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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008577
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】車載装置、通信方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/133 20060101AFI20240112BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20240112BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G08G1/133
G08G1/005
G01C21/26 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110556
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅彦
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129EE21
2F129EE38
2F129EE43
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF19
2F129FF26
2F129FF57
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC12
5H181MA50
(57)【要約】
【課題】車両の運転者が安心して待ち合わせの相手を待つことができるとともに、待ち合わせ相手が自身を迎えに来た車両を認識させ易くする。
【解決手段】車両に搭載される車載装置であって、携帯端末から送信される第1信号を受信すると、前記車両に設置された出力装置から合図を出力させるとともに、前記合図の様態の情報を含む第2信号を、前記携帯端末に送信する制御部を備える、車載装置とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
携帯端末から送信される第1信号を受信すると、前記車両に設置された出力装置から合図を出力させるとともに、前記合図の様態の情報を含む第2信号を、前記携帯端末に送信する制御部を備える、
車載装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1信号の受信強度が閾値以上である場合、前記車両に設置された前記出力装置から前記合図を出力させるとともに、前記合図の様態の情報を含む前記第2信号を、前記携帯端末に送信する、請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1信号を受信して、前記出力装置から、所定の様態で前記合図を出力させた後に、前記携帯端末から前記合図の様態を変えるための情報を含む第3信号を受信すると、前記第3信号に基づいて変化させた様態の前記合図を前記出力装置から出力させるとともに、該変化させた前記合図の様態の情報を含む第4信号を前記携帯端末に送信する、請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
前記出力装置は前記車両に備えられたライトであり、前記合図の様態の情報は、前記出力装置が備える前記ライトの種類、前記ライトの点滅のパターン、前記ライトの発光色のうち、少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
情報を出力する出力インタフェースを備え、
前記制御部は、前記携帯端末から前記第1信号を受信すると前記出力インタフェースに、前記携帯端末が前記車両から所定の範囲に存在することを示す情報を出力させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項6】
情報の入力を受け付ける入力インタフェースを備え、
前記制御部は、前記携帯端末から前記第1信号を受信すると前記入力インタフェースに、前記出力装置から出力可能な複数の合図の様態のうちの1つの合図の様態の入力を受け付けさせ、前記出力装置から、受け付けた前記1つの合図の様態で、前記合図を出力させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項7】
情報の入力を受け付ける入力インタフェースを備え、
前記制御部は、前記入力インタフェースに、前記合図を出力するか否かの入力を受け付けさせ、前記入力インタフェースにより前記合図を出力する旨の入力を受け付けた場合、前記出力装置に、前記合図の出力させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項8】
車両に搭載される車載装置であって、
携帯端末から第1信号を受信すると、前記車両に設置された出力装置から出力可能な複数の合図の様態の情報を含む第2信号を前記携帯端末に送信し、
その後、前記携帯端末から、前記複数の合図の様態のうち1つの合図の様態の情報を含む第3信号を受信すると、前記出力装置から、前記第3信号に含まれる前記1つの合図の様態で、前記合図を出力させる制御部を備える、
車載装置。
【請求項9】
車両に搭載される車載装置であって、
携帯端末から合図の様態の情報を含む第1信号を受信すると、前記車両に搭載される出力装置から、前記第1信号に含まれる前記合図の様態で、前記合図を出力させる制御部を備える、
車載装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1信号を受信して、前記出力装置から、所定の様態で合図を出力させた後に、前記携帯端末から合図の様態を変えるための情報を含む前記第2信号を受信すると、前記第2信号に基づいて変化させた様態の前記合図を前記出力装置から出力させる、請求項2に記載の車載装置。
【請求項11】
車両に搭載される車載装置及び携帯端末を含む通信システムにおいて、
前記車載装置が、
前記携帯端末から送信される第1信号を受信し、
前記第1信号に応答して前記車両に設置された出力装置から合図を出力させるとともに、
