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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008585
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ロータリー式搬送機
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/86 20060101AFI20240112BHJP
   B65G 17/26 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65G47/86 E
B65G17/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110575
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】綱代 雅裕
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA07
3F072GC03
3F072GG07
3F072GG11
3F072KA01
3F072KC01
3F072KC06
3F072KD01
3F072KD13
(57)【要約】
【課題】 充填対象容器のサイズを変更する場合に、より短時間で充填対象容器のサイズ変更に適応し得る、ロータリー式搬送機を提供すること。
【解決手段】 ロータリー式搬送機は、無端状で環状の第1の帯状部と、無端状で環状の第2の帯状部と、複数のキャリアアセンブリとを備える。第1の帯状部は、周方向に沿って移動可能である。第2の帯状部は、環状の第1の帯状部に貫通方向が一致するように並設され、第1の帯状部の周方向に平行な周方向に沿って移動可能である。複数のキャリアアセンブリは、第1の帯状部に支持される第1のキャリアと、第2の帯状部に支持され、第1のキャリアとの間にそれぞれ物品を配置可能な第2のキャリアとをそれぞれ有する。第1の帯状部及び第2の帯状部は、少なくとも一方が相対的に周方向に移動可能である。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に沿って移動可能な無端状で環状の第1の帯状部と、
前記環状の前記第1の帯状部に貫通方向が一致するように並設され、前記第1の帯状部の前記周方向に平行な周方向に沿って移動可能な無端状で環状の第2の帯状部と、
前記第1の帯状部に支持される第1のキャリアと、前記第2の帯状部に支持され、前記第1のキャリアとの間にそれぞれ物品を配置可能な第2のキャリアとをそれぞれ有する、複数のキャリアアセンブリと、
を備え、
前記第1の帯状部及び前記第2の帯状部は、相対的に前記周方向に移動可能である、ロータリー式搬送機。
【請求項2】
前記複数のキャリアアセンブリの前記第1のキャリアは、前記第1の帯状部に前記第1の帯状部の前記周方向に対して等間隔に支持され、
前記複数のキャリアアセンブリの前記第2のキャリアは、前記第2の帯状部に前記第2の帯状部の前記周方向に対して等間隔に支持される、
請求項1に記載のロータリー式搬送機。
【請求項3】
前記キャリアアセンブリの前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの距離を目的の距離にする定位置ストッパを有する、
請求項2に記載のロータリー式搬送機。
【請求項4】
周方向に沿って移動可能な無端状で環状の第1の帯状部と、
前記環状の前記第1の帯状部に貫通方向が一致するように並設され、前記第1の帯状部の前記周方向に平行な周方向に沿って移動可能な無端状で環状の第2の帯状部と、
前記第1の帯状部に支持される第1のキャリアと、前記第2の帯状部に支持され、前記第1のキャリアとの間にそれぞれ物品を配置可能な第2のキャリアとをそれぞれ有する、複数のキャリアアセンブリと、
前記第1の帯状部に対する前記第1のキャリア、及び、前記第2の帯状部に対する前記第2のキャリアの少なくとも一方を相対的に前記周方向に移動させて、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアの幅を調整する調整部と
を有する、ロータリー式搬送機。
【請求項5】
前記調整部は、
前記第1の帯状部に設けられ、前記第1のキャリアの位置を調整する第1の調整機構と、
