(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085811
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/86 20230101AFI20240620BHJP
G02B 27/28 20060101ALI20240620BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240620BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240620BHJP
H10K 50/87 20230101ALI20240620BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240620BHJP
【FI】
H10K50/86
G02B27/28 Z
G09F9/30 365
G09F9/00 313
G09F9/00 304Z
H10K50/87
H10K59/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200553
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】種 盛吾
【テーマコード(参考)】
2H199
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H199AB12
2H199AB47
2H199AB52
2H199AB62
2H199AB64
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB08
3K107CC24
3K107CC32
3K107CC33
3K107EE26
3K107FF15
5C094AA02
5C094AA34
5C094BA27
5C094DA12
5C094ED14
5C094FA02
5C094FB05
5C094HA05
5C094JA08
5G435AA01
5G435AA12
5G435BB05
5G435FF05
5G435GG43
5G435HH02
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】外光の進入による表示部の温度上昇を抑制すると共に、2重像の形成を抑制可能とする表示装置を提供する。
【解決手段】有機EL素子が用いられて、画像を表示する表示部110と、表示部の視認者側に設けられ、視認者側から表示部側に向けて順に配置される直線偏光層121、および位相差層122によって形成される円偏光板120と、表示部、および円偏光板の間に設けられた空気層130と、を備える表示装置であって、空気層の隙間寸法は、所定の寸法以下に設定されている。所定の寸法は、0.5mmである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL素子が用いられて、画像を表示する表示部(110)と、
前記表示部の視認者側に設けられ、前記視認者側から前記表示部側に向けて順に配置される直線偏光層(121)、および位相差層(122)によって形成される円偏光板(120)と、
前記表示部、および前記円偏光板の間に設けられた空気層(130)と、を備える表示装置であって、
前記空気層の隙間寸法は、所定の寸法以下に設定された表示装置。
【請求項2】
前記所定の寸法は、0.5mmである請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有機EL素子を用いた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の表示装置では、液晶パネルの視認者側に円偏光板が設けられている。更に、液晶パネルと円偏光板との間には、空気層が設けられている。特許文献1では、この空気層によって、外光の熱が液晶パネルに伝わりにくくなり、液晶パネルの温度上昇を抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、空気層の隙間寸法を相対的に大きくするほど、表示部から出射される画像の光において、一部の光は、円偏光板で反射して表示部に至るという現象が発生する。よって、表示部から出射される画像の光のうち、直接、円偏光板を通過する光と、円偏光板で反射して表示部に至り、表示部から再び、円偏光板に至り通過する光とによって、画像が2重に見える(2重像となる)という問題があった。
【0005】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、外光の進入による表示部の温度上昇を抑制すると共に、2重像の形成を抑制可能とする表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
本開示では、有機EL素子が用いられて、画像を表示する表示部(110)と、
表示部の視認者側に設けられ、視認者側から表示部側に向けて順に配置される直線偏光層(121)、および位相差層(122)によって形成される円偏光板(120)と、
表示部、および円偏光板の間に設けられた空気層(130)と、を備える表示装置であって、
空気層の隙間寸法は、所定の寸法以下に設定されている。
【0008】
本開示によれば、表示部と、円偏光板との間に空気層が設けられているので、空気層の断熱効果により、外光の熱が表示部に伝達されにくくなり、表示部の温度上昇を抑制することができる。
【0009】
また、空気層の隙間寸法が所定の寸法以下に設定することにより、上記のような円偏光板での画像の光の反射を抑制して、2重像の発生を抑制することができる。
【0010】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】空気層の隙間寸法が相対的に大きい場合に、2重像が形成されることを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態における表示装置100について、
図1を用いて説明する。表示装置100は、例えば、車両に搭載されており、メータ装置、カーナビゲーション装置、カーオーディオ装置、カーエアコン装置、あるいは車両後側方表示装置等の各種車両装置における各種情報(作動状態等)を表示するようになっている。表示装置100は、例えば、表示部110の表示面111が、立ち姿勢(上下方向)となるように、車両のダッシュボートに装着されて、表示される画像が視認者(例えば、運転者)に視認されるようになっている。
