IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社インタニヤの特許一覧

特開2024-85760撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構
<>
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図1
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図2
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図3
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図4
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図5
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図6
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図7
  • 特開-撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085760
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】撮影機材用水準器、撮影機材用ライト、撮影機材用システムにおける回転機構
(51)【国際特許分類】
   G01C 9/28 20060101AFI20240620BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240620BHJP
【FI】
G01C9/28
G03B17/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200468
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】510067038
【氏名又は名称】株式会社インタニヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正己
【テーマコード(参考)】
2H105
【Fターム(参考)】
2H105EE16
2H105EE21
(57)【要約】
【課題】 撮影機材に簡便に着脱可能であり、水平の確認がしやすい水準器を提供すると共に、周囲の照明も可能な照明機能を合わせて提供すること。
【解決手段】 撮影機材のネジ穴に着脱可能な撮影機材用水準器1であって、ベース体10と着脱本体20とから構成され、ベース体には、ネジ穴に螺着するためのネジ部11と、ネジ部の上面に形成される第1磁着部12とを含み、着脱本体には、第1磁着部と磁着し、第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能な第2磁着部22と、第2磁着部の上方に形成される水準器部21とを含み、撮影機材にベース体を螺着した状態で、着脱本体が着脱可能であることを特徴とする撮影機材用水準器を提供する。合わせて、周囲に光線を照射するライト部を含む撮影機材用ライトを合わせて提供することもできる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影機材のネジ穴に着脱可能な撮影機材用水準器であって、ベース体と着脱本体とから構成され、
該ベース体には、
ネジ穴に螺着するためのネジ部と、
該ネジ部の上面に形成される第1磁着部とを含み、
該着脱本体には、
該第1磁着部と磁着し、第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能な第2磁着部と、
第2磁着部の上方に形成される水準器部とを含み、
該撮影機材に該ベース体を螺着した状態で、該着脱本体が着脱可能である
ことを特徴とする撮影機材用水準器。
【請求項2】
前記撮影機材用水準器の前記着脱本体には、
周囲に光線を照射するライト部を備える
請求項1に記載の撮影機材用水準器。
【請求項3】
前記第1磁着部にリング状の磁石を備え、
該第1磁着部が円形の外形形状を有し、
前記第2磁着部は、該外形形状に対応する円形の凹形状を成し、
該凹形状内に第1着磁部を嵌合したときに該第2着磁部が第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能である
請求項1又は2に記載の撮影機材用水準器。
【請求項4】
前記水準器部には
水準器部を照明する水準器照明手段を備える
請求項1又は2に記載の撮影機材用水準器。
【請求項5】
撮影機材のネジ穴に着脱可能な撮影機材用水準器と撮影機材用ライトとから成る撮影機材用システムであって、
共通のベース体を用い、該ベース体には、
