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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085759
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】抽出用バッグ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/02 20060101AFI20240620BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20240620BHJP
   B65D 85/804 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A47J31/02
A47J31/06 160
B65D85/804 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200467
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】391024744
【氏名又は名称】不双産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保彦
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA07
4B104BA46
4B104BA50
4B104BA77
4B104EA08
(57)【要約】
【課題】サイドフックタイプでは、ホルダーの一部を押込むことで、突っ張らせて、開口形状を保形すると、突っ張らせた面の両側が角部になってしまう。
【解決手段】押込み領域28が押込まれると、拡開領域27aが切込み29を介して分離しながら、開口した袋体3の内方に向かって凸状になる。それに追従して、帯状領域27が拡開される。掛止片35、35、掛止片41、41がカップCの縁に掛止されると、板バネ状片47はカップCの側面部を外側から圧接してホールドする。帯状領域27は、曲げ誘導線32、32、33、33が曲げ起点となって外方に張り出して、それぞれが円形の直交する2直線上またはその近傍に位置する円環状に容易に矯正される。ホルダー17の素材がコシを有し、且つ、帯状領域27の上下方向にある程度の幅寸法を有するので、開口縁51が円環状に開口した状態が安定的に保持される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平袋状の袋体と、一枚の薄板材から構成され、二つ折りされて前記袋体の両側面に跨るように左右方向に延びて袋体に対して固着された袋体支持部と、前記袋体支持部に対して前記袋体の両側面からそれぞれ引き起こし可能な一対の掛止片を二つ折り側に近い側と遠い側で二組有するホルダーを備えたドリップ方式の抽出用バッグにおいて、
前記袋体支持部には、二つ折り辺を跨いだ袋体固着部分の下側に切込みを介して押込み領域が設けられており、
前記押込み領域の押込みにより、前記押込み領域内の二つ折り辺が谷折りされて前記袋体が開口すると共に前記二つ折り側に近い側に位置する一対の掛止片が引き起これることを特徴とする抽出用バッグ。
【請求項2】
請求項1に記載した抽出用バッグにおいて、
押込み領域の左右方向両境界には、上下方向に折り線が延びており、
前記押込み領域が押込まれると、前記折り線が山折りされることを特徴とする抽出用バッグ。
【請求項3】
請求項1または2に記載した抽出用バッグにおいて、
押込み領域の左右方向両境界のそれぞれの左右方向外側には、開口された袋体の両側面を外方に向かって張り出す方向に湾曲を誘導する曲げ誘導線が上下方向に延びて袋体支持部の上端から下端に至っていることを特徴とする抽出用バッグ。
【請求項4】
請求項1に記載した抽出用バッグにおいて、
ホルダーの二つ折り側に遠い側に位置する一対の掛止片には、掛止の際にカップをホールドして位置決めするホールド機構が設けられており、
二組の一対の掛止片が掛止されることで、押込み領域が押込み状態で保持されることを特徴とする抽出用バッグ。
【請求項5】
請求項4に記載した抽出用バッグにおいて、
ホルダーの二つ折り側に遠い側に位置する掛止片は、前記二つ折り側に遠い側を基端として前記二つ折り側に向かって延びており、
前記ホルダーの二つ折り側に遠い側の組の掛止片には、ホールド機構として、上方に向かって凹んだ凹部と、前記凹部の左右方向一方側から前記凹部の内方に向かって延設された板バネ状片が設けられており、
