IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

特開2024-85966外装容器及びこれを具備したバッグインボックス
<>
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図1
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図2
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図3
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図4
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図5
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図6
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図7
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図8
  • 特開-外装容器及びこれを具備したバッグインボックス 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085966
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】外装容器及びこれを具備したバッグインボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/355 20060101AFI20240620BHJP
   B65D 5/60 20060101ALI20240620BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65D5/355
B65D5/60 C
B65D77/06 L
B65D77/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200774
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金城 立来
(72)【発明者】
【氏名】細山田 晃治
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB03
3E060BA02
3E060BB07
3E060BC02
3E060CC14
3E060CC18
3E060CE04
3E060CE12
3E060CE18
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA17
3E060EA03
3E060EA04
3E067AA03
3E067AA05
3E067AB99
3E067BA05C
3E067BA12B
3E067BB02C
3E067BB14B
3E067EB02
3E067EB27
3E067EB33
3E067EB34
3E067EC31
3E067EE45
3E067EE59
3E067FA02
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】バッグインボックスの設置場所が特に制限されることなく内容物を注出可能であり、シンプルな構造でありながら、内容物の注出残りを抑制することができる外装容器及びこれを具備したバッグインボックスを提供すること。
【解決手段】本発明の外装容器10は、台座3と、該台座3を被覆可能な外箱2とを具備している。台座3及び外箱2それぞれは、奥行方向Yにおいて相対向する正面部及び背面部と、幅方向Xにおいて相対向する一対の側面部と、使用状態において上面となる上面部とを含み、且つ底に開口を有しているか、又は該底が開口可能となっている。外装容器10は、使用状態において台座3の上面部37に内装容器4を配置し、台座3の上から外箱2を被せた状態で、使用可能になされており且つ台座3の上面部37と外箱2の上面部27との間の空間を縮小可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を注出する注出部を具備する内装容器を収容し、奥行方向、及び該奥行方向と直交する幅方向を有する、外装容器であって、
台座と、該台座を被覆可能な外箱とを具備しており、
前記台座及び前記外箱それぞれは、前記奥行方向において相対向する正面部及び背面部と、前記幅方向において相対向する一対の側面部と、使用状態において上面となる上面部とを含み、且つ底に開口を有しているか、又は該底が開口可能となっており、
前記外箱は、前記正面部に、前記注出部を挿通させる挿通部が形成可能になされており、
使用状態において前記台座の前記上面部に前記内装容器を配置し、前記台座の上から前記外箱を被せた状態で、使用可能になされており且つ前記台座の前記上面部と前記外箱の前記上面部との間の空間を縮小可能である、外装容器。
【請求項2】
前記台座の前記上面部が傾斜面となっている、請求項1に記載の外装容器。
【請求項3】
前記外箱の高さを二等分して、前記外箱を、前記上面部側の上方部、及び該上面部と対向する前記開口側の下方部の二区分に区分したとき、前記挿通部は、前記上方部に位置している、請求項1又は2に記載の外装容器。
【請求項4】
前記台座の最小高さは、前記外箱の高さよりも低い、請求項1~3の何れか1項に記載の外装容器。
【請求項5】
