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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085851
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】試験装置および試験方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/17 20190101AFI20240620BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20240620BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20240620BHJP
   B65H 9/06 20060101ALI20240620BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20240620BHJP
   G01V 8/12 20060101ALN20240620BHJP
【FI】
G07D11/17
G07D11/26
B65H7/14
B65H9/06
G01M99/00 Z
G01V8/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200616
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 良介
【テーマコード(参考)】
2G024
2G105
3E141
3F048
3F102
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024EA13
2G024FA06
2G024FA11
2G105AA01
2G105BB16
2G105BB17
2G105CC03
2G105DD02
2G105EE01
2G105GG01
2G105HH04
3E141AA01
3E141BA07
3E141FG01
3E141FL10
3F048AA06
3F048AB03
3F048AC01
3F048BB02
3F048CC03
3F048DC13
3F102AA15
3F102AB03
3F102BB02
(57)【要約】
【課題】BRUの動作試験を容易に行う。
【解決手段】実施形態の試験装置は、受け部と、センサーと、搬送機構とを備える。受け部は、筐体の相対する両側面に設けられ、紙幣取扱装置の紙幣出入部と接続する。センサーは、接続された紙幣出入部からの紙幣の出金を検出する。搬送機構は、両側面の受け部の間に設けられ、一方の紙幣出入部から紙幣の出金を検出した場合、出金された紙幣を他方の紙幣出入部へ搬送する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の相対する両側面に設けられ、紙幣取扱装置の紙幣出入部と接続する受け部と、
接続された前記紙幣出入部からの紙幣の出金を検出するセンサーと、
前記両側面の受け部の間に設けられ、一方の前記紙幣出入部から紙幣の出金を検出した場合、出金された前記紙幣を他方の前記紙幣出入部へ搬送する搬送機構と、
を備えることを特徴とする試験装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、出金された複数の前記紙幣を積み重ねて整列した上で他方の前記紙幣出入部へ搬送する、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
2つの紙幣取扱装置の紙幣出入部を向かい合わせに設置し、
向かい合わせに設置された2台の前記紙幣出入部の間に請求項1または2に記載の試験装置を設置して前記2つの紙幣取扱装置の動作試験を行う、
ことを特徴とする試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、試験装置および試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine)等で用いられるBRU(Bill Recycle Unit)については、製造工場や修理工場等で紙幣を使った入出金を連続的に行う動作試験が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-15388号公報
【特許文献2】特開2015-172810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の動作試験は、BRUから出金された紙幣を抜き取り、抜き取った紙幣を再度BRUに入金する作業を繰り返し人が行うため、工数(人件費)が多くなるという問題がある。特に、新紙幣への切り替え時には、BRU更新のために、多数のBRUの動作試験を行う必要があり、その工数は無視できないものとなる。
【0005】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、BRUの動作試験を容易に行うことを可能とする試験装置および試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の態様では、試験装置は、受け部と、センサーと、搬送機構とを備える。受け部は、筐体の相対する両側面に設けられ、紙幣取扱装置の紙幣出入部と接続する。センサーは、接続された紙幣出入部からの紙幣の出金を検出する。搬送機構は、両側面の受け部の間に設けられ、一方の紙幣出入部から紙幣の出金を検出した場合、出金された紙幣を他方の紙幣出入部へ搬送する。
