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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085843
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】接続装置及び配線ダクトシステム
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/16 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
H01R25/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200605
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 高宣
(72)【発明者】
【氏名】江川 直城
(57)【要約】
【課題】利便性を向上する。
【解決手段】接続装置1は、ダクト接続部4と、本体部5と、を備える。ダクト接続部4は、配線ダクト2が備える複数の給電部のうち少なくとも一つの給電部に電気的に接続される。本体部5は、ダクト接続部4を介して配線ダクト2と接続される。本体部5は、保持部51と、出力部と、選択部53と、を有する。保持部51は、ダクト接続部4を保持する。出力部は、給電対象が電気的に接続される。選択部53は、複数の給電部から、ダクト接続部4を介して出力部と電気的に接続する一つの給電部を選択する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線ダクトが備える複数の給電部のうち少なくとも一つの給電部に電気的に接続されるダクト接続部と、
前記ダクト接続部を介して前記配線ダクトと接続される本体部と、を備え、
前記本体部は、
前記ダクト接続部を保持する保持部と、
給電対象が電気的に接続される出力部と、
前記複数の給電部から、前記ダクト接続部を介して前記出力部と電気的に接続する一つの給電部を選択する選択部と、を有する
接続装置。
【請求項2】
前記ダクト接続部は、前記複数の給電部のうち一つの給電部と電気的に接続される受電部を有し、
前記選択部は、前記保持部に対して前記ダクト接続部を移動させ、前記保持部に対する前記受電部の位置を変更することによって、前記複数の給電部から、前記受電部が電気的に接続される前記一つの給電部を選択する
請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記保持部は、一方向において互いに対向する第1面部及び第2面部を有し、
前記第1面部は、前記ダクト接続部が前記少なくとも一つの給電部に電気的に接続された場合に、前記配線ダクトと対向する面であり、
前記ダクト接続部は前記一方向に延伸する柱状に形成され、
前記ダクト接続部は、前記第1面部から前記ダクト接続部の第1端が突出するように前記保持部に保持され、
前記第1端には前記受電部が設けられ、
前記ダクト接続部の第2端には前記選択部が接続され、
前記選択部は、前記第2面部から外部に露出するように前記保持部に保持される
請求項2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記第2面部側から操作されることによって前記第2面部から前記第1面部に向かう方向に移動し、前記第1面部からの前記ダクト接続部の前記第1端の突出量を増加させる
請求項3に記載の接続装置。
【請求項5】
前記本体部は、解除部を更に有し、
前記解除部は、前記選択部が前記第2面部から前記第1面部に向かう方向に移動した後に操作されることによって、前記選択部を前記第1面部から前記第2面部に向かう方向に移動させる
請求項4に記載の接続装置。
【請求項6】
前記選択部は、前記第2面部から前記第1面部に向かう方向に移動した後に、前記第2面部側から再度操作されることによって、前記第1面部から前記第2面部に向かう方向に移動する
請求項4に記載の接続装置。
【請求項7】
接続回路を更に備え、
前記ダクト接続部は、前記複数の給電部のうちの第1給電部及び第2給電部とそれぞれ電気的に接続される第1受電部及び第2受電部を有し、
前記接続回路は、前記第1受電部と前記出力部とが電気的に接続される第1接続状態と、前記第2受電部と前記出力部とが電気的に接続される第2接続状態とに切り替わり、
前記選択部は、前記接続回路を前記第1接続状態と前記第2接続状態とに切り替えることによって、前記第1給電部及び前記第2給電部から、前記ダクト接続部を介して前記出力部と電気的に接続する一つの給電部を選択する
請求項1に記載の接続装置。
【請求項8】
前記選択部は、
第1の操作が行われることにより、前記接続回路を前記第1接続状態から前記第2接続状態に切り替え、
前記第1の操作とは異なる第2の操作が行われることにより、前記接続回路を前記第2接続状態から前記第1接続状態に切り替える
請求項7に記載の接続装置。
【請求項9】
前記ダクト接続部が前記第1給電部及び前記第2給電部に電気的に接続された状態で、前記保持部における、前記配線ダクトと対向する第1面部以外の部位に、前記選択部は設けられる
請求項7に記載の接続装置。
【請求項10】
前記ダクト接続部は、一方向に延伸する柱状であり、
前記ダクト接続部の内部には、前記一方向に沿って前記配線ダクトの接地端子に接続される接地部材が配置される
請求項1に記載の接続装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の接続装置と、前記接続装置が接続される配線ダクトを含む
配線ダクトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に接続装置及び配線ダクトシステムに関し、より詳細には給電対象を配線ダクトに接続するための接続装置及び配線ダクトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの電源ラインを有する配線ダクトを支持する配線ダクト支持部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-057251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている配線ダクト支持部品の支持対象である2つの電源ラインを有する配線ダクトにおいては、2つの電源ラインの各々に給電対象を接続するために、2つの電源ラインの各々に対応した構造を有する別々の接続装置が必要であり、利便性が悪かった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、利便性を向上することができる接続装置及び配線ダクトシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る接続装置は、ダクト接続部と、本体部と、を備える。前記ダクト接続部は、配線ダクトが備える複数の給電部のうち少なくとも一つの給電部に電気的に接続される。前記本体部は、前記ダクト接続部を介して前記配線ダクトと接続される。前記本体部は、保持部と、出力部と、選択部と、を有する。前記保持部は、前記ダクト接続部を保持する。前記出力部は、給電対象が電気的に接続される。前記選択部は、前記複数の給電部から、前記ダクト接続部を介して前記出力部と電気的に接続する一つの給電部を選択する。