前記台座の底を上方に向けた状態で、該底の前記開口を通じて、該台座の内部に前記内装容器を収容可能であり、
前記内装容器を収容した前記台座を、前記外箱の内部にさらに収容可能である、請求項1~4の何れか1項に記載の外装容器。
【請求項6】
前記外箱は、底に前記開口を形成可能な易破断線が形成されている、請求項5に記載の外装容器。
【請求項7】
前記台座において前記上面部は、前記幅方向中央に位置する中央支持部と、該中央支持部の該幅方向両側に位置するサイド支持部とを有しており、
前記中央支持部が、前傾の傾斜面となっており、
前記サイド支持部は、前記幅方向中央に向かって下方に傾斜するサイド傾斜面を有している、請求項1~6の何れか1項に記載の外装容器。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の外装容器と、該外装容器に収容された前記内装容器とを具備した、バッグインボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装容器及びこれを具備したバッグインボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
内部に液体等の内容物を収容した可撓性を有する内装容器と、該内装容器を収容する外装容器とを具備する、バッグインボックスが知られている。バッグインボックスは、一般的に、内装容器に設けられた注出部を介して、必要量の内容物を注出可能に構成されている。斯かる内容物の注出を容易とする観点から、外装容器の構成について種々の検討がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、内部に液体等の内容物を収容した可撓性を有する内装容器と、剛性を有する外装容器と、該内装容器に対して加圧可能に配された加圧機構とを備えたバッグインボックスが開示されている。加圧機構は、2枚のプレート間にバネ等の弾性部材を具備した装置である。特許文献1に記載のバッグインボックスは、加圧機構のプレート上に載置した内装容器を外装容器で覆い、該外装容器を押圧することで、該内装容器を加圧可能に構成されている。
【0004】
特許文献2には、胴部を形成し且つ第1フラップが連設された一対の第1側壁を具備する、バッグインボックス用の外装箱が開示されている。この外装箱は、第1フラップが、該一対の第1側壁の内面に対向する一対の第1内壁部と、一該内壁部の先端部から延設された一対の第1蓋部と、該蓋部の先端部から軸方向一方に向かって延設された一対の支持部とを含んでおり、設置面に設置した状態で、一対の第1蓋部が、後方から前方に向かって下方に傾斜し且つ内袋を支持する傾斜底面部を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第3307644号明細書
【特許文献4】特開2021-014289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1のバッグインボックスは、外装容器を押圧することで、該外装容器内で加圧機構に支持された内装容器を加圧し、内容物を注出する。これにより、バッグインボックスの設置場所がテーブルの端等に制限されることなく、グラス等の別の容器に内容物を注出することができる。しかしながら、加圧機構を具備することで、バッグインボックスの構造が複雑になるため、製造効率の観点からは不十分であった。また、特許文献1に開示の加圧機構は、バネのロックを解除する操作を行う際、外装容器内に指を差し込んで行う。斯かる操作は、煩雑である上、外装容器に形成された指を差し込むための開口の端面で該指を傷つける虞があった。
また特許文献2のバッグインボックス用の外装箱は、該外装箱の内部の底部に形成された傾斜底面部によって、内袋を前傾状態にして支持する。これにより内袋に充填された内容物の注ぎ残しを抑制するが、傾斜底面部を形成するための構造が複雑であり、製造効率の観点から不十分であった。さらに注ぎ残しを抑制する上で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、バッグインボックスの設置場所が特に制限されることなく内容物を注出可能であり、シンプルな構造でありながら、内容物の注出残りを抑制することができる外装容器及びこれを具備したバッグインボックスを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内容物を注出する注出部を具備する内装容器を収容し、奥行方向、及び該奥行方向と直交する幅方向を有する、外装容器に関する。
前記外装容器は、台座と、該台座を被覆可能な外箱とを具備していることが好ましい。
一実施形態において、前記台座及び前記外箱それぞれは、前記奥行方向において相対向する正面部及び背面部と、前記幅方向において相対向する一対の側面部と、使用状態において上面となる上面部とを含み、且つ底に開口を有しているか、又は該底が開口可能となっていることが好ましい。
一実施形態において、前記外箱は、前記正面部に、前記注出部を挿通させる挿通部が形成可能になされていることが好ましい。
一実施形態において、前記外装容器は、使用状態において前記台座の前記上面部に前記内装容器を配置し、前記台座の上から前記外箱を被せた状態で、使用可能になされており且つ前記台座の前記上面部と前記外箱の前記上面部との間の空間を縮小可能であることが好ましい。
【0009】
また本発明はバッグインボックスに関する。
