(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085762
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】電気所の受変電設備及びその建設方法
(51)【国際特許分類】
H02B 7/00 20060101AFI20240620BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H02B7/00
H02B3/00 B
H02B3/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200471
(22)【出願日】2022-12-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ガルバリウム鋼板
(71)【出願人】
【識別番号】391004920
【氏名又は名称】東北電機製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 智章
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐規
(72)【発明者】
【氏名】今野 祥大
(72)【発明者】
【氏名】平塚 建
(57)【要約】
【課題】建設における手間が低減され、建設に要する工期が短縮される電気所の受変電設備を提供すること。
【解決手段】電気所の受変電設備は、建屋及び装置群を備える。建屋は、複数のコンテナハウスを備え、建屋では、複数のコンテナハウスが互に対して結合される。装置群は、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置から構成され、建屋の内部では、複数の装置が複数のコンテナハウスに分割されて収納される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナハウスを備え、前記複数のコンテナハウスが互に対して結合される建屋と、
複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置から構成され、前記建屋の内部において前記複数の装置が前記複数のコンテナハウスに分割されて収納される装置群と、
を具備する、電気所の受変電設備。
【請求項2】
前記装置群は、前記複数の受変電機器が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた受変電機器ユニットを備え、
前記複数のコンテナハウスの1つは、前記受変電機器ユニットが内部に収納される受変電機器用ハウスである、
請求項1の受変電設備。
【請求項3】
前記装置群は、前記複数の配電盤が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた配電盤ユニットを備え、
前記複数のコンテナハウスの1つは、前記配電盤ユニットが内部に収納される配電盤用ハウスである、
請求項1又は2の受変電設備。
【請求項4】
複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置を、複数のコンテナハウスに分割して設置することと、
前記複数の装置が分割されて設置された前記複数のコンテナハウスを、互いに対して分離された状態で、電気所に搬送することと、
前記電気所において搬送された前記複数のコンテナハウスを互いに対して結合することにより、建屋を組立てるとともに、前記建屋の内部に前記複数の装置を収納することと、
を具備する、電気所の受変電設備の建設方法。
【請求項5】
前記複数のコンテナハウスを前記電気所に搬送する前において、前記複数の装置の性能試験を行うことをさらに具備する、請求項4の建設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気所の受変電設備及びその建設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所、開閉所及び発電所等の電気所では、受変電設備での電圧変換によって高い電圧を低下してから、電圧を低下させた電気が受変電設備から送電される。非特許文献1の受変電設備では、建屋の内部に配電盤室が形成され、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む受変電設備で必要となる複数の装置が、配電盤室に配置される。
【0003】
前述のような受変電設備の建設では、電気所の敷地内に建屋を建築する。そして、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む装置を、工場から電気所に輸送し、搬送された複数の装置を、建屋の内部の配電盤室に設置する。そして、建屋の内部に設置された複数の装置を、ケーブル等を介して電気的に接続するとともに、建屋の内部の複数の装置を、ケーブル等を介して建屋の外部の装置等と電気的に接続する。そして、複数の装置が電気的に接続された状態で、複数の装置の性能試験を行い、複数の装置のそれぞれについて動作確認が行われる。そして、複数の装置についての動作確認を行った後、発電所等から電力を供給する電力系統に、受変電設備が接続され、受変電設備の運用が開始される。
【0004】
