(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085808
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】診療費支払機及び診療費支払システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240620BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20240620BHJP
G06Q 20/34 20120101ALI20240620BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
G06K7/00 004
G06Q20/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200548
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】砂原 久美
(72)【発明者】
【氏名】松原 真司
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA03
3E142FA06
3E142FA13
3E142FA14
3E142FA27
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA04
3E142GA05
3E142GA06
3E142GA07
3E142GA41
3E142HA03
3E142JA04
5L020AA66
5L055AA66
(57)【要約】
【課題】様々な決済手法に対応可能な診療費支払機を提供すること。
【解決手段】診療費支払機1は、診療費の精算に用いられる診療費支払機1であって、カード2から情報を読み取り可能なカード処理部8と、カード処理部8が読み取った情報を用いて診療費の精算処理を行う精算処理部9と、カードを挿入可能な挿入口と、挿入口に挿入されたカード2を内部に引き込むオートローディング機構と、を備え、カード処理部8は、オートローディング機構に引き込まれたカード2としてのクレジットカードから接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部81と、オートローディング機構に引き込まれたカード2としてのクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部82と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療費の精算に用いられる診療費支払機であって、
カードから情報を読み取り可能なカード処理部と、
前記カード処理部が読み取った情報を用いて診療費の精算処理を行う精算処理部と、
前記カードを挿入可能な挿入口と、
前記挿入口に挿入された前記カードを内部に引き込むオートローディング機構と、を備え、
前記カード処理部は、
前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部と、
前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部と、を備えている診療費支払機。
【請求項2】
前記カード処理部の動作を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、
診療費が第一閾値以上である場合には、前記第1読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させ、
診療費が前記第一閾値よりも少ない場合には、前記第2読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる請求項1に記載の診療費支払機。
【請求項3】
前記カード処理部は、タッチ決済部に近接または接触された携帯情報端末またはクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第3読み取り部を更に備える請求項1に記載の診療費支払機。
【請求項4】
前記カード処理部の動作を制御する制御部と、
利用者による診療費の決済種別の選択を受け付ける受付部と、を更に備え、
前記制御部は、選択された決済種別がクレジットカードによる決済である場合には、前記第2読み取り部及び前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行可能にさせる請求項3に記載の診療費支払機。
【請求項5】
前記カード処理部の動作を制御する制御部と、
利用者による診療費の決済種別の選択を受け付ける受付部と、を更に備え、
前記制御部は、選択された決済種別に応じて、前記第2読み取り部による前記決済情報の読み取りと前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りとを選択的に前記カード処理部に実行させる請求項3に記載の診療費支払機。
【請求項6】
前記カード処理部の動作を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、
診療費が第二閾値以上である場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に禁止させ、
診療費が前記第二閾値よりも少ない場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる請求項3に記載の診療費支払機。
【請求項7】
前記カード処理部の動作を制御する制御部と、
利用者による診療費の決済種別の選択を受け付ける受付部と、を更に備え、
前記制御部は、
診療費が第三閾値以上であり、かつ、選択された決済種別が携帯情報端末による決済である場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させ、
診療費が第三閾値以上であり、かつ、選択された決済種別がクレジットカードによる決済である場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に禁止させる請求項3に記載の診療費支払機。
【請求項8】
前記カード処理部は、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしての診察券から患者情報を読み取る第4読み取り部と、
前記カード処理部の動作を制御する制御部と、を更に備え、
前記制御部は、前記患者情報に応じて前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行または禁止させる請求項3に記載の診療費支払機。
【請求項9】
前記カード処理部の動作を制御する制御部と、
前記制御部が前記第1読み取り部または前記第2読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる場合には、前記挿入口が利用可能である旨を利用者に報知し、
前記制御部が前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる場合には、前記タッチ決済部が利用可能である旨を報知する報知部と、を更に備えている請求項3に記載の診療費支払機。
【請求項10】
前記カード処理部は、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしての診察券から患者情報を読み取り可能な第4読み取り部を更に備えている請求項1から7及び9の何れか一項に記載の診療費支払機。
【請求項11】
診療費の精算に用いられる診療費支払システムであって、
カードから情報を読み取り可能なカード処理部と、
前記カード処理部が読み取った情報を用いて診療費の精算処理を行う精算処理部と、
前記カードを挿入可能な挿入口と、
前記挿入口に挿入された前記カードを内部に引き込むオートローディング機構と、を備え、
前記カード処理部は、
前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部と、
前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部と、を備えている診療費支払システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療費支払機及び診療費支払システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に引き込まれたカードに設けられたICチップに対し、電子データの読み書きを行うコンタクト部を備えるカード処理機が開示されている。このコンタクト部は、ICチップに接触可能であり、電子データの読み書きを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、非接触通信によってクレジットカードから決済情報を読み取る決済手法が広まりつつある。特許文献1のカード処理機は、非接触通信によってクレジットカードから決済情報を読み取る決済手法には対応していない。