一実施形態において、前記バッグインボックスは、前記外装容器と、該外装容器に収容された前記内装容器とを具備することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の外装容器及びこれを具備したバッグインボックスによれば、設置場所が特に制限されることなく内容物を注出可能であり、シンプルな構造でありながら、内容物の注出残りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の外装容器を具備するバッグインボックスの一実施形態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すバッグインボックスの分解斜視図である。
図3図3(a)及び(b)は、図1に示すバッグインボックスの使用状態を模式的に示す断面図である。
図4図4は、使用前の図1に示すバッグインボックスを底面側から視た斜視図である。
図5図5は、図4に示すバッグインボックスの奥行方向に沿う断面図である。
図6図6は、図1に示す外箱を形成するためのブランクを示す平面図である。
図7図7は、図1に示す台座を形成するためのブランクを示す平面図である。
図8図8は、本発明に係る台座の別の実施形態を示す図であって、該台座を正面から視た斜視図である。
図9図9は、図8に示す中央支持部及びサイド支持部を形成するためのブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1図5には、本発明に係る外装容器10及びこれを具備するバッグインボックス1の一実施形態が示されている。バッグインボックス1は、外装容器10と、該外装容器10に収容された内装容器4とを具備している。
バッグインボックス1が具備する内装容器4は、可撓性のシートにより形成された袋体又はパウチからなる内装本体部40と、該内装本体部40に取り付けられた注出部41とを備えている(図5参照)。内装本体部40を形成する可撓性のシート材としては、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)の合成樹脂製のシート材、又はこれらが積層したシート材等が挙げられる。
内装本体部40は、内部に内容物Sを収容している。内容物Sは、例えば液体や粉体であってもよい。液体である内容物Sとしては、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアリンス等の液状のヘアケア剤、ボディソープやハンドソープ等の液体石鹸、衣類や食器用の液体洗剤、柔軟剤や漂白剤、バストイレや床洗浄用の液体洗浄剤、液状の化粧品、液状の飲料、食品、医薬品、エンジンオイル等が挙げられる。また、クリーム等の粘度の高い液体であってもよい。内容物が粉体である場合、例えば粉末状石鹸、粉末状漂白剤等が挙げられる。
【0013】
内装本体部40に取り付けられる注出部41は、内容物Sを内装容器4の外部に注出するためのスパウト部42と、該スパウト部42の内部と内装本体部40の内部とを連通させる管部43とを有した注出部材であり(図1参照)、内装本体部40の内部と連通する流路を内部に有している。斯かる注出部41は、当該流路を弁によって開閉する開閉機構を備え、所望量の内容物を内装容器4の外部に注出可能になされている。
注出部41は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を用いた金型成形品であり、好ましくは射出成形方法によって形成されている。
【0014】
外装容器10は、台座3と外箱2とを具備している。これら台座3及び外箱2それぞれは、段ボール又は厚紙等の紙製の容器であり、内部に内装容器4を収容する収容空間を有した、中空の六面体形状をなしている。外装容器10は、バッグインボックス1の使用前及び使用状態において、外箱2が台座3を被覆可能である。本実施形態の外箱2は、台座3を収容可能な内部空間を有している。
本実施形態の外装容器10は、台座3及び外箱2それぞれの底面部39,29を底部とし、後述する正面部31,21を正面にして載置した状態において、奥行方向Y、該奥行方向Yと直交する幅方向X、並びにこれら奥行方向Y及び幅方向Xに直交する高さ方向Zを有している。この高さ方向Zは鉛直方向と一致している。
【0015】
外箱2は、正面部21と、該正面部21と奥行方向Yに対向する背面部23と、これら正面部21及び背面部23間に配され且つ幅方向Xに相対向する一対の側面部25,25と、高さ方向Zに相対向する上面部27及び底面部29とを有している。本実施形態の外箱2は、正面部21、背面部23、一対の側面部25,25、及び上面部27それぞれが、板状の部材からなり、これら板状の部材が内装容器4の収容空間を画成している(図1参照)。また本実施形態の外箱2は、底面部29が、正面部21、背面部23、及び一対の側面部25,25の下端縁によって画成される開口28からなる。
本実施形態の外箱2は、奥行方向Yに相対向する正面部21及び背面部23と、幅方向Xに相対向する一対の側面部25,25とが、開口28からなる底面部29の周縁から起立し且つ高さ方向Zに延びる四角柱を形成して、該四角柱の上方側の開口を上面部27が閉塞している。これに代えて、底面部29も、上面部27等と同様に板状の部材により形成されていてもよい。この場合、板状の底面部29は、台座3を挿通し得る開口28が形成可能に構成される。斯かる構成は、後述する易破断線を底面部29に形成することで具備させることができる。
このように外箱2は、底に開口を有しているか、又は該底が開口可能となっている。「底に開口を有する」形態としては、本実施形態のように、底面部29が開口28からなる形態か、又は板状の底面部29が開口28を有する形態が挙げられる。外箱2の底面部29が有する開口28は、外箱2の上面部27と高さ方向Zに対向している。