ネジ穴に螺着するためのネジ部と、
該ネジ部の上面に形成される第1磁着部とを含み、
該撮影機材用水準器に備える着脱本体には、
該第1磁着部と磁着し、該第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能な第2磁着部と、
該第2磁着部の上方に形成される水準器部とを含み、
該撮影機材用ライトに備えるライト着脱本体には、
該第1磁着部と磁着する第3磁着部と、
該第3磁着部の上方に形成される周囲に光線を照射するライト部を含み、
該撮影機材に該ベース体を螺着した状態で、該撮影機材用水準器と該撮影機材用ライトとを交換可能に着脱自在である、
ことを特徴とする撮影機材用システム。
【請求項6】
前記ベース体と前記ライト着脱本体との間に配設される延長アーム体であって、
全長方向の曲がり又は長さを変化させた状態で維持可能なフレキシブルアームと、
該フレキシブルアームの一端に前記ベース体と連結する第1連結部と、
該フレキシブルアームの他端に前記ライト着脱本体と連結する第2連結部と
を備える延長アーム体を備えた、
請求項5に記載の撮影機材用システム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三脚やリグ等の撮影機材などに装着する撮影機材用水準器、撮影機材用ライトと、撮影機材用システムに係り、特にその回転機構に関する。
【背景技術】
【0002】
三脚やリグ等の撮影機材にカメラを設置したときに雲台等の水平を確認するために様々な水準器が知られている。古くから液体の中に水泡を含み、その水泡が中心に来た時に水平を判断する方法が採られている。水準器は一般的な建築作業用などの他、カメラによる撮影時にも水平を確認するために用いられている。
【0003】
特に近年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)用動画や、パノラマ画像、3次元画像を撮影する場合において、特に正確な水平を確認しながら撮影する必要性が高まっており、簡便に使用できる水準器が求められている。
【0004】
特許文献1には、三脚に装着することができる固定部材を有し、この固定部材に、撮影中心確認手段と、水平確認手段である水準器が取り付けられた構成が開示されており、三脚に取り付ける固定部材であるリグの側面に水準器が直接付属されたものが開示されている。水準器はリグと一体化された構成である。
【0005】
特許文献2には、測量用三脚の脚頭であって、その水平台の上面外周部に水準器を内蔵した構成が開示されている。本文献も水準器は直接付属したものであり、着脱することはできない。
【0006】
特許文献3には、出願人により撮影機材等の様々な機材に簡便に着脱可能な水準器が提案されている。この水準器は、気泡を含み液体で内部が満たされた円筒形の水準器であって、上面には、気泡の位置で水平を確認するためのマーカーと、底面には、円筒形の円周に沿って下方向に凸設した円環状リブ部、及び底面の中心から下方向に突設したネジ体とを備え、円環状リブ部の下面を、マーカーの水平となるように形成したことにより、ネジ体を撮影機材に螺嵌した際に撮影機材の水平を確認できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11-160815
【特許文献2】実登3021356
【特許文献3】特開2021-89216
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、撮影機材に簡便に着脱可能であり、水平の確認がしやすい水準器を提供すると共に、周囲の照明も可能な照明機能を合わせて提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は次のような撮影機材用水準器を提供する。
すなわち、本発明の第1の実施態様によれば、撮影機材のネジ穴に着脱可能な撮影機材用水準器であって、ベース体と着脱本体とから構成され、ベース体には、ネジ穴に螺着するためのネジ部と、ネジ部の上面に形成される第1磁着部とを含み、着脱本体には、第1磁着部と磁着し、第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能な第2磁着部と、第2磁着部の上方に形成される水準器部とを含み、撮影機材にベース体を螺着した状態で、着脱本体が着脱可能であることを特徴とする撮影機材用水準器を提供する。
【0010】
本発明の第2の実施態様によれば、上記の撮影機材用水準器の着脱本体には、周囲に光線を照射するライト部を備える構成でもよい。
【0011】
本発明の第3の実施態様によれば、上記の第1磁着部にリング状の磁石を備え、第1磁着部が円形の外形形状を有し、上記の第2磁着部は、外形形状に対応する円形の凹形状を成し、凹形状内に第1着磁部を嵌合したときに第2着磁部が第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能である構成でもよい。