【0007】
本開示の一態様に係る配線ダクトシステムは、前記接続装置と、前記接続装置が接続される配線ダクトを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態1に係る配線ダクトシステムの使用例を示す外観図である。
図2図2は、同上の配線ダクトシステムの、選択部が第1状態にある場合の断面図である。
図3図3は、同上の配線ダクトシステムの、選択部が第2状態にある場合の断面図である。
図4図4は、同上の配線ダクトシステムの模擬的な回路図である。
図5図5は、本開示の一実施形態に係る接続装置の、選択部が第1状態にある場合の上方からの外観斜視図である。
図6図6は、同上の接続装置の、選択部が第1状態にある場合の下方からの外観斜視図である。
図7図7は、同上の接続装置の、選択部が第2状態にある場合の上方からの外観斜視図である。
図8図8は、同上の接続装置の、選択部が第2状態にある場合の下方からの外観斜視図である。
図9図9は、同上の接続装置の、選択部が第1状態にある場合の断面図である。
図10図10は、同上の接続装置の、選択部が第2状態にある場合の断面図である。
図11図11は、同上の接続装置の、選択部が第1状態にある場合の断面図である。
図12図12は、本開示の実施形態2に係る接続装置の、選択部が第1状態にある場合の上方からの外観斜視図である。
図13図13は、同上の接続装置の、選択部が第2状態にある場合の上方からの外観斜視図である。
図14図14は、同上の接続装置の、配線ダクトに接続された状態における側面図である。
図15図15は、本開示の実施形態2に係る配線ダクトシステムの、選択部が第1状態にある場合の模擬的な回路図である。
図16図16は、同上の配線ダクトシステムの、選択部が第2状態にある場合の模擬的な回路図である。
図17図17は、同上の配線ダクトシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る接続装置1について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0011】
(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係る接続装置1及び配線ダクトシステム100の概要について図1図8を参照して説明する。
【0012】
配線ダクトシステム100は、例えば、図1に示すように、支持部材3に保持された状態で、施設の天井C1に複数(例えば2つ)の吊り下げ器具J1を介して接続される。
【0013】
本実施形態における配線ダクトシステム100は、接続装置1と、接続装置1が接続される配線ダクト2を含む。
【0014】
配線ダクト2は、施設において、給電対象P1に、接続装置1を介して電力を供給するために用いられる。ここで「施設」は、住宅であってもよいし、非住宅であってもよい。住宅の例は、戸建住宅及び集合住宅等を含み得る。非住宅の例は、オフィスビル、商業施設、宿泊施設、複合施設、倉庫及び工場等を含み得る。
【0015】
接続装置1は、図2図4に示すように、ダクト接続部4と、本体部5と、を備える。
【0016】
ダクト接続部4は、配線ダクト2が備える複数の給電部E0(本実施形態では第1給電部E1、第2給電部E2)のうち少なくとも一つの給電部E0に電気的に接続される。
【0017】
本体部5は、ダクト接続部4を介して配線ダクト2と接続される。
【0018】
本体部5は、保持部51と、出力部52(図4参照)と、選択部53と、を有する。
【0019】
保持部51は、ダクト接続部4を保持する。
【0020】
出力部52は、給電対象P1が電気的に接続される。
【0021】
選択部53は、複数の給電部E0から、ダクト接続部4を介して出力部52と電気的に接続する一つの給電部E0を選択する。
【0022】
ここにおいて、一つの給電部E0がダクト接続部4を介して出力部52と電気的に接続されるとは、出力部52に電気的に接続された給電対象P1に、一つの給電部E0がダクト接続部4を介して給電可能となることを示す。
【0023】
本実施形態の配線ダクトシステム100及び接続装置1によれば、選択部53を有することにより、一種類の構造の接続装置1を用いて、配線ダクト2が有する複数の給電部E0のいずれにも給電対象P1を接続することが可能となる。つまり、一種類の接続装置1を用いて、複数の給電部E0のうち、所望の給電部E0に給電対象P1を接続することができる。これにより、複数の給電部E0の各々に対応した構造を有する別々の接続装置を用意する必要が無いため、利便性を向上することができる。
【0024】
なお、以下の説明では、配線ダクトシステム100が図1に示す通りに設置された状態での、天井C1に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、上下方向における下方(鉛直)を「下方」として説明する。また、図1における配線ダクト2の長手方向を「左右方向」とし、「上下方向」及び「左右方向」と直交する方向を「前後方向」とする。なお、図面中の「上下方向」、「左右方向」、「前後方向」を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。また、これらの方向は配線ダクトシステム100の設置状態を限定する趣旨ではない。
【0025】
また、本開示において「直交する」方向とは、厳密な90°方向のみを意味するのではなく、技術常識に照らし、本実施形態が所期の作用を奏する限り、90°方向と同視しうる方向も含む。
【0026】
(2)構成
以下、配線ダクトシステム100の構成について、図面を参照して、詳細に説明する。
【0027】
配線ダクトシステム100は、上述したように、接続装置1と、接続装置1が接続される配線ダクト2と、を備える。
【0028】
(2.1)配線ダクト
配線ダクト2は、図1に示すように、左右方向に延伸する長尺状である。
【0029】
配線ダクト2は、図2及び図3に示すように、前後方向において対向する側面部21、22と、上下方向において対向する上面部23、下面部24と、を備える。上面部23は、側面部21、22の上端部を機械的に接続している。言い換えると、配線ダクト2は、上面部23と、上面部23の左右両側縁からそれぞれ下向きに突出する側面部21、22とで、断面形状がU形に形成されている。
【0030】
配線ダクト2の下面部24には、左右方向に沿って延伸する開口部25が設けられる。開口部25の左右方向における任意の位置には、接続装置1が接続可能である。
【0031】
また、接続装置1には、図1に示すように、給電対象P1が接続される。給電対象P1は、接続装置1に対応するプラグを有する電気機器であり、例えば、照明器具、監視カメラ、人感センサ、リーラーコンセント等である。
【0032】