前記第2の帯状部に設けられ、前記第1のキャリアに対する前記第2のキャリアの位置を調整する第2の調整機構と
を有する、請求項4に記載のロータリー式搬送機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリー式搬送機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、充填対象容器のサイズ変更に適応し得る、ロータリー式充填装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-264913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に開示されたロータリー式充填装置を用い、充填対象容器のサイズを変更する場合、装置に取り付けられて容器を保持するキャリアを全て交換する必要がある。このため、充填対象容器のサイズを変更する場合にロータリー式充填装置のセットに時間を要する。
【0005】
本発明は、充填対象容器のサイズを変更する場合に、より短時間で充填対象容器のサイズ変更に適応し得る、ロータリー式搬送機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るロータリー式搬送機は、無端状で環状の第1の帯状部と、無端状で環状の第2の帯状部と、複数のキャリアアセンブリとを備える。第1の帯状部は、周方向に沿って移動可能である。第2の帯状部は、環状の第1の帯状部に貫通方向が一致するように並設され、第1の帯状部の周方向に平行な周方向に沿って移動可能である。複数のキャリアアセンブリは、第1の帯状部に支持される第1のキャリアと、第2の帯状部に支持され、第1のキャリアとの間にそれぞれ物品を配置可能な第2のキャリアとをそれぞれ有する。第1の帯状部及び第2の帯状部は、相対的に周方向に移動可能である。
【0007】
複数のキャリアアセンブリの第1のキャリアは、第1の帯状部に第1の帯状部の周方向に対して等間隔に支持され、複数のキャリアアセンブリの第2のキャリアは、第2の帯状部に第2の帯状部の周方向に対して等間隔に支持されることが好適である。
キャリアアセンブリの第1のキャリアと第2のキャリアとの距離を目的の距離にする定位置ストッパを有することが好適である。
【0008】
本発明の他の一態様に係るロータリー式搬送機は、無端状で環状の第1の帯状部と、無端状で環状の第2の帯状部と、複数のキャリアアセンブリと、調整部とを備える。第1の帯状部は、周方向に沿って移動可能である。第2の帯状部は、環状の第1の帯状部に貫通方向が一致するように並設され、第1の帯状部の周方向に平行な周方向に沿って移動可能である。複数のキャリアアセンブリは、第1の帯状部に支持される第1のキャリアと、第2の帯状部に支持され、第1のキャリアとの間にそれぞれ物品を配置可能な第2のキャリアとをそれぞれ有する。調整部は、第1の帯状部に対する第1のキャリア、及び、第2の帯状部に対する第2のキャリアの少なくとも一方を相対的に周方向に移動させて、第1のキャリア及び第2のキャリアの幅を調整する。
【0009】
調整部は、第1の帯状部に設けられ、第1のキャリアの位置を調整する第1の調整機構と、第2の帯状部に設けられ、第1のキャリアに対する第2のキャリアの位置を調整する第2の調整機構とを有することが好適である。
【0010】
本発明の一態様に係るロータリー式搬送機の第1のキャリア及び第2のキャリアの幅の調整方法は、第1のキャリアに対する第2のキャリアの距離を所望の距離に調整すること、第1のキャリアと第2のキャリアとの距離を所望の距離に維持させることを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、充填対象容器のサイズを変更する場合に、より短時間で充填対象容器のサイズ変更に適応し得る、ロータリー式搬送機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、ロータリー式搬送機の概略的な上面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るロータリー式搬送機の一部の概略的な上面図である。
図3図3は、図2中の矢印IIIで示す方向から見たロータリー式搬送機の一部の概略的な側面図である。
図4図4は、図2に示す例に対してキャリアアセンブリのキャリア間の幅を小さくしたロータリー式搬送機の一部の概略的な上面図である。
図5図5は、図4中の矢印Vで示す方向から見たロータリー式搬送機の一部の概略的な側面図である。
