(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085841
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、営業行動抽出システム、営業行動抽出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240620BHJP
G06F 40/279 20200101ALI20240620BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06F40/279
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200603
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉永 直生
【テーマコード(参考)】
5B091
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】営業日報等の文書から営業行動を精度よく抽出することのできる技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析部(11)と、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出部(12)と、解析部11による解析結果に基づき、対象抽出部(12)が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出部(13)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析手段と、
前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出手段と、
前記解析手段による解析結果に基づき、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記対象抽出手段は、営業行動の対象を示す単語に正解タグが付された文を教師データとして用いた機械学習により生成された学習済モデルに、前記文を入力することにより前記対象を示す単語を抽出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象抽出手段は、前記学習済モデルを用いて抽出した単語に加えて、前記営業行動抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する単語を、前記対象を示す単語として抽出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象抽出手段は、前記文から抽出した第1の単語に加えて、時系列関係を有する複数の文書から、当該文から抽出した単語と同一又は類似する第2の単語を前記時系列関係に基づき前記対象を示す単語として抽出する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象抽出手段は、前記第1の単語が抽出された文書に対応する営業活動よりも後の営業活動に関する文書から、前記第2の単語を抽出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記営業行動抽出手段は、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する第1の単語に加えて、当該第1の単語と係り受け関係を有する第2の単語を、営業行動を示す単語として抽出する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象抽出手段が抽出した単語、及び、前記営業行動抽出手段が抽出した単語を学習済モデルに入力して得られる出力に基づき、前記営業活動を支援する情報を出力する出力手段、を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサが、
営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析することと、
前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出することと、
前記解析する工程における解析結果に基づき、前記抽出する工程において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出することと、
を含むことを特徴とする営業行動抽出方法。
【請求項9】
コンピュータに、
営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する処理と、
前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する処理と、
前記解析する処理による解析結果に基づき、前記抽出する処理において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析手段と、
前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出手段と、
前記解析手段による解析結果に基づき、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出手段と、
を備えることを特徴とする営業行動抽出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業活動を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