前述のような電気所の受変電設備では、建設における手間を低減し、建設に要する工期を短縮することが、求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】澤根 慧,千葉 孝,“電気所新設・改良工事における現地工事省力化に向けたコンテナ形キュービクルの開発”,電気評論2020年12月号,電気評論社,2020年12月17日,P56-P59
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、建設における手間が低減され、建設に要する工期が短縮される電気所の受変電設備、及び、その受変電設備の建設方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明のある態様では、電気所の受変電設備は、複数のコンテナハウスを備え、前記複数のコンテナハウスが互いに対して結合される建屋と、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置から構成され、前記建屋の内部において前記複数の装置が前記複数のコンテナハウスに分割されて収納される装置群と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建設における手間が低減され、建設に要する工期が短縮される電気所の受変電設備、及び、その受変電設備の建設方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態における電気所での受変電設備の建設後の状態の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態における電気所での受変電設備の建設後の状態の
図1とは別の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態において、ある種類の受変電設備の建屋の内部を、高さ方向の上側から視た状態で示す概略図である。
【
図4】
図4は、実施形態において、
図3とは別のある種類の受変電設備の建屋の内部を、高さ方向の上側から視た状態で示す概略図である。
【
図5】
図5は、実施形態において、電気所で適用される電力系統の一例を示す単線結線図である。
【
図6】
図6は、実施形態の受変電設備において建屋を形成する複数のコンテナハウスの1つの内部構成の一例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態の受変電設備に設けられる受変電機器ユニットの構成の一例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態の受変電設備において建屋を形成する複数のコンテナハウスの
図6とは別の1つの内部構成の一例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態の受変電設備の建設において、複数のコンテナハウスのある1つを搬送している状態を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
実施形態等では、変電所、開閉所及び発電所等の電気所で用いられる受変電設備が、提供される。ある一例では、受変電設備は、配電用変電所において用いられる。この場合、受変電設備での電圧変換によって、66kVの電圧が、6kVの電圧に低下する。そして、6kVに電圧を低下させた電気が、配電線を通して、配電用変電所から送電される。
【0012】
図1は、電気所における受変電設備1の建設後の状態の一例を示し、
図2は、電気所における受変電設備1の建設後の状態の
図1とは別の一例を示す。
図1の一例では、電気所の敷地内に2種類の受変電設備1A,1Bが建設され、
図2の一例では、電気所の敷地内に1種類の受変電設備1Aが建設される。受変電設備1A,1Bを含む受変電設備1では、鉛直方向に相当する高さ方向(矢印Zで示す方向)、鉛直方向に対して交差する(直交又は略直交する)第1の水平方向に相当する横方向(矢印Yで示す方向)、及び、鉛直方向及び第1の水平方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)第2の水平方向に相当する奥行方向(矢印Xで示す方向)が、規定される。
【0013】
受変電設備1は、架台2を備える。ある一例では、高さ方向に沿った架台2の寸法は、1500mm程度となり、別のある一例では、高さ方向に沿った架台2の寸法は、2000mm程度となる。受変電設備1では、架台2上に、建屋3が設置される。このため、建屋3は、高さ方向に沿った架台2の寸法だけ、地面から鉛直上側に離れて建設される。なお、建屋3でも、受変電設備1と同様に、高さ方向、横方向及び奥行方向が、規定される。
【0014】
また、実施形態では、建屋3は、複数のコンテナハウスCを備え、建屋3では、複数のコンテナハウスCが互に対して結合される。
図1及び
図2の一例では、受変電設備1のそれぞれの建屋3において、複数のコンテナハウスCは、奥行方向に並んだ状態で、互い対して結合される。受変電設備1Aでは、3つのコンテナハウスC1~C3を結合することにより、建屋3が組立てられる。そして、受変電設備1Bでは、2つのコンテナハウスC1,C2を結合することにより、建屋3が組立てられる。したがって、コンテナハウスC1,C2は、受変電設備1A,1Bに共通して用いられ、コンテナハウスC3は、受変電設備1Aのみに用いられる。なお、コンテナハウスCのそれぞれの壁部は、例えば、不燃性及び高い断熱性を有するパネル、及び、ガルバリウム鋼板等の耐久性の高い金属サイディングから形成される。また、受変電設備1Aでは、壁部は、コンテナハウスC1,C3に取付けられ、受変電設備1Bでは、壁部は、コンテナハウスC1,C2に取付けられる。