【発明の効果】
【0007】
開示の態様によれば、BRUの動作試験を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態にかかる試験装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる試験装置の設置を説明する説明図である。
図3図3は、実施形態にかかる試験装置とBRUの接続を説明する説明図である。
図4図4は、実施形態にかかる試験装置の内部構成の概略図である。
図5図5は、実施形態にかかる試験装置の試験動作を例示するフローチャートである。
図6図6は、実施形態にかかる試験装置の動作の一例を説明する説明図である。
図7図7は、実施形態にかかる試験装置の動作の一例を説明する説明図である。
図8図8は、実施形態にかかる試験装置の動作の一例を説明する説明図である。
図9図9は、実施形態にかかる試験装置の動作の一例を説明する説明図である。
図10図10は、紙幣の整列を説明する説明図である。
図11図11は、実施形態にかかる試験装置の動作の一例を説明する説明図である。
図12図12は、実施形態にかかる試験装置の動作の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる試験装置および試験方法を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する試験装置および試験方法は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0010】
図1は、実施形態にかかる試験装置の外観を示す斜視図である。図1に示すように、試験装置1は、直方体形状の筐体10を有する。筐体10の側面11には、BRUと接続する受け部11aと、BRUから出金された紙幣を取り込む、または、BRUへの紙幣を送出する搬送口11bとが設けられている。筐体10の側面11と相対する側面12も同様に、受け部11aと、搬送口11bとが設けられている。
【0011】
筐体10の上面13には、試験装置1の電源を投入するための電源ボタン13aと、電源投入後のSTANDBYモード(待機モード)から紙幣の待ち受け状態(試験動作状態)へ移行するためのREADYボタン13bとが設けられている。
【0012】
図2は、実施形態にかかる試験装置1の設置を説明する説明図である。図2に示すように、動作試験では、動作試験対象のBRU2a、2bを、紙幣の入出力が行われるBRUスロット部20を向かい合わせにして配置する。試験装置1は、このように配置したBRU2a、2bの間において、それぞれのBRUスロット部20を側面11、12に設けられた受け部11aに差し込み、BRU2a、2bそれぞれと接続した形で配置される。なお、以下の説明において、BRU2a、2bを特に区別しない場合はBRU2と称するものとする。
【0013】
図3は、実施形態にかかる試験装置1とBRU2の接続を説明する説明図である。図3に示すように、試験装置1の筐体10の側面11に設けられた受け部11aは、BRUスロット部20と嵌合するような窪み形状となっている。この窪み形状の底面部分には、筐体10内における紙幣の搬送路14と直結する搬送口11bが設けられている。
【0014】
このような受け部11aに対してBRUスロット部20を差し込むことで、BRUスロット部20における紙幣の搬送路21と、試験装置1の筐体10内における紙幣の搬送路14とが連結される。なお、図3では、側面11側を例示しているが、側面12側も同様の構成であることは言うまでもないことである。
【0015】
図4は、実施形態にかかる試験装置1の内部構成の概略図である。図4に示すように、試験装置1は、制御部101と、各種駆動源(ベルト駆動モータ102、クランプモータ103、整列ゲート用ソレノイド104および整列ゲート用ソレノイド105)と、各種センサー(検知センサー111a、111b、フォトセンサー112、第1紙幣検知センサー113、第2紙幣検知センサー114)と、上部搬送機構120と、下部搬送機構130とを有する。
【0016】
制御部101は、各部の動作を制御する制御回路などである。例えば、制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が適用できる。制御部101は、データバスやシリアルバスなどの通信線(図示しない)を介して試験装置1の各部(各種駆動源および各種センサー)と接続されている。
【0017】
制御部101は、ROM(Read Only Memory)等に格納されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して順次実行することで、通信線を介して接続された試験装置1の各部(例えば駆動源)を制御する。
【0018】
ベルト駆動モータ102は、上部搬送機構120および下部搬送機構130における搬送ベルト123、133を駆動させるモータである。具体的には、ベルト駆動モータ102は、上部搬送機構120および下部搬送機構130におけるプーリ121、122、131、132を回転駆動させることで、搬送ベルト123、133を駆動させる。
【0019】
例えば、ベルト駆動モータ102は、反時計回り(CCW方向)へ駆動軸(図示しない)を回転することで、搬送ベルト123、133を図面左から右方向へ駆動させる。また、ベルト駆動モータ102は、時計回り(CW方向)へ駆動軸を回転することで、搬送ベルト123、133を図面右から左方向へ駆動させる。