前記合図の様態の情報を含む第2信号を、前記携帯端末に送信する、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道駅や施設などに、人を迎えに行く際、乗用車などの車両が使用されることがある。車両の運転者は、鉄道駅や施設などの近くの道路や駐車場に車両を停めて、人(待ち合わせ相手)を待機することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-156174号公報
【特許文献2】特開2007-72588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両で待ち合わせ相手を待機する際、車両の運転者は、待ち合わせ相手がいつ来るか分からないため、車両のドアのロックを解除した状態で待つことがある。車両のドアのロックを解除した状態は、セキュリティ面で不安な状況である。
【0005】
また、待ち合わせ相手は、道路や駐車場に停車する多くの車両から、自身を待つ運転者が乗車する車両(自身を迎えに来た車両)を探すことが求められる。しかし、形状や色が似た車両が多く停車している場合、自身を迎えに来た車両を判別することは難しい。
【0006】
開示の実施形態は、車両の運転者が安心して待ち合わせの相手を待つことができるとともに、待ち合わせ相手が自身を迎えに来た車両を認識させ易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、車両に搭載され、制御部を備える車載装置である。制御部は、携帯端末から送信される第1信号を受信すると、前記車両に設置された出力装置から合図を出力させるとともに、前記合図の様態の情報を含む第2信号を、前記携帯端末に送信する。制御部を備える。
【0008】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。なお、情報処理装置は、例えば、コンピュータである。コンピュータは、パソコンやサーバと呼ばれることもある。
【発明の効果】
【0009】
開示の実施形態は、車両の運転者が安心して待ち合わせの相手を待つことができるとともに、待ち合わせ相手が自身を迎えに来た車両を認識させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態の通信システムの構成例を示す図である。
図2図2は、車載装置100の構成例を示す図である。
図3図3は、携帯端末300の構成例を示す図である。
図4図4は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図5図5は、動作例1の車載装置100の動作フローの例を示す図である。
図6図6は、動作例1の携帯端末300の動作フローの例を示す図である。
図7図7は、動作例2の車載装置100の動作フローの例を示す図である。
図8図8は、動作例2の携帯端末300の動作フローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0012】
〔実施形態〕
(構成例)
図1は、本実施形態の通信システムの構成例を示す図である。本実施形態の通信システムは、車載装置100、携帯端末300を含む。車載装置100と携帯端末300とは、無線通信可能な範囲に存在する場合、通信可能に接続される。車載装置100は、乗用車などの車両10に搭載され、出力装置200等と接続される。出力装置200は、車両10に搭載される。本実施形態の通信システムは、車載装置100が搭載される車両10に、携帯端末300を携帯する利用者が接近すると、車載装置100が、接近を検出し、車両10に搭載される出力装置200に所定の合図を出力させる。車両10には、車両10を運転する運転者等の乗員が乗車しているとする。当該携帯端末300は、車載装置100において処理の対象となる携帯端末である。これにより、携帯端末300を携帯する利用者は、車両10を認識することができる。
【0013】
図2は、車載装置100の構成例を示す図である。車載装置100は、制御部102、記憶部104、入力部106、出力部108、通信IF(インタフェース)110を含む。制御部102、記憶部104、入力部106、出力部108、通信IF110は、互いに通信バスによって接続される。
【0014】
制御部102は、車載装置100全体の制御を行う。制御部102は、他の装置との通信を制御し、出力装置200等に対して、所定の指示を出す。
【0015】
記憶部104は、制御部102が使用するプログラムやデータを記憶し、作業領域を展開し、動作の設定情報などを記憶する。記憶部304は、本実施形態で処理対象となる携帯端末300を識別する識別情報を記憶する。
【0016】
入力部106は、利用者(乗員)による情報の入力を受け付ける入力手段である。入力部106は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル、カメラ、マイク等を含む。入力部106は、入力インタフェースの例である。
【0017】
出力部108は、利用者等に対して情報等を出力する出力手段である。出力部108は、文字情報、画像等を表示するディスプレイ、音響を出力するスピーカを含む。出力部108は、出力インタフェースの例である。
【0018】
通信IF110は、通信ネットワーク等を介して他の情報処理装置などとデータ等のやり取りを行う通信をする通信インタフェースである。通信IF110は、他の情報処理装置などと、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの
周知の無線通信規格により無線通信可能に接続され得る。また、通信IF110は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークに接続され、車両10に設けら
れる他の装置と通信し得る。ここで使用する無線通信規格は、Bluetooth(登録商標)とするが、無線通信規格は、Bluetoothに限定されるものではなく、他の無線通信規格が使用されてもよい。通信IF110は、通信部の例である。
【0019】