前記板バネ状片は二つ折りに近い側から延設されていることを特徴とする抽出用バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー粉等の抽出に用いる抽出用バッグに係り、詳しくは、フィルター機能を有する包材シートで構成された袋体と、その袋体を支持するホルダーを備えた、ドリップ方式の抽出用バッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドリップ方式の抽出用バッグは、コーヒー粉等が充填され、湯を注げるように上方が開口した袋体を支持するホルダーに掛止片が設けられており、この掛止片を、カップの縁に上側から置いて掛止めすることで、袋体をカップに設置できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3218574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
美味しいコーヒーを淹れるためには、湯を開口の中央からそっと注ぎ始め、徐々にらせん状に回しながら少しずつ注ぎ続けることが推奨されている。
そのため、袋体の開口形状は大きいだけでなく円形に近いものが好ましい。
而して、サイドフックタイプでは、ホルダーを二つ折り状態から拡開させることから、湯が注がれると湯の重さによりホルダーは閉じる方向に付勢されて開口が狭まり易くなる。
これに対して、特許文献1では、ホルダーの一部を押込むことで、突っ張らせて、開口形状を保形することが提案されているが、突っ張らせた面の両側が角部になってしまう。
【0005】
それ故、本発明は、ドリップ方式の抽出用バッグに関して、上記した問題点を解消した、新規且つ有用なものを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、平袋状の袋体と、一枚の薄板材から構成され、二つ折りされて前記袋体の両側面に跨るように左右方向に延びて袋体に対して固着された袋体支持部と、前記袋体支持部に対して前記袋体の両側面からそれぞれ引き起こし可能な一対の掛止片を二つ折り側に近い側と遠い側で二組有するホルダーを備えたドリップ方式の抽出用バッグにおいて、前記袋体支持部には、二つ折り辺を跨いだ袋体固着部分の下側に切込みを介して押込み領域が設けられており、前記押込み領域の押込みにより、前記押込み領域内の二つ折り辺が谷折りされて前記袋体が開口すると共に前記二つ折り側に近い側に位置する一対の掛止片が引き起これることを特徴とする抽出用バッグである。
【0007】
好ましくは、押込み領域の左右方向両境界には、上下方向に折り線が延びており、前記押込み領域が押込まれると、前記折り線が山折りされる。
好ましくは、押込み領域の左右方向両境界のそれぞれの左右方向外側には、開口された袋体の両側面を外方に向かって張り出す方向に湾曲を誘導する曲げ誘導線が上下方向に延びて袋体支持部の上端から下端に至っている。
【0008】
好ましくは、ホルダーの二つ折り側に遠い側に位置する一対の掛止片には、掛止の際にカップをホールドして位置決めするホールド機構が設けられており、二組の一対の掛止片が掛止されることで、押込み領域が押込み状態で保持される。
より好ましくは、ホルダーの二つ折り側に遠い側に位置する掛止片は、前記二つ折り側に遠い側を基端として前記二つ折り側に向かって延びており、前記ホルダーの二つ折り側に遠い側の組の掛止片には、ホールド機構として、上方に向かって凹んだ凹部と、前記凹部の左右方向一方側から前記凹部の内方に向かって延設された板バネ状片が設けられており、前記板バネ状片は二つ折りに近い側から延設されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の抽出用バッグによれば、袋体の開口を大きく広げながらその開口を円形に近づけることができる。
本発明の抽出用バッグは、既存のサイドフックタイプと同様に被充填物を充填しながら縦横シールする製袋充填装置を利用して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る抽出用バッグの平面図である。
図2図1の抽出用バッグの展開図である。
図3図1の抽出用バッグをカップに設置した状態を示す斜視図である。
図4図1の抽出用バッグをカップに設置した状態を図3とは別方向から見た斜視図である。
図5図3図4のホールド状態の詳細図である。
図6図3の設置した状態における上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係るドリップ方式の抽出用バッグ1を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、抽出用バッグ1は、平袋状の袋体3と、この袋体3が開封され開口が広げられて立体状になった状態を支持しながらカップの縁に掛止させるためのホルダー17を有している。
