(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085963
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】棚部材
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20240620BHJP
A47B 57/42 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A47F5/00 C
A47B57/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200768
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000209223
【氏名又は名称】棚橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 浩司
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118BB04
3B118BB13
3B118BB15
(57)【要約】
【課題】棚部材の設置高さの変更を容易に行える棚部材を提供する。
【解決手段】
一対のブラケット100と、レール部600と、棚板部400を取り付ける棚板取付部500とを備えた棚部材700であって、一対のブラケット100は、互いに連結されておらず独立した構成となっており、棚板部400を両側の棚板取付部500に取り付けた状態で、一対のブラケット100は、相対的に上下に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のブラケットと、レール部と、棚板部を取り付ける棚板取付部とを備えた棚部材であって、
一対の前記ブラケットは、互いに連結されておらず独立した構成となっており、
前記棚板部を両側の棚板取付部に取り付けた状態で、一対の前記ブラケットは、相対的に上下に移動可能に構成されていることを特徴とする棚部材。
【請求項2】
前記棚板取付部に取り付けられる前記棚板部を前記レール部に沿ってスライド可能な状態と、スライド出来ないように固定した状態とに変更する、スライド解除部を備えることを特徴とする請求項1に記載の棚部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、店舗等で商品を陳列するための陳列棚に用いられる棚部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示すような商品を陳列するための棚部材は、ブラケットと、当該ブラケットに支持される棚板部とを備えた棚部材を、支柱に取り付けて設置していた。また、棚部材がぐらつかないように剛性を持たせるため、両側のブラケットを互いに連結して固定する連結部が設けられていた。
【0003】
ところで、従業員等が棚部材の設置高さを変更する場合は、両側のブラケットを支柱から取り外して、両側のブラケットを、支柱の高さの異なる固定孔に、再度固定していた。ただ、棚部材全体を支柱から一旦取り外して、作業を行う必要があるため、作業が面倒であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は上記問題に鑑み、棚部材の設置高さの変更を容易に行える棚部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の棚部材は、一対のブラケットと、レール部と、棚板部を取り付ける棚板取付部とを備えた棚部材であって、一対の前記ブラケットは、互いに連結されておらず独立した構成となっており、前記棚板部を両側の棚板取付部に取り付けた状態で、一対の前記ブラケットは、相対的に上下に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、棚板部を棚板取付部に取り付けたまま、一対のブラケットを相対的に上下に移動させることで、棚部材全体を支柱から一旦取り外して作業を行う必要がなくなり、設置高さの変更作業が非常に簡単になる。
【0008】
本願発明の棚部材は、前記棚板取付部に取り付けられる前記棚板部を前記レール部に沿ってスライド可能な状態と、スライド出来ないように固定した状態とに変更する、スライド解除部を備えることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、スライド解除部によって、棚板取付部に取り付けられる棚板部のスライドの固定と解除を容易に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0010】
上記に記したように、本願発明の棚部材は、棚部材の設置高さの変更を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願発明の棚部材を支柱に取り付けた全体斜視図である。