【0014】
図1に示すように、表示装置100は、表示部110、円偏光板120、空気層130、および支持部140等を備えている。
【0015】
表示部110は、正面形状が横長の四角形を成しており、表示面111にマトリックス配置される複数の画素の発光よって、各種車両装置における各種情報を画像表示するようになっている。表示部110は、有機EL(Electro Luminescence)素子が用いられた、いわゆる有機ELディスプレイ(OLEDディスプレイ)となっている。OLEDは、Orgnic Light Emitting Diodeの略名称である。表示面111には、画像が表示される領域として表示領域が形成され、また、表示領域の外周部(外周側)は額縁状を成して、画像の表示されない非表示領域が形成されている。
【0016】
表示部110には、画像の形成を制御する駆動回路基板が接続されている。表示面111の表示領域は、非点灯時(オフ時)においては、真っ黒な状態となって視認される。また、点灯時(オン時)においても、表示領域にて画像が形成されない部位(画像と画像の間や周囲の部分等)は、同様に真っ黒な状態となって視認される。表示面111は、鏡面のようになっており、表示面111に至る外光を反射させる。
【0017】
円偏光板120は、表示面111で反射した外光(太陽光等)が、視認者側に到達しにくくなるように反射抑制するための偏光板であり、表示面111側を覆うようにして、表示部110の視認者側に設けられている。円偏光板120の正面形状は、四角形を成しており、外周ラインは、表示部110の外周ラインよりも大きく設定されている。
【0018】
円偏光板120は、直線偏光層121と位相差層122とを有している。直線偏光層121と位相差層122は、視認者側から表示部110側に向けて、この順で並ぶように配置されている。直線偏光層121と位相差層122は、所定の間隔をもって、例えば、光学粘着シート123(OCA)によって接合されている。光学粘着シート123は、透明な弾性を有する粘着剤である。光学粘着シート123に代えて、光学透明接着剤を用いてもよい。
【0019】
直線偏光層121は、無数の振動方向を有する光(P偏光およびS偏光)のうち、特定の方向に振動する光(ここでは、P偏光)だけを通過可能として、特定方向の直線偏光にする偏光板である。また、位相差層122は、入射する直線偏光に位相差(例えば、波長λ/4)を与えて円偏光に変える偏光板(例えば、λ/4位相差層)である。
【0020】
空気層130は、表示部110と円偏光板120との間に設けられている。表示部110と円偏光板120は、支持部140によって支持されている。支持部140は、例えば、断面が四角形の筒状を成しており、一方の端部が表示面111の非表示領域に対応し、他方の端部が円偏光板120の外周側に対応するように配置されている。そして、空気層130の隙間寸法(
図1中の左右方向の寸法)は、支持部140の筒軸方向の寸法によって規定されている。隙間寸法は、所定の寸法以下となるように設定されている。ここでは、所定の寸法は、0.5mmである。
【0021】
本実施形態の表示装置100の構成は、以上のようになっており、以下、その作動および作用効果について説明する。
【0022】
図1に示すように、視認者側から表示部110側に向かう太陽光等の外光(P偏光、S偏光)は、直線偏光層121においてS偏光が遮光され、P偏光のみの直線偏光となり、更に、位相差層122において、回転偏光となって、空気層130を通過して、表示面111に至る。表示面111では、回転偏光は、逆方向の回転偏光となって、空気層130を通過し、位相差層122において、遮光(吸収)される。よって、表示部110における外光の反射が抑制される。
【0023】
このとき、外光の熱は、空気層130の断熱効果により、表示部110に伝達されにくくなり、表示部110の温度上昇を抑制することができる。また、表示部110から発生する熱は、同様に空気層130で断熱され、円偏光板120側に伝達されにくくなり、視認者側における熱の影響を抑制することができる。
【0024】
また、視認者が表示装置100の作動操作(例えば、スイッチオン)をすると、表示部110の表示面111における各画素の発光状態が駆動回路基板によって制御されて、所定の画像(各種車両装置の各種情報を示す画像)が表示される。画像の光(P偏光、S偏光)は、表示面111(表示領域)から出射されて、空気層130を通過して、位相差層122において回転偏光となり、更に、直線偏光層121においてS偏光が遮光され、P偏光のみの直線偏光となって通過して視認者側に至る。
【0025】
ここで、空気層130の隙間寸法を相対的に大きくするほど、
図2の比較例(表示装置101)のように、表示部110から出射される画像の光において、一部の光は、円偏光板120で反射して表示部110に至るという現象が発生する。よって、表示部110から出射される画像の光のうち、直接、円偏光板120を通過する光と、円偏光板120で反射して表示部110に至り、表示部110から、再び、円偏光板120に至り通過する光とによって、2重像の発生を伴う。
【0026】
しかしながら、本実施形態では、
図1に示すように、空気層130の隙間寸法が所定の寸法(0.5mm)以下となるように設定しているので、上記のような円偏光板120での画像の光の反射を抑制して、2重像の発生を抑制することができる。
【0027】
(その他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、更に請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0028】
上記実施形態では、表示部110は、表示領域が1つのものとして説明したが、これに限定されることなく、複数の表示領域を有するものに適用してもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、表示装置100は、車両に用いられるものとして説明したが、これに限らず、家庭用や、店舗用等に用いられるものに適用してもよい。
【符号の説明】
【0030】
100 表示装置
110 表示部
120 円偏光板
121 直線偏光層
122 位相差層
130 空気層