営業活動を支援する技術が求められている。例えば特許文献1には、営業活動に有用な情報を生成する装置として、日報に含まれるテキストデータに対して自然言語解析処理を行って日報に含まれるフレーズを抽出し、抽出したフレーズを用いて所定の分析処理を行い、営業活動に有益な情報を生成する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、日報等の報告書には営業行動の内容を示すフレーズ(1又は複数の単語)だけでなく、営業行動との関連性が低いフレーズも含まれる。特許文献1に記載の技術では、日報に含まれるテキストデータに対して自然言語解析処理を行ってフレーズを抽出するため、営業行動とは関連性の低いフレーズも抽出してしまい、その結果営業活動に有益な情報を適切に生成できないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、営業日報等の文書から営業行動を精度よく抽出することのできる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析手段と、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出手段と、前記解析手段による解析結果に基づき、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出手段と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る営業行動抽出方法は、少なくとも1つのプロセッサが、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析することと、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出することと、前記解析する工程における解析結果に基づき、前記抽出する工程において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出することと、を含む。
【0008】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する処理と、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する処理と、前記解析する処理における解析結果に基づき、前記抽出する処理において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る営業行動抽出システムは、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析手段と、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出手段と、前記解析手段による解析結果に基づき、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、営業日報等の文書から営業行動を精度よく抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】例示的実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】例示的実施形態1に係る営業行動抽出システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】例示的実施形態2に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】例示的実施形態2に係る営業対象抽出部が抽出する対象を示す単語の一例を示す図である。
【
図6】例示的実施形態2に係る営業対象抽出部が抽出する対象を示す単語の一例を示す図である。
【
図7】例示的実施形態2に係る推奨情報出力処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図8】例示的実施形態2に係る学習フェーズ実行処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図9】各例示的実施形態に係る情報処理装置として機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔例示的実施形態1〕
本発明の例示的実施形態1について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0013】
(情報処理装置の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理装置1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、解析部11(解析手段)、対象抽出部12(対象抽出手段)、及び営業行動抽出部13(営業行動抽出手段)を備える。
【0014】
解析部11は、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する。解析部11は、情報処理装置1の入出力部を介して入力される文書を示すデータを取得してもよいし、情報処理装置1のユーザが指定した格納先(情報処理装置1の記憶装置内であってもよいし、情報処理装置1外の記憶装置内であってもよい)から上記データを取得してもよい。また、解析部11は、情報処理装置1の通信部を介して他の装置から上記データを受信することにより上記データを取得してもよい。
【0015】
対象抽出部12は、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する。営業行動抽出部13は、解析部11による解析結果に基づき、対象抽出部12が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0016】