【
図2】(a)は、本願発明の棚部材のブラケットの平面図、(b)は、ブラケットの外側の側面図、(c)は、ブラケットの内側の側面図、(d)は、ブラケットの正面図である。
【
図3】(a)は、本願発明の棚部材の棚板取付部の平面図、(b)は、棚板取付部の外側の側面図、(c)は、棚板取付部の内側の側面図、(d)は、棚板取付部の正面図である。
【
図4】(a)は、本願発明の棚部材のブラケットと棚板取付部を組み付けた状態の平面図、(b)は、当該状態の正面図、(c)は、当該状態の外側の側面図、(d)は、当該状態の内側の側面図である。
【
図5】(a)は、本願発明の棚部材の側面図、(b)は、棚部材の正面図である。
【
図7】(a)は、本願発明の棚部材の側面図、(b)は、棚部材の正面図である。
【符号の説明】
【0012】
100 ブラケット
400 棚板部
500 棚板取付部
600 レール部
700 棚部材
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本願発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0014】
まず、
図1に本願発明の棚部材700を支柱Xに取り付けた状態について説明する。なお、
図1は、棚部材700を支柱Xに取り付けた全体斜視図である。また、本明細書における上下方向とは、
図1に示すように、垂直方向に設置された支柱Xに沿った上下方向を意味する。
【0015】
図1に示すように、店内の床面等に2本の支柱Xが垂直に設置されている。この支柱Xには、上下方向に複数の固定孔が形成されているので、任意の位置の固定孔にブラケット100の係止爪120を係止させて、ブラケット100を支柱Xに取り付ける。両側のブラケット100は、それぞれ支柱Xに取り付けられているものの、互いに連結されておらず、独立した状態となっている。そして、両側のブラケット100に、任意の形状の棚板部400を載せて取り付ければ、棚部材700の設置が完了する。
【0016】
また、棚板部400は、ブラケット100側に固定された棚板取付部500によって固定されており、さらに、棚板取付部500は、ブラケット100のレール部600を介して連結されているので、棚板部400を、ブラケット100の長尺方向に沿って前後にスライドできるようになっている。以下では、棚部材700を構成する各部材の構造について、詳しく説明する。
【0017】
まず、
図2では、棚部材700を構成するブラケット100について説明する。なお、
図2(a)は、ブラケット100の平面図、
図2(b)は、ブラケット100の外側の側面図、
図2(c)は、ブラケット100の内側の側面図、
図2(d)は、ブラケット100の正面図である。
【0018】
ブラケット100は、金属製の長尺状の板部材であり、末端側に複数の係止爪120と、長尺方向へ直線状に延出するレール部600とを備える。レール部600の内側の案内部610には、後述する棚板取付部500のローラーを嵌め込んで、当該ローラーを長尺方向へ回動させることができる。また、ブラケット100の上端面620の先端側には、後述する棚板取付部500の下端面を支持する支持部材を取り付けることができる。
【0019】
また、ブラケット100には、後述するスライド解除部300の係合部320を挿通可能な挿通孔101が設けられている。
【0020】
次に、
図3では、棚部材700を構成する棚板取付部500について説明する。なお、
図3(a)は、棚板取付部500の平面図、
図3(b)は、棚板取付部500の外側の側面図、
図3(c)は、棚板取付部500の内側の側面図、
図3(d)は、棚板取付部500の正面図である。
【0021】
棚板取付部500はブラケット100の長尺方向に沿って延びる板部材であり、上端側に、後述する棚板部400を取り付けるための取付上端部510を備える。また、棚板取付部500の先端側には挿通孔520が設けられており、この挿通孔520には、後述するスライド解除部300の爪状の係合部320が挿通可能になっている。さらに、挿通孔520に隣接する位置に、後述するスライド解除部300の軸部を軸支する取付孔532が設けられている。
【0022】
また、棚板取付部500の末端側には、レール部600の案内部610に回動可能に嵌め込んで取り付けるローラー550が設けられている。さらに、ローラー550の上側には、棚板取付部500の長尺方向へ延出する下端面560が設けられている。
【0023】
では次に、
図4を参照して、ブラケット100と棚板取付部500を組付けた状態について説明する。
図4(a)は、ブラケット100と棚板取付部500を組み付けた状態の平面図、
図4(b)は、当該状態の正面図、
図4(c)は、当該状態の外側の側面図、
図4(d)は、当該状態の内側の側面図である。
【0024】