図6図6は、図5に示す例に対してキャリアアセンブリのキャリア間の幅を小さくしたロータリー式搬送機の一部の概略的な上面図である。
図7図7は、図6中の矢印VIで示す方向から見たロータリー式搬送機の一部の概略的な側面図である。
図8図8は、図2から図7に示すロータリー式搬送機の一部の概略的な斜視図である。
図9図9は、第1実施形態の変形例に係るロータリー式搬送機の治具を用いてキャリアアセンブリのキャリア間の幅を治具の最大幅に調整する様子を示す概略図である。
図10図10は、図9に示すキャリアアセンブリのキャリア間の幅を、治具の最小幅に調整する様子を示す概略図である。
図11図11は、第2実施形態に係るロータリー式搬送機の第1の帯状部、第2の帯状部の一部、及び、一部の調整部を示す概略図である。
図12図12は、図11に示すロータリー式搬送機の調整部の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るロータリー式搬送機10は、例えば紙パックなどの適宜の容器の充填装置(充填機)の一部として用いられ得る。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、ロータリー式搬送機10の概略的な上面図である。図2は、ロータリー式搬送機10の一部の概略的な上面図である。図3は、図2中の矢印IIIで示す方向から見たロータリー式搬送機10の一部の概略的な側面図である。図4は、図2に示す例に対してキャリアアセンブリ16間の幅Wを小さくしたロータリー式搬送機10の一部の概略的な上面図である。図5は、図4中の矢印Vで示す方向から見たロータリー式搬送機10の一部の概略的な側面図である。図6は、図5に示す例に対してキャリアアセンブリ16間の幅Wを小さくしたロータリー式搬送機10の一部の概略的な上面図である。図7は、図6中の矢印VIで示す方向から見たロータリー式搬送機10の一部の概略的な側面図である。図8は、図2から図7に示すロータリー式搬送機10の一部の概略的な斜視図である。
【0015】
図1から図8に示すように、ロータリー式搬送機10は、第1の帯状部12と、第2の帯状部14と、第1の帯状部12に支持される複数のキャリアアセンブリ16とを有する。
【0016】
第1の帯状部12及び第2の帯状部14がロータリー式搬送機10の中心軸の軸回りに周方向に同一方向に同一速度で移動することにより、複数のキャリアアセンブリ16が一緒に移動する。
【0017】
本実施形態では、第1の帯状部12は、周方向に沿って移動可能な無端状で環状に形成される。第1の帯状部12は、1対の第1の無端チェーン22,24を有する。1対の第1の無端チェーン22,24は、同じ大きさの円環状に形成される。1対の第1の無端チェーン22,24の一方は、例えば最上段に配置される。1対の第1の無端チェーン22,24の他方は、例えば最下段に配置される。
【0018】
第2の帯状部14は、周方向に沿って移動可能な無端状で環状に形成される。第2の帯状部14は、1対の第2の無端チェーン32,34を有する。1対の第2の無端チェーン32,34は、1対の第1の無端チェーン22,24と同じ大きさの円環状に形成される。1対の第2の無端チェーン32,34の一方は、例えば最上段の第1の無端チェーン22の直下に並設される。1対の第2の無端チェーン32,34の他方は、例えば最下段の第1の無端チェーン24の直上に並設される。
【0019】
第1の帯状部12及び第2の帯状部14は、貫通方向が一致するように並設される。本実施形態では、第1の帯状部12の1対の第1の無端チェーン22,24、第2の帯状部14の1対の第2の無端チェーン32,34の中心軸は一致する。このため、第1の帯状部12の1対の第1の無端チェーン22,24及び第2の帯状部14の1対の第2の無端チェーン32,34は、平行に配置される。
【0020】
各キャリアアセンブリ16は、第1の帯状部12に支持される第1のキャリア42と、第2の帯状部14に支持され、第1のキャリア42との間にそれぞれ物品を配置可能な第2のキャリア44とを有する。
【0021】
図8に示すように、第1のキャリア42は、第1の主体52と、第1の主体52からロータリー式搬送機10の径方向外方に向けて突出する第1の突出部54とを有する。第1の主体52は、第1の帯状部12の無端チェーン22,24のそれぞれに固定される例えばロッド状に形成される。第1の主体52の長手軸は、鉛直方向に沿うことが好適である。本実施形態では、第1のキャリア42は、3つの第1の突出部54を有するが、第1の突出部54は1つの面として形成されていてもよい。