袋体3は、濾紙や不織布等からなるフィルター機能を有する包材シート5で形成されている。この包材シート5は中央で二つ折りされ、この二つ折り辺7を介して四角形の側面9、9に分かれている。重ね合った周縁部分である辺縁11、13、15側が超音波シール等の手段でシール封止されて扁平な平袋状に製袋化されており、袋体3内にはコーヒー粉Pが充填されている。
【0012】
ホルダー17は、板紙やプラスチックシートからなる適度なコシを有する一枚の薄板材から構成されており、打ち抜くと共に切込みが設けられて、各部位がその用途に応じた形状になっている。
ホルダー17は、図2の展開図に示すように、左右対称の形状をしており、左右方向の中心線には二つ折り線19が形成されている。使用前、すなわち湯を注ぐ作業の前は、ホルダー17は、この二つ折り線19を袋体3の二つ折り辺7に揃えながら平袋状の袋体3を外側から挟み込んで側面9、9に跨った状態で重ね合されており、抽出用バッグ1は全体として扁平な状態になっている。また、ホルダー17の左右両側は側面9、9にそれぞれ収まるサイズになっている。
【0013】
ホルダー17の上辺縁21は左右方向に直線状に延びており、その直下には易破断線であるミシン目23が平行に形成されている。また、左右方向端側の側辺縁25、25は上下方向に直線状に延びている。また、下辺縁は後述するように側辺縁25を下端として用途に応じて上方に向かって切り込まれており、凹凸状になっている。
上辺縁21、側辺縁25、25は袋体3の辺縁11、13に平行にその内方近傍に位置している。
【0014】
ミシン目23が破断されると、ミシン目23より上側は抽出用バッグ1から分離され、抽出用バッグ1側に残された破断縁が開口縁51(図3図4図6参照)になり、袋体3が上方に向かって開口する。
ミシン目23より下側は左右方向に帯状に延びた帯状領域27になっている。帯状領域27の上下方向に延びる幅側の寸法は袋体3に対して必要且つ十分に設定されており、ホルダー17は素材の選択とサイズ設定により、袋体3を保形支持するのに十分なコシを発現させている。この帯状領域27には種々の直線状の線が二つ折り線19を挟んで左右対称に形成されている。
【0015】
直線状の切込み29が二つ折り線19を跨いて左右方向に延びており、その左右方向両端からそれぞれ下方に向かって直線状に折り線31、31が形成されている。この折り線31は二つの長めの切れ目31a、31aが極短の連続部31bを介して連なって構成されている。
折り線31の下端と後述する掛止片35の上縁35aも極短の連続部31bを介して連なっており、上端と切込み29も連続部31bを介して連なっている。
押込み領域28は、二つ折り線19を跨いで切込み29と左右の折り線31、31に囲まれた四角形の領域になっている。
【0016】
折り線31の左右方向外方、すなわち二つ折り線19から遠い側に、折り線31に平行に曲げ誘導線32が形成されている。曲げ誘導線32の上端はミシン目23に到達し、下端は後述する掛止片35の上縁35aに到達している。
この曲げ誘導線32は二つ折り線19と同様に極短の切れ目32aと極短の連続部32bが交互に多数連なって構成されており、切れ目32aの長さは二つ折り線19の切れ目とほぼ同じになっている。曲げ誘導線32の上端とミシン目23は極短の連続部32bを介して連なっており、その下端と後述する掛止片35の上端35aも極短の連続部32bを介して連なっている。
【0017】
また、曲げ誘導線32の左右方向外方、すなわち二つ折り線19から遠い側に、曲げ誘導線32に平行に別の曲げ誘導線33が形成されている。曲げ誘導線33の上端はミシン目23に到達し、下端は後述する掛止片41の上縁41aに到達している。
この曲げ誘導線33は二つ折り線19と同様に極短の切れ目33aと極短の連続部33bが交互に多数連なって構成されており、切れ目33aの長さは二つ折り線19の切れ目とほぼ同じになっている。曲げ誘導線33の上端とミシン目23は極短の連続部33bを介して連なっており、その下端と後述する掛止片41の上縁41aも極短の連続部33bを介して連なっている。
【0018】
曲げ誘導線32、33は、ホルダー17の紙の特性と線の種類と押込み領域28との位置関係から、折り方向に力が加えられない限りは折り目にはならず、この実施の形態では、抽出用バッグ1が、袋体3が開口されてカップCに設置されたときの姿勢に影響されて湾曲するときの曲げ起点になっている。
【0019】
左右方向対称に、一対の曲げ誘導線32、32、一対の曲げ誘導線33、33が形成されている。