【0016】
本実施形態の外箱2は、バッグインボックス1の使用状態(以下、単に「使用状態」ともいう。)において、底面部29が開口28からなる一方、バッグインボックス1の使用前の状態(以下、単に「使用前状態」ともいう。)において、該底面部29は開口可能となっている。すなわち、使用前状態において底面部29の開口28は形成されておらず、後述する板状底面部29bが外箱2の底部となっている。この開口28は、外箱2を後述する易破断線29aに沿って破断することにより形成される。
【0017】
台座3も、外箱2と同様に、奥行方向Yに相対向する正面部31及び背面部33と、幅方向Xに相対向する一対の側面部35,35と、高さ方向Zに相対向する上面部37及び底面部39とを具備している。また台座3は、正面部31及び背面部33と一対の側面部35,35とが、底面部39の周縁から起立し且つ高さ方向Zに延びる四角柱を形成し、該四角柱の上方側の開口を上面部37が閉塞している。
【0018】
台座3も、底に開口を有しているか、又は該底が開口可能となっている。
本実施形態の台座3は、底面部39が開口38からなり、該開口38を通じて台座3の内部空間が外部と連通可能である。この底面部39(開口38)は、台座3の上面部37と高さ方向Zに対向している。
本実施形態の台座3は、使用状態及び使用前状態を問わず、底に開口38が形成されている。
【0019】
以下、外箱2及び台座3の各部を区別するため、外箱2における正面部21、背面部23、側面部25,25、上面部27及び底面部29を、箱側正面部21、箱側背面部23、箱側側面部25,25、箱側上面部27及び箱側底面部29ともいう。また、外箱2の底面部29の開口28を、箱側開口28ともいう。
また台座3における正面部31、背面部33、側面部35,35、上面部37及び底面部39を、台側正面部31、台側背面部33、台側側面部35,35、台側上面部37及び台側底面部39ともいう。また、台座3の底面部39の開口38を、台側開口38ともいう。
【0020】
外箱2は、箱側正面部21に、内装容器4の注出部41を挿通させる挿通部21aが形成可能になされている。本実施形態の挿通部21aは、バッグインボックス1の使用状態において、注出部41の管部43が挿通される挿通開口をなしている。
図1及び図2に示す挿通部21aは、挿通開口のみ図示しているが、該挿通開口に加え、スパウト部42を挿通させる開口部分を具備していることが好ましい。斯かる開口部分は、挿通開口と連続した開口であり、箱側正面部21と連続するフラップ部によって閉塞されている。フラップ部は周縁部の一部が、箱側正面部21に連接されており、該周縁部の一部を回動軸として回動可能となっている。例えば、フラップ部の上縁部が箱側正面部21と連接されている場合、該フラップ部をめくり上げることで、前記開口部分から注出部41を外箱2外部に露出させることができる。
【0021】
バッグインボックス1の使用前状態において、挿通部21aを形成する開口は、これらの周縁に沿った易破断線(図示せず)で囲まれた領域となっており、当該易破断線に沿って箱側正面部21を破断することにより、該挿通部21aを形成可能になされている。
本明細書において易破断線は、ミシン目等の公知の形態で形成される。
【0022】
本実施形態のバッグインボックス1は、使用状態において、台座3の上に内装容器4を載置し、該内装容器4の上から外箱2を被せて、外箱2内に内装容器4を収容した状態とする(図1参照)。すなわち、台座3の台側底面部39を底部として該台座3を載置面Fに載置し、該台座3の台側上面部37に内装容器4を配置する。この際、台側正面部31及び注出部41が正面を向くように配置する。そして、内装容器4ごと、台座3の上から外箱2を被せる(図1及び図3参照)。外箱2は、箱側正面部21が正面を向くように内装容器4及び台座3に被せられる。この際、箱側底面部29の箱側開口28を介して、内装容器4及び台座3の一部が外箱2内に配される。本実施形態のバッグインボックス1は、外箱2を被せた後、前述した挿通部21aを介して注出部41を露出させる。このようにしてバッグインボックス1は、使用可能となる。
【0023】
図3(a)に示すバッグインボックス1は、外箱2の内部空間26に内装容器4の内装本体部40を収容し、且つ台座3の上方部分が箱側底面部29の開口28を介して該外箱2内に入り込んでいる。この外箱2の箱側上面部27を手等で押圧することにより、台座3の外周面に沿って、外箱2が下方に押下げられる〔図3(b)参照〕。バッグインボックス1は、この外箱2の押下げに伴い、台側上面部37と箱側上面部27との間の空間を縮小可能である。斯かる空間は、使用状態において箱側上面部27、箱側正面部21、箱側背面部23、及び一対の箱側側面部25〔図3において図示せず〕と、台側上面部37とにより画成される空間であり、以下「縮小可能空間」ともいう。縮小可能空間は、図3に示すように、内装容器4が収容される収容空間でもある。
【0024】