【0022】
第2のキャリア44は、第2の主体62と、第2の主体62からロータリー式搬送機10の径方向外方に向けて突出する第2の突出部64とを有する。第2の主体62は、第2の帯状部14の無端チェーン32,34のそれぞれに固定される例えばロッド状に形成される。第2の主体62の長手軸は、鉛直方向に沿うことが好適である。本実施形態では、第2のキャリア44は、3つの第2の突出部64を有するが、第2の突出部64は1つの面として形成されていてもよい。
【0023】
各キャリアアセンブリ16により保持される物品は、例えば紙パックであるとする。例えば紙パックの大きさに、図2に示す大パックP1、図4に示す中パックP2、図6に示す小パックP3の3段階の大きさがあるとする。ここでの大、中、小の3段階の大きさは、紙パックP1,P2,P3の高さを無視した底面の大きさであるとする。また、紙パックP1,P2,P3の底面は、説明の簡略化のため、正方形であるとする。
【0024】
また、ロータリー式搬送機10は、キャリアアセンブリ16とは別に、上面に物品を載置する載置部を有することも好適である。載置部は、各キャリアアセンブリ16に対応する数に独立して形成されていてもよく、キャリアアセンブリ16の数とは無関係に例えば円環状に形成されるなど1つにより形成されていてもよい。
【0025】
次に、本実施形態に係るロータリー式搬送機10の動作及びキャリアアセンブリ16の調整作業について説明する。
【0026】
上述したように、第1の帯状部12の1対の無端チェーン22,24に対して複数の第1のキャリア42が等間隔に支持されている。また、第2の帯状部14の1対の無端チェーン32,34に対して複数の第2のキャリア44が等間隔に支持されている。この状態で、第1の帯状部12の1対の無端チェーン22,24間に、第2の帯状部14の1対の無端チェーン32,34を配置する。このため、図2に示すように、第1のキャリア42及び第2のキャリア44が対となって、1つの紙パックを支持可能である。
【0027】
ロータリー式搬送機10が紙パックP1を処理するモードから、紙パックP2を処理するモードに切り替えるとする。この場合、まず、ロータリー式搬送機10の動作を停止する。この状態で、第1の帯状部12の無端チェーン22,24と、第2の帯状部14の無端チェーン32,34との相対位置の固定状態を解除する。そして、例えば手動で、第1の帯状部12の無端チェーン22,24を第2の帯状部14の無端チェーン32,34に対して周方向に移動させる。このとき、第1のキャリア42の第1の主体52を、第2のキャリア44の第2の主体62に対して近づける。このため、第1の突出部54と第2の突出部64との間の幅が、紙パックP1が入らないが、紙パックP2を搬送するために適した幅となる。
そして、第1の帯状部12に支持される各キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42は、連動して第2の帯状部14に支持される各キャリアアセンブリ16の第2のキャリア44に対して周方向に移動する。したがって、全てのキャリアアセンブリ16の第1のキャリア42の第1の突出部54と第2のキャリア44の第2の突出部64との幅Wが、一緒に、例えば、大パックP1を保持する状態から、中パックP2を保持する状態など、適宜の幅に切り替えられる。
【0028】
ロータリー式搬送機10を動かす場合、第1の帯状部12と第2の帯状部14との周方向の相対位置関係、上下方向の相対位置関係を固定する。そして、第1の帯状部12と第2の帯状部14とがこの位置関係を維持しながら、同じ周方向に同じ速度で移動する。
【0029】
本実施形態では、第1の帯状部12及び第2の帯状部14を相対的に周方向に移動させると、全てのキャリアアセンブリ16が一緒に移動する。このため、簡単な作業で、全てのキャリアアセンブリ16の第1のキャリア42の第1の突出部54と第2のキャリア44の第2の突出部64との幅Wを一緒に調整することができる。
【0030】
また、ロータリー式搬送機10が紙パックP2を処理するモードから、紙パックP3を処理するモードに切り替えるとする。この場合、ロータリー式搬送機10の動作を停止する。そして、第1の帯状部12と第2の帯状部14との相対位置関係の固定状態を解除する。この状態で、例えば手動で、第1の帯状部12の無端チェーン22,24を第2の帯状部14の無端チェーン32,34に対して周方向に移動させる。このとき、第1のキャリア42の第1の主体52を、第2のキャリア44の第2の主体62に対して近づける。このため、第1の突出部54と第2の突出部64との間の幅が、紙パックP1,P2が入らないが、紙パックP3を搬送するために適した幅となる。