【0020】
クランプモータ103は、上部搬送機構120を上下動させるモータである。具体的には、クランプモータ103は、上部搬送機構120を下げる(クランプを下降する)ことで、下部搬送機構130の搬送ベルト133の上面に搬送ベルト123の下面側を押さえつけて挟み込みを行う。また、クランプモータ103は、上部搬送機構120を上げる(クランプを上昇する)ことで、下部搬送機構130の搬送ベルト133の上面に対する搬送ベルト123の下面の挟み込みを解除する。
【0021】
整列ゲート用ソレノイド104は、回転支持部134により支持される整列ゲート135を寝かせた状態(図示例)、または、立てた状態へと移行させるソレノイド(ロータリーソレノイドでもよい)である。同様に、整列ゲート用ソレノイド105は、回転支持部136により支持される整列ゲート137を寝かせた状態、または、立てた状態(図示例)へと移行させるソレノイド(ロータリーソレノイドでもよい)である。なお、以下の説明では、整列ゲート135、137を寝かせた状態を開状態、整列ゲート135、137を立てた状態を閉状態と呼ぶものとする。
【0022】
検知センサー111aは、側面11の受け部11aと接続するBRU2aのBRUスロット部20に設けられたシャッター22の開閉を検出するセンサーであり、例えばフォトセンサーなどを適用できる。同様に、検知センサー111bは、側面12の受け部11aと接続するBRU2bのBRUスロット部20に設けられたシャッター22の開閉を検出するセンサーである。フォトセンサー112は、クランプの状態(下降または上昇)を検出する。
【0023】
第1紙幣検知センサー113は、側面11の搬送口11b近傍に設けられたフォトセンサーである。第1紙幣検知センサー113は、BRU2aのBRUスロット部20より出金された紙幣、または、搬送口11bよりBRU2aに入金される紙幣を検出する。
【0024】
第2紙幣検知センサー114は、側面12の搬送口11b近傍に設けられたフォトセンサーである。第2紙幣検知センサー114は、BRU2bのBRUスロット部20より出金された紙幣、または、搬送口11bよりBRU2bに入金される紙幣を検出する。
【0025】
上部搬送機構120および下部搬送機構130は、側面11の搬送口11bと、側面12の搬送口11bとの間の搬送路14において、上下から紙幣を挟み込んで搬送する搬送機構の一例である。具体的には、上部搬送機構120は、側面11の搬送口11b近傍に設けられたプーリ121と、側面12の搬送口11b近傍に設けられたプーリ122とに搬送ベルト123がかけ回されている。同様に、下部搬送機構130は、側面11の搬送口11b近傍に設けられたプーリ131と、側面12の搬送口11b近傍に設けられたプーリ132とに搬送ベルト133がかけ回されている。上部搬送機構120および下部搬送機構130は、クランプモータ103によりクランプを下降して挟み込みを行った状態でベルト駆動モータ102によりプーリ121、122、131、132を回転駆動させることで、紙幣の搬送を行う。
【0026】
次に、試験装置1を用いたBRU2a、2bの動作試験を説明する。図5は、実施形態にかかる試験装置1の試験動作を例示するフローチャートである。
【0027】
図5に示すように、ユーザ(試験の作業員)は、BRUスロット部20を向かい合わせにしたBRU2a、2bに試験装置1を装着する(S1)。具体的には、ユーザは、シャッタ開閉用の検知センサー111a、検知センサー111bそれぞれを、BRU2a、2bのBRUスロット部20のシャッター22に設置する。また、ユーザは、向かい合ったBRU2a、2bのBRUスロット部20間に試験装置1を設置する。
【0028】
ついで、ユーザは、試験装置1の電源ボタン13aを押下し、試験装置1の電源をONとする(S2)。電源ON後の試験装置1は、デフォルトでSTANDBYモードであるものとする。このSTANDBYモードにおいて、制御部101は、クランプ、整列ゲート135、137等をデフォルト位置(クランプ下降/整列ゲート135、137は開状態)に移行させる。
【0029】
ついで、ユーザは、試験装置1のREADYボタン13bを押下する(S3)。これにより、試験装置1は、紙幣の待ち受け状態(試験動作状態)へ移行する(S4)。具体的には、制御部101は、クランプモータ103を駆動させ、クランプを上昇させる。また、制御部101は、第1紙幣検知センサー113および第2紙幣検知センサー114を監視状態とする。
【0030】
図6は、実施形態にかかる試験装置1の動作の一例を説明する説明図である。図6に示すように、S3の後の試験装置1は、のクランプが上昇(上部搬送機構120が上昇)した紙幣3の待ち受け状態となっている。なお、動作試験に用いる紙幣3は予めBRU2a内に設置済みであるものとする。
【0031】
このように、ユーザは、動作試験対象のBRU2a、2bの間に試験装置1を設置した後に、試験装置1を試験動作状態としたところで、動作試験対象のBRU2a、2bを、入出金を連続的に行う動作試験モードに移行させる。
【0032】
制御部101は、第1紙幣検知センサー113が遮蔽した場合、すなわち、BRU2aのBRUスロット部20より出金された紙幣を検出した場合、ベルト駆動モータ102をCCW方向へ回転駆動させる(S5)。
【0033】
ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102の回転駆動により、紙幣を所定量(例えば45mm)搬送した後に、ベルト駆動モータ102の回転を停止させる(S6)。
【0034】
ついで、制御部101は、クランプモータ103を駆動(例えば数ms)してクランプを下降させて紙幣を挟む(S7)。
【0035】
図7は、実施形態にかかる試験装置1の動作の一例を説明する説明図である。図7に示すように、S7では、クランプを下降させて紙幣3を挟み込む。このため、試験装置1は、BRU2aのBRUスロット部20より複数の紙幣3が束となって出金される場合、それら複数の紙幣3を束のまままとめて搬送することができる。
【0036】
ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102のCCW方向への回転駆動を開始させる(S8)。ついで、制御部101は、第1紙幣検知センサー113が透過した場合、すなわちBRU2aのBRUスロット部20より出金された複数の紙幣3の全てを搬送路14内に取り込んだ場合、ベルト駆動モータ102の回転を停止させる(S9)。
【0037】
図8は、実施形態にかかる試験装置1の動作の一例を説明する説明図である。図8に示すように、S8において、試験装置1は、ベルト駆動モータ102をCCW方向への回転駆動させることで、紙幣3を搬送路14内に取り込むことができる。
【0038】
ついで、制御部101は、整列ゲート用ソレノイド105を駆動(ソレノイド吸引またはロータリーソレノイドの回転)させ、整列ゲート137を開状態→閉状態へ移行させる(S10)。ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102を、CCW方向へ例えば数十ms回転させた後に停止させる(S11)。
【0039】
図9は、実施形態にかかる試験装置1の動作の一例を説明する説明図である。図9に示すように、試験装置1では、整列ゲート137を開状態→閉状態へ移行させることで、搬送路14上に整列ゲート137が立ちはだかった状態となる。この状態で、ベルト駆動モータ102をCCW方向へ回転駆動させることで、搬送路14上にある紙幣3は、図面左から右に向かって搬送される際に、整列ゲート137に縁が当たり整列されることとなる。
【0040】
図10は、紙幣の整列を説明する説明図である。具体的には、図10は、整列ゲート137を閉状態(整列ゲート137を立てた状態)として紙幣3を搬送する様子を上から見た図である。図10に示すように、図面下に向けて搬送される紙幣3は、その縁が整列ゲート137にあたったところで(図面左側)、搬送が規制される。この状態で、搬送が継続されると(例えば数十ms)、紙幣3は、縁が整列ゲート137で揃うようにして整列されることとなる(図面右側)。
【0041】
図9に戻り、制御部101は、このように紙幣3を整列させる際に、クランプモータ103を駆動してクランプを若干引きあげることで(例えば数msの駆動)、紙幣3を挟む力(クランプ力)を軽減させる。
【0042】
複数の紙幣3が重ねられた状態では、クランプ力を強くしたまま整列させようとしても、紙幣同士の摩擦が強く働き、うまく整列できない場合がある。また、クランプ力が強いと、紙幣3同士の隙間に別の紙幣3が入り込む余地がなく、複数の紙幣3を重ねて整列させることが難しくなる。これに対し、試験装置1では、紙幣3に対するクランプ力を軽減させることから、複数の紙幣3を重ねて整列させることができる。
【0043】
図5に戻り、S11についで、制御部101は、紙幣3の搬送先であるBRU2bにおけるシャッター22の開閉検出の検知センサー111bを、透過(シャッター22閉じた状態)→遮蔽(シャッター22開いた状態)への変化監視状態とする(S12)。
【0044】
制御部101は、検知センサー111bが遮蔽した場合(シャッター22開いた状態)、整列ゲート用ソレノイド105を駆動(励磁解除またはロータリーソレノイドの回転)させ、整列ゲート137を閉→開状態へ移行させる(S13)。
【0045】
図11は、実施形態にかかる試験装置1の動作の一例を説明する説明図である。図11に示すように、試験装置1では、整列ゲート137を閉状態→開状態へ移行させることで、紙幣3の整列のために搬送路14上に立ち塞がっていた整列ゲート137が寝かされた状態となる。すなわち、整列後の紙幣3の搬送規制が解除される。
【0046】
ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102をCCW方向へ回転駆動させ、整列後の紙幣3をBRU2b側へ搬送させる(S14)。ついで、制御部101は、第2紙幣検知センサー114が透過→遮蔽→透過(紙幣3通過)した場合、ベルト駆動モータ102の回転を停止させ(S15)、S4へ処理を戻す。
【0047】
図12は、実施形態にかかる試験装置1の動作の一例を説明する説明図である。図12に示すように、試験装置1では、ベルト駆動モータ102をCCW方向への回転駆動させることで、紙幣3をBRU2b内に搬送、すなわちBRU2bの入金テストのための紙幣3の投入を行うことができる。
【0048】
逆に、BRU2b側から出金された紙幣3がBRU2aが側に入金される動作、すなわちBRU2aの入金テストのための紙幣3の投入について説明する。
【0049】
S4についで、制御部101は、第2紙幣検知センサー114が遮蔽した場合、すなわち、BRU2bのBRUスロット部20より出金された紙幣を検出した場合、ベルト駆動モータ102をCW方向へ回転駆動させる(S25)。