本実施形態のバッグインボックス1は、押圧によって外箱2を押し下げることで、縮小可能空間を縮小し、これに伴い該空間に収容された内装本体部40の体積も縮小させる。内装本体部40は、前述したように可撓性のシート材により形成されているので、前記の押圧によって押し潰すことができる〔図3(b)参照〕。この押し潰しにより、内装本体部40内の内容物Sを効率的に注出させることができ、内容物Sの残量が少なくなったとしても、該内装本体部40内に内容物Sが残存する注出残りを効果的に抑制することができる。また本実施形態のバッグインボックス1は、台座3の上から被せられる外箱2の挿通部21aに注出部41を挿通させるので、台座3を具備しない従来のバッグインボックス1に比して、注出位置が上方となる。これにより、注出部41の下に、充填対象の容器5を配置するスペースを容易に確保することができるので、バッグインボックス1の設置場所をテーブルの端等に制限しなくとも、内容物Sの注出を特に支障なく行うことができる。斯かる効果は、高さが高い容器5への注出操作がより容易となる点で有効である(図3参照)。さらに当該注出操作は、外箱2を押圧するだけ操作であり、外箱2内に手や指を差し込む必要もない。すなわち簡便な操作で、内容物Sを注出させることができる。
また本実施形態の外装容器10は、台座3及び外箱2の二つの箱体を組み合わせて構成されたものであるので、シンプルな構造であり、製造効率性が高い。さらに、縮小可能空間を縮小させる際、台座3及び外箱2の破断を伴わないので、使用状態における外装容器10の外観性に優れる。
このように本実施形態のバッグインボックス1は、設置場所が特に制限されることなく内容物Sを注出可能であり、シンプルな構造でありながら、内容物の注出残りを抑制することができる。
【0025】
縮小可能空間をより容易に縮小させる観点から、外装容器10は、以下の寸法を備えることが好ましい。
台側底面部39の面積は、箱側開口28の面積の好ましくは85%以上99%以下、より好ましくは90%以上95%以下である。台側上面部37が水平方向に沿った面である場合、台側底面部39の面積は、台側上面部37の面積と等しくなる。
台座3の奥行方向Yの長さL3(図2参照)は、箱側開口28の奥行方向Yの長さL2(図2参照)の好ましくは90%以上100%未満、より好ましくは95%以上97%以下である。
【0026】
縮小可能空間をより確実に縮小させる観点から、台座3の最小高さH3(図1参照)は、外箱2の高さH2(図1参照)よりも低いことが好ましい。斯かる構成により、外箱2をより確実に押下げることができる。本実施形態の台座3は、後述するように台側上面部37が前傾の傾斜面となっているので、台座3の最小高さH3は、外装容器10の高さ方向Zに沿う台側正面部31の長さとなる。
上記と同様の観点、及び外装容器10のコンパクト化の観点から、台座3の最小高さH3(図1参照)は、外箱2の高さH2(図1参照)の好ましくは45%以上90%以下、より好ましくは50%以上85%以下である。
【0027】
本実施形態の台座3は、台側正面部31及び台側背面部33の高さ(高さ方向Zの長さ)が異なっている。具体的には、台側正面部31の高さよりも台側背面部33の高さが高い。また、一対の台側側面部35,35の上縁が、高さの異なる台側正面部31及び台側背面部33の上縁どうし間を結ぶように、水平方向に対して傾斜している。これにより本実施形態の台座3では、台側上面部37が、台側正面部31に向かった前傾の傾斜面となっている。斯かる構成は、前述の注出残りをより抑制できる点で好ましい。
注出残りをより抑制する観点から、台側上面部37の水平方向に対する傾斜角度θ1〔図3(a)参照〕は、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上である。斯かる傾斜角度θ1の上限は特に制限されないが、内装本体部40を安定して支持する観点から、好ましくは60°未満である。すなわち前記傾斜角度θ1は、好ましくは5°以上60°未満、より好ましくは10°以上60°未満である。
【0028】
外箱2は、その高さH2(図1参照)を二等分して、箱側上面部27側の上方部2Aと、箱側開口28側の下方部2Bとの二区分に区分される(図1参照)。この場合、箱側正面部21に設けられた挿通部21aは、上方部2Aに位置していることが好ましい。これにより、外箱2の押し下げ〔図3(a)及び(b)参照〕に伴い、注出部41が台座3に干渉することを抑制できる。
前記の干渉をより抑制する観点から、挿通部21aは、上方部2Aの高さを二等分して二区分に区分したとき、箱側上面部27側の区分に位置していることがより好ましい。
【0029】
図4及び図5に本実施形態のバッグインボックス1の使用前状態を示す。説明の便宜上、図5では、箱側上面部27及び後述する板状底面部29bそれぞれを一枚の板状部材で示しているが、本実施形態の箱側上面部27及び板状底面部29bは、後述するように複数枚の連接板fを重ね合わせて構成されている。
本実施形態のバッグインボックス1は、使用前状態において、内装容器4が台座3の内部空間36に収容されており、該内装容器4及び該台座3が、外箱2の内部空間26に収容されている。この使用前状態において台座3は、台側上面部37を下方に向けた倒立状態で外箱2内に収容されており、該台座3の内部空間36に、注出部41と内装本体部40とが取り外された状態で収容されている(図5参照)。また使用前状態において、内装本体部40は、その一部が台座3の台側開口38から上方に突出し、注出部41は、台側上面部37と内装本体部40との間に配されている(図5参照)。
【0030】
本実施形態の外装容器10は、前述したように、台座3の底すなわち台側開口38を上方に向けた状態で、該台側開口38を通じて、該台座3の内部に内装容器4(内装本体部40及び注出部41)を収容可能である(図4及び図5参照)。さらに本実施形態の外装容器10は、前述したように、内装容器4(内装本体部40及び注出部41)を収容した台座3を、外箱2の内部に収容可能である(図4及び図5参照)。斯かる構成により、使用前状態のバッグインボックス1は、コンパクト化及び外観性を両立させることができる。