ロータリー式搬送機10を動かす場合、第1の帯状部12と第2の帯状部14とがこの位置関係を維持しながら、同じ速度で、同じ方向に移動する。
【0031】
このように、キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42を第1の帯状部12に支持させ、第2のキャリア44を第2の帯状部14に支持させ、第1の帯状部12及び第2の帯状部14を相対的に周方向に移動させることにより、第1のキャリア42と第2のキャリア44との距離を適宜に設定することができる。このため、ロータリー式搬送機10の充填対象容器のサイズを変更する場合に、より短時間で充填対象容器のサイズ変更に適応し得る、ロータリー式搬送機10を提供することができる。
【0032】
本実施形態では、第1の帯状部12は、1対の第1の無端チェーン22,24を有する例について説明した。また、第2の帯状部14は、1対の第2の無端チェーン32,34を有する例について説明した。無端チェーン22,24,32,34の代わりに、図示しない歯付きの無端ベルト等を用いてもよい。このため、第1の帯状部12及び第2の帯状部14は、それぞれ、1又は複数の無端チェーン22,24,32,34(図2図7参照)及び1又は複数の歯付き無端ベルトの少なくとも一方である。これらの場合、回転源に対して滑らずに、又は、滑り難い状態で、第1の帯状部12及び第2の帯状部14が周方向に移動する。なお、回転源に対して滑り難く、第1のキャリア42と第2のキャリア44との位置関係を維持することができるのであれば、歯付きでない無端ベルトを用いてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、手動で、第1の帯状部12の無端チェーン22,24を第2の帯状部14の無端チェーン32,34に対して周方向に移動させる例について説明した。例えば、第1の帯状部12と第2の帯状部14の相対位置関係を調整する調整部として、例えばサーボモータを用いることができる。サーボモータを用いる場合、例えばフィードバック制御を行うことにより、第1の帯状部12の無端チェーン22,24を第2の帯状部14の無端チェーン32,34に対して周方向に所望の距離移動させることができる。この場合、キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42及び第2のキャリア44の突出部54,64間の幅Wを精度良く所望の幅に配置することができる。また、ロータリー式搬送機10のキャリアアセンブリ16の幅の切替(調整)時において、調整部としてのサーボモータの例えば原点復帰により、オペレータが作業しやすい位置で作業を行うことができる。
【0034】
ロータリー式搬送機10は設置スペースに余裕がない場合に優位な装置である。一方で、複数の大きさの物品を搬送可能とする場合、キャリアの交換で時間が掛かるのがデメリットであった。本実施形態に係る構造のロータリー式搬送機10を用いることで、キャリアを全て交換する従来のロータリー式搬送機を用いる場合に比べて、例えば20分以上の交換時間を短縮することができ、作業効率を向上させることができる。
【0035】
(変形例)
第1実施形態の変形例について、図9及び図10を用いて説明する。図9及び図10は、ロータリー式搬送機10の一部を上から見た図である。図9及び図10に示すように、ロータリー式搬送機10は、治具(定位置ストッパ)18を有する。治具18は、第1のキャリア42と第2のキャリア44との距離を目的の距離にするために用いる。治具18は、例えば手動で、第1の帯状部12の無端チェーン22,24を第2の帯状部14の無端チェーン32,34に対して相対的に周方向に移動させる際に、キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42及び第2のキャリア44の突出部54,64間の幅Wを精度良く調整するために用いる。
【0036】
治具18は、メインフレーム72と、メインフレーム72に設けられる第1のストッパ部74と、第2のストッパ部76とを有する。
【0037】