配線ダクト2は、図2図4に示すように、左右方向に沿って配置された一対の第1給電端子E10を含む第1給電部E1及び一対の第2給電端子E20を含む第2給電部E2を有する。
【0033】
図2及び図3に示すように、一対の第1給電端子E10のうち一方は側面部21に、他方は側面部22に、それぞれ設けられている。詳細には、一対の第1給電端子E10のうち一方は側面部21が有する突出部211の先端に、他方は側面部22が有する突出部221の先端に、それぞれ設けられている。また、一対の第2給電端子E20のうち一方は側面部21に、他方は側面部22に、それぞれ設けられている。詳細には、一対の第2給電端子E20のうち一方は側面部21が有する突出部212の先端に、他方は側面部22が有する突出部222の先端に、それぞれ設けられている。ここで、突出部212、222は突出部211、221の下方に設けられている。すなわち、一対の第2給電端子E20は、一対の第1給電端子E10の下方に設けられている。また、一対の第2給電端子E20と下面部24との間には、一対の固定溝26が設けられる。
【0034】
一対の第1給電端子E10は、図4に示すように、第1の給電路PS11から給電される。また、一対の第2給電端子E20は、第1の給電路PS11と異なる第2の給電路PS12から給電される。ここで、第1の給電路PS11及び第2の給電路PS12は、例えば単相3線式の商用電源PS1から分岐した2つの給電路である。なお商用電源PS1は三相3線式であってもよい。
【0035】
第1の給電路PS11及び第2の給電路PS12には、一対の第1給電端子E10への給電のオン/オフを制御する遮断スイッチSW1、及び、一対の第2給電端子E20への給電のオン/オフを制御する遮断スイッチSW2がそれぞれ設けられる。これにより、一対の第1給電端子E10に接続した給電対象P1への給電のオン/オフと、一対の第2給電端子E20に接続した給電対象P1への給電のオン/オフとを独立して制御することができる。このような制御の具体例としては、一対の第1給電端子E10に、常時給電が必要な監視カメラP11(図1参照)等の防犯用の給電対象P1を接続し、一対の第2給電端子E20にはオン/オフを頻繁に行う照明器具P12(図1参照)等の給電対象P1を接続して、それぞれを独立してオン/オフするといった制御が挙げられる。なお、第1の給電路PS11及び第2の給電路PS12は、一つの電源から分岐した2つの分岐回路に限定されず、互いに電気的に独立した電源回路でもよい。
【0036】
また、配線ダクト2は、左右方向に沿って配置された接地端子27を有する。接地端子27は、図2及び図3に示すように、配線ダクト2の上面部23に、前後方向における中央に位置するように固定されている。接地端子27は、接地用の導体であり、グランドに接続されている。
【0037】
(2.2)接続装置
接続装置1は、給電対象P1を配線ダクト2に電気的に接続するために用いられる。換言すると、給電対象P1は、接続装置1を介して配線ダクト2と電気的に接続される。
【0038】
接続装置1は、上述のように、ダクト接続部4と、本体部5と、を備える。また、接続装置1は、接地部材6を更に備える。
【0039】
ダクト接続部4は、図2図3図5図11に示すように、上下方向に延伸する柱状に形成されている。
【0040】
ダクト接続部4は、第1給電部E1及び第2給電部E2のいずれか一方と電気的に接続される受電部41(図4参照)を有する。受電部41は、一対の受電端子410を有する。一対の受電端子410は、ダクト接続部4の上側の端部(第1端D1)に設けられる。
【0041】
一対の受電端子410は、図2及び図3に示すように、接続装置1が配線ダクト2に接続されている状態では、第1端D1において、互いに反対方向に突出している金属片である。詳細には、一対の受電端子410は、第1端D1から前後方向にそれぞれ突出している。受電部41と、第1給電部E1又は第2給電部E2との電気的な接続については、「(3.1)接続動作例」において詳細に説明する。
【0042】
また、ダクト接続部4の図5における左側には接地部材6が収容される収容溝M1が設けられている。
【0043】
本体部5は、保持部51と、選択部53と、出力部52と、を有する。また、本体部5は、解除部54を更に有する。
【0044】
保持部51は、図9図11に示すように、ダクト接続部4及び選択部53を保持し、内部に出力部52を収容する筐体である。保持部51は、上下方向から見た形状が例えば長円形となるように形成されている。なお、保持部51の上下方向から見た形状は長円形に限定されず、例えば、円形、長方形等であってもよい。
【0045】
保持部51は、上下方向において互いに対向する第1面部S1及び第2面部S2を有する。第1面部S1及び第2面部S2は上下方向から見た形状が例えば長円形に形成されている。また、保持部51は、ダクト接続部4が給電部E0に電気的に接続された場合に、配線ダクト2に対して交差する交差面部S3を有する。本実施形態では、交差面部S3は配線ダクト2に対して直交する。交差面部S3は、第1面部S1の周縁部と第2面部S2の周縁部とを、上下方向において接続している。つまり、保持部51においては、図9図11に示すように、第1面部S1、第2面部S2及び交差面部S3によって、内部空間R0が形成される。内部空間R0は、ダクト接続部4及び選択部53の少なくとも一部を収容する第1空間R1及び出力部52を収容する第2空間R2を含む。
【0046】
第1面部S1は、図1に示すように、ダクト接続部4が給電部E0に電気的に接続された場合に、配線ダクト2と対向する面である。
【0047】
第1面部S1には、後述する解除部54が配置される操作孔H1が設けられている。操作孔H1は、例えば上方から見た場合の形状が矩形状に形成されている。なお、操作孔H1の上下方向から見た形状は矩形状に限定されず、例えば、円形、長方形等であってもよい。
【0048】
保持部51は、固定部510を更に有する。固定部510は第1面部S1において操作孔H1と左右方向に並んで設けられる。固定部510は、円筒部511と、一対の固定片512と、を有する。円筒部511は、第1面部S1から上方に突出する円筒状の部位である。円筒部511の筒内にはダクト接続部4が上下方向において移動可能な状態で配置されている。円筒部511の内部空間は、第1空間R1と連続している。一対の固定片512は、円筒部511から互いに反対方向に突出している。詳細には、接続装置1が配線ダクト2に取り付けられた状態において、一対の固定片512は、円筒部511の側面から前後方向にそれぞれ突出している。
【0049】
第2面部S2は、給電対象P1が接続される面である。
【0050】
第2面部S2には、図6及び図8に示すように、接続口H2と、開口部H3とが、左右方向に並んで設けられる。
【0051】
接続口H2は、給電対象P1に接続されたプラグ(給電プラグ)が接続される。接続口H2は、例えば、L極及びN極用の接触子とアース用の接触子を有する2極アース付きの給電プラグに対応しており、2つの栓刃挿入孔H21と1つのアースピン挿入孔H22を有している。2つの栓刃挿入孔H21と1つのアースピン挿入孔H22は、第2空間R2と保持部51の外部空間とを接続している。
