(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086008
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】コンテンツを配信するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/262 20110101AFI20240620BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20240620BHJP
【FI】
H04N21/262
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200851
(22)【出願日】2022-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年11月9日、https://report.pococha.com/n/nef94be9fd8e1 令和4年11月21日、https://report.pococha.com/n/nef94be9fd8e1 令和4年12月2日、https://report.pococha.com/n/n8b81ab8d9869
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小池 雅明
(72)【発明者】
【氏名】小東 祥
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164SC11P
5C164SC21P
5C164YA07
(57)【要約】
【課題】 配信ユーザによるコンテンツの適正な配信を促進する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サーバ10は、通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されており、コンテンツを配信するコンテンツ配信サービスを、ユーザ端末30を介してユーザに提供する。当該サーバ10は、所定期間におけるコンテンツの合計配信時間が上限値に到達した配信ユーザによる当該所定期間におけるコンテンツの配信を禁止し、さらに、こうした上限値に到達した配信ユーザについて、その後の期間における上限値を小さくするから、長時間の配信を行った配信ユーザによる過剰な配信の継続を抑制することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、コンテンツを配信するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、
前記コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における前記コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するステップと、
前記所定期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合に、前記所定期間における前記配信ユーザによる前記コンテンツの配信を禁止するステップと、を実行し、
前記上限値を設定するステップは、第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達しなかった場合よりも、前記第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合の方が小さくなるように、前記第1期間の後の第2期間における前記上限値を設定することを含む、
システム。
【請求項2】
前記上限値を設定するステップは、前記配信ユーザに関連付けられたパラメータの値に基づいて、前記上限値を設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記パラメータは、前記配信ユーザの評価を示し、
前記上限値を設定するステップは、前記配信ユーザの評価が高いほど大きくなるように、前記上限値を設定することを含む、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記パラメータは、前記配信ユーザの年齢を示し、
前記上限値を設定するステップは、前記配信ユーザの年齢が高いほど大きくなるように、前記上限値を設定することを含む、
請求項2のシステム。
【請求項5】
前記パラメータは、前記配信ユーザの配信活動のタイプを示す、
請求項2のシステム。
【請求項6】
前記パラメータは、前記配信ユーザが前記コンテンツを初めて配信してからの経過日数である初配信経過日数を示し、
前記上限値を設定するステップは、前記初配信経過日数が小さいほど大きくなるように、前記上限値を設定することを含む、
請求項2のシステム。
【請求項7】
前記上限値を設定するステップは、前記初配信経過日数が閾値より小さい場合に、前記上限値を設定しないことを含む、
請求項6のシステム。
【請求項8】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記所定期間における前記コンテンツの配信状況に基づいて、前記所定期間における前記上限値を変更するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項9】
前記上限値を変更するステップは、前記コンテンツの連続配信時間が大きいほど小さくなるように、前記上限値を変更することを含む、
請求項8のシステム。
【請求項10】
前記上限値を変更するステップは、前記コンテンツの配信間隔が大きいほど大きくなるように、前記上限値を変更することを含む、
請求項8のシステム。
【請求項11】
前記上限値を変更するステップは、前記所定期間における前記配信ユーザに関連付けられたパラメータの値の変動に応じて、前記上限値を変更することを含む、
請求項8のシステム。
【請求項12】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記コンテンツの視聴ユーザに対して、前記配信ユーザに対して設定されている前記上限値を提示するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項13】
前記コンテンツは、前記配信ユーザによってライブ配信される動画を含む、
請求項1のシステム。
【請求項14】
1又は複数のコンピュータによって実行され、コンテンツを配信するための方法であって、
前記コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における前記コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するステップと、
前記所定期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合に、前記所定期間における前記配信ユーザによる前記コンテンツの配信を禁止するステップと、を備え、
前記上限値を設定するステップは、第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達しなかった場合よりも、前記第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合の方が小さくなるように、前記第1期間の後の第2期間における前記上限値を設定することを含む、
方法。
【請求項15】
コンテンツを配信するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
前記コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における前記コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するステップと、
前記所定期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合に、前記所定期間における前記配信ユーザによる前記コンテンツの配信を禁止するステップと、を実行させ、