出力装置200は、車両10に搭載されるヘッドライト、テールライト、ウインカーライト、ルームライト、クラクション、スピーカ、ディスプレイなどの出力手段である。ヘッドライト、テールライト、ウインカーライト、ルームライト、クラクション、スピーカディスプレイなどは、所定の目的で車両10にあらかじめ備え付けられている装備である。出力装置200は、合図の出力のために新たに車両10に取り付けられるライトなどの出力手段を含んでもよい。例えば、出力装置200は利用者が車両10のダッシュボードの上などに置いたり、車両10のウィンドウに張り付けたりして設置することができる小型のライトであってもよい。出力装置200は、車載装置100からの指示に基づいて、点灯、消灯、音響出力等の所定の合図の出力を行うことができる。各種ライトによる合図の様態は、例えば、ライトの種類、点滅のパターン、発光色の項目のうち少なくとも1つによって示される。ライトの種類、点滅のパターン、発光色などの項目は、合図の様態を調整する項目である。点滅のパターンは、例えば、点灯の時間長、消灯の時間長によって表される。クラクション、スピーカによる合図の様態は、例えば、音響の種類、音量、時間長などの項目によって表される。合図の様態を調整する項目は、ここに記載したものに限定されるものではない。
【0020】
図3は、携帯端末300の構成例を示す図である。携帯端末300は、制御部302、記憶部304、入力部306、出力部308、通信IF(インタフェース)310を含む。制御部302、記憶部304、入力部306、出力部308、通信IF310は、互いに通信バスによって接続される。
【0021】
制御部302は、携帯端末300の全体の制御を行う。また、制御部102は、他の装置との通信を制御する。
【0022】
記憶部304は、制御部302が使用するプログラムやデータを記憶し、作業領域を展開し、動作の設定情報などを記憶する。
【0023】
入力部306は、利用者による情報の入力を受け付ける入力手段である。入力部306は、例えば、タッチパネル、カメラ、マイク、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン等を含む。
【0024】
出力部308は、利用者等に対して情報等を出力する出力手段である。出力部108は、文字情報、画像等を表示するディスプレイ、音響を出力するスピーカを含む。
【0025】
通信IF310は、通信ネットワーク等を介して他の情報処理装置などとデータ等のやり取りを行う通信をする通信インタフェースである。通信IF310は、他の情報処理装置などと、無線LAN、Bluetoothなどの周知の無線通信規格により無線通信可能に接続され得る。ここで使用する無線通信規格は、Bluetooth(登録商標)とするが、無線通信規格は、Bluetoothに限定されるものではなく、他の無線通信規格が使用されてもよい。通信IF310は、通信部の例である。
【0026】
車載装置100は、カーナビゲーション装置、PC(Personal Computer)、ワークス
テーション(WS、Work Station)のような専用または汎用のコンピュータなどのコンピュータを搭載した電子機器などを使用して実現可能である。また、携帯端末300は、ス
マートフォン、携帯電話、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)などのコンピュータを搭載した電子機器などを使用して実現可能である。
【0027】
図4は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図4に示す情報処理装置90は、一般的なコンピュータの構成を有している。車載装置100、携帯端末300は、図4に示すような情報処理装置90によって実現される。図4の情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。コンピュータのハードウェア構成は、図2に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0028】
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0029】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ
91は、単一のプロセッサに限定されるものではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一の制御部102がマルチコア構成であってもよい。プロセッサ91は、記憶部93に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器等の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を提供する。プロセッサ91は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用LSI(Large Scale Integration)、その他のデジタル回路
等を含んでもよい。
【0030】
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0031】
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク
ドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメデ
ィア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、補助記憶装置とも呼ばれる。
【0032】
記憶部93は、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に格納されてもよい。記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD等がある。
【0033】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他のコンピュータ、外部記憶装置等が含まれる。
【0034】
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロ
フォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0035】
出力部95は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パ
ネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0036】
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、有線通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。使用される無線通信規格として、Bluetooth(登録商標)、無線LANなどが使用され得る。
【0037】
車載装置100、携帯端末300を実現するコンピュータは、プロセッサが補助記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、各機能部としての機能を実現する。すなわち図2図3の各機能ブロックは、プロセッサによって実行されるソフトウェアアルゴリズムとして実装される。ただし、実施の形態はこれに限られず、機能ブロックの一部または全部が個別のハードウェア回路で実装されてもよい。
【0038】
(動作例1)
本実施形態の動作例1について説明する。ここでは、携帯端末300を携帯する利用者が、車載装置100を搭載する車両10と、車両10の外に存在する利用者との動作について説明する。動作例1では、車載装置100は、あらかじめ決められた合図の様態で、合図を出力させる。ここでは、車載装置100の動作フロー(図5)、携帯端末300の動作フロー(図6)を示す。
【0039】
〈車載装置の動作1〉
図5は、動作例1の車載装置100の動作フローの例を示す図である。車載装置100は、通信IF110を介して、携帯端末300等からの信号(電波)等の何等かの信号を受信している状態である。
【0040】
S101では、車載装置100の制御部102は、通信IF110を介して、携帯端末を含む他の情報処理装置などからの信号(電波)を受信したか否かを判定する。制御部102は、通信IF110を介して、無線による信号を受信できる状態で待機している。制御部102が通信IF110を介して信号を受信した場合(S101;YES)、処理がS102に進む。制御部102が通信IF110を介して信号を受信していない場合(S101;NO)、S101の処理を繰り返す。
【0041】
S102では、制御部102は、通信IF110を介して受信した信号に含まれる情報を、当該信号の受信強度とともに、記憶部104に格納する。当該信号の受信強度は、通信IF110において当該信号を受信した際の信号の強度である。制御部102は、受信した信号から、送信元の装置(携帯端末)を識別する識別情報(送信元の識別情報)を抽出する。制御部102は、抽出した識別情報が、記憶部104に格納される、処理対象の携帯端末300を識別する識別情報に含まれるか否かを判定する。本実施形態の処理対象の携帯端末300を識別する識別情報は、あらかじめ、記憶部104に格納されている。複数の処理対象の携帯端末300を識別する識別情報が、記憶部104に格納されていてもよい。記憶部104に格納される識別情報は、登録済みの識別情報ともいう。制御部102は、記憶部104に格納される登録済みの識別情報と、受信した信号から抽出した送
信元の識別情報とを比較する。制御部102は、送信元の識別情報が、登録済みの識別情報に含まれているか否かを確認する。送信元の識別情報が登録済みの識別情報に含まれている場合(S102;YES)、処理がS103に進む。送信元の識別情報が登録済みの識別情報に含まれていない場合(S102;NO)、処理がS101に進む。
【0042】
S103では、制御部102は、受信した信号の受信強度が閾値以上であるか否かを判定する。当該閾値は、あらかじめ、記憶部104に格納されている。受信した信号の受信強度が閾値以上であることは、携帯端末300が車載装置100を搭載する車両10の近傍(例えば、10m以内)に存在すること(車両10から所定の範囲に存在すること)を意味する。即ち、受信した信号の受信強度が閾値以上であることは、携帯端末300を携帯する利用者が車両10の近傍にいることを示す。また、受信した信号の受信強度が閾値未満であることは、携帯端末300が車載装置100を搭載する車両10の近傍に存在しないことを意味する。即ち、受信した信号の受信強度が閾値未満であることは、携帯端末300を携帯する利用者が車両10の近傍にいない(利用者が車両10から離れている)ことを示す。受信強度が閾値以上である場合(S103;YES)、処理がS104に進む。受信強度が閾値未満である場合(S103;NO)、処理がS101に進む。
【0043】
S104では、制御部102は、出力部108により、携帯端末300が車両10に接近していることを通知する。制御部102は、例えば、出力部108のディスプレイに、「識別情報AAAの端末が車両に近づいています」等の文字情報を表示させることにより、車両10の乗員(運転者など)に、携帯端末300が車両10に近づいていることを通知する。また、制御部102は、出力部108のスピーカに、「識別情報AAAの端末が車両に近づいています」等の音声を出力させることにより、車両10の乗員に、携帯端末300が車両10に近づいていることを通知してもよい。また、制御部102は、出力部108のスピーカに、所定の音響を出力させることにより、車両10の乗員に、携帯端末300が車両10に近づいていることを通知してもよい。また、あらかじめ、携帯端末300の識別情報と、携帯端末300の利用者を示す名称(氏名、ニックネームなど)を対応付けて記憶部104に格納しておき、制御部102は、上記の通知の際、携帯端末300の識別情報の代わりに、当該名称を使用してもよい。これにより、車両10の乗員は、携帯端末300を携帯する利用者が車両に近づいていることを認識することができる。通知を認識した乗員は、車両10のドアロックを解除して、携帯端末300を携帯する利用者を待機してもよい。この場合、当該利用者は、スムーズに車両10に乗り込むことができる。
【0044】