本実施形態のバッグインボックス1は、内装容器4及び台座3を外箱2内に収容した状態で流通される。
【0031】
本実施形態の外箱2は、使用前状態において、箱側開口28が板状の部材からなる板状底面部29bによって閉塞されており、且つ箱側正面部21、箱側背面部23、及び一対の箱側側面部25,25の各下端部に、板状底面部29bの周縁と略一致する易破断線29aが形成されている(図4参照)。より詳細には、箱側正面部21及び箱側背面部23には幅方向Xに延びた易破断線29aが形成され、一対の箱側側面部25,25には奥行方向Yに延びた易破断線29aが形成されている。これら易破断線29aは、高さ方向Zの位置が一致しており、且つこれら易破断線29aが外箱2の外周面に沿って連続している。この易破断線29aに沿って、箱側正面部21、箱側背面部23、及び一対の箱側側面部25,25の下端部を破断することで、該易破断線29aよりも下方の部分を外箱2から分離して、箱側開口28を形成可能になされている。すなわち板状底面部29bが存在しない、底が開口した箱となる。斯かる外箱2は、易破断線29aに沿って破断することで生じた破断端面が、箱側開口28を画成している。このように使用前状態の外箱2は、底を閉塞する板状底面部29bを有し、且つ箱側開口28を形成可能な易破断線29aが外箱2の下端部に形成されていることで、開口28を形成可能でありながら、外箱2内に内装容器4及び台座3を収容した収容状態をより容易に維持することができる。
【0032】
本実施形態のバッグインボックス1は、初回の使用時、すなわち開封時に、易破断線29aに沿って外箱2を破断することで、箱側開口28が形成される。これにより、箱側開口28を通じて外箱2から台座3と該台座3内に収容された内装容器4を取り出すことができる。このバッグインボックス1は、外箱2内から取り出した台座3を、台側開口38が載置面F側を向くように載置し、図1に示す態様で、内装容器4及び外箱2を配置する。この際、箱側正面部21を易破断線に沿って破断し、前述した挿通部21aを形成する。そして、この挿通部21aにおけるフラップ部をめくり上げて形成された開口に注出部41を通し、該注出部41の管部43を挿通開口に挿通させ、該挿通部21aを介して注出部41を箱側正面部21から露出させる。斯かる操作により、バッグインボックス1は、注出部41を介しての内容物Sの注出が可能な状態となる。
【0033】
本実施形態の外箱2及び台座3それぞれは、一枚のブランクを用いて形成される。外箱2及び台座3それぞれは、直方体又は立方体を形成し得る一枚のブランク20,30を用いて形成することができる(図6及び図7参照)。これらブランク20,30は、外箱2及び台座3それぞれを展開した状態において所定の形状となるように、一枚の紙製のシート材料を、打ち抜いて裁断することで、容易に得ることができる。
【0034】
ブランク20,30には、筋押し等の折れ癖加工や、切り込み加工等を施すことにより、折り曲げ部によって画成される各部を形成する。また外箱2を形成するブランク20は、箱側開口28を形成する易破断線29aや、挿通部21a(開口)を形成する易破断線を適宜の箇所に設ける。
【0035】
図6に示すブランク20は、外箱2を形成するものであり、幅方向Xに対応する横方向X1と、高さ方向Zに対応する直交方向Z1とを有し、横方向X1に長い形状を有している。
ブランク20は、直交方向Z1に延びる折り曲げ部によって区分された、箱側背面部23、一対の箱側側面部25,25、及び箱側正面部21を有している。このブランク20では、横方向X1に沿って左から箱側背面部23、箱側側面部25、箱側正面部21、及び箱側側面部25がこの順で並んでおり、これら箱側背面部23、箱側側面部25、箱側正面部21、及び箱側側面部25における直交方向Z1の一方の端部に、横方向X1に連続する1本の易破断線29aが形成されている。
箱側背面部23、箱側側面部25、及び箱側正面部21それぞれには、直交方向Z1の両端部に、横方向X1に延びる折り曲げ部を介して、一対の連接板f,fが、直交方向Z1外方に連接されている。すなわち、箱側背面部23の直交方向Z1両側には、一対の背面連接板23f,23fが連接されており、箱側側面部25の直交方向Z1両側には、一対の側面連接板25f,25fが連接されており、箱側正面部21の直交方向Z1両側には、一対の正面連接板21f,21fが連接されている。箱側背面部23の横方向X1外方には、直交方向Z1に延びる折り曲げ部を介して、背面継ぎしろ部23eが連接されている。この背面継ぎしろ部23eが、ブランク20の横方向X1における一方側の端部となっており、片方の側面部25が、ブランク20の横方向X1における他方側の端部となっている。
【0036】
図7に示すブランク30は、台座3を形成するものであり、幅方向Xに対応する横方向X1と、奥行方向Yに対応する縦方向Y1とを有している。
ブランク30は、横方向X1に延びる折り曲げ部によって区分された、台側正面部31、台側上面部37、及び台側背面部33を有し、台側上面部37に横方向X1に連接する一対の台側側面部35,35を有している。台側正面部31及び台側背面部33の横方向X1両側縁それぞれには、縦方向Y1に延びる折り曲げ部を介して、一対の継ぎしろ部31e,31e、33e,33eが連接されている。台側上面部37は、横方向X1において一対の台側側面部35,35間に挟まれている。また台側上面部37は、縦方向Y1において台側正面部31と台側背面部33との間に挟まれている。台側背面部33の縦方向Y1の長さは、台側正面部31の縦方向Y1の長さよりも長い。一対の台側側面部35,35は、横方向X1に沿う側縁、すなわち縦方向Y1両側に位置する側縁が、横方向X1に対して傾斜している。