前記上限値を設定するステップは、第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達しなかった場合よりも、前記第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合の方が小さくなるように、前記第1期間の後の第2期間における前記上限値を設定することを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを配信するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像及び/又は音声等によって構成されるコンテンツを配信するためのシステムにおいて、配信ユーザによるコンテンツの配信を促進するための様々な仕組みが導入されている。例えば、下記特許文献1は、ライブ動画の配信実績に基づいて配信ユーザのランクを決定し、当該ランクに基づく数量の報酬を当該配信ユーザに対して付与することを開示している。こうした仕組みは、配信ユーザが、ランクを上げるために動画を配信することを促し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の仕組みでは、配信ユーザによるコンテンツの配信が促進され得るが、例えば、長時間の配信が続くと、配信ユーザが疲れてしまう場合もあった。こうした「配信疲れ」は、コンテンツの配信活動自体を休止してしまうこと(配信ユーザのサービスからの離脱)の原因にもなり得るから、コンテンツの過剰な配信活動を抑制することが望まれる。
【0005】
本発明の実施形態は、配信ユーザによるコンテンツの適正な配信を促進することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、コンテンツを配信するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、前記コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における前記コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するステップと、前記所定期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合に、前記所定期間における前記配信ユーザによる前記コンテンツの配信を禁止するステップと、を実行し、前記上限値を設定するステップは、第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達しなかった場合よりも、前記第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合の方が小さくなるように、前記第1期間の後の第2期間における前記上限値を設定することを含む。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、コンテンツを配信するための方法であって、前記コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における前記コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するステップと、前記所定期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合に、前記所定期間における前記配信ユーザによる前記コンテンツの配信を禁止するステップと、を備え、前記上限値を設定するステップは、第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達しなかった場合よりも、前記第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合の方が小さくなるように、前記第1期間の後の第2期間における前記上限値を設定することを含む。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンテンツを配信するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、前記コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における前記コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するステップと、前記所定期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合に、前記所定期間における前記配信ユーザによる前記コンテンツの配信を禁止するステップと、を実行させ、前記上限値を設定するステップは、第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達しなかった場合よりも、前記第1期間における前記合計配信時間が前記上限値に到達した場合の方が小さくなるように、前記第1期間の後の第2期間における前記上限値を設定することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、配信ユーザによるコンテンツの適正な配信を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】ユーザ情報テーブル151において管理される情報を例示する図。
【
図4】配信管理テーブル153において管理される情報を例示する図。
【
図5】期間別配信管理テーブル155において管理される情報を例示する図。
【
図6】ユーザの最高ランクと配信時間上限との対応関係を例示する図。
【
図7】前月の配信時間実績が配信時間上限に到達した場合のユーザの最高ランクと配信時間上限との対応関係を例示する図。
【
図9】個別表示領域541の表示内容を例示する図。
【
図11】当月の配信時間上限までの残り時間が閾値未満である場合の配信準備画面60を例示する図。
【
図15】配信時間上限までの残り時間が閾値未満である場合の配信終了画面90を例示する図。
【
図16】各ユーザのランクを更新する際にサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図17】ランクメータ値の更新ルールを説明するための図。
【
図18】各ユーザにダイヤを付与する際にサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図19】コンテンツの配信中においてサーバ10が実行する、配信時間上限までの残り時間の管理に関する処理を例示するフローチャート。
【
図20】配信時間上限までの残り時間の通知が行われている場合の視聴画面80を例示する図。
【
図21】配信時間上限までの残り時間のカウントダウンが行われている場合の視聴画面80を例示する図。
【
図22】配信が強制的に終了された場合の配信終了画面90を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。サーバ10は、コンテンツを配信するコンテンツ配信サービスを、ユーザ端末30を介してユーザに提供する。コンテンツ配信サーバ10は、本発明のシステムの一部又は全部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、コンテンツ配信サーバ10のハードウェア構成について説明する。コンテンツ配信サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム、及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、コンテンツ配信サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル151と、個別の配信に関する情報を管理する配信管理テーブル153と、各ユーザの配信に関する期間別の情報を管理する期間別配信管理テーブル155とを有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、サーバ10を、コンテンツ配信サービスを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介して、ユーザ端末30側において実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、コンテンツ配信サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、コンテンツ配信サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成されたコンテンツ配信サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、この場合、ユーザ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力され得る。