メインフレーム72は、第1の帯状部12、第2の帯状部14の周方向に沿うバー形状に形成される。メインフレーム72は、真っ直ぐでも良く、適宜に曲がっていてもよい。
【0038】
第1のストッパ部74は、内側ストッパ74aと外側ストッパ74bとを有する。内側ストッパ74a及び外側ストッパ74bは所定距離、離間する。第2のストッパ部76は、内側ストッパ76aと外側ストッパ76bとを有する。内側ストッパ76a及び外側ストッパ76bは、例えば内側ストッパ74a及び外側ストッパ74b間の距離と同じ距離である所定距離、離間する。
【0039】
例えば、第1のストッパ部74の内側ストッパ74aと外側ストッパ74bとの間には、第1のキャリア42の第1の主体52及び/又は突出部54が配置される。例えば、第2のストッパ部76の内側ストッパ76aと外側ストッパ76bとの間には、第2のキャリア44の第2の主体62及び/又は第2の突出部64が配置される。
【0040】
図9に示すように、第1のストッパ部74の外側ストッパ74bのうち、内側ストッパ74a側の面に第1のキャリア42の第1の主体52及び第1の突出部54が配置され、第2のストッパ部76の外側ストッパ76bのうち、内側ストッパ76a側の面に第2のキャリア44の第2の主体62及び第2の突出部64が配置される。このとき、第1のキャリア42の第1の突出部54と第2のキャリア44の第2の突出部64との間の幅Wは、例えば、上述した大パックP1に適した幅となる。
【0041】
図10に示すように、第1のストッパ部74の内側ストッパ74aのうち、外側ストッパ74b側の面に第1のキャリア42の第1の主体52及び/又は第1の突出部54が配置され、第2のストッパ部76の内側ストッパ76aのうち、外側ストッパ76b側の面に第2のキャリア44の第2の主体62及び/又は第2の突出部64が配置される。このとき、第1のキャリア42の第1の突出部54と第2のキャリア44の第2の突出部64との間の幅Wは、例えば、上述した中パックP2に適した幅となる。
【0042】
このように、治具18を用いることにより、第1のキャリア42及び第2のキャリア44により、所望の幅Wを容易に作ることができる。したがって、第1のキャリア42の第1の突出部54と第2のキャリア44の第2の突出部64との間の幅の調整を精度良く容易に行うことができる。治具18は、キャリアアセンブリ16を調整するときに用いるが、ロータリー式搬送機10の使用時には、ロータリー式搬送機10内で、又は、ロータリー式搬送機10から離れた位置で保管されることが好適である。
【0043】
本変形例の治具18では、第1のストッパ部74が内側ストッパ74aと外側ストッパ74bとを有する例について説明した。治具18の第1のストッパ部74は、メインフレーム72に、例えば、3つのストッパを並べてもよい。この場合、治具18を用いることで、第1のキャリア42及び第2のキャリア44の所望の幅Wをより細かく作ることができる。同様に、治具18の第2のストッパ部76は、メインフレーム72に、例えば、3つのストッパを並べてもよい。
【0044】
(第2実施形態)
第1実施形態では、物品(容器)の幅に応じてキャリアアセンブリ16の第1のキャリア42及び第2のキャリア44の幅を調整する場合、第1の帯状部12の無端チェーン22,24と、第2の帯状部14の無端チェーン32,34とを相対的に周方向に移動させる例について説明した。
【0045】
本実施形態では、物品の幅に応じてキャリアアセンブリ16の第1のキャリア42及び第2のキャリア44の幅を調整する場合、第1の帯状部12の無端チェーン22,24と、第2の帯状部14の無端チェーン32,34との周方向の相対位置、上下方向の相対位置を固定した状態を維持する例について説明する。
【0046】
図11に示すように、第1の帯状部12の無端チェーン22,24と、第2の帯状部14の無端チェーン32,34との位置関係を保持しながら、キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42及び第2のキャリア44を移動させるようにしてもよい。
【0047】
ロータリー式搬送機10は、調整部20を有する。調整部20は、第1の調整機構80と、第2の調整機構90とを有する。
【0048】
第1の帯状部12には、第1の調整機構80が設けられる。第1の調整機構80は、メインフレーム82と、複数のボルト固定穴82a,82bと、ストッパ部84,86とを有する。
【0049】