【0037】
図6及び図7に示すブランク20,30を用いて、外装容器10と内装容器4とを具備するバッグインボックス1の製造方法を説明する。図6及び図7に示すブランク20,30から外箱2及び台座3を組み立てる際に行われる接合は、接着剤等の公知の接合手段を用いることができる。
先ず台座3を形成するブランク30を、台側上面部37から一対の台側側面部35,35が下垂するように、台側上面部37と台側側面部35との間の折り曲げ部を山折りに折り曲げる。次いで、台側正面部31と台側上面部37との間の折り曲げ部を山折りに折り曲げる。この際、一対の継ぎしろ部31e,31eを、台側側面部35,35の内面に接合する。次いで台側背面部33と台側上面部37との間の折り曲げ部を山折りに折り曲げる。この際、一対の継ぎしろ部33e,33eを、台側側面部35,35の内面に接合する。
このようにして台座3を組み立てる。組み立てた台座3は、台側上面部37を下方に向けた倒立状態にして、該台座3の内部空間に内装容器4を収容する。
【0038】
外箱2を形成するブランク20は、箱側背面部23とこれに隣接する箱側側面部25との間の直交方向Z1に延びる折り曲げ部を折り曲げ、さらに箱側正面部21とこれの両側に隣接する箱側側面部25,25との間の直交方向Z1に延びる折り曲げ部をそれぞれ折り曲げて、一対の箱側側面部25,25を対向させ、且つ箱側正面部21及び箱側背面部23を対向させる。次いで、背面継ぎしろ部23eを、該ブランク20の横方向X1の外方に位置する箱側側面部25の内面に接合する。これにより、箱側正面部21、箱側背面部23、及び一対の箱側側面部25,25によって、内部が中空の四角柱が形成される。斯かる四角柱は、直交方向Z1の両側それぞれに開口を有している。
次いで、直交方向Z1において易破断線29aが形成された側の4枚の連接板fを、前記四角柱の一方の開口を閉塞するように直交方向Z1内方側に折り畳み、これら連接板fを重ね合わせた状態に固定する。より詳細には、背面連接板23fの外面と側面連接板25fの内面とを接着剤等で接合し、上面連接板27fの外面と側面連接板25fの内面とを接着剤等で接合する。これにより、4枚の連接板fを重ね合わせてなる板状底面部29bが形成される。
【0039】
次いで、箱側正面部21、一対の箱側側面部25、箱側背面部23、及び板状底面部29bによって画成される空間に、内装容器4を収容した台座3を前記倒立状態で収容する。
次いで、板状底面部29bとは直交方向Z1の反対側に位置する4枚の連接板fを、前記四角柱の他方の開口を閉塞するように、直交方向Z1内方側に折り畳み、これら連接板fを重ね合わせた状態に固定する。これら4枚の連接板fは、前記の板状底面部29bと同様の方法で固定する。これにより、4枚の連接板fを重ね合わせてなる箱側上面部27が形成されるとともに、前記四角柱の他方の開口が閉塞されて、内装容器4及び台座3を収容した外箱2が形成される。
以上の方法により、図4及び図5に示す使用前状態のバッグインボックス1を製造することができる。
【0040】
本発明の外装容器及びこれを具備するバッグインボックスは、図1~7に示す実施形態に限定されない。以下に、本発明に係る外装容器及びこれを具備するバッグインボックスの別の実施形態について説明する。以下では、別の実施形態について、図1~7に示す実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、図1~7に示す実施形態についての説明が適宜適用される。
【0041】
上述した実施形態のバッグインボックス1は、台側上面部37が前傾の傾斜面となったものであったが、これに限られない。図8に示す実施形態の台座3aは、台側上面部37aが、前傾の傾斜面を形成する上面主面部60と、サイド支持部62を形成するサイド支持形成部65とを含んで構成されている。本実施形態の台側上面部37aは、幅方向X両側に位置するサイド支持部62,62と、該サイド支持部62,62どうし間に挟まれた中央支持部61とを有している。サイド支持部62は、上面主面部60の幅方向X両側に延在するサイド支持形成部65が幅方向X内側に折り曲げられ且つ該上面主面部60に固定されてなる。この上面主面部60の幅方向X中央部には、差し込み開口66が形成されており、該差し込み開口66にサイド支持形成部65の先端部(後述する差込部67)が差し込まれて上面主面部60に固定されている。中央支持部61は、上面主面部60の幅方向X中央の部分により形成されている。すなわち中央支持部61は、前傾の傾斜面となっている。
【0042】
本実施形態のサイド支持部62,62は、幅方向X中央に向かって下方に傾斜するサイド傾斜面B1を有している。斯かる構成により、内装容器4内の内容物Sを幅方向Xにおけるサイド傾斜面B1どうし間に集めて注出部41に導入することができ、液残りをより抑制することができる。このサイド傾斜面B1は、上面主面部60の側部に対し、回動可能に形成されたサイド支持形成部65を折り曲げることで形成されている。
【0043】
