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特開2024-86003弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁
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  • 特開-弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁 図1A
  • 特開-弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁 図1B
  • 特開-弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁 図2
  • 特開-弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁 図3
  • 特開-弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086003
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/14 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
F16K15/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200841
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深澤 新平
(72)【発明者】
【氏名】林 伸幸
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA16
3H058BB29
3H058CA02
3H058CA23
(57)【要約】
【課題】安全且つ容易な方法で確実にゴム製逆止弁の弁体にスリットを設ける。
【解決手段】筒状の逆止弁本体2と、スリットを有し、逆止弁本体2の通路に設けられ、スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体3とを有するゴム製逆止弁1の弁体3に、スリットを形成するゴム製逆止弁1の加工方法において、弁体3に予め形成した脆弱部5が破断するように、一方向に空気を流通させて脆弱部5を破断させてスリットを形成する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の逆止弁本体と、
スリットを有し、前記逆止弁本体の通路に一体に設けられ、前記スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体とを有する弾性体逆止弁の、前記弁体にスリットを形成する弾性体逆止弁の加工方法であって、
前記弁体に予め形成した脆弱部が破断するように、前記一方向に空気を流通させて前記脆弱部を破断させて前記スリットを形成する
ことを特徴とする弾性体逆止弁の加工方法。
【請求項2】
前記脆弱部は、前記弁体における他の部位よりも薄い部分よりなり、
前記脆弱部の厚さは、0.02mm以上0.06mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の弾性体逆止弁の加工方法。
【請求項3】
前記弁体は、ゴムよりなり、
前記ゴムの硬度は、JIS K6253のデュロメータタイプAで20以上90以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性体逆止弁の加工方法。
【請求項4】
コンプレッサからの圧縮空気を吐出する吐出部を前記逆止弁本体の一端側に押し当てて前記圧縮空気を送り込んで前記脆弱部を破断する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性体逆止弁の加工方法。
【請求項5】
前記脆弱部を破断させる空気の圧は、0.1MPa以上2.0MPa以下である
ことを特徴とする請求項4に記載の弾性体逆止弁の加工方法。
【請求項6】
筒状の逆止弁本体と、
スリットを有し、前記逆止弁本体の通路に一体に設けられ、前記スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体とを有する弾性体逆止弁であって、
前記弁体は、前記一方向に向かってスリットに近付くにつれて徐々に間隔が狭くなり、前記スリットの最も間隔の狭い部分には、破断面が形成されている
ことを特徴とする弾性体逆止弁。
【請求項7】
ゴムの一体成形品よりなり、
前記ゴムの硬度は、JIS K6253のデュロメータタイプAで20以上90以下である