【0020】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、コンテンツ配信サービス用の端末側アプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、及び、ウェアラブルデバイス等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされている端末側プログラム42を介したコンテンツ配信サーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供するコンテンツ配信サービスを利用することができる。
【0027】
次に、このように構成されたコンテンツ配信サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部111、及び、コンテンツ配信制御部112として機能するように構成されている。
【0028】
管理機能制御部111は、コンテンツ配信サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部111は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30で出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に送信する。管理機能制御部111によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザアカウントの管理等を含む。
【0029】
コンテンツ配信制御部112は、コンテンツの配信の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、コンテンツ配信制御部112は、コンテンツを視聴する複数の視聴ユーザの各々のユーザ端末30(以下、視聴端末30と言うことがある。)に対して、コンテンツを配信するように構成されている。例えば、コンテンツ配信制御部112は、当該コンテンツを視聴するための視聴画面を複数の視聴ユーザの各々に提示し、例えば、当該視聴画面の画面データ及び制御データ等を各視聴端末30に対して送信する。
【0030】
本実施形態において、コンテンツ配信制御部112は、コンテンツの配信ユーザに対して、所定期間における、コンテンツの配信時間の合計である合計配信時間の上限値を設定するように構成されている。所定期間における合計配信時間の設定された上限値は、例えば、ユーザ情報テーブル151又は期間別配信管理テーブル155において管理される。
【0031】
また、コンテンツ配信制御部112は、所定期間における合計配信時間が上限値に到達した場合に、当該所定期間における対応する配信ユーザによるコンテンツの配信を禁止するように構成されている。例えば、コンテンツの配信の指示は、配信ユーザのユーザ端末30(以下、配信端末30と言うことがある。)において出力される画面を介して行われ、当該画面は、合計配信時間が上限値に到達した配信ユーザからの配信の指示を受け付けないように構成されており、又は、こうした配信ユーザからの当該画面を介した配信の指示は、コンテンツ配信制御部112によって拒絶される。
【0032】
本実施形態において、コンテンツ配信制御部112は、第1期間における合計配信時間が上限値に到達しなかった場合よりも、当該上限値に到達した場合の方が小さくなるように、その後の第2期間における上限値を設定するように構成されている。例えば、コンテンツ配信制御部112は、第1期間における合計配信時間が上限値に到達しなかった場合に、当該第1期間の後の第2期間における上限値を第1時間に設定する一方、当該第1期間における合計配信時間が上限値に到達した場合に、当該第2期間における上限値を当該第1時間よりも小さい第2時間に設定する。第2期間は、第1期間の直後の期間であってもよいし、第1期間との間に他の期間を挟んでいてもよい。
【0033】
このように、本実施形態におけるコンテンツ配信サーバ10は、所定期間におけるコンテンツの合計配信時間が上限値に到達した配信ユーザによる当該所定期間におけるコンテンツの配信を禁止し、さらに、こうした上限値に到達した配信ユーザについて、その後の期間における上限値を小さくするから、長時間の配信を行った配信ユーザによる過剰な配信の継続を抑制することができる。このように、サーバ10は、配信ユーザによるコンテンツの適正な配信を促進する。
【0034】
本実施形態において配信されるコンテンツは、様々な種類のデジタルコンテンツを含む。例えば、コンテンツは、画像(動画又は静止画)及び音声によって構成され、又は、これらの何れか一方によって構成される。また、コンテンツは、例えば、当該コンテンツを配信する配信ユーザのユーザ端末30(以下、配信端末30と言うことがある。)からリアルタイムに送信され(ライブ配信)、又は、ストレージ15等の記憶装置に予め記憶される。コンテンツのライブ配信は、配信ユーザの設定により、又は、ネットワークの状況等により、一定の遅延(タイムラグ)を伴うことがある。コンテンツのライブ配信は、例えば、HTTP Live Streaming(HLS)等のプロトコルを用いたストリーミング方式で行われる。
【0035】
また、配信端末30から送信されるコンテンツは、例えば、配信端末30が有するカメラ及びマイクを介して入力(撮影)される配信ユーザの動画及び音声によって構成される。また、こうしたコンテンツは、例えば、配信端末30において実行中のアプリケーション(例えば、ゲーム)によって出力される画面に対応する動画、並びに、当該アプリケーションによって出力される音声、及び/又は、配信端末30が有するマイクを介して入力される配信ユーザの音声によって構成される。
【0036】
また、本実施形態において配信されるコンテンツは、当該コンテンツを構成するデータの一部が配信端末30からリアルタイムに送信される一方、当該コンテンツを構成するデータの一部がサーバ10又は視聴端末30に予め記憶され得る。例えば、コンテンツを構成する音声が配信端末30からリアルタイムに送信される一方、当該コンテンツを構成する画像がサーバ10又は視聴端末30に予め記憶され、サーバ10又は視聴端末30において、これらのデータに基づいてコンテンツが生成される。
【0037】
また、例えば、コンテンツを構成する音声に加えて、キャラクタ等のオブジェクトを動作させるための動作データ(モーションデータ)が、配信端末30からリアルタイムに送信される一方、当該コンテンツを構成する画像がサーバ10又は視聴端末30に予め記憶され、当該画像は、オブジェクトのモデルデータを含む。この場合、動作データは、例えば、配信端末30のカメラを介して認識される配信ユーザの動作(顔の表情の変化等を含む。)に基づいて生成される。そして、サーバ10又は視聴端末30において生成されるコンテンツには、モデルデータ及び動作データに基づいて動作するキャラクタ等のオブジェクトが含まれる。
【0038】
本実施形態において、所定期間における合計配信時間の上限値は、様々なルールを用いて設定され得る。例えば、コンテンツ配信制御部112は、配信ユーザに関連付けられたパラメータの値に基づいて、合計配信時間の上限値を設定するように構成され得る。こうしたパラメータの値は、例えば、ユーザ情報テーブル151において管理される。こうした構成は、ユーザのパラメータの値に基づいて合計配信時間の上限値を設定することを可能とする。
【0039】
本実施形態において、様々な種類のパラメータが、合計配信時間の上限値を設定するために用いられ得る。例えば、パラメータは、配信ユーザの評価を示し、この場合、コンテンツ配信制御部112は、配信ユーザの評価が高いほど大きくなるように、当該上限値を設定するように構成され得る。評価を示すパラメータは、例えば、レベル、又は、ランク等を含む。配信ユーザの評価は、典型的には、コンテンツの配信実績に基づいて設定され、例えば、コンテンツの合計配信時間が長くなるほど、評価が高くなる。こうした構成は、評価が高い配信ユーザに対する合計配信時間の上限値が小さくなり過ぎることを防止する。
【0040】
また、例えば、上述したパラメータは、配信ユーザの年齢(年代を含む。)を示し、この場合、コンテンツ配信制御部112は、配信ユーザの年齢が高いほど大きくなるように、合計配信時間の上限値を設定するように構成され得る。こうした構成は、年齢が高い配信ユーザに対する合計配信時間の上限値が小さくなり過ぎることを防止する。