営業行動抽出部13は、抽出した単語を示すデータを情報処理装置1の入出力部に接続された出力装置(表示装置、等)に出力してもよいし、通信部を介して接続された他の装置に上記データを送信してもよい。また、営業行動抽出部13は、上記データを情報処理装置1のユーザが指定した格納先(情報処理装置1の記憶装置内であってもよいし、情報処理装置1外の記憶装置であってもよい)に書き込むことにより上記データを出力してもよい。また、営業行動抽出部13が抽出した単語は、営業行動を推薦するための情報の生成に用いられてもよい。
【0017】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理装置1は、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析部11と、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出部12と、解析部11による解析結果に基づき、対象抽出部12が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出部13と、を備える構成が採用されている。本例示的実施形態に係る情報処理装置1によれば、営業行動の対象を示す単語と係り受け関係を有しない単語は営業行動として抽出しないため、これにより、営業日報等の文書から営業行動を精度よく抽出することができるという効果が得られる。
【0018】
(プログラム)
上述の情報処理装置1の機能は、プログラムによって実現することもできる。本例示的実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する処理と、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する処理と、上記解析する処理における解析結果に基づき、上記抽出する処理において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する処理と、を実行させるためのプログラムである。
【0019】
(情報処理方法の流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。なお、情報処理方法S1における各ステップの実行主体は、情報処理装置1が備えるプロセッサであってもよいし、他の装置が備えるプロセッサであってもよい。
【0020】
S11では、少なくとも1つのプロセッサが、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する。S12では、少なくとも1つのプロセッサが、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する。S13では、少なくとも1つのプロセッサが、ステップS11における解析結果に基づき、ステップS12において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0021】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1は、少なくとも1つのプロセッサが、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析することと、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出することと、上記解析する工程における解析結果に基づき、上記抽出する工程において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出することと、を含む構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1によれば、営業日報等の文書から営業行動を精度よく抽出することができるという効果が得られる。
【0022】
(営業行動抽出システムの構成)
本例示的実施形態に係る営業行動抽出システム2の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、営業行動抽出システム2の構成を示すブロック図である。営業行動抽出システム2は、解析部11(解析手段)、対象抽出部12(対象抽出手段)、及び営業行動抽出部13(営業行動抽出手段)を備える。解析部11は、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する。対象抽出部12は、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する。営業行動抽出部13は、解析部11による解析結果に基づき、対象抽出部12が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0023】
以上のように、本例示的実施形態に係る営業行動抽出システム2は、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析部11と、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出部12と、解析部11による解析結果に基づき、対象抽出部12が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出部13と、を備える構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る営業行動抽出システム2によれば、営業日報等の文書から営業行動を精度よく抽出することができるという効果が得られる。
【0024】
〔例示的実施形態2〕
(情報処理装置の構成)
本発明の例示的実施形態2について図面を参照して詳細に説明する。
図4は、例示的実施形態2に係る情報処理装置1Aの構成を示すブロック図である。情報処理装置1Aは営業日報等の文書に基づき今後の営業活動を支援するための情報を提供する装置である。情報処理装置1Aは、制御部10A、記憶部20A、通信部30A及び入出力部40Aを備える。