S105では、制御部102は、車両10の出力装置200から出力する合図の様態の情報を含む信号を、通信IF110を介して、携帯端末300に送信する。当該信号には、例えば、送信元の車載装置100を識別する識別情報、宛先の携帯端末300を識別する識別情報が含まれる。出力装置200から出力する合図の様態の情報は、あらかじめ、記憶部104に格納されている。制御部102は、出力装置200から出力する合図の様態の情報を、記憶部104から取得する。出力装置200から出力する合図の様態は、例えば、使用するライトの種類、点滅のパターン、発光色などによって表される。通知される具体的な合図の様態は、例えば、「ライトの種類:ヘッドライト、点滅のパターン:1秒間発光・1秒間消灯の3回繰り返し、発光色:白色」などである。また、合図の様態は、「クラクションを1秒間鳴らす」等の音響を出力するものであってもよい。出力装置200から出力する合図の様態は、これらに限定されるものではなく、携帯端末300を携帯する利用者が、車両10の外側から、車両10を認識できるものであればよい。
【0045】
S106では、制御部102は、通信IF110を介して、出力装置200に、合図の出力を行わせる。出力する合図の様態は、S105で記憶部104から取得した合図の様態の情報に基づくものである。例えば、取得した合図の様態の情報が、「ライトの種類:
ヘッドライト、点滅のパターン:1秒間発光・1秒間消灯の3回繰り返し、発光色:白色」である場合、制御部102は、次のようにする。即ち、制御部102は、出力装置200に、ヘッドライトを1秒間点灯させ、その後1秒間消灯させることを3回繰り返すことを指示する。出力装置200は、制御部102からの指示に基づいて、ヘッドライトを点灯、消灯を行う。これにより、合図の出力が行われる。
【0046】
これにより、携帯端末300を携帯する利用者が車両10に近づくと、車載装置100は、自動的に、所定の合図の様態で、合図の出力を行う。車両10の近傍に存在する携帯端末300を携帯する利用者は、車両10における合図の出力を認識することで、車両10を容易に発見することができる。
【0047】
〈携帯端末の動作1〉
図6は、動作例1の携帯端末300の動作フローの例を示す図である。携帯端末300は、車両10に乗車しようとする利用者に携帯されているものとする。
【0048】
S201では、携帯端末300の制御部302は、通信IF310を介して、自身を識別する識別情報を含む信号(電波)を送信する。当該信号は、図5のS101で、車両10の車載装置100に受信される信号である。制御部302は、例えば、所定のタイミング(例えば20ms毎など一定の時間間隔)で自動的に信号(電波)を送信してもよいし、他の不定期なタイミングで送信してもよい。例えば、Bluetoothにおいては相手側機器を探すために一定の時間間隔でアドバタイズパケットを送信するブロードキャストが行われることがある。S201において、制御部302によって行われる信号の送信は、このブロードキャストであってもよい。制御部302は例えば利用者の操作に応じて信号(電波)を送信してもよい。利用者は例えば自分が乗車しようとしている車両10が停車していると思われる地点の近くに来ると、携帯端末300に備えられた入力インタフェース(例:ボタン、タッチパネル等)を操作して所定の入力を行う。制御部302はこの入力を受けて信号(電波)を送信する。
【0049】
S202では、制御部302は、通信IF310を介して、他の情報処理装置などからの信号(電波)を受信したか否かを判定する。制御部302は、通信IF310を介して、無線による信号を受信できる状態で待機している。制御部302が通信IF310を介して信号を受信した場合(S202;YES)、処理がS203に進む。制御部302が通信IF310を介して信号を受信していない場合(S202;NO)、処理がS201に進む。
【0050】
S203では、制御部302は、通信IF310を介して受信した信号に含まれる情報を、記憶部304に格納する。制御部302は、受信した信号から、送信元の装置を識別する識別情報、宛先の装置を識別する識別情報を抽出する。制御部102は、抽出した宛先の識別情報が、自身の識別情報(携帯端末300の識別情報)と一致するか否かを確認する。抽出した宛先の識別情報が自身の識別情報と一致する場合、受信した信号は、携帯端末300宛ての信号である。さらに、抽出した宛先の識別情報が自身の識別情報と一致する場合、制御部102は、受信した信号が車両10の出力装置200から出力する合図の様態の情報を含むか否かを判定する。受信した信号が車両10の出力装置200から出力する合図の様態の情報を含む場合、受信した信号は、図5のS105で送信された信号である。受信した信号が車両10の出力装置200から出力する合図の様態の情報を含む場合(S203;YES)、処理がS204に進む。受信した信号が車両10の出力装置200から出力する合図の様態の情報を含まない場合(S203;NO)、処理がS201に進む。また、抽出した宛先の識別情報が自身の識別情報と一致しない場合、出力する合図の様態の情報を含まない場合(S203;NO)と同様に、処理がS201に進む。
【0051】
S204では、制御部302は、出力部308により、車両10の出力装置200から出力する合図の様態を通知する。制御部302は、例えば、出力部308のディスプレイに、「ライトの種類:ヘッドライト、点滅のパターン:1秒間発光・1秒間消灯の3回繰り返し、発光色:白色」等の文字情報を表示させることにより、携帯端末300の利用者に、合図の様態を通知する。また、制御部302は、出力部308のスピーカに、「ライトの種類:ヘッドライト、点滅のパターン:1秒間発光・1秒間消灯の3回繰り返し、発光色:白色」等の音声を出力させることにより、携帯端末300の利用者に、合図の様態を通知してもよい。また、制御部302は、出力部108のスピーカに、所定の音響を出力させることにより、携帯端末300の利用者に、合図の様態を通知してもよい。このとき、車両10では、合図の様態に基づいた、合図の出力が行われる。これにより、携帯端末300の利用者は、車両10の出力装置200から出力する合図の様態を認識することができる。携帯端末300の利用者は、通知される合図の様態の情報を手掛かりにして、通知された合図の様態で合図を出力する、目的の車両10を容易に見つけることができる。