本実施形態のサイド支持形成部65は、サイド傾斜面B1を形成するサイド傾斜面部63と、上面主面部60に形成された差し込み開口66に差し込まれる差込部67と、上面主面部60から起立する起立部64とを有している。サイド支持部62においてサイド傾斜面部63は、幅方向X内方側の側縁が差込部67と連接しており、幅方向X外方側の側縁が起立部64の上端縁と連接している。起立部64は、下端縁が上面主面部60の幅方向X外方側の側縁と連接している。差込部67とサイド傾斜面部63との間、サイド傾斜面部63と起立部64との間、及び起立部64と上面主面部60との間それぞれには、奥行方向Yに沿う折り曲げ部が形成されている。これら折り曲げ部に沿ってサイド支持形成部65を幅方向X内側に折り曲げ且つ差込部67を差し込み開口66に差し込むことで、奥行方向Yに延びる三角柱状の支持構造が形成される。すなわち本実施形態のサイド支持部62は、サイド傾斜面B1の下に、奥行方向Yに延びる三角柱状の支持構造を有している。これにより、内容物Sを収容した内装容器4の自重に対しサイド傾斜面B1を安定して維持することができるとともに、内容物Sを注出部41側に集中させることができ、液残りをより抑制することができる。
【0044】
サイド傾斜面B1の傾斜をより安定化する観点、及び液残りをより抑制する観点から、サイド傾斜面B1の水平方向に対する傾斜角度θ2(図8参照)は、好ましくは10°以上、より好ましくは20°以上である。斯かる傾斜角度θ2の上限は特に制限されないが、内装本体部40をより安定して支持する観点から、当該上限は好ましくは80°未満、より好ましくは60°以下である。すなわち、前記傾斜角度θ2は、好ましくは10°以上80°未満、より好ましくは20°以上60°以下である。
【0045】
本実施形態の台座3aは、図7に示すブランク30を用いて台座を形成した後、該台座の上面に、別体のブランク30A(図9参照)により形成された上面主面部60とサイド支持形成部65とを重ね合わせ且つ固定することで形成できる。当該ブランク30Aも、前述のブランク30と同様に、横方向X1及び縦方向Y1を有する。
図9に示すブランク30Aは、上面主面部60、該上面主面部60の横方向X1両側に隣接する起立部64、該起立部64と横方向X1外方に隣接するサイド傾斜面部63、該サイド傾斜面部63と横方向X1外方に隣接する差込部67とを具備する。当該ブランク30Aは、上面主面部60の中心を通り且つ縦方向Y1に沿う中心軸に対し、横方向X1外方から上面主面部60に向かって、差込部67、サイド傾斜面部63、及び起立部64の順でこれらが線対称に連接されている。差込部67とサイド傾斜面部63との間、サイド傾斜面部63と起立部64との間、起立部64と上面主面部60との間それぞれには、縦方向Y1に延びる折り曲げ部が形成されている。上面主面部60は、その横方向X1中央に、縦方向Y1に延びる一対の差し込み開口66,66が形成されている。
【0046】
本実施形態のブランク30Aは、起立部64及びサイド傾斜面部63を上面主面部60の横方向X1中央側に折り返し、起立部64とサイド傾斜面部63との間の折り曲げ部を山折りにした後、差込部67を上面主面部60の差し込み開口66に差し込む。これにより、サイド傾斜面部63、起立部64、及び上面主面部60により形成される三角柱状の支持構造を有したサイド支持部62が形成される。このようにして形成された中央支持部61及びサイド支持部62を、前傾の傾斜面を有する台側上面部37に固定することで、本実施形態の台座3aを形成することができる。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。また、上述した実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態において板状底面部29b及び箱側上面部27は、4枚の連接板f(正面連接板21f、2枚の側面連接板25f、背面連接板23f)を重ね合わせて形成されたものであったが、板状底面部29b及び箱側上面部27は、箱側正面部21や箱側側面部25、箱側背面部23と同様に、一枚の板状部であってもよい。また、箱側側面部25又は箱側背面部23が、複数の連接板を重ね合わせて形成されたものであってもよい。
台座3も同様に、台座3の台側正面部31、台側側面部35、又は台側背面部33は、一枚の板状部であってもよく、複数の連接板を重ね合わせて形成されたものであってもよい。
【0048】
また台側上面部37は、前傾の傾斜面ではなく、水平方向に沿った面であってもよい。
また台側上面部37aがサイド支持部62を有する場合、サイド傾斜面B1の下に三角柱状の支持構造を有しないものであってもよい。例えば、上面主面部60が、幅方向X中央部分を底部とし、幅方向X両側部が該中央部分から斜めに起立したV字状のものであってもよい。斯かる形態において、上面主面部60の幅方向X両側部が、サイド傾斜面B1を形成するサイド傾斜面部63となる。
【符号の説明】
【0049】
1 バッグインボックス
10 外装容器
2 外箱
21 箱側正面部
21a 挿通部
23 箱側背面部
25 箱側側面部
25f 側面連接板
26 内部空間
27 箱側上面部
28 箱側開口
29 箱側底面部
29a 易破断線
3,3a 台座
31 台側正面部
33 台側背面部
35 台側側面部
36 内部空間
37,37a 台側上面部
38 台側開口
39 台側底面部
4 内装容器
40 内装本体部
41 注出部
42 スパウト部
43 管部
20,30,30A ブランク
60 上面主面部
61 中央支持部
62 サイド支持部
63 サイド傾斜面部
64 起立部
65 サイド支持形成部
66 差し込み開口
67 差込部
B1 サイド傾斜面
F 載置面
S 内容物
X 幅方向
Y 奥行方向
Z 高さ方向
X1 横方向
Y1 縦方向
Z1 直交方向
θ1,θ2 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9