【0052】
開口部H3は、円形の開口孔であり、保持部51の外部空間と第1空間R1とを接続している。なお、開口部H3は、図9図11に示すように、直径が第1空間R1の内径よりも小さくなるように形成されている。
【0053】
選択部53は、本実施形態では、図9図11に示すように、円板状の部材である底部531と、底部531の周縁部から上方に突出する外壁部532と、を有する。底部531と外壁部532とは例えば一体に形成される。
【0054】
底部531は、ダクト接続部4の下側の端部(第2端D2)に接続されている。
【0055】
底部531は、第1部位533と、第1部位533の下側に設けられ、第1部位533よりも直径の小さい第2部位534と、を有する。第1部位533と第2部位534とは、例えば一体に形成される。
【0056】
第1部位533は、直径が第1空間R1の内径よりも僅かに小さくなるように形成されている。また、第2部位534は、直径が開口部H3の直径よりも僅かに小さくなるように形成される。
【0057】
ダクト接続部4の周囲には、コイルばねのようなバネSP1が挿入される。より詳細には、バネSP1は、下端が底部531の第1部位533と接触し、上端が第1面部S1の裏面(下面)と接触するようにダクト接続部4の周囲に配置される。
【0058】
ここで、保持部51によるダクト接続部4及び選択部53の保持について説明する。ダクト接続部4は、第1面部S1から第1端D1が突出するように保持部51に保持されている。詳細には、ダクト接続部4は、第1面部S1から第1端D1が突出するように、固定部510の円筒部511に保持されている。また、選択部53は、第2面部S2の開口部H3から外部に露出するように保持部51に保持されている。また、選択部53は、第1空間R1内において、上下に移動可能な状態で保持部51に保持されている。換言すると、選択部53の可動範囲は、保持部51によって第1空間R1内に規制されている。具体的には、選択部53の位置は、図2及び図9に示すような第1位置と、図3及び図10に示すような第2位置との間で規制されている。
【0059】
第1位置は、選択部53(底部531の第2部位534)の下面535が保持部51の第2面部S2の下面と、例えば、面一になるような位置である。詳細には、第1位置において、開口部H3に底部531の第2部位534が嵌っており、第2部位534の下面535が第2面部S2の下面と面一になっている。なお、下面535の位置は第2面部S2の下面と面一になるような位置に限定されず、第2面部S2の下面よりも上方にあってもよいし、第2面部S2の下面よりも下方にあってもよい。
【0060】
このとき、底部531の第1部位533が開口部H3の周縁部B1によって下方から支持されているため、選択部53は第1位置より下方に下がることがないように保持部51に保持される。
【0061】
第2位置は、選択部53(外壁部532)の上面536が保持部51の第1面部S1の下面に接触するような位置である。つまり、選択部53は、第2位置において、第1位置よりも上方に位置している。
【0062】
選択部53の底部531がダクト接続部4の第2端D2と接続されているため、ダクト接続部4は、選択部53の上下方向の移動と連動して、上下方向に移動する。つまり、ダクト接続部4が上下方向に移動すると、第1面部S1からの第1端D1の突出量が変化する。具体的には、選択部53は、第2面部S2側から例えば押操作されることによって、第2面部S2から第1面部S1に向かう方向(上方)に移動し、第1面部S1からのダクト接続部4の第1端D1の突出量を増加させる。
【0063】
ここで、選択部53が第1位置にある状態において、第1端D1は、図2に示すように、接続装置1を配線ダクト2に接続した場合に、一対の受電端子410が一対の第2給電端子E20とそれぞれ接触する位置まで突出している。また、選択部53が第2位置にある状態において、第1端D1は、図3に示すように、接続装置1を配線ダクト2に接続した場合に、一対の受電端子410が一対の第1給電端子E10とそれぞれ接触する位置まで突出している。
【0064】
つまり選択部53は、保持部51に対してダクト接続部4を移動させ、保持部51に対する、受電部41が有する一対の受電端子410の位置を変更することによって、第1給電部E1(一対の第1給電端子E10)及び第2給電部E2(一対の第2給電端子E20)から、受電部41が電気的に接続される一つの給電部E0を選択するための部材である。
【0065】
出力部52は、図9図11に示すように、第2空間R2に収容されている。
【0066】
出力部52には、図4に示すように、給電対象P1が電気的に接続される。具体的には、出力部52は、例えば、給電対象P1に接続される2極アース付き給電プラグのL極及びN極用の接触子とアース(接地)用の接触子が各々接続される3つの端子を含む。出力部52の3つの端子には、2つの栓刃挿入孔H21と1つのアースピン挿入孔H22を介して、2極アース付きプラグのL極及びN極用の接触子とアース(接地)用の接触子が各々接続される。なお、出力部52は、電線が接続される端子であってもよい。この場合、出力部52に接続された電線と、給電対象P1とが接続されることにより、給電対象P1は配線ダクト2から給電される。
【0067】
出力部52とダクト接続部4の一対の受電端子410とは、図4に示すように、電気的に接続されている。ここで、接続装置1が配線ダクト2に電気的に接続された状態において、一対の受電端子410は、一対の第1給電端子E10又は一対の第2給電端子E20に電気的に接続される。すなわち、給電対象P1は、出力部52を介して配線ダクト2から給電される。
【0068】
解除部54は、選択部53が第2面部S2から第1面部S1に向かう方向(上方)に移動した後に操作されることによって、選択部53を第1面部S1から第2面部S2に向かう方向(下方)に移動させる。なお、解除部54の動作の詳細については、「(3.2)解除動作例」において説明する。
【0069】
解除部54は、操作孔H1から外部に露出している操作部541を有する。操作部541は、例えば、左右方向に沿って移動可能な矩形状のスライドボタンである。
【0070】
また、解除部54は、図9図11に示すように、例えばL字状の係止部542を有する。係止部542は、上下方向に延伸する平板状である第1板部543と、左右方向に延伸する平板状である第2板部544と、を有する。
【0071】
第1板部543の上端は、操作部541の右端に接続されている。第1板部543は、例えばバネ等によって、右方向への力が加えられている。これにより、操作部541に力を加えない状態においては、操作部541は、図9に示すように、操作孔H1の右端に接触した位置に保持される。
【0072】
第2板部544の左端は第1板部543の下端に接続されている。第2板部544の右端は、上方に行くにしたがって第1板部543との距離が長くなるように形成されている。これにより、第2板部544の右端には、前後方向から見た形状が鋭角である右端部545が形成される。
【0073】