【0052】
〈変形例1-1〉
S105において、制御部102が携帯端末300を携帯する利用者が車両10に接近していることを通知した際、車両10の乗員に、合図の出力を行うか否かを選択させてもよい。このとき、制御部102は、出力部108のディスプレイに、合図の出力を行うか否かを選択させる画面を表示させる。制御部102は、例えば、出力部108のディスプレイに、「合図の出力を行いますか。(はい)(いいえ)」等の文字情報を表示させる。また、制御部102は、入力部106により、利用者による「はい」または「いいえ」の情報の入力を受け付ける。利用者による入力は、例えば、入力部106のタッチパネルによる選択、入力部106のキーボードによる入力によって行われる。制御部102は、「はい」の入力が行われた場合(「合図の出力を行う」ことが選択された場合)、S105、S106の処理を行う。また、制御部102は、「いいえ」の入力が行われた場合(「合図の出力を行わない」ことが選択された場合)、S105、S106の処理を行わない。これにより、携帯端末300を携帯する利用者が車両10に接近した際に、合図の出力を行うか否かを、車両10の乗員が選択することができる。
【0053】
〈変形例1-2〉
S105において、制御部102が携帯端末300を携帯する利用者が車両10に接近していることを通知した際、車両10の乗員に、出力する合図の様態を選択させてもよい。このとき、制御部102は、出力部108のディスプレイに、複数の合図の様態から1つを選択させる画面を表示させる。選択可能な合図の様態(出力装置200で実行可能な合図の様態)の情報は、あらかじめ、記憶部104に格納されている。制御部102は、例えば、出力部108のディスプレイに、「(1)ヘッドライト、1秒間点灯1秒間消灯を3回繰り返し、白色/(2)テールライト、3秒間点灯、赤色/(3)ルームライト、5秒間点灯、電球色」等の文字情報を表示させる。「(1)ヘッドライト、1秒間点灯1秒間消灯を3回繰り返し、白色/(2)テールライト、3秒間点灯、赤色/(3)ルームライト、5秒間点灯、電球色」は、合図の様態の選択肢である。(1)乃至(3)のそれぞれの内容は、順に、ライトの種類、点滅のパターン、発光色である。また、制御部102は、入力部106により、車両10の乗員による「1」「2」または「3」の情報の入力を受け付ける。車両10の乗員は、所望の合図の様態を選択することができる。車両10の乗員による入力は、例えば、入力部106のタッチパネルによる選択、入力部106のキーボードによる入力によって行われる。制御部102は、入力された(選択された)合図の様態に基づいて、S105、S106の処理を行う。これにより、車両10の乗員は、携帯端末300を携帯する利用者が車両10に接近した際に、出力する合図の様態を選択することができる。ここでは、携帯端末300を携帯する利用者が車両10に接近した際に、出力する合図の様態を選択するとしたが、あらかじめ、出力する合図の様態を選
択できるようにしてもよい。この場合、携帯端末300を携帯する利用者が車両10に接近した際、制御部102は、あらかじめ選択された合図の様態で、出力装置200に合図を出力させる。あらかじめ選択しておくことで、毎回選択をする煩わしさが低減される。
【0054】
(動作例2)
本実施形態の動作例2について説明する。ここでは、携帯端末300を携帯する利用者が、車載装置100を搭載する車両10と、車両10の外に存在する利用者との動作について説明する。動作例2では、車載装置100は、携帯端末300から指定された合図の様態で、合図を出力させる。ここでは、車載装置100の動作フロー(図7)、携帯端末300の動作フロー(図8)を示す。
【0055】
〈車載装置の動作2〉
図7は、動作例2の車載装置100の動作フローの例を示す図である。車載装置100は、通信IF110を介して、携帯端末300等からの信号(電波)等の何等かの信号を受信している状態である。
【0056】
S301、S302、S303、S304は、それぞれ、図5のS101、S102、S103、S104と同様である。
【0057】
S305では、制御部102は、車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を含む信号を、通信IF110を介して、携帯端末300に送信する。当該信号には、例えば、送信元の車載装置100を識別する識別情報、宛先の携帯端末300を識別する識別情報が含まれる。出力装置200から出力することができる合図の様態の情報は、あらかじめ、記憶部104に格納されている。合図の様態の情報は、複数の合図の様態を含む。制御部102は、出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を、記憶部104から取得する。合図の様態の情報は、例えば、「(1)ヘッドライト、1秒間点灯1秒間消灯を3回繰り返し、白色/(2)テールライト、3秒間点灯、赤色/(3)ルームライト、5秒間点灯、電球色」等である。(1)乃至(3)のそれぞれの内容は、順に、ライトの種類、点滅のパターン、発光色である。「(1)ヘッドライト、1秒間点灯1秒間消灯を3回繰り返し、白色/(2)テールライト、3秒間点灯、赤色/(3)ルームライト、5秒間点灯、電球色」は、携帯端末300において利用者に選択させる合図の様態の選択肢である。
【0058】
S306では、制御部102は、通信IF110を介して、携帯端末300から、合図の様態の情報を含む信号を受信したか否かを判定する。当該信号には、送信元の携帯端末300を識別する識別情報、宛先の車載装置100を識別する識別情報、携帯端末300で選択された合図の様態の情報が含まれる。制御部102が携帯端末300から合図の様態の情報を含む信号を受信した場合(S306;YES)、処理がS307に進む。制御部102が携帯端末300から合図の様態の情報を含む信号を受信していない場合(S306;NO)、S306の処理を繰り返す。即ち、制御部102は、合図の様態の情報を含む信号を待機する。制御部102は、所定時間を経過しても合図の様態の情報を含む信号を受信しない場合、処理をS301に進めてもよい。
【0059】