【0005】
本発明の目的は、様々な決済手法に対応可能な診療費支払機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る診療費支払機の特徴は、診療費の精算に用いられる診療費支払機であって、カードから情報を読み取り可能なカード処理部と、前記カード処理部が読み取った情報を用いて診療費の精算処理を行う精算処理部と、前記カードを挿入可能な挿入口と、前記挿入口に挿入された前記カードを内部に引き込むオートローディング機構と、を備え、前記カード処理部は、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部と、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部と、を備えている点にある。
【0007】
本発明に係る診療費支払システムの特徴は、診療費の精算に用いられる診療費支払システムであって、カードから情報を読み取り可能なカード処理部と、前記カード処理部が読み取った情報を用いて診療費の精算処理を行う精算処理部と、前記カードを挿入可能な挿入口と、前記挿入口に挿入された前記カードを内部に引き込むオートローディング機構と、を備え、前記カード処理部は、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部と、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしてのクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部と、を備えている点にある。
【0008】
上記の特徴構成によれば、接触通信によってクレジットカードから決済情報を読み取る決済手法だけでなく、非接触通信によってクレジットカードから決済情報を読み取る決済手法に対応可能となる。また、クレジットカードが挿入口に挿入されることで、非接触ICカード及び接触ICカードの両方を読み取り可能となるので、操作方法が簡易となる。
【0009】
本発明においては、前記カード処理部の動作を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、診療費が第一閾値以上である場合には、前記第1読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させ、診療費が前記第一閾値よりも少ない場合には、前記第2読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させると好適である。
【0010】
本構成によると、診療費が非接触通信によって決済可能な金額である場合は、暗証番号の入力が必要な第1読み取り部よりも、暗証番号の入力が不要な第2読み取り部による決済情報の読み取りを優先させることで、決済時の暗証番号の入力の機会を減らすことができ、操作方法が簡易となる。
【0011】
本発明においては、前記カード処理部は、タッチ決済部に近接または接触された携帯情報端末またはクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第3読み取り部を更に備えると好適である。
【0012】
本構成によると、タッチ決済部に近接または接触されることで、携帯情報端末またはクレジットカードから非接触通信によって決済情報を読み取る決済方法に対応することができるので、様々な決済手法に対応可能となる。
【0013】
本発明においては、前記カード処理部の動作を制御する制御部と、利用者による診療費の決済種別の選択を受け付ける受付部と、を更に備え、前記制御部は、選択された決済種別がクレジットカードによる決済である場合には、前記第2読み取り部及び前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行可能にさせると好適である。
【0014】
本構成によると、クレジットカードによる決済が選択された場合は、クレジットカードの挿入口への挿入による決済と、クレジットカードのタッチ決済部への近接または接触による決済と、の両方が利用可能となるので、操作方法が簡易となる。
【0015】
本発明においては、前記カード処理部の動作を制御する制御部と、利用者による診療費の決済種別の選択を受け付ける受付部と、を更に備え、前記制御部は、選択された決済種別に応じて、前記第2読み取り部による前記決済情報の読み取りと前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りとを選択的に前記カード処理部に実行させると好適である。
【0016】
携帯情報端末による決済が選択された場合は、第2読み取り部による決済情報の読み取りを実行させる必要がない。本構成によると、選択された決済種別に応じて適切な処理を行うことができ、操作方法が簡易となる。
【0017】
本発明においては、前記カード処理部の動作を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、診療費が第二閾値以上である場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に禁止させ、診療費が前記第二閾値よりも少ない場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させると好適である。
【0018】
本構成によると、診療費が非接触通信によって決済可能な金額ではない場合に、第3読み取り部による決済情報の読み取りを禁止することで、利用者のクレジットカードの挿入口への挿入を促すことができ、操作方法が簡易となる。
【0019】
本発明においては、前記カード処理部の動作を制御する制御部と、利用者による診療費の決済種別の選択を受け付ける受付部と、を更に備え、前記制御部は、診療費が第三閾値以上であり、かつ、選択された決済種別が携帯情報端末による決済である場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させ、診療費が第三閾値以上であり、かつ、選択された決済種別がクレジットカードによる決済である場合には、前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に禁止させると好適である。
【0020】
携帯情報端末による決済が選択された場合は、診療費が非接触通信によって決済可能な金額ではない場合でも、携帯情報端末において利用者本人であるとの認証が完了していれば非接触通信によって決済が可能である。本構成によると、選択された決済種別に応じた処理を行うことで操作方法が簡易となる。
【0021】
本発明においては、前記カード処理部は、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしての診察券から患者情報を読み取る第4読み取り部と、前記カード処理部の動作を制御する制御部と、を更に備え、前記制御部は、前記患者情報に応じて前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行または禁止させると好適である。
【0022】
非接触ICカードを読み取る場合は、非接触ICカードは、カードリーダに接触又は近接される必要があり、接触ICカードを読み取る場合は、接触ICカードは、カードリーダに挿入される必要がある場合がある。この場合、クレジットカードの種類によって、操作方法が異なるので、利用者は診療費の決済に用いるクレジットカードの種類を理解している必要がある。利用者によっては、クレジットカードの種類を理解していない場合がある。本構成によると、利用者の患者情報に応じて、利用者が診療費の決済に用いるクレジットカードの種類を理解していなくても精算処理が可能なクレジットカードの挿入による決済を利用者に促すことができ、操作方法が簡易となる。
【0023】
本発明においては、前記カード処理部の動作を制御する制御部と、前記制御部が前記第1読み取り部または前記第2読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる場合には、前記挿入口が利用可能である旨を利用者に報知し、前記制御部が前記第3読み取り部による前記決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる場合には、前記タッチ決済部が利用可能である旨を報知する報知部と、を更に備えていると好適である。