接地部材6は、上下方向に延伸する第1部61と、第1部61の下端から左方に延伸する第2部62とを含む導体である。接地部材6は、例えば、金属線を曲げ加工して形成される。
【0074】
第1部61の上端部610は、図2及び図3に示すように、接続装置1が配線ダクト2に接続された状態で、配線ダクト2の接地端子27に接触している。なお、本実施形態においては、接地部材6の保持部51に対する上下方向の位置は、選択部53が第1位置にある場合、及び、選択部53が第2位置にある場合のいずれにおいても不変である。つまり、第1部61の上端部610は、選択部53が第1位置にある場合、及び、選択部53が第2位置にある場合のいずれにおいても、接続装置1が配線ダクト2に接続された状態で、接地端子27に接触している。また、第2部62の左端部は、図示しないが、出力部52が有する接地用の端子に接続されている。
【0075】
第1部61は、少なくとも一部がダクト接続部4の内部に上下方向に沿って配置されている。具体的には、第1部61の少なくとも一部は、図5及び図7に示すように、選択部53が第1位置にある場合、及び、選択部53が第2位置にある場合のいずれにおいても、ダクト接続部4の表面から内部に向けて形成されている収容溝M1に収容される。
【0076】
(3)動作例
以下に、配線ダクトシステム100の動作例について説明する。以下の説明においては、初期状態として、接続装置1が配線ダクト2に取り付けられておらず、接続装置1に給電対象P1が取り付けられていない状態を想定する。また、初期状態として、選択部53の位置は、第1位置にある場合を想定する。
【0077】
(3.1)接続動作例
まず、配線ダクトシステム100のユーザ(以下単にユーザという)が、配線ダクト2が有する一対の第1給電端子E10及び一対の第2給電端子E20のうち、給電対象P1を一対の第2給電端子E20から給電することを所望する場合の、接続装置1の配線ダクト2への接続動作について説明する。
【0078】
上述したように、選択部53が第1位置にある状態において、第1端D1は、図2に示すように、接続装置1を配線ダクト2に接続した場合に、一対の受電端子410が一対の第2給電端子E20とそれぞれ接触する位置まで突出している。したがって、給電対象P1を一対の第2給電端子E20から給電することを所望するユーザは、選択部53が第1位置にある初期状態のまま、接続装置1を配線ダクト2に取り付ける。
【0079】
以下に、選択部53が第1位置にある場合の、接続装置1の配線ダクト2への取り付け方法について説明する。
【0080】
まず、ユーザは、固定部510が有する一対の固定片512の突出方向が、配線ダクト2の開口部H3が延伸する方向(左右方向)に沿うように、ダクト接続部4を、開口部H3から、配線ダクト2の内部に挿入する。
【0081】
接地部材6の第1部61の上端部610が配線ダクト2の接地端子27に接触したら、保持部51及び保持部51に保持されているダクト接続部4を水平面に平行に90度回転させる。これにより、一対の固定片512が、図2に示すように、配線ダクト2の一対の固定溝26とそれぞれ篏合し、接続装置1と配線ダクト2とは機械的に接続される。また、ダクト接続部4の第1端D1に設けられた一対の受電端子410が、一対の第2給電端子E20とそれぞれ接触し、接続装置1と配線ダクト2とは電気的に接続される。
【0082】
この状態で、給電対象P1を接続装置1に接続することにより、給電対象P1には、一対の第2給電端子E20から給電される。
【0083】
次に、ユーザが、一対の第1給電端子E10及び一対の第2給電端子E20のうち、給電対象P1を一対の第1給電端子E10から給電することを所望する場合の、接続装置1の配線ダクト2への接続動作について説明する。
【0084】
上述したように、選択部53が第2位置にある状態において、第1端D1は、接続装置1を配線ダクト2に接続した場合に、一対の受電端子410が一対の第1給電端子E10とそれぞれ接触する位置まで突出している。したがって、ユーザは、選択部53の位置を、初期状態である第1位置から第2位置に移動させる必要がある。
【0085】
ユーザは、図6及び図8に示すように、第2面部S2の開口部H3から選択部53を下側から押操作して、選択部53を上方に移動させる。
【0086】
選択部53が上方に移動すると、選択部53に接続されたダクト接続部4も上方に移動する。ここで、図10に示すように、選択部53及びダクト接続部4が上方に移動すると、バネSP1が底部531によって上方に押され、収縮する。ここで、バネSP1は、選択部53が第1状態にある状態において、自然長となるように配置されている。したがって、バネSP1は、上方に押されて収縮した状態において、選択部53に対して下方に向けた弾性力を与えている。
【0087】
バネSP1の弾性力に抗って選択部53を上方に移動させると、外壁部532が、第2板部544の右端部545に接触する。上述したように、右端部545は、上方に行くにしたがって第1板部543との距離が長くなるように形成されているため、外壁部532が右端部545に接触した状態で上方に移動すると、第2板部544には、左方向の力が加わる。これにより、第2板部544の左端に接続された第1板部543が撓み、第2板部544は左方向に移動する。
【0088】
選択部53を更に上方に移動させると、底部531の第1部位533の側面が右端部545に接触する。そして、選択部53を第2位置まで移動させると、図10に示すように、右端部545の先端の上下方向における位置が第2部位534の上端の位置(上下方向における第1部位533と第2部位534の境界の位置)となる。このとき、第2部位534の直径は第1部位533の直径より小さいため、第1板部543の撓み量は減少し、第2板部544が右方向に移動する。このとき、図10に示すように、第1部位533が右端部545によって下方から支持されている状態となるため、選択部53にはバネSP1から下方への弾性力が加えられているが、選択部53は第2位置より下方に下がることがないように保持部51に保持される。
【0089】
上述したように、選択部53が第2位置にある状態において、第1端D1は、接続装置1を配線ダクト2に接続した場合に、一対の受電端子410が一対の第1給電端子E10とそれぞれ接触する位置まで突出している。したがって、給電対象P1を一対の第1給電端子E10から給電することを所望するユーザは、選択部53が第2状態にある状態で、接続装置1を配線ダクト2に取り付ける。
【0090】
以下に、選択部53が第2位置にある場合の、接続装置1の配線ダクト2への取り付け方法について説明する。
【0091】
まず、固定部510が有する一対の固定片512の突出方向が、配線ダクト2の開口部H3が延伸する方向(左右方向)に沿うように、ダクト接続部4を、開口部H3から、配線ダクト2の内部に挿入する。
【0092】
接地部材6の第1部61の上端部610が配線ダクト2の接地端子27に接触したら、保持部51及び保持部51に保持されているダクト接続部4を水平面に平行に90度回転させる。これにより、一対の固定片512が、図3に示すように、配線ダクト2の一対の固定溝26とそれぞれ篏合し、接続装置1と配線ダクト2とは機械的に接続される。また、ダクト接続部4の第1端D1に設けられた一対の受電端子410が、一対の第1給電端子E10とそれぞれ接触し、接続装置1と配線ダクト2とは電気的に接続される。