【0015】
図3は、ある種類の受変電設備1Aの建屋3の内部を示し、
図4は、
図3とは別のある種類の受変電設備1Bの建屋3の内部を示す。
図3及び
図4は、高さ方向の上側から視た状態で、建屋3の内部を概略的に示す。
図3及び
図4等に示すように、受変電設備1では、建屋3の内部に、配電盤室5が形成される。建屋3の内部の配電盤室5には、装置群10が収納される。装置群10は、受変電設備1において必要となる複数の装置から構成される。受変電設備1では、装置群10を構成する複数の装置は、複数のコンテナハウスCに分割されて、建屋3の内部に収納される。
【0016】
装置群10を構成する複数の装置は、複数の受変電機器及び複数の配電盤を備える。複数の受変電機器は、遮断器及び開閉器等の電力系統の主回路に配置される機器を含む。また、複数の配電盤は、電力系統の主回路に配置されず、主回路の状態の監視及び制御等に用いられる。複数の配電盤は、短絡及び地絡等から機器を保護する保護リレー装置、主回路における電気の流れ等を監視及び制御する監視制御装置、及び、これらの装置に付帯する装置を含む。
【0017】
図5は、電気所である配電用変電所において適用される電力系統の一例を単線結線図で示す。
図5は、
図1の一例のように2種類の受変電設備1A,1Bが電気所に建設される場合について、単線結線図が示される。また、
図5では、電力系統の主回路に相当する部分のみを示し、主回路の状態の監視及び制御に用いられる機器等は省略して示す。このため、受変電設備1A,1Bの建屋3に収納される装置群10の中で複数の配電盤に相当する装置等は、
図5において省略される。また、
図5の一例では、破線α1で囲まれた範囲が、受変電設備(第1の受変電設備)1Aの建屋3の内部に収納され、破線α2で囲まれた範囲が、受変電設備(第2の受変電設備)1Bの建屋3の内部に収納される。そして、破線α1,α2のいずれにも囲まれていない範囲は、受変電設備1A,1Bの建屋3の外部に配置される。
【0018】
図5の一例では、受変電設備1Aに対応して変圧部分11Aが、受変電設備1Bに対応して変圧部分11Bが、それぞれ、変圧部分11として設けられる。変圧部分11のそれぞれは、変圧器20、変圧器一次側部分21及び変圧器二次側部分22を備える。変圧部分11のそれぞれは、変圧器20によって、変圧器一次側部分21の高い電圧の電気が降圧されて、変圧器二次側部分22に供給される。例えば、変圧器一次側部分21において66kVとなる電気が、変圧器20によって6kVに降圧され、変圧器二次側部分22に供給される。変圧部分11Aでは、変圧器20及び変圧器一次側部分21は、受変電設備1Aの建屋3の外部に配置され、変圧器二次側部分22は、受変電設備1Aの建屋3の内部に収納される。そして、変圧部分11Bでは、変圧器20及び変圧器一次側部分21は、受変電設備1Bの建屋3の外部に配置され、変圧器二次側部分22は、受変電設備1Bの建屋3の内部に収納される。
【0019】
変圧部分11のそれぞれでは、変圧器一次側部分21は、変流器23及び遮断器25を備える。また、変圧部分11のそれぞれでは、変圧器二次側部分22は、変流器26、遮断器27及び避雷器28を備える。受変電設備1のそれぞれでは、変流器26、遮断器27及び避雷器28のそれぞれは、建屋3の内部に収納される受変電機器であり、建屋3の内部に収納される前述の装置群10の一部を構成する。
【0020】
また、
図5の一例では、変圧部分11Aに一次側の電気(例えば66kVの電気)を送電する送電線部分12A、及び、変圧部分11Bに一次側の電気を送電する送電線部分12Bが、それぞれ、送電線部分12として設けられる。送電線部分12のそれぞれは、断路器31,32、遮断器33及び変流器34を備える。また、送電線部分12A,12Bは、一次側母線13を間に介して、互いに対して電気的に接続される。一次側母線13は、変圧部分11Aと送電線部分12Aとの間において、変圧部分11Aへの電気経路に接続され、変圧部分11Bと送電線部分12Bとの間において、変圧部分11Bへの電気経路に接続される。一次側母線は、例えば、66kV母線である。
【0021】
また、
図5の一例では、受変電設備1Aの建屋3の内部を通って、母線36Aが延設され、受変電設備1Bの建屋3の内部を通って、母線36Bが延設される。母線36A,36Bのそれぞれは、例えば、6kV母線である。また、
図5の一例では、受変電設備1Aの建屋3の内部に、母線連絡部分15Aが収納され、受変電設備1Bの建屋3の内部に、母線接続部分15Bが収納される。母線連絡部分15Aは、母線連絡遮断器37を備え、母線36Aの一部及び母線連絡遮断器37から構成される。母線接続部分15Bは、母線36Bの一部から構成される。母線36Aは、母線連絡遮断器37を介して、母線36Bに電気的に接続される。
【0022】
また、受変電設備1Aの建屋3の内部では、変圧部分11Aの変圧器二次側部分22が母線36Aに電気的に接続され、受変電設備1Bの建屋3の内部では、変圧部分11Bの変圧器二次側部分22が母線36Bに電気的に接続される。そして、受変電設備1Aでは、母線連絡遮断器37は、建屋3の内部に収納される受変電機器であり、建屋3の内部に収納される前述の装置群10の一部を構成する。
【0023】
図5の一例では、電気所の所内へ電源を供給するための所内変圧部分16として、所内変圧部分16A,16Bが設けられる。そして、