【0012】
本発明の第4の実施態様によれば、上記の水準器部には水準器部を照明する水準器照明手段を備えることもできる。
【0013】
本発明は次のように、撮影機材のネジ穴に着脱可能な撮影機材用水準器と撮影機材用ライトとから成る撮影機材用システムを提供することができる。
本システムでは、共通のベース体を用い、ベース体には、ネジ穴に螺着するためのネジ部と、ネジ部の上面に形成される第1磁着部とを含む。撮影機材用水準器に備える着脱本体には、第1磁着部と磁着し、第1磁着部に対して水平面で相対的に回転可能な第2磁着部と、第2磁着部の上方に形成される水準器部とを含む。また、撮影機材用ライトに備えるライト着脱本体には、第1磁着部と磁着する第3磁着部と、第3磁着部の上方に形成される周囲に光線を照射するライト部を含み、撮影機材にベース体を螺着した状態で、撮影機材用水準器と撮影機材用ライトとを交換可能に着脱自在であることを特徴とする。
【0014】
さらに第6の実施態様によれば、上記のシステムにおいて、上記のベース体とライト着脱本体との間に配設される延長アーム体を提供することもできる。
すなわち、全長方向の曲がり又は長さを変化させた状態で維持可能なフレキシブルアームと、フレキシブルアームの一端にベース体と磁着する第1連結部と、フレキシブルアームの他端にライト着脱本体と連結する第2連結部とを備える延長アーム体を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮影機材にネジで簡便に着脱できると共に回転させることで、正確に水平を確認可能な撮影機材用水準器を提供することができる。また、周囲に光線を照射する照明機材用ライトを交換可能な撮影機材用システムを提供することができる。
【0016】
撮影機材にすでに備えられているネジに螺嵌するので、水準器やライトを取り付けることが予定されていない機材に取り付けることができる。
【0017】
特に、動画撮影時カメラの位置水平の確認がしやすいのはもとより、水平から上下に、あるいは上下から水平の位置までカメラを戻す撮影を簡単に行うことができる。
また、ベース体と着脱本体とは磁石で固定されているだけなので、取り付け位置を変える事により、簡単に水平垂直を確認する事ができる。
【0018】
最近のカメラでは中にデジタル水準器を内蔵するものも提供されているが、アナログの水準器は格段に視認性が良く、直感的な把握が可能である。さらに、動画撮影の現場では頻繁に照明が消える場合も多く有り、その際には蓄光シート等の光により、暗闇でも容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る撮影機材用水準器の斜視図である。
図2】本発明に係る撮影機材用水準器の正面図である。
図3】本発明に係る撮影機材用水準器の断面図である。
図4】本発明に係る撮影機材用水準器の平面図である。
図5】本発明に係る撮影機材用ライトの斜視図である。
図6】本発明に係る撮影機材用ライトの断面面である。
図7】延長アーム体を示す図である。
図8】延長アーム体の使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
(第1実施例)
本発明は、三脚やリグ等の撮影機材に装着する撮影機材用水準器を提供する。撮影機材には3/8-16UNC(インチ)の大ネジ、1/4-20UNC(インチ)の小ネジの2種のネジ穴が採用されている。特にリグには、カメラやマイクなどを様々な位置に取り付けることができるように、多数のネジ穴が開けられている。本実施例では、撮影機材のネジ穴に対応する1/4-20UNC(インチ)のネジを備えた構成で説明する。
【0021】
本発明はこのネジ穴を活用して、水準器を随意の位置に螺嵌できるようにする。図1は、水準器(1)の斜視図、図2は正面図、図3は断面図、図4は平面図である。
【0022】
水準器(1)は、ベース体(10)と着脱本体(20)とから構成され、それぞれに設ける第1磁着部と第2磁着部との磁着作用により着脱可能である。ベース体(10)を撮影機材に螺着した上で、着脱本体(20)を回転させて水準器部(21)を確認できるように構成している。以下詳述する。
【0023】
ベース体(10)には、ネジ穴に螺着するためのネジ部(11)と、ネジ部(11)の上面に形成される第1磁着部(12)とを備える。第1磁着部(12)は略円筒形であって、略円筒形の中にリング状の磁石(13)を嵌設している。磁石(13)が嵌設される円柱部分の下部には着脱本体(20)の下端面が接する鍔部(14)が形成されている。
さらに、第1着磁部の下端面の中心からネジ部(10)が突設している。
【0024】