【0024】
本構成によると、挿入口が利用可能か、またはタッチ決済部が利用可能か、を利用者に報知することができ、操作方法が簡易となる。
【0025】
本発明においては、前記カード処理部は、前記オートローディング機構に引き込まれた前記カードとしての診察券から患者情報を読み取り可能な第4読み取り部を更に備えていると好適である。
【0026】
本構成によると、診察券とクレジットカードとが共通の挿入口に挿入されることで、診察券とクレジットカードとが異なる挿入口に挿入される構成と比較して、利用者がカードの挿入口を探す手間が無くなり、操作方法が簡易となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】カード及び携帯情報端末を示す平面図である。
【
図3】診療費支払システムに関する構成を示すブロック図である。
【
図5】診療費の精算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】診療費の精算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】診療費の精算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】診療費の精算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】決済種別の選択を受け付ける操作画面の表示例を示す図である。
【
図11】診療費の精算処理の別の一例を示すフローチャートである。
【
図12】診療費の精算処理の別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「前側」、矢印Bの方向を「後側」、矢印Lの方向を「左側」、矢印Rの方向を「右側」とする。矢印Uの方向を「上側」、矢印Dの方向を「下側」とする。
【0029】
図1、
図2に示すように、診療費支払機1は、自動取引装置の一例である。診療費支払機1は、診療費等の費用の精算に用いられる装置であって、病院等の医療機関に設置される。診療費支払機1は、カード2を挿入可能な一つの挿入口6aを有している。診療費支払機1は、挿入口6aに挿入されたカード2から読み取られた情報に基づいて、費用の精算処理を実行する。
【0030】
〔カード〕
図1に、カード2の具体例としての、診察券3及びクレジットカード4が示されている。カード2は、樹脂製であり、平面視において長方形状である。本実施形態において、診察券3は、磁気ストライプ3aを有している。磁気ストライプ3aには患者認識番号などの患者情報が記憶されている。
【0031】
クレジットカード4は、診療費などの費用の精算に用いられる。本実施形態では、クレジットカード4として、磁気ストライプ4aと接触型ICチップ4bとを有する接触型カード4Aと、磁気ストライプ4aと接触型ICチップ4bと非接触型ICチップ4cとを有する非接触型カード4Bと、が用いられる。
【0032】
接触型ICチップ4bは、端子面が接触型カード4A及び非接触型カード4Bの表面に露出している。非接触型ICチップ4cは、非接触型カード4Bの表面に露出しておらず、非接触型カード4Bの内部に位置している。非接触型ICチップ4cは、非接触通信を行うためのアンテナ部(図示なし)と接続されている。接触型ICチップ4b及び非接触型ICチップ4cには、費用の精算に用いられる決済情報が記憶されている。決済情報は、クレジットカード番号と、有効期限と、暗証番号としてのPIN(Personal Identification Number)コードと、を含んでいる。
【0033】
磁気ストライプ4aには、決済情報として、クレジットカード番号と有効期限とを含む決済情報が記憶されている。磁気ストライプ4aには、決済情報としてのPIN(Personal Identification Number)コードは記憶されていない。
【0034】
ここで、診療費支払機1は、接触型カード4Aによる精算処理の操作手順と、非接触型カード4Bによる精算処理の操作手順と、が異なる場合、利用者がクレジットカード4の種類を把握していないと、診療費支払機1の操作間違いが発生しやすくなる。また、利用者が適切な操作を把握できなければ、医療機関の人員が診療費支払機1の操作を補助する必要が発生する。
【0035】
本実施形態においては、クレジットカード4を挿入口6aに挿入するという共通の操作によって、接触型カード4Aと非接触型カード4Bとによる精算処理が可能となるため、利用者による診療費支払機1の操作間違いが発生しにくくなり、医療機関の人員による補助の機会が減るので、精算処理の効率化を図ることができる。
【0036】
携帯情報端末5は、診療費などの費用の精算に用いられる。携帯情報端末5は、ICチップ5aを有するスマートフォンまたは携帯電話である。ICチップ5aは、非接触通信を行うためのアンテナ部(図示なし)と接続されている。携帯情報端末5は、アプリケーションソフトウェアを介して、外部のサーバなどに記憶されていているクレジットカード4の決済情報を取得することができる。この決済情報は、クレジットカード番号と、有効期限と、暗証番号としてのPIN(Personal Identification Number)コードと、を含んでいる。
【0037】
本実施形態において、スマホ決済とは、携帯情報端末5によって診療費などの費用の精算を行うことを表す。具体的には、スマホ決済は、アプリケーションソフトウェアを介して携帯情報端末5に入力されたクレジットカード4の決済情報を用いて、診療費支払機1と携帯情報端末5との非接触通信によって決済を行うことを表す。
【0038】
〔診療費支払機〕
図2に示すように、診療費支払機1は、箱状の筐体6を備えている。
【0039】
筐体6は、挿入口6aと、受付部6bと、入力部6cと、バーコードリーダ6dと、紙幣出入金部6eと、硬貨出入金部6fと、収納部6gと、排出部6hと、印刷部6iと、複数の発光部6jと、スピーカ6kと、を備えている。
【0040】
挿入口6aには、診察券3またはクレジットカード4が挿入される。本実施形態において、診察券3及びクレジットカード4は、同一の挿入口6aに挿入される。
【0041】
受付部6bは、決済種別の選択を受け付けて、所定の情報を表示可能な装置である。具体的には、受付部6bは、タッチパネル式液晶モニタである。利用者の人為操作によって決済種別が入力されると、受付部6bは選択された決済種別に応じた信号を制御部7(
図3参照)及び精算処理部9(
図3参照)に出力する。決済種別は、現金決済、クレジットカード決済及びスマホ決済を含む。
【0042】
入力部6cは、人為操作によるPINコードの入力を受け付ける入力装置である。本実施形態において、入力部6cは、押しボタン式のテンキーボタンである。これに限らず、例えば、入力部6cは、受付部6bに表示されるテンキーボタンの画像でもよい。
【0043】
バーコードリーダ6dは、診療費の精算処理に用いられる所定の用紙に印刷されたバーコード情報を読み取り可能な装置である。例えば、所定の用紙は、診察を受け付けた際に発行される整理券などである。バーコードリーダ6dは、バーコード情報を精算処理部9(
図3参照)に出力する。
【0044】
紙幣出入金部6eは、費用の精算処理の際に紙幣の投入を受け付ける。また、紙幣出入金部6eは、費用の精算処理の際に利用者に返金される紙幣を投出する。
【0045】
硬貨出入金部6fは、費用の精算処理の際に硬貨の投入を受け付ける。また、硬貨出入金部6fは、費用の精算処理の際に利用者に返金される硬貨を投出する。
【0046】
投入された紙幣または硬貨は、それぞれ異なる収納部6gに収納される。返金される紙幣または硬貨は、それぞれ異なる収納部6gから投出される。
【0047】
排出部6hは、硬貨出入金部6fに投入された異物を排出する。
【0048】
印刷部6iは、精算処理の完了後に決済明細を印字するプリンターである。例えば、決済明細は、クレジットカード決済の控えまたは領収書である。
【0049】
発光部6jは、LED(Light Emitting Diode)を有している。発光部6jが発光することで所定の情報を利用者に報知する。複数の発光部6jは、挿入口6aの上側に隣接する位置と、タッチ決済部83a(
図3参照)の上側に隣接する位置と、に設けられている。
【0050】
スピーカ6kは、音声を発して所定の情報を利用者に報知する装置である。
【0051】
図3に示すように、診療費支払機1は、制御部7と、カード処理部8と、精算処理部9と、記憶部10と、通信部11と、を備えている。
【0052】