図5の一例では、配電線部分17として、複数の配電線部分17A、及び、複数の配電線部分17Bが設けられる。所内変圧部分16A及び複数の配電線部分17Aのそれぞれは、受変電設備1Aの建屋3の内部に収納され、受変電設備1Aの建屋3の内部では、所内変圧部分16A及び複数の配電線部分17Aのそれぞれは、母線36Aに接続される。また、所内変圧部分16B及び複数の配電線部分17Bのそれぞれは、受変電設備1Bの建屋3の内部に収納され、受変電設備1Bの建屋3の内部では、所内変圧部分16B及び複数の配電線部分17Bのそれぞれは、母線36Bに接続される。
【0024】
所内変圧部分16のそれぞれは、所内変圧器38を備え、配電線部分17のそれぞれは、変流器41,42及び遮断器43を備える。受変電設備1のそれぞれでは、所内変圧部分16の所内変圧器38、及び、複数の配電線部分17の変流器41,42及び遮断器43のそれぞれは、建屋3の内部に収納される受変電機器であり、建屋3の内部に収納される前述の装置群10の一部を構成する。
【0025】
図6は、受変電設備1において建屋3を形成する複数のコンテナハウスの1つであるコンテナハウスC1の内部構成を示す。
図3、
図4及び
図6に示すように、受変電設備1のそれぞれでは、コンテナハウスC1の内部に、受変電機器ユニット50が配置及び収納される。したがって、コンテナハウスC1は、受変電機器ユニット50が収納される受変電機器用ハウスとなる。
【0026】
図7は、受変電機器ユニット50の構成の一例を示す。
図6及び
図7等に示すように、受変電設備1AにおいてコンテナハウスC1に収納される受変電機器ユニット50Aでは、前述した変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17が、1つのフレーム51に一体に組付けられ、1つのフレーム51の内部に一括して収納される。同様に、受変電設備1BにおいてコンテナハウスC1に収納される受変電機器ユニット50Bでは、前述した変圧器二次側部分22、母線接続部分15B、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17が、1つのフレーム51に一体に組付けられ、1つのフレーム51の内部に一括して収納される。
【0027】
受変電機器ユニット50Aでは、変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17のそれぞれが鉄の筐体に収納される構成である複数のキュービクルが設けられる構成とは異なり、変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17は、壁等によって互いに対して隔壁されず、互いに対して分離されていない。同様に、受変電機器ユニット50Bでは、変圧器二次側部分22、母線接続部分15B、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17は、壁等によって互いに対して隔壁されず、互いに対して分離されていない。
【0028】
前述のような構成であるため、受変電機器ユニット50Aでは、変流器26,41,42、遮断器27,43、母線連絡遮断器37及び所内変圧器38等の装置群10の一部を構成する複数の受変電機器が、互いに対して隔壁されることなく、フレーム51に一体に組付けられる。同様に、受変電機器ユニット50Bでも、装置群10の一部を構成する複数の受変電機器が、互いに対して隔壁されることなく、フレーム51に一体に組付けられる。したがって、受変電設備1のそれぞれでは、受変電機器用ハウスであるコンテナハウスC1の内部に、装置群10の一部を構成する複数の受変電機器が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた受変電機器ユニット50が、収納される。
【0029】
受変電機器ユニット50では、高さ方向、高さ方向に対して交差する(直交又は略直交する)前後方向、高さ方向及び前後方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向が、規定される。
図6の一例では、受変電設備1のそれぞれにおいて、受変電機器ユニット50は、前後方向が建屋3の奥行方向と一致又は略一致し、かつ、幅方向が建屋3の横方向と一致又は略一致する状態で、コンテナハウスC1に設置される。そして、受変電機器ユニット50は、高さ方向が建屋3の高さ方向と一致又は略一致する状態で、コンテナハウスC1の内部に収納される。また、受変電機器ユニット50のそれぞれでは、変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A(又は母線接続部分15B)、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17が、幅方向(建屋3の横方向)に並んで配置される。
【0030】
また、受変電機器ユニット50のそれぞれでは、1組の母線36A(又は36B)によって、変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A(又は母線接続部分15B)、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17が、電気的に接続される。そして、受変電機器ユニット50のそれぞれでは、変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A(又は母線接続部分15B)、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17が互に対して隔壁されていないため、母線36A(又は36B)は、フレーム51の内部を通って延設される。