帯状領域27において、曲げ誘導線32、32で囲まれた領域のうち押込み領域28に上側から逆凹状に連なった領域が拡開領域27aになっており、曲げ誘導線32と曲げ誘導線33との間が拡開領域27bになっており、曲げ誘導線33と側辺縁25との間が拡開領域27cになっている。
左右方向の長さで比較すると、拡開領域27aと拡開領域27bはほぼ同じになっている。拡開領域27c×2は帯状領域27bよりも若干短くなっているが、袋体3の辺縁13まで含めると、ほぼ同じになっている。
また、押込み領域28と拡開領域27aの境界は、上下方向では2/3弱であり、左右方向では4/5程度である。従って、拡開領域27aの橋げた部分と一対の橋脚部分にそれぞれ十分な腰ができている。
【0020】
帯状領域27の下側には、2種類の掛止片35、41が2つずつ、合計4つ連設されている。掛止片35、41は帯状領域27とは連係領域(後述)を介して連続されており、帯状領域27からは切込みにより分離されている。
袋体3の一つの側面9上で、掛止片35は二つ折り線19に近い側、掛止片41は遠い側にそれぞれ位置している。
【0021】
掛止片35については、これらを左右方向中間で繋ぐ連係領域37が押込み領域28の下側に連続しており、一対の掛止片35、35が二つ折り線19側から左右方向外方に向かってそれぞれアーム状に延びている。掛止片35の上縁35aは左右方向に直線状に延びており、側縁35bは上下方向に直線状に延びている。なお、掛止片35の上縁35aを作り出す切込みは、折り線31の下端を僅かに超えて二つ折り線19側に向かって少し延びている。
また、掛止片35の下側は上方に向かって四角状に凹んで凹部39になっている。二つ折り線19側で、掛止片35の上縁35aの端は凹部39の二つ折り線19側の側縁39bの上方近傍まで延びており、左右方向への掛止片35の横方向への引き起こしが可能になっている。なお、二つ折り線19側の側縁39bは傾斜しており、下方に向かうほど二つ折り線19側に近づいている。
【0022】
掛止片41については、掛止片41の連係領域43がホルダー17の拡開領域27cの下側に連続しており、連係領域43から左右方向内方に向かってアーム状に延びている。掛止片41の上縁41aは左右方向に直線状に延びており、側縁41bは上下方向に直線状に延びている。
掛止片41の下側は上方に向かって四角状に凹んで凹部45になっている。この凹部45は、上側は天縁45a、左右方向外側は側縁45bで画定されている。天縁45aは、凹部39の天縁39aと上下方向の位置が揃えられている。
【0023】
左右方向内側は縁にはなっておらず、板バネ状片47が延設されている。この板バネ状片47は、四角形状で左右方向外方に向かって、凹部45内をフラップ状に延びている。
天縁45aと板バネ状片47の上縁47aは切込みにより分離されており、側縁45bと板バネ状片47の先縁47bは四角状の切欠きにより分離されている。従って、側縁45bと先縁47bとの間には左右方向に半分弱の幅で隙間が残されている。
【0024】
板バネ状片47の下縁47cは、凹部45の左右両側に延びる下縁と上下方向の位置が揃えられている。
また、凹部39の左右両側に延びる下縁と、凹部45の左右両側に延びる下縁は、左右方向に延びる一直線上に揃えられている。
掛止片35、41の角部や隅部と同様に、板バネ状片47の上縁47aと先縁47bの間の角部と、先縁47bと下縁47cとの間の角部に丸みが付けられている。
板バネ状片47と凹部45の境界では板バネ状片47の回動基端になるように、助線49が上下方向に直線状に延びている。この助線49は二つの長めの切れ目49a、49aが極短の連続部49b、49b、49bを介して連なって構成されており、凹部45側とは連続部49b、49b、49bを介して連続している。
【0025】
ホルダー17は適度なコシを有する素材から構成されており、板バネ状片47はホルダー17における適当な部位にその周囲との関係で適当な形状及びサイズで形成されることで、助線49を回動基端として外方に向かって曲げられて回動する際にはバネ特性、すなわち曲げ抵抗を示す。
抽出用バッグ1は、図1の帯状領域27のうち上側の梨地状に描かれた部位でホルダー17が袋体3に対して接着剤を介して固着されており、帯状領域27が袋体支持部になっている。
掛止部は、一対の掛止片35、35の組と一対の掛止片41、41の組を合わせて二組で構成されており、袋体3の側面9、9からそれぞれ引き起こし可能になっている。
【0026】
抽出用バッグ1は上記したように構成されており、ミシン目23が破断されると、袋体3もミシン目23と共に破断されるので、抽出用バッグ1側に残された破断縁が袋体3の開口縁51になり、上方に向かって開口する。