S307では、制御部102は、受信した信号から、合図の様態の情報を抽出する。制御部102は、通信IF110を介して、出力装置200に、合図の出力を行わせる。出力する合図の様態は、受信した信号から抽出した合図の様態の情報に基づくものである。例えば、抽出した合図の様態の情報が、「ライトの種類:ヘッドライト、点滅のパターン:1秒間発光・1秒間消灯の3回繰り返し、発光色:白色」である場合、制御部102は、次のようにする。即ち、制御部102は、出力装置200に、ヘッドライトを1秒間点灯させ、その後1秒間消灯させることを3回繰り返すことを指示する。出力装置200は
、制御部102からの指示に基づいて、ヘッドライトを点灯、消灯を行う。これにより、携帯端末300で選択された合図の様態で合図の出力が行われる。
【0060】
〈携帯端末の動作2〉
図8は、動作例2の携帯端末300の動作フローの例を示す図である。携帯端末300は、車両10に乗車しようとする利用者に携帯されているものとする。
【0061】
S401、S402は、それぞれ、図6のS201、S202と同様である。
【0062】
S403では、制御部302は、通信IF310を介して受信した信号に含まれる情報を、記憶部304に格納する。制御部302は、受信した信号から、送信元の装置を識別する識別情報、宛先の装置を識別する識別情報を抽出する。制御部102は、抽出した宛先の識別情報が、自身の識別情報(携帯端末300の識別情報)と一致するか否かを確認する。抽出した宛先の識別情報が自身の識別情報と一致する場合、受信した信号は、携帯端末300宛ての信号である。さらに、抽出した宛先の識別情報が自身の識別情報と一致する場合、制御部102は、受信した信号が車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を含むか否かを判定する。受信した信号が車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を含む場合、受信した信号は、図7のS305で送信された信号である。受信した信号が車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を含む場合(S403;YES)、処理がS404に進む。受信した信号が車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を含まない場合(S403;NO)、処理がS401に進む。一方、抽出した宛先の識別情報が自身の識別情報と一致しない場合、車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を含まない場合(S403;NO)と同様に、処理がS401に進む。
【0063】
S404では、制御部302は、受信した信号から車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を抽出する。車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報は、複数の合図の様態を含む。制御部302は、出力部308のディスプレイに、当該複数の合図の様態から1つを選択させる画面を表示させる。制御部302は、例えば、出力部308のディスプレイに、「(1)ヘッドライト、1秒間点灯1秒間消灯を3回繰り返し、白色/(2)テールライト、3秒間点灯、赤色/(3)ルームライト、5秒間点灯、電球色」等の文字情報を表示させる。「(1)ヘッドライト、1秒間点灯1秒間消灯を3回繰り返し、白色/(2)テールライト、3秒間点灯、赤色/(3)ルームライト、5秒間点灯、電球色」は、合図の様態の選択肢である。(1)乃至(3)のそれぞれの内容は、順に、ライトの種類、点滅のパターン、発光色である。これにより、携帯端末300の利用者は、車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態を認識することができる。
【0064】
S405では、制御部302は、入力部306により、利用者による「1」「2」または「3」の情報の入力を受け付ける。利用者は、所望する合図の様態を選択することができる。利用者による入力は、例えば、入力部306のタッチパネルによる選択、入力部306のキーボードによる入力によって行われる。制御部302は、入力された(選択された)合図の様態の情報を、記憶部304に格納する。また、制御部102は、この時利用者によって選択された合図の様態を通知する画像を、出力部308のディスプレイに、表示させてもよい。例えば、制御部302は、出力部308のディスプレイに、車両10を模した画像のヘッドライトが、合図の様態と同じように点滅するようなアニメーションを表示させる。なお、携帯端末の動作1で説明したのと同様に、車両10を模した画像は、一般的な車両の外形を線画で簡略化して表現したものでもよいし、実写画像やCG(Computer Graphics)などを用いて実際の車両10を忠実に表現したものでもよい。こうした
画像は、携帯端末300の記憶部304にあらかじめ格納しておいてもよい。また、こうした画像は、車載装置100の記憶部104に格納しておいて、S105で、合図の様態を表す情報とともに、車載装置100から携帯端末300に送信し、S203で携帯端末300の記憶部304に格納してもよい。選択肢の入力が行われた場合(S405;YES)、処理がS406に進む。選択肢の入力が行われていない場合(S405;NO)、S405の処理を繰り返す。
【0065】
S406では、制御部302は、S405で選択された合図の様態の情報を含む信号を、通信IF310を介して、車載装置100に送信する。当該信号には、例えば、送信元の携帯端末300を識別する識別情報、宛先の車載装置100を識別する識別情報が含まれる。当該信号は、図7のS306で受信される信号である。これにより、車載装置100に選択された合図の様態が通知され、車載装置100において、当該合図の様態で合図の出力が行われる。携帯端末300の利用者は、選択した合図の様態を手掛かりにして、選択した合図の様態で合図を出力する、目的の車両10を容易に見つけることができる。
【0066】
〈変形例2-1〉