【0093】
この状態で、給電対象P1を接続装置1に接続することにより、給電対象P1には、一対の第1給電端子E10から給電される。
【0094】
(3.2)解除動作例
以下に、第2位置にある選択部53を第1位置に移動させる動作(解除動作)について説明する。
【0095】
まず、選択部53が第2位置にある状態で、ユーザは、解除部54が有する操作部541を操作孔H1の右端に接触した状態(図10参照)から、左方向に移動させる。このとき、操作部541の右端に接続されている第1板部543は、図示しないバネによって右方向への力が加えられているため、ユーザは、この右方向の力に抗って操作部541を左方にスライドさせる。
【0096】
ここで、操作部541を左方にスライドさせると、図11に示すように、底部531の第1部位及び第2部位534に接触していた右端部545も、左方に移動する。これにより、第1部位533は右端部545によって下方から支持されなくなるため、選択部53は、バネSP1から加えられる下方への弾性力のため、第2位置から第1位置まで移動する。
【0097】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0098】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0099】
上記実施形態においては、解除部54を操作することによって、選択部53を第2位置から第1位置まで移動させているが、選択部53は第2面部S2側から押操作されることによって第2位置から第1位置まで移動してもよい。換言すると、選択部53は、第2面部S2から第1面部S1に向かう方向に移動した後に、第2面部S2側から再度操作されることによって、第1面部S1から第2面部S2に向かう方向に移動するように構成されてもよい。この構成は、例えば、オルタネイト型の押スイッチの機構を採用することによって実現されればよい。
【0100】
上記実施形態においては、接地部材6の保持部51に対する上下方向の位置は、選択部53が第1位置にある場合、及び、選択部53が第2位置にある場合のいずれにおいても不変であるが、接地部材6の保持部51に対する上下方向の位置が上下方向に移動可能に構成されてもよい。一例として、接地部材6の下端にバネが接続され、接地部材6に上方から力が加えられると、接地部材6が下側に縮むように構成されてもよい。これにより、接続装置1を、一対の給電端子を含む給電部を1つ有し、上下方向の寸法が配線ダクト2より小さい従来の配線ダクトにも使用することができる。
【0101】
上記実施形態においては、配線ダクト2は2つの給電部E0(第1給電部E1、第2給電部E2)を備えているが、配線ダクト2は3つ以上の給電部E0を備えていてもよい。またこの場合に、接続装置1は、ダクト接続部4が3つ以上の給電部E0のうち一つの給電部E0に電気的に接続されるように構成されればよい。
【0102】
(実施形態2)
以下では、実施形態2に係る配線ダクトシステム100(100A)について、図12図17を参照して説明する。なお、実施形態2に係る配線ダクトシステム100Aに関し、実施形態1に係る配線ダクトシステム100と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0103】
配線ダクトシステム100Aは、接続装置1(1A)と、接続装置1Aが接続される配線ダクト2を含む。配線ダクト2の構成は、実施形態1と共通であるとする。
【0104】
(1)構成
接続装置1Aは、給電対象P1を配線ダクト2に電気的に接続するために用いられる。
【0105】
接続装置1Aは、図12及び図13に示すように、ダクト接続部4Aと、本体部5Aと、接地部材6と、を備える。
【0106】
ダクト接続部4Aは、上下方向に延伸する柱状に形成されている。
【0107】
ダクト接続部4Aは、図15及び図16に示すように、一対の第1給電端子E10を含む第1給電部E1及び一対の第2給電端子E20を含む第2給電部E2とそれぞれ電気的に接続される第1受電部42及び第2受電部43を有する。第1受電部42は、一対の第1受電端子421を有する。また、第2受電部43は、一対の第2受電端子431を有する。
【0108】
一対の第1受電端子421は、ダクト接続部4Aの上側の端部(第1端D1)に設けられる。一対の第2受電端子431は、第1受電部42の下方に設けられる。
【0109】
一対の第1受電端子421は、図17に示すように、第1端D1において、前後方向にそれぞれ突出している金属片である。一対の第1受電端子421は、上下方向において、接続装置1Aを配線ダクト2に接続した場合に、一対の第1給電端子E10とそれぞれ接触する位置に設けられている。
【0110】
一対の第2受電端子431は、一対の第1受電端子421の下方において、前後方向にそれぞれ突出している金属片である。一対の第2受電端子431は、接続装置1Aを配線ダクト2に接続した場合に、一対の第2給電端子E20とそれぞれ接触する位置に設けられている。
【0111】
本体部5Aは、保持部51Aと、選択部53Aと、出力部52(図16参照)と、を有する。また、本体部5Aは、図15及び図16に示すように、接続回路55Aを更に備える。
【0112】
保持部51Aは、ダクト接続部4Aを保持し、内部に出力部52を収容する筐体である。
【0113】
保持部51Aは、上下方向において互いに対向する第1面部S1A及び第2面部S2Aを有する。また、保持部51Aは、図17に示すように、ダクト接続部4Aが給電部E0に電気的に接続された場合に、配線ダクト2に対して交差する交差面部S3A(図14参照)を有する。本実施形態では、交差面部S3Aは配線ダクト2に対して直交する。交差面部S3Aは、図12及び図13に示すように、第1面部S1Aの周縁部と第2面部S2Aの周縁部とを、上下方向において接続している。
【0114】
第1面部S1Aは、ダクト接続部4Aが給電部E0に電気的に接続された場合に、配線ダクト2と対向する面である。
【0115】
保持部51Aは、固定部510を更に有する。固定部510は第1面部S1Aに設けられる。固定部510は、円筒部511と、一対の固定片512と、を有する。
【0116】
第2面部S2Aは、給電対象P1が接続される面である。
【0117】
接続回路55Aは、例えば、保持部51Aの内部に形成された空間に収容される。
【0118】
接続回路55Aは図15及び図16に示すように、例えば切替スイッチSW3を含む。切替スイッチSW3は、第1受電部42と出力部52とが電気的に接続される第1接続状態(図15参照)と、第2受電部43と出力部52とが電気的に接続される第2接続状態(図16参照)とに切り替わる。
【0119】