【0031】
例えば、変圧器二次側部分22、母線連絡部分15A、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17のそれぞれが鉄の筐体に収納される構成、すなわち、複数のキュービクルが設けられる構成では、複数のキュービクルのそれぞれに対して1組ずつ母線が設けられる。そして、鉄の筐体の外部において、接続部材等を介して、複数の母線の間が接続され、複数のキュービクルの間が電気的に接続される。実施形態では、前述のように受変電機器ユニット50が形成されるため、母線連絡部分15A(又は母線接続部分15B)、所内変圧部分16及び複数の配電線部分17を母線36A(又は36B)によって接続する構成は、複数のキュービクルが設けられる構成とは、異なる。
【0032】
また、母線36A,36Bは、アルミニウム及び銅等の導電材料から形成可能である。ただし、母線36A,36Bを軽量化する観点から、母線36A,36Bは、アルミニウムから形成されることが好ましい。また、受変電機器ユニット50のそれぞれでは、フレーム51によって形成される前方側の面は、不燃性を有する透明なカバーから形成されることが好ましい。この場合、受変電機器ユニット50の前方側の面のカバーは、例えば、ポリカーボネート等から形成される。受変電機器ユニット50において前方側の面が透明に形成されることにより、受変電機器ユニット50において一体に組付けられる受変電機器の状態を、前方側から視認可能となる。また、受変電機器ユニット50では、一体に組付けられる受変電機器等は、前方側の面のカバー等によって、受変電機器ユニット50の外部に露出しない。
【0033】
図8は、受変電設備1において建屋3を形成する複数のコンテナハウスの
図6とは別の1つであるコンテナハウスC2の内部構成を示す。
図3、
図4及び
図8に示すように、受変電設備1のそれぞれでは、コンテナハウスC2の内部に、配電盤ユニット60が配置及び収納される。したがって、コンテナハウスC2は、配電盤ユニット60が収納される配電盤用ハウスとなる。
【0034】
図8等に示すように、受変電設備1のそれぞれにおいてコンテナハウスC2に収納される配電盤ユニット60では、複数の配電盤が、1つのフレーム61に一体に組付けられ、1つのフレーム61の内部に一括して収納される。したがって、配電盤ユニット60では、複数の配電盤のそれぞれが筐体に収納される構成とは異なり、複数の配電盤は、壁等によって互いに対して隔壁されず、互いに対して分離されていない。すなわち、配電盤ユニット60では、複数の配電盤が、互いに対して隔壁されることなく、フレーム61に一体に組付けられる。そして、受変電設備1のそれぞれでは、配電盤用ハウスであるコンテナハウスC2の内部に、装置群10の一部を構成する複数の配電盤が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた配電盤ユニット60が、収納される。
【0035】
なお、
図8の一例では、配電盤ユニット60を構成する複数の配電盤として、送電線部分12の機器を保護する保護リレー装置62、送電線部分12を監視及び制御する監視制御装置63、変圧器20を含む変圧部分11について機器の保護に加えて監視及び制御等を行う制御保護装置(変圧器盤)65、複数の配電線部分17について機器の保護に加えて監視及び制御等を行う制御保護装置(配電線盤)66、所内変圧部分16について機器の保護に加えて監視及び制御等を行う所内盤67、及び、情報の伝送制御を行うインタフェース装置68を備える。
【0036】
また、配電盤ユニット60では、 高さ方向、高さ方向に対して交差する(直交又は略直交する)前後方向、高さ方向及び前後方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向が、規定される。
図8の一例では、受変電設備1A,1Bのそれぞれにおいて、配電盤ユニット60は、前後方向が建屋3の奥行方向と一致又は略一致し、かつ、幅方向が建屋3の横方向と一致又は略一致する状態で、コンテナハウスC2に設置される。そして、配電盤ユニット60は、高さ方向が建屋3の高さ方向と一致又は略一致する状態で、コンテナハウスC2の内部に収納される。また、配電盤ユニット60のそれぞれでは、保護リレー装置62、監視制御装置63、制御保護装置65,66、所内盤67及びインタフェース装置68が、幅方向(建屋3の横方向)に並んで配置される。
【0037】
また、受変電設備1Aにおいて建屋3を構成するコンテナハウスC3には、電気所において受変電設備1A,1Bで共用される装置(共通盤)が、収納される。受変電設備1Aでは、コンテナハウスC3の内部に収納される装置も、建屋3の内部に収納される前述の装置群10の一部を構成する。コンテナハウスC3に収納される装置としては、複数の受変電設備1についての情報を一括して送受信する通信機器、及び、複数の受変電設備1で共用される電源等が、挙げられる。なお、
図3の一例では、コンテナハウスC3の内部に、複数の受変電設備1で共用される装置が一体に組付けられた共通盤70も設置可能とする。
【0038】