【0025】
通信部30Aは、情報処理装置1Aの外部の装置と通信回線を介して通信する。通信回線の具体的構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、通信回線は一例として、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらの組み合わせである。通信部30Aは、制御部10Aから供給されたデータを他の装置に送信したり、他の装置から受信したデータを制御部10Aに供給したりする。
【0026】
入出力部40Aには、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、タッチパネル等の入出力機器が接続される。入出力部40Aは、接続された入力機器から情報処理装置1Aに対する各種の情報の入力を受け付ける。また、入出力部40Aは、制御部10Aの制御の下、接続された出力機器に各種の情報を出力する。入出力部40Aとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースが挙げられる。
【0027】
制御部10Aは、情報処理装置1Aの各部を統括して制御する。制御部10Aは、係り受け解析部11A(解析手段)、営業対象抽出部12A(対象抽出手段)、営業行動抽出部13A(営業行動抽出手段)、営業行動推薦部14A(出力手段)、及び生成部15A(生成手段)を備える。
【0028】
(係り受け解析部)
係り受け解析部11Aは、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する。営業活動に関する文書は、営業活動の内容等を自然言語で記したものであり、一例として、営業員等が作成する営業日報である。自然言語は一例として、日本語、中国語、又は英語である。以下の説明では、説明の便宜上、文書を表すデータを単に「文書」ともいう。営業活動に関する文書は、一例として、営業活動の内容を表すテキストデータ、所定の文書作成ソフトウェアにより作成されたファイル、PDF(Portable Document Format)形式のファイル、又はHTML(HyperText Markup Language)形式のファイルである。営業活動に関する文書は、例えば、ユーザが入力装置等を操作して生成したデータであってもよく、また、例えば、営業活動の内容を表す音声ファイルに対し情報処理装置1A等の装置が音声解析処理を行って生成したデータであってもよい。
【0029】
係り受け解析部11Aは、一例として、形態素解析及び構文解析を行うことにより文の係り受け構造を解析する。形態素解析は、文を形態素に分割し、それぞれの形態素の品詞等を判別する処理である。構文解析は、形態素の関係を図式化する等して明確にする処理である。ただし、解析部11が文の構造を解析する手法は上述した例に限られない。解析部11は他の手法により文の構造を解析してもよい。
【0030】
係り受け解析部11Aは、入出力部40Aを介して入力される文書を取得してもよいし、情報処理装置1Aのユーザが指定した格納先(情報処理装置1Aの記憶装置内であってもよいし、情報処理装置1A外の記憶装置内であってもよい)から文書を取得してもよい。また、係り受け解析部11Aは、通信部30Aを介して他の装置から文書を受信してもよい。
【0031】
営業対象抽出部12Aは、上記文から営業行動の対象を示す単語又はフレーズを抽出する。ここで、フレーズとは、まとまった意味を表す単語列である。営業行動の対象を示す単語は例えば、「○○様にメール」「××社と会議」の○○や××にあたる部分であり、例えば、顧客名(社名、担当者名、等)である。また、営業行動の対象を示すフレーズは、顧客に関連するイベント等を示す単語を含むフレーズ(例えば、「定例会議向け資料を作成」)であってもよい。以下では、単語又はフレーズ(複数の単語)を単に「単語」ともいう。換言すると、本明細書において、営業行動の対象を示す単語は、営業行動の対象を示すフレーズを含む。営業対象抽出部12Aが行う上記対象を示す単語の抽出処理の詳細については後述する。
【0032】
営業行動抽出部13Aは、係り受け解析部11Aによる解析結果に基づき、営業対象抽出部12Aが抽出した単語と係り受け関係を有する単語を抽出する。営業行動抽出部13Aは例えば、「○○様にメールする」という文において、対象を示す単語である「○○様」と係り受け関係を有する「メールする」という動詞を、営業行動を示す単語として抽出する。また、営業行動抽出部13Aは例えば、「Aプロジェクトの進捗を○○様に報告した」という文において、対象を示す単語である「○○様」と係り受け関係を有する「報告した」という単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0033】
営業行動抽出部13Aは、抽出した営業行動を示す単語を示すデータを出力する。営業行動抽出部13Aは、上記データを、入出力部40Aに接続された出力装置に出力してもよいし、通信部30Aを介して接続された他の装置に上記データを送信してもよい。ここで、出力装置は一例として、ディスプレイ、プリンタ、プロジェクタ又はスピーカである。また、営業行動抽出部13Aは、上記データを情報処理装置1Aのユーザが指定した格納先(情報処理装置1Aの記憶装置内であってもよいし、情報処理装置1A外の記憶装置であってもよい)に書き込むことにより上記データを出力してもよい。
【0034】