選択部53Aは、本実施形態では、図14に示すように、第1面部S1A及び第2面部S2Aが対向する方向(上下方向)に沿って、移動可能なスライドスイッチである。選択部53Aは、第1基準位置N1と第2基準位置N2との間で移動可能に設けられている。より詳細には、選択部53Aは、上端53Uが第1基準位置N1に位置する第1状態(図12参照)、又は、下端53Dが第2基準位置N2に位置する第2状態(図13参照)のいずれかの状態を取り得る。
【0120】
選択部53Aは、ダクト接続部4Aが第1給電部E1及び第2給電部E2に電気的に接続された状態で、保持部51Aにおける、配線ダクト2と対向する第1面部S1A以外の部位に設けられる。一例として、選択部53Aは、図12図14に示すように、交差面部S3上に設けられる。より詳細には、選択部53Aは、交差面部S3Aに含まれる左側面部S4Aに設けられる。なお、選択部53Aが設けられる位置は、左側面部S4Aに限定されず、交差面部S3Aの上の右側面等でもよいし、第2面部S2Aであってもよい。
【0121】
選択部53Aは、接続回路55Aに含まれる切替スイッチSW3を第1接続状態と第2接続状態とに切り替えることによって、第1給電部E1及び第2給電部E2から、ダクト接続部4Aを介して出力部52と電気的に接続する一つの給電部E0を選択する。具体的には、選択部53Aは、第1の操作が行われることにより、切替スイッチSW3を第1接続状態から第2接続状態に切り替える。また、選択部53Aは、第1の操作とは異なる第2の操作が行われることにより、切替スイッチSW3を第2接続状態から第1接続状態に切り替える。ここで、本実施形態では、第1の操作は、選択部53Aを第1状態(図12参照)から下方にスライドさせて第2状態(図13参照)とする操作である。また、第2の操作は、選択部53Aを第2状態から上方にスライドさせて第1状態とする操作である。
【0122】
(2)接続動作例
以下に、配線ダクトシステム100Aの接続動作例について説明する。
【0123】
まず、ユーザは、固定部510が有する一対の固定片512の突出方向が、配線ダクト2の開口部H3が延伸する方向(左右方向)に沿うように、ダクト接続部4Aを、開口部H3から、配線ダクト2の内部に挿入する。
【0124】
接地部材6の上端部610が配線ダクト2の接地端子27に接触したら、保持部51A及び保持部51Aに保持されているダクト接続部4Aを水平面に平行に90度回転させる。これにより、一対の固定片512が、図17に示すように、配線ダクト2の一対の固定溝26とそれぞれ篏合し、接続装置1Aと配線ダクト2とは機械的に接続される。また、ダクト接続部4Aに設けられた一対の第1受電端子421が、一対の第1給電端子E10とそれぞれ接触する。同時に、ダクト接続部4Aに設けられた一対の第2受電端子431が、一対の第2給電端子E20とそれぞれ接触する。これにより、接続装置1Aと配線ダクト2とは電気的に接続される。
【0125】
次に、ユーザは、選択部53Aを操作して、切替スイッチSW3を第1接続状態と第2接続状態とに切り替えることによって、第1給電部E1及び第2給電部E2から、ダクト接続部4Aを介して出力部52と電気的に接続する一つの給電部E0を選択する。
【0126】
ここで、一対の第1給電端子E10及び一対の第2給電端子E20のうち、給電対象P1を一対の第2給電端子E20から給電することを所望する場合、ユーザは第1の操作(選択部53Aを第1状態から下方にスライドさせて第2状態とする操作)を行う。なお、このとき選択部53Aがすでに第2状態にある場合は、ユーザは選択部53Aを操作しない。
【0127】
第1の操作を行うことにより、図16に示すように、切替スイッチSW3が、第2受電部43と出力部52とが電気的に接続される第2接続状態となる。この状態で、給電対象P1を接続装置1Aに接続することにより、給電対象P1には、一対の第2給電端子E20から給電される。
【0128】
また、一対の第1給電端子E10及び一対の第2給電端子E20のうち、給電対象P1を一対の第1給電端子E10から給電することを所望する場合、ユーザは第2の操作(選択部53Aを第2状態から上方にスライドさせて第1状態とする操作)を行う。なお、このとき選択部53Aがすでに第1状態にある場合は、ユーザは選択部53Aを操作しない。
【0129】
第2の操作を行うことにより、図15に示すように、切替スイッチSW3が、第1受電部42と出力部52とが電気的に接続される第1接続状態となる。この状態で、給電対象P1を接続装置1Aに接続することにより、給電対象P1には、一対の第1給電端子E10から給電される。
【0130】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0131】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0132】
上記実施形態においては、配線ダクト2は2つの給電部E0(第1給電部E1、第2給電部E2)を備えているが、配線ダクト2は3つ以上の給電部E0を備えていてもよい。またこの場合には、接続装置1Aにおいて、ダクト接続部4が3つ以上の給電部E0にそれぞれ対応する3つ以上の受電部を備えていればよい。また、選択部53Aは、3つ以上の給電部E0から、ダクト接続部4Aを介して出力部52と電気的に接続する一つの給電部E0を選択するように構成されればよい。
【0133】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る接続装置(1、1A)は、ダクト接続部(4、4A)と、本体部(5、5A)と、を備える。ダクト接続部(4、4A)は、配線ダクト(2)が備える複数の給電部(E0)のうち少なくとも一つの給電部(E0)に電気的に接続される。本体部(5、5A)は、ダクト接続部(4、4A)を介して配線ダクト(2)と接続される。本体部(5、5A)は、保持部(51、51A)と、出力部(52)と、選択部(53、53A)と、を有する。保持部(51、51A)は、ダクト接続部(4、4A)を保持する。出力部(52)は、給電対象(P1)が電気的に接続される。選択部(53、53A)は、複数の給電部(E0)から、ダクト接続部(4、4A)を介して出力部(52)と電気的に接続する一つの給電部(E0)を選択する。
【0134】
この態様によれば、一種類の構造の接続装置(1、1A)を用いて、配線ダクト(2)が有する複数の給電部(E0)の各々に給電対象(P1)を接続することが可能となる。つまり、一種類の接続装置(1、1A)を用いて、複数の給電部(E0)のうち、所望の給電部(E0)に給電対象(P1)を接続することができる。これにより、複数の給電部(E0)の各々に対応した構造を有する別々の接続装置を用意する必要が無いため、利便性を向上することができる。
【0135】
第2の態様に係る接続装置(1)では、第1の態様において、ダクト接続部(4)は、複数の給電部(E0)のうち一つの給電部(E0)と電気的に接続される受電部(41)を有する。選択部(53)は、保持部(51)に対してダクト接続部(4)を移動させ、保持部(51)に対する受電部(41)の位置を変更することによって、複数の給電部(E0)から、受電部(41)が電気的に接続される一つの給電部(E0)を選択する。
【0136】