〔制御部〕
制御部7は、受付部6bから入力された決済種別と、精算処理部9から入力された診療費などの費用情報と、に基づいてカード処理部8の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)である。制御部7は、メモリ(図示なし)に記憶されたプログラムが実行されることにより、上述した機能が実現される。
【0053】
制御部7がカード処理部8にカード2または携帯情報端末5の読み取りを実行させる場合に、制御部7は、受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kに信号を出力する。この信号に応じて、受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kは、所定の情報を利用者に報知する。
【0054】
〔精算処理部〕
精算処理部9は、カード処理部8から入力された決済情報及び患者情報と、バーコードリーダ6dから入力されたバーコード情報と、を通信部11に出力する。また、精算処理部9には、通信部11から患者情報とバーコード情報とに紐づけられた費用情報が入力される。これにより、精算処理部9は、受付部6bから入力された決済種別と、決済情報及び患者情報と、費用情報と、に基づいて費用の精算処理を行う。これに限らず、例えば、精算処理部9は、バーコードリーダ6dによって読み取られたバーコード情報に紐づけられた診療費などの費用情報を記憶部10から取得してもよい。
【0055】
記憶部10には、精算処理部9から入力された精算処理の履歴などが記憶される。記憶部10は、例えば、HDDやROM、不揮発性メモリなどで構成される。
【0056】
通信部11は、インターネット回線などの情報通信網を介して医療機関外部の外部システム12と通信可能である。例えば、外部システム12は、クレジットカード決済またはスマホ決済による支払いを管理する決済情報処理センターに設置されたサーバなどである。
【0057】
通信部11は、クレジットカード4の決済情報を外部システム12に送信する。通信部11は、外部システム12からクレジット決済の承認の要否を受信する。通信部11は、この決済の承認の要否を精算処理部9に出力する。精算処理部9は、決済の承認の要否に基づいて、費用の精算処理を行う。
【0058】
通信部11は、有線通信または無線通信を介して医療機関の医事会計システム13と通信可能である。通信部11は、患者情報及びバーコード情報を医事会計システム13に送信する。通信部11は、患者情報及びバーコード情報に紐づいた診療費などの費用情報を医事会計システム13から受信する。通信部11は、診療費などの費用情報を精算処理部9に出力する。
【0059】
〔カード処理部〕
図3、
図4に示すように、カード処理部8は、カード2から患者情報または決済情報を読み取り可能である。また、カード処理部8は、携帯情報端末5から決済情報を読み取り可能である。カード処理部8は、患者情報または決済情報を精算処理部9に出力する。
【0060】
カード処理部8は、第1読み取り部81と、第2読み取り部82と、第3読み取り部83と、第4読み取り部84と、を備えている。
【0061】
第1読み取り部81は、クレジットカード4から接触通信によって決済情報を読み取り可能な装置である。第1読み取り部81は、接触型カード4A及び非接触型カード4Bが有する接触型ICチップ4bに接触する接点を有している。第1読み取り部81は、接触型ICチップ4bとの接触によって接触型カード4Aまたは非接触型カード4Bから信号を受信する。第1読み取り部81は、この信号から接触型カード4Aまたは非接触型カード4Bの決済情報を読み取る。
【0062】
第2読み取り部82は、クレジットカード4から非接触通信によって決済情報を読み取り可能な装置である。第2読み取り部82は、非接触型カード4Bが有するアンテナ部(図示なし)との通信のためのアンテナ部(図示なし)を有している。第2読み取り部82は、非接触型ICチップ4cとの非接触での近距離無線通信によって非接触型カード4Bから信号を受信する。第2読み取り部82は、この信号から非接触型カード4Bの決済情報を読み取る。
【0063】
第3読み取り部83は、筐体6に設けられており、筐体6の外部に露出するタッチ決済部83aを有している。第3読み取り部83は、クレジットカード4または携帯情報端末5から非接触通信によって決済情報を読み取り可能な装置である。
【0064】
タッチ決済部83aは、非接触型ICチップ4cとの間で非接触通信を行うアンテナ部(図示なし)を有している。携帯情報端末5またはクレジットカード4がタッチ決済部83aに近接または接触されることで、タッチ決済部83aは、携帯情報端末5またはクレジットカード4と双方向の非接触通信を行う。本実施形態において、非接触通信は近距離無線通信であり、RFID(Radio Frequency Identifier)の一例であるNFC(Near Field Communication)である。タッチ決済部83aは、非接触通信によって非接触型カード4Bまたは携帯情報端末5から信号を受信する。タッチ決済部83aは、この信号を第3読み取り部83に出力する。
【0065】
第3読み取り部83は、タッチ決済部83aから入力された信号から、非接触型カード4Bまたは携帯情報端末5の決済情報を読み取る。本実施形態において、タッチ決済とは、携帯情報端末5またはクレジットカード4がタッチ決済部83aに近接または接触されることで、診療費支払機1と携帯情報端末5またはクレジットカード4との非接触通信が行われて決済を行うことを表す。つまり、スマホ決済は、タッチ決済に含まれる。
【0066】
第4読み取り部84は、クレジットカード4の磁気ストライプ4aからの決済情報の読み取り、または診察券3の磁気ストライプ3aからの患者情報の読み取りが可能な装置であり、磁気ストライプ3aの情報を読み取り可能な磁気ヘッドを有している。
【0067】
第1読み取り部81、第2読み取り部82及び第4読み取り部84は、筐体6の内部に位置している。
【0068】
〔オートローディング機構〕
図4に示すように、診療費支払機1は、挿入口6aに挿入されたカード2を筐体6の内部に自動で引き込むオートローディング機構14を備えている。オートローディング機構14は、例えば、モータ(図示なし)により駆動される無端ベルト(図示なし)によりカード2を引き込む機構である。オートローディング機構14の始端部は、挿入口6aと隣接している。
【0069】
オートローディング機構14は、挿入口6aに挿入されたカード2を筐体6の内部に自動で引き込む。具体的には、オートローディング機構14の始端部に設けられたセンサ(図示なし)によって、カード2の挿入が検知される。カード2の挿入が検知されると、オートローディング機構14がカード2をカード処理部8の読み取り位置まで搬送する。
【0070】
〔精算処理の一例〕
次に、診療費支払機1による診療費の精算処理の一例について説明する。
図5、
図6、
図7及び
図8は、診療費支払機1による診療費の精算処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
図5に示すように、オートローディング機構14がカード2を筐体6内部に引き込むと(ステップS101)、オートローディング機構14は、第4読み取り部84の読み取り位置までカード2を搬送する。制御部7は、第4読み取り部84によるカード2の読み取りを実行させる。
【0072】
第4読み取り部84がカード2から患者情報を読み取れる場合(ステップS102;Yes)、精算処理部9は、カード2が診察券3であると判断して、医事会計システム13から診療費などの費用情報を取得する(ステップS103)。
【0073】
第4読み取り部84がカード2から情報を読み取れない場合(ステップS102;No)、カード2を挿入口6aから排出して(ステップS104)、オートローディング機構14は、カード2の受け付け可能状態で待機する。
【0074】
受付部6bは、費用情報に基づいて診療費を表示する(ステップS105)。また、受付部6bは、診療費の決済種別の選択を受け付ける操作画面を表示する。決済種別の選択についての詳細は後述する。
【0075】
受付部6bは、決済種別の入力を受け付け可能状態で待機する(ステップS106)。利用者の人為操作によって現金決済が選択された場合(ステップS107;Yes)、紙幣出入金部6eまたは硬貨出入金部6fに現金が投入されることで、精算処理部9は費用の精算処理を行い(ステップS120)、印刷部6iは、現金決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、領収書を印字する。
【0076】