営業行動推薦部14Aは、営業対象抽出部12Aが抽出した単語、及び、営業行動抽出部13Aが抽出した単語を第2学習済モデルLM2に入力して得られる出力に基づき、上記営業活動を支援する情報を出力する。ここで、第2学習済モデルLM2は、営業対象を示す単語と、営業行動を示す単語とを入力とし、営業活動を支援する情報を出力する学習済モデルである。営業活動を支援する情報は一例として、推薦する営業行動を示す情報を含む。第2学習済モデルLM2の機械学習の手法は限定されず、一例として、ニューラルネットワーク、決定木ベース、又は線形回帰の手法が用いられてもよく、また、これらのうちの2以上の手法が用いられてもよい。
【0035】
生成部15Aは、訓練データを用いた機械学習により第2学習済モデルLM2を生成する。訓練データは、一例として、(i)営業対象抽出部12Aが抽出した単語、(ii)営業行動抽出部13Aが抽出した単語、及び(iii)営業活動の成果を示すラベル、を含む。ここで、営業活動の成果を示すラベルは一例として、プロジェクトが成功したか否かを示すラベルである。
【0036】
(記憶部)
記憶部20Aは、情報処理装置1Aが使用する各種データを記憶する。記憶部20Aは特に、文書データベースDB1、営業成果データベースDB2、第1学習済モデルLM1、及び第2学習済モデルLM2を記憶する。文書データベースDB1は、営業活動に関する文書が蓄積されたデータベースである。営業活動に関する文書は、テキストファイル、PDFファイル、HTMLファイル等の種々のファイル形式で保存される。文書データベースDB1に記憶されたデータの少なくとも一部は、第1学習済モデルLM1又は第2学習済モデルLM2の機械学習のために用いられる。
【0037】
営業成果データベースDB2は、営業活動の成果を示すデータが蓄積されたデータベースである。営業成果データベースDB2に記憶されたデータの少なくとも一部は、第2学習済モデルLM2の機械学習のために用いられる。
【0038】
第1学習済モデルLM1は、営業対象抽出部12Aが営業対象を示す単語の抽出のために用いるモデルである。第1学習済モデルLM1は、営業行動の対象を示す単語に正解タグが付された文を教師データとして用いた機械学習により生成されたモデルである。第1学習済モデルLM1の機械学習の手法は限定されず、一例として、ニューラルネットワーク、決定木ベース、又は線形回帰の手法が用いられてもよく、また、これらのうちの2以上の手法が用いられてもよい。推定フェーズにおける第1学習済モデルLM1の入力は一例として文を含み、出力は対象を示す単語を含む。
【0039】
また、記憶部20Aが第1学習済モデルLM1及び第2学習済モデルLM2を記憶するとは、第1学習済モデルLM1を定めるパラメータ及び第2学習済モデルLM2を定めるパラメータを記憶部20Aが記憶することをいう。
【0040】
(営業対象抽出処理の具体例)
ここで、営業対象抽出部12Aが行う営業対象の抽出処理の具体例として処理例1~3を説明する。
(対象抽出の処理例1)
処理例1では、営業対象抽出部12Aは、機械学習により予め生成された第1学習済モデルLM1に上記文を入力することにより上記対象を示す単語を抽出する。第1学習済モデルLM1は上述したように、営業行動の対象を示す単語に正解タグが付された文を教師データとして用いた機械学習により生成されたモデルである。教師データに含まれる文は一例として、「Cプロジェクトの進捗を△△様に報告した。」という文において「△△様」に正解タグが付された文である。また、教師データに含まれる文は一例として、「Dプロジェクトのキックオフ会議を開催。」という文において「キックオフ会議」に正解タグが付された文である。
【0041】
図5は、営業対象抽出部12Aが抽出する対象を示す単語の一例を示す図である。
図5の例で、営業対象抽出部12Aは、文書D1に含まれる「Aプロジェクトの進捗を○○様に報告した」という文を第1学習済モデルLM1に入力することにより、当該文から「○○様」を営業行動の対象を示す単語T11として抽出する。また、営業対象抽出部12Aは、「Bプロジェクトのキックオフ会議を開催。」という文を第1学習済モデルLM1に入力することにより、当該文から「キックオフ会議」という単語T21を抽出する。
【0042】
(対象抽出の処理例2)
処理例2では、営業対象抽出部12Aは、第1学習済モデルLM1を用いて抽出した単語に加えて、営業行動抽出部13Aが抽出した、営業行動を示す単語と係り受け関係を有する単語を、上記対象を示す単語として抽出する。
【0043】
例えば「Aプロジェクトの進捗を○○様に報告した。」という文において、営業対象抽出部12Aが第1学習済モデルLM1を用いて「○○様」を抽出し、営業行動抽出部13Aが「報告した」を営業行動を示す単語として抽出した場合、営業対象抽出部12Aは、「○○様」に加えて、「報告した」と係り受け関係を有する「進捗」を対象を示す単語として抽出する。すなわち、この場合、営業対象抽出部12Aは、「進捗を○○様に」というフレーズを営業対象として抽出する。
【0044】
(対象抽出の処理例3)
処理例3では、営業対象抽出部12Aは、上記文から抽出した第1の単語に加えて、時系列関係を有する複数の文書から、当該文から抽出した単語と同一又は類似する第2の単語を上記時系列関係に基づき、上記対象を示す単語として抽出する。
【0045】
より具体的には、営業対象抽出部12Aは一例として、上記第1の単語が抽出された文書において当該第1の単語よりも後段に含まれる上記第2の単語を抽出する。例えば、ある営業日報に「○○様と会議」と記載されており、その後段に「会議向け資料作成」と記載されている場合、後者の「会議」も営業活動の対象であることがわかる。そのため、営業対象抽出部12Aは、文書から「○○様と会議」というフレーズを対象を示す単語として抽出した場合、その文書の後段に登場する「会議」という単語についても、営業活動の対象を示す単語として抽出する。
【0046】
図6は、営業対象抽出部12Aが抽出する対象を示す単語の一例を示す図である。
図6の例では、文書D2から営業対象抽出部12Aは「顧客」という単語T31と、「会議」という単語T32とを、対象を示す単語として抽出した場合、その後に登場する「会議」という単語T33も対象を示す単語として抽出する。