磁石は厚みが約4mmであり、好ましい厚みとしては1mmないし6mmである。ベース体(10)の外径は14mmである。本発明の好ましい大きさとして、他の機材と抵触せず、ネジ部(11)を回しやすい形状を考慮すると共に、リグ等のネジの取付が1インチを基準としていることから、外径は10mmないし25mm(又は1インチ未満)の範囲が好ましい。
【0025】
リング状の磁石(13)の内側には中心円部に嵌合する凸部(15)が凸設され、少なくともネジ部(11)と共回りする該凸部(15)には六角穴が形成されている。従って、ベース体(10)をきちんと固定したい場合には六角レンチを用いて締め付けることができる。六角穴の代わりにプラス穴又はマイナス穴など任意の締め付け用穴などでもよい。
【0026】
着脱本体(20)には、第1磁着部(12)と磁着する第2磁着部(22)と、第2磁着部の上方に形成される水準器部(21)とから構成される。
第2磁着部(22)は第1磁着部の円形の外形形状に対応する円形の凹形状部分(23)を有し、凹形状部分(23)に第1着磁部(12)を嵌合したときに着脱本体(20)が第1磁着部(12)に対して水平面で相対的に回転可能である。
【0027】
凹形状部分(23)は、滑らかに回転を支持するための滑動部(24)と、磁石(13)と磁着する磁性体である金属円盤(25)を備え、金属円盤(25)が中央のネジ(26)で第2磁着部(22)筐体に固定されている。
【0028】
本発明において水準器部(21)には、気泡管水平器を用いることが好ましい。気泡管水平器は、アクリル管やガラス管などに液体と一緒に1つの気泡が封入されている構造であり、一方向において気泡の位置でその方向の水平を視認することができる。一方向では、丸形水平器(円形の平面において中央の基準線内に気泡が入ることで、360度の傾きを確認出来る水平器)よりも正確に確認できる利点がある。
【0029】
そして本発明では着脱本体(20)が自在に回転できるので、様々な方向に合わせて水準器部(21)を確認することができ、正確な水平測定に寄与するものである。
例えば、動画撮影の際に三脚上で水平を出してから、斜め上や斜め下からチルトして水平位置で止めるようなカメラワークの時、水準器で気泡を見ながら動かすことで的確に画面構成を行うことができる。磁着作用による適度なテンションで水準器の向きも容易に調整することができる。
【0030】
水準器部(21)の大きさは長さ24mmであり、そのうち気泡管水平器の内部が見えるカバー部分は20mmである。他の機材と抵触せず、気泡管水平器が十分に見やすいサイズとして水準器部(21)の長さは20mmないし35mmの範囲が好ましい。
【0031】
本発明において、第1着磁部と第2着磁部は相互に磁着作用があればよく、磁石をどちらに設けてもよく、あるいは両方に設けてもよい。また、磁石はリング状ではなく円盤状、角形などいかなる形状でもよい。
第2磁着部(22)と第1磁着部(12)とが嵌合する上記構成は最も好ましいが、嵌合せずに磁着作用によって水平面内で回転できる構成でもよい。
【0032】
第2磁着部(22)の側面はローレット加工を行ってローレット部(27)を形成し、回しやすく構成することができる。
【0033】
水準器部(21)の下方、第2磁着部(22)の上面には蓄光シートを貼付して水準器部を照明する発光面(28)を水準器照明手段備える。暗室や夜間などの暗い環境でも水準器が確認できると共に、撮影の邪魔になるときには着脱本体(20)ごと取り外せばよく、簡便に使用することができる。
水準器照明手段としては夜光性又は蓄光性の塗料やシート、蓄光プラスチック、反射材料、又はLEDを用いた自発光の照明手段を備えてもよい。
【0034】
(第2実施例)
図5は、本発明に係る撮影機材用ライトの斜視図、図6はその断面面である。
ライト(3)は、ベース体(10)とライト着脱本体(30)とから構成され、それぞれに設ける第1磁着部と第2磁着部との磁着作用により着脱可能である。ベース体(10)を撮影機材に螺着した上で、ライト着脱本体(30)を回転させてライトの向きを自在に変えられるように構成している。以下詳述する。
【0035】
ベース体(10)は第1実施例と共通であり、ネジ穴に螺着するためのネジ部(11)と、ネジ部(11)の上面に形成される第1磁着部(12)とを備える。第1着磁部(12)は略円筒形であって、略円筒形の中にリング状の磁石(13)を嵌設している。磁石(13)が嵌設される円柱部分の下部にはライト着脱本体(30)の下端面が接する鍔部(14)が形成されている。
さらに、第1着磁部の下端面の中心からネジ部(10)が突設している。
【0036】
ライト着脱本体(30)には、第1磁着部(12)と磁着する第3磁着部(32)と、第3磁着部の上方に形成されるライト部(31)とから構成される。
第3磁着部(32)は第1磁着部の円形の外形形状に対応する円形の凹形状部分(33)を有し、凹形状部分(33)に第1着磁部(12)を嵌合したときにライト着脱本体(30)が第1磁着部(12)に対して水平面で相対的に回転可能である。
【0037】