利用者の人為操作によって、現金決済が選択されず(ステップS107;No)、スマホ決済が選択された場合(ステップS108;Yes)、
図8のフローチャートのEに移行する。
【0077】
利用者の人為操作によって、現金決済が選択されず(ステップS107;No)、スマホ決済が選択されず(ステップS108;No)、クレジットカード決済が選択され(ステップS109;Yes)、かつ、タッチ決済が選択された場合(ステップS110;Yes)、制御部7は、患者情報からタッチ決済が困難か否かを認識する(ステップS111)。本実施形態において、例えば、制御部7は医事会計システム13から取得した患者情報としての利用者の年齢や症状に応じて、タッチ決済が困難と認識する。具体的には、制御部7は、利用者の年齢が所定の閾値以上である場合に、タッチ決済が困難と認識する。制御部7は、所定の症状(例えば、認知症)が患者情報に含まれる場合に、タッチ決済が困難と認識する。制御部7は、タッチ決済が困難である旨の情報が患者情報に含まれる場合に、タッチ決済が困難と認識する。
【0078】
クレジットカード決済が選択され(ステップS109;Yes)、かつ、タッチ決済が選択されない場合(ステップS110;No)、
図6のフローチャートのAに移行する。
【0079】
決済種別が選択されない場合(ステップS107,S108,S109;No)、受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0080】
制御部7が患者情報からタッチ決済が困難と認識する場合(ステップS111;Yes)、
図7のフローチャートのDに移行する。
【0081】
制御部7が患者情報からタッチ決済が困難と認識しない場合(ステップS111;No)、制御部7は、精算処理部9から入力された診療費が第二閾値以上か否かを判断する(ステップS112)。第二閾値は、予め設定された金額である。本実施形態において、第二閾値は、タッチ決済の利用上限金額を超えた最小金額であり、「10,001円」である。これに限らず、タッチ決済の利用上限金額が上げられた場合、第二閾値は、「10,001円」より多くてもよい。また、タッチ決済の利用上限金額が下げられた場合、第二閾値は、「10,001円」より少なくてもよい。さらに、例えば、第二閾値は、「100$1¢」や「51EUR」などでもよい。
【0082】
診療費が第二閾値よりも少ない場合(ステップS112;No)、受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kは、タッチ決済部83aが利用可能である旨を報知する(ステップS113)。報知の詳細は後述する。
【0083】
制御部7は、第3読み取り部83をカード処理部8に実行可能状態にさせる(ステップS114)。クレジットカード4がタッチ決済部83aに近接または接触されると、制御部7が第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる。
【0084】
第3読み取り部83がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS114;Yes)、精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0085】
第3読み取り部83がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS114;No)、受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0086】
診療費が第二閾値以上である場合(ステップS112;Yes)、制御部7は、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させる(ステップS115)。受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kは、挿入口6aが利用可能である旨を報知する(ステップS116)。
【0087】
オートローディング機構14が、クレジットカード4を挿入口6aから筐体6内部に引き込んだ場合(ステップS117;Yes)、制御部7は、第1読み取り部81による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる。
【0088】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS118;Yes)、精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0089】
オートローディング機構14が、所定の待機時間内に、クレジットカード4を挿入口6aから筐体6内部に引き込まない場合(ステップS117;No)、受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0090】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS118;No)、制御部7は、第4読み取り部84による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる。
【0091】
第4読み取り部84がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS119;Yes)、精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0092】
第4読み取り部84がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS119;No)、カード2を挿入口6aから排出して、受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0093】
〔診療費に応じた処理〕
図5のフローチャートにおいて、クレジットカード決済が選択され(ステップS109;Yes)、かつ、タッチ決済が選択されない場合(ステップS110;No)、
図6のフローチャートのAに移行する。受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kは、挿入口6aが利用可能である旨を報知する(ステップS122)。そして、クレジットカード4の挿入を待機する(ステップS123)。
【0094】
オートローディング機構14が、クレジットカード4を挿入口6aから筐体6内部に引き込んだ場合(ステップS123;Yes)、制御部7は、精算処理部9から入力された診療費が第一閾値以上か否かを判断する(ステップS124)。第一閾値は、予め設定された金額である。本実施形態において、第一閾値は、タッチ決済の利用上限金額を超えた最小金額であり、「10,001円」である。これに限らず、タッチ決済の利用上限金額が上げられた場合、第一閾値は、「10,001円」より多くてもよい。また、タッチ決済の利用上限金額が下げられた場合、第一閾値は、「10,001円」より少なくてもよい。さらに、例えば、第一閾値は、「100$1¢」や「51EUR」などでもよい。
【0095】
オートローディング機構14が、所定の待機時間の間に、クレジットカード4を挿入口6aから筐体6内部に引き込まない場合(ステップS123;No)、
図5のフローチャートのBに移行し、受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0096】
診療費が第一閾値よりも少ない場合(ステップS124;No)、制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS125)。以上により、第一閾値がタッチ決済の利用可能金額内であれば、決済時にPINコードの入力が必要な第1読み取り部81またはサインが必要な第4読み取り部84よりも、決済時にPINコードの入力またはサインが不要な第2読み取り部82による読み取りを優先して実行する。これにより、決済時のPINコードの入力または、サインの入力の機会を減らすことができ、診療費の精算処理を効率化することができる。
【0097】
第2読み取り部82がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS125;Yes)、
図5のフローチャートのCに移行する。精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0098】
第2読み取り部82がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS125;No)、制御部7は、第1読み取り部81による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS126)。