【0047】
また、営業対象抽出部12Aは、ひとつの文書から対象を示す単語を抽出するのに限られず、複数の文書から対象を示す単語を抽出してもよい。営業対象抽出部12Aは例えば、上記第1の単語が抽出された文書に対応する営業活動よりも後の営業活動に関する文書から、上記第2の単語を抽出する。例えば、営業対象抽出部12Aは、上記第1の単語を抽出した文書と同じプロジェクトについて直後に作成された文書から、上記第2の単語を抽出してもよい。
【0048】
ただし、営業対象抽出部12Aが対象を示す単語を抽出する手法は、上述の処理例1~処理例3に示した手法に限定されない。営業対象抽出部12Aは例えば、固有表現抽出等の自然言語処理を行って固有名詞を抽出してもよい。
【0049】
(営業行動抽出処理の具体例1~4)
次いで、営業行動抽出部13Aが行う営業行動の抽出処理の具体例として処理例1~4を説明する。
(営業行動の抽出の処理例1)
処理例1では、営業行動抽出部13Aは、営業対象抽出部12Aが抽出した営業行動の対象を示す単語と係り受け関係を有する単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
図5の例では、営業行動抽出部13Aは「Aプロジェクトの進捗を○○様に報告した。」という文において、対象を示す単語である「○○様」と係り受け関係を有する「報告した」という単語A11を、営業行動を示す単語として抽出する。また、営業行動抽出部13Aは「Bプロジェクトのキックオフ会議を開催。」という文において、対象を示す単語である「キックオフ会議」と係り受け関係を有する「開催」という単語A21を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0050】
(営業行動の抽出の処理例2)
処理例2では、営業行動抽出部13Aは、営業対象抽出部12Aが抽出した単語と係り受け関係を有する第1の単語に加えて、当該第1の単語と係り受け関係を有する第2の単語を、営業行動を示す単語として抽出する。この例で、営業行動抽出部13Aは例えば、「Aプロジェクトの進捗を○○様に報告した。」という文において、対象を示す単語である「○○様」と係り受け関係を有する「報告した」という単語を、営業行動を示す単語として抽出するとともに、「報告した」と係り受け関係を有する「進捗」についても営業行動を示す単語として抽出する。換言すると、営業行動抽出部13Aは、「進捗を報告した」というフレーズを、営業行動を示す単語として抽出する。
【0051】
(営業行動の抽出の処理例3)
処理例3では、文書を構成する各語は階層構造で分類され、営業行動抽出部13Aは、階層の粒度を選択し、選択した階層の粒度に対応する単語を抽出する。階層構造での分類方法の一例としては、例えば、各語について、大分類、中分類、小分類が与えられ、例えば「みかん」という語であれば大分類は「食品」であり、「中分類」は「果物」であり、「小分類」は「柑橘」である。階層の粒度とは、階層構造で分類された語の階層の深さであり、上述の例では、小分類が最も深い階層(細かい分類)である。この場合、営業行動抽出部13Aは一例として、営業対象抽出部12Aが抽出した対象を示す単語が属する階層から営業行動を示す単語を抽出する。
【0052】
(推薦情報出力処理の流れ)
図7は、情報処理装置1Aが実行する推薦情報出力処理の流れの一例を示すフロー図である。ステップS101において、係り受け解析部11Aは、営業活動に関する文書を取得し、取得した文書に含まれる文の係り受け構造を解析する。ステップS102において、営業対象抽出部12Aは上記文から営業行動の対象を示す単語を抽出する。
【0053】
ステップS103において、営業行動抽出部13Aは、係り受け解析部11Aによる解析結果に基づき、営業対象抽出部12Aが抽出した単語と係り受け関係を有する単語を、営業行動を示す単語として抽出する。例えば、「Aプロジェクトの進捗を○○様に報告した」という文において「○○様」が営業行動の対象を示す単語として抽出されている場合、営業行動抽出部13Aは、「○○様」と係り受け関係を有する「報告した」という単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0054】
ステップS104において、営業行動推薦部14Aは、(i)営業対象抽出部12Aが抽出した単語、及び(ii)営業行動抽出部13Aが抽出した単語、を第2学習済モデルLM2に入力して得られる出力に基づき、営業活動を支援するための推薦情報を生成し、出力する。
【0055】
(学習フェーズ実行処理の流れ)
図8は、情報処理装置1Aが実行する第2学習済モデルLM2の学習フェーズ実行処理の流れを示すフロー図である。ステップS201において、係り受け解析部11Aは、文書データベースDB1に記憶された、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する。ステップS202において、営業対象抽出部12Aは、上記文から営業行動の対象を示す単語を抽出する。ステップS203において、営業行動抽出部13Aは、係り受け解析部11Aによる解析結果に基づき、営業対象抽出部12Aが抽出した単語と係り受け関係を有する単語を、営業行動を示す単語として抽出する。
【0056】
ステップS204において、生成部15Aは、(i)営業対象抽出部12Aが抽出した単語、(ii)営業行動抽出部13Aが抽出した単語、及び(iii)営業活動の成果を示すラベル、を含む訓練データを用いた機械学習により第2学習済モデルLM2を生成する。営業活動の成果を示すラベルは一例として、営業成果データベースDB2に記憶されたデータに基づき生成される。
【0057】