【0050】
ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102の回転駆動により、紙幣3を所定量(例えば45mm)搬送した後に、ベルト駆動モータ102の回転を停止させる(S26)。
【0051】
ついで、制御部101は、クランプモータ103を駆動(例えば数ms)してクランプを下降させて紙幣3を挟む(S27)。
【0052】
ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102のCW方向への回転駆動を開始させる(S28)。ついで、制御部101は、第2紙幣検知センサー114が透過した場合、すなわちBRU2bのBRUスロット部20より出金された複数の紙幣3の全てを搬送路14内に取り込んだ場合、ベルト駆動モータ102の回転を停止させる(S29)。
【0053】
ついで、制御部101は、整列ゲート用ソレノイド104を駆動(ソレノイド吸引またはロータリーソレノイドの回転)させ、整列ゲート135を開状態→閉状態へ移行させる(S30)。ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102を、CW方向へ例えば数十ms回転させた後に停止させる(S31)。
【0054】
このように、試験装置1では、整列ゲート135を開状態→閉状態へ移行させることで、搬送路14上に整列ゲート135が立ちはだかった状態となる。この状態で、ベルト駆動モータ102をCW方向へ回転駆動させることで、搬送路14上にある紙幣3は、搬送される際に、整列ゲート135に縁が当たり整列されることとなる。
【0055】
このように紙幣3を整列させる際に、制御部101は、クランプモータ103を駆動してクランプを若干引きあげることで(例えば数msの駆動)、紙幣3を挟む力(クランプ力)を軽減させる。このように試験装置1では、紙幣3に対するクランプ力を軽減させることから、複数の紙幣3を重ねて整列させることができる。
【0056】
S31についで、制御部101は、紙幣3の搬送先であるBRU2aにおけるシャッター22の開閉検出の検知センサー111aを、透過(シャッター22閉じた状態)→遮蔽(シャッター22開いた状態)への変化監視状態とする(S32)。
【0057】
制御部101は、検知センサー111aが遮蔽した場合(シャッター22開いた状態)、整列ゲート用ソレノイド104を駆動(励磁解除またはロータリーソレノイドの回転)させ、整列ゲート135を閉→開状態へ移行させる(S33)。
【0058】
ついで、制御部101は、ベルト駆動モータ102をCW方向へ回転駆動させ、整列後の紙幣3をBRU2a側へ搬送させる(S34)。ついで、制御部101は、第1紙幣検知センサー113が透過→遮蔽→透過(紙幣3通過)した場合、ベルト駆動モータ102の回転を停止させ(S35)、S4へ処理を戻す。これにより、試験装置1では、BRU2bより出金された紙幣3をBRU2a内に搬送、すなわちBRU2aの入金テストのための紙幣3の投入を行うことができる。
【0059】
以上のように、試験装置1は、筐体10の相対する両側面(側面11、12)に設けられ、紙幣取扱装置(BRU2)の紙幣出入部(BRUスロット部20)と接続する受け部を備える。また、試験装置1は、接続されたBRUスロット部20からの紙幣3の出金を検出するセンサー(第1紙幣検知センサー113、第2紙幣検知センサー114)を備える。また、試験装置1は、両側面の受け部の間に設けられ、一方の紙幣出入部から紙幣3の出金を検出した場合、出金された紙幣3を他方の紙幣出入部へ搬送する搬送機構(上部搬送機構120、下部搬送機構130)を備える。
【0060】
ユーザ(作業員)は、このような試験装置1をBRUスロット部20を向けあった2台のBRU2a、2bに設置した上で、BRU2a、2bの動作試験を行うことで、BRUから出金された紙幣を抜き取り、抜き取った紙幣を再度BRUに入金するような作業を手作業で行う必要がない。すなわち、BRUの動作試験を容易に行うことができる。
【0061】
また、搬送機構は、出金された複数の紙幣3を積み重ねて整列した上で他方の紙幣出入部へ搬送する。これにより、試験装置1は、複数の紙幣3を積み重ねた状態で入出金を行うBRU2a、2bに対する動作試験を行うことができる。
【0062】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用は、もちろん可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…試験装置
2、2a、2b…BRU
3…紙幣
10…筐体
11、12…側面
11a…受け部
11b…搬送口
13…上面
13a…電源ボタン
13b…READYボタン
14…搬送路
20…BRUスロット部
21…搬送路
22…シャッター
101…制御部
102…ベルト駆動モータ
103…クランプモータ
104、105…整列ゲート用ソレノイド
111a、111b…検知センサー
112…フォトセンサー
113…第1紙幣検知センサー
114…第2紙幣検知センサー
120…上部搬送機構
121、122、131、132…プーリ
123、133…搬送ベルト
130…下部搬送機構
134、136…回転支持部
135、137…整列ゲート
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