【0099】
診療費が第一閾値以上である場合(ステップS124;Yes)、制御部7は、第1読み取り部81による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS126)。以上により、第一閾値がタッチ決済の利用可能金額よりも多ければ、決済時にサインが必要な第4読み取り部84よりも、決済時にサインが不要な第1読み取り部81による読み取りを優先して実行する。これにより、決済時にPINコードの入力よりも時間のかかるサインの入力の機会を減らすことができ、診療費の精算処理を効率化することができる。
【0100】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS126;Yes)、
図5のフローチャートのCに移行する。入力部6cにPINコードが入力されると精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0101】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS126;No)、制御部7は、第4読み取り部84による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS127)。
【0102】
第4読み取り部84がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS127;Yes)、
図5のフローチャートのCに移行する。サインが入力されると精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS121)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0103】
第4読み取り部84がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS127;No)、
図5のフローチャートのBに移行する。カード2を挿入口6aから排出して、受付部6bは、決済種別の入力の受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0104】
〔患者情報に応じた制御〕
図5のフローチャートにおいて、クレジットカード決済が選択され(ステップS109;Yes)、かつ、制御部7が患者情報からタッチ決済が困難と認識した場合(ステップS111;Yes)、
図7のフローチャートのDに移行する。制御部7は、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させる(ステップS128)。そして
図6のフローチャートのFに移行する。
【0105】
〔スマホ決済による精算処理〕
図5のフローチャートにおいて、利用者の人為操作によって、スマホ決済が選択された場合(ステップS108;Yes)、
図8のフローチャートのEに移行する。制御部7は、精算処理部9から入力された診療費が第三閾値以上か否かを判断する(ステップS129)。第三閾値は、予め設定された金額である。本実施形態において、第三閾値は、タッチ決済の利用上限金額を超えた最小金額であり、「10,001円」である。これに限らず、タッチ決済の利用上限金額が上げられた場合、第三閾値は、「10,001円」より多くてもよい。また、タッチ決済の利用上限金額が下げられた場合、第三閾値は、「10,001円」より少なくてもよい。さらに、例えば、第三閾値は、「100$1¢」や「51EUR」などでもよい。
【0106】
診療費が第三閾値以上(ステップS129;Yes)であり、かつ、選択された決済種別が携帯情報端末5による決済(スマホ決済)である場合には(ステップS108;Yes)、制御部7は、第3読み取り部83をカード処理部8に実行可能状態にさせる(ステップS130)。携帯情報端末5がタッチ決済部83aに近接または接触されると、制御部7が第3読み取り部83による決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる。
【0107】
診療費が第三閾値よりも少ない場合(ステップS129;No)であり、かつ、選択された決済種別が携帯情報端末5による決済である場合でも(S108;Yes)、制御部7は、第3読み取り部83をカード処理部8に実行可能状態にさせる(ステップS130)。携帯情報端末5がタッチ決済部83aに近接または接触されると、制御部7が第3読み取り部83による決済情報の読み取りを前記カード処理部に実行させる。つまり、スマホ決済が選択された場合、制御部7は、診療費の金額に関わらず、第3読み取り部83をカード処理部8に実行可能状態にさせる。
【0108】
携帯情報端末5において、利用者の人為操作によってスマホ決済のアプリケーションソフトウェアが起動される際に、例えば、パスワードなどの入力による本人認証が行われる。つまり、スマホ決済による精算処理が行われる際には、決済者が利用者本人であるとの認証が完了している。したがって、診療費が第三閾値以上であり、かつ、スマホ決済が選択された場合に、制御部7は、PINコードの入力の待機を省略して、第3読み取り部83を実行可能状態にさせる。これにより、決済時のPINコードの入力の機会を減らすことができ、診療費の精算処理を効率化することができる。
【0109】
第3読み取り部83が携帯情報端末5から情報を読み取れる場合(ステップS130;Yes)、
図5のフローチャートのCへ移行する。精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS120)、決済明細が発行される(ステップS121)。具体的には、通信部11は、決済明細データを携帯情報端末5へ送信する。
【0110】
第3読み取り部83が携帯情報端末5から情報を読み取れない場合(ステップS130;No)、
図5のフローチャートのBへ移行する。受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS106)。
【0111】
〔決済種別に応じた処理〕
上述の診療費支払機1による診療費の精算処理において、(ステップS111)、(ステップS112)及び(ステップS129)の処理を省略して、制御部7は、選択された決済種別に応じて、第2読み取り部82による決済情報の読み取りと第3読み取り部83による決済情報の読み取りとを選択的にカード処理部8に実行させてもよい。
【0112】
スマホ決済が選択された場合、制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させ、かつ、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させてもよい。
【0113】
クレジットカード決済が選択され、かつ、タッチ決済が選択された場合、制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させ、かつ、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させてもよい。
【0114】
クレジットカード決済が選択され、かつ、タッチ決済が選択された場合、制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させ、かつ、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させてもよい。
【0115】
クレジットカード決済が選択され、かつ、タッチ決済が選択された場合、制御部7は、第2読み取り部82及び第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させてもよい。
【0116】
クレジットカード決済が選択され、かつ、クレジットカード4の挿入による決済が選択された場合、制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させ、かつ、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させてもよい。
【0117】
〔決済種別の選択について〕
図9は、決済種別の選択を受け付ける操作画面の表示例を示している。
図9に示すように、精算処理部9から費用情報が入力されると、受付部6bは診療費を示す診療費画像15と、複数の決済種別選択ボタン16と、を表示する。
【0118】