(情報処理装置の効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aは、営業行動の対象を示す単語に正解タグが付された文を教師データとして用いた機械学習により生成された第1学習済モデルLM1に、上記文を入力することにより上記対象を示す単語を抽出する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aによれば、対象を示す単語に正解タグを付した文を用いて生成された第1学習済モデルLM1を用いることで対象を示す単語を精度よく抽出することができ、これにより、営業行動をより精度よく抽出できるという効果が得られる。
【0058】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aは、学習済モデルLMを用いて抽出した単語に加えて、営業行動抽出部13Aが抽出した単語と係り受け関係を有する単語を、上記対象を示す単語として抽出する、という構成が採用されている。営業対象抽出部12Aは例えば「○○様」という単語だけでなく「進捗」という単語も営業行動の対象を示す単語として抽出する。このように本例示的実施形態によれば、対象を示す単語としてより多様な情報を抽出することができ、これにより営業行動をより精度よく抽出できるという効果が得られる。
【0059】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aは、上記文から抽出した第1の単語に加えて、時系列関係を有する複数の文書から、当該文から抽出した単語と同一又は類似する第2の単語を時系列関係に基づき上記対象を示す単語として抽出する、という構成が採用されている。第1の単語だけでなく、第1の単語に関連する第2の単語を抽出することにより、営業対象を示す単語の抽出漏れを少なくすることができるという効果が得られる。
【0060】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aは、上記第1の単語が抽出された文書に対応する営業活動よりも後の営業活動に関する文書から、上記第2の単語を抽出するという構成が採用されている。第1の単語だけでなく、第1の単語が登場する文書よりも後に作成された文書から第2の単語を抽出することにより、営業対象を示す単語の抽出漏れを少なくすることができるという効果が得られる。
【0061】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aは、上記第1の単語が抽出された文書において当該第1の単語よりも後段に含まれる上記第2の単語を抽出するという構成が採用されている。第1の単語だけでなく、文書において第1の単語よりも後段に登場する第2の単語を抽出することにより、営業対象を示す単語の抽出漏れを少なくすることができるという効果が得られる。
【0062】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業行動抽出部13Aは、営業対象抽出部12Aが抽出した単語と係り受け関係を有する第1の単語に加えて、当該第1の単語と係り受け関係を有する第2の単語を、営業行動を示す単語として抽出するという構成が採用されている。営業行動抽出部13Aは例えば「報告した」という単語だけでなく「進捗を報告した」というフレーズを抽出する。このように本例示的実施形態によれば、営業行動を示す単語としてより詳細な情報を抽出することができるという効果が得られる。
【0063】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aが抽出した単語、及び、営業行動抽出部13Aが抽出した単語を第2学習済モデルLM2に入力して得られる出力に基づき、上記営業活動を支援する情報を出力する営業行動推薦部14Aを備えるという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aによれば、営業日報等の文書を用意するだけで営業活動を支援する情報を出力することができる。
【0064】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、営業対象抽出部12Aが抽出した単語及び営業行動抽出部13Aが抽出した単語と、営業活動の成果を示すラベルとを含む訓練データを用いた機械学習により、営業活動を支援する情報を出力する第2学習済モデルLM2を生成する生成部15A、を更に備えるという構成が採用されている。生成部15Aが生成した第2学習済モデルLM2を用いることで、営業活動を支援する情報を出力することができるという効果が得られる。
【0065】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1、1A、営業行動抽出システム2(以下「情報処理装置1等」という)の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0066】
後者の場合、情報処理装置1等は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図9に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを情報処理装置1等として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、情報処理装置1等の各機能が実現される。
【0067】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0068】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0069】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0070】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
(付記1)