ことを特徴とする請求項6に記載の弾性体逆止弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の逆止弁本体と、スリットを有し、逆止弁本体の通路に設けられ、スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体とを有する弾性体逆止弁の加工方法及び弾性体逆止弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容物を密閉状態で内部に収容する密閉容器が知られている。例えば、この密閉容器の底面には、吸気弁や排気弁が設けられており、容器内部に不活性ガス等を吸気弁から供給し、必要に応じて排気弁から排出することで、容器内部の気体を置換したり、気密状態を維持したりするようにしている。
【0003】
そのような逆止弁として、上述したような、筒状の逆止弁本体と、スリットを有し、逆止弁本体の通路に設けられ、スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体とを有する弾性体逆止弁が知られている。この弁体は、ゴム製で柔らかく、そのスリットは、打ち抜きの専用の工具などを用いて手作業で切断加工される。
【0004】
例えば、特許文献1のように、溶融押し出し成形された樹脂を回転冷却ロールの表面に沿わせ、エアナイフ装置から空気を吹き付けて冷却成形する方法が知られている。
【0005】
また、特許文献2のように、未硬化状態にある熱可塑性樹脂の表面層側にエアナイフノズルより冷却エアを吹き付けて強制冷却し、基材層側に発泡体層を積層する方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-6271号公報
【特許文献2】特許第3357182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の専用工具を用いた手作業では、専用の打ち抜き工具を用意し、その工具に弾性体逆止弁をセットし、打ち抜きし、打ち抜き後の弾性体逆止弁を工具から取り出すという多くの作業があり、また、刃物による切断を人手で行うため、安全性の問題があると共に、非常に手間がかかるという問題がある。
【0008】
上記特許文献1及び2の方法は、エアナイフを用いた方法であり、エアを吹き付けた対象物を押さえるけることはできるが、スリットなどの切断を行うことは想定していない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安全且つ容易な方法で確実に弾性体逆止弁の弁体にスリットを設けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明では、ゴム製の弁体に予め設けた脆弱部を空気圧で破断するようにした。
【0011】
具体的には、第1の発明では、
筒状の逆止弁本体と、
スリットを有し、前記逆止弁本体の通路に一体に設けられ、前記スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体とを有する弾性体逆止弁の、前記弁体にスリットを形成する弾性体逆止弁の加工方法であって、
前記弁体に予め形成した脆弱部が破断するように、前記一方向に空気を流通させて前記脆弱部を破断させて前記スリットを形成する構成とする。
【0012】
上記の構成によると、弾性体逆止弁を成形する際に弁体に他の部分よりも破断し易い脆弱部を予め形成しておき、流体を通過させる方向に適切な圧力の空気を流通させるだけで、脆弱部を破断し、安全且つ確実にスリットを形成することができる。
【0013】
第2の発明では、第1の発明において、
前記脆弱部は、前記弁体における他の部位よりも薄い部分よりなり、
前記脆弱部の厚さは、0.02mm以上0.06mm以下である。
【0014】
ここで、脆弱部を0.02mmよりも薄くするのは成形が難しく、0.06mmよりも厚くすると空気による破断が難しい。しかし、上記の構成によると、脆弱部が適切な厚さであるため、脆弱部の成形がし易く、一般的な圧縮空気の圧力で確実に破断されるため、弾性体逆止弁の製造が容易となる。
【0015】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
前記弁体は、ゴムよりなり、
前記ゴムの硬度は、JIS K6253のデュロメータタイプAで20以上90以下である。
【0016】
ここで、弁体のショアA硬度が20よりも低いと柔らかすぎ、また、90よりも高いと硬すぎて、逆止弁としての機能を発揮しがたいが、上記の構成によると、適切な硬度であるため、破断が容易で、破断後には逆止弁としての機能を適切に発揮できる弾性体逆止弁が得られる。
【0017】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
コンプレッサからの圧縮空気を吐出する吐出部を前記逆止弁本体の一端側に押し当てて前記圧縮空気を送り込んで前記脆弱部を破断する構成とする。
【0018】
上記の構成によると、極めて容易且つ安全にスリットを形成できる。
【0019】
第5の発明では、第4の発明において、
前記脆弱部を破断させる空気の圧を0.1MPa以上2.0MPa以下とする。
【0020】
上記の構成によると、必要以上な加圧設備を設けることなく、工場等に設置されている、一般的なコンプレッサの圧力を使用できると共に、圧力が高すぎてスリット以外の部分で弁体を破断するおそれがない。
【0021】