決済種別選択ボタン16は、受付部6bに表示される画像である。受付部6bは、利用者の人為操作により決済種別選択ボタン16が触れられたことを検知すると、触れられた決済種別選択ボタン16に応じた信号を制御部7及び精算処理部9に出力する。制御部7は、入力された信号に応じてカード処理部8の動作を制御する。精算処理部9は、入力された信号に応じて診療費の精算処理を行う。
【0119】
決済種別選択ボタン16は、現金決済を示す「現金」と表示されたボタンと、クレジットカード決済を示す「クレジットカード」と表示されたボタンと、スマホ決済を示す「スマホ決済」と表示されたボタンと、を含む。
【0120】
〔報知について〕
図10は、報知の一例を示している。
図10に示すように、制御部7が決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる場合には、制御部7は、受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kに信号を出力する。受付部6bは、入力された信号に応じて報知画像17を表示する。報知画像17には報知文17aと報知
図17bとが表されている。発光部6jは、入力された信号に応じて発光する。スピーカ6kは、入力された信号に応じて発声する。
【0121】
決済種別としてクレジットカード決済が選択され、かつ、制御部7が第1読み取り部81または第2読み取り部82または第4読み取り部84による読み取りをカード処理部8に実行させる場合には、受付部6bは、「クレジットカードを挿入してください。」という旨の報知文17aを表示し、挿入口6aが利用可能な旨を示す報知
図17bを表示する。また、挿入口6aに隣接する発光部6jが発光する。スピーカ6kは、「クレジットカードを挿入してください。」と音声を流す。
【0122】
これに限らず、例えば、決済種別としてクレジットカード決済が選択され、かつ、制御部7が第3読み取り部83による読み取りをカード処理部8に実行させる場合には、受付部6bは、「クレジットカードをタッチしてください。」という旨の表示文を表示して、タッチ決済部83aが利用可能な旨を示す報知
図17bを表示する。また、タッチ決済部83aに隣接する発光部6jが発光する。スピーカ6kは、「クレジットカードをタッチしてください。」と音声を流す。
【0123】
特許請求項の範囲に記載された「報知部」は、本実施形態における受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kに相当する。
【0124】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態に限られない。例えば、以下の別実施形態のように構成しても良い。以下に説明する別実施形態では、実施形態と同じ構成には、実施形態と共通の番号、符号を付している。
【0125】
〔精算処理の別の一例〕
〔1〕診療費支払機1による診療費の精算処理の別の一例について説明する。
図11、
図12は、診療費支払機1による診療費の精算処理の別一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では上述の実施形態と共通の処理については説明を省略する。
【0126】
図11のフローチャートにおいて、ステップS201からS209までの処理は、
図5のフローチャートにおけるステップS101からS109までの処理と同じである。クレジットカード決済が選択された場合(ステップS209;Yes)、制御部7は、患者情報に応じた処理(
図5のステップS111)を省略して、診療費が第三閾値以上か否かを判断する(ステップS210)。
【0127】
診療費が第三閾値よりも少ない場合(ステップS210;No)、受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kは、挿入口6a及びタッチ決済部83aが利用可能である旨を報知する(ステップS211)。受付部6bは、人為操作によるクレジットカード4の挿入による決済と、タッチ決済と、の何れかの選択の入力処理を省略して、制御部7は、第2読み取り部82及び第3読み取り部83をカード処理部8に実行可能状態にさせる(ステップS212)。
【0128】
第3読み取り部83がクレジットカード4から決済情報を読み取れず(ステップS212;No)、かつ、オートローディング機構14がクレジットカード4を挿入口6aから筐体6内部に引き込んだ場合(ステップS213;Yes)、制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS214)。
【0129】
第2読み取り部82がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS214;No)、制御部7は、第1読み取り部81による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS215)。
【0130】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS215;Yes)、
図12のフローチャートのGに移行する。精算処理部9は、入力部6cにPINコードが入力されるのを待機する(ステップS223)。
【0131】
図11のフローチャートにおいて、診療費が第三閾値以上であり(ステップS210;Yes)、かつ、選択された決済種別がクレジットカード決済である場合(ステップS209;Yes)、
図12のフローチャートのFに移行する。制御部7は、第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に禁止させる(ステップS219)。制御部7は、第2読み取り部82による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS220)。
【0132】
第2読み取り部82がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS220;Yes)、精算処理部9は、入力部6cにPINコードが入力されるのを待機する(ステップS223)。
【0133】
入力部6cにPINコードが一定時間に入力されず、かつ、PINコードの間違いが一定回数以上ある場合(ステップS224;Yes)、精算処理部9は、PINコードの入力の待機を解除する(ステップS225)。
【0134】
受付部6b、発光部6j及びスピーカ6kは、スマホ決済によりタッチ決済部83aが利用可能である旨を報知する(ステップS226)。例えば、受付部6bは、「スマートフォンをタッチしてください。」という旨の報知文17aを表示し、タッチ決済部83aが利用可能な旨を示す報知
図17bを表示する。また、タッチ決済部83aに隣接する発光部6jが発光する。スピーカ6kは、「スマートフォンをタッチしてください。」と音声を流す。
【0135】
制御部7は、第3読み取り部83をカード処理部8に実行可能状態にさせる(ステップS227)。第3読み取り部83が携帯情報端末5から決済情報を読み取れる場合(ステップS227;Yes)、
図11のフローチャートのCへ移行する。精算処理部9は診療費の精算処理を行い(ステップS217)、決済明細が発行される(ステップS218)。具体的には、通信部11は、決済明細のデータを携帯情報端末5へ送信する。
【0136】
第3読み取り部83が携帯情報端末5から決済情報を読み取れない場合(ステップS227;No)、
図11のフローチャートのBへ移行する。受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS206)。
【0137】
入力部6cにPINコードが一定時間内に入力され、かつ、PINコードの間違いが一定回数以上ない場合(ステップS224;No)、
図11のフローチャートのCへ移行する。精算処理部9は、入力されたPINコードに基づいて利用者本人であるとの認証を行って診療費の精算処理を行う(ステップS217)。印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS218)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0138】
第2読み取り部82がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS220;No)、制御部7は、第1読み取り部81による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS221)。
【0139】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS221;Yes)、精算処理部9は、入力部6cにPINコードが入力されるのを待機する(ステップS223)。