営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析手段と、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出手段と、前記解析手段による解析結果に基づき、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0072】
(付記2)
前記対象抽出手段は、営業行動の対象を示す単語に正解タグが付された文を教師データとして用いた機械学習により生成された学習済モデルに、前記文を入力することにより前記対象を示す単語を抽出する、付記1に記載の情報処理装置。
【0073】
(付記3)
前記対象抽出手段は、前記学習済モデルを用いて抽出した単語に加えて、前記営業行動抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する単語を、前記対象を示す単語として抽出する、付記2に記載の情報処理装置。
【0074】
(付記4)
前記対象抽出手段は、前記文から抽出した第1の単語に加えて、時系列関係を有する複数の文書から、当該文から抽出した単語と同一又は類似する第2の単語を前記時系列関係に基づき前記対象を示す単語として抽出する、ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0075】
(付記5)
前記対象抽出手段は、前記第1の単語が抽出された文書に対応する営業活動よりも後の営業活動に関する文書から、前記第2の単語を抽出する、ことを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
【0076】
(付記6)
前記営業行動抽出手段は、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する第1の単語に加えて、当該第1の単語と係り受け関係を有する第2の単語を、営業行動を示す単語として抽出する、付記1から5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0077】
(付記7)
前記対象抽出手段が抽出した単語、及び、前記営業行動抽出手段が抽出した単語を学習済モデルに入力して得られる出力に基づき、前記営業活動を支援する情報を出力する出力手段、を更に備えることを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0078】
(付記8)
少なくとも1つのプロセッサが、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析することと、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出することと、前記解析する工程における解析結果に基づき、前記抽出する工程において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出することと、を含むことを特徴とする営業行動抽出方法。
【0079】
(付記9)
コンピュータに、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する処理と、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する処理と、前記解析する処理による解析結果に基づき、前記抽出する処理において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する処理と、を実行させるためのプログラム。
【0080】
(付記10)
営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析手段と、前記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出手段と、前記解析手段による解析結果に基づき、前記対象抽出手段が抽出した単語と係り受け関係を有する単語を、営業行動を示す1又は複数の単語として抽出する営業行動抽出手段と、を備えることを特徴とする営業行動抽出システム。
【0081】
(付記11)
前記対象抽出手段は、前記第1の単語が抽出された文書において当該第1の単語よりも後段に含まれる前記第2の単語を抽出する、ことを特徴とする付記4又は5に記載の情報処理装置。
【0082】
(付記12)
前記対象抽出手段が抽出した単語及び前記営業行動抽出手段が抽出した単語と、前記営業活動の成果を示すラベルとを含む訓練データを用いた機械学習により、営業活動を支援する情報を出力する学習済モデルを生成する生成手段、を更に備えることを特徴とする付記1から7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0083】
(付記13)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、営業活動に関する文書に含まれる文の係り受け構造を解析する解析処理と、上記文から営業行動の対象を示す1又は複数の単語を抽出する対象抽出処理と、上記解析処理による解析結果に基づき、上記対象抽出処理において抽出した単語と係り受け関係を有する1又は複数の単語を、営業行動を示す単語として抽出する営業行動抽出処理とを実行する情報処理装置。
【0084】
なお、この情報処理装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記解析処理と、前記対象抽出処理と、前記営業行動抽出処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1、1A 情報処理装置
2 営業行動抽出システム
11、11A 解析部
12 対象抽出部
12A 営業対象抽出部
13、13A 営業行動抽出部
14A 営業行動推薦部
15A 生成部