第6の発明では、
筒状の逆止弁本体と、
スリットを有し、前記逆止弁本体の通路に一体に設けられ、前記スリットにおいて一方向に流体を通過させ、逆方向には流体を通過させない弁体とを有する弾性体逆止弁であって、
前記弁体は、前記一方向に向かってスリットに近付くにつれて徐々に間隔が狭くなり、前記スリットの最も間隔の狭い部分には、破断面が形成されている構成とする。
【0022】
上記の構成によると、弁体のスリットとなる部分に徐々に間隔が狭くなる部分として他の部分よりも破断し易い脆弱部を予め形成しておき、例えば、流体を通過させる方向に適切な圧力の空気を流通させるだけで、この脆弱部を破断し、安全且つ確実にスリットを形成することができる。このため、安価で製造し易い弾性体逆止弁が得られる。
【0023】
第7の発明では、第6の発明において、
ゴムの一体成形品よりなり、
前記ゴムの硬度は、JIS K6253のデュロメータタイプAで20以上90以下である。
【0024】
ここで、弁体のショアA硬度が20よりも低いと柔らかすぎ、また、90よりも高いと硬すぎて、逆止弁としての機能を発揮しがたいが、上記の構成によると、適切な硬度であるため、空気圧による破断が容易で、破断後には逆止弁としての機能を適切に発揮できる弾性体逆止弁が得られる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、予め弁体に設けた脆弱部を空気で破断するようにしたので、安全且つ容易な方法で確実に弾性体逆止弁の弁体にスリットを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】ゴム製逆止弁を示す平面図である。
図1B図1AのIB-IB線断面図である。
図2図1BにおけるII部拡大断面である。
図3】本発明の実施形態の変形例1に係る図2相当断面図である。
図4】本発明の実施形態の変形例2に係る図2相当断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
-ゴム製逆止弁の構成-
図1A及び図1Bは、本発明の実施形態の弾性体逆止弁としてのゴム製逆止弁1を示し、例えば、このゴム製逆止弁1は、図示しない密閉容器の底部などに外部と連通させるために設けられる逆止弁である。弾性体逆止弁としてのゴム製逆止弁1は、例えば、フッ素ゴムの一体成形品よりなるが、弾性体であれば特に限定されず、熱可塑性若しくは熱硬化性エラストマー、又は、シリコーン系ゴム、エチレンプロピレンゴムなどのゴムなどでもよい。更には、一部が金属で構成されていてもよい。
【0029】
本実施形態に係るゴム製逆止弁1は、筒状の逆止弁本体2と、その中心部に一体に設けられた弁体3とを有する。
【0030】
逆止弁本体2は、例えば、密閉容器の貫通孔に挿入するための外径を有するが、その形状は特に限定されず、断面が楕円状、一対の直線部を有するフィールドトラック形状、長方形状等の中心に貫通孔を有する筒状であってもよい。上述したように、逆止弁本体2の一部が金属やプラスチックで構成されていてもよい。
【0031】
図1Bに示すように、弁体3は、逆止弁本体2の通路となる内周側に一体に成形され、先端に向かって徐々に間隔が狭くなり、その先端中心に平面視で直線状のスリット4を有する。このスリット4において、一方向(図1Bで示す矢印の方向)に流体を通過させ(スリット4が開き)、その逆方向には流体を通過させない(スリット4が閉じる)構成とすることにより、逆止弁としての機能が発揮されるようになっている。
【0032】
図2に拡大して示すように、スリット4は、弁体3の先端の平面視で真っ直ぐな平坦な帯状部6の中央に形成した脆弱部5に、後述する方法により形成される。脆弱部5は、弁体3における他の部位(例えば、t1=0.5mm程度)よりも薄い部分よりなり、脆弱部5のスリット4となる部分の厚さt2は、0.02mm以上0.06mm以下(0.02≦t2≦0.06)である。脆弱部5の幅Wは例えば、0.1mmである(W=0.1)。図2の帯状部6の横断方向断面図において、脆弱部5を形成する溝部の側面の傾斜角度αは、例えば67°である(α=67°)。
【0033】
また、成形後のゴム製逆止弁1の弁体3のゴムの硬度は、JIS K6253のデュロメータタイプA(ショアA)で20以上90以下である。
【0034】
-ゴム製逆止弁の加工方法-
次に、本実施形態に係るゴム製逆止弁1の加工方法について説明する。
【0035】
詳しい説明は省略するが、射出成形又は圧縮成形により、例えば、フッ素ゴムから専用の金型を用いてゴム製逆止弁1を成形する。この成形段階では、上述したように、直線状の脆弱部5が弁体3先端の帯状部6に形成されている。なお、例えば、逆止弁本体2と弁体3とが異なるゴム材料で二色成形されていてもよい。
【0036】