【0041】
また、例えば、上述したパラメータは、配信ユーザの配信活動のタイプを示す。配信活動のタイプは、例えば、配信活動を職業として行う(例えば、専門事務所に所属する。)専門ユーザ、及び、配信活動を趣味として行う(例えば、専門事務所に所属しない。)一般ユーザを含み、この場合、コンテンツ配信制御部112は、一般ユーザよりも専門ユーザの方が大きくなるように、合計配信時間の上限値を設定するように構成され得る。こうした構成は、配信ユーザの配信活動のタイプに応じた合計配信時間の上限値の設定を可能とする。
【0042】
また、例えば、上述したパラメータは、配信ユーザがコンテンツを初めて配信してからの経過日数である初配信経過日数を示し、この場合、コンテンツ配信制御部112は、配信ユーザの初配信経過日数が小さいほど大きくなるように、合計配信時間の上限値を設定するように構成され得る。例えば、初配信経過日数が閾値より小さい場合には、こうした上限値が設定されない(つまり、上限値による合計配信時間の制限が行われない。)ようにしてもよい。こうした構成は、コンテンツを初めて配信してからの経過日数が小さい配信ユーザ(例えば、初心者の配信ユーザ)に対する合計配信時間の上限値が小さくなり過ぎることを防止する。
【0043】
本実施形態において、所定期間における合計配信時間の上限値が、当該所定期間中に変更されるようにしてもよい。例えば、コンテンツ配信制御部112は、所定期間における配信ユーザによるコンテンツの配信状況に基づいて、当該所定期間における当該配信ユーザに対する合計配信時間の上限値を変更するように構成され得る。この場合、合計配信時間が上限値に到達して配信を禁止されていた配信ユーザの上限値が増加すると、当該配信ユーザに対する配信の禁止が解除され、当該配信ユーザによる配信が再び可能となるようにしてもよい。こうした構成は、コンテンツの実際の配信状況に基づく合計配信時間の上限値の変更を可能とし、この結果、こうした上限値の適切な設定を支援する。
【0044】
本実施形態において、合計配信時間の上限値の変更は、様々なルールを用いて行われ得る。例えば、コンテンツ配信制御部112は、コンテンツの連続配信時間が大きいほど小さくなるように、当該上限値を変更するように構成され得る。例えば、コンテンツの連続配信時間が閾値(例えば、10時間)を超えると、対応する配信ユーザに対する上限値は、所定値だけ小さくなる。コンテンツの連続配信時間は、例えば、配信管理テーブル153において管理される。こうした構成は、実際のコンテンツの連続配信時間が長い配信ユーザに対する合計配信時間の上限値を小さくすることを可能とし、この結果、連続配信時間が長い配信ユーザによる過剰な配信を抑制する。
【0045】
また、例えば、コンテンツ配信制御部112は、コンテンツの配信間隔が大きいほど大きくなるように、合計配信時間の上限値を変更するように構成され得る。例えば、連続する2回の配信の間隔が閾値(例えば、24時間)を超えると、対応する配信ユーザに対する上限値は、所定値だけ大きくなる。こうした構成は、実際のコンテンツの配信間隔が長い配信ユーザに対する合計配信時間の上限値を大きくすることを可能とし、この結果、コンテンツの配信間隔が長い配信ユーザに対する上限値が小さくなり過ぎることを防止する。
【0046】
また、例えば、コンテンツ配信制御部112は、配信ユーザに関連付けられたパラメータの値の変動に応じて、合計配信時間の上限値を変更するように構成され得る。当該パラメータは、上限値の設定に用いられるパラメータであってもよいし、上限値の設定には用いられないパラメータであってもよい。当該パラメータは、例えば、睡眠時間等の健康に関するパラメータ、及び、配信ユーザ又は視聴ユーザによるアクション(例えば、アイテムの入力等を含む。)に応じて更新されるパラメータ等を含む。こうした構成は、ユーザのパラメータの値の実際の変動に応じて、合計配信時間の上限値を変更することを可能とする。
【0047】
また、コンテンツ配信制御部112は、コンテンツの視聴ユーザに対して、配信ユーザに対して設定されている、合計配信時間の上限値を提示するように構成され得る。例えば、視聴端末30において出力される画面において、特定の配信ユーザに対して設定されている合計配信時間の上限値が表示される。こうした構成は、視聴ユーザが、配信ユーザに対して設定されている合計配信時間の上限値を知ることを可能とする。
【0048】
次に、このような機能を有する本実施形態のコンテンツ配信サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例におけるコンテンツ配信サービスは、配信端末30が有するカメラ及びマイクを介して入力(撮影)される配信ユーザの動画及び音声によって構成されるコンテンツのライブ配信を行うためのサービスとして構成されている。まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。
【0049】
図2は、この例において、ユーザ情報テーブル151において管理される情報を例示する。ユーザ情報テーブル151は、コンテンツ配信サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、アカウント名、及び、生年月日等を含む「基本情報」、配信ユーザとしての配信履歴に関する情報である「配信履歴情報」、視聴ユーザとしての視聴履歴に関する情報である「視聴履歴情報」、このユーザがフォローしている他のユーザに関する情報である「フォローユーザ情報」、このユーザがファミリーメンバーとして加入しているファミリーに関する情報である「ファミリー情報」、配信ユーザとしてのランクを示す「ランク」、ランクアップ/ダウンを判定するためのパラメータである「ランクメータ値」、コンテンツ配信サービスにおいて利用可能な仮想的なコインの保有数を示す「コイン保有数」、同じく仮想的なダイヤの保有数を示す「ダイヤ保有数」、配信ユーザとして初めてコンテンツの配信を行った年月日である「初配信年月日」、配信時間制限の対象外であることを示す「配信時間制限対象外フラグ」、ユーザ自身が設定する配信ユーザとしての分類である「分類用テキスト」等の情報を管理する。
【0050】
この例において、ファミリーは、配信ユーザを応援するファンのコミュニティであり、配信ユーザ又はファミリー管理者からの招待に応じて加入することができ、また、ユーザによる加入申請に対する配信ユーザ又はファミリー管理者による承認に応じて加入することができる。この例において、ファミリーの加入者の数には、上限値(例えば、100人)が設定されている。また、対応する配信ユーザのコンテンツの視聴実績等に基づいて、当該配信ユーザに対するユーザのファンとしてのレベルを設定して管理するようにしてもよい。
【0051】
この例において、コインは、様々な契機で無償及び有償でユーザに付与される。例えば、ユーザは、ログインボーナス等の報酬として無償でコインを獲得することができる。また、例えば、ユーザは、有償で(現実の通貨で)コインを購入することができる。また、ダイヤは、詳しくは後述するが、配信ユーザに対する報酬として付与される。
【0052】
この例では、毎月1日の時点で、初めてコンテンツを配信してからの経過日数(初配信年月日に基づいて算出される。)が60日未満であるユーザは、配信時間制限の対象外とされる。配信時間制限対象外フラグの初期値は、配信時間制限の対象外であることを示しており、毎月1日の時点で当該経過日数が60日以上になったユーザは、配信時間制限対象外フラグの値が変更され、配信時間制限の対象となる。
【0053】
図3は、この例における配信ユーザのランクを説明するための図である。図示するように、この例では、「S」、「A」、「B」、「C」、「D」及び「E」の6つのランク帯が存在し、「S」のランク帯は「S1」~「S6」の6つのランク、「A」、「B」、「C」、「D」の4つのランク帯の各々は3つのランク(例えば、「A1」~「A3」)によって構成されている。また、「E」のランク帯は、1つのランク「E1」によって構成されている。つまり、この例では、19段階(6+3×4+1=19)のランクが存在している。
【0054】
また、ランク帯は、「S」側が最上位であって「E」側が最下位である。また、同一のランク帯内のランクは、ランク帯に付加された数字が大きいほど上位であって、付加された数字が小さいほど下位である。この例では、ユーザのランクは、初期値として「D1」が設定される。詳しくは後述するが、この例では、毎日のコンテンツの配信実績に基づいて、ランクが更新される。
