンベア
421…AMR
422…RPT
431…CTU
432…コンベア
441…AGV
442…EV
5…自動IF装置
51…プロセッサ
511…入力部
512…画像解析部
513…認識部
514…生成部
515…出力部
521…入力IF
522…出力IF
53…メモリ
6…カメラ
図1
図2
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