【0140】
第1読み取り部81がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS221;No)、制御部7は、第4読み取り部84による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行させる(ステップS222)。
【0141】
第4読み取り部84がクレジットカード4から決済情報を読み取れる場合(ステップS222;Yes)、
図11のフローチャートのCへ移行する。精算処理部9は、入力されたサインに基づいて利用者本人であるとの認証を行って診療費の精算処理を行う(ステップS217)。印刷部6iは、クレジットカード決済による決済明細を発行する(ステップS218)。具体的には、印刷部6iは、クレジットカード決済の控えを印字する。
【0142】
第4読み取り部84がクレジットカード4から決済情報を読み取れない場合(ステップS222;No)、
図11のフローチャートのBへ移行する。受付部6bは、決済種別の入力を受付可能状態で待機する(ステップS206)。
【0143】
本実施形態においては、選択された決済種別がクレジットカード決済であり(
図11のステップS209;Yes)、かつ、診療費が第三閾値より少ない場合に(
図11のステップS210;No)、第2読み取り部82及び第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行可能にさせている(
図11のステップS212、S214)。これに限らず、ステップS210の処理を省略して、選択された決済種別がクレジットカード決済である場合には、制御部7は、第2読み取り部82及び第3読み取り部83による決済情報の読み取りをカード処理部8に実行可能にさせてもよい。
【0144】
〔2〕上述の実施形態において、診療費支払機1は、一つの挿入口6aを備えており、診察券3及びクレジットカード4は共通の挿入口6aに挿入される。これに限らず、診療費支払機1は、複数の挿入口6aを備えており、診察券3及びクレジットカード4はそれぞれ異なる挿入口6aに挿入されてもよい。
【0145】
〔3〕上述の実施形態において、第一閾値、第二閾値及び第三閾値は、タッチ決済の上限金額を超えた最小の金額であり、同じである。これに限らず、第一閾値、第二閾値及び第三閾値は、それぞれ異なる金額が予め設定されていてもよい。
【0146】
〔4〕上述の実施形態において、診察券3は、磁気ストライプ3aを有している。これに限らず、例えば、診察券3は、磁気ストライプ3aと接触型ICチップとを有していてもよい。また、診察券3は、磁気ストライプ3aと非接触型ICチップとを有していてもよい。さらに、診察券3は、磁気ストライプ3aと接触型ICチップと非接触型ICチップとを有していてもよい。
【0147】
〔5〕上述の実施形態における決済種別は、現金決済、クレジットカード決済及びスマホ決済である。これに限らず、決済種別は、例えば、デビットカードによる決済、電子マネーカードによる決済をさらに含んでいてもよい。この場合、決済種別選択ボタン16は、デビットカードによる決済を示す「デビットカード」と表示されたボタンと、電子マネーカードによる決済を示す「電子マネー」と表示されたボタンと、を有していてもよい。
【0148】
〔6〕上述の実施形態において、スマホ決済は、クレジットカード4の決済情報を用いて、診療費支払機1と携帯情報端末5との非接触通信によって決済を行うことを表す。これに限らず、例えば、スマホ決済は、アプリケーションソフトウェアを介して取得した決済情報を用いて、携帯情報端末5の液晶画面に表示されたコード(例えば、QRコード(登録商標))によって決済を行うことを表してもよい。
【0149】
この場合、決済情報には、電子マネーの残高が含まれる。また、タッチ決済部83aは、カメラ(図示なし)を更に有していてもよい。カメラは、携帯情報端末5の液晶画面に表示されたコード(図示なし)を撮影可能である。第3読み取り部83は、携帯情報端末5の液晶画面に表示されたコードからカメラによる撮影によって決済情報を読み取り可能であってもよい。
【0150】
〔7〕上述の実施形態において、第3読み取り部83は、筐体6の外部に露出するタッチ決済部83aを有している。これに限らず、例えば、第3読み取り部83及びタッチ決済部83aは、診療費支払機1の外部に位置しており、診療費支払機1と有線通信または無線通信によって通信可能でもよい。
【0151】
また、第3読み取り部83、タッチ決済部83a及び入力部6cは、一体で形成されており、診療費支払機1の外部に位置していてもよい。この場合、第3読み取り部83、タッチ決済部83a及び入力部6cは、診療費支払機1と有線通信または無線通信によって通信可能でもよい。
【0152】
〔8〕上述の実施形態において、通信部11は、有線通信または無線通信を介して医事会計システム13と通信可能である。これに限らず、例えば、通信部11は、有線通信または無線通信を介してPOSレジスタなどの筐体6の外部の任意の装置と通信可能であってもよい。
【0153】
〔9〕上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
【0154】
〔変形例1〕上述の実施形態において、診療費支払機1は、オートローディング機構14を備えている。診療費支払機1が、オートローディング機構14を備えない形態も可能である。この場合、カード2が利用者の人為操作によって筐体6の内部に挿し込まれ、カード処理部8が挿入されたカード2から情報を読み取る。
【0155】
この例では、診療費支払機1は、カード2から情報を読み取り可能なカード処理部8と、カード処理部8が読み取った情報を用いて診療費の精算処理を行う精算処理部9と、カード2を挿入可能な挿入口6aと、を備える。カード処理部8は、挿入されたカード2としてのクレジットカード4から接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部81と、挿入されたカード2としてのクレジットカード4から非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部82と、を備えている。
【0156】
〔変形例2〕上述の実施形態において、診療費支払機1は、診療費以外の精算に用いられる装置であって、商業施設、公共施設、金融機関または公共交通機関などに設置される自動取引装置及び自動取引システムとしての形態も可能である。
【0157】
この例では、自動取引装置は、カード2から情報を読み取り可能なカード処理部8と、カード処理部8が読み取った情報を用いて費用の精算処理を行う精算処理部9と、カード2を挿入可能な挿入口6aと、挿入口6aに挿入されたカード2を内部に引き込むオートローディング機構14と、を備える。カード処理部8は、オートローディング機構14に引き込まれたカード2としてのクレジットカード4から接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部81と、オートローディング機構14に引き込まれたカード2としてのクレジットカード4から非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部82と、を備えている。
【0158】
また、自動取引システムは、カード2から情報を読み取り可能なカード処理部8と、カード処理部8が読み取った情報を用いて費用の精算処理を行う精算処理部9と、カード2を挿入可能な挿入口6aと、挿入口6aに挿入されたカード2を内部に引き込むオートローディング機構14と、を備える。カード処理部8は、オートローディング機構14に引き込まれたカード2としてのクレジットカード4から接触通信によって決済情報を読み取り可能な第1読み取り部81と、オートローディング機構14に引き込まれたカード2としてのクレジットカード4から非接触通信によって決済情報を読み取り可能な第2読み取り部82と、を備えている。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、診療費支払機及び診療費支払システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0160】
1 :診療費支払機
2 :カード
3 :診察券
4 :クレジットカード
5 :携帯情報端末
6a :挿入口
6b :受付部(報知部)
6j :発光部(報知部)
6k :スピーカ(報知部)
7 :制御部
8 :カード処理部
9 :精算処理部
14 :オートローディング機構
81 :第1読み取り部
82 :第2読み取り部
83 :第3読み取り部
83a :タッチ決済部
84 :第4読み取り部