凹形状部分(33)は、滑らかに回転を支持するための滑動部(34)と、磁石(13)と磁着する磁性体である金属円盤(35)を備え、金属円盤(35)が中央のネジ(36)で第3磁着部(32)筐体に固定されている。
【0038】
ライト着脱本体(30)内部には、ボタン電池(37)と、LEDを備えた発光回路基板(38)、外部に照射するレンズ(39)とを配設している。ライト着脱本体(30)は上部(40)と下部(41)との嵌合によって構成され、ボタン電池(37)の交換時は上部(40)及び(41)を取り外して交換する。
【0039】
ライト着脱本体(30)の上面にはスイッチ(42)が設けられ、スイッチの押下によってボタン電池(37)との接点が操作されて、発光、消灯の切換を行うことができる。
なおスイッチの位置は任意であり、例えばベース体(10)に嵌合させると発光するように構成したり、発光後、所定の時間で自動消灯するようにしてもよい。
【0040】
本実施例ではスイッチ(42)に蓄光プラスチックを採用し、暗い環境でもスイッチ位置が分かるようにしている。スイッチの照明手段として、夜光性又は蓄光性の塗料やシート、反射材料、又はLEDを用いた自発光の手段を備えてもよい。
【0041】
以上の構成によって、ライト部(31)からの光の照射を滑らかに、自由に向きを変えることが可能となり、暗い撮影現場において手元灯や他の機材の照明などに利用することができる。
【0042】
本発明は、ベース体(10)を共用して、撮影機材用水準器と撮影機材用ライトとを交換可能に用いることのできる撮影機材用システムとして提供することができる。
【0043】
上記システムにはさらに、ベース体(10)とライト着脱本体(30)との間に配設される延長アーム体を提供することもできる。延長アーム体は、全長方向の曲がり又は長さを変化させた状態で維持可能なフレキシブルアームを用いる。
フレキシブルアームの一端にはベース体(10)と連結する第1連結部と、他端にはライト着脱本体(30)と連結する第2連結部とを備える。
【0044】
具体的にはベース体(10)の第1磁着部(12)と磁着する第4磁着部を第1連結部として備えることができる。第4磁着部の構造は、上記第2磁着部(22)や第3磁着部(32)と同様とすることもできる。
【0045】
第2連結部には、ライト着脱本体(30)の第3磁着部(32)に対応する第5磁着部を形成することができる。第5磁着部の構造は、上記第1磁着部(12)と同様とすることもできる。
以上の構成により、ベース体(10)を螺着してしっかりと撮影機材に構成した上で、使用場所、照射したい場所に応じて延長アーム体を用い、本システムの撮影機材用ライトを任意の場所に固定することができる。
【0046】
ベース体の別実施例として、図7及び図8に示す延長アーム体(50)を用いることもできる。延長アーム体(50)はフレキシブルアーム(51)と、その一端には第3連結部(52)、他端に第4連結部(53)を備える。
第3連結部(52)にはベース体(10)のネジ部(11)が螺合するネジ穴が設けられ、ベース体(10)を着脱可能にしている。
【0047】
また第4連結部(53)には、連結片(60)の上部ネジ(61)が螺合するネジ穴が設けられ、中間プレート(62)を介して下方に突出する下部ネジ(63)を撮影機材のネジ穴に螺着して固定する。本構成により、ライト着脱本体(30)などを自由な位置に設置することができる。
【0048】
(第3実施例)
本発明の撮影機材用水準器には周囲に光線を照射するライト部を備えることもできる。
本構成の説明には、第2実施例の撮影機材用ライトの上面に水準器を備える構成とすれば容易に理解することができる。
【0049】
図5に示すライト着脱本体(30)では上面にスイッチ(42)を設けたが、当該部分に、丸形水平器を備えることもできる。この時、ライト部(31)の光が丸形水平器も下から照明するようにしてもよい。
【0050】
水準器として、気泡管水平器を用いることももちろん可能である。すなわち第2実施例のライト部(31)の上に、第1実施例の着脱本体(20)を組み合わせるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 撮影機材用水準器
10 ベース体
11 ネジ部
12 第1磁着部
13 磁石
14 鍔部
20 着脱本体
21 水準器部
22 第2磁着部
23 凹形状部分
24 滑動部
25 金属円盤
26 ネジ
27 ローレット部
28 発光面
3 撮影機材用ライト
30 ライト着脱本体
31 ライト部
32 第3磁着部
33 凹形状部分
34 滑動部
35 金属円盤
36 ネジ
37 ボタン電池
38 発光回路基板
39 レンズ
40 上部
41 下部
42 スイッチ
50 延長アーム体
51 フレキシブルアーム
60 連結片

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8