そして、図1Bに示すように、コンプレッサからの圧縮空気を吐出する吐出部10(エアガンの先端部)を逆止弁本体2の一端側(下端側)に押し当てて圧縮空気を送り込み、弁体3に予め形成した脆弱部5が破断するように、流体の流通を許容する一方向に空気を流通させ、脆弱部5を破断させてスリット4を形成する。こうすれば、特殊な打ち抜き工具を使用する必要がない。なお、このとき逆方向に空気を送り込むと弁体3が変形してうまく破れない。また、吐出する流体は、空気に限定されず、他の気体でもよい。スリット4は、空気圧によって引きちぎられたように形成されるので、拡大して見ると破断面が形成されていることが分かる。その破断面は弁体3の閉じ動作のときに閉じるが、閉じた部分から空気が漏れることはない。
【0037】
このとき、脆弱部5を破断させる空気圧を0.1MPa以上2.0MPa以下とする。これにより、工場等に設置されている、一般的なコンプレッサの圧力を使用することができ、必要以上な加圧設備を設けなくてすむ。また、2.0MP以下と上限を決めることにより、圧力が高すぎてスリット4以外の部分で弁体3を破断するおそれがない。
【0038】
このように、ゴム製逆止弁1を成形する際に弁体3に他の部分よりも破断し易い脆弱部5を予め形成しておき、流体を通過させる一方向に適切な圧力の空気を流通させるだけで、脆弱部5を破断し、安全且つ確実にスリット4を形成することができる。
【0039】
また、脆弱部5の厚さを0.02mm以上0.06mm以下としたのは、脆弱部5を0.02mmよりも薄くするのは成形が難しく、0.06mmよりも厚くすると空気による破断が難しいためである。本実施形態の脆弱部5をこのような適切な厚さとしたので、脆弱部5の成形がし易く、一般的な圧縮空気の圧力で確実に破断されるため、ゴム製逆止弁1の製造が容易となる。
【0040】
また、弁体3のゴムの硬度をショアA硬度で20以上90以下としたのは、20よりも低いと柔らかすぎ、また、90よりも高いと硬すぎて、逆止弁としての機能を発揮しがたいためである。本実施形態の弁体3は、適切な硬度であるため、破断が容易で、破断後には逆止弁としての機能を適切に発揮できるゴム製逆止弁1が得られる。
【0041】
以上説明したように、本発明によれば、予め弁体3に設けた脆弱部5を空気で破断するようにしたので、安全且つ容易な方法で確実にゴム製逆止弁1の弁体3にスリット4を設けることができる。
【0042】
-変形例1-
図3は本発明の実施形態の変形例1を示し、脆弱部5’の構成が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の変形例1及び2では、図1A図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0043】
本変形例では、脆弱部5’は、帯状部6の横断断面図において、溝状部分の幅が下方から徐々に狭まり、上側は一定幅Wとなり、その最上部に帯状の薄板が形成されている。
【0044】
本変形例においても、脆弱部5の厚さt2は、0.02mm以上0.06mm以下(0.02≦t2≦0.06)である。脆弱部5の幅Wも、例えば、0.1mmである(W=0.1)。帯状部6の横断断面図において、脆弱部5を形成する溝部の側面の傾斜角度α’は、本変形例では、α’=90である。
【0045】
なお、このα’は、例えば45°以上90°以下である(45°≦α’≦90°)。そして、α’=67°が上記実施形態に相当する。
【0046】
この場合も、脆弱部5’が逆止弁の流体を通す方向に空気を強制的に送り込んで破断し、スリット4を形成することができる。
【0047】
-変形例2-
図4は本発明の実施形態の変形例2を示し、脆弱部5’’の構成が異なる点で上記実施形態及び変形例1と異なる。
【0048】
本変形例では、脆弱部5’’の上側にも溝が形成されており、上側及び下側の帯状部6の横断断面図において、溝状部分の幅が一定であり、脆弱部5’’が帯状の薄板よりなる。すなわち、脆弱部5’’は、弁体3の最も上側になくてもよく、帯状部6の厚さ方向中間部にあってもよい。
【0049】
本変形例においても、脆弱部5の厚さt2は、0.02mm以上0.06mm以下(0.02≦t2≦0.06)である。脆弱部5の幅Wも、例えば、0.1mmである(W=0.02)。帯状部6の横断断面図において、脆弱部5を形成する溝部の側面の傾斜角度α’’は、本変形例では、α=90°である。このαは、45°以上90°以下とするとよい(45°≦α’’≦90°)。
【0050】
この場合も、脆弱部5’が逆止弁の流体を通す方向に空気を強制的に送り込んで破断し、スリット4を形成することができる。
【0051】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0052】
すなわち、上記実施形態では、脆弱部は、平面視で直線状としているが、例えば、十字状、V字状でもよい。一方、脆弱部がミシン目状であると、破断後のスリットが閉じたときに、その噛み合わせ部分で空気が漏れることがあるので、望ましくない。
【0053】
上記実施形態では、密閉容器にゴム製逆止弁1を使用しているが、それに限定されず、配管等に使用してもよい。
【0054】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0055】
1 ゴム製逆止弁(弾性体逆止弁)
2 逆止弁本体
3 弁体
4 スリット
5,5’,5’’ 脆弱部
6 帯状部
10 吐出部
図1A
図1B
図2
図3
図4