メインフレーム82は、第1の帯状部12のチェーン22,24の延出方向に適宜の長さに形成される。メインフレーム82は、第1の帯状部12のチェーン22,24にそれぞれ固定されている。なお、メインフレーム82は、第1のキャリア42の第1の主体52がメインフレーム82の延出方向に沿って移動する際のガイドとなる。すなわち、第1のキャリア42の第1の主体52は、1対のメインフレーム82に対して、メインフレーム82の延出方向にスライド可能に配置される。したがって、1対のメインフレーム82に沿って、第1のキャリア42の第1の主体52がメインフレーム82の延出方向にスライドし得る。
【0050】
各メインフレーム82には、ストッパ部84,86が固定される。ストッパ部84,86は、メインフレーム82の延出方向に離間する。ストッパ部84,86は、メインフレーム82に対して第1のキャリア42の第1の主体52がメインフレーム82の延出方向に移動する範囲を規定する。
【0051】
各メインフレーム82には、複数のボルト固定穴82a,82bが形成される。複数のボルト固定穴82a,82bは、メインフレーム82の延出方向に離間し、上方向又は下方向からボルト88を螺合可能である。
【0052】
なお、ボルト固定穴82a,82bは、キャリアアセンブリ16で適宜の大きさの物品(例えば大パックP1、中パックP2、小パックP3等)を保持するように、適宜の間隔に離間して設けられる。
【0053】
ストッパ部84,86は、メインフレーム82に対して第1の主体52を容易に位置決めするために用いる。ボルト固定穴82a,82bがあれば、ストッパ部84,86はなくてもよい。
【0054】
第2の帯状部14には、第2の調整機構90が設けられる。第2の調整機構90は、メインフレーム92と、複数のボルト固定穴92a,92bと、ストッパ部94,96とを有する。
【0055】
メインフレーム92は、第2の帯状部14のチェーン32,34の延出方向に適宜の長さに形成される。メインフレーム92は、第1の帯状部12のチェーン22,24にそれぞれ固定されている。なお、メインフレーム82は、第2のキャリア44の第2の主体62がメインフレーム92の延出方向に沿って移動する際のガイドとなる。すなわち、第2のキャリア44の第2の主体62は、1対のメインフレーム92に対して、メインフレーム92の延出方向にスライド可能に配置される。したがって、1対のメインフレーム92に沿って、第2のキャリア44の第2の主体62がメインフレーム92の延出方向にスライドし得る。
【0056】
各メインフレーム92には、ストッパ部94,96が固定される。ストッパ部94,96は、メインフレーム92の延出方向に離間する。ストッパ部94,96は、メインフレーム92に対して第2のキャリア44の第2の主体62がメインフレーム92の延出方向に移動する範囲を規定する。
【0057】
各メインフレーム92には、複数のボルト固定穴92a,92bが形成される。複数のボルト固定穴92a,92bは、メインフレーム92の延出方向に離間し、上方向又は下方向からボルト98を螺合可能である。
【0058】
なお、ボルト固定穴92a,92bは、キャリアアセンブリ16で適宜の大きさの物品(例えば大パックP1、中パックP2、小パックP3等)を保持するように、適宜の間隔に離間して設けられる。
【0059】
ストッパ部94,96は、メインフレーム92に対して第2の主体62を容易に位置決めするために用いる。このため、ボルト固定穴92a,92bがあれば、ストッパ部94,96はなくてもよい。
【0060】
なお、第1の調整機構80のメインフレーム82と第2の調整機構90のメインフレーム92との相対的な位置関係は、図11に示す状態を維持する。
【0061】
続いて、キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42及び第2のキャリア44の調整作業について説明する。
【0062】
まず、キャリアアセンブリ16で大パックP1を保持する大きさに第1のキャリア42及び第2のキャリア44を設定する例について説明する。
【0063】
例えば、第1のキャリア42の第1の主体52に対してボルト固定穴82bにボルト88を固定し、第2のキャリア44の第2の主体62に対してボルト固定穴92aにボルト98を固定すると、大パックP1を保持する大きさとなり得る。
【0064】
次に、キャリアアセンブリ16で中パックP2を保持する大きさに第1のキャリア42及び第2のキャリア44を設定する例について説明する。
【0065】