S305で送信される信号は、S301で受信した信号の受信強度の情報を含んでもよい。この場合、S404で、携帯端末300の制御部302は、出力部308のディスプレイに、当該受信強度に基づく、携帯端末300から車両10までの距離を示す情報を表示させる。当該受信強度と当該距離との間には、当該受信強度が大きくなるほど、当該距離が小さくなるという関係がある。制御部302は、当該関係に基づいて、当該距離を算出することができる。携帯端末300の利用者は、当該表示により、携帯端末300から車両10までの距離を認識することができる。
【0067】
〈変形例2-2〉
S401で送信される信号は、携帯端末300の利用者が所望する合図の様態の情報を含んでもよい。この場合、S301で受信される信号は、携帯端末300の利用者が所望する合図の様態の情報を含む。さらに、記憶部304には、あらかじめ、車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報が格納されている。また、制御部302は、記憶部304から車両10の出力装置200から出力することができる合図の様態の情報を抽出する。さらに、制御部302は、S404乃至S406と同様にして、合図の様態を含む信号を、車載装置100に送信する。また、このとき、車載装置100はS305の処理を省略し、携帯端末300はS403の処理を省略する。また、S306では、S301で受信した信号より、合図の様態の情報を抽出する。これにより、車載装置100は、携帯端末300の利用者によってあらかじめ選択された合図の様態で、合図の出力を行うことができる。
【0068】
〈変形例2-3〉
車載装置100は、S106やS307で所定の様態で合図を出力しているとき、または出力した後、携帯端末300から合図の様態を変えるための情報を含む信号を受信したとき、当該合図の様態を変えるための情報に基づいて変化させた様態で合図を出力させてもよい。合図の様態を変えるための情報は、新たな合図の様態を示す情報でもよいし、単に合図の様態を変えることを指示する情報でもよい。後者の場合、車載装置100は先に出力していた合図の様態と異なる任意の様態の合図を出力することができる。また、車載装置100は、変化させた後の合図の様態を含む情報を、携帯端末300に送ってもよく、携帯端末300は、車載装置100から送られてきた変化させた後の合図の様態を含む情報を、携帯端末の利用者に提示してもよい。
【0069】
例えば、学校や学習塾に通う子供を親が車で送迎する場合、学校や塾の終業時間に合わせて多くの送迎車が待機していることが考えられる。そのような場合、車載装置100を
搭載した送迎車が付近に複数存在すると、送迎車同士で合図が重複してしまうことが考えられる。たとえば2台の送迎車が同時に同じ様態(たとえばヘッドライトを3回点滅させる)で合図を出力してしまうことがある。すると、自分の親の送迎車を探している子供は、同じ様態で合図を出力している送迎車が2台あるため、どちらが自分の親の送迎車かわからなくなってしまう。このようなとき、子供は自分が持っている携帯端末300から合図の様態を変えるための信号を親の送迎車の車載装置100に送信することで、合図の様態を別の様態(例えばウィンカーを3回点滅させる)変えることができる。こうすることで、子供は合図が変わった送迎車が自分の親の送迎車であるということを容易に認識することができる。また、このとき、子供が持っている携帯端末300に、変化した後の合図の様態(例えばウィンカーを3回点滅させる)を表示させることもできる。このため、子供は自分の持っている携帯端末300に表示されているのと同じ合図を出力している送迎車が自分の親の送迎車であることをより容易に認識することができる。
【0070】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の通信システムは、車載装置100、携帯端末300を含む。車載装置100は、乗用車などの車両10に搭載され、出力装置200等と接続される。車載装置100が搭載される車両10に、携帯端末300を携帯する利用者が接近すると、車載装置100が、携帯端末300が車載装置100の近傍に存在することを検出し、車両10に搭載される出力装置200に所定の合図の出力を行わせる。これにより、携帯端末300を携帯する利用者は、車両10を、他の車両と区別して、容易に認識することができる。車載装置100は、あらかじめ、携帯端末300の識別情報を格納しておくことで、携帯端末300が車載装置100(車両10)の通信可能範囲に入ってきた際に所定の様態で合図の出力を行うことができる。車載装置100は、携帯端末300が車載装置100の近傍に存在することを、車両10の乗員に向けて通知する。車両10の乗員は、当該通知を受けて、携帯端末300の利用者が車両10の近傍に存在することを認識し、車両10のドアのロックを解除すること等をできる。これにより、常時、車両10のドアのロックを解除している場合に比べ、セキュリティの向上が図られる。また、車両10の乗員は、携帯端末300の利用者を待機する際に、携帯端末300が車載装置100の近傍に存在することを通知されるので、携帯端末300の利用者を見つけるために車両10の外を常に監視しなくてもよい。
【0071】
開示の構成は、上記の実施形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。上記の実施形態は、適宜、可能な限り組み合わせて実施することができる。
【0072】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0073】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(Read Only Memory)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータ等に
固定された記録媒体としても利用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 車両
100 車載装置
102 制御部
104 記憶部
106 入力部
108 出力部
110 通信IF
200 出力装置
300 携帯端末
302 制御部
304 記憶部
306 入力部
308 出力部
310 通信IF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8