【0055】
図4は、この例において、配信管理テーブル153において管理される情報を例示する。配信管理テーブル153は、個別の配信に関する情報を管理し、図示するように、個別の配信(コンテンツ)を識別する「配信ID」に対応付けて、配信ユーザを識別する「配信ユーザアカウント」、配信を開始した日時である「配信開始日時」、配信を開始してからの継続時間(経過時間)である「配信継続時間」、「視聴ユーザ数(現在値及び最大値)」、コンテンツの配信中に視聴ユーザによって入力されたコメントの数である「コメント数」、コンテンツの配信中に視聴ユーザによって入力された「いいね」の数である「いいね数」、コンテンツの配信中における視聴ユーザによるアイテムの入力に応じて付与されるアイテムポイントの合計値である「アイテムポイント数」、この配信に対して付与される配信ポイントの合計値である「配信ポイント数」、この配信に対して付与された配信用タグに関する情報である「配信用タグ情報」等の情報を管理する。
【0056】
図5は、この例において、期間別配信管理テーブル155において管理される情報を例示する。期間別配信管理テーブル155は、各配信ユーザの配信に関する月別の情報を管理し、図示するように、配信ユーザを識別する「配信ユーザアカウント」及び「年月」の組合せに対応付けて、対象年月における合計配信時間の上限値である「配信時間上限」、対象年月における合計配信時間の実績値である「配信時間実績」、対象年月において配信時間実績が配信時間上限に到達したことを示す「上限到達フラグ」、対象年月において配信ユーザが位置したランクのうちの最高位のランクである「最高ランク」等の情報を管理する。
【0057】
この例では、配信時間上限は、前月及び当月の最高ランク(前月の最高ランク、及び、当月の最高ランクのうちの上位のランク)に基づいて設定される。
図6は、ユーザの最高ランクと配信時間上限との対応関係を例示する。図示するように、対象期間における最高ランクがS4~S6の範囲内である場合、ユーザに対する当月の配信時間上限は220時間となる。同様に、最高ランクが、S1~S3の範囲内である場合の配信時間上限は200時間であり、ランク帯Aの範囲内である場合の配信時間上限は180時間であり、ランク帯Bの範囲内である場合の配信時間上限は160時間であり、ランク帯Cの範囲内である場合の配信時間上限は150時間である。このように、配信時間上限は、対象期間の最高ランクが高いほど、大きな値となり、配信ユーザによる長時間の配信が許容される。なお、最高ランクがランク帯D又はEの範囲内であるユーザ、及び、上述した配信時間制限の対象外のユーザに対しては、配信時間上限は設定されない。
【0058】
また、この例では、当月の配信時間上限は、前月の配信時間実績が前月の配信時間上限に到達した場合には、到達していない場合と比較して、小さな値が設定される。
図7は、前月の配信時間実績が前月の配信時間上限に到達した場合における、ユーザの最高ランクと配信時間上限との対応関係を例示する。図示するように、この場合、最高ランクが、S4~S6の範囲内である場合の配信時間上限は200時間であり、S1~S3の範囲内である場合の配信時間上限は180時間であり、ランク帯Aの範囲内である場合の配信時間上限は150時間であり、ランク帯Bの範囲内である場合の配信時間上限は140時間であり、ランク帯Cの範囲内である場合の配信時間上限は130時間である。このように、前月の配信時間実績が配信時間上限に到達した場合、到達していない場合と比較して、当月の配信時間上限は20時間又は30時間だけ小さくなる。
【0059】
この例では、対象期間の最高ランクが変更されるタイミングにおいて、配信時間上限が設定又は更新される。例えば、毎月1日は、前々月が対象期間でなくなり、前月及び当月(当日)の最高ランクに基づいて新たな配信時間上限(前月の配信時間上限と同じ値でもよい。)が設定される。また、例えば、詳しくは後述するが、毎日のコンテンツの配信実績に基づくランクの更新によって、対象期間の最高ランクが変更される(つまり、当日の更新後のランクが対象期間における最高ランクである)場合には、変更後の最高ランクに基づいて配信時間上限が更新される。
【0060】
以上、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例のコンテンツ配信サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において出力される画面等について説明する。
【0061】
図8は、ユーザ端末30において出力されるコンテンツ配信サービスのトップ画面50を例示する。当該画面50は、コンテンツ配信サービスを利用する際の起点となる画面であり、図示するように、「フォロー」、「人気」、「注目」及び「すべて」というテキストを表示する選択領域52と、当該領域52の下側に位置する一覧表示領域54と、画面右上隅に位置する円形の配信ボタン56とを有する。
【0062】
選択領域52は、一覧表示領域54における表示内容を選択するための領域である。具体的には、選択領域52において「フォロー」が選択されると、一覧表示領域54において、ユーザがフォローしている他のユーザの配信(配信中のコンテンツ)が一覧表示される。同様に、選択領域52において「人気」が選択されると、一覧表示領域54において、視聴ユーザ数が多い配信が一覧表示される。また、選択領域52において「注目」が選択されると、一覧表示領域54において、盛り上がっている配信(例えば、コメント数及びいいね数が多い配信等)が一覧表示される。また、選択領域52において「すべて」が選択されると、一覧表示領域54において、全ての配信が一覧表示の対象となる。
【0063】
一覧表示領域54には、図示するように、各々が個別の配信に関する情報を表示する複数の個別表示領域541が2列で上下方向に並べて配置される。個別表示領域541は、ユーザによる選択に応じて、対応する配信の視聴を開始できる(対応するコンテンツの再生が開始される。)ように構成されている。一覧表示領域54は、上下方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示される個別表示領域541が切り替わるように構成されている。
【0064】
図9は、個別表示領域541の表示内容を例示する。個別表示領域541は、コンテンツの配信ユーザによって予め設定されている画像、配信ユーザのアカウント名、及び、視聴ユーザ数(現在値)等を表示すると共に、図示するように、その下端部において、第1タグオブジェクト5411及び第2タグオブジェクト5412が左右方向に並べて配置されている。第1タグオブジェクト5411は、配信ユーザ自身が設定した配信ユーザの分類である分類用テキスト(ユーザ情報テーブル151において管理されている。)をハッシュタグの形式(文字列の先頭に「#」が付加された形式)で表示する(
図9の例では、「#大食い配信」と表示されている。)。また、第2タグオブジェクト5412は、対応する配信に対して視聴ユーザによって付与されている最新の配信用タグを同じくハッシュタグの形式で表示する(
図9の例では、「#カレー」と表示されている。)。
【0065】
図8のトップ画面50に戻り、配信ボタン56は、ユーザが、配信ユーザとしてコンテンツの配信を行うためのオブジェクトである。当該配信ボタン56がユーザによって選択されると、
図10に例示する配信準備画面60が出力される。配信準備画面60は、図示するように、配信タイトルを入力するための配信タイトル入力領域62と、おしのび配信モードを設定するためのおしのび配信設定スイッチ64と、配信中に自動的に行われるツイート(SNSへのメッセージの投稿)に関する設定を行うためのツイート設定ボタン66と、「開始!」というテキストが付加された配信開始ボタン68とを有する。おしのび配信は、新参の視聴ユーザ(具体的には、対応する配信ユーザについての一定期間における視聴時間の合計が所定値未満である視聴ユーザ)のみが視聴可能なコンテンツの配信モードである。
【0066】
配信開始ボタン68が選択されると、コンテンツの配信が開始され、具体的には、配信端末30が有するカメラ及びマイクを介して入力(撮影)される動画及び音声によって構成されるコンテンツデータのサーバ10への送信が開始される。また、コンテンツの配信の開始に応じて、配信管理テーブル153において新たなレコードが挿入される。
【0067】
図11は、ユーザの当月の配信時間上限までの残り時間(配信時間上限から配信時間実績を減じることによって算出される。)が閾値(具体的には、10時間)未満である場合の配信準備画面60を例示する。この状態の配信準備画面60は、図示するように、画面左上隅において、当該残り時間(