例えば、第1のキャリア42の第1の主体52に対してボルト固定穴82bにボルト88を固定した状態を維持する。ボルト固定穴92aに対するボルト98を緩め、第2のキャリア44の第2の主体62に対してボルト固定穴92bにボルト98を固定する。このとき、中パックP2を保持する大きさとなり得る。または、例えば、ボルト固定穴82bに対するボルト88を緩め、第1のキャリア42の第1の主体52に対してボルト固定穴82aにボルト88を固定し、第2のキャリア44の第2の主体62に対してボルト固定穴92aにボルト98を固定した状態を維持する。このとき、中パックP2を保持する大きさとなり得る。
【0066】
次に、キャリアアセンブリ16で小パックP3を保持する大きさに第1のキャリア42及び第2のキャリア44を設定する例について説明する。
【0067】
例えば、第1のキャリア42の第1の主体52に対してボルト固定穴82aにボルト88を固定し、第2のキャリア44の第2の主体62に対してボルト固定穴92bにボルト98を固定すると、小パックP3を保持する大きさとなり得る。
【0068】
このような作業を、各キャリアアセンブリ16に対して行うことにより、種々の大きさのキャリアアセンブリ16を作り出すことができる。
【0069】
この場合、種々の大きさのキャリアをストックしておく必要がない。
【0070】
そして、ロータリー式搬送機10を稼働させる場合、第1の帯状部12と第2の帯状部14との周方向、及び、上下方向の相対位置関係は既に固定されている。このため、第1の調整機構80及び第2の調整機構90に対する全てのキャリアアセンブリ16の調整を終えた後、ロータリー式搬送機10を使用することができる。
【0071】
このように、全てのキャリアアセンブリ16の第1のキャリア42を第1の調整機構80のメインフレーム82の適宜の位置に第1の帯状部12に支持させ、第2のキャリア44を第2の調整機構90のメインフレーム92により第2の帯状部14に支持させた後、ロータリー式搬送機10を使用することができる。
【0072】
このため、ロータリー式搬送機10の適用充填対象容器のサイズを変更する場合に、別の位置にストックしていたキャリアを付け替える必要がなく、第1のキャリア42、第2のキャリア44を周方向にスライドさせるだけでよい。このため、より短時間で充填対象容器のサイズ変更に適応し得る、ロータリー式搬送機10を提供することができる。
【0073】
ロータリー式搬送機10は設置スペースに余裕がない場合に優位な装置である。キャリアを交換するタイプのロータリー式搬送機は、キャリアを交換するための時間が掛かるのがデメリットである。本実施形態に係るロータリー式搬送機10を用いることで、キャリアを全て交換する従来のロータリー式搬送機を用いる場合に比べて、交換時間を短縮することができ、作業効率を向上させることができる。
【0074】
(変形例)
第2実施形態に係るロータリー式搬送機10の第1の調整機構80及び第2の調整機構90の変形例について、図12を用いて説明する。ここでは、第1の調整機構80を例にして説明するが、第1の調整機構90も同様に説明される。このため、第2の調整機構90についての説明を省略する。
【0075】
第1の調整機構80について、ボルト88ではなく、ピン108を用いることにより、ボルト締めの作業を不要にすることができる。図12に示す第1の調整機構80では、ボルト固定穴82a(図11参照)の代わりに、貫通孔82cが形成され、ボルト固定穴82b(図11参照)の代わりに貫通孔82dが形成される。また、第1のキャリア42の第1の主体52には、ボルト88が螺合されるボルト固定穴52aではなく、ピン108を貫通する貫通孔52bが形成される。
【0076】
この場合、キャリアアセンブリ16の第1のキャリア42の第1の突出部54と、第2のキャリア44の第2の突出部64との間の幅Wを調整する場合、ボルト88をボルト固定穴52aに締結する作業が不要となる。このため、より短時間で、全てのキャリアアセンブリ16を交換することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0078】
10…ロータリー式搬送機、12…第1の帯状部、14…第2の帯状部、16…キャリアアセンブリ、22,24,32,34…無端チェーン、42…第1のキャリア、44…第2のキャリア、52…第1の主体、54…第1の突出部、62…第2の主体、64…第2の突出部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12