この状態で、ホルダー17の二つ折りされた押込み領域28の二つ折り部分を袋体3の辺縁13側に向かって軽く押すと、拡開領域27aが切込み29を介して分離しながら、押込み領域28内の二つ折り線19が外方に向かって突出した山折り状態から折り返されて谷折りされ、折り線31は山折りされて、開口した袋体3の内方に向かって凸状になる。それに追従して、帯状領域27b、27cも拡開される。但し、押込み領域28は突っ張り棒にはならないので、立体状に固形化されてはいない。また、一対の掛止片35、35は大きく引き起こされ、一対の掛止片41、41も小さく引き起こされる。
【0027】
その後に、図3図6に示すように、カップCの縁を2つの凹部39、39、2つの凹部45、45に下側から入り込ませた状態にして、カップCに対してホルダー17が掛止される。
凹部39の方が凹部45の方よりも左右方向の長さ寸法が大きく設定され、しかも、掛止片35の上縁35aは押込み領域28内に僅かではあるが入り込んでいるので、掛止片35、35は互いに近接離間し易くなっており、凹部39内でのカップCの縁の当り位置を調整することで、カップCの大小様々なサイズに適用可能になっている。
【0028】
掛止片41側は凹部45の左右方向の長さ寸法が小さくなっており、しかもその小さくなった凹部45内に板バネ状片47が延設されている。そのため、カップCの縁が入り込む際には、板バネ状片47はカップCの縁側の側面部に押されて、助線49を回動基端として外方に向かって回動し、図5に詳細に示すように、最終的には、カップCの縁側の側面部が凹部45の側縁45bと板バネ状片47のバネ面の間に挟み込まれた状態になる。そして、板バネ状片47はバネ特性により回動前に戻ろうとするので、カップCの縁側の側面部を内側からは側縁45bが押圧し、外側からは板バネ状片47のバネ面が押圧した状態になる。すなわち、カップCの縁側の側面部をホルダー17がホールドした状態になる。
【0029】
一対の板バネ状片47、47の位置関係から、カップCの縁側の側面部を互いに交差する二つの方向でホールドするので、このホールドにより、掛止片41、41がカップCに対して位置決めされる。この位置決めにより、掛止片35、35側もカップCに対して、押込み領域28が押し込まれた状態で位置決めされる。
これにより、曲げ誘導線32、32、33、33が曲げ起点となって外方に張り出して、それぞれが円形の直交する2直線上またはその近傍に位置して、開口縁51側の帯状領域27に固着された袋体3の開口縁51が円環状に矯正される。曲げ誘導線32、32、33、33のうち、特に曲げ誘導線32、32で山折り線にはならず角状の折り目がきっちりと付かないので、円環状に矯正することが可能になっている。
ホルダー17の素材がコシを有し、且つ、帯状領域27は上下方向にある程度の幅寸法を有するので、開口縁51が円環状に開口した状態は湯を注いでいる間中安定的に保持される。
【0030】
従って、湯を開口の中央からそっと注ぎ、徐々にらせん状にしながら、袋体3の内面側のコーヒー粉Pに対してもその全周にわたって万遍なく注いでいくことができる。
コーヒー粉Pを抽出し終わった後は、帯状領域27を持ち上げるだけで、カップCから抽出用バッグ1を容易に取り外すことができる。
【0031】
抽出用バッグ1は、一袋分の包材シート5を連続して長尺とした包材シートにすれば、既存のサイドフックタイプと同様に被充填物を充填しながら縦横シールする製袋充填装置を利用して製造できる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
すなわち、ホルダー17の形状やサイズはその期待されている機能を果たす限りにおいて設計の変更が可能である。
また、曲げ誘導線等は、ミシン目や切れ目を利用したものに限定されず、包材シートを部分的に薄くことによっても形成可能である。
【符号の説明】
【0033】
1…抽出用バッグ 3…袋体
5…包材シート 7…二つ折り辺 9…側面
11、13、15…辺縁 17…ホルダー
19…二つ折り線 21…上辺縁 23…ミシン目
25…側辺縁 27…帯状領域 28…押込み領域
27a、27b、27c…拡開領域 29…切込み
31…折り線 31a…切れ目 31b…連続部
32…曲げ誘導線 32a…切れ目 32b…連続部
33…曲げ誘導線 33a…切れ目 33b…連続部
35…掛止片 35a…上縁 35b…側縁
37…連係領域 39…凹部 39a…天縁
39b…側縁 41…掛止片 41a…上縁
41b…側縁 43…連係領域 45…凹部
45a…天縁 45b…側縁 47…板バネ状片
47a…上縁 47b…先縁 47c…下縁
49…助線 49a…切れ目 49b…連続部
51…開口縁
P…コーヒー粉 C…カップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6