前述のような受変電設備1を建設する際には、製造メーカの工場等の電気所の外部において、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置を、複数のコンテナハウスCに分割して設置する。この際、例えば、コンテナハウスC1に、受変電機器ユニット50が設置され、コンテナハウスC2に、配電盤ユニット60が設置される。そして、コンテナハウスCを電気所に搬送する前に、可能な範囲で必要な配線を行い、複数の装置を電気的に接続する。そして、コンテナハウスCを電気所に搬送する前に、製造メーカの工場等で、複数の装置の性能試験を可能な範囲で行う。この際、例えば、コンテナハウスC1に設置された受変電機器とコンテナハウスC2に設置された配電盤との間を電気的に接続する等して、性能試験が行われる。
【0039】
そして、複数の装置が分割されて設置された複数のコンテナハウスCを、互いに対して分離された状態で、電気所に搬送する。
図9は、複数のコンテナハウスCのある1つを搬送している状態を示す。
図9に示すように、電気所への複数のコンテナハウスCの搬送では、1台のトレーラ80に1つのコンテナハウスCを搭載して、搬送が行われる。このため、搬送するコンテナハウスCと同一の台数のトレーラ80を用いて、搬送が行われる。また、コンテナハウスCのそれぞれは、1台のトレーラ80に1つのコンテナハウスCが搭載可能な大きさに、形成される。したがって、1台のトレーラ80に1つのコンテナハウスCが搭載可能な大きさに、建屋3が複数のコンテナハウスCに分割される。なお、
図9では、コンテナハウスCの内部に設置される装置を省略して示す。
【0040】
受変電設備1の建設では、電気所の敷地内において、基礎工事を行った後に、架台2を建設する。そして、前述のようにして電気所に搬送された複数のコンテナハウスCを、架台2上に設置する。そして、架台2上において、複数のコンテナハウスCを互いに対して結合する。これにより、建屋3が組立てられるとともに、建屋3の内部に、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置が、収納される。そして、発電所等から電力を供給する電力系統に、建設した受変電設備1を連系することにより、受変電設備1の運用が開始される。なお、架台2は、必ずしも設けられる必要はなく、地盤上において、複数のコンテナハウスCを互いに対して結合し、建屋3が組立ててもよい。
【0041】
ここで、電気所の敷地内において土木工事及び建築工事によって建屋を建築した後に、複数の装置を電気所に搬送し、搬送された複数の装置を建築した建屋の内部に収納する場合を、比較例とする。実施形態では、複数のコンテナハウスCを互いに対して結合することにより建屋3が組付けられるため、比較例に比べて、建屋3を建設する手間が低減され、短時間で建屋3が建設される。また、複数のコンテナハウスCに複数の装置が分割して設置された状態で複数のコンテナハウスCが互い対して結合されるため、建屋3の組立てと並行して、建屋3の内部への複数の装置が収納される。すなわち、実施形態は、建屋を建築した後に、建築した建屋の内部に複数の装置を設置する比較例とは、異なる。このため、建屋3の内部に複数の装置を設置する手間等が低減される。
【0042】
また、実施形態では、複数の装置が分割されて設置された複数のコンテナハウスCを、互いに対して分離された状態で、電気所に搬送する。このため、複数の装置のそれぞれを電気所に搬送してから建屋の内部に設置する比較例等と比べて、実施形態では、複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置を電気所へ搬送する手間及びコスト等が、低減される。また、実施形態では、コンテナハウスC及び複数の装置を電気所に搬送する前に、必要な配線が行われるとともに、複数の装置の性能試験を可能な範囲で行う。このため、電気所において建屋3の内部に複数の装置が設置した後において、配線作業及び性能試験に要する手間及び時間等が、低減される。以上のように実施形態では、比較例等に比べて、受変電設備1の建設における手間が低減され、受変電設備1の建設に要する工期が短縮される。
【0043】
また、実施形態では、複数のコンテナハウスCに分割して複数の装置が設置されるため、電気所の仕様等に対応させて、複数のコンテナハウスCのそれぞれに配置される装置を柔軟かつ適宜に変更可能となる。
【0044】
また、実施形態では、受変電機器用ハウスであるコンテナハウスC1の内部に、複数の受変電機器が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた受変電機器ユニット50が、収納される。このため、変圧器二次側部分22及び母線連絡部分15A等の複数の部分のそれぞれが鉄の筐体に収納される構成である複数のキュービクルが設けられる構成に比べて、実施形態の構成では、鉄の筐体が設けられないことに起因して、軽量化される。また、鉄の筐体が設けられないことにより、建屋3の内部において受変電機器ユニット50が占めるスペースを、省スペース化可能となる。また、実施形態では、複数のキュービクルの間を連結する貫通ブッシング等の部品が、不要となる。これにより、使用部品が削減されるとともに、コストも削減可能なる。
【0045】
また、実施形態の受変電機器ユニット50では、複数の受変電機器は、互いに対して隔壁されていない。このため、受変電機器ユニット50では、1組の母線36A(又は36B)によって、変圧器二次側部分22及び配電線部分17等の複数の部分が、電気的に接続される。このため、複数のキュービクルが設けられる構成に比べて、母線の本数を削減可能であり、母線同士を接続する箇所を削減可能となる。また、受変電機器ユニット50を設けることにより、母線36A(又は36B)を外部に露出させることなく、変圧器二次側部分22及び配電線部分17等の複数の部分が、母線36A(又は36B)によって電気的に接続される。また、実施形態では、複数の受変電機器の間を連結する貫通ブッシング等の部品が、不要となる。これにより、使用部品が削減されるとともに、コストも削減可能なる。