図11の例では「8時間49分」)を表示する残り時間表示領域69が配置される。コンテンツを配信するユーザは、当該領域69を介して、配信の開始に先立って、配信時間上限までの残り時間を知ることができる。
【0068】
図12は、コンテンツの配信の開始に応じて配信端末30において出力される配信画面70を例示する。当該画面70は、図示するように、画面全体に対応する動画表示領域71と、画面左上隅に位置する基本情報表示領域72と、画面左下に位置するコメント表示領域73と、当該領域73の上側に位置するタグ表示領域74と、画面右上隅に位置する視聴ユーザ情報表示領域75と、画面下端部中央に位置する円形の配信停止ボタン76とを有する。
【0069】
動画表示領域71は、配信されるコンテンツ、つまり、配信端末30のカメラを介して入力される画像を表示する。配信ユーザは、通常は、配信端末30のインカメラ等を介して配信ユーザ自身を被写体とするので、配信されるコンテンツには配信ユーザ自身の画像が含まれる。
【0070】
基本情報表示領域72は、この配信の基本情報を表示し、具体的には、配信ユーザ情報(プロフィール画像等)、この配信の視聴ユーザ数(現在値)、及び、この配信に対して視聴ユーザによって入力された「いいね」の数等を表示する。
【0071】
コメント表示領域73は、各視聴ユーザによって入力されたユーザコメント、及び、サーバ10によって自動的に入力されたシステムコメントを表示するための領域である。具体的には、当該領域73には、各々が個別のコメントに対応する複数のコメントオブジェクト731が上下方向に並べて配置される。コメント表示領域73は、新たなコメントが入力されると、対応するコメントオブジェクト731が下側に追加され、既存のコメントオブジェクト731が順に上方向に移動するように構成されている。コメント表示領域73は、上下方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示されるコメントオブジェクト731が切り替わる。
【0072】
タグ表示領域74は、この配信に対して付与されている配信用タグに関する情報を表示し、具体的には、当該領域74には、各々が個別のタグに対応する複数のタグオブジェクト741が左右方向に並べて配置される。
【0073】
視聴ユーザ情報表示領域75は、配信中のコンテンツを視聴している複数の視聴ユーザに関する情報を表示し、具体的には、当該領域75には、各々が視聴ユーザに対応する複数のアイコンオブジェクト751が左右方向に並べて配置される。当該オブジェクト751は、円形の形状を有し、対応する視聴ユーザのプロフィール画像を表示する。複数のアイコンオブジェクト751は、所定ルールに従う順序で並ぶ。
【0074】
配信停止ボタン76は、配信ユーザがコンテンツの配信を停止するためのオブジェクトである。当該配信停止ボタン76が配信ユーザによって選択されると、コンテンツの配信(配信端末30からサーバ10へのコンテンツデータの送信)が停止される。
【0075】
図13は、視聴端末30において出力される視聴画面80を例示する。例えば、トップ画面50の一覧表示領域54等を介して任意の配信(コンテンツ)が視聴ユーザによって選択されると、選択された配信を視聴するための視聴画面80が視聴端末30において出力される。当該画面80は、図示するように、上述した配信画面70と同様に、動画表示領域81と、基本情報表示領域82と、コメント表示領域83と、タグ表示領域84と、視聴ユーザ情報表示領域85とを有する。また、視聴画面80は、画面下端部において、入力モード切り替えボタン861と、コメント入力領域862と、ハートマークが表示された「いいね」ボタン863と、プレゼントの図柄が表示されたアイテム入力ボタン864とを有する。
【0076】
コメント入力領域862は、視聴ユーザがコメント又は配信用タグを入力するための領域である。入力モード切り替えボタン861が非選択状態である間、コメント入力領域862は通常のコメント入力モードとなる。コメント入力モードでは、コメント入力領域862に文字列が入力されて確定操作が行われると、当該文字列がユーザコメントとして送信され、対応する配信端末30(視聴しているコンテンツの配信ユーザのユーザ端末30)及び各視聴端末30(視聴しているコンテンツの複数の視聴ユーザの各々のユーザ端末30)では、配信画面70及び視聴画面80のコメント表示領域73、83において、ユーザコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。ユーザコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、当該コメントを入力した視聴ユーザのアカウント名と共に、コメントの内容(文字列)が表示される。また、ユーザコメントが入力されると、サーバ10は、配信管理テーブル153において、対応する配信のコメント数を更新(1加算)する。
【0077】
また、入力モード切り替えボタン861が選択状態になると、コメント入力領域862はタグ入力モードとなる。タグ入力モードでは、コメント入力領域862に文字列が入力されて確定操作が行われると、当該文字列が配信用タグとして送信され、当該タグが配信に対して付与される。この例では、タグの入力が可能な視聴ユーザは、対応する配信ユーザのファミリーメンバーに限定されている。具体的には、視聴画面80の入力モード切り替えボタン861は、視聴ユーザが配信ユーザのファミリーメンバーである場合には選択可能となる(有効化される)一方、視聴ユーザが配信ユーザのファミリーメンバーでない場合には選択不可能となる(無効化される)。また、この例では、一定期間において1つの配信に対して付与可能なタグの数が制限されており、具体的には、5分間で付与可能なタグの数は3つまでとなっている。
【0078】
配信用タグが付与されると、対応する配信画面70及び視聴画面80のタグ表示領域74、84において、対応するタグオブジェクト741、841が追加される。タグ表示領域74、84には、左側の方が新しくなる(付与時刻が遅くなる)ように、タグオブジェクト741、841が左右方向に並べて配置される。したがって、新たに付与されたタグに対応するタグオブジェクト741、841は、タグ表示領域74、84における左端に追加される。なお、付与されてから5分が経過したタグに対応するタグオブジェクト741、841は削除される(例えば、右方向に移動するアニメーション効果を伴って消える。)。
【0079】
この例におけるタグオブジェクト741、841は、タグの内容を、文字列の先頭部分に「#」が付加されたハッシュタグの形式で表示する。例えば、タグの内容が「東京観光」である場合には、タグオブジェクト741、841において「#東京観光」と表示される。タグオブジェクト741、841は、その左右方向の長さが、表示する文字列の長さに応じて自動調整される。
【0080】
また、タグが付与されると、対応する配信画面70及び視聴画面80のコメント表示領域73、83において、タグの付与を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、タグを付与(入力)した視聴ユーザのアカウント名と共に、付与されたタグの内容が表示され、例えば、「xxさんが配信に「#東京観光」をタグ付けしました。」というコメントが表示される。また、タグが付与されると、配信管理テーブル153において、対応する配信のタグ情報が更新される。
【0081】
いいねボタン863は、視聴ユーザが配信ユーザ(又は、コンテンツ)に対して「いいね」を入力するためのオブジェクトである。当該ボタン863が視聴ユーザによって選択されると、「いいね」の入力が行われ、対応する配信画面70及び視聴画面80のコメント表示領域73、83において、「いいね」の入力を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、「いいね」を入力した視聴ユーザのアカウント名と共に、「いいね」の入力を示すテキストが表示される。また、「いいね」が入力されると、配信画面70及び視聴画面80の動画表示領域71、81において、対応する視覚効果(例えば、ハート型のオブジェクトが画面下側から上側に向かって流れるように表示されるアニメーションの動画エフェクト等)が付加される。また、「いいね」が入力されると、サーバ10は、配信管理テーブル153において、対応する配信の「いいね数」を更新(1加算)する。