図4に示すように、棚板取付部500のローラー550を、レール部600の案内部610に回動可能に嵌め込んで取り付ける。また、ブラケット100の上端面620の先端側には、樹脂製の支持部材900が取り付けられ、この支持部材900は、薄板状の支持面910を備え、棚板取付部500の下端面560を支持している。そして、棚板取付部500に取り付けられた棚板部400が前後にスライドする際は、棚板取付部500のローラー550が、レール部600の案内部610内を回動しながら前後に移動する。さらに、ブラケット100の上端面620に設けられた支持部材900が、棚板取付部500の下端面560を摺動させながら支持する。そのため、棚板部400及び棚板取付部500は傾かないように安定した姿勢で支持されながら、容易にスライドすることができる。
【0025】
また、棚板取付部500の先端側には、スライド解除部300が取り付けられる。このスライド解除部300は、棚板取付部500の取付孔532に挿通させた軸部301によって、上下に回動可能に構成されている。そして、スライド解除部300の爪状の係合部320は、棚板取付部500の挿通孔520を挿通し、ブラケット100の挿通孔101に係止している。そのため、棚板取付部500は、前後にスライドすることが出来ないように固定されている。また、棚板取付部500を前後にスライドさせたい場合は、スライド解除部300の操作部330を指で持ち上げて、スライド解除部300を上方へ回動させる。すると、スライド解除部300の係合部320が、ブラケット100の挿通孔101から抜けて係合が外れ、棚板取付部500を前後にスライドさせることができる。このように、スライド解除部300によって、棚板取付部500に取り付けられる棚板部400のスライドの固定と解除を容易に切り替えることができる。
【0026】
次に
図5に、本願発明の棚部材700を、支柱Xに取り付けた状態を示す。なお、
図5(a)は、棚部材700の側面図、
図5(b)は、棚部材700の正面図である。
【0027】
図5に示すように、両側の支柱Xの任意の位置の固定孔Yに、棚部材700のブラケット100の係止爪120を係止させて、ブラケット100を取り付ける。両側の支柱Xに取り付けられた一対のブラケット100の高さが同じになるように、ブラケット100は取り付けられている。そして、平坦な板状の棚板部400の両端を、棚板取付部500の取付上端部510に被せるように取り付ける。すると、棚部材700の棚板部400は水平に設置され、棚板部400の上に商品等を陳列することができる。
【0028】
ここで、従業員等が棚部材700の設置高さを変更する場合について、
図6及び
図7を参照して説明する。なお、
図6は、棚部材700の正面図、
図7(a)は、棚部材700の側面図、
図7(b)は、棚部材700の正面図である。
【0029】
まず、
図5に示す状態から、
図6に示すように、一方のブラケット100のみを、支柱Xの固定孔Yから取り外す。その際、本願発明の棚部材700では、両側の一対のブラケット100自体は、互いに連結固定されておらず、独立した構成となっている。そのため、棚板部400を斜めに撓ませるようにして、一方のブラケット100を下側へ移動させて、低い位置の固定孔Yに取り付けることができる。次に、他方のブラケット100を、支柱Xの固定孔Yから取り外して、低い位置に先に取り付けた一方のブラケット100と同じ高さになるように、他方のブラケット100を支柱Xに取り付ける。すると、
図7に示すように、棚部材700の棚板部400は、低い位置に水平に設置されることになる。
【0030】
反対に、棚部材700を高い位置に設置し直したい場合は、一対のブラケット100のうちの片方ずつを順番に、支柱Xの固定孔Yから取り外して、高い位置の固定孔Yに取り付けていく。その際も、棚板部400を斜めに撓ませるようにして、ブラケット100を上方へ移動させる。
【0031】
このように、本願発明の棚部材700では、両側の一対のブラケット100自体は、互いに連結固定されておらず、独立した構成となっている。そのため、棚板部400を棚板取付部500に取り付けたまま、一対のブラケット100を相対的に上下に移動させることができる。これにより、棚部材700全体を支柱Xから一旦取り外して作業を行う必要がなくなり、設置高さの変更作業が非常に簡単になる。なお、厳密には、両側の一対のブラケット100自体は、互いに直接的に連結固定されていないが、両側の一対のブラケット100は、棚板取付部500に取り付けられた棚板部400によって間接的に連結されている。そして、棚板部400によって間接的に連結されているため、両側のブラケット100は、長尺状の棚板部400を撓ませるようにして、相対的に移動しやすいのである
【0032】
また、
図7に示すように、スライド解除部300の操作部330を指で持ち上げて、スライド解除部300を上方へ回動させれば、棚板部400及び棚板取付部500を前後にスライドさせることができる。
【0033】
なお、本願発明の棚部材は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。