この態様によれば、ダクト接続部(4)を移動させることによって、配線ダクト(2)が有する複数の給電部(E0)から給電対象(P1)を接続する所望の給電部(E0)を選択することができるため、利便性を向上することができる。
【0137】
第3の態様に係る接続装置(1)では、第2の態様において、保持部(51)は、一方向において互いに対向する第1面部(S1)及び第2面部(S2)を有する。第1面部(S1)は、ダクト接続部(4)が少なくとも一つの給電部(E0)に電気的に接続された場合に、配線ダクト(2)と対向する面である。ダクト接続部(4)は一方向に延伸する柱状に形成される。ダクト接続部(4)は、第1面部(S1)からダクト接続部(4)の第1端(D1)が突出するように保持部(51)に保持される。第1端(D1)には受電部(41)が設けられる。ダクト接続部(4)の第2端(D2)には選択部(53)が接続される。選択部(53)は、第2面部(S2)から外部に露出するように保持部(51)に保持される。
【0138】
この態様によれば、第2面部(S2)から選択部(53)を操作することで、ダクト接続部(4)を移動させることができ、利便性を向上することができる。
【0139】
第4の態様に係る接続装置(1)では、第3の態様において、選択部(53)は、第2面部(S2)側から操作されることによって第2面部(S2)から第1面部(S1)に向かう方向に移動し、第1面部(S1)からのダクト接続部(4)の第1端(D1)の突出量を増加させる。
【0140】
この態様によれば、第2面部(S2)から選択部(53)を、第2面部(S2)から第1面部(S1)に向かう方向に押操作することで、第1面部(S1)からのダクト接続部(4)の第1端(D1)の突出量を増加させることができ、利便性を向上することができる。
【0141】
第5の態様に係る接続装置(1)では、第4の態様において、本体部(5)は、解除部(54)を更に有する。解除部(54)は、選択部(53)が第2面部(S2)から第1面部(S1)に向かう方向に移動した後に操作されることによって、選択部(53)を第1面部(S1)から第2面部(S2)に向かう方向に移動させる。
【0142】
この態様によれば、解除部(54)を操作することによって、選択部(53)の位置を選択部(53)を操作する前の状態に戻すことができ、利便性を向上することができる。
【0143】
第6の態様に係る接続装置(1)では、第4又は第5の態様において、選択部(53)は、第2面部(S2)から第1面部(S1)に向かう方向に移動した後に、第2面部(S2)側から再度操作されることによって、第1面部(S1)から第2面部(S2)に向かう方向に移動する。
【0144】
この態様によれば、選択部(53)を再操作することによって、選択部(53)の位置を選択部(53)を操作する前の状態に戻すことができ、利便性を向上することができる。
【0145】
第7の態様に係る接続装置(1A)は、第1の態様において、接続回路(55A)を更に備える。ダクト接続部(4A)は、複数の給電部(E0)のうちの第1給電部(E1)及び第2給電部(E2)とそれぞれ電気的に接続される第1受電部(42)及び第2受電部(43)を有する。接続回路(55A)は、第1受電部(42)と出力部(52)とが電気的に接続される第1接続状態と、第2受電部(43)と出力部(52)とが電気的に接続される第2接続状態とに切り替わる。選択部(53A)は、接続回路(55A)を第1接続状態と第2接続状態とに切り替えることによって、第1給電部(E1)及び第2給電部(E2)から、ダクト接続部(4A)を介して出力部(52)と電気的に接続する一つの給電部(E0)を選択する。
【0146】
この態様によれば、ダクト接続部(4A)を機械的に移動させることなく、第1給電部(E1)及び第2給電部(E2)から、ダクト接続部(4A)を介して出力部(52)と電気的に接続する一つの給電部(E0)を選択することができるため、ダクト接続部(4A)に故障が発生する可能性を低減することができる。
【0147】
第8の態様に係る接続装置(1A)は、第7の態様において、選択部(53A)は、第1の操作が行われることにより、接続回路(55A)を第1接続状態から第2接続状態に切り替える。選択部(53A)は、第1の操作とは異なる第2の操作が行われることにより、接続回路(55A)を第2接続状態から第1接続状態に切り替える。
【0148】
この態様によれば、ダクト接続部(4A)を機械的に移動させることなく、第1給電部(E1)及び第2給電部(E2)から、ダクト接続部(4A)を介して出力部(52)と電気的に接続する一つの給電部(E0)を選択することができるため、ダクト接続部(4A)の消耗を低減することができる。
【0149】
第9の態様に係る接続装置(1A)では、第7又は第8の態様において、ダクト接続部(4A)が第1給電部(E1)及び第2給電部(E2)に電気的に接続された状態で、保持部(51A)における、配線ダクト(2)と対向する第1面部(S1A)以外の部位に、選択部(53A)は設けられる。
【0150】
この態様によれば、接続装置(1A)を配線ダクト(2)に接続した状態のまま、選択部(53A)を操作することができるため、利便性を向上することができる。
【0151】
第10の態様に係る接続装置(1、1A)は、第1~第9のいずれかの態様において、ダクト接続部(4、4A)は、一方向に延伸する柱状である。ダクト接続部(4、4A)の内部には、一方向に沿って配線ダクト(2)の接地端子(27)に接続される接地部材(6)が配置される。
【0152】
この態様によれば、ダクト接続部(4、4A)を配線ダクト(2)に接続することによって、接続装置(1、1A)を接地することができる。
【0153】
第11の態様に係る配線ダクトシステム(100)は、接続装置(1、1A)と、接続装置(1、1A)が接続される配線ダクト(2)を含む。
【0154】
この態様によれば、一種類の構造の接続装置(1、1A)を用いて、配線ダクト(2)が有する複数の給電部(E0)の各々に給電対象(P1)を接続することが可能となる。つまり、一種類の接続装置(1、1A)を用いて、複数の給電部(E0)のうち、所望の給電部(E0)に給電対象(P1)を接続することができる。これにより、複数の給電部(E0)の各々に対応した構造を有する別々の接続装置を用意する必要が無いため、利便性を向上することができる。
【0155】
なお、第2~第10の態様は接続装置(1、1A)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【符号の説明】
【0156】
1、1A 接続装置
2 配線ダクト
4、4A ダクト接続部
5、5A 本体部
6 接地部材
27 接地端子
41 受電部
42 第1受電部
43 第2受電部
51、51A 保持部
52 出力部
53、53A 選択部
54 解除部
55A 接続回路
100 配線ダクトシステム
D1 第1端
D2 第2端
E0 給電部
E1 第1給電部
E2 第2給電部
P1 給電対象
S1 第1面部
S2 第2面部
図1
図2
図3
図4
図5
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