【0082】
アイテム入力ボタン864は、視聴ユーザがアイテムを入力するためのオブジェクトである。当該ボタン864が視聴ユーザによって選択されると、入力するアイテムを選択するための図示しない画面が出力され、ユーザは、当該画面を介して、入力可能な複数のアイテムの中から選択したアイテムを入力することができる。
【0083】
アイテムが入力されると、対応する配信画面70及び視聴画面80のコメント表示領域73、83において、アイテムの入力を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、アイテムを入力した視聴ユーザのアカウント名と共に、入力されたアイテムの名称が表示される。また、アイテムが入力されると、対応する配信画面70及び視聴画面80の動画表示領域71、81において、入力されたアイテムに対応する視覚効果(対応する動画エフェクト等)が付加される。また、アイテムが入力されると、サーバ10は、入力されたアイテムのコイン数(価格)に応じた数量のアイテムポイント(例えば、コイン数が多くなるほどポイント数も多くなる。)をこの配信に対して付与し、具体的には、配信管理テーブル153において、コイン数に応じたポイントを、対応する配信のアイテムポイント数に加算する。また、アイテムが入力されると、サーバ10は、ユーザ情報テーブル151において、入力されたアイテムのコイン数を、対応するユーザ(アイテムを入力した視聴ユーザ)のコイン保有数から減じる。
【0084】
ここで、配信ユーザがコンテンツの配信を終了する際の処理について説明する。上述したように、配信ユーザが、配信画面70の配信停止ボタン76を選択すると、コンテンツの配信が終了する。
図14は、コンテンツの配信の終了に応じて、対応する配信端末30及び各視聴端末30において出力される配信終了画面90を例示する。当該画面90は、図示するように、今回の配信時間(配信継続時間)、視聴ユーザ数(最大値)、いいね数、及び、コメント数を表示する。
【0085】
図15は、対応する配信ユーザの配信時間上限までの残り時間が閾値(具体的には、10時間)未満である場合の配信終了画面90を例示する。この状態の配信終了画面90には、図示するように、配信時間上限までの残り時間を表示する残り時間表示領域92が配置される。当該領域92は、当該残り時間に加えて、当月の配信時間上限(
図15の例では、200時間)を表示する。配信ユーザ及び各視聴ユーザは、当該領域92を介して、配信ユーザの当月の配信可能な残り時間を知ることができる。
【0086】
また、配信が終了すると、サーバ10は、当該配信に対する配信ポイント数を算出して設定する。この例では、視聴者数(最大値)、いいね数、コメント数、及び、アイテムポイント数に基づいて配信ポイント数が算出される。配信ポイント数は、視聴者数(最大値)、いいね数、コメント数、及び、アイテムポイント数が多いほど、多くなる。算出された配信ポイント数は、配信管理テーブル153において、対応する配信に対して設定される。
【0087】
以上、コンテンツの配信を終了する際の処理について説明した。次に、配信ユーザのランクを決定する際の処理について説明する。この例では、ユーザが前日に獲得した配信ポイント数に基づいて当日のランクが決定(更新)される。
図16は、各ユーザのランクを更新する際にサーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。これらの処理は、毎日深夜(例えば、午前3時)に実行される。
【0088】
サーバ10は、まず、図示するように、各ユーザが前日に獲得した配信ポイント数を算出する(ステップS100)。各ユーザが前日に獲得した配信ポイント数は、配信管理テーブル153の配信者ユーザアカウント、配信開始日時、及び、配信ポイント数を参照することによって算出される。なお、ユーザが1日に複数の配信を行っている場合、複数の配信でそれぞれ獲得した配信ポイント数が合算される。
【0089】
こうして各配信ユーザの前日の配信ポイント数を算出すると、続いて、サーバ10は、各ユーザのランクメータ値を更新する(ステップS110)。
図17は、ランクメータ値の更新ルールを説明するための図である。図示するように、この例では、各ユーザの前日の配信ポイント数の当該ユーザが属するランク帯内での順位に基づいてランクメータ値が変動する。なお、ランクメータ値の初期値は「0」である。
【0090】
ランクメータ値の更新ルールは、具体的には、まず、ランク帯内の配信ポイント数の順位が上位10%に含まれる場合には、ランクメータ値の変動は「+2」(2ポイント増加)である。同様に、当該順位が上位11~30%(上位30%から上位10%を除いた残りの20%)に含まれる場合の変動は「+1」であり、当該順位が中位30%(上位31~60%)に含まれる場合の変動は「±0」(増減なし)であり、当該順位が下位40%に含まれる場合の変動は「-1」(1ポイント減少)である。なお、前日の配信が行われなかった場合には、ランク帯内の順位にかかわらず、ランクメータ値の変動は「-1」となる。ステップS110では、
図17に例示される更新ルールに従って、ユーザ情報テーブル151において、各ユーザのランクメータ値が更新される。
【0091】
図16のフローチャートに戻り、各ユーザのランクメータ値を更新すると、次に、サーバ10は、更新後のランクメータ値に基づいてランクを更新する(ステップS120)。この例では、ランクアップするために必要なランクメータ値は+3であり、ランクダウンするために必要なランクメータ値は-3である。ランクメータの値がこれらの値になると、ユーザは、ランクアップ/ダウンする。ランクの更新が行われたユーザ(ランクアップ/ダウンが発生したユーザ)のランクメータ値は0にクリアされる。なお、本実施形態の他の例では、短期間での急激なランクアップ/ダウンを抑制するために、例えば、ランク帯をまたいだランクアップ/ダウンの場合、同一のランク帯内でのランクアップ/ダウンと比較して、必要なランクメータ値の絶対値を大きくする(例えば、+6/-6とする)ようにしてもよい。
【0092】
なお、ランクアップしたユーザのランクが、当月の最高ランクとなる場合、期間別配信管理テーブル155において、対応するユーザの当月の最高ランクが更新される。さらに、更新後の最高ランクが、前月の最高ランクよりも上位である場合、対象期間の最高ランクが更新されたことになるので、上述したように、更新後の最高ランクに基づいて、配信時間上限が更新される。
【0093】
以上、配信ユーザのランクを決定する際の処理について説明した。次に、配信ユーザにダイヤを付与する際の処理について説明する。この例では、前日の配信時間と前日におけるランクとに基づいて配信ユーザに対する報酬であるダイヤが付与される。
図18は、各ユーザにダイヤを付与する際にサーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。これらの処理は、毎日深夜に実行され、例えば、
図16に例示した各ユーザのランクを更新する際に実行される処理よりも前の時刻(例えば、午前0時)に実行される。
【0094】
サーバ10は、まず、図示するように、各ユーザの前日の配信時間を算出する(ステッ
プS200)。各ユーザの前日の配信時間は、具体的には、配信管理テーブル153の配信者ユーザアカウント、配信開始日時、及び、配信継続時間を参照することによって算出される。ユーザが1日に複数の配信を行っている場合、複数の配信の各々の配信継続時間が合算される。
【0095】
続いて、サーバ10は、算出した配信時間及び基準ダイヤ数に基づく数のダイヤを各ユーザに付与する(ステップS210)。具体的には、算出した配信時間に基準ダイヤ数を乗じた数のダイヤが各ユーザに付与される。基準ダイヤ数は、ランクが上位であるほど多くなるように、ランク毎に予め設定されており、各ユーザの前日のランクに対応する基準ダイヤ数が適用される。ユーザに対してダイヤが付与されると、ユーザ情報テーブル151において、対応するユーザのダイヤ保有数が更新される。この例では、ダイヤは、コイン又は現実の通貨に交換することができる。
【0096】
以上、配信ユーザにダイヤを付与する際の処理について説明した。次に、コンテンツの配信中における配信時間上限までの残り時間の管理に関する処理について説明する。
図19は、コンテンツの配信中においてサーバ10が実行する、配信時間上限までの残り時間の管理に関する処理を例示するフローチャートである。コンテンツの配信中において、サーバ10は、まず、対応するユーザの配信時間上限までの残り時間が、月末までの残り時間以上である場合には(ステップS300においてNO)、当月の配信時間実績が配信時間上限に到達しないことが確定しており、残り時間を管理する必要がないので、処理を終了する。