【0046】
また、実施形態では、配電盤用ハウスであるコンテナハウスC2の内部に、複数の配電盤が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた配電盤ユニット60が、収納される。このため、複数の配電盤のそれぞれが筐体に収納される構成に比べて、実施形態の構成では、筐体が設けられないことに起因して、軽量化される。また、筐体が設けられないことにより、建屋3の内部において配電盤ユニット60が占めるスペースを、省スペース化可能となる。また、機能別にユニット単位で配電盤が配置されるため、配電盤ユニット60の使用を開始した後において、配電盤ユニット60の部分的な更新を容易に行うことが可能になる。
【0047】
また、実施形態のある一例の受変電設備1では、電気所の立地条件に対応させて、架台2上に、建屋3が設置される。このため、積雪、大雨による浸水、及び、津波等に対して、適切に対策が行われる。また、受変電設備1の建設において、想定される浸水の深さ等に対応させて、高さ方向に沿った架台2の寸法を、適宜に調整可能である。
【0048】
また、実施形態の一例では、建屋3の内部に収納される受変電機器ユニット50及び配電盤ユニット60等は、前面保守であること、すなわち、前方側からのみ点検等が可能である。また、前述した一例では、受変電機器ユニット50において前方側の面が透明に形成されることにより、受変電機器ユニット50において一体に組付けられる受変電機器の状態を、前方側から視認可能となる。このため、前面保守の構成において、受変電機器ユニット50の点検等を、適切かつ容易に行うことが可能となる。また、受変電機器ユニット50の前方側の面がカバーで覆われ、受変電機器が外部に露出しないため、主回路に配置される受変電機器への作業者等の接触が、有効に防止される。
【0049】
また、電気所では、建屋3の内部の装置と建屋3の外部の装置との間を接続するケーブルは、建屋3から外部に延出される。受変電設備1では、電力ケーブル及び制御ケーブルを含むケーブルは、前面の上部に配置する等して、建屋3の床面に貫通孔及びダクト等を形成することなく、建屋3の外部に延出されることが、好ましい。ある一例では、コンテナハウスCのいずれかの側壁の外表面に、T型のゴムモールドによる終端接続部が形成され、建屋3の内部の装置と建屋3の外部の装置との間を接続するケーブルは、終端接続部を介して、建屋3から外部に延出される。
【0050】
浸水対策等で床面に貫通孔等を形成しないため、建屋3の内部の装置と建屋3の外部の装置との間を接続する作業の作業性が、向上する。また、床面からケーブルを建屋3の外部に延出させないため、建屋3の内部の装置と建屋3の外部の装置とを接続するケーブルにおいて、導電部分の露出を防止可能となる。これにより、作業等における安全性が、向上する。また、床面に貫通孔等が形成されないことにより、建屋3の内部への小動物の侵入等が、有効に抑制される。
【0051】
また、建屋3の内部に配置される装置、すなわち、装置群10を構成する装置へのケーブルの接続は、原則的にはコネクタ接続であることが好ましい。これにより、ケーブルの設置作業及び接続作業における手間等が、さらに低減される。
【0052】
建屋3の内部の装置と建屋3の外部の装置との間を接続する制御ケーブルは、中継端子台を経由して延設されることが、好ましい。この場合、外部からのサージを対策する構成が、中継端子台に設けられることが、保安上好ましい。
【0053】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0054】
1(1A,1B)…受変電設備、2…架台、3…建屋、5…配電盤室、10…装置群、
11(11A,11B)…変圧部分、20…変圧器、21…変圧器一次側部分、22…変圧器二次側部分、15A…母線連絡部分、15B…母線接続部分、16(16A,16B)…所内変圧部分、17(17A,17B)…配電線部分、36A,36B…母線、37…母線連絡遮断器、50…受変電機器ユニット、60…配電盤ユニット、C(C1~C3)…コンテナハウス。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナハウスを備え、前記複数のコンテナハウスが互に対して結合される建屋と、
前記複数のコンテナハウスのそれぞれに1つずつ配置される状態に、前記建屋の内部において前記複数のコンテナハウスに分割されて収納される複数の装置ユニットと、
を具備し、
前記複数の装置ユニットのそれぞれは、フレームと、互に対して隔壁されることなく前記フレームに一体に組付けられる複数の装置と、を備え、
前記複数の装置ユニットの1つは、複数の受変電機器が、前記複数の装置として、互に対して隔壁されることなく、前記フレームに一体に組付けられる受変電器ユニットであり、
前記受変電器ユニットでは、前記複数の受変電機器が互に対して隔離されないことにより、変圧器二次側部分、母線連絡部分又は母線接続部分、所内変圧部分、及び、複数の配電線部分が、互に対して隔壁されない状態で形成される、
電気所の受変電設備。
【請求項2】
前記複数の装置ユニットの前記受変電器ユニットとは別の1つは、複数の配電盤が、前記複数の装置として、互に対して隔壁されることなく、前記フレームに一体に組付けられる配電盤ユニットである、
請求項1の受変電設備。
【請求項3】
複数の装置ユニットのそれぞれにおいて、複数の装置が互に対して隔壁されることなくフレームに一体に組付けられる状態に、前記複数の装置ユニットの形成することと、
複数のコンテナハウスのそれぞれに1つずつ配置される状態に、形成した前記複数の装置ユニットを、前記複数のコンテナハウスに分割して設置することと、
前記複数の装置ユニットが分割されて設置された前記複数のコンテナハウスを、互に対して分離された状態で、電気所に搬送することと、
前記電気所において搬送された前記複数のコンテナハウスを互に対して結合することにより、建屋を組立てるとともに、前記建屋の内部に前記複数の装置ユニットを収納することと、
を具備し、
前記複数の装置ユニットの形成では、前記複数の装置として複数の受変電機器を、互に対して隔壁されることなく、前記フレームに一体に組付けることにより、前記複数の装置ユニットの1つとして受変電器ユニットを形成し、
前記受変電器ユニットの形成では、前記複数の受変電機器を互に対して隔離しないことにより、前記受変電器ユニットにおいて、変圧器二次側部分、母線連絡部分又は母線接続部分、所内変圧部分、及び、複数の配電線部分が、互に対して隔壁されない状態を形成する、
電気所の受変電設備の建設方法。
【請求項4】
前記複数のコンテナハウスを前記電気所に搬送する前において、前記複数の装置ユニットの性能試験を行うことをさらに具備する、請求項3の建設方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明のある態様では、電気所の受変電設備は、複数のコンテナハウスを備え、前記複数のコンテナハウスが互いに対して結合される建屋と、前記複数のコンテナハウスのそれぞれに1つずつ配置される状態に、前記建屋の内部において前記複数のコンテナハウスに分割されて収納される複数の装置ユニットと、を備える。前記複数の装置ユニットのそれぞれは、フレームと、互に対して隔壁されることなく前記フレームに一体に組付けられる複数の装置と、を備える。前記複数の装置ユニットの1つは、複数の受変電機器が、前記複数の装置として、互に対して隔壁されることなく、前記フレームに一体に組付けられる受変電器ユニットである。前記受変電器ユニットでは、前記複数の受変電機器が互に対して隔離されないことにより、変圧器二次側部分、母線連絡部分又は母線接続部分、所内変圧部分、及び、複数の配電線部分が、互に対して隔壁されない状態で形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、実施形態では、建屋3は、複数のコンテナハウスCを備え、建屋3では、複数のコンテナハウスCが互に対して結合される。
図1及び
図2の一例では、受変電設備1のそれぞれの建屋3において、複数のコンテナハウスCは、奥行方向に並んだ状態で、互い対して結合される。受変電設備1Aでは、3つのコンテナハウスC1~C3を結合することにより、建屋3が組立てられる。そして、受変電設備1Bでは、2つのコンテナハウスC1,C2を結合することにより、建屋3が組立てられる。したがって、コンテナハウスC1,C2は、受変電設備1A,1Bに共通して用いられ、コンテナハウスC3は、受変電設備1Aのみに用いられる。なお、コンテナハウスCのそれぞれの壁部は、例えば、不燃性及び高い断熱性を有するパネル、及び、ガルバリウム鋼板
(登録商標)等の耐久性の高い金属サイディングから形成される。また、受変電設備1Aでは、壁部は、コンテナハウスC1,C3に取付けられ、受変電設備1Bでは、壁部は、コンテナハウスC1,C2に取付けられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
以下、付記を記載する。
[1]複数のコンテナハウスを備え、前記複数のコンテナハウスが互に対して結合される建屋と、
複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置から構成され、前記建屋の内部において前記複数の装置が前記複数のコンテナハウスに分割されて収納される装置群と、
を具備する、電気所の受変電設備。
[2]前記装置群は、前記複数の受変電機器が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた受変電機器ユニットを備え、
前記複数のコンテナハウスの1つは、前記受変電機器ユニットが内部に収納される受変電機器用ハウスである、
[1]の受変電設備。
[3]前記装置群は、前記複数の配電盤が互に対して隔壁されることなく一体に組付けられた配電盤ユニットを備え、
前記複数のコンテナハウスの1つは、前記配電盤ユニットが内部に収納される配電盤用ハウスである、
[1]又は[2]の受変電設備。
[4]複数の受変電機器及び複数の配電盤を含む複数の装置を、複数のコンテナハウスに分割して設置することと、
前記複数の装置が分割されて設置された前記複数のコンテナハウスを、互いに対して分離された状態で、電気所に搬送することと、
前記電気所において搬送された前記複数のコンテナハウスを互いに対して結合することにより、建屋を組立てるとともに、前記建屋の内部に前記複数の装置を収納することと、
を具備する、電気所の受変電設備の建設方法。
[5]前記複数のコンテナハウスを前記電気所に搬送する前において、前記複数の装置の性能試験を行うことをさらに具備する、[4]の建設方法。