【0097】
一方、配信時間上限までの残り時間が、月末までの残り時間未満である場合には(ステップS300においてYES)、サーバ10は、図示するように、配信時間上限までの残り時間が通知用閾値に到達すると(ステップS305においてYES)、対応する残り時間を通知する(ステップS310)。この例では、複数の通知用閾値が予め設定されており、具体的には、10時間、5時間、1時間、30分、及び、10分の5段階の通知用閾値が設定されている。配信時間上限までの残り時間がこれらの5つの閾値の何れかに到達すると、当該残り時間の通知が行われる。
【0098】
図20は、配信時間上限までの残り時間の通知が行われている場合の視聴画面80を例示する。この状態の視聴画面80では、図示するように、コメント表示領域83とタグ表示領域84との間に、残り時間通知領域88が追加されている。残り時間通知領域88は、配信時間上限までの残り時間を表示すると共に、対応時刻(残り時間が0となる時刻)になると配信が自動停止する旨を表示する。当該領域88は、追加されてから所定時間(例えば、1分)が経過すると消える。視聴ユーザは、残り時間通知領域88を介して、配信時間上限までの残り時間を知ることができる。なお、配信画面70においても、残り時間通知領域88と同様の領域が配置され、配信ユーザに対する残り時間の通知が行われる。
【0099】
図19のフローチャートに戻り、こうした通知用閾値への到達に応じた残り時間の通知は、配信が終了するまでの間、繰り返し行われる(ステップS360においてNO)。そして、配信時間上限までの残り時間がカウントダウン用閾値に到達すると(ステップS320においてYES)、サーバ10は、当該残り時間のカウントダウンを開始する(ステップS330)。この例では、カウントダウン用閾値として「5分」が設定されており、配信時間上限までの残り時間が5分になると、当該残り時間のカウントダウンが開始される。
【0100】
図21は、配信時間上限までの残り時間のカウントダウンが行われている場合の視聴画面80を例示する。この状態の視聴画面80は、図示するように、基本情報表示領域82の下側において、残り時間CD領域89が配置されている。残り時間CD領域89は、配信時間上限(つまり、配信停止)までの残り時間をカウントダウン形式で表示する。なお、この例では、残り時間が30秒以下になると、残り時間CD領域89において、残り時間のカウントダウン形式での表示に代えて、「まもなく配信が終了します」というテキストが表示される。なお、配信画面70においても、残り時間CD領域89と同様の領域が配置される。
【0101】
図19のフローチャートに戻り、そして、配信時間上限までの残り時間が0になると(ステップS340においてYES)、サーバ10は、コンテンツの配信を強制的に終了させる(ステップS350)。具体的には、配信画面70の配信停止ボタン76が選択された場合と同様に、配信端末30からサーバ10へのコンテンツデータの送信を停止させる。また、期間別配信管理テーブル155において、対応する配信ユーザの当月の上限到達フラグが、配信時間上限に到達したことを示す値に更新される。
【0102】
図22は、配信が強制的に終了された場合の配信終了画面90を例示する。この状態の配信終了画面90では、図示するように、残り時間表示領域92において、当月の配信時間上限に加えて、配信時間上限に到達した旨が表示される。
【0103】
この例では、配信時間上限までの残り時間が0になる(つまり、配信時間実績が配信時間上限に到達する)と、当月の配信が禁止される。具体的には、配信時間上限までの残り時間が0になっているユーザ(期間別配信管理テーブル155の上限到達フラグを参照することによって特定される。)がトップ画面50の配信ボタン56を選択すると、
図23に例示する配信禁止画面200が出力される。当該画面200は、図示するように、配信時間上限に到達しているため、来月まで配信ができない旨を表示する。
【0104】
この例では、ユーザに対して設定されている配信時間上限、及び、当該上限までの残り時間は、ユーザに関する情報を表示する図示しないプロフィール画面においても表示され、ユーザは、ユーザ自身及び他のユーザの、配信時間上限及びその残り時間を知ることができる。
【0105】
上述した例では、対象期間(前月及び当月)におけるユーザの最高ランクに基づいて、当該ユーザに対する配信時間上限を設定するようにしたが、最高ランク以外のパラメータの値に基づいて、配信時間上限を設定するようにしてもよい。例えば、年齢が高いほど、配信時間上限を大きくするようにしてもよい。また、ユーザの配信活動のタイプ(事務所所属の専門ユーザ、又は、一般ユーザ等)をユーザ情報テーブル151等において管理し、当該タイプに基づいて配信時間上限が設定されるようにしてもよい。
【0106】
上述した例では、毎日のランクの更新によって対象期間における最高ランクが更新された場合に、更新後の最高ランクに基づいて、当月の配信時間上限が更新されるようにしたが、その他の情報に基づいて、当月の配信時間上限が途中で変更されるようにしてもよい。例えば、連続配信時間(配信継続時間)が閾値(例えば、10時間)に到達すると、当月の配信時間上限が所定値(例えば、5時間)だけ減少するようにし、又は、コンテンツの配信間隔が閾値(例えば、24時間等)に到達すると、当月の配信時間上限が所定値(例えば、10時間)だけ増加するようにしてもよい。また、こうしたコンテンツの配信状況以外の情報に基づいて配信時間上限が変更されるようにしてもよく、例えば、睡眠時間及び歩数等のユーザの健康に関する健康情報をユーザ端末30等から取得し、取得した健康情報に基づいて、配信時間上限が変更されるようにしてもよい。
【0107】
上述した例では、コンテンツ配信サービスが、配信端末30が有するカメラ及びマイクを介して入力(撮影)される配信ユーザの動画及び音声によって構成されるコンテンツのライブ配信を行うためのサービスとして構成されるようにしたが、本実施形態の他の例では、これ以外の様々なコンテンツが配信される。例えば、コンテンツは、配信ユーザのキャラクタを含む動画、及び、当該配信ユーザの音声によって構成されてもよいし、所定画像及び配信端末30から送信される音声によって構成されてもよい。
【0108】
以上説明した本実施形態のコンテンツ配信サーバ10は、所定期間(例えば、当月)におけるコンテンツの合計配信時間が上限値に到達した配信ユーザによる当該所定期間におけるコンテンツの配信を禁止し、さらに、こうした上限値に到達した配信ユーザについて、その後の期間(例えば、翌月)における上限値を小さくするから、長時間の配信を行った配信ユーザによる過剰な配信の継続を抑制することができる。このように、サーバ10は、配信ユーザによるコンテンツの適正な配信を促進する。
【0109】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるコンテンツ配信サーバ10が有する機能の一部又は全部は、サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。つまり、本発明のシステムは、サービス提供サーバ10によって構成される他、サービス提供サーバ10及びユーザ端末30によって構成され、又は、ユーザ端末30によって構成され得る。
【0110】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0111】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0112】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 コンテンツ配信サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 管理機能制御部
112 コンテンツ配信制御部
15 ストレージ(記憶装置)
151 ユーザ情報テーブル
153 配信管理テーブル
155 期間別配信管理テーブル
20 通信ネットワーク
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
50 トップ画面
60 配信準備画面
69 残り時間表示領域
70 配信画面
80 視聴画面
88 残り時間通知領域
89 残り時間CD領域
90 配信終了画面
92 残り時間